JP4123500B2 - バルブ駆動装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁あるいは排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの吸気弁あるいは排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置が知られている。
【0003】
このようなバルブ駆動装置においては、吸気弁あるいは排気弁の開閉タイミングをエンジンの運転条件に応じて吸気あるいは排気が良好に行われるように制御することにより、エンジンの安定性向上、燃費の向上、あるいは排気エミッションを低減することが可能である。
【0004】
上記の従来のバルブ駆動装置としては、電磁力を発生するコイル部に無通電時、バルブボディが半開きの位置になるように、バルブボディを弁開方向に付勢する第1のスプリングと、バルブボディを弁閉方向に付勢する第2のスプリングとのセット荷重が調整されているのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、アーマチャおよびバルブボディを質量として含むばね−質量系から構成されるバルブ駆動装置は、消費電力が少ないという優れた特性をもっている。しかしながら、アーマチャに作用する電磁力は、電磁石とアーマチャとの距離が小さくなるにつれて付勢力に比し急激に増加する。このため、アーマチャが電磁石に吸着、すなわち着座する瞬間に大きな衝撃音が発生するという問題があった。
【0006】
そこで、(1) 特開平7−305612号公報に開示されるバルブ駆動装置においては、油圧ダンパを設けて上記の問題を解決している。しかしながら、特開平7−305612号公報に開示されるバルブ駆動装置では、油圧ダンパが電磁石と離れた場所に設けられているため、装置の体格が大型になるという問題があった。
【0007】
また、電磁式のバルブ駆動装置においては、アーマチャおよびバルブボディが軸方向に高速で移動するため、アーマチャおよびバルブボディの軸の摺動抵抗が問題となる。しかしながら、特開平7−305612号公報に開示されるバルブ駆動装置では、アーマチャおよびバルブボディの軸受の潤滑が油圧ダンパから漏れてくる油量による成り行きでしか実現できないため、潤滑状況によって作動がばらつく恐れがあるという問題があった。
【0008】
(2) 特開平10−141028号公報に開示されるバルブ駆動装置においては、電磁石を構成するアッパコアとアーマチャとの間にダンパ室を形成している。しかしながら、このような構成のバルブ駆動装置では、ダンパ室に流入する空気量を調整しているため、逆止弁を必要とし、装置の構成が複雑になるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の(1)および(2)の問題を解決するためになされたものであり、作動音および摺動抵抗を低減し、簡単な構成で小型化が可能なバルブ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、ダンパ機能が安定して発揮されるバルブ駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のバルブ駆動装置によると、ダンパ手段は、エンジンの吸気弁あるいは排気弁のバルブボディに接続される可動子シャフトと、この可動子シャフトを軸方向に摺動可能に支持する軸受部との間に設けられるピストン部材を有しているので、可動子本体が第1あるいは第2の固定子に着座する直前の速度を軽減して作動音を低減するとともに、可動子シャフトの摺動抵抗を低減することができる。さらに、軸受部とダンパ手段とを一体的に構成することにより、体格を小型にしてエンジンに搭載するスペースを確保することができる。
本発明の請求項1記載のバルブ駆動装置によると、可動子シャフトは外壁に軸方向に形成される溝部を有しており、ダンパ手段はこの溝部を経由してオイルが供給されるので、ダンパ手段に確実にオイルを供給し、オイル供給後でダンパ作動時にオイルが漏れるのを防止する。したがって、ダンパ機能が発揮される減衰力を安定にし、ダンパ作用のばらつきを低減することができる。
【0011】
本発明の請求項2記載のバルブ駆動装置によると、ダンパ手段は、軸受部の軸方向に互いに対向して設けられる第1および第2のピストン部材を有しているので、軸受部から漏れてくる油量でダンパ手段にオイルを容易に供給することができる。さらに、軸受部とダンパ手段とに別々に油圧を供給する構成に比べて、構成を簡単なものとし、オイル圧送に要する仕事を減少させてエンジンの燃費を向上させることができる。
【0012】
本発明の請求項3記載のバルブ駆動装置によると、バルブボディあるいは可動子を弁開方向に付勢する第1の付勢手段を保持するための保持部材を備えており、この保持部材は第1あるいは第2のピストン部材に当接可能であるので、保持部材は、第1の付勢手段を保持するとともに、第1あるいは第2のピストン部材のストッパとして機能する。したがって、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0014】
本発明の請求項記載のバルブ駆動装置によると、ダンパ手段にオイルを供給するためのオイル供給路に設けられ、ダンパ手段に供給される油圧を調整する油圧調整弁を備えているので、エンジン回転数によってダンパ特性が可変となる。したがって、エンジン回転数に応じて最適な減衰力に調整することができる。
【0015】
本発明の請求項記載のバルブ駆動装置によると、ダンパ手段はピストン部材の端部に形成される凹部を有するので、ダンパ機能が発揮される減衰力を緩やかに立ち上げ、ピストン部材の衝撃音を低減することができる。
【0016】
本発明の請求項6から11記載のバルブ駆動装置によると、ダンパ手段は可動子シャフトとピストン部材との間に設けられるガイド部材を有し、可動子シャフト、軸受部およびガイド部材はそれぞれ熱膨張係数が近似した材料からなり、ピストン部材はこの材料よりも熱膨張係数が大きい材料からなる。したがって、温度変化によるオイルの粘度変化に対するダンパ機能が発揮される減衰率を一定にし、低温から高温まで安定した作動を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置を図1〜図4に示す。第1実施例のバルブ駆動装置100は、エンジンの吸気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置である。図1は、無通電時のバルブボディ1が半開きの状態を示し、図2は、ロアコイル51に通電した弁開状態を示し、図3は、アッパコイル31に通電した弁閉状態を示している。
【0018】
図1〜図3に示すバルブボディ1は、エンジンの燃焼室2に燃料と空気を供給する吸気口3を所定のタイミングで開閉制御される。バルブボディ1は、エンジンブロック4に形成されるスプリング収容室40に向けて延長して形成されるステム11により軸方向上下に移動する。またバルブボディ1は、軸方向の移動を案内するステムガイド5によりエンジンブロック4に対して摺動自在に保持されている。
【0019】
スプリング収容室40内には、第1の付勢手段としての第1のスプリング41および第2の付勢手段としての第2のスプリング71が収容されている。第1のスプリング41は、一方の端部が後述するロアハウジング63に形成されたスプリング溝64の内底面65に当接し、他方の端部が保持部材としてのアッパリテーナ42に当接している。アッパリテーナ42は後述するアーマチャシャフト22の端部にコッタ45により固定されているので、第1のスプリング41はバルブボディ1を弁開方向に付勢している。またアッパリテーナ42には、後述するダンパピストン96に当接可能な凸部43と、後述するロアリテーナ72の凸部73に嵌合される凹部44とが形成されている。
【0020】
第2のスプリング71は、一方の端部が保持部材としてのロアリテーナ72に当接し、他方の端部がスプリング収容室40の内底面46に当接している。ロアリテーナ72はバルブボディ1のステム11の端部にコッタ75により固定されているので、第2のスプリング71はバルブボディ1を弁閉方向に付勢している。またロアリテーナ72には、アッパリテーナ42の凹部44に嵌合される凸部73が形成されている。ここで、ロアリテーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹部44との隙間は、ロアハウジング63とスプリング収容室40を形成するエンジンブロック4の内壁との取付隙間よりも微小に形成されている。したがって、ロアリテーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹部44とは、バルブボディ1のステム11およびアーマチャシャフト22の軸の傾きを防止して摺動抵抗を低減する案内部を構成している。
【0021】
ハウジング60は、概略円筒形状のアッパハウジング61と、概略円筒形状のミドルハウジング62と、概略円筒形状のロアハウジング63とからなり、スプリング収容室40を形成するエンジンブロック4の内壁に嵌め込まれ固定されている。ハウジング60内には、アーマチャ20と、第1の固定子としてのアッパコア30と、第2の固定子としてのロアコア50と、軸受部としてのシャフトガイド80と、ダンパ手段90とが収容されている。
【0022】
可動子としてのアーマチャ20は、アーマチャ本体21とアーマチャシャフト22とから構成され、軸方向の移動を案内するシャフトガイド80により、アッパコア30およびロアコア50に対して摺動自在に支持されている。アーマチャ本体21は、アッパコア30とロアコア50との間に配設され、円板状の鉄等の磁性材からなる。またアーマチャ本体21は、後述するダンパピストン91に当接可能な凸部24を有している。
【0023】
可動子シャフトとしてのアーマチャシャフト22は、一方の端部がアーマチャ本体21の略中心部に嵌め込まれて接合されており、他方の端部がアッパリテーナ42およびロアリテーナ72を介してバルブボディ1のステム11の端部に当接可能にステム11に接続されている。アーマチャシャフト22は、例えばステンレス鋼からなり、外壁に軸方向に形成される溝部23を有している。溝部23は、アーマチャシャフト22の周方向にほぼ均等に複数本形成されており、シャフトガイド80に形成される油路81に連通している。この溝部23にオイルが供給されることにより、ダンパ手段にオイルを供給することが可能であるとともに、アーマチャシャフト22の摺動抵抗を増大することなく、シャフトガイド80に対してアーマチャシャフト22を同軸に保つことができる。
【0024】
アッパコア30は、アッパハウジング61に収容されており、鉄等の磁性材により形成されている。アッパコア30の内部に第1のコイル部としてのアッパコイル31が巻回されている。アッパコイル31は通電されると、アッパコア30がアーマチャ本体21を吸引して弁閉方向にアーマチャ20およびバルブボディ1を移動させる電磁力を発生する。
【0025】
ロアコア50は、ロアハウジング63に収容されており、アーマチャ本体21を挟んでアッパコア30に対向して配設されている。ロアコア50は鉄等の磁性材により形成されている。ロアコア50の内部に第2のコイル部としてのロアコイル51が巻回されている。ロアコイル51は通電されると、ロアコア50がアーマチャ本体21を吸引して弁開方向にアーマチャ20およびバルブボディ1を移動させる電磁力を発生する。
【0026】
アッパコア30とロアコア50との間にはミドルハウジング62が配設されており、ミドルハウジング62の厚みにより、アーマチャ20の移動量が規制される。
【0027】
シャフトガイド80は、アーマチャシャフト22を軸方向に摺動可能に支持するものであって、ロアハウジング63に形成される油路66と、アーマチャシャフト22の溝部23とを連通する油路81を有している。この油路81にオイルが供給されることで、シャフトガイド80とアーマチャシャフト22との摺動を良好にしている。
【0028】
ダンパ手段90は、アーマチャ本体21がアッパコア30あるいはロアコア50に着座する直前にダンパ機能を発揮するものであって、シャフトガイド80の一端に設けられる第1のピストン部材としてのダンパピストン91と、シャフトガイド80の他端に設けられる第2のピストン部材としてのダンパピストン96とを有している。すなわちダンパピストン91および96は、シャフトガイド80の軸方向に互いに対向して設けられている。ダンパピストン91および96は、シャフトガイド80によって軸方向に摺動可能に支持されており、それぞれ所定の位置でアーマチャ本体21の凸部24およびアッパリテーナ42の凸部43と当接可能である。また、シャフトガイド80の両端部にはダンパストッパ93および98が設けられており、ダンパピストン91および96の移動量が規制されている。
【0029】
アーマチャシャフト22の外壁と、シャフトガイド80の内壁と、ダンパピストン91の外壁とでダンパ室94が形成されており、図3に示すように、弁閉時において、ダンパ室94はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66を経由してダンパ室94にオイルが供給される構成となっている。また、アーマチャシャフト22の外壁と、シャフトガイド80の内壁と、ダンパピストン96の外壁とでダンパ室99が形成されており、図2に示すように、弁開時において、ダンパ室99はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66を経由してダンパ室99にオイルが供給される構成となっている。
【0030】
図4に示すように、ダンパピストン91の一方の端部には凹部92が形成されており、弁開時において、凹部92の内底面にアーマチャ本体21の凸部24の端面が当接可能である。このため、アーマチャ本体21の凸部24がダンパピストン91に衝突する直前に、凹部92に溜められたオイルにより減衰力が発生する構成となっている。
【0031】
エンジンブロック4には、油路66に連通するオイル供給路112が形成されており、オイル供給路112には、図示しないオイル溜まりからオイルを汲み上げるオイルポンプ110が油圧調整弁111を介して接続されている。油圧調整弁111は、ダンパ手段90に供給される油圧を調整するためのものである。ここで、オイルポンプ110および油圧調整弁111は、エンジンの潤滑部へオイルを供給するためのものを兼用してもよいし、バルブ駆動装置100の専用のものとして設けられていてもよい。
【0032】
上記の構成のバルブ駆動装置100において、アッパコイル31およびロアコイル51に無通電時、アーマチャ本体21がアッパコア30とロアコア50との略中間位置になるように、第1のスプリング41および第2のスプリング71のセット荷重が調整されている。このとき、バルブボディ1は、図1に示すように半開きの状態にある。そして、エンジン動作中は、アッパコイル31とロアコイル51とが交互に通電されて弁閉状態と弁開状態とを繰返す。
【0033】
次に、ダンパ手段90の作動について、図2、図3および図4を用いて説明する。
(1) 弁開時、図2および図4に示すように、アーマチャ本体21がロアコア50に着座する直前において、アーマチャ本体の凸部24はダンパピストン91に衝突する。このとき、ダンパ室94に溜められたオイルによりダンパ作用が発生する。さらに、凹部92に溜められたオイルによりダンパ機能が発揮される減衰力を緩やかに立ち上げる。したがって、アーマチャ本体21がロアコア50に直接衝突して大きな衝撃音が発生したり、アーマチャ本体21およびロアコア50が破損したりすることを防止することができる。このとき、ダンパ室99はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66とオイル供給路112とを経由してダンパ室99にオイルが供給される。
【0034】
(2) 弁閉時、図3に示すように、アーマチャ本体21がアッパコア30に着座する直前において、アッパリテーナ42の凸部43はダンパピストン96に衝突する。このとき、ダンパ室99に溜められたオイルによりダンパ作用が発生する。したがって、アーマチャ本体21がアッパコア30に直接衝突して大きな衝撃音が発生したり、アーマチャ本体21およびアッパコア30が破損したりすることを防止することができる。このとき、ダンパ室94はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66とオイル供給路112とを経由してダンパ室94にオイルが供給される。
【0035】
以上説明した本発明の第1実施例においては、シャフトガイド80とダンパ手段90とを一体的に構成しているので、アーマチャ本体21がアッパコア30あるいはロアコア50に着座する直前の速度を軽減して作動音を低減するとともに、アーマチャシャフト22の摺動抵抗を低減することができ、さらに、装置の体格を小型にしてエンジンへの搭載スペースを確保することができる。また、シャフトガイド80とダンパ手段90とに別々に油圧を供給する構成に比べて、構成を簡単なものとし、オイル圧送に要する仕事を減少させてエンジンの燃費を向上させることができる。
【0036】
さらに第1実施例においては、ダンパ手段90に溝部23を通してオイルが供給されるので、ダンパ手段90に確実にオイルを供給し、オイル供給後でダンパ作動時にオイルが漏れるのを防止する。したがって、ダンパ機能が発揮される減衰力を安定にし、ダンパ作用のばらつきを低減することができる。
【0037】
さらにまた、第1実施例においては、ダンパ手段90にオイルを供給するためのオイル供給路に油圧調整弁111が設けられているので、エンジン回転数によってダンパ特性が可変となる。したがって、エンジン回転数に応じて最適な減衰力に調整することができる。
【0038】
さらにまた、第1実施例においては、ダンパピストン91に凹部92が形成されているので、凹部92に溜められたオイルによりダンパ機能が発揮される減衰力を緩やかに立ち上げ、ダンパピストン91の衝撃音を低減することができる。
【0039】
さらにまた、第1実施例においては、アッパリテーナ42は、第1のスプリング41を保持するとともに、ダンパピストン96のストッパとして機能する。したがって、部品点数を削減して製造コストを低減することができる。
【0040】
(第2実施例)
本発明の第2実施例によるバルブ駆動装置を図5および図6に示す。図2および図4に示す第1実施例のバルブ駆動装置100と同一構成部分に同一符号を付す。
【0041】
図5および図6に示すように、ダンパ手段190は、ダンパピストン191および196と、ダンパガイド192、193、197および198と、皿ばね195および200とを有している。第1のピストン部材としてのダンパピストン191はシャフトガイド80の一端に設けられ、第2のピストン部材としてのダンパピストン196はシャフトガイド80の他端に設けられている。ガイド部材としてのダンパガイド192および193はシャフトガイド80とダンパピストン191との間に設けられており、ガイド部材としてのダンパガイド197および198はシャフトガイド80とダンパピストン196との間に設けられている。ダンパピストン191および196と、ダンパガイド192、193、197および198とは、シャフトガイド80によって軸方向に摺動可能に支持されており、ダンパガイド192および197は、それぞれ所定の位置でアーマチャ本体21の凸部24およびアッパリテーナ42の凸部43と当接可能である。ダンパガイド193および198は、皿ばね195および200によりダンパストッパ93および98側に付勢されている。ダンパピストン191と、ダンパガイド192および193との移動量はダンパストッパ93により規制されており、ダンパピストン196と、ダンパガイド197および198との移動量はダンパストッパ98により規制されている。
【0042】
アーマチャシャフト22と、シャフトガイド80と、ダンパガイド192、193、197および198とは、例えばステンレス鋼等のそれぞれ熱膨張係数が近似した材料からなり、ダンパピストン191および196は、これらの材料よりも熱膨張係数が大きい例えばアルミニウム等の材料からなる。このため、温度が上昇することによって、シャフトガイド80とダンパピストン191および196との間の円環隙間を減少させるとともに、アーマチャシャフト22とダンパガイド192、193、197および198との間の円環隙間をほぼ一定に保持することができる。
【0043】
アーマチャシャフト22の外壁と、シャフトガイド80の内壁と、ダンパガイド193の外壁とでダンパ室194が形成されており、弁閉時において、ダンパ室194はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66とオイル供給路112とを経由してダンパ室194にオイルが供給される構成となっている。また、アーマチャシャフト22の外壁と、シャフトガイド80の内壁と、ダンパガイド198の外壁とでダンパ室199が形成されており、図5に示すように、弁開時において、ダンパ室199はアーマチャシャフト22の溝部23と連通し、油路81および66とオイル供給路112とを経由してダンパ室99にオイルが供給される構成となっている。
【0044】
本発明の第2実施例においては、温度変化によるオイルの粘度変化に対するダンパ機能が発揮される減衰率をほぼ一定にし、低温から高温まで安定した作動を行うことができる。
【0045】
以上説明した本発明の複数の実施例では、アッパリテーナ42は凸部43を有し、凸部43がダンパピストン96に当接可能な構成としたが、本発明では、アッパリテーナに凹部を形成し、この凹部に対向するダンパピストンの端部に凸部を形成してもよい。アッパリテーナに凹部を形成し、この凹部に対向するダンパピストンの端部に凸部を形成することで、アーマチャ本体がアッパコアに着座する直前において、上記の凹部に溜められたオイルによりダンパ機能が発揮される減衰力を緩やかに立ち上げることができる。
【0046】
また、上記複数の実施例では、吸気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に本発明を適用したが、排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に適用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の無通電時の状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の弁開時の状態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の弁閉時の状態を示す縦断面図である。
【図4】図2の主要部拡大図である。
【図5】本発明の第2実施例によるバルブ駆動装置の弁開時の状態を示す縦断面図である。
【図6】図5の主要部拡大図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ
20 アーマチャ(可動子)
21 アーマチャ本体
22 アーマチャシャフト(可動子シャフト)
23 溝部
30 アッパコア(第1の固定子)
31 アッパコイル(第1のコイル部)
41 第1のスプリング(第1の付勢手段)
42 アッパリテーナ(保持部材)
50 ロアコア(第2の固定子)
51 ロアコイル(第2のコイル部)
71 第2のスプリング(第2の付勢手段)
72 ロアリテーナ(保持部材)
80 シャフトガイド(軸受部)
90 ダンパ手段
91 ダンパピストン(第1のピストン部材)
92 凹部
94、99 ダンパ室
96 ダンパピストン(第2のピストン部材)
100 バルブ駆動装置
110 オイルポンプ
111 油圧調整弁
112 オイル供給路
190 ダンパ手段
191 ダンパピストン(第1のピストン部材)
192、193、197、198 ダンパガイド(ガイド部材)
194、199 ダンパ室
196 ダンパピストン(第2のピストン部材)

Claims (11)

  1. 内燃機関の吸気弁あるいは排気弁のバルブボディと、
    前記バルブボディに接続される可動子シャフト、および磁性材からなる可動子本体を有する可動子と、
    前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁閉方向に移動させる電磁力を発生する第1のコイル部を有する第1の固定子と、
    前記本体を挟んで前記第1の固定子に対向して配設され、前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁開方向に移動させる電磁力を発生する第2のコイル部を有する第2の固定子と、
    前記バルブボディあるいは前記可動子を弁開方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記第1の付勢手段に対向して配設され、前記バルブボディあるいは前記可動子を弁閉方向に付勢する第2の付勢手段と、
    前記可動子シャフトを軸方向に摺動可能に支持する軸受部と、
    前記可動子シャフトと前記軸受部との間に設けられるピストン部材を有するダンパ手段と、
    を備え
    前記可動子シャフトは外壁に軸方向に形成される溝部を有し、前記ダンパ手段は前記溝部を経由してオイルが供給されることを特徴とするバルブ駆動装置。
  2. 前記ダンパ手段は、前記軸受部の軸方向に互いに対向して設けられる第1および第2のピストン部材を有することを特徴とする請求項1記載のバルブ駆動装置。
  3. 前記第1の付勢手段を保持するための保持部材を備え、前記保持部材は前記第1あるいは第2のピストン部材に当接可能なことを特徴とする請求項2記載のバルブ駆動装置。
  4. 前記ダンパ手段にオイルを供給するためのオイル供給路に設けられ、前記ダンパ手段に供給される油圧を調整する油圧調整弁を備えることを特徴とする請求項1、2または3記載のバルブ駆動装置。
  5. 前記ダンパ手段は、前記ピストン部材の端部に形成される凹部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のバルブ駆動装置。
  6. 内燃機関の吸気弁あるいは排気弁のバルブボディと、
    前記バルブボディに接続される可動子シャフト、および磁性材からなる可動子本体を有する可動子と、
    前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁閉方向に移動させる電磁力を発生する第1のコイル部を有する第1の固定子と、
    前記本体を挟んで前記第1の固定子に対向して配設され、前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁開方向に移動させる電磁力を発生する第2のコイル部を有する第2の固定子と、
    前記バルブボディあるいは前記可動子を弁開方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記第1の付勢手段に対向して配設され、前記バルブボディあるいは前記可動子を弁閉方向に付勢する第2の付勢手段と、
    前記可動子シャフトを軸方向に摺動可能に支持する軸受部と、
    前記可動子シャフトと前記軸受部との間に設けられるピストン部材、および、前記可動子シャフトと前記ピストン部材との間に設けられるガイド部材を有するダンパ手段と、
    を備え、
    前記可動子シャフト、前記軸受部および前記ガイド部材はそれぞれ熱膨張係数が近似した材料からなり、前記ピストン部材は前記材料よりも熱膨張係数が大きい材料からなることを特徴とするバルブ駆動装置。
  7. 前記ダンパ手段は、前記軸受部の軸方向に互いに対向して設けられる第1および第2のピストン部材を有することを特徴とする請求項6記載のバルブ駆動装置。
  8. 前記第1の付勢手段を保持するための保持部材を備え、前記保持部材は前記第1あるいは第2のピストン部材に当接可能なことを特徴とする請求項7記載のバルブ駆動装置。
  9. 前記ダンパ手段にオイルを供給するためのオイル供給路に設けられ、前記ダンパ手段に供給される油圧を調整する油圧調整弁を備えることを特徴とする請求項6、7または8記載のバルブ駆動装置。
  10. 前記ダンパ手段は、前記ピストン部材の端部に形成される凹部を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項記載のバルブ駆動装置。
  11. 内燃機関の吸気弁あるいは排気弁のバルブボディと、
    前記バルブボディに接続される可動子シャフト、および磁性材からなる可動子本体を有する可動子と、
    前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁閉方向に移動させる電磁力を発生する第1のコイル部を有する第1の固定子と、
    前記本体を挟んで前記第1の固定子に対向して配設され、前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子を弁開方向に移動させる電磁力を発生する第2のコイル部を有する第2の固定子と、
    前記バルブボディあるいは前記可動子を弁開方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記第1の付勢手段に対向して配設され、前記バルブボディあるいは前記可動子を弁閉方向に付勢する第2の付勢手段と、
    前記可動子シャフトを軸方向に摺動可能に支持する軸受部と、
    前記可動子シャフトと前記軸受部との間に設けられるピストン部材、および、前記可動子シャフトと前記ピストン部材との間に設けられるガイド部材を有するダンパ手段と、
    を備え、
    前記可動子シャフトは外壁に軸方向に形成される溝部を有し、前記ダンパ手段は前記溝部を経由してオイルが供給され、
    前記可動子シャフト、前記軸受部および前記ガイド部材はそれぞれ熱膨張係数が近似した材料からなり、前記ピストン部材は前記材料よりも熱膨張係数が大きい材料からなることを特徴とするバルブ駆動装置。
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