JP4120229B2 - 電磁駆動弁 - Google Patents

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JP4120229B2 JP2002036328A JP2002036328A JP4120229B2 JP 4120229 B2 JP4120229 B2 JP 4120229B2 JP 2002036328 A JP2002036328 A JP 2002036328A JP 2002036328 A JP2002036328 A JP 2002036328A JP 4120229 B2 JP4120229 B2 JP 4120229B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁又は排気弁として用いられる電磁駆動弁に関し、詳しくはそれら吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁側及び閉弁側に付勢する一対の気体ばねを備えた電磁駆動弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電磁駆動弁としては、例えば特開平11−93630号公報のに記載されたものがある。この電磁駆動弁は、例えばその一例を図6に示すように、内燃機関のシリンダヘッド100に凹部111が形成されているとともにその開口上端面が弁体101を開弁側に吸引する電磁石(開弁用電磁石)152で覆われている。そして、この凹部111内に閉弁用空気ばね(気体ばね)120及び開弁用空気ばね(気体ばね)130が形成されている。ここで、閉弁用空気ばね120は、上記凹部111の底面側に配置されて弁体101の弁軸に連結されたピストン122を備えている。そして、このピストン122と凹部111の下方部分とによって区画される圧力室123内の圧縮空気によって、同ピストン122に上記弁体101を閉弁させる方向の付勢力を付与する構造となっている。また、開弁用空気ばね130は、上記凹部111の開口部側に配置されて上記電磁石152の電磁力の作用するアーマチャ151の支持軸(アーマチャ軸150)に連結されたピストン132を備えている。そして、このピストン132と凹部111の上方部分とによって区画される圧力室133内の圧縮空気によって、同ピストン132に上記弁体101を開弁させる方向への付勢力を付与する構造となっている。
【0003】
そして、上記開弁用空気ばね130のピストン132に連結されたアーマチャ軸150と閉弁用空気ばね120のピストン122に連結された弁軸102とは、これら各ピストン122、132を貫通して突出、対向するように、それぞれ対応するピストンに連結されている。これにより、これら突出、対向するアーマチャ軸150と弁軸102とによって、動力を伝達するためのタペットが構成される。すなわち、例えば開弁用空気ばね130の圧力室133が伸張する場合には、開弁用空気ばね130の付勢力がアーマチャ軸150を介して弁軸102へと伝達される。
【0004】
また、上記アーマチャ151を挟んで上記凹部111を覆う電磁石152と対向する位置には、上記弁体101を閉弁方向に吸引する電磁石(閉弁用電磁石)153が設けられている。そして、このアーマチャ151が上記閉弁用電磁石153に吸引されると、上記開弁用空気ばね130のピストン132及びアーマチャ軸150が閉弁方向に付勢される。これにより、開弁用空気ばね130は、自身の弾性力によってそのピストン132及びアーマチャ軸150を開弁方向に付勢するようになる。このため、閉弁用電磁石153による吸引力が低減されると、弁軸102と連結される弁体101が開弁されることとなる。
【0005】
一方、アーマチャ151が開弁用電磁石152に吸引されると、上記閉弁用空気ばね120のピストン122及び弁軸102が開弁方向に付勢される。これにより、開弁用空気ばね120は、自身の弾性力によってそのピストン122及び弁軸102を閉弁方向に付勢するようになる。このため、開弁用電磁石152による吸引力が低減されると、弁軸102と連結される弁体101が閉弁されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記開弁用空気ばね130及び閉弁用空気ばね120は、通常、ピストンの変位に対して同ピストンに加わる力(弾性力)が互いに等しくなるように構成されている。すなわち、開弁用空気ばね130と閉弁用空気ばね120とはそれら圧力室の内径や全長が等しくなるよう設定されている。これにより、これら一対の空気ばね120、130による弁体101の付勢力を、その開弁側と閉弁側とで同一のものとすることができ、ひいては、上記一対の電磁石152、153による弁体101の開閉駆動についてもその安定性を高めることができるようになる。
【0007】
ただし、上記弁体101は、開弁時、弁体101自身や弁軸102等の慣性によってオーバーシュートする傾向にある。すなわち、上記アーマチャ151が開弁用電磁石152に着座する位置まで変位した後に、弁軸102がアーマチャ軸150から離間して更に変位する傾向がある。そして、このようなオーバーシュートが生じると、閉弁用空気ばね120のピストン122が凹部111底面、すなわちシリンダ底面に衝突するおそれがあり、電磁駆動弁としての信頼性の低下を招きかねない。
【0008】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねのとしての弾性力を略同一に設定しつつもより高い信頼性をもって弁体を開閉駆動することのできる電磁駆動弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁において、前記開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとの各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しい条件のもとで、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する手段を備えることをその要旨とする。
【0010】
上記構成では、アーマチャがその両面に対向して配された一対の電磁石によって付勢される。このため、アーマチャ及びアーマチャ軸は、少なくともこの一対の電磁石間によってその変位領域が制限される。このため、このアーマチャ軸と連結されたピストンを備える開弁用気体ばねについても、その変位領域がアーマチャ軸の変位領域によって制限されている。
【0011】
したがって、開弁用気体ばねについては、そのピストンの変位領域を上記アーマチャ軸の変位領域よりも大きく設定しておくなら、このピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題を回避することができる。
【0012】
これに対し、閉弁用気体ばねにおいては、そのピストンが自身の慣性等によってオーバーシュートすることが、換言すれば上記アーマチャ軸の変位領域によって規定される変位領域である本来の全開位置を超えて変位することがある。そして、このように規定された変位領域を越えて変位した場合、ピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題が生じることがある。
【0013】
ここで、上記構成では、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する手段を備える。これにより、閉弁用気体ばねのピストンのオーバーシュートに起因する衝突を回避することができる。
【0014】
しかもこの際、開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとは、釣り合いの位置において各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しく設定される。これにより、これら一対の気体ばねは、釣り合いの位置からのピストンの変位に対してピストンの受圧面に加わる力(弾性力)が互いに等しくなる。したがって、上記構成によれば、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの弾性力を略同一に設定しつつもその信頼性を好適に維持することができるようになる。
【0015】
なお、ここで、ピストン受圧面とは、気体ばねの圧力室の圧縮気体によってピストン変位方向に圧力が加わる気体ばねの可動部の面のことをいう。また、釣り合いの位置とは、一対の気体ばねに対して外部環境のパラメータが全て同一との条件下での互いの弾性力が釣り合って静止する位置をいう。
【0016】
ちなみに、これらピストンに加わる力については、次のようになる。まず、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの釣り合いの位置においては、これら一対の気体ばねのピストン変位方向に加わる力は等しいから、同ピストン変位方向の圧力PO、PCを受ける面積SO、SCとして、
PO×SO =PC×SC …(c1)
が成立する。また、気体の温度等、外部環境に起因するパラメータについては略一定であるとすると、釣り合いの位置における開弁用気体ばね内の圧力PO及び閉弁用気体ばね内の圧力PCは略等しい。すなわち、
PO=PC …(c2)
が成立する。したがって、
SO=SC …(c3)
が成立する。また、気体ばねに収容される気体を簡略化のため理想気体とすると、気体ばねに収容される気体の圧力P、同気体を収容する空間の容積Vとして、気体の温度等が一定の場合には、これらの積が一定となる。したがって、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの上記一定値を、それぞれCO、CCとし、釣り合いの位置におけるこれらの容積をVO、VCとして、
PO×VO=CO …(c4)
PC×VC=CC …(c5)
が成立する。
【0017】
一方、これら開弁用気体ばね又は閉弁用気体ばねが釣り合いの位置から上記容積VO、VCが膨張する側に変位した場合、これらの変位量が互いに等しいときには、上記(c3)より容積の変化量は互いに等しい量ΔVとなる。このため、このときの開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの圧力をPO’、PC’とすると、(ΔVの変位に伴う仕事量を簡略化のために無視すると)
PO’×(VO+ΔV)=CO …(c6)
PC’×(VC+ΔV)=CC …(c7)
が成立する。ここで、変位量が等しいときには、上記一対の気体ばねの弾性力が等しいとすると、上式(c3)から
PO’=PC’ (c8)
が成立する。そして、(c2)、(c3)〜(c8)より
VO=VC …(c9)
が成立する。したがって、上記(c2)より、上記一対の気体ばねの弾性力を等しいとすると、釣り合いの位置でのこれらの容積が互いに等しくなる。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記拡大する手段は、前記開弁用空気ばねと前記閉弁用空気ばねとの各圧力室の容積が等しい前記条件を維持するためのものとして、前記開弁用空気ばねの圧力室内に設けられて、閉弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を開弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大したことにともなう閉弁用空気ばねの圧力室の容積の増大分を開弁用空気ばねの圧力室において確保する窪みを含むものであることをその要旨とする。
【0019】
上記構成では、開弁用気体ばねの圧力室内に窪みを設けることで、それぞれ釣り合い位置からの閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する場合であれ、一対の気体ばねの圧力室の容積を等しくすることができる。
【0020】
なお、請求項2記載の発明は、請求項3記載の発明によるように、前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストンの受圧面に設けられてなるようにしてもよい。
請求項4記載の発明は、アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁において、前記開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとの各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しい条件のもとで、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離が前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大されるように、それら開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとでばね形状が異ならしめられてなることをその要旨とする。
【0021】
上記構成では、アーマチャがその両面に対向して配された一対の電磁石によって付勢される。このため、アーマチャ及びアーマチャ軸は、少なくともこの一対の電磁石間によってその変位領域が制限される。このため、このアーマチャ軸と連結されたピストンを備える開弁用気体ばねについても、その変位領域がアーマチャ軸の変位領域によって制限されている。
【0022】
したがって、開弁用気体ばねについては、そのピストンの変位領域を上記アーマチャ軸の変位領域よりも大きく設定しておくなら、このピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題を回避することができる。
【0023】
これに対し、閉弁用気体ばねにおいては、そのピストンが自身の慣性等によってオーバーシュートすることが、換言すれば上記アーマチャ軸の変位領域によって規定される変位領域である本来の全開位置を超えて変位することがある。そして、このように規定された変位領域を越えて変位した場合、ピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題が生じることがある。
【0024】
ここで、上記構成では、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大されるよう開弁用気体ばねと閉弁用気体ばねとでばね形状が異ならしめられてなる。これにより、閉弁用気体ばねのピストンのオーバーシュートに起因する衝突を回避することができる。
【0025】
しかもこの際、開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとは、釣り合いの位置において各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しく設定される。これにより、これら一対の気体ばねは、釣り合いの位置からのピストンの変位に対してピストンの受圧面に加わる力(弾性力)が互いに等しくなる。したがって、上記構成によれば、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの弾性力を略同一に設定しつつもその信頼性を好適に維持することができるようになる。
【0026】
なお、ここで、ピストン受圧面とは、気体ばねの圧力室の圧縮気体によってピストン変位方向に圧力が加わる気体ばねの可動部の面のことをいう。また、釣り合いの位置とは、一対の気体ばねに対して外部環境のパラメータが全て同一との条件下での互いの弾性力が釣り合って静止する位置をいう。
【0027】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記開弁用空気ばねの圧力室内に窪みが設けられることで、前記各気体ばねのばね形状が異ならしめられることをその要旨とする。
【0028】
上記構成では、開弁用気体ばねの圧力室内に窪みを設けることで、それぞれ釣り合い位置からの閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離が開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大される場合であれ、一対の気体ばねの圧力室の容積を等しくすることができる。
【0029】
なお、請求項5記載の発明は、請求項6記載の発明によるように、前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストン受圧面に設けられてなるようにしてもよい。
請求項7記載の発明は、アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記開弁用気体ばねと同一の弾性力をもって前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であって、前記開弁用気体ばねの圧力室及び前記閉弁用気体ばねの圧力室のうち、前記開弁用気体ばねの圧力室にのみ窪みが設けられることをその要旨とする。
【0030】
上記構成では、アーマチャがその両面に対向して配された一対の電磁石によって付勢される。このため、アーマチャ及びアーマチャ軸は、少なくともこの一対の電磁石間によってその変位領域が制限される。このため、このアーマチャ軸と連結されたピストンを備える開弁用気体ばねについても、その変位領域がアーマチャ軸の変位領域によって制限されている。
【0031】
したがって、開弁用気体ばねについては、そのピストンの変位領域を上記アーマチャ軸の変位領域よりも大きく設定しておくなら、このピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題を回避することができる。
【0032】
これに対し、閉弁用気体ばねにおいては、そのピストンが自身の慣性等によってオーバーシュートすることが、換言すれば上記アーマチャ軸の変位領域によって規定される変位領域である本来の全開位置を超えて変位することがある。そして、このように規定された変位領域を越えて変位した場合、ピストンがこれを収納するシリンダの底面に衝突するなどの問題が生じることがある。
【0033】
こうした問題を回避するためには、例えばそれぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大するようにすることが考えられる。
【0034】
ただし、こうした場合、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねのピストン受圧面積を同一としたところで、これら一対の気体ばねの釣り合いの位置での圧力室の容積が等しくならないことがある。そして、これに起因して、釣り合いの位置からのピストンの変位に対するピストン受圧面に加わる力(弾性力)が略同一とならないことがある。
【0035】
この点、上記構成によれば、開弁用気体ばねの圧力室に窪みを設けることで、開弁用気体ばね及び閉弁用気体ばねの釣り合いの位置での圧力室の容積を等しくすることができ、ひいては、弾性力を略一定とすることが可能となる。
【0036】
なお、ここで、釣り合いの位置とは、一対の気体ばねに対して外部環境のパラメータが全て同一との条件下での互いの弾性力が釣り合って静止する位置をいう。
【0037】
なお、請求項7記載の発明は、請求項8記載の発明によるように、前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストン受圧面に設けられてなるようにしてもよい。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、前記開弁用気体ばねのピストン及び閉弁用気体ばねのピストン間には、それら各ピストンを隔壁として前記アーマチャ軸と前記弁軸とのタペットクリアランスを調整するための油圧ラッシュアジャスタ機構が設けられてなることをその要旨とする。
【0038】
上記構成によれば、油圧ラッシュアジャスタ機構によってタペットクリアランスが調整されることで、閉弁用気体ばねのオーバーシュート量を低減することができるようになる。したがって、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する際、その拡大量を低減させることができる。
【0039】
請求項10記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、前記開弁用気体ばねのピストン及び閉弁用気体ばねのピストン間には、各ピストンのそれぞれ対向する面に設けられた突起部と、該一対の突起部を覆う弾性体からなるシール部材と、これら各突起部及びシール部材によって囲まれた空間に充填された粘性流体とからなる緩衝機構が設けられてなることをその要旨とする。
【0040】
上記構成によれば、緩衝機構によって、閉弁用空気ばねのオーバーシュート量を低減することができるようになる。したがって、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する際、その拡大量を低減させることができる。
【0041】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁駆動弁において、前記内燃機関のシリンダヘッドには凹部が形成されているとともに、この凹部の開口側に前記開弁用気体ばねが、同凹部の底面側に前記閉弁用気体ばねがそれぞれ互いのピストンが対向するように設けられてなることをその要旨とする。
【0042】
上記構成では、開弁用気体ばねの圧力室にはアーマチャ軸が、また閉弁用気体ばねの圧力室には弁軸が、それぞれ挿入されている。このため、ピストンの受圧面積を簡易に等しくすることができる。すなわち、例えばアーマチャ軸及び弁軸の断面積及びピストン断面積を互いに等しくすることで、圧力室内の圧縮気体によってピストン変位方向の圧力を受ける面の面積を等しくすることができる。
【0043】
また、上記構成では、開弁用気体ばねと閉弁用気体ばねとがシリンダヘッドの凹部に形成されていることで、これら両気体ばねのピストンの変位領域がこれら両気体ばねで共有されることとなる。したがって、電磁駆動弁の軸方向のサイズの増大を好適に抑制することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0045】
本実施形態にかかる電磁駆動弁は、アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて同アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石を備えている。また、この電磁駆動弁は、内燃機関のシリンダヘッドの凹部に上記弁体を開弁方向及び閉弁方向に付勢する一対の空気ばねを備えている。そして、これら一対の電磁石によってアーマチャに作用する電磁力と一対の空気ばねの付勢力との協働によって、弁体を開閉駆動する。
【0046】
図1に、この電磁駆動弁の構成を示す。同図1に示すように、弁体1には、内燃機関のシリンダヘッド10において往復動可能に支持された弁軸2を備えている。
【0047】
上記弁体1は、シリンダヘッド10に形成された円柱状の凹部11に収納された閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30によって、開弁方向及び閉弁方向に付勢される。
【0048】
ここで、閉弁用空気ばね20については、上記凹部11の内周面とその外周面とを対向させてシリンダ21が配置されている。そして、このシリンダ21には、上記弁軸2の上記弁体1と対向する端部に連結されたピストン22が収容されている。詳しくは、このピストン22は円環状の部材であり、上記弁軸2がこのピストン22の中心を貫通するかたちで連結されている。そして、これらシリンダ21及びピストン22によって空間23が区画形成されている。この空間23は、シリンダ21に形成された連通孔24、25を介してシリンダヘッド10内に形成されている供給通路26、排出通路27とそれぞれつながっている。
【0049】
上記供給通路26は、逆止弁28を介してエアポンプ41によって圧縮された空気を供給する圧縮通路40と連結されている。この逆止弁28は、圧縮通路40内の空気の圧力が供給通路26内の空気の圧力よりも所定値以上高くなると開弁し、圧縮通路40内の空気を供給通路26へと供給する。一方、上記排出通路27は、同排出通路27内の空気の圧力が所定値以上となるとこれを大気に開放する逆止弁29が設けられている。なお、この排出通路27内の空気の圧力が所定値以上となるとこれを逆止弁29を介して大気へ開放する代わりに、同排出通路27を、逆止弁29を介して例えば内燃機関の吸気通路と連結させるようにしてもよい。
【0050】
上記閉弁用空気ばね20は、これらピストン22、シリンダ21、連通孔24、25、供給通路26、排出通路27、逆止弁28、29を備えて構成されている。また、ピストン22及びシリンダ21によって区画される空間23と、連通孔24、25及び供給通路26及び排出通路27によって区画される空間とによって閉弁用空気ばね20の圧力室が形成される。
【0051】
更に、凹部11には、閉弁用空気ばね20に対向して開弁用空気ばね30が収納されている。この開弁用空気ばね30については、上記凹部11の内周面とその外周面とが対向するようにシリンダ31が配置されている。そして、このシリンダ31には、上記電磁石の電磁力の作用するアーマチャの軸であるアーマチャ軸50と連結されたピストン32が収納されている。詳しくは、このピストン32は円環状の部材であり、上記アーマチャ軸50がこのピストン32の中心を貫通するかたちで連結されている。そして、これらシリンダ31及びピストン32によって空間33が区画形成されている。この空間33は、シリンダ31に形成された連通孔34、35を介してシリンダヘッド10内に形成されている供給通路36、排出通路37とそれぞれつながっている。
【0052】
上記供給通路36は、逆止弁38を介してエアポンプ41によって圧縮された空気を供給する圧縮通路40と連結されている。この逆止弁38は、圧縮通路40内の空気の圧力と供給通路36内の空気の圧力との差圧が所定値以上であるときに開弁し、圧縮通路40内の空気を供給通路36へ供給する。一方、上記排出通路37は、同排出通路37内の空気の圧力が所定値以上となるとこれを大気に開放する逆止弁39が設けられている。なお、この排出通路37内の空気の圧力が所定値以上となるとこれを逆止弁39を介して大気へ開放する代わりに、同排出通路37を逆止弁39を介して例えば内燃機関の吸気通路と連結させるようにしてもよい。
【0053】
上記開弁用空気ばね30は、これらピストン32、シリンダ31、連通孔34、35、供給通路36、排出通路37、逆止弁38、39を備えて構成されている。また、ピストン32及びシリンダ31によって区画される空間33と、連通孔34、35及び供給通路36及び排出通路37によって区画される空間とによって開弁用空気ばね30の圧力室が形成される。
【0054】
また、上記シリンダヘッド10の上記凹部11内周面には、孔12が形成されている。そして、これにより、閉弁用空気ばね20の空間23や開弁用空気ばね30の空間33から漏れ出した空気によって、上記一対のピストン22及び32によって区画される区間の空気の圧力が上昇することを抑制する。
【0055】
更に、上記アーマチャ軸50のうち、上記ピストン32と対向する端部には、高透磁性材料からなる円環状の部材であるアーマチャ51が連結されている。そして、このアーマチャ51を挟んで、その両側には、上記一対の電磁石として開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53が備えられている。なお、これら開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53は、シリンダヘッド10に取り付けられた電磁コアアッシー54によって覆われている。
【0056】
ここで、閉弁用電磁コア53は、アーマチャ51に対し上記ピストン32と対向する側に配置されている。そして、この閉弁用電磁コア53の電磁力がアーマチャ51に作用することで、同アーマチャ51が閉弁用電磁コア53に引き付けられる。これにより、開弁用空気ばね30によってアーマチャ軸50を開弁方向へ付勢しようとする力を打ち消すことができる。
【0057】
一方、開弁用電磁コア52は、アーマチャ51に対し上記ピストン32の配置される側に配置されている。詳しくは、この開弁用電磁コア52は、上記開弁用空気ばね30のシリンダ31の底部を形成する面のうち上記空間33と対向する側の面に載置されている。そして、この開弁用電磁コア52の電磁力がアーマチャ51に作用することで、同アーマチャ51が開弁用電磁コア52に引き付けられる。これにより、アーマチャ軸50は、弁体1の開弁方向へ付勢力を付与される。
【0058】
ところで、上記弁軸2がピストン22から突き出した端部と、アーマチャ軸50がピストン32から突き出した端部とは互いに対向して配置されている。換言すれば、弁軸2とアーマチャ軸50とは、同軸上に配置されている。これにより、弁軸2及びアーマチャ軸50は、動力(付勢力)の伝達を行うタペットとして機能する。そして、これにより上記閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の付勢力(弾性力)、並びに開弁用電磁コア52及び閉弁用電磁コア53の電磁力の協働により弁体1を開閉駆動する。
【0059】
すなわち、弁体1の開弁時には、外部からの電流制御によって開弁用電磁コア52に電磁力を生じさせる。これにより、アーマチャ51が開弁用電磁コア52に吸引される。このため、このアーマチャ51に作用する電磁力と開弁用空気ばね30の弾性力によってアーマチャ軸50が閉弁用空気ばね20のピストン22方向に付勢される。そして、このアーマチャ軸50に付与された付勢力は、弁軸2を介して弁体1に伝達される。これにより、弁体1が開弁方向に変位する。この弁軸2を介した弁体1への開弁方向の付勢力の付与は、(弁体1を全開位置まで制御する際には、)アーマチャ51が開弁用電磁コア52に着座するまで継続する。
【0060】
一方、弁体1の閉弁時には、外部からの電流制御によって閉弁用電磁コア53に電磁力を生じさせる。これにより、アーマチャ51が閉弁用電磁コア53に吸引される。このため、このアーマチャ51に作用する電磁力と、閉弁用空気ばね20の弾性力が弁軸2を介してアーマチャ軸50を閉弁用電磁コア53側に付勢する力とによって、アーマチャ軸50が変位する。これに伴い、弁体1は、弁軸2を介した閉弁用空気ばね20の付勢力によって閉弁用電磁コア53方向に変位する。この弁軸2を介した弁体1の閉弁方向への変位は、同弁体1がシリンダヘッド10に設けられたバルブシート13に着座するまで継続する。
【0061】
なお、このように弁体1がバルブシート13に着座し、またアーマチャ51が上記閉弁用電磁コア53に着座したときには、上記弁軸2及びアーマチャ軸50間に間隙(タペットクリアランス)が生じるよう設定する。
【0062】
ところで、上述したように、上記開弁時には、アーマチャ51が開弁用電磁コア52に着座した後においても、図2に示すように、弁軸2がオーバーシュートすることがある。そして、このオーバーシュートに伴い、閉弁用空気ばね20のピストン22がシリンダ21の底面に衝突するという問題が生じることについては上述したとおりである。
【0063】
そこで、本実施形態では、これら閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の構成を次のように設定する。すなわち、閉弁用空気ばね20と開弁用空気ばね30との釣り合いの位置において、閉弁用空気ばね20のピストン22及びシリンダ21底面間の距離を、開弁用空気ばね30のピストン32及びシリンダ31底面間の距離よりも拡大する。
【0064】
ここで、ピストン22及びシリンダ21底面間の距離は、アーマチャ51が開弁用電磁コア52に着座した後のピストン22の変位量である図2に示すオーバーシュート量Lvの分だけピストン32及びシリンダ31底面間の距離よりも拡大する。先の図1には、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30が釣り合った位置において、開弁用空気ばね30の上記距離が「L0」と、また閉弁用空気ばね20の上記距離が「L0+Lv」とそれぞれ設定された状態を示す。このオーバーシュート量Lvは、例えば当該電磁駆動弁を搭載する内燃機関の様々な運転状況を想定したシミュレーションから決定すればよい。また、実験によって決定してもよい。なお、ここで釣り合いの位置とは、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30に働く外力が互いに略等しいときにこれらが釣り合う位置をいう。
【0065】
また、このようにオーバーシュート量Lvだけピストン22及びシリンダ21底面間の距離を大きくしつつも、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の弾性力を略等しくするために、次のようにする。すなわち、空気ばね20、30が空間23、33からピストン22、32変位方向に圧力を受ける可動部の面の面積(ピストン受圧面積)を等しくする。更に、閉弁用空気ばね20と開弁用空気ばね30との釣り合いの位置において、これらの圧力室の容積が等しくなるようピストン32に窪み60を設ける。次に、この理由について述べる。
【0066】
空気ばねにおいて、ピストン22、32に加わる弾性力を決定するパラメータとしては、次のものがある。
・空気ばね20、30の圧力室の容積。(閉弁用空気ばね20においては、シリンダ21及びピストン22によって区画される空間23と、連通孔24、27及び供給通路26及び排出通路27によって区画される空間との容積。開弁用空気ばね30においては、シリンダ31及びピストン32によって区画される空間33と、連通孔34、37及び供給通路36及び排出通路37によって区画される空間との容積。)換言すれば、空気ばね20、30の弾性力を生成する圧縮空気を収容する略密閉された空間の容積。
・上記圧力室の圧縮空気によって圧力を受けるピストン22、32変位方向の面の可動部の面積(ピストン受圧面積)。この面積は、ピストン22、32の変位方向を法線とする面の面積(断面積)から弁軸2、アーマチャ軸50の断面積を除いたものである。
・上記空気ばね20、30の圧力室に収容される空気の温度。
【0067】
ここで、空気の温度等、外部環境に起因するパラメータについては閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30で略一定であるとすると、上記弾性力を決定するパラメータとしては、ピストン受圧面積及び圧力室の容積がある。そして、解決手段のところで述べたように、上記受圧面積と、釣り合いの位置での上記圧力室の容積とを等しくすることで、釣り合いの位置からのピストン22、33の変位に対して同ピストン22、33受圧面に加わる力(弾性力)を互いに等しく設定することが可能となる。
【0068】
具体的には、ピストン22及びシリンダ21底面間の距離をピストン32及びシリンダ31底面間の距離よりも大きくしつつも、上記弾性力を等しくするために、本実施形態では、次のようにする。すなわち、ピストン22及びピストン32の断面積と、アーマチャ軸50及び弁軸2の断面積とを等しくしつつ、ピストン32に上記アーマチャ軸50を中心とするドーナツ状の窪み60を設ける。この窪み60は、上記オーバーシュート量Lvとピストン面の面積との積によって求まる容積と等しい容積に設定する。なお、連通孔24、25及び連通孔34、35、供給通路26及び供給通路36、排出通路27及び排出通路37についてもこれらの断面積や通路方向の長さを互いに等しくする。
【0069】
これにより、オーバーシュートに起因するピストン22のシリンダ21底面への衝突を回避しつつも、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の弾性力を等しくすることができる。
【0070】
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)閉弁用空気ばね20と開弁用空気ばね30との釣り合いの位置において、閉弁用空気ばね20のピストン22及びシリンダ21底面間の距離を、開弁用空気ばね30のピストン32及びシリンダ31底面間の距離よりも大きく設定した。更に、ピストン22及びピストン32、並びにアーマチャ軸50及び弁軸2の面積を等しくするとともに、閉弁用空気ばね20と開弁用空気ばね30との釣り合いの位置において、これらの圧力室の容積を等しくした。これにより、オーバーシュートに起因するピストン22のシリンダ21底面への衝突を回避しつつも、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の弾性力を等しくすることができる。
【0071】
(2)開弁用空気ばね30のピストン受圧面に窪み60を設けることで、閉弁用空気ばね20と開弁用空気ばね30との釣り合いの位置において、これらが圧縮空気を収容する容積を簡易に等しくすることができる。
【0072】
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0073】
上記第1の実施形態では、上述したように、弁軸2及びアーマチャ軸50間に、上記弁体1を確実に閉弁させるべく、タペットクリアランスを設けた。これに対し、本実施形態では、上記タペットクリアランスを調整する油圧ラッシュアジャスタ機構を設ける。これにより、上記オーバーシュート量を低減することができる。このため、釣り合いの位置における閉弁用空気ばね20のシリンダ21及びピストン22間の距離を、開弁用空気ばね30のシリンダ31及びピストン32間の距離よりも拡大する拡大量を低減することができる。したがって、この拡大量に応じて形成される上記窪み60の容積についてもこれを低減することができる。
【0074】
図3(a)に、本実施形態にかかる電磁駆動弁において、上記開弁用空気ばね30のピストン22及び閉弁用空気ばね20のピストン32、並びにその周囲の構造を示す。
【0075】
同図3(a)に示すように、油圧ラッシュアジャスタ機構70は、高圧室71及び背圧室72からなるとともに、これら高圧室71及び背圧室72を区画形成する隔壁としてピストン22及びピストン32が用いられている。詳しくは、ピストン22のうちピストン32と対向する面には、背圧室用隔壁73が設けられている。一方、ピストン32のうちピストン22と対向する面には、高圧室用隔壁74が設けられている。これら背圧室用隔壁73、高圧室用隔壁74、ピストン22、32によって、高圧室71及び背圧室72が区画形成される。
【0076】
更に、ピストン32のうち、上記ピストン22側に突き出したアーマチャ軸50には、その軸方向に変位可能な弁79が備えられており、同弁79はスプリング75によってピストン22側に付勢されている。
【0077】
一方、ピストン22側に設けられた背圧室用隔壁73には、上記弁79が着座する着座壁76が設けられている。これにより、弁79が着座壁76に着座することで、高圧室71及び背圧室72間が仕切られる。そして、高圧室71及び背圧室72には作動油が充填されているとともに、高圧室71側の油圧は、背圧室72側の油圧と比較して高く設定されている。
【0078】
なお、この弁79及び着座壁76によって、高圧室71から背圧室72側への作動油の流出を禁止する逆止弁が構成される。また、本実施形態では、図3(a)に示すように、上記ピストン22からは弁軸2が突出していないようにして、同弁軸2にピストン22が連結されている。
【0079】
また、上記背圧室用隔壁73には連通孔77が形成されており、これにより、シリンダヘッド10に形成されている給油通路78と背圧室72とが連通されている。
【0080】
ところで、上記背圧室用隔壁73と上記高圧室用隔壁74との間には、クリアランスが設けられている。これにより、弁体1の開弁動作に伴いピストン32に大きな付勢力が付与される等、ピストン22及びピストン32間のタペットクリアランスが減少される場合には、図3(b)に示すような作動油の流出が生じる。すなわち、背圧室用隔壁73及び高圧室用隔壁74間のクリアランスを介して、高圧室71内の作動油が給油通路78側へと流出する。なお、この背圧室用隔壁73及び高圧室用隔壁74間のクリアランスは、これを介した作動油の流出によって、アーマチャ軸50の軸方向の長さが変位した場合等においても、弁体1の開弁時のリフト量を略一定に保てるように設定するのが望ましい。
【0081】
また、上記アーマチャ51が開弁用電磁コア52に着座することで、アーマチャ軸50の変位が停止された後、弁軸2等がその慣性力によって変位を続けようとしても、油圧ラッシュアジャスタ機構70によってその運動エネルギが速やかに低減される。すなわち、図3(c)に示すように、弁体1の変位に伴い給油通路78側から連通孔77を介して作動油が背圧室72、高圧室71へと流入することで、タペットクリアランスが拡大し、弁軸2のオーバーシュートが生じることがあるものの、この弁軸2の運動エネルギは、速やかに低減されていく。
【0082】
一方、アーマチャ51が閉弁用電磁コア53側に最大量変位した後にも弁体1がバルブシート13に着座していない場合等、ピストン22及びピストン32間のタペットクリアランスが増大される場合にも、図3(c)に示すような作動油の流入が生じる。すなわち、給油通路78側から連通孔77を介して作動油が背圧室72、高圧室71へと流入する。なお、上記スプリング75の弾性力は、アーマチャ51が閉弁用電磁コア53側に最大量変位する際、閉弁用空気ばね20によってピストン22が上記閉弁用電磁コア53側に付勢される際の付勢力によって作動油が高圧室71側へ流入することができるように設定するのが望ましい。
【0083】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)及び(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(3)油圧ラッシュアジャスタ機構70を設けることで、上記オーバーシュート量を低減することができる。このため、釣り合いの位置における閉弁用空気ばね20のシリンダ21及びピストン22間の距離を、開弁用空気ばね30のシリンダ31及びピストン32間の距離よりも拡大する拡大量を低減することができる。したがって、この拡大量に応じて形成される上記窪み60の容積についてもこれを低減することができる。
【0084】
(4)油圧ラッシュアジャスタ機構70を設けることで、上記弁軸2やアーマチャ軸50の長さの変化にかかわらず上記弁体1を確実に閉弁させることができるとともに、打音の発生も回避することができる。
【0085】
(5)油圧ラッシュアジャスタ機構70を一対のピストン22、32を隔壁として構成するために、同機構70を備える電磁駆動弁の大型化を好適に抑制することができる。更に、一対のピストン22、32を隔壁として利用するために、部品点数の低減を図ることができ、ひいては、電磁駆動弁の低コスト化を促進することができる。
【0086】
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる電磁駆動弁の第3の実施形態について、上記第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0087】
本実施形態では、油圧ラッシュアジャスタ機構の代わりに、図4に示す構成を有する緩衝機構80を備える。
図4に示すように、ピストン22には、弁軸2の軸線上であってこれと対向する面に突起部81が設けられている。この突起部81は、その外径が弁軸2の外径よりも大きく設定されている。また、ピストン32には、アーマチャ軸50の軸線上であってこれと対向する面に突起部82が設けられている。この突起部82は、その外径がアーマチャ軸50の外径よりも大きく設定されている。これら突起部81及び突起部82は、その上面に凹部81a、凹部82aがそれぞれ形成されている。そして、これら突起部81及び82の側壁には例えばゴムからなるシール部材83が設けられており、これにより、粘性流体室84が区画形成されている。そして、この粘性流体室84には、オイルやグリス等、粘性流体が充填されている。なお、上記シール部材83としては、粘性流体の移動に伴って変形可能であればよく、また、弾性体であることが望ましい。
【0088】
更に、この粘性流体室84の外側であって、ピストン22及びピストン32間には、これらの間隙を拡大する方向に力を及ぼすスプリング85が備えられている。上記緩衝機構80は、突起部81、82、シール部材83、スプリング85及び粘性流体室84に充填される粘性流体を備えて構成される。
【0089】
なお、これら突起部81及び突起部82間は、弁体1の閉弁時であってアーマチャ51が上記閉弁用電磁コア53に最大量変位したときに、間隙を有するように設定する。
【0090】
こうした構成において、弁体1の開弁動作に伴いピストン32に大きな付勢力が付与される場合等においては、ピストン22及びピストン32間のタペットクリアランスが減少される。ただし、スプリング85及び粘性流体室84内に充填された粘性流体によって、このタペットクリアランスを低減させる勢いは弱められる。このため、突起部81及び突起部82間の衝突が回避されるか、衝突に伴う打音が抑制される。
【0091】
また、上記アーマチャ51が上記開弁用電磁コア52に着座することで、アーマチャ軸50の変位が停止された後、弁軸2がその慣性によって変位を続けようとしても、緩衝機構80によって弁軸2の運動エネルギが速やかに低減される。すなわち、弁軸2及びピストン22がオーバーシュートする際、粘性流体室84内の粘性流体を変位させることでその運動エネルギが低減される。
【0092】
一方、弁体1の閉弁後アーマチャ軸50が更に上記閉弁用電磁コア53側へと変位する場合等には、ピストン22及びピストン32間のタペットクリアランスが増大される。ただし、この場合においても、粘性流体室84内に充填された粘性流体によって、このタペットクリアランスを増大させる勢いは弱められる。
【0093】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態上記(1)及び(2)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(6)緩衝機構80を設けることで、上記オーバーシュート量を低減することができる。このため、釣り合いの位置における閉弁用空気ばね20のシリンダ21及びピストン22間の距離を、開弁用空気ばね30のシリンダ31及びピストン32間の距離よりも拡大する拡大量を低減することができる。したがって、この拡大量に応じて形成される上記窪み60の容積についてもこれを低減することができる。
【0094】
(7)緩衝機構80を備えることで、上記弁軸2やアーマチャ軸50の長さの変化にかかわらず上記弁体1を確実に閉弁させることができるとともに、打音の発生も抑制することができる。
【0095】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・油圧ラッシュアジャスタ機構70の構成としては、上記第2の実施形態で例示したものに限らず、例えばピストン22を貫通するようにして弁軸2を同ピストンに連結する構成としてもよい。
【0096】
・油圧ラッシュアジャスタ機構70としては、上記第2の実施形態で例示したものに限らない。例えば図5に示すような構成であってもよい。すなわち、上記背圧室用隔壁73及び高圧室用隔壁74間のクリアランスを介して高圧室71から流出する作動油を連通孔77を介して背圧室72側に戻す、例えばゴムや金属ベローズ等からなるシール部材90を備えた構成であってもよい。これによれば、シリンダヘッド10側に給油通路を設けなくてもよい。なお、上記シール部材90としては、ピストン22及びピストン32間の相対移動に伴って変形可能であればよく、また、弾性体であることが望ましい。
【0097】
・緩衝機構80の構成としては、図4に例示したものに限らない。例えば粘性流体室84にピストン22及びピストン32の間隔を拡大する方向に力を及ぼすスプリング85を備える構成としてもよい。
【0098】
・窪み60をピストン32に設ける代わりに、開弁用空気ばね30の圧力室内に適宜設けるようにしてもよい。
・オーバーシュート量Lvだけピストン22及びシリンダ21底面間の間隙を大きくしつつも、閉弁用空気ばね20及び開弁用空気ばね30の上記弾性力を等しくするための設定としては、上記実施形態で例示したものに限らない。例えば、窪み60の代わりに、図1に示した連通孔24、25や、供給通路26、排出通路27、の断面積や長さを、連通孔34、35や、供給通路36、排出通路37の断面積や長さよりも大きくするなどしてもよい。要は、一対の空気ばねの圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しい条件のもとで、それぞれ釣り合い位置からの閉弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離が開弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大されるように、それら一対の空気ばねで形状を異ならしめればよい。
【0099】
・閉弁用空気ばね20や開弁用空気ばね30の配置態様については、適宜変更してもよい。例えば特開平11−93630号公報の図1に記載のように、開弁用空気ばねを開弁用電磁コア及び閉弁用電磁コアを挟んで閉弁用空気ばねと対向した位置に配置してもよい。ただし、同公報の図1に記載された開弁用空気ばねにあっては、その圧力室側にアーマチャ軸が突出していない。このため、開弁用空気ばね及び閉弁用空気ばねにおいて、それら各圧力室の圧縮空気によってピストン変位方向に圧力を受ける可動部の面の面積(ピストン受圧面積)を等しくすべく、例えばピストン断面積を異ならしめるなどする。
【0100】
・必ずしも、アーマチャ軸50及び弁軸2をそれぞれピストン32及びピストン22を貫通させてこれに連結させることで、同アーマチャ軸50及び弁軸2を動力伝達のためのタペットとする構成に限らない。互いに対向するピストン22、32の面に対してタペットとなる突起部を設ける等してもよい。
【0101】
・機械駆動式の逆止弁28、29、38、39の代わりに、電子制御式の弁を備えてもよい。そして、この際、常時この弁が開弁しつつもその開弁量が制御されるような構成であってもよい。この場合であっても、上記圧力室に対してこの弁の上流側の部分の容積(圧力室の容積)を一対の空気ばね間で等しく設定するなどすることで、同一対の空気ばねを(その弾性力について)対称的なハード構成とする本発明は有効である。すなわち、これにより、上記電子制御式の弁にかかる制御や上記一対の電磁石の制御に際し、一対の空気ばねのハード構成の非対称性に起因して制御を複雑化することを回避することができる。
【0102】
・電磁駆動弁の構成として、弁体1をその開弁方向及び閉弁方向に付勢する一対の空気ばねの代わりに、空気以外の気体を用いた一対の気体ばねを備える構成としてもよい。換言すれば、弾性力の発生源として空気以外の任意の気体を用いた一対の気体ばねを備える構成としてもよい。
【0103】
なお、上記実施形態及びその変形例から把握することのできる技術思想としては、以下のものがある。
(1)請求項11記載の電磁駆動弁において、前記シリンダヘッドの前記凹部を区画する内壁には、前記各気体ばねのシリンダ及びピストン間から気体が漏れ出すことによる前記一対のピストン間の圧力上昇を低減する孔が備えられてなることを特徴とする電磁駆動弁。
【0104】
上記構成では、各気体ばねのシリンダ及びピストン間から気体が漏れ出すことによる一対のピストン間の圧力上昇を低減する孔が備えられている。このため、圧力上昇によって気体ばねの特性が変化してしまうことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電磁駆動弁の第1の実施形態の構成を示す断面図。
【図2】同実施形態においてオーバーシュートを説明するための断面図。
【図3】本発明にかかる電磁駆動弁の第2の実施形態について、油圧ラッシュアジャスタ機構及びその周辺の構造を示す断面図。
【図4】本発明にかかる電磁駆動弁の第3の実施形態について、緩衝機構及びその周辺の構造を示す断面図。
【図5】上記第2の実施形態の変形例を示す断面図。
【図6】従来の電磁駆動弁を例示する断面図。
【符号の説明】
1…弁体、2…弁軸、10…シリンダヘッド、11…凹部、12…孔、13…バルブシート、20…閉弁用空気ばね、21…シリンダ、22…ピストン、23…空間、24、25…連通孔、26…供給通路、27…排出通路、28、29…逆止弁、30…開弁用空気ばね、31…シリンダ、32…ピストン、33…空間、34、35…連通孔、36…供給通路、37…排出通路、38、39…逆止弁、40…圧縮通路、41…エアポンプ、50…アーマチャ軸、51…アーマチャ、52…開弁用電磁コア、53…閉弁用電磁コア、54…電磁コアアッシー、60…窪み。

Claims (11)

  1. アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁において、
    前記開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとの各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しい条件のもとで、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大する手段を備える
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
  2. 前記拡大する手段は、前記開弁用空気ばねと前記閉弁用空気ばねとの各圧力室の容積が等しい前記条件を維持するためのものとして、前記開弁用空気ばねの圧力室内に設けられて、閉弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離を開弁用空気ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大したことにともなう閉弁用空気ばねの圧力室の容積の増大分を開弁用空気ばねの圧力室において確保する窪みを含むものである
    請求項1記載の電磁駆動弁。
  3. 前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストンの受圧面に設けられてなる
    請求項2記載の電磁駆動弁。
  4. アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁において、
    前記開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとの各圧力室の容積、並びに各ピストンの受圧面積が等しい条件のもとで、それぞれ釣り合い位置からの前記閉弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離が前記開弁用気体ばねのピストン及びシリンダ底面間の距離よりも拡大されるように、それら開弁用気体ばねと前記閉弁用気体ばねとでばね形状が異ならしめられてなる
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
  5. 前記開弁用気体ばねの圧力室内に窪みが設けられることで、前記各気体ばねのばね形状が異ならしめられる
    請求項4記載の電磁駆動弁。
  6. 前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストン受圧面に設けられてなる
    請求項5記載の電磁駆動弁。
  7. アーマチャ軸に連結されたアーマチャの両面に対向して配されて該アーマチャをその軸方向に付勢する一対の電磁石と、前記アーマチャ軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して内燃機関の吸気弁又は排気弁として機能する弁体を開弁方向に付勢する開弁用気体ばねと、前記弁体の軸である弁軸に連結されたピストン及び該ピストンを収容するシリンダを有して前記開弁用気体ばねと同一の弾性力をもって前記弁体を閉弁方向に付勢する閉弁用気体ばねとを備え、前記各電磁石による電磁力と前記各気体ばねによるばね力との協働により前記弁体を開閉駆動する電磁駆動弁であって、
    前記開弁用気体ばねの圧力室及び前記閉弁用気体ばねの圧力室のうち、前記開弁用気体ばねの圧力室にのみ窪みが設けられる
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
  8. 前記窪みが、前記開弁用気体ばねのピストン受圧面に設けられてなる
    請求項7記載の電磁駆動弁。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁駆動弁において、
    前記開弁用気体ばねのピストン及び閉弁用気体ばねのピストン間には、それら各ピストンを隔壁として前記アーマチャ軸と前記弁軸とのタペットクリアランスを調整するための油圧ラッシュアジャスタ機構が設けられてなる
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁駆動弁において、
    前記開弁用気体ばねのピストン及び閉弁用気体ばねのピストン間には、各ピストンのそれぞれ対向する面に設けられた突起部と、該一対の突起部を覆う弾性体からなるシール部材と、これら各突起部及びシール部材によって囲まれた空間に充填された粘性流体とからなる緩衝機構が設けられてなる
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の電磁駆動弁において、
    前記内燃機関のシリンダヘッドには凹部が形成されているとともに、この凹部の開口側に前記開弁用気体ばねが、同凹部の底面側に前記閉弁用気体ばねがそれぞれ互いのピストンが対向するように設けられてなる
    ことを特徴とする電磁駆動弁。
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