JP2001020708A - バルブ駆動装置 - Google Patents

バルブ駆動装置

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JP2001020708A
JP2001020708A JP11190178A JP19017899A JP2001020708A JP 2001020708 A JP2001020708 A JP 2001020708A JP 11190178 A JP11190178 A JP 11190178A JP 19017899 A JP19017899 A JP 19017899A JP 2001020708 A JP2001020708 A JP 2001020708A
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Japan
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valve
armature
mover
stator
shaft
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JP11190178A
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English (en)
Inventor
Joji Yamaguchi
錠二 山口
Osamu Sato
佐藤  修
Akira Shibata
晃 柴田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦損失および消費電力を低減し、安定した
作動が得られるバルブ駆動装置を提供する。 【解決手段】 第1および第2のスプリング41および
71の伸縮によりアーマチャ20に回転力が発生して
も、硬球部材82と支持部材83と溝部27とで構成さ
れる回転規制手段により、アーマチャシャフト22の周
方向の回転を規制する。これにより、エンジンの搭載ス
ペース内で磁場を有効に発生させるためにアッパコア3
0、ロアコア35およびアーマチャ20を矩形状に形成
しても、アーマチャ20およびバルブボディ1の往復運
動中にアーマチャ20とハウジング60とが接触するこ
とを防止し、摩擦損失が発生することを低減することが
できる。したがって、往復運動中に電磁力によって投入
しなければならない摩擦損失分のエネルギを低減して消
費電力を低減し、安定した作動を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁あるいは排気
弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの吸気弁あるいは排
気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置が知られて
いる。このようなバルブ駆動装置においては、吸気弁あ
るいは排気弁の開閉タイミングをエンジンの運転条件に
応じて吸気あるいは排気が良好に行われるように制御す
ることにより、エンジンの安定性向上、燃費の向上、あ
るいは排気エミッションを低減することが可能である。
【0003】上記の従来のバルブ駆動装置としては、電
磁力を発生するコイル部に無通電時、バルブボディが半
開きの位置になるように、バルブボディを弁開方向に付
勢する第1のスプリングと、バルブボディを弁閉方向に
付勢する第2のスプリングとのセット荷重が調整されて
いるのが一般的である。このように、アーマチャおよび
バルブボディを質量として含むばね−質量系から構成さ
れるバルブ駆動装置は、消費電力が少ないという優れた
特性をもっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばドイ
ツ国特許DE29712502号公報に開示されるバル
ブ駆動装置においては、限られた搭載スペース内で磁場
を有効に発生させるため、電磁石のコアとアーマチャと
を矩形状に形成している。
【0005】しかしながら、上記のようにアーマチャを
矩形状に形成した場合、ばねの伸縮によりアーマチャに
回転力が発生するため、アーマチャと、このアーマチャ
を収容するハウジングとが接触し、摩擦損失が発生する
恐れがある。摩擦損失が発生すると、その損失分のエネ
ルギを往復運動中に電磁力によって投入する必要がある
ため、消費電力が増大するという問題があった。また、
摩擦損失の変化に対して電磁石の通電時間を最適に制御
しなければならず、制御が複雑になるという問題があっ
た。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、摩擦損失および消費電力を低減
し、安定した作動が得られるバルブ駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】本発明の他の目的は、簡単な構成で製造コ
ストを低減するバルブ駆動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
バルブ駆動装置によると、回転規制手段は、可動子シャ
フトを軸方向に摺動可能に支持する軸受部に設けられ、
可動子シャフトの周方向の回転を規制するので、第1お
よび第2の付勢手段の伸縮により可動子に回転力が発生
しても、回転規制手段により可動子シャフトの周方向の
回転を規制することができる。このため、可動子および
バルブボディの往復運動中に可動子とハウジングとが接
触することを防止し、摩擦損失が発生することを低減す
ることができる。したがって、往復運動中に電磁力によ
って投入しなければならない摩擦損失分のエネルギを低
減して消費電力を低減し、安定した作動を得ることがで
きる。
【0009】本発明の請求項2記載のバルブ駆動装置に
よると、回転規制手段は、可動子シャフトの外壁に軸方
向に形成される溝部と、この溝部の内壁に当接可能な外
壁を有する球部材と、この球部材を回転可能に支持する
支持部材とを有する。したがって、球部材の転がりによ
り可動子シャフトと軸受部との摺動抵抗を低減するとと
もに、簡単な構成で体格を小型化し、製造コストを低減
することができる。
【0010】本発明の請求項3記載のバルブ駆動装置に
よると、軸受部は溝部にオイルを供給するためのオイル
供給路を有するので、このオイル供給路から軸受部と可
動子シャフトとの摺動部、ならびに球部材にオイルを供
給することができる。したがって、油路を共用すること
で軸受部の体格を小型にすることができる。
【0011】本発明の請求項4記載のバルブ駆動装置に
よると、可動子本体、第1の固定子、第2の固定子およ
びハウジングは矩形状に形成されているので、エンジン
の搭載スペース内で磁場を有効に発生させることができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図面に基づいて説明する。(第1実施
例)本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置を図1〜
図4に示す。第1実施例のバルブ駆動装置100は、エ
ンジンの吸気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置
である。図1は、無通電時のバルブボディ1が半開きの
状態を示し、図2は、エンジン始動時にバルブボディ1
およびアーマチャ20を始動位置に保持した状態を示
し、図3は、アッパコイル31に通電した弁閉状態を示
し、図4は、ロアコイル36に通電した弁開状態を示し
ている。
【0013】図1〜図4に示すバルブボディ1は、エン
ジンの燃焼室2に燃料と空気を供給する吸気口3を所定
のタイミングで開閉制御される。バルブボディ1は、エ
ンジンブロック4に形成されるスプリング収容室40に
向けて延長して形成されるステム11により軸方向上下
に移動する。またバルブボディ1は、軸方向の移動を案
内するステムガイド5によりエンジンブロック4に対し
て摺動自在に保持されている。エンジンブロック4に
は、後述する油路66に連通するオイル供給路67が形
成されており、オイル供給路67には、図示しない油路
を経由して後述するオイルポンプ110が接続されてい
る。
【0014】スプリング収容室40内には、第1の付勢
手段としての第1のスプリング41および第2の付勢手
段としての第2のスプリング71が収容されている。第
1のスプリング41は、一方の端部が後述するロアハウ
ジング63に形成されたスプリング溝64の内底面65
に当接し、他方の端部が保持部材としてのアッパリテー
ナ42に当接している。アッパリテーナ42は後述する
アーマチャシャフト22の端部にコッタ45により固定
されているので、第1のスプリング41はバルブボディ
1を弁開方向に付勢している。またアッパリテーナ42
には、後述するダンパピストン96に当接可能な凸部4
3と、後述するロアリテーナ72の凸部73に嵌合され
る凹部44とが形成されている。
【0015】第2のスプリング71は、一方の端部が保
持部材としてのロアリテーナ72に当接し、他方の端部
がスプリング収容室40の内底面46に当接している。
ロアリテーナ72はバルブボディ1のステム11の端部
にコッタ75により固定されているので、第2のスプリ
ング71はバルブボディ1を弁閉方向に付勢している。
またロアリテーナ72には、アッパリテーナ42の凹部
44に嵌合される凸部73が形成されている。ここで、
ロアリテーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹
部44との隙間は、ロアハウジング63とスプリング収
容室40を形成するエンジンブロック4の内壁との取付
隙間よりも微小に形成されている。したがって、ロアリ
テーナ72の凸部73とアッパリテーナ42の凹部44
とは、バルブボディ1のステム11およびアーマチャシ
ャフト22の軸の傾きを防止して摺動抵抗を低減する案
内部を構成している。
【0016】ハウジング60は、矩形状のアッパハウジ
ング61と、矩形状のミドルハウジング62と、矩形状
のロアハウジング63とからなり、スプリング収容室4
0を形成するエンジンブロック4の内壁に嵌め込まれ固
定されている。ハウジング60内には、アーマチャ20
と、第1の固定子としてのアッパコア30と、第2の固
定子としてのロアコア35と、軸受部としてのシャフト
ガイド80および26と、ダンパピストン91および9
6と、硬球部材82と、支持部材83とが収容されてい
る。
【0017】可動子としてのアーマチャ20は、アーマ
チャ本体21とアーマチャシャフト22とから構成さ
れ、軸方向の移動を案内するシャフトガイド80および
26により、アッパコア30およびロアコア35に対し
て摺動自在に支持されている。アーマチャ本体21は、
アッパコア30とロアコア35との間に配設され、矩形
状の鉄等の磁性材からなる。またアーマチャ本体21
は、ダンパピストン91に当接可能な凸部24を有して
いる。
【0018】可動子シャフトとしてのアーマチャシャフ
ト22は、一方の端部がアーマチャ本体21および後述
するピストン部材53の略中心部に嵌め込まれ、先端近
傍に後述するストッパ部材25が固定されており、他方
の端部がアッパリテーナ42およびロアリテーナ72を
介してバルブボディ1のステム11の端部に当接可能に
ステム11に接続されている。アーマチャシャフト22
は、例えばステンレス鋼からなり、外壁に軸方向に形成
される溝部23および27を有している。溝部23およ
び27は、アーマチャシャフト22の外壁に複数本形成
されており、シャフトガイド80に形成されるオイル供
給路81に連通している。この溝部23および27にオ
イルが供給されることにより、アーマチャシャフト22
とシャフトガイド80との摺動抵抗を低減するととも
に、ダンパピストン91および96と硬球部材82と支
持部材83とにオイルを供給することができる。
【0019】アッパコア30は、アッパハウジング61
に収容されており、矩形状の鉄等の磁性材により形成さ
れている。アッパコア30の内部に第1のコイル部とし
てのアッパコイル31が巻回されている。アッパコイル
31は通電されると、アッパコア30がアーマチャ本体
21を吸引して弁閉方向にアーマチャ20およびバルブ
ボディ1を移動させる電磁力を発生する。
【0020】ロアコア35は、ロアハウジング63に収
容されており、アーマチャ本体21を挟んでアッパコア
30に対向して配設されている。ロアコア35は矩形状
の鉄等の磁性材により形成されている。ロアコア35の
内部に第2のコイル部としてのロアコイル36が巻回さ
れている。ロアコイル36は通電されると、ロアコア3
5がアーマチャ本体21を吸引して弁開方向にアーマチ
ャ20およびバルブボディ1を移動させる電磁力を発生
する。
【0021】アッパコア30とロアコア35との間には
ミドルハウジング62が配設されており、ミドルハウジ
ング62の厚みにより、アーマチャ20の移動量が規制
される。
【0022】シャフトガイド80および26は、アーマ
チャシャフト22を軸方向に摺動可能に支持するもので
ある。シャフトガイド80は、ロアハウジング63に形
成される油路66と、アーマチャシャフト22の溝部2
3および27とを連通するオイル供給路81を有してい
る。このオイル供給路81にオイルが供給されること
で、シャフトガイド80とアーマチャシャフト22との
摺動を良好にしている。
【0023】ダンパピストン91および96は、シャフ
トガイド80の軸方向に互いに対向して設けられてい
る。ダンパピストン91は、シャフトガイド80の一端
に設けられてアーマチャ本体21がロアコア35に着座
する直前にダンパ機能を発揮するものであり、またパン
パピストン96は、シャフトガイド80の他端に設けら
れてアーマチャ本体21がアッパコア30に着座する直
前にダンパ機能を発揮するものである。ダンパピストン
91および96は、シャフトガイド80によって軸方向
に摺動可能に支持されており、それぞれ所定の位置でア
ーマチャ本体21の凸部24およびアッパリテーナ42
の凸部43と当接可能である。また、シャフトガイド8
0の両端部にはダンパストッパ93および98が設けら
れており、ダンパピストン91および96の移動量が規
制されている。
【0024】アーマチャシャフト22の外壁と、シャフ
トガイド80の内壁と、ダンパピストン91の外壁とで
ダンパ室94が形成されており、図3に示すように、弁
閉時において、ダンパ室94はアーマチャシャフト22
の溝部23および27と連通し、オイル供給路81と油
路66とオイル供給路67とを経由してダンパ室94に
オイルが供給される構成となっている。また、アーマチ
ャシャフト22の外壁と、シャフトガイド80の内壁
と、ダンパピストン96の外壁とでダンパ室99が形成
されており、図4に示すように、弁開時において、ダン
パ室99はアーマチャシャフト22の溝部23および2
7と連通し、オイル供給路81と油路66とオイル供給
路67とを経由してダンパ室99にオイルが供給される
構成となっている。
【0025】ダンパピストン91の一方の端部には凹部
92が形成されており、弁開時において、凹部92の内
底面にアーマチャ本体21の凸部24の端面が当接可能
である。このため、アーマチャ本体21の凸部24がダ
ンパピストン91に衝突する直前に、凹部92に溜めら
れたオイルにより減衰力が発生する構成となっている。
【0026】図5および図6に示すように、硬球部材8
2と支持部材83とは、シャフトガイド80の内部に設
けられている。支持部材83は、ピン90によりシャフ
トガイド80に固定されており、硬球部材82を回転可
能に支持している。支持部材83にはオイル供給路84
が形成されており、オイル供給路84はオイル供給路8
1と溝部27とに連通している。硬球部材82は、支持
部材83の外壁とアーマチャシャフト22の溝部27の
内壁とで囲まれており、溝部27の内壁に接触可能な外
壁を有している。また硬球部材82は、回転しながら支
持部材83の一方の端部から他方の端部まで移動するこ
とが可能である。
【0027】支持部材83はピン90によりシャフトガ
イド80に固定されているので、硬球部材82の外壁と
アーマチャシャフト22の溝部27の内壁とが当接する
ことにより、アーマチャシャフト22が周方向に回転す
ることが規制される。硬球部材82と溝部27とにはオ
イル供給路81および84からオイルが供給されてお
り、アーマチャシャフト22が軸方向に移動するとき、
硬球部材82が回転しながら支持部材83の一方の端部
から他方の端部まで移動することで、アーマチャシャフ
ト22とシャフトガイド80との摺動抵抗を低減すると
ともに、簡単な構成でアーマチャシャフト22の周方向
の回転を規制することができる。図3に示すように、弁
閉時、硬球部材82は指示部材83の一方の端部に位置
し、図4に示すように、弁開時、硬球部材82は指示部
材83の他方の端部に位置する。ここで、硬球部材82
と支持部材83と溝部27とは回転規制手段を構成して
いる。
【0028】ハウジング60の反エンジンブロック側の
端部にはピストンキャップ50が嵌め込まれ固定されて
いる。ピストンキャップ50は有底筒形状であって、ピ
ストンキャップ50の内壁は流体圧力室としての油圧室
を形成している。この油圧室内には、アーマチャシャフ
ト22の一方の端部、ストッパ部材25およびピストン
部材53が収容されている。ピストンキャップ50に
は、油路112が形成されており、油路112は、流量
制御弁111を介してオイルポンプ110またはドレイ
ン109と連通している。また、アッパハウジング61
に形成された油路113は、流量制御弁111を介して
オイルポンプ110またはドレイン109と連通してい
る。流量制御整弁111は、図示しない電子制御装置か
らの指示により、油圧室に供給される油圧を制御すると
ともに、油路112および113とオイルポンプ110
およびドレイン109との接続状態を切換えるためのも
のである。ここで、オイルポンプ110は、エンジンの
潤滑部へオイルを供給するためのものを兼用してもよい
し、バルブ駆動装置100の専用のものとして設けられ
ていてもよい。
【0029】ピストン部材53は、油圧室を上部油圧室
51と下部油圧室52とに区切っており、上部油圧室5
1は油路112に連通し、下部油圧室52は油路113
に連通している。ピストン部材53は、アーマチャシャ
フト22を軸方向に摺動し、ストッパ部材25に当接可
能である。ピストン部材53の外周壁にはシール部材5
4が嵌合されている。ピストン部材53の外周壁とピス
トンキャップ50の内周壁との間には微小クリアランス
が設けられており、このクリアランスを介して上部油圧
室51と下部油圧室52との間にオイルが漏れることを
シール部材54により防止している。
【0030】規制部材としてのストッパ部材25は、ア
ーマチャシャフト22の一方の端部の先端近傍に固定さ
れており、ピストン部材53の反エンジンブロック側へ
の摺動を規制している。したがって、ピストン部材53
は、反エンジンブロック側に移動するときにのみ、アー
マチャシャフト22に接続可能である。ピストン部材5
3の反エンジンブロック側への移動量は、ピストンキャ
ップ50の内壁により規制され、ピストン部材53のエ
ンジンブロック4側への移動量は、アッパハウジング6
1の外壁により規制されている。
【0031】下部油圧室52にオイルを供給すること
で、この油圧によりピストン部材53が反エンジンブロ
ック側へ摺動し、ピストン部材53がストッパ部材25
に係止され、アーマチャに接続される。これにより、ピ
ストン部材53、アーマチャ20およびバルブボディ1
が弁閉方向に移動し、ピストン部材53がピストンキャ
ップ50の内壁に当接することにより、アーマチャ20
およびバルブボディ1を着座位置、すなわち始動位置に
導くことができる。また、上部油圧室51にオイルを供
給することで、この油圧によりピストン部材53がエン
ジンブロック4側へ摺動する。このとき、アッパコイル
31が通電されていると、電磁力によりアーマチャ本体
21がアッパコア30に吸着され、アーマチャ20およ
びバルブボディ1は移動せずに、ピストン部材53のみ
が移動し、ピストン部材53がアッパハウジング61の
外壁に当接する。ここで、ストッパ部材25、上部油圧
室51、下部油圧室52、ピストン部材53および流量
制御弁111は始動開始手段を構成している。
【0032】上記の構成のバルブ駆動装置100におい
て、アッパコイル31およびロアコイル36に無通電
時、アーマチャ本体21がアッパコア30とロアコア3
5との略中間位置になるように、第1のスプリング41
および第2のスプリング71のセット荷重が調整されて
いる。このとき、バルブボディ1は、図1に示すように
半開きの状態にある。そして、エンジン動作中は、アッ
パコイル31とロアコイル36とが交互に通電されて弁
閉状態と弁開状態とを繰返す。
【0033】次に、バルブ駆動装置100の始動を開始
する方法について説明する。 (1) エンジン始動時、スタートの命令入力が電子制御装
置に入力され、電子制御装置からの指示により、流量制
御弁111を介して下部油圧室52に油圧を供給する。
ピストン部材53、アーマチャ20およびバルブボディ
1が弁閉方向に移動し、ピストン部材53がピストンキ
ャップ50の内壁に当接する位置、あるいは当接する直
前の位置に移動したら、アッパコイル31を通電し、電
磁力によりアーマチャ本体21をアッパコア30に吸着
させる。これにより、図2に示すように、アーマチャ2
0およびバルブボディ1を始動位置に保持することがで
きる。このとき、温度等の環境条件が変化しても1回の
作動で始動位置にアーマチャ20およびバルブボディ1
を導くことができる。したがって、作動回数の過多によ
る打音の発生を防止し、始動時間を短縮することができ
る。さらに、油圧を利用することにより、アーマチャ本
体21がアッパコア30に吸着されない吸着失敗を確実
に防止することができる。
【0034】(2) 図3に示すように、アーマチャ20お
よびバルブボディ1を始動位置に保持後、流量制御弁1
11を介して上部油圧室51に油圧を供給し、下部油圧
室52の油圧をドレイン109に抜くことにより、ピス
トン部材53のみがエンジンブロック4側へ移動してア
ッパハウジング61の外壁に当接する。このとき、アー
マチャ20およびバルブボディ1は始動位置に保持され
たままである。
【0035】(3) 図4に示すように、ピストン部材5
3、アーマチャ20およびバルブボディ1に発生する摩
擦力で移動しない程度の油圧を上部油圧室51に供給
し、ピストン部材53をアッパハウジング61の外壁に
当接した状態で保持して開閉制御に移行する。開閉制御
においては、アッパコイル31とロアコイル36とが交
互にタイミングよく通電され、第1および第2のスプリ
ング41および71の付勢力を利用して弁閉状態と弁開
状態とを繰返す。このとき、最大弁開状態からロアコア
35がアーマチャ本体21を吸着する電流を切断する前
後において、下部油圧室52に油圧を供給することによ
り、アーマチャ20およびバルブボディ1の往復運動に
よる摩擦損失分のエネルギを追加することができ、開閉
制御を良好に行うことができる。エンジン停止時におい
ては、アッパコイル31およびロアコイル36が無通電
となり、バルブボディ1およびアーマチャ本体21は、
図1に示すように中立の状態になる。
【0036】次に、ダンパピストン91および96の作
動について説明する。 (4) 弁開時、図4に示すように、アーマチャ本体21が
ロアコア35に着座する直前において、アーマチャ本体
の凸部24はダンパピストン91に衝突する。このと
き、ダンパ室94に溜められたオイルによりダンパ作用
が発生する。さらに、凹部92に溜められたオイルによ
りダンパ機能が発揮される減衰力を緩やかに立ち上げ
る。したがって、アーマチャ本体21がロアコア35に
直接衝突して大きな衝撃音が発生したり、アーマチャ本
体21およびロアコア35が破損したりすることを防止
することができる。このとき、ダンパ室99はアーマチ
ャシャフト22の溝部23および27と連通し、オイル
供給路81と油路66とオイル供給路67とを経由して
ダンパ室99にオイルが供給される。
【0037】(5) 弁閉時、図3に示すように、アーマチ
ャ本体21がアッパコア30に着座する直前において、
アッパリテーナ42の凸部43はダンパピストン96に
衝突する。このとき、ダンパ室99に溜められたオイル
によりダンパ作用が発生する。したがって、アーマチャ
本体21がアッパコア30に直接衝突して大きな衝撃音
が発生したり、アーマチャ本体21およびアッパコア3
0が破損したりすることを防止することができる。この
とき、ダンパ室94はアーマチャシャフト22の溝部2
3および27と連通し、オイル供給路81と油路66と
オイル供給路112とを経由してダンパ室94にオイル
が供給される。
【0038】以上説明した本発明の第1実施例において
は、第1および第2のスプリング41および71の伸縮
によりアーマチャ20に回転力が発生しても、回転規制
手段によりアーマチャシャフト22の周方向の回転を規
制する。これにより、エンジンの搭載スペース内で磁場
を有効に発生させるためにアッパコア30、ロアコア3
5およびアーマチャ20を矩形状に形成しても、アーマ
チャ20およびバルブボディ1の往復運動中にアーマチ
ャ20とハウジング60とが接触することを防止し、摩
擦損失が発生することを低減することができる。したが
って、往復運動中に電磁力によって投入しなければなら
ない摩擦損失分のエネルギを低減して消費電力を低減
し、安定した作動を得ることができる。
【0039】さらに第1実施例においては、回転規制手
段は、ダンパピストン91および96とともにシャフト
ガイド80の内部に設けられ、硬球部材82と支持部材
83と溝部27とで構成されているので、軸受部および
ダンパ機構にオイルを供給するオイル供給路81を共用
し、硬球部材82の転がりによりアーマチャシャフト2
2とシャフトガイド80との摺動抵抗を低減するととも
に、簡単な構成で体格を小型化し、製造コストを低減す
ることができる。
【0040】(第2実施例)本発明の第2実施例による
バルブ駆動装置を図7に示す。図1に示す第1実施例の
バルブ駆動装置100と同一構成部分に同一符号を付
す。
【0041】図7に示すように、アーマチャ20の軸方
向の移動を案内する軸受部としてのシャフトガイド12
6の内部には、硬球部材182と支持部材183とが設
けられている。支持部材183は、図示しないピンによ
りシャフトガイド126に固定されており、硬球部材1
82を回転可能に支持している。アーマチャシャフト2
2の外壁には軸方向に溝部127が形成されており、溝
部127は下部油圧室52に連通している。硬球部材1
82は、支持部材183の外壁とアーマチャシャフト2
2の溝部127の内壁とで囲まれており、溝部127の
内壁に接触可能な外壁を有している。また硬球部材18
2は、回転しながら支持部材183の一方の端部から他
方の端部まで移動することが可能である。
【0042】支持部材183はピンによりシャフトガイ
ド126に固定されているので、硬球部材182の外壁
とアーマチャシャフト22の溝部127の内壁とが当接
することにより、アーマチャシャフト22が周方向に回
転することが規制される。硬球部材182と溝部127
とには下部油圧室52および油路113からオイルが供
給されており、アーマチャシャフト22が軸方向に移動
するとき、硬球部材182が回転しながら支持部材18
3の一方の端部から他方の端部まで移動することで、ア
ーマチャシャフト22とシャフトガイド80との摺動抵
抗を低減するとともに、簡単な構成でアーマチャシャフ
ト22の周方向の回転を規制することができる。ここ
で、硬球部材182と支持部材183と溝部127とは
回転規制手段を構成している。
【0043】以上説明した第2実施例においても、回転
規制手段によりアーマチャシャフト22の周方向の回転
を規制するので、アーマチャ20およびバルブボディ1
の往復運動中にアーマチャ20とハウジング60とが接
触することを防止し、摩擦損失が発生することを低減す
ることができる。したがって、往復運動中に電磁力によ
って投入しなければならない摩擦損失分のエネルギを低
減して消費電力を低減し、安定した作動を得ることがで
きる。
【0044】さらに第2実施例においては、回転規制手
段は、シャフトガイド126の内部に設けられ、硬球部
材182と支持部材183と溝部127とで構成されて
いるので、硬球部材82の転がりによりアーマチャシャ
フト22とシャフトガイド126との摺動抵抗を低減す
るとともに、簡単な構成で体格を小型化し、製造コスト
を低減することができる。
【0045】以上説明した本発明の複数の実施例では、
アッパリテーナ42は凸部43を有し、凸部43がダン
パピストン96に当接可能な構成としたが、本発明で
は、アッパリテーナに凹部を形成し、この凹部に対向す
るダンパピストンの端部に凸部を形成してもよい。アッ
パリテーナに凹部を形成し、この凹部に対向するダンパ
ピストンの端部に凸部を形成することで、アーマチャ本
体がアッパコアに着座する直前において、上記の凹部に
溜められたオイルによりダンパ機能が発揮される減衰力
を緩やかに立ち上げることができる。
【0046】また、上記複数の実施例では、吸気弁を電
磁力により駆動するバルブ駆動装置に本発明を適用した
が、排気弁を電磁力により駆動するバルブ駆動装置に適
用可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の無
通電時の状態を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置のバ
ルブボディおよびアーマチャを始動位置に保持した状態
を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の弁
閉時の状態を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施例によるバルブ駆動装置の弁
開時の状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の主要部拡大図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】本発明の第2実施例によるバルブ駆動装置の無
通電時の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ 20 アーマチャ(可動子) 21 アーマチャ本体 22 アーマチャシャフト(可動子シャフト) 23、27、127 溝部 26、80、126 シャフトガイド(軸受部) 30 アッパコア(第1の固定子) 31 アッパコイル(第1のコイル部) 35 ロアコア(第2の固定子) 36 ロアコイル(第2のコイル部) 41 第1のスプリング(第1の付勢手段) 42 アッパリテーナ 51 上部油圧室(流体圧力室) 52 下部油圧室(流体圧力室) 53 ピストン部材 71 第2のスプリング(第2の付勢手段) 72 ロアリテーナ 81、84 オイル供給路 82、182 硬球部材 83、183 支持部材 91、96 ダンパピストン 94、99 ダンパ室 100、200 バルブ駆動装置 110 オイルポンプ 111 流量制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 晃 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G013 BA02 BB14 BB25 BC18 BD11 BD36 3H106 DA07 DA25 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD03 EE23 EE48 GA15 GA22 GC11 KK17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁あるいは排気弁のバル
    ブボディと、 前記バルブボディに接続される可動子シャフト、および
    磁性材からなる可動子本体を有する可動子と、 前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可動子
    を弁閉方向に移動させる電磁力を発生する第1のコイル
    部を有する第1の固定子と、 前記本体を挟んで前記第1の固定子に対向して配設さ
    れ、前記本体を吸引して前記バルブボディおよび前記可
    動子を弁開方向に移動させる電磁力を発生する第2のコ
    イル部を有する第2の固定子と、 前記バルブボディあるいは前記可動子を弁開方向に付勢
    する第1の付勢手段と、 前記第1の付勢手段に対向して配設され、前記バルブボ
    ディあるいは前記可動子を弁閉方向に付勢する第2の付
    勢手段と、 前記可動子、前記第1の固定子および前記第2の固定子
    を収容するハウジングと、 前記可動子シャフトを軸方向に摺動可能に支持する軸受
    部と、 前記軸受部に設けられ、前記可動子シャフトの周方向の
    回転を規制する回転規制手段と、 を備えることを特徴とするバルブ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記回転規制手段は、前記可動子シャフ
    トの外壁に軸方向に形成される溝部と、前記溝部の内壁
    に当接可能な外壁を有する球部材と、前記球部材を回転
    可能に支持する支持部材とを有することを特徴とする請
    求項1記載のバルブ駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記軸受部は、前記溝部にオイルを供給
    するためのオイル供給路を有することを特徴とする請求
    項2記載のバルブ駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記可動子本体、前記第1の固定子、前
    記第2の固定子および前記ハウジングは矩形状に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1、2または3記載の
    バルブ駆動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018098283A1 (en) * 2016-11-22 2018-05-31 Eaton Corporation Engine valve lifter oil flow control and anti-rotation feature

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