JP3792427B2 - 機関弁の電磁駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用内燃機関の機関弁である吸排気弁を主として電磁力で開閉駆動する電磁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の電磁駆動装置としては、例えば特開平8−21220号公報等に記載されているものが知られている。
【0003】
図14に基づいて概略を説明すれば、機関のシリンダヘッド1に摺動自在に設けられた吸気弁2と、該吸気弁2を開閉駆動する電磁駆動機構3とを備えている。
【0004】
前記吸気弁2は、吸気ポート4の開口端を開閉する傘部2aと、該傘部2aの上端部に一体に設けられたバルブステム2bとを有している。
【0005】
前記電磁駆動機構3は、シリンダヘッド1上に固定されたケーシング5内に挿通されたバルブステム2bの上端部に円板状のアーマチュア6が固定されていると共に、ケーシング5の内部上下位置に前記アーマチュア6を吸引して吸気弁2を開閉作動させる閉弁用電磁石7及び開弁用電磁石8が配置されている。
【0006】
また、ケーシング5の上壁とアーマチュア6の上面との間には、吸気弁2を開方向へ付勢する開弁側スプリング9が弾持され、一方、シリンダヘッド1上面のシート溝底面とアーマチュア6の下面との間には、吸気弁2を閉方向へ付勢する閉弁側スプリング10が弾持されている。さらに、前記各電磁石7,8は、夫々のコイルに増幅器11を介して電子制御ユニット12からの制御電流が出力されるようになっている。
【0007】
この電子制御ユニット12は、機関回転数センサ13や閉弁用電磁石7の温度検出センサ14からの検出信号に基づいて両電磁石7,8の通電量を制御するようになっている。なお、図中15は電源である。
【0008】
そして、前記2つのスプリング9,10のばね力と2つの電磁石7,8による吸引力とによって、各スプリング9,10に蓄力して位置エネルギーとして保持し、電磁力の開放,吸引を交互に繰り返すことによって吸気弁2を開閉駆動させるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の電磁駆動装置にあっては、吸気弁2の開閉時に各電磁石7,8の電磁吸引力が、該吸引力に対抗する各スプリング9,10のばね力よりも増大してしまうため、閉弁時には傘部2aがバルブシート4aに激しく衝突し、また開弁時にはアーマチュア6が開弁用電磁石8に衝突してしまうおそれがある。
【0010】
すなわち、図15A,Bに基づいて各電磁石7,8の吸引力増加原理を説明すれば、図15Bは、吸気弁2開閉時の電磁吸引力特性とスプリング9,10のばね力特性を示しており、まず、閉弁時に閉弁用電磁石7の吸引力にアーマチュア6が上方に吸引される。よって、吸気弁2が上方へ摺動すると、閉弁側スプリング10が伸長される一方、開弁側スプリング9が圧縮されてばね力が増大し、ばね力が蓄えられる。
【0011】
次に、開弁時には、閉弁用電磁石7にOFF信号(非通電信号)が出力される一方、開弁用電磁石8にON信号(通電信号)が出力され、アーマチュア6が下方へ吸引され、吸気弁2が下方へ摺動すると、開弁側スプリング9が伸長されて閉弁側スプリング10が圧縮されてばね力が増大しばね力が蓄えられる。
【0012】
したがって、閉弁時及び開弁時には開弁側,閉弁側の各コイルスプリング9,10の増大したばね力で吸気弁2の摺動速度が減速させられるが、かかる開,閉切換時には圧縮及び伸長したばね反力に加えて吸引側の電磁石7,8の吸引力が急激に増加する。つまり、各電磁石7,8の電磁吸引力は、アーマチュア6と電磁石7,8の各固定コア7a,8aとの間の距離のほぼ2乗に反比例して増大する。したがって、かかる増大した吸引力が各スプリング9,10の圧縮,伸長側の合成ばね力に打ち勝ってアーマチュア6を十分に減速させることなく、上方あるいは下方向へ急激に移動させる。したがって、吸気弁2は、図15Aに示すように、最大開時と閉時に急激なリフト,ダウン変化し、この結果、閉時には傘部2aがバルブシート4aに衝突し、開時にはアーマチュア6が開弁用電磁石8に衝突して、夫々大きな打音を発生させると共に、アーマチュア6やバルブシート4a等の摩耗や破損を惹起するおそれがある。
【0013】
また、従来の装置では、吸気弁2の傘部2aをバルブシート4aに対して適切な面圧で付勢するため、閉弁用電磁石7の吸引力と開弁側スプリング9のばね力とを適度にバランスさせる必要があるが、各スプリング9,10の経時変化によるヘタリやバルブステム2bの熱膨張、及びバルブシート4aの摩耗等に起因してアーマチュア6と電磁石7の固定コア7aのギャップ変化が生じて電磁力が大きく変化してしまう。この結果、十分な閉弁保持力が得られず、傘部2aとバルブシート4aとの間にクリアランスが発生してシール性が失われたり、またはシート部に異物が堆積しやすくなって、バルブの放熱性が悪化してバルブの溶損などを招くおそれがある。
【0014】
一方、前記バルブステム2bの熱膨張やバルブシート4aの摩耗を想定して、バルブステム2bの長さを予め所定量だけ短く設定することも考えられるが、このようにすると、吸気弁2の閉時にアーマチュア6と閉弁用電磁石7の固定コア7aとの間のギャップが過大となり、吸気弁2の十分な閉弁保持力が得られない。
【0015】
さらに、従来例にあっては、装置をシリンダヘッド1上に組み付けるには、まず吸気弁2をシリンダヘッド1下方から挿入して、バルブステム2b上端部に、開弁用電磁石8を取り付けた後、該バルブステム2bにアーマチュア6を固定しなければならない。つまり、シリンダヘッド1上で電磁駆動機構3を組み付けなければならないため、その組み付け作業が煩雑となる。特に、かかる組み付け中に前記のように適正な閉弁保持力を得るためにアーマチュア6の上限,下限位置の正確な調整が要求されるため、さらに組み付け作業能率が低下するおそれがある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、機関弁に連係するアーマチュアと、該アーマチュアを吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動させる開弁用,閉弁用の電磁石と、前記機関弁を閉方向及び開方向へ付勢して中立位置に保持する開弁側および閉弁側のばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置において、前記アーマチュアに連係して、前記機関弁の開弁時あるいは閉弁時のストローク終端域における急激な移動を液圧によって抑制する緩衝機構を設け、前記緩衝機構は、機関弁とアーマチュアとの間に設けられたシリンダと、機関弁とアーマチュアとを連係し、前記シリンダ内を貫通摺動する摺動軸と、該摺動軸の外周に固定されて、前記シリンダ内を摺動するピストンと、該ピストンの外端面と該外端面に対向する前記シリンダの内端面との間に形成されて、内部の作動液によってピストンのストローク終端域における急激な移動を抑制する緩衝室とを備え、前記シリンダの内端面に、機関弁の全開作動時あるいは全閉作動時に前記ピストンの端部が収容される収容溝を形成したことを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、前記緩衝室を前記ピストンとシリンダの両端側に形成すると共に、該各緩衝室の各外端側に、前記収容溝を形成したことを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、前記ピストンの外周面とシリンダの内周面との間に、ピストンによって圧縮された前記緩衝室内の作動液の流入を許容する流通路を形成したことを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、前記ピストンの端部が収容溝内に収容された際における、前記アーマチュアの一端面と該一端面に対向する電磁石の対向面との間に、微小隙間を形成したことを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、前記ピストンの端部外周縁に、小径な段差部を形成したことを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、前記ピストンの端部外周縁に、テーパ面を形成したことを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、機関弁に連係するアーマチュアと、該アーマチュアを吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動させる開弁用,閉弁用の電磁石と、前記機関弁を閉方向及び開方向へ付勢して中立位置に保持する開弁側および閉弁側のばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置において、前記前記各電磁石を内部に収容保持したケーシングとシリンヘッドに固定されて前記ケーシングの一部を摺動自在に保持するほぼ筒状の保持部材との間に、前記機関弁とアーマチュアとの連係ギャップを零調整するラッシアジャスタを設けたことを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、前記アーマチュアに連係して、前記機関弁の開弁時あるいは閉弁時のストローク終端域における急激な移動を液圧によって抑制する緩衝機構を設けると共に、前記ラッシアジャスタを、前記緩衝機構と機関弁との間に直列状態に設けたことを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、前記緩衝機構のシリンダを構成するシリンダ壁の上端部を、前記ケーシングの下端部に固定しかつ該シリンダ壁を前記保持部材内部に摺動自在に設ける一方、前記保持部材の内側部に前記ラッシアジャスタを緩衝機構と並列状態に設けたことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜図4は本発明の機関弁の電磁駆動装置を吸気側に適用した第1の実施形態を示し、シリンダヘッド21内に形成された吸気ポート22の開口端を開閉する機関弁である吸気弁23と、該吸気弁23を開閉作動させる電磁駆動機構24と、吸気弁23と電磁駆動機構24との間に介装された緩衝機構25とを備えている。
【0028】
前記吸気弁23は、燃焼室に臨む吸気ポート22の開口端に設けられた環状バルブシート22aに離着座して該開口端を開閉する傘部23aと、該傘部23aの上面中央に一体に設けられてバルブガイド26を介してシリンダヘッド21内を摺動するバルブステム23bとを備え、該バルブステム23bのエンド部23cにコッタを介してリテーナ23dが固定されていると共に、該リテーナ23dとシリンダヘッド21の上部内に形成された保持孔21a底面との間に弾装された閉弁側スプリング28のばね力で閉方向に付勢されている。尚、前記保持孔21aの下部にはエア抜き孔21bが貫通形成されている。
【0029】
前記電磁駆動機構24は、シリンダヘッド21上に設けられた緩衝機構25のボディ46上に固定されたケーシング29と、該ケーシング29内に上下動自在に収納された円板状のアーマチュア30と、ケーシング29内のアーマチュア30を挟んだ上下位置に固定された上側の閉弁用電磁石31及び下側の開弁用電磁石32と、アーマチュア30などを介して吸気弁23を開方向に付勢する開弁側スプリング33とを備えている。
【0030】
前記ケーシング29は、図1及び図2に示すように、ボディ46上に4本のビス34で固定された非磁性材製の筒状本体29aと、該本体29aの上端開口に閉弁用電磁石31を保持した段差径状の非磁性材の蓋部29bとからなり、筒状本体29aの下端部に開弁用電磁石32を保持した底壁29cが一体に設けられている。尚、前記蓋部29bの中央には、エア抜き孔36が貫通形成されている。
【0031】
前記アーマチュア30は、上下面が両電磁石31,32に対向配置されて、該両電磁石31,32間を上下動自在に設けられている。また、アーマチュア30の中央には、吸気弁23のバルブステム23aに連係する摺動軸である支軸35が垂下方向に沿って固定されている。この支軸35は緩衝機構25の一部を構成するもので、上端部がアーマチュア30の中央を貫通してボルト,ナット36によって固定されている一方、下端部35aがバルブステム23bの上端縁に両スプリング28,33の相対的なばね力で常時弾接している。
【0032】
前記開閉弁用の電磁石31,32は、固定コア31a,32aが横断面略U字形に形成され、互いにアーマチュア30を介して所定の比較的小さな隙間Sをもって対向配置され、固定コア31a,32aの内部に電磁コイル31b,32bが巻装されている。この電磁コイル31b,32bには、後述する電子制御ユニット41からの通電−非通電信号が出力されて、アーマチュア30を上方あるいは下方へ吸引あるいは吸引を解除するようになっている。
【0033】
前記開弁側スプリング33は、アーマチュア30の上面中央と蓋部29bの下面との間に弾装されて、そのばね力が各電磁石31,32の消磁時には、前記閉弁側スプリング28のばね力とバランスしてアーマチュア30を両電磁石31,32のほぼ平衝中立位置に保持するようになっており、その状態で吸気弁23は閉弁位置及び開弁位置のほぼ中間位置に保持される。
【0034】
前記電子制御ユニット41は、機関のクランク角センサ42,機関回転数センサ43,閉弁用電磁石31の温度を検出する温度検出センサ44及び機関負荷を検出するエアフローメータ45からの夫々の検出値に基づいて、閉弁用,開弁用電磁石31,32に通電−非通電を相対的に繰り返し出力している。ここで、前記クランク角センサ42からの回転角検出値は、吸気弁23の開閉タイミングをクランクシャフトの回転と同期制御するためのものであり、機関回転数検出センサ43からの検出値つまりクランクシャフトの回転数の検出値は、該回転数によって変化する各電磁石31,32の吸引許容時間に対処するために利用され、さらに、温度センサ44の検出値は、温度上昇による閉弁用電磁石31の電磁コイル31bの通電抵抗増大に対処するためのものである。また、エアフローメータ45による機関負荷検出値は、機関回転数検出値とともに吸気弁23の開閉タイミングを最適に制御するために利用するものである。
【0035】
そして、前記緩衝機構25は、前記ボディ46内を上下方向に貫通した前述の支軸35と、ボディ46の内部に形成されて前記支軸35が同軸上に貫通する筒状のシリンダ47と、前記支軸35の外周に一体に設けられて、シリンダ47内を摺動するピストン48と、該ピストン48の上下端部48a,48bと該上下端部48a,48bに対向するシリンダ47の上下内端面との間に形成された一対の緩衝室49,50と、該緩衝室49,50内に油圧を供給する油圧回路51とから主として構成されている。
【0036】
前記支軸35は、ボディ46の上壁に一体に形成された筒状ガイド壁46a内及びボディ46の底壁46bの空間部に圧入固定されたほぼ円環状の案内部材52内を摺動自在に支持されている。
【0037】
前記シリンダ47は、図4にも示すように上下方向の長さが吸気弁23の開閉ストローク長さとほぼ等しく設定されていると共に、上下内端面には吸気弁23の最大リフト時(全開作動時)及び最小リフト時(全閉作動時)にピストン48の上下端部48a,48bを収容する収容溝53,54が形成されており、かかる収容溝53,54が緩衝室49,50の一部を構成するようになっている。
【0038】
前記ピストン48は、図4に示すように円柱状を呈し、外径Dが前記収容溝53,54の内径d2,d2よりも若干小さく設定されている。また、この外径Dはシリンダ47の内径d1よりも十分に小さく設定されて、外周面48cとシリンダ内周面との間に、両緩衝室49,50の作動油を置換流動させる筒状の流通路55が形成されている。
【0039】
また、ピストン48の各端部48a,48bが各収容溝53,54内に収容された際には、図2,図3に示すように前記アーマチュア30の上面と閉弁用電磁石31の下面、並びにアーマチュア30の下面と開弁用電磁石32の上面との間にそれぞれ微小隙間C,Cが形成されるようになっている。
【0040】
前記油圧回路51は、各緩衝室53,54内に油圧を供給する油圧供給通路56と、該油圧供給通路56の上流側に設けられて、オイルパン57内の作動油を圧送するオイルポンプ58と、オイルポンプ58の下流側に接続されたパイロトット通路59に設けられた調圧バルブ60とを備えている。また、前記油圧供給通路56の下流側は、二又状に分岐形成され、この各分岐路56a,56bの下流端がボディ46の内部径方向に沿って穿設された2本の通路孔56c,56dを介して各収容溝53,54の底部、つまり各緩衝室49,50に連通するようになっている。さらに、前記各分岐路56a,56bの途中には、各緩衝室49,50からの油圧の逆流を規制するチェック弁61,62が設けられている。
【0041】
尚、ボディ46の上壁及びケーシング29の底壁29cには、ケーシング29内にリークした作動油を外部に排出する排出用孔63が形成されている。
【0042】
また、吸気弁23の閉弁時には、図3に示すようにバルブステム23a上端縁と支軸35下端縁との間に、吸気弁23の熱膨張変形などを吸収する所定巾のギャップGが形成されている。
【0043】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず機関停止時には、両電磁石31,32の各電磁コイル31b,32bに電子制御ユニット41から通電信号が出力されず、非通電状態となっている。このため、アーマチュア30は、図1に示すように、両スプリング28,33の相対的なばね力によって隙間S内のほぼ平衝中立位置に保持され、したがって、吸気弁23もバルブシート22aから若干離れた中立位置になっている。この時点でのピストン48は、シリンダ47内の上下方向の中間位置に位置している。
【0044】
機関が始動されて、電子制御ユニット41から開弁用電磁石32の電磁コイル32bに通電信号が出力されると、図2に示すようにアーマチュア30が該電磁石32に吸引され、かつ開弁側スプリング33のばね力によって下降して、支軸35がバルブステム23aを下方へ押圧する。これによって、閉弁側スプリング28のばね力に抗して吸気弁23を下降させ、つまり開弁させる。
【0045】
一方、吸気弁23の閉時には、開弁用電磁石32への通電が遮断され、閉弁用電磁石31の電磁コイル31bに通電されるため、図3に示すようにアーマチュア30が該電磁石31に吸引されて上昇し、同時に閉弁側スプリング28のばね力によってバルブステム23aを介して吸気弁23を引き上げる。これによって、吸気弁23は、開弁側スプリング33のばね力に抗して上昇し、傘部23aがバルブシート22aに着座して閉弁する。
【0046】
そして、前記吸気弁23の開閉ストロークの終端域、つまりバルブリフトの最大リフト付近X及び最小リフト付近Yでは図5の実線で示すように緩やかな作動特性が得られる。すなわち、例えば吸気弁23の開作動時には、図2に示すように吸気弁34が最大リフト付近に達すると、支軸35とともに下降したピストン48は、その下端部48bが下側の緩衝室50内の作動油を押圧しつつ積極的に収容溝54内に嵌合して収容されるわけであるが、この下端部48bが収容溝54内に嵌入して着底する際に、収容溝54内に存する作動油がピストン下端部48bによって圧縮されると、該作動油はピストン下端部48bの外周縁と収容溝54の内周縁との間に形成される環状のクリアランスを通って流通路55内に流出しようとする。このときの流動抵抗と、緩衝室50内の作動油の圧縮反力とによってピストン48に制動力が作用して急激な下降移動が抑制されて、ピストン下端部48b下面の収容溝54の底面に対する激しい衝突が緩和される。この結果、アーマチュア30の下面30aと開弁用電磁石32の上面との衝突が防止される。
【0047】
しかも、ピストン下端部48bの下面が収容溝54の底面に当接した時点では、図2に示すようにアーマチュア30の下面30aと開弁用電磁石32の上面とは、微小隙間Cを介して離間しているため、両者30,32の衝突がさらに確実に防止される。
【0048】
このように、吸気弁23のバルブリフト時の各部材間の衝突が回避されて、衝突打音や摩耗及び破損等の発生が防止される。
【0049】
一方、前記吸気弁23の閉作動時には、前述した開弁時と同じ作用となり、図3に示すように吸気弁23が最小リフト付近(全閉付近)に達すると、支軸35とともに上昇したピストン48は、上端部48aが上側の緩衝室49内の作動油を押圧しつつ最終的に収容溝53に収容されるが、上端部48aが収容溝53内に嵌入して着底する際に、収容溝53内の作動油がピストン上端部48aの外周縁と収容溝53の内周縁との間に形成される環状のクリアランスを通って流通路55内に流出しようとすると、その流動抵抗と緩衝室49内の作動油の圧縮反力とによってピストン48に制動力が作用して急激な上昇移動が抑制されてピストン上端部48a上面の収容溝53の底面に対する激しい衝突が緩和される。
【0050】
しかも、前述と同じく、この時点では、アーマチュア30の上面30bと閉弁用電磁石31の下面とは微小隙間Cを介して離間しているため、両者30,31の衝突がさらに確実に防止される。
【0051】
したがって、吸気弁23も、最小リフト付近での上昇速度が低下するため、バルブシート22aへ緩やかに着座して衝突が回避され、衝突打音や摩耗及び破損等の発生を防止できる。
【0052】
また、ピストン48の移動に伴い、圧縮された下側収容溝50内の作動油は、流通路55の他に、一部が案内部材52の内周面と支軸35外周面との間からリークしてバルブガイド26等に供給されて支軸35や吸気弁23の潤滑に供されると共に、ガイド壁46aの内周面と支軸35との間を通ってケーシング29内にリークした作動油は排出用孔63を通って外部に排出される。
【0053】
さらに、前述した各緩衝室49,50から外部へリークした作動油の減少分は油圧回路51から常時補給されるため、該作動油によるピストン48の緩衝作用に影響が生じることはなく、常時安定かつ確実な緩衝作用が得られる。
【0054】
図6は本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態では、ピストン48の上下端部48a,48bの外周縁に小径な段差部64,65を形成したものである。
【0055】
したがって、吸気弁23の最大,最小リフト付近(全開,全閉作動付近)において、ピストン48の上下端部48a,48bが各収容溝49,50に嵌入する際に、該収容溝49,50内の作動油は段差部64,65によって2段階に絞られた形で流通路55内に流出するため、該ピストン48の上昇,下降速度も2段階に減速される。このため、吸気弁23のバルブリフト,ダウン特性つまり最大,最小リフト付近の特性X,Yが図7に示すように2段階の速度減少特性となり、より緩やかな緩衝特性が得られる。
【0056】
図8は第3の実施形態を示し、ピストン48の上下端部48a,48bの外周縁をテーパ面66,67に形成したものであって、かかるテーパ面66,67とすることにより、前述のような作動油の絞り作用がリニア(連続的)となる。したがって、ピストン48の移動速度の減速作用もリニアになり、吸気弁23の最大,最小リフト付近の特性X,Yが図9に示すように滑らかな曲線状になる。この結果、さらに緩らかな緩衝効果が得られる。
【0057】
図10は本発明の第4の実施形態を示し、ボディ46の内に位置する支軸35とバルブステム23aとの間に吸気弁23のバルブクリアランスを零調整するラッシアジャスタ68を直列状態に設けたものである。すなわち、このラッシアジャスタ68は、ボディ46のシリンダ47下方位置の筒状内周面に上下摺動する有底筒状のプランジャ69と、該プランジャ69の内部に摺動自在に設けられた筒状部70と、該筒状部70の下端隔壁70aによって画成されたリザーバ室71及び高圧室72と、隔壁70aに穿設された連通孔73に設けられて、リザーバ室71から高圧室72への作動油の流入を許容する逆止弁74とから主として構成されている。
【0058】
前記プランジャ69は、底壁下面中央がバルブステム23aのエンド部23c上端縁に当接していると共に、外周面に環状油溝69aが形成されている。また、周壁上部に第2油孔69bが径方向に貫通形成されている。
【0059】
前記筒状部70は、上端部に固定された蓋部75の上面が支軸35の下端縁に当接していると共に、上部周壁に第2油孔69bに連通する第3油孔70bが穿設されている。また、筒状部70は、スプリング80によって上方に付勢されている。
【0060】
また、リザーバ室71は、前記油圧供給通路56からさらに分岐した第3分岐路56eからボディ46の第1油孔56fと環状油溝69a,第2油孔69b及び第3油孔70bを介して作動油が供給されるようになっている。尚、第3分岐路56eには、供給油圧を適度な圧力に減圧調整する絞り部76が形成されている。
【0061】
前記逆止弁74は、チェックボールと、該チェックボールを連通孔73の閉塞方向に付勢するチェックバルブスプリングとを備えている。
【0062】
尚、図中77は支軸35と案内部材52との間をリークして流下した作動油を外部に排出する排出孔である。他は第1実施形態の構成と同様である。
【0063】
したがって、この実施形態によれば、第1実施形態と同様な優れた緩衝作用が得られることは勿論のこと、吸気弁23の開閉ストローク時には、ラッシアジャスタ68全体がボディ46の内周面を摺動してアーマチュア30に作用する押圧力や押圧解除力を吸気弁23に伝達するが、バルブシート22aの摩耗などにより、傘部23aとバルブシート22aとの間にクリアランスが発生した場合は、閉弁側スプリング28のばね力によってプランジャ69と筒状部70とが相対的に圧縮方向へ摺動して前記クリアランスを吸収して常に零調整を行うことが可能になる。
【0064】
したがって、第1の実施形態の場合のように、単にギャップGを形成した場合に比較して、より高精度な零調整を行うことが可能になる。
【0065】
また、最大リフト終端域においては、支軸35の急減速に伴って支軸下端部35aとラッシアジャスタ蓋部75との間が一時的に離間する場合があり、これにより、ラッシアジャスタ68が伸長してしまい、最小リフト時に吸気弁23aが完全に閉じることができない、いわゆるポンプアップの問題があった。しかし、本実施例では、緩衝機構25の作用により支軸35を急激に停止させることがなくなるため、前記ポンプアップ現象を効果的に抑制することが可能になる。
【0066】
図11〜図13は本発明の第5の実施形態を示し、ラッシアジャスタ81を緩衝機構25の側部に並設したものである。
【0067】
具体的に説明すれば、吸気弁23と電磁駆動機構24との間に位置するシリンダヘッド21の上面に、前述のボディ46に代えて、ほぼ筒状の保持部材82がボルトBによって固定されている。この保持部材82は、逆カップ形状を呈し、内部上下方向に吸気弁23のバルブステム23bと同軸上の円柱状の摺動孔82aが貫通形成されていると共に、該摺動孔82aの側部にラッシアジャスタ81を保持する保持穴82bが形成されている。
【0068】
一方、前記摺動孔82a内には、前記緩衝機構25のシリンダ47を構成する円柱状のシリンダ壁83が摺動自在に保持されている。このシリンダ壁83は、小径筒状の上端部83aがケーシング29の底壁中央に一体に有する内筒部29dの内側に圧入等によって固定されていると共に、下端部一端縁には前記ラッシアジャスタ81の押圧力を受ける突起片84が水平方向に延設されている。また、シリンダ壁83の下端部に有する段差孔には、支軸35を摺動案内する段差円筒状の案内部材52が圧入固定されている。
【0069】
尚、保持部材82の摺動孔82a側の周壁には、前述した油圧供給通路56から分岐した各分岐路56a,56bに接続される通路孔56g,56hが穿設されていると共に、対応するシリンダ壁83にもグルーブ溝を介して通路孔56g,56hに連通する連通路56i,56jが穿設されている。
【0070】
そして、前記ラッシアジャスタ81は、基本構成が図10に示したものと同様であり、保持穴82b内を上下摺動する有底筒状のプランジャ85と、該プランジャ85の内部に摺動自在に設けられた筒状部86と、該筒状部86の下端隔壁87によって画成されたリザーバ室88及び高圧室89と、隔壁87に穿設された連通孔90に設けられて、リザーバ室88から高圧室89への作動油の流入を許容する逆止弁91とから主として構成されている。
【0071】
前記プランジャ85は、底壁の中央膨出部85aがシリンダ壁83の突起片84の上面に当接していると共に、突起85bが突起片84に形成された小孔84aに嵌合し、シリンダや電磁駆動機構の自由回動を防止している。また、上端縁と保持穴82bの底面との間に環状油溝92を構成している。
【0072】
前記筒状部86は、上端部開口に蓋部93が圧入固定されていると共に、該蓋部93が位置する上端縁に前記環状油溝92とリザーバ室88とを連通する油通路94が形成されている。また、筒状部86は、高圧室89内に装着されたスプリング95によって、上方に付勢されている。
【0073】
また、リザーバ室88は、前記油圧供給通路56からさらに分岐した第3分岐路56eから保持部材82の油孔96と環状油溝92,油通路94を介して作動油が供給されるようになっている。
【0074】
前記逆止弁91は、チェックボールと、該チェックボールを連通孔90の閉塞方向に付勢するチェックバルブスプリングとを備えている。
【0075】
尚、図中97は、プランジャ85や筒状部86の摺動を確保するためのエア抜き孔である。
【0076】
したがって、この実施形態によれば、機関停止時には、各電磁コイル31b,32bが非通電状態となるため、アーマチュア30は図11に示すように両スプリング28,33の相対的なばね力によって隙間S内のほぼ平衝中立位置に保持され、吸気弁23もバルブシート22aから若干離れた中立位置に保持される。
【0077】
かかる状態では、開弁側スプリング33がケーシング29を介して電磁駆動機構24の全体を押し上げるため、シリンダ壁83及び突起片84を介してラッシアジャスタ81のプランジャ85に押し上げ力が作用する。しかし、機関停止直後ではチェックボールによって高圧室89内に作動油がシール保持されているため、プランジャ85の上昇移動が規制され、したがって、電磁駆動機構24の上昇も規制されている。ただし、停止後の時間が経過するにつれて高圧室89から作動油がリークし、プランジャ85は上昇移動し電磁駆動機構20も上昇するため、図11に示す状態より、吸気弁23は若干バルブシート22aに近づき、アーマチュア30は開弁用電磁石32に若干近づいた状態になる。
【0078】
そして、前述のように機関が始動されて電磁石32によりアーマチュア30が吸引され、かつ開弁側スプリング33のばね力によって下降して、ピストン下端部48bが収容溝54の底面に着底する際に作動油の圧縮反力などにより急激な下降移動が抑制される。この結果、アーマチュア30の下面30aと開弁用電磁石32の上面との衝突が防止される。
【0079】
このように、ピストン48が収容溝54に嵌入すると、シリンダ壁83に閉弁側スプリング28のばね力により上方への押圧力が作用して突起片84を介してプランジャ85が押し上げられるが、このときも高圧室89内の油圧保持によりシリンダ壁83の上昇が規制されるため、吸気弁23の開状態が維持される。
【0080】
一方、吸気弁23の閉時には、図13に示すようにアーマチュア30が閉弁用電磁石31に吸引されて上昇し、同時に閉弁側スプリング28のばね力によって吸気弁23を引き上げて、バルブシート22aに着座させる。この場合は、閉弁用電磁石31の吸引力と、開弁側スプリング33のばね力が相殺されて、ケーシング29を上下動させる力は発生しない。したがって、電磁駆動機構24は、ラッシアジャスタ81のスプリング95力と高圧室89内の油圧力による伸長力によって突起片84及びシリンダ壁83を介して押し下げられる。このため、支軸35の下端は、吸気弁23のバルブステム上端縁に押し付けられて、この間のギャップを零に調整することができる。この場合、ピストン48の上端部も収容溝53の底面に着底しているので、閉弁用電磁石31とアーマチュア30は、衝突が回避され、かつ開弁側スプリング33のばね力に打ち勝てる電磁力を発生するギャップをもって対峙させることができる。
【0081】
このように、本実施形態では、閉弁状態において支軸35の位置と電磁駆動機構22の位置がラッシアジャスタ81によって自動調整されるため、吸気弁23の熱膨張やバルブシート22aの摩耗が発生しても、常時吸気弁23の適正な開閉作動が得られる。
【0082】
特に、バルブステム23bの上端縁と支軸35の下端縁とのギャップを常に零とすることができるため、両者間の打音の発生を防止できる。
【0083】
しかも、ラッシアジャスタ81を、第4の実施形態のように吸気弁23や支軸35と同軸上ではなく、吸気弁23などとは連動しない並行な位置に配置したため、吸気弁23やアーマチュア系の慣性質量の増加を招かずに、常時安定かつ確実な作動が得られる。また、ラッシアジャスタ81の吸気弁23との連動が回避されることにより、該ラッシアジャスタ81外周の摺動摩耗抵抗の発生も回避できる。
【0084】
さらに、ラッシアジャスタ81を緩衝機構25と並列に配置したことにより、装置全体の高さを低くすることが可能になり、コンパクト化が図れる。
【0085】
なお、本実施形態は、緩衝機構を有しない装置でも支軸35と吸気弁23上端部のギャップがラッシアジャスタによって自動的に零調整され、アーマチュアと吸気弁23の位置を常に適性に保つことができる。
【0086】
本発明は、吸気弁側に限らず排気弁側のみに適用することも可能であり、排気弁側に適用した場合は、排気弁の開時の急激な動きを規制できることによって、燃焼ガスの急激な排出が抑制され、この結果、排気音を低減させることが可能になる。特に、緩衝機構25の緩衝作用に加えて、ピストン48の外周とボディ46との間に形成される流通路55の通路断面積を小さく設定すればピストン48の上下運動抵抗が高まり、バルブリフトおよびダウン速度をさらに減速させることができる。これにより、燃焼ガスの急激な排出が効果的に抑制することができる。また、緩衝機構は、必ずしも弁の開閉両方側に設ける必要はなく、一方側のみであってもよいし、アーマチュアの上部に設けてもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る機関弁の電磁駆動装置によれば、特に緩衝機構によって機関弁の開閉終端域における急激な開閉作動を十分に抑制できるため、傘部とバルブシート、並びにアーマチュアと閉弁用電磁石との激しい衝突が緩和される。この結果、激しい衝突打音の発生や摩耗あるいは破損等の発生が防止される。
しかも、収容溝へピストンの端部を嵌入させて緩衝作用を得ることにより、該緩衝作用をより高精度に制御できると共に、磁力への影響が大きいアーマチュアと電磁石との間の微小隙間を精度良く確保できる。この結果、機関弁の開閉時に最適な磁力が得られる。
換言すれば、微小隙間の過大による磁力不足や微小隙間の過小による残留磁気によるアーマチュアの電磁石からの離間応答性の低下が防止できる。
また、機関弁の閉時の最適な磁力が得られる結果、機関弁のバルブシートへの十分な閉弁保持力が得られ、良好なシール性が確保できる。
【0088】
請求項記載の発明によれば、機関弁の開作動時および閉作動時の両方の緩衝作用が得られる。
【0092】
請求項記載の発明によれば、ピストンによって圧縮された作動油が流通路側に流出するため、ピストンの良好な摺動性が得られ、この結果、機関弁の開閉作動応答性に影響を与えることがない。
【0093】
請求項記載の発明によれば、隙間を形成することによって、アーマチュアの最上昇時及び最下降時における各電磁石との衝突の発生をより確実に防止できる。
【0094】
請求項記載の発明によれば、段差部によって緩衝作用が段階的になって比較的緩やかな緩衝作用が得られる。
【0095】
請求項記載の発明によれば、テーパ面によってさらに緩やかな緩衝作用が得られる。
【0096】
請求項記載の発明によれば、機関弁のバルブクリアランスを常時零調整できる。
【0097】
請求項記載の発明によれば、請求項記載の発明の効果に加えて、緩衝機構の作用によりアーマチュアやその支軸の下降時の慣性力が減衰するため最大リフト終端域におけるラッシアジャスタの過度なポンプアップを防止できる。
【0098】
請求項記載の発明によれば、請求項7,8記載の発明と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、特にラッシアジャスタを機関弁と支軸との間ではなく、これらと並行に配置したため、機関弁やアーマチュア系の慣性質量の増加が抑制されて、機関弁などの常時安定かつ確実な作動が得られる。
【0099】
さらに、ラッシアジャスタを並行に配置したことにより、装置の全高を低くすることができ、装置全体のコンパクト化が図れ、エンジンルーム内への塔持性ならびレイアウトの自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す縦断面図。
【図2】開弁時の作用を示す縦断面図。
【図3】閉弁時の作用を示す縦断面図。
【図4】本実施形態に供される緩衝機構の要部拡大図。
【図5】緩衝機構によるバルブリフト特性図。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す要部縦断面図。
【図7】本実施形態のバルブリフト特性図。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す要部縦断面図。
【図9】本実施形態のバルブリフト特性図。
【図10】本発明の第4の実施形態を示す要部縦断面図。
【図11】本発明の第5の実施形態を示す要部縦断面図。
【図12】同第5の実施形態の作用説明図。
【図13】同第5の実施形態の作用説明図。
【図14】従来の装置を示す縦断面図。
【図15】Aは吸気弁の開閉時期特性図、Bは各電磁石の吸引力と各スプリングのばね力特性図。
【符号の説明】
21…シリンダヘッド
22a…バルブシート
23…吸気弁
23a…傘部
23b…バルブステム
24…電磁駆動機構
25…緩衝機構
28…閉弁側スプリング
29…ケーシング
30…アーマチュア
31…閉弁用電磁石
32…開弁用電磁石
33…開弁側スプリング
35…支軸
46…ボディ
47…シリンダ
48…ピストン
49,50…緩衝室
51…油圧回路
53,54…収容溝
68,81…ラッシアジャスタ

Claims (9)

  1. 機関弁に連係するアーマチュアと、該アーマチュアを吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動させる開弁用,閉弁用の電磁石と、前記機関弁を閉方向及び開方向へ付勢して中立位置に保持する開弁側および閉弁側のばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置において、
    前記アーマチュアに連係して、前記機関弁の開弁時あるいは閉弁時のストローク終端域における急激な移動を液圧によって抑制する緩衝機構を設け、
    前記緩衝機構は、機関弁とアーマチュアとの間に設けられたシリンダと、機関弁とアーマチュアとを連係し、前記シリンダ内を貫通摺動する摺動軸と、該摺動軸の外周に固定されて、前記シリンダ内を摺動するピストンと、該ピストンの外端面と該外端面に対向する前記シリンダの内端面との間に形成されて、内部の作動液によってピストンのストローク終端域における急激な移動を抑制する緩衝室とを備え、
    前記シリンダの内端面に、機関弁の全開作動時あるいは全閉作動時に前記ピストンの端部が収容される収容溝を形成したことを特徴と機関弁の電磁駆動装置。
  2. 前記緩衝室を前記ピストンとシリンダの両端側に形成すると共に、該各緩衝室の各外端側に、前記収容溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の電磁駆動装置。
  3. 前記ピストンの外周面とシリンダの内周面との間に、ピストンによって圧縮された前記緩衝室内の作動液の流入を許容する流通路を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の機関弁の電磁駆動装置。
  4. 前記ピストンの端部が収容溝内に収容された際における、前記アーマチュアの一端面と該一端面に対向する電磁石の対向面との間に、微小隙間を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の機関弁の電磁駆動装置。
  5. 前記ピストンの端部外周縁に、小径な段差部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の機関弁の電磁駆動装置。
  6. 前記ピストンの端部外周縁に、テーパ面を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の機関弁の電磁駆動装置。
  7. 機関弁に連係するアーマチュアと、該アーマチュアを吸引して前記機関弁を開作動及び閉作動させる開弁用,閉弁用の電磁石と、前記機関弁を閉方向及び開方向へ付勢して中立位置に保持する開弁側および閉弁側のばね部材とを備えた機関弁の電磁駆動装置において、
    前記前記各電磁石を内部に収容保持したケーシングとシリンヘッドに固定されて前記ケーシングの一部を摺動自在に保持するほぼ筒状の保持部材との間に、前記機関弁とアーマチュアとの連係ギャップを零調整するラッシアジャスタを設けたことを特徴とする機関弁の電磁駆動装置。
  8. 前記アーマチュアに連係して、前記機関弁の開弁時あるいは閉弁時のストローク終端域における急激な移動を液圧によって抑制する緩衝機構を設けると共に、前記ラッシアジャスタを、前記緩衝機構と機関弁との間に直列状態に設けたことを特徴とする請求項7に記載の機関弁の電磁駆動装置。
  9. 前記緩衝機構のシリンダを構成するシリンダ壁の上端部を、前記ケーシングの下端部に固定しかつ該シリンダ壁を前記保持部材内部に摺動自在に設ける一方、前記保持部材の内側部に前記ラッシアジャスタを緩衝機構と並列状態に設けたことを特徴とする請求項8に記載の機関弁の電磁駆動装置。
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