JP2003510511A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JP2003510511A
JP2003510511A JP2001527106A JP2001527106A JP2003510511A JP 2003510511 A JP2003510511 A JP 2003510511A JP 2001527106 A JP2001527106 A JP 2001527106A JP 2001527106 A JP2001527106 A JP 2001527106A JP 2003510511 A JP2003510511 A JP 2003510511A
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casing
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ベーエ マティアス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、圧電式または磁歪式の作動子(3)と、該作動子(3)によって弁ニードル(17)を介して作動可能であって弁座面(18)と協働してシール座を形成する弁閉鎖体(30)とを備えた形式の、燃料噴射弁(1)、特に内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁に関する。本発明では作動子(3)が予荷重ばね(5)によって予荷重をかけられており、かつ前記の作動子(3)が前記予荷重ばね(5)と共に、両端で液体支承されている1つの作動子ケーシング2によって包囲されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 技術分野: 本発明は、独立請求項に発明の上位概念として規定したように、圧電式または
磁歪式の作動子と、該作動子によって弁ニードルを介して作動可能であって弁座
面と協働してシール座を形成する弁閉鎖体とを備えた形式の、燃料噴射弁、特に
内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁に関する。
【0002】 背景技術: 一般に燃料噴射弁の圧電式作動子の長さ変動は、液圧装置による温度影響によ
って、或いは適当な材料コンビネーションの選択によって補償される。
【0003】 欧州特許出願公開第0869278号明細書に基づいて、作動子の長さ変動を
適当な材料コンビネーションによって補償する形式の燃料噴射弁が公知になって
いる。この刊行物に基づいて明らかになる燃料噴射弁は、作動子室内に配置され
た作動子を有し、該作動子は受圧肩と形状嵌合式に結合されており、該受圧肩を
介して作動子は圧縮ばねのばね力に抗して弁ニードルに対して作用する。前記作
動子は一方の側では受圧プレートに支持され、また他方の側では調整部材に支持
されている。作動子の作動時に弁ニードルは燃料噴出方向に作動される。
【0004】 作動子の、温度に起因した長さ変動の補償は、前記刊行物では複数の補償円板
によって達成され、該補償円板は受圧プレートと作動子の端面との間に配置され
ている。該補償円板は、逆符号を有する作動子エレメントに相当する温度膨張係
数を有している。つまり作動子が昇温によって短縮すると補償円板は膨張し、こ
れによって作動子の熱的長さ変化を補償する。
【0005】 この構成形態の欠点は殊に、製作費が比較的高いコストを伴うことであり、こ
の高いコストは特に材料(例えばINVAR)の選択によって生じる。
【0006】 液圧装置による長さ変動の補償は、例えば欧州特許出願公開第0477400
号明細書に基づいて公知になっている。この形式の構成形態における基本的な欠
点は、多量の液体体積が押出され、これによってキャビティ形成の傾向が増大す
る点にある。
【0007】 発明の開示: 独立請求項の特徴部に記載した本発明の構成手段、つまり作動子が予荷重ばね
によって予荷重をかけられており、かつ前記の作動子と予荷重ばねが、両端で液
体支承されている1つの作動子ケーシングによって包囲されているという構成手
段を備えた燃料噴射弁は、従来技術に対比して、構成部品の構造が単純になり、
ひいては燃料噴射弁の作業態様が確実かつ精確になるばかりでなく、特に両端が
液体で支承されておりかつキャビティ障害を避けるための緩衝体積が僅かになる
という利点が得られる。
【0008】 従属請求項に記載した手段によって、独立請求項に記載した燃料噴射弁の更に
有利な構成が可能になる。
【0009】 特に作動子をカプセル状に密封しかつ該作動子に予荷重をかけておくのが有利
なのは、作動子の準静的な熱的長さ変化を、コスト高な材料コンビネーションに
よって補償する必要がなくなり、予荷重ばねの予荷重の変化によって補償できる
からである。これによって作動子ケーシングの全長は、熱的な長さ変動に左右さ
れることはない。従って弁ケーシングに対する作動子ケーシングの位置変化だけ
が補償されればよい。
【0010】 弁ケーシングに対して作動子ケーシングを封止することは、化学的に攻撃的な
燃料によって作動子が侵食を受けることがないという利点を有している。
【0011】 燃料を液圧媒体として使用することは、リーク損失を燃料供給によって永続的
に補償できるという利点を有している。
【0012】 実施例の説明: 次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。
【0013】 図1には、本発明による燃料噴射弁1の1実施例が軸方向断面図で図示されて
いる。この場合の燃料噴射弁は、内向きに開いた燃料入口28を介して燃料を上
部中心から供給するいわゆるトップ・フィード・タイプの噴射弁である。
【0014】 作動子ケーシング2内には、中央切欠部29を有するリング状に形成された作
動子3と予荷重ばね5が配置されており、前記作動子3は、複数の円板状の圧電
式または磁歪式のエレメント4から成っている。該作動子3は外部電圧源によっ
て差込み接点12を介して作動される。図面を簡単にするために図1では1つの
個別的な接点13だけが図示されているにすぎない。作動子ケーシング2は両端
を、第1の外位フランジ6と第2の外位フランジ7とによって閉塞されており、
両外位フランジ6,7は第1のシールエレメント8と第2のシールエレメント9
によって、作動子3の外周を包囲する弁ケーシング10に対して封止されている
【0015】 第1の外位フランジ6は、第1の円板31と第1のスリーブ32とから成って
いる。第1の円板31は、作動子3の第1の端面24に当接している。第2の外
位フランジ7は、第2の円板33と第2のスリーブ34とから成っている。第2
の円板33は、予荷重ばね5の第1のばね端部26に当接している。作動子3の
第2の端面25と予荷重ばね5の第2のばね端部27は、1つの中位フランジ1
1に支えられている。作動子3は予荷重ばね5によって中位フランジ11を介し
て保持される。
【0016】 中位フランジ11は、殊に有利にはシーム溶接継手14によって作動体15と
伝力結合されている。該作動体15は、作動子3の中央切欠部29内に配置され
ており、かつ延長部35を介して弁ニードル17と結合し、該弁ニードルには弁
閉鎖体30が形成されている。弁閉鎖体30が弁座体の弁座面18から離間する
と、燃料が噴出オリフィス19を通って噴出される。作動体15は流入側で戻し
ばね20に支持されており、かつ作動体15の噴出側延長部35は弁ニードル1
7のフランジ36の背面に係合している。弁ニードル17のフランジ36と作動
体15との間には、ばね16が締め込まれている。前記作動体15は、閉弁運動
時に弁ニードル17に向かって振動することができるので、弁ニードル17の慣
性質量だけが弁座面18に当接するにすぎない。これによってチャタリングが回
避される。燃料は作動体15のインナーレセス37とフランジ36の上流側の複
数の横孔38と少なくとも1つの通路39とを介してシール座へ流れる。
【0017】 第1の外位フランジ6の第1のスリーブ32と弁ケーシング10との間には第
1のリング状緩衝室21が位置している。第2の外位フランジ7の第2のスリー
ブ34と弁ケーシング10との間には第2のリング状緩衝室22が位置している
。第1と第2のリング状緩衝室21,22は、案内ギャップ23を介して絞られ
て燃料入口28に接続しており、これによって両リング状緩衝室には燃料が緩衝
媒体として充填されている。両リング状緩衝室21,22は作動子ケーシング2
を弁ケーシング10に対して緩衝する。必要に応じて緩衝媒体は案内ギャップ2
3を介して供給または放出される。従って作動子ケーシング2は、第1のリング
状緩衝室21の体積と第2のリング状緩衝室21の体積を反転させつつ弁ケーシ
ング10内を軸方向に摺動自在である。
【0018】 図1に示した本発明の燃料噴射弁1の作動子3に作動電圧が接続されると、作
動子3の円板状エレメント4は膨張し、これによって中位フランジ11は、燃料
の流動方向とは逆向きに動かされる。予荷重ばね5は、すでに存在している予荷
重に抗して更に緊縮される。弁閉鎖体30は弁座面18から離間し、かつ燃料は
噴出オリフィス19を通って噴出される。
【0019】 内燃機関における本発明の燃料噴射弁1の運転時の作動子3の高い作動周波数
によって、作動子ケーシング2の両外位フランジ6,7と弁ケーシング10との
間に位置する両緩衝室21,22の緩衝媒体は、圧縮不能な液体のように挙動す
る。それというのは作動子3の作動時に該作動子3は、緩衝媒体が案内ギャップ
23を通って逃げ得るよりも著しく早く膨張されるからである。
【0020】 燃料噴射弁1は運転時に強い温度変動を受ける。第1に燃料噴射弁1全体が内
燃機関の燃焼室との接触によって加熱され、第2に、例えば圧電式作動子3の変
形時の損失パワーによって、或いは電荷運動によって、局所的な温度効果が発生
する。その結果、円板状のエレメント4の熱的な長さ短縮が生じる。それという
のは圧電セラミックが負の温度膨張係数を有し、要するに加熱時に収縮し、冷却
時に膨張するからである。
【0021】 加熱による作動子3のこのような短縮は、作動子ケーシング2の内部で、予荷
重のかかった予荷重ばね5の膨張によって補償される。作動子2の短縮は予荷重
ばね5を伸長させることになる。中位フランジ11はシーム溶接継手14によっ
て作動体15に固着されているので、作動子3の長さ変化から、作動子ケーシン
グ2の位置変化が生じる。作動子ケーシング2のこの位置変化は、弁ケーシング
10の内部での作動子ケーシング2の液体支承によって対処される。それという
のは、温度影響によって弁ケーシング10に対して相対的に作動子ケーシング2
の位置が準静的に変化する場合、作動子ケーシング2の運動は、緩衝媒体が案内
ギャップ23を通って逃げ得るように、もしくは後流れできるように、ゆっくり
行われるからである。
【0022】 本発明は、図示の実施例のみに限定されるものではなく、燃料噴射弁1の多数
の別構造形式においても実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による燃料噴射弁の1実施例の軸方向断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁、 2 作動子ケーシング、 3 作動子、 4 圧電式また
は磁歪式のエレメント、 5 予荷重ばね、 6 第1の外位フランジ、 7
第2の外位フランジ、 8 第1のシールエレメント、 9 第2のシールエレ
メント、 10 弁ケーシング、 11 中位フランジ、 12 差込み接点、
13 接点、 14 シーム溶接継手、 15 作動体、 16 ばね、 1
7 弁ニードル、 18 弁座面、 19 噴出オリフィス、 20 戻しばね
、 21 第1のリング状緩衝室、 22 第2のリング状緩衝室、 23 案
内ギャップ、 24 第1の端面、 25 第2の端面、 26 第1のばね端
部、 27 第2のばね端部、 28 燃料入口、 29 中央切欠部、 30
弁閉鎖体、 31 第1の円板、 32 第1のスリーブ、 33 第2の円
板、 34 第2のスリーブ、 35 延長部、 36 フランジ、 37 イ
ンナーレセス、 38 横孔、 39 通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マティアス ベーエ ドイツ連邦共和国 ルートヴィッヒスブル ク ヘルンレスハルデ 3 (72)発明者 ギュンター ホール ドイツ連邦共和国 シュツツトガルト ク ナッペンヴェーク 46 (72)発明者 ノルベルト カイム ドイツ連邦共和国 レヒガウ トラミナー ヴェーク 10 Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD12 BA22 BA35 BA38 BA40 BA44 BA50 BA61 CC01 CC06U CC21 CC51 CC66 CD04 CD10 CE27 CE34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電式または磁歪式の作動子(3)と、該作動子(3)によ
    って弁ニードル(17)を介して作動可能であって弁座面(18)と協働してシ
    ール座を形成する弁閉鎖体(30)とを備えた形式の、燃料噴射弁(1)、特に
    内燃機関の燃料噴射装置用の噴射弁において、 作動子(3)が予荷重ばね(5)によって予荷重をかけられており、かつ前記
    の作動子(3)と予荷重ばね(5)が、両端で液体支承されている1つの作動子
    ケーシング(2)によって包囲されていることを特徴とする、燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 作動子ケーシング(2)の第1の端部寄り外位フランジ(6
    )が、弁ケーシング(10)に対して第1のシールエレメント(8)によって封
    止されており、かつ作動子ケーシング(2)の第2の端部寄り外位フランジ(7
    )が、前記弁ケーシング(10)に対して第2のシールエレメント(9)によっ
    て封止されている、請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 【請求項3】 第1の外位フランジ(6)が作動子(3)の第1の端面(2
    4)に当接し、第2の外位フランジ(7)が予荷重ばね(5)の第1のばね端部
    (26)に当接しており、かつ作動子(3)の第2の端面(25)および予荷重
    ばね(5)の第2のばね端部(27)が中位フランジ(11)に支持されている
    、請求項2記載の燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】 弁ニードル(17)に連結している作動体(15)が、中位
    フランジ(11)と固着結合されている、請求項3記載の燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】 作動ケーシング(2)が第1の外位フランジ(6)でもって
    、緩衝媒体の充填された第1のリング状緩衝室(21)を画定し、かつ第2の外
    位フランジ(7)でもって、緩衝媒体の充填された第2のリング状緩衝室(22
    )を画定している、請求項3または4記載の燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】 第1のリング状緩衝室(21)と第2のリング状緩衝室(2
    2)が、案内ギャップ(23)を介して絞られた状態で燃料入口(28)に接続
    している、請求項5記載の燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】 作動子ケーシング(2)が、第1のリング状緩衝室(21)
    の容積と第2のリング状緩衝室(22)の容積との相反変化の下で軸方向にシフ
    ト自在である、請求項5または6記載の燃料噴射弁。
  8. 【請求項8】 作動子(3)の熱的な長さ変化に起因していて中位フランジ
    (11)を介して伝達される作動子ケーシング(2)の準静的な位置変化が、案
    内ギャップ(23)を介して緩衝媒体を流入しまたは逃がすことによる、第1の
    リング状緩衝室(21)と第2のリング状緩衝室(22)の容積補償によって補
    償される、請求項6記載の燃料噴射弁。
  9. 【請求項9】 燃料噴射弁(1)を通流する燃料が緩衝媒体として使用され
    る、請求項5から8までのいずれか1項記載の燃料噴射弁。
  10. 【請求項10】 作動子(3)が、中央切欠部(29)をもってリング状に
    形成されており、前記中央切欠部内で、弁ニードル(17)に対して作用する作
    動体(15)が案内されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の燃料
    噴射弁。
JP2001527106A 1999-09-30 2000-09-28 燃料噴射弁 Pending JP2003510511A (ja)

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