JP2603786B2 - 1階の床パネルの支持構造 - Google Patents

1階の床パネルの支持構造

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JP2603786B2 JP4292364A JP29236492A JP2603786B2 JP 2603786 B2 JP2603786 B2 JP 2603786B2 JP 4292364 A JP4292364 A JP 4292364A JP 29236492 A JP29236492 A JP 29236492A JP 2603786 B2 JP2603786 B2 JP 2603786B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建物の1階の床を構成す
る床パネルの支持構造に関し、特に廊下の床部分の支持
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】パネル工法によるプレファブ家屋におい
ては、長方形状の板材の下面に棧材が接合されてなる床
パネルを敷き並べることにより、床が構成されている。
そして、1階の床に付いては、その上に立設される壁パ
ネルを介して2階部分からかかる荷重に耐え得るよう
に、床パネルの少なくとも短辺部を布基礎上に乗せてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、長辺部方向
に隣り合う一対の床パネルの短辺部同士が接合されてな
る接合部上に、壁パネルを立設しない場合や、間仕切壁
や開口部を有する壁などの非耐力壁となる壁パネルを立
設する場合には、接合部には殆ど荷重がかからないた
め、その接合部を必ずしも布基礎で支える必要はない。
特に、細長い廊下の場合には、床パネルの両側の長辺部
をともに布基礎上に乗せて支えているため、短辺部も布
基礎で支える必要はさらにない。従来は、このように不
要箇所であるにも拘らず、布基礎を設けていたため、基
礎工事に多大なる手間と時間を要し、現場での省力化を
図り工業化を進める上で妨げとなっていた。
【0004】そこで、本発明の目的は、1階の床パネ
ル、特に廊下の床部分の床パネルの短辺部を布基礎によ
らずに支持することのできる床パネルの支持構造を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の1階の床パネルの支持構造
においては、互いに平行に配置されて対向する一対の布
基礎と、これら一対の布基礎上に連接して乗せられた複
数の床パネルと、前記一対の布基礎に両端部がそれぞれ
接合された横架材とを具備してなり、前記床パネルは、
長方形をなす板材の下面に少なくともその長辺部に沿っ
て棧材が接合されてなり、かつ、前記床パネルの各長辺
部が、夫々、前記一対の布基礎に沿って、前記一対の布
基礎上に乗せられるとともに、前記床パネルの短辺部同
士が互いに接合され、前記横架材は、前記床パネルの短
辺部同士の接合部の下側において、該接合部に沿って両
床パネルに跨るように配置され、前記床パネルの短辺部
同士の接合部を支持している構成とした。
【0006】また、本発明の請求項2記載の1階の床パ
ネルの支持構造においては、前記布基礎の立上り部に、
前記横架材の端部を乗せる受部が突設され、該受部から
前記横架材を緊結するアンカーボルトが突出させられ、
該アンカーボルトにより前記横架材の両側の端部が、夫
々、対向する一対の布基礎に緊結されている構成とし
た。
【0007】また、本発明の請求項3記載の1階の床パ
ネルの支持構造においては、互いに平行に配置されて対
向する一対の布基礎と、これら一対の布基礎上に連接し
て乗せられた複数の床パネルと、地面上に立設された柱
部材により支持された横架材とを具備してなり、前記床
パネルは、長方形をなす板材の下面に少なくともその長
辺部に沿って棧材が接合されてなり、かつ、前記床パネ
ルの各長辺部が、夫々、前記一対の布基礎に沿って、前
記一対の布基礎上に乗せられるとともに、前記床パネル
の短辺部同士が互いに接合され、前記横架材は、前記床
パネルの短辺部同士の接合部の下側において、該接合部
に沿って両床パネルに跨るように配置され、前記床パネ
ルの短辺部同士の接合部を支持している構成とした。
【0008】また、本発明の請求項4記載の1階の床パ
ネルの支持構造においては、前記横架材の両側の端部
が、夫々、対向する一対の布基礎に隙間を介して対向さ
せられている構成とした。 また、本発明の請求項5記載
の1階の床パネルの支持構造においては、前記床パネル
を、廊下の床に用いられるパネルとした。
【0009】
【作用】本発明に係る1階の床パネルの支持構造によれ
ば、隣り合う一対の床パネルの短辺部同士が接合されて
なる接合部の下側に、両床パネルに跨る横架材が設けら
れているため、その接合部が横架材によって支えられ
る。
【0010】前記横架材の両側の端部が、夫々、対向す
る一対の布基礎に緊結されているため、それら布基礎に
よって横架材が支持される。この場合、その布基礎に、
アンカーボルトを備えた受部が設けられているため、こ
の受部に横架材の端部を乗せてアンカーボルトに緊結す
るだけで容易に横架材が取り付けられる。
【0011】また、前記横架材が柱部材で支持されてい
れば、布基礎に横架材を緊結させずに済む。この場合、
横架材の端部と布基礎との間に隙間があるため、上から
の荷重により接合部が沈み込んでも、横架材の端部と布
基礎とが擦れずに済む。
【0012】上述したように床パネルの短辺部が支持さ
れるとともに、床パネルの各長辺部が布基礎により支持
されているため、床パネルの四辺部が支持される。
【0013】そして、上述したように支持される床パネ
ルが廊下の床に用いられるパネルであれば、例えば幅が
910mmで長さが1820mm〜3640mmなどのように
細長い床パネルが簡略な構造で支持される。
【0014】
【実施例】本発明に係る1階の床パネルの支持構造を、
例えば廊下における床パネルの支持に適用した場合を挙
げ、その第1実施例を図1乃至図3に、また第2実施例
を図4に夫々示し、以下に説明する。
【0015】図1には、第1実施例における床パネルの
支持構造の基礎部分の平面が示されている。同図に示す
ように、廊下においては、長方形の平面形状をなす床パ
ネル1A,1B,1Cはその長辺部方向に一列に敷き並
べられ、それら各パネルの短辺部1aと他のパネルの短
辺部1bとが隣り合う接合部2において相互に接合され
ている。そして、接合部2において各パネルの短辺部1
a,1bは、対向する一対の布基礎3A,3B間に架け
渡された横架材4により支持され、また、各パネルの長
辺部1c,1dは、布基礎3A,3B上に乗せられてい
る。
【0016】なお、図1において、床パネル1A,1
B,1Cは2点鎖線で示されている。これら床パネル1
A,1B,1Cは、合板などの板材10の下面に、例え
ばその長辺部1c,1dに沿って棧材11,11が夫々
接合され、それら棧材11,11の間に平行な棧材
2,12が配設されてできている。そして、接合部2に
おいて、それら床パネル1A,1B,1Cは、相互に接
着剤を介して接合されているとともに、例えば木材から
なる横架材4に図示省略するスクリュー釘等で止着され
ているのはいうまでもない。
【0017】図2には、床パネルの支持構造の縦断面が
示され、図3には、その一部を分解した状態の基礎部分
が示されている。それら図2および図3に示すように、
横架材4は、その両端部4a,4aが布基礎3A,3B
に緊結されていることにより、布基礎3A,3Bと一体
化されている。
【0018】即ち、布基礎3A(3B)の立上り部30
の対向する布基礎3B(3A)側に、横架材4の端部4
aを乗せる台となる受部31が突設されていて、その受
部31上に端部4aが乗せられている。そして、受部3
1に設けられたアンカーボルト32に横架材4を介して
ナット5が螺合されている。なお、受部31と横架材
との間にはそれら相互の縁を切る台輪60が介設されて
いる。
【0019】受部31は、所定間隔おき、即ち敷設する
床パネルの長さおきに設けられている。アンカーボルト
32は、床パネル1B(1A,1C)の裏面に設けられ
た防蟻シート13を破らないように、立上り部30の上
端と床パネル1B(1A,1C)との間に介設される台
輪61の上面6a(即ち、床パネル1Bの裏面)よりも
上側に突出しないように配慮されている。なお、符号3
3で示したものは布基礎のフーチング部である。
【0020】また、横架材4の上面4bと台輪61の上
面6aとは略面一になっている。そして、横架材4の前
記アンカーボルト32に対応する箇所には、アンカーボ
ルト32を通すボルト通し孔40が設けられているのは
いうまでもない。さらに、上面4bのボルト通し孔40
を囲む近傍部分には、前記ナット5および座金7を上面
4bから突出させることなく収容する凹部41が形成さ
れている。
【0021】上記第1実施例によれば、接合部2におい
て、床パネル1A,1B,1Cの短辺部1a,1bが
架材4によって支持され、さらに横架材4の両端部4
a,4aが受部31,31に乗せられてアンカーボルト
32,32により布基礎3A,3Bに緊結されているた
め、横架材4と布基礎3A,3Bとが一体化され、接合
部2上に耐力壁となる壁パネルを立設しても、十分に耐
え得るだけの強度を確保することができる。従って、耐
力壁の下側であっても十分に接合部2を、布基礎に代わ
って支持することができる。また、受部31に横架材
の端部4aを乗せてアンカーボルト32に緊結するだけ
横架材4を取り付けることができる。従って、基礎工
事に要する手間と時間が少なくて済み、より一層工業化
を図ることができる。本発明に係る1階の床パネルの支
持構造の第2実施例を、その縦断面図を図4に示し、以
下に説明する。なお、第1実施例と同一の点については
同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0022】この支持構造が第1実施例と異なるのは、
以下の点である。すなわち、横架材4の両端部4a,4
aが布基礎3A,3Bに緊結される代わりに、横架材
が地面上に立設された柱部材8により支持されていると
ともに、端部4aと布基礎3A(3B)とが接触しない
ようにそれらが離されている点である。
【0023】柱部材8は、所謂束基礎となるもので、本
実施例では例えばターンバックル式の伸縮可能なジャッ
キ部80とその上下両端部に取り付けられた当て板部8
1,81により構成され、高さの調整を行えるようにな
っている。なお、柱部材8はコンクリートなどでできて
いてもよい。
【0024】上記第2実施例によれば、横架材4が柱部
材8で支持されているため、布基礎3A,3Bに横架材
4を緊結させずに済むので、接合部2上に壁パネルを立
設しない場合や非耐力壁となる壁パネルを立設する場合
に十分な強度を確保することができる。従って、単に床
パネル同士を接合するだけの場合や非耐力壁の場合に
は、第1実施例に比べてより簡略な構造で済む。また、
横架材4の端部4aと布基礎3A(3B)との間に隙間
があるため、上からの荷重により接合部2が沈み込んで
も、横架材4の端部4aと布基礎3A(3B)とが擦れ
ずに済むので、端部4aに塗布した防腐剤や防蟻剤が剥
がれるのを防ぐことができる。
【0025】なお、上記実施例においては、本発明に係
る1階の床パネルの支持構造を廊下の床部分に適用した
場合に付いて説明したが、廊下に限らず、その他の床部
分に適用することができる。また、床パネル1A,1
B,1Cの短辺部1a,1bに沿って、またそれに平行
棧材が設けられていてもよいのはいうまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る1階の床パネルの支持構造
によれば、隣り合う一対の床パネルの短辺部同士が接合
されてなる接合部の下側に、両床パネルに跨る横架材
設けられているため、布基礎によらなくても、横架材
よってその接合部を支えることができるので、基礎工事
に要する手間と時間が少なくて済み、より一層工業化を
図ることができる。
【0027】前記横架材の両側の端部が、夫々、対向す
る一対の布基礎に緊結されているため、それら布基礎に
横架材が支持されるので、横架材と布基礎とが一体化さ
れ、接合部上に耐力壁となる壁パネルを立設しても、十
分に耐え得るだけの強度を確保することができる。従っ
て、耐力壁の下側であっても十分に床パネルの短辺部、
或は隣り合う一対の床パネルの短辺部同士が接合されて
なる接合部を、布基礎に代わって支持することができ
る。この場合、横架材を緊結する布基礎に、アンカーボ
ルトを備えた受部が設けられているため、この受部に
架材の端部を乗せてアンカーボルトに緊結するだけでよ
く、横架材の取付けが容易である。
【0028】また、前記横架材が柱部材で支持されてい
れば、上述したように布基礎に横架材を緊結させずに済
むので、接合部上に壁パネルを立設しない場合や非耐力
壁となる壁パネルを立設する場合に十分な強度を確保す
ることができる。従って、単に床パネル同士を接合する
だけの場合や非耐力壁直下の場合には、より簡略な構造
で済む。この場合、横架材の端部と布基礎との間に隙間
があるため、上からの荷重により接合部が沈み込んで
も、横架材の端部と布基礎とが擦れずに済むので、横架
の端部に塗布した防腐剤や防蟻剤が剥がれるのを防ぐ
ことができる。
【0029】上述したように床パネルの短辺部が支持さ
れるとともに、床パネルの各長辺部が布基礎により支持
されているため、床パネルの四辺部が支持される。
【0030】そして、上述したように支持される床パネ
ルが廊下の床に用いられるパネルであれば、例えば幅が
910mmで長さが1820mm〜3640mmなどのように
細長い床パネルが簡略な構造で支持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における床パネルの支持構造の基礎
部分の平面図である。
【図2】その支持構造の縦断面図である。
【図3】その支持構造における基礎部分の分解斜視図で
ある。
【図4】第2実施例における床パネルの支持構造の縦断
面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 床パネル 1a,1b 短辺部 1c,1d 長辺部 2 接合部 3A,3B 布基礎 4 横架材 4a 端部 8 柱部材 10 板材 11,12 棧材 30 立上り部 31 受部 32 アンカーボルト

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに平行に配置されて対向する一対の
    布基礎と、これら一対の布基礎上に連接して乗せられた
    複数の床パネルと、前記一対の布基礎に両端部がそれぞ
    れ接合された横架材とを具備してなり、 前記床パネルは、長方形をなす板材の下面に少なくとも
    その長辺部に沿って棧材が接合されてなり、かつ、前記
    床パネルの各長辺部が、夫々、前記一対の布基礎に沿っ
    て、前記一対の布基礎上に乗せられるとともに、前記床
    パネルの短辺部同士が互いに接合され、 前記横架材は、前記床パネルの短辺部同士の接合部の下
    側において、該接合部に沿って両床パネルに跨るように
    配置され、前記床パネルの短辺部同士の接合部を支持し
    ていることを特徴とする1階の床パネルの支持構造。
  2. 【請求項2】 前記布基礎の立上り部に、前記横架材の
    端部を乗せる受部が突設され、該受部から前記横架材を
    緊結するアンカーボルトが突出させられ、該アンカーボ
    ルトにより前記横架材の両側の端部が、夫々、対向する
    一対の布基礎に緊結されていることを特徴とする請求項
    1記載の1階の床パネルの支持構造。
  3. 【請求項3】 互いに平行に配置されて対向する一対の
    布基礎と、これら一対の布基礎上に連接して乗せられた
    複数の床パネルと、地面上に立設された柱部材により支
    持された横架材とを具備してなり、 前記床パネルは、長方形をなす板材の下面に少なくとも
    その長辺部に沿って棧材が接合されてなり、かつ、前記
    床パネルの各長辺部が、夫々、前記一対の布基礎に沿っ
    て、前記一対の布基礎上に乗せられるとともに、前記床
    パネルの短辺部同士が互いに接合され、 前記横架材は、前記床パネルの短辺部同士の接合部の下
    側において、該接合部に沿って両床パネルに跨るように
    配置され、前記床パネルの短辺部同士の接合部を支持し
    ていることを特徴とする1階の床パネルの支持構造。
  4. 【請求項4】 前記横架材の両側の端部は、夫々、対向
    する一対の布基礎に隙間を介して対向させられているこ
    とを特徴とする請求項3記載の1階の床パネルの支持構
    造。
  5. 【請求項5】 前記床パネルは、廊下の床に用いられる
    パネルであることを特徴とする請求項1、2、3または
    記載の1階の床パネルの支持構造。
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