JP2002285141A - シール材 - Google Patents
シール材Info
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Abstract
を運動面に押圧させる弾性体リングとからなり、高圧流
体下で相対移動する軸と該軸を覆う外装体間の隙間への
高圧流体の浸入を防止するシール材における耐久性の向
上。 【解決手段】 弾性体リングの弾性によって運動面に押
圧される樹脂リングを、主たるジアミン成分が1,9−
ノナンジアミンからなり、主たるジカルボン酸成分がテ
レフタル酸からなるポリアミドを主体に構成する。
Description
等の流体圧システム中の高圧流体下で相対移動する軸と
これを覆う外装体間をシールするシール材に関し、特
に、スイベルジョイント用に好適なシール材に関する。
ベルジョイントの一部断面図であって、1は円筒状のハ
ウジング、2はハウジング1の内壁11と密接して回
転、揺動、さらに、これらの複合動をする円筒状の軸で
ある。ハウジング1の内壁11には一定の間隔をおいて
窪み12が設けられ、該窪み12内には、樹脂リング1
4とその外周側に配置された弾性体リング13とからな
るシール材20が装着され、該シール材20により、ハ
ウジング1と軸2とが気密にシールされている。
の弾性によって常に軸2に押圧されており、またスイベ
ルジョイントが稼働中においてはハウジング1と軸2と
の界面には高圧の油圧Pが付与されている。樹脂リング
14には、従来より、フッ素樹脂(PTFE)製のもの
が使用されているが、該フッ素樹脂製の樹脂リングにお
いては、長時間の使用中に、高圧流体に接触した状態で
の回転、揺動等の運動をする軸との摺動によって劣化、
変形を起して、軸2への接触面が磨耗したり、樹脂リン
グ14の一部が図9に示すようにハウジング1と軸2と
の界面に侵入する、所謂はみだし現象を生じたりして、
ハウジング1と軸2との間から油漏れを起こすという問
題があった。よって、かかる問題の解消のために、PT
FE等のフッ素樹脂に、銅粉(ブロンズ)や特殊充填材
等を配合してなる樹脂リングも提案されているが、依然
として、樹脂リングの耐磨耗性や耐はみ出し性は十分に
解決されていないのが実状である。
鑑み、樹脂リングと弾性体リング(樹脂リングの内周面
または外周面のいずれか一方の側に配置する)とを組み
合わせ、高圧流体下で相対移動する軸と該軸を覆う外装
体のいずれか一方に設けた窪み内に、樹脂リングが運動
面に摺接するように装着して、軸と外装体間の隙間への
高圧流体の浸入を防止するタイプのシール材において、
樹脂リングの耐久性、特に、耐磨耗性および耐はみだし
性が改善されて、良好なシール性能を従来よりも持続で
きるシール材を提供することを目的としている。
を達成すべく鋭意研究した結果、上記使用形態のシール
材に用いる樹脂リングの耐久性向上に、1,9−ノナン
ジアミンとテレフタル酸を主成分とするポリアミドの力
学特性、耐熱性、耐油性(耐薬品性)等が好ましく作用
することを知見し、該知見に基づき本発明を完成させ
た。すなわち、本発明の特徴は以下の通りである。
若しくは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性体
リングとからなり、高圧流体下で、相対移動する軸と該
軸を覆う外装体のいずれか一方に形成された窪み内に、
弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側
に位置させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周
面のいずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面
のいずれか一方に押圧して、前記軸と外装体間をシール
するシール材であって、前記樹脂リングが、ジアミン成
分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン、ジ
カルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸で
あるポリアミドを主体としてなることを特徴とするシー
ル材。 (2)軸が、回転、往復および揺動のうちの少なくとも
1つの運動をするものである請求項1記載のシール材 (3)軸と外装体が、スイベルジョイントの軸と該軸を
覆うハウジングであり、該ハウジングに設けられた窪み
内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み
開口側に位置させて、装着して、樹脂リングの内周面を
軸の外周面に押圧してなるものである上記(1)記載の
シール材 (4)ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ
時)が100MPa以上であり、かつ、荷重変形率が
1.0%以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記
載のシール材。 (5)樹脂リングが、前記ポリアミド100重量部当り
10〜40重量部の充填材を含むものである上記(1)
〜(4)のいずれかに記載のシール材。 (6)充填材が、ガラス繊維、カーボン繊維、フッ素樹
脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末およ
びポリイミド樹脂微粉末からなる群から選ばれる少なく
とも1種である上記(5)記載のシール材。
本発明のシール材は、樹脂リングと該樹脂リングの内周
面若しくは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性
体リングとからなり、高圧流体下で相対移動する軸とこ
れを覆う外装体のいずれか一方に形成した窪み内に、弾
性体リングを窪みの底面側に、樹脂リングを窪み開口側
に位置させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周
面のいずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面
のいずれか一方に押圧して、軸と外装体間の隙間への高
圧流体の浸入を防止するシール材であって、樹脂リング
を、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナ
ンジアミン、ジカルボン酸成分の60〜100モル%が
テレフタル酸からなるポリアミドを主体に構成したこと
が特徴である。
軸を覆う外装体とは、例えば、油圧機器におけるスイベ
ルジョイントの軸とハウジング、エンジン機構等におけ
るピストンとシリンダ、さらには、冷蔵庫、冷凍機、エ
アコンディショナ機等の冷却装置や空調装置のコンプレ
ッサにおける軸とハウジング、スクロールコンプレッサ
等における摺動面(移動面)と固定面等である。シール
対象となる高圧流体には、各種の油(例えば、鉱油、タ
ービン油、ガソリン油、冷凍機油、生分解性油)や冷媒
(例えば、フロンガス、フルオロ炭化水素等)が挙げら
れる。また、軸と外装体とが相対移動するとは、少なく
ともこれらの一方(通常は軸)が運動して両者の位置関
係が変化することであり、軸の運動には、例えば、回
転、往復および揺動等の他、これらのうちのいずれか2
つの複合動、さらには、これら3つの複合動が含まれ
る。例えば、スイベルジョイントの稼動中において、軸
は、回転、揺動をそれぞれ単独で行ったり、これら2つ
の複合動をする。ここで、回転とは、軸がその軸線周り
に一定方向に回転する運動であり、揺動とは、軸がその
軸線周りの一方向とその反対方向に交互に回転する運動
であり、例えば、一定の位置から一方向に180度回転
した後、反転して反対方向に180度回転したり、一方
向に360度回転した後、反転して反対方向に360度
回転したりする。また、複合動とは、2つ以上の運動が
同時に、または、交互(順次)に連続して行われること
である。
00モル%が1,9−ノナンジアミンからなり、ジカル
ボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸からな
るポリアミドを主体に構成した樹脂リングは、高圧流体
に接触する状態でシール相手部材(軸、外装体)と長期
に亘って繰り返し摺動しても(特に、スイベルジョイン
トのような、回転、揺動、さらにはこれらの複合動をす
る軸に押圧されて摺動する場合であっても)、動的劣化
(疲労)が極めて小さく、磨耗や変形が起こりにくく、
また、軸と外装体との界面への侵入(はみだし現象)等
を起すことなく、良好なシール性能を長期間持続する。
そして、かかる良好なシール性能の長期持続性は、軸お
よび外装体を含む機構が室温で作動する場合のみなら
ず、高温(例えば、スイベルジョイントでは100〜1
20℃)で作動する場合、また、低温(最低温度が約−
30℃)で作動する場合にも維持される。
ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸が75モル%以上
であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好
ましい。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の量がこの
範囲にあると、樹脂リングはより良好なシール性を示
す。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、例
えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチル
アジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル
酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、スベリン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3
−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香
酸、4,4'−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−
4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'
−ジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸な
どの芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、これらは1種
または2種以上で用いることができる。これらの中で
も、芳香族カルボン酸が好適である。さらに、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カル
ボン酸を、得られるポリアミドが溶融成形が可能な範囲
内で用いることもできる。
1,9−ノナンジアミンが75モル%以上が好ましく、
90モル%以上が特に好ましい。ジアミン成分中の1,
9−ノナンジアミンの量がこの範囲にあると、樹脂リン
グはより良好なシール性を示す。1,9−ノナンジアミ
ン以外のジアミン成分としては、エチレンジアミン、プ
ロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−
ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8
−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,
11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミ
ン、3−メチル−1,5−ペンタジアミン、2,2,4
−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル
−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノ
ナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジ
アミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジ
アミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミ
ン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,
4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノ
ジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどが挙げら
れ、これらは1種または2種以上で用いることができ
る。これらのうちでも2−メチル−1,8−オクタンジ
アミンが好ましい。
ングのシール性能の持続性、成形性等の点から、濃硫酸
中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0d
l/gであるものが好ましい。かかる極限粘度は、濃硫
酸中にポリアミドを溶解して、濃度が0.05、0.
1、0.2および0.4dl/gの試料溶液を調製し、
30℃における固有粘度ηinhを測定し、これを濃度0
に外挿することにより測定される。
くは100MPa以上、より好ましくは120MPa以
上の25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)を有する。
当該25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)が100M
Pa以上であれば、それらから得られた樹脂リングは高
圧下での耐変形性や耐磨耗性がより向上し、スイベルジ
ョイントのような極めて高圧の流体(30MPa以上)
が作用する機構内で使用される場合に、より好ましい結
果を得ることができる。また、上記ポリアミドは好まし
くは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下の荷重
変形率(%)を有する。当該荷重変形率が1.0%より
大きいと、それらから得られた樹脂リングは、シール相
手部材(軸または外装体)との繰り返しの摺動によって
疲労、変形しやすく、その結果、軸と外装体の間から流
体漏れを起こすおそれがあり、好ましくない。なお、上
記ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)
の上限は、特に限定されないが、200MPa以下、好
ましくは180MPa以下であり、また、上記荷重変形
率(%)の下限は特に限定されない。
での圧縮強度(10%ひずみ時)はASTM D695
に準拠した方法(試験片寸法:長さ10.0mm、直径
8.0mm)で測定され、荷重変形率(%)はASTM
D621に準拠した方法(試験片寸法:厚さ12.7
mm、直径14.3mm)で測定される。
0MPa以上、より好ましくは80MPa以上の引張強
度を有する。ポリアミドの引張強度が60MPa未満で
は、樹脂リングは引張応力に対して変形を起こしやす
く、特に揺動時の引き伸ばしによって変形が生じやすく
なり、好ましくない。なお、該引張強度の上限は、特に
限定されないが、150MPa以下、好ましくは130
MPa以下である。本発明において、該引張強度はAS
TM D638に準拠した方法(試験片形状:タイプI
ダンベル片)で測定される。
℃の水中に24時間浸漬した時の吸水率〔(浸漬後の重
量−浸漬前の重量)/(浸漬前の重量)〕[%]が0.
3%以下(より好ましくは0.2%以下)という低吸水
性を有する。当該吸水率が0.3%より大きいと、それ
らから得られた樹脂リングは、使用中に吸水した水分が
抜け出して密封油を劣化させたり、また、樹脂リングの
寸法変化が大きくなってシール性能が低下する傾向を示
し、好ましくない。本発明において、該吸水率はJIS
K 7209に準拠した方法で測定される。
従来の樹脂リングに用いていた充填材入りPTFEでは
困難であった、射出成形にて成形することができるの
で、所望の形状、大きさの樹脂リングを効率良く製造で
きるという利点も得ることができる。
ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方
法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライ
ドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合
法;ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、
固相重合法、溶融押出機重合法など;の方法により製造
することが可能である。
しては、例えば、ジェネスタ 1000NA〔クラレ
(株)製の商品名、ジアミン成分:1,9−ノナンジア
ミン(100モル%)、ジカルボン酸成分:テレフタル
酸(100モル%)、25℃での圧縮強度(10%ひず
み時):120MPa、荷重変形率:0.23%、引張
強度:90MPa、吸水率:0.17%〕等が挙げられ
る。
ミドを主体にしてなるものである。すなわち、本発明に
おいて、樹脂リングは上記ポリアミド単体で構成して
も、上記ポリアミドに必要に応じて充填材やその他の添
加剤を配合して構成してもよい。充填材としては、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉
末からなる群から選ばれる1種または2種以上が好まし
く、特に好ましくは、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉末
から選ばれる少なくとも1種であり、とりわけ好ましく
はフッ素樹脂微粉末である。これらの充填材の含有量
は、ポリアミド樹脂100重量部当り、10〜40重量
部、好ましくは15〜30重量部である。かかる充填材
の配合により、樹脂リングは、耐油性が更に向上すると
ともに、摺動抵抗がより低下して、強度低下を起こしに
くくなり(変形や磨耗を起しにくくなり)、良好なシー
ル性能がより長期にわたって維持される。なお、充填材
の配合量が10重量部未満では、摺動性および機械的強
度の向上効果が得難く、40重量部を超える場合は、ポ
リアミド樹脂に充填材を配合した組成物の溶融流動性が
低下して、成形性に支障をきたすおそれがある。かかる
充填剤以外の他の添加剤としては、潤滑剤、酸化防止
剤、加工助剤等が挙げられる。
レス、押出し成形、射出成形等の成形加工、切削加工、
または、これらの組み合わせによって、所望の形状、大
きさに加工して作製される。この際、シール材の他方の
構成部材である弾性体リングの形状、大きさ等を考慮し
て形成される。例えば、図8に示したスイベルジョイン
ト用のシール材を構成する場合は、樹脂リング14は、
ハウジング1の内壁のリング状の窪み12内に配置で
き、その外周面側に配置される弾性体リング13の弾性
が良好に伝わり、その内周面が軸2に押接して、ハウジ
ング1と軸2とを気密にシールできる形状および大きさ
に加工する。その外周および内周の形状は、軸2の外周
の形状や、当該樹脂リング14の外周側に配置される弾
性体リング13の内周の形状によって選択される。ま
た、その断面形状は、例えば、円形(Oリング)、矩形
(角リング)が例示される。また、図1、2のような、
テーパ加工を施した角リングも例示され、これらは、コ
ストが安価である利点がある。さらに、図3のような、
その外周に弾性体リング13を配置できる凹部を有する
形状も例示され、これは、樹脂リング14を薄くするこ
とで、弾性体リング13の弾性を軸2との接触面に良好
に伝えることができ、また装着性が良好であり、さらに
弾性体リング13のずれを防止できる。さらにまた、図
4のような、その外周および/または内周に複数の溝を
有するリングも例示され、内周に溝を設けることにより
シール面に油を保持できるので、摩擦抵抗を下げて磨耗
を低下でき、また外周に溝を設けることにより、当該樹
脂リング14と弾性体リング13との間での摺動を防止
できる。
ウジング(外装体)間における樹脂リングと弾性体リン
グの配置構成は、樹脂リングの外周面側に弾性体リング
を配置して、樹脂リングの内周面を弾性体リングの弾性
によって、相対移動する軸とハウジング(外装体)のう
ちの運動面(軸)に摺接させる構成であるが、樹脂リン
グ14の内周面側に弾性リング13を配置し、樹脂リン
グの外周面を運動面(ハウジングの内壁面)に摺接する
よう構成する場合もある。例えば、これはエンジン機構
におけるピストン(軸)とシリンダ(外装体)間、コン
プレッサー機構おける軸とハウジング(外装体)間をシ
ールする等の場合であり、例えば、図5に示すように、
ピストン15の外壁に設けたリング状窪み12の底面側
に弾性体リング13を配置し、該弾性体リング13の外
周面に樹脂リング14を配置し、樹脂リング14の外周
面が弾性体リング13の弾性によってシリンダ16の内
壁面に摺接される。なお、樹脂リング14の内周の形状
は、弾性体リング13の外周の形状によって選択される
が、その断面形状は、例えば図6のような矩形(角リン
グ)が例示される。
は、その弾性によって樹脂リングをシールすべき相手面
(運動面)に摺接してシール面圧を発生させるものであ
り、ゴム材料を含んでなるものが好ましく、本発明で使
用できるゴム材料としては、従来公知のゴム材料が使用
でき、例えば、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム)、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリ
コーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴ
ム、オレフィン系ゴム等が挙げられる。例えば、スイベ
ルジョイント用の場合、耐油性、耐磨耗性、圧縮永久
歪、成形性等の点から、ニトリルゴム、水素化ニトリル
ゴム、フッ素ゴム等が好ましく、より好ましくは、ニト
リルゴムである。
成形等の方法により所望のリング状に成形加工して得ら
れる。例えば、図8のようなスイベルジョイント用に使
用する場合、窪み12内に配置でき、当該弾性体リング
13の弾性を樹脂リング14に良好に伝えることができ
る形状および大きさに成形される。その内周の形状は、
樹脂リング14の外周の形状によって選択されるが、断
面形状の具体例としては、例えば、図1、4のような矩
形(角リング)が例示され、これはシール面圧を均一に
することができるので、摩擦抵抗を下げることができ
る。また、図2、3のような円形(Oリング)も例示さ
れ、これは、シール面圧にピーク圧を発生させることが
できるので、シール性能が向上する。
トン間のシールに使用する場合のような、樹脂リングの
内周面側に弾性体リングを配置し、樹脂リングの外周面
を運動面(図5ではシリンダの内壁面)に摺接させる構
成とする場合、図5に示すように、弾性体リング13
は、ピストン15(軸)の外壁に設けたリング状窪み1
2内に配置でき、当該弾性体リング13の弾性を樹脂リ
ング14に良好に伝えることができる形状および大きさ
に成形される。その外周の形状は、樹脂リング14の内
周の形状によって選択されるが、その断面形状の具体例
としては、図6のような、外周に凸部を有する形状が例
示される。
うに、弾性体リング13をその外周に凸部を有する形状
とする場合、樹脂リング14が、ピストン(軸)の往復
運動時に、窪み12内で固定されるように、樹脂リング
14の上下にバックアップリング17を配置してもよ
い。このバックアップリング17の材料としては、PT
FE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、超高
分子量ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン等が
例示される。その形状としては、樹脂リング14が、ピ
ストン(軸)の往復運動時に窪み12内で固定されるよ
うな形状であれば、特に制限はない。
と弾性体リング13の組み合わせとしては、スイベルジ
ョイント用のように、樹脂リングの外周面側に弾性体リ
ングを配置し、樹脂リングの内周面を運動面に摺接させ
る場合、すなわち、相対移動する軸と外装体のうちの外
装体側に窪みを設けてシール材(樹脂リングと弾性体リ
ング)を取り付け、軸に樹脂リングを摺接させる場合、
内周がテーパ加工された角リング状の樹脂リングと角リ
ング状の弾性体リング(図1)、内周がテーパ加工され
た角リング状の樹脂リングとOリング状の弾性体リング
(図2)、外周に弾性体リング13を配置できる凹部を
有する形状の樹脂リングとOリング状の弾性体リング
(図3)、外周および内周に複数の溝を有する角リング
状の樹脂リングと角リング状の弾性体リング(図4)が
例示され、上記の中でも、高圧条件下での耐はみ出し性
が特に優れること、シール性能の安定性が優れること、
軸2との接触面の発生面圧を安定できること、およびコ
ストが安いことから、内周がテーパ加工された角リング
状の樹脂リングと角リング状の弾性体リング(図1)の
組み合わせが特に好ましい。
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
ラレ(株)製、商品名)を使用し、ノズル温度320〜
340℃、シリンダー温度を前部が290〜330℃、
中央部が280〜320℃、後部が270〜310℃と
し、金型温度100〜140℃とした条件で射出成形し
て、図1に示す内周側がテーパ加工された角リング状の
樹脂リングを作製した。なお、該樹脂リングの寸法は、
外径L1(直径):104.53mm、内径L2(直
径):100.25mm、外周面の幅W11(リングの
直径方向に対して直交する方向の幅):4.6mm、内
周面の幅W12(リングの直径方向に対して直交する方
向の幅):3.6mm、テーパ角度(θ1):30°で
ある。
カーボン繊維(1重量%)を添加したPTFEを用い、
室温で素材(φ110mm×φ95mm×L120m
m)を成形し、規定温度で焼成したものを切削加工し
て、上記実施例1と同じ寸法の樹脂リングを作製した。
部材について、以下に示す高温耐久試験(耐磨耗性、耐
はみ出し性)および実機耐久試験(耐磨耗性、耐はみ出
し性、油漏れの有無)を行った。
ング状の窪み(幅5mm、深さ5mm)が設けられたス
イベルジョイントに、実施例1または比較例1で作成し
た樹脂リングと、図1に示す断面が矩形の弾性体リング
(材料:ニトリルゴム、外径(φ):111.2mm、
内径(φ):104.4mm)を適用し、以下の条件に
てスイベルジョイントを作動して、以下の方法により耐
磨耗性および耐はみ出し性を評価した。その結果を表1
に示す。 作動油:タービン#56 作動温度:120℃(油温) 作動圧力:35MPa 作動角度:+960°〜−960° 作動回転数:15rpm 作動時間:4時間
ング状の窪み(幅5mm、深さ5mm)が設けられたス
イベルジョイントに、実施例1または比較例1で作成し
た樹脂リングと、図1に示す断面が矩形の弾性体リング
(材料:ニトリルゴム、径(φ):111.2mm、内
径(φ):104.4mm)を適用し、以下の条件にて
スイベルジョイントを作動して、以下の方法により耐磨
耗性および耐はみ出し性を評価した。その結果を表2に
示す。 作動油:タービン#56 作動温度:室温(24℃) 作動圧力の変動範囲:0〜35MPa 作動速度:30cpm 作動回転数:15rpm 作動回数:70万回
の、耐久試験前の高さW1および耐久試験後の高さW2を
それぞれ測定し、磨耗量W1−W2を算出し、これを耐磨
耗性の尺度とした。
部材の耐久試験後のはみ出し量tを測定し、これを耐は
み出し性の尺度とした。
によれば、軸と外装体間の隙間への高圧流体の浸入を防
止するタイプのシール材における、運動面に対して摺接
する側の樹脂リングを、1,9−ノナンジアミンとテレ
フタル酸を主成分とするポリアミドを主体に構成したこ
とにより、従来よりも長期に亘って良好なシール性能を
持続できるシール材を得ることができる。
リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
ールに適用した例の要部断面図である。
体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
シール部材の測定部位を示す図である。
ントの要部断面図である。
ング)のはみだし現象の説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 樹脂リングと該樹脂リングの内周面若し
くは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性体リン
グとからなり、高圧流体下で相対移動する軸と該軸を覆
う外装体のいずれか一方に形成された窪み内に、弾性体
リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置
させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周面のい
ずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面のいず
れか一方に押圧して、前記軸と外装体間をシールするシ
ール材であって、前記樹脂リングが、ジアミン成分の6
0〜100モル%が1,9−ノナンジアミン、ジカルボ
ン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸であるポ
リアミドを主体としてなることを特徴とするシール材。 - 【請求項2】 軸が、回転、往復および揺動のうちの少
なくとも1つの運動をするものである請求項1記載のシ
ール材。 - 【請求項3】 軸と外装体が、スイベルジョイントの軸
と該軸を覆うハウジングであり、該ハウジングに設けら
れた窪み内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リン
グを窪み開口側に位置させて、装着して、樹脂リングの
内周面を軸の外周面に押圧してなるものである請求項1
記載のシール材。 - 【請求項4】 ポリアミドの25℃での圧縮強度(10
%ひずみ時)が100MPa以上であり、かつ、荷重変
形率が1.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記
載のシール材。 - 【請求項5】 樹脂リングが、前記ポリアミド100重
量部当り10〜40重量部の充填材を含むものである請
求項1〜4のいずれかに記載のシール材。 - 【請求項6】 充填材が、ガラス繊維、カーボン繊維、
フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微
粉末およびポリイミド樹脂微粉末からなる群から選ばれ
る少なくとも1種である請求項5記載のシール材。
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- 2001-03-22 JP JP2001083784A patent/JP4790923B2/ja not_active Expired - Lifetime
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