JP2002285638A - 簡易基礎構造、及び建物ユニットの固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的少数の建物ユニットによる一階建ての
ユニット建物を据え付けるための基礎構造であって、設
置が容易で、建物の撤去後、基礎の立上部が地上に突出
せずにきれいな跡地が残る簡易基礎構造を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 立上部が金属製の柱状体１からなり、そ
の下端に、フーチングの上面に取り外し可能に取り付け
られる取付部２を備え、また、上端には、建物ユニット
の柱脚部の下端部が接合される接合部３を備えた簡易基
礎構造である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、比較的少数の建
物ユニットによる一階建てのユニット建物等の据え付け
に適用される簡易基礎構造、及び建物ユニットの固定構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】比較的少数の建物ユニットによる一階建
てのユニット建物は、例えば介護ホーム等として一時的
に離れとして設置されたり、建物に付設されることがあ
り、その後撤去されることがある。この場合、図８に示
すように、建物ユニットＡ、Ｂは、基礎Ｃ上に載置さ
れ、立設されたボルトＤを用いて着脱自在となるように
固定されて設置される。そして、不用になると、ボルト
Ｄを用いた締結を解除し、建物ユニットＡ、Ｂを基礎Ｂ
上から撤去する。なお、建物ユニットＡ、Ｂは再利用で
きる。

【０００３】この場合の建物の基礎Ｃとしては、従来の
通常の建物の基礎と同様、壁下に沿って地中に埋設した
フーチング部とそのフーチング部から一体に立設した立
上部とからなるコンクリート製の布基礎Ｃの立上部の上
面に突出してボルトＤが設けられている。なお、この
他、柱下部分にのみに埋設されるフーチング部とそのフ
ーチング部から一体に立設した立上部とからなるコンク
リート製の独立基礎が用いられれることがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、比較的少数
の建物ユニットによる一階建てのユニット建物は、例え
ば介護ホーム等として一時的に離れとして設置された
り、建物に付設されることがあり、その後撤去されるこ
とがあるが、このようなユニット建物は建物の荷重が小
さく、前記の従来のコンクリート製の布基礎や独立基礎
は堅固すぎ、基礎の構築に必要以上に手間や費用が嵩む
ものであった。また、建物ユニットの撤去後に、コンク
リート製の立上部が地上に突出して残り、これを除去す
るのに手間や費用が嵩むものであった。

【０００５】この発明は、上記の点に鑑みてなされたも
のであって、比較的少ない建物ユニットによる一階建て
のユニット建物を据え付けるのに適し、設置が容易で、
建物の撤去後、基礎の立上部が地上に突出せずにきれい
な跡地が残る簡易基礎構造を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明の簡
易基礎構造は、立上部が金属製の柱状体からなり、この
柱状体の下端には、フーチングの上面に取り外し可能に
取り付けられる取付部を備え、また、柱状体の上端に
は、建物ユニットの柱脚部の下端部が接合される接合部
を備えてなることを特徴としている。

【０００７】また、請求項２記載の発明の建物ユニット
の固定構造は、柱、梁により箱形状に形成された建物ユ
ニットを、建物ユニットの柱下端、床梁を請求項１記載
の簡易基礎構造の接合部に載せ、ボルト等の固定具で緊
結してなることを特徴とする。

【０００８】（作用）この発明の簡易基礎構造、及び建
物ユニットの固定構造にあっては、立上部が金属製の柱
状体からなり、下端に取付部を備え、上端に建物ユニッ
トの柱脚部の接合部を備えているので、下端の取付部を
フーチングの上面に取り付け、上端の接合部に建物ユニ
ットの柱脚部の下端部を接合することにより、容易に建
物ユニットの据え付けることができる。

【０００９】また、建物ユニットの撤去にあたっては、
上端の接合部と建物ユニットの柱脚部の下端部とを外
し、建物ユニットを撤去した後、取付部をフーチングか
ら外して立上部を除去できるので、地上の突出物が残ら
ず、跡地はきれいになり、コンクリート製の基礎のよう
な大がかりな基礎撤去作業を必要としなくなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面の実
施例に基づいて説明する。

【００１１】図１〜図３は、この発明の第１の実施例を
示すもので、図１は斜視図、図２は平面図、図３は建物
ユニットを据え付けた状態を示す要部断面図である。

【００１２】図１〜図３において、１は柱状体、２は取
付部、３は接合部、４はフーチング、５は建物ユニット
である。

【００１３】柱状体１は、従来のコンクリート製の独立
基礎の立上部に相当するものであって、一辺が１００ｍ
ｍ程度の鋼製の角筒体からなり、高さは、建物の地面か
らの高さに合わせ、３５０ｍｍ程度とされている。

【００１４】取付部２は、地中に埋設されているフーチ
ング４の上面に取り外し可能に取り付けるためのもの
で、一辺が２２０ｍｍ程度の鋼板からなり、３個の取付
孔２１が穿設されており、柱状体１の下端に溶接によっ
て固着されている。なお、２２は補強板である。

【００１５】接合部３は、建物ユニット５の柱脚部５１
の下端部を接合するためのもので、最大幅１００ｍｍ、
長さ２８４ｍｍ程度の鋼板からなり、取付孔３１が穿設
されており、柱状体１の上端に溶接によって固着されて
いる。なお、３２は建物ユニット５の柱脚５１の下端に
嵌合するジョイントピン６の取付孔、３３は補強板であ
る。

【００１６】フーチング４は、建物ユニット５の据え付
け地の所定箇所にその上面を地面に略面一に埋設されて
おり、その上面にボルト４１が立設されている。

【００１７】建物ユニット５は、図３では下端部の一部
のみを示しているが、４本の柱及びこの４本の柱の上下
端部を梁でそれぞれ連結した箱形状に形成されたもので
あり、その柱５１の下端部にはジョイントピン６の嵌合
孔とこの柱５１の下端に近接する床部の梁５２の下フラ
ンジにはボルト７挿入孔が穿設されている。

【００１８】次に、建物ユニットの固定構造を図３を参
照して説明する。先ず、取付部２の取付孔２１を上面が
地面に略面一に埋設されているフーチング４に立設され
ているボルト４１に嵌合してナット４２を螺合して柱状
体１をフーチング４上に立設固定して、基礎を構築す
る。

【００１９】続いて、上記基礎に建物ユニット５を据え
付ける。すなわち、上記基礎の柱状体１の上端に取着さ
れた接合部３の上に、建物ユニット５の柱の柱脚部５１
の下端部と床部の梁５２の柱５１の下端部に近接する下
フランジを載置する。そして、接合部３の取付孔３２に
ジョイントピン６を取り付け、このジョイントピン６を
柱５１の下端部の嵌合孔に嵌合するとともに、接合部３
の取付孔３１と梁５２の下フランジにボルト７を挿通し
ナット８を螺合して固定する。

【００２０】建物ユニット５の他の柱の柱脚部や床部の
梁も同様にして基礎に固定して建物ユニット５の据え付
けが完了する。

【００２１】建物ユニット５の撤去にあたっては、前記
の逆の手順で、建物ユニット５を基礎の接合部３から取
り外し、次いで取付部２をフーチング４から取り除く。
この取付部２をフーチング４から取り除けば、地面は平
らであって、きれいであるので、フーチング４を掘り返
えしたりする必要がない。

【００２２】次に、この発明の実施の他の形態につい
て、図４〜図６の第２の実施例に基づいて説明する。

【００２３】図４〜図６はこの発明の第２の実施例を示
すもので、２個の建物ユニット５ａ、５ａを隣接して据
え付けるのに使用される簡易基礎構造、及び建物ユニッ
トの固定構造を示すものであり、前述した基礎２個を一
対にした構成となっており、図１は横断面図、図５は平
面図、図６は建物ユニットの固定構造を示す要部断面図
である。

【００２４】図４〜図６において、１ａは柱状体、２ａ
は取付部、３ａは接合部、４ａはフーチング、５は建物
ユニットである。

【００２５】柱状体１ａは、第１の実施例と同様、従来
のコンクリート製の独立基礎の立上部に相当するもので
あって、一辺が１００ｍｍ程度の２個の鋼製の角筒体か
らなり、高さは、建物の地面からの高さに合わせ、３５
０ｍｍ程度とされている。

【００２６】取付部２ａは、第１の実施例と同様、地中
に埋設されているフーチング４ａの上面に取り外し可能
に取り付けるためのもので、一辺が４１０ｍｍ程度の鋼
板からなり、第１の実施例の倍の６個の取付孔２１ａが
穿設されており、柱状体１ａの下端に溶接によって固着
されている。

【００２７】接合部３ａは、各建物ユニット５ａ、５ａ
のそれぞれの柱脚部５１ａ、５１ａの下端部を接合する
ためのもので、最大幅１００ｍｍ、長さ５７８ｍｍ程度
の鋼板からなり、第１の実施例の倍の取付孔３１ａが穿
設されており、柱状体１ａの上端に溶接によって固着さ
れている。なお、３２ａは建物ユニット５ａの柱脚５１
ａの下端に嵌合するジョイントピン６ａの取付孔であ
る。

【００２８】フーチング４ａは、建物ユニット５ａの据
え付け地の所定箇所にその上面を地面に略面一に埋設さ
れており、その上面にボルト４１ａが立設されている。

【００２９】各建物ユニット５ａは、第１の実施例と同
様、４本の柱及びこの４本の柱の上下端部を梁でそれぞ
れ連結した箱形状に形成されたものであり、その柱５１
ａの下端部にはジョイントピン６ａの嵌合孔とこの柱５
１ａの下端に近接する床部の梁５２ａの下フランジには
ボルト７ａ挿入孔が穿設されている。

【００３０】この簡易基礎構造の使用態様は、図３に示
すとうりであり、第１の実施例で説明した態様と特に相
違しないので説明を省略する。また、各建物ユニット５
ａ、５ａの撤去にあたっても、第１の実施例で説明した
態様と特に相違しないので説明を省略するが、各建物ユ
ニット５ａ、５ａの撤去と基礎の取付部２ａをフーチン
グ４ａから取り除けば、第１の実施例と同様に、地面は
平できれいであるので、フーチング４を掘り返えしたり
する必要がないのである。

【００３１】

【発明の効果】この発明の簡易基礎構造、及び建物ユニ
ットの固定構造によれば、立上部が金属製の柱状体から
なり、下端に取付部を備え、上端に建物ユニットの柱脚
部の接合部を備えているので、下端の取付部をフーチン
グの上面に取り付け、上端の接合部に建物ユニットの柱
脚部の下端部を接合することにより、建物ユニットの据
え付けが容易となる。

【００３２】また、建物ユニットを撤去する場合には、
上端の接合部と建物ユニットの柱脚部の下端部とを外
し、建物ユニットを撤去した後、取付部をフーチングか
ら外して立上部を除去できるので、地上の突出物が残ら
ず、跡地はきれいになり、コンクリート製の基礎のよう
な大がかりな基礎撤去作業を必要としなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施例の斜視図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】建物ユニットの固定構造の第１の実施例を示す
要部断面図である。

【図４】この発明の第２の実施例の横断面図である。

【図５】図４の平面図である。

【図６】建物ユニットの固定構造の第２の実施例を示す
要部断面図である。

【図７】従来の建物ユニットの固定状態を説明する分解
斜視図である。

【符号の説明】

１、１ａ 柱状体 ２、２ａ 取付部 ３、３ａ 接合部 ４、４ａ フーチング ５、５ａ 建物ユニット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 立上部が金属製の柱状体からなり、この
   柱状体の下端には、フーチングの上面に取り外し可能に
   取り付けられる取付部を備え、また、柱状体の上端に
   は、建物ユニットの柱脚部の下端部が接合される接合部
   を備えてなることを特徴とする簡易基礎構造。
2. 【請求項２】 柱、梁により箱形状に形成された建物ユ
   ニットを、建物ユニットの柱下端、床梁を請求項１記載
   の簡易基礎構造の接合部に載せ、ボルト等の固定具で緊
   結してなることを特徴とする建物ユニットの固定構造。