JP4790923B2 - シール材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧機器や冷凍機器等の流体圧システム中の高圧流体下で相対移動する軸とこれを覆う外装体間をシールするシール材に関し、特に、スイベルジョイント用に好適なシール材に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、パワーショベル等におけるスイベルジョイントの一部断面図であって、1は円筒状のハウジング、2はハウジング1の内壁11と密接して回転、揺動、さらに、これらの複合動をする円筒状の軸である。ハウジング1の内壁11には一定の間隔をおいて窪み12が設けられ、該窪み12内には、樹脂リング14とその外周側に配置された弾性体リング13とからなるシール材20が装着され、該シール材20により、ハウジング1と軸2とが気密にシールされている。
【0003】
上記樹脂リング14は、弾性体リング13の弾性によって常に軸2に押圧されており、またスイベルジョイントが稼働中においてはハウジング1と軸2との界面には高圧の油圧Pが付与されている。樹脂リング14には、従来より、フッ素樹脂(PTFE)製のものが使用されているが、該フッ素樹脂製の樹脂リングにおいては、長時間の使用中に、高圧流体に接触した状態での回転、揺動等の運動をする軸との摺動によって劣化、変形を起して、軸2への接触面が磨耗したり、樹脂リング14の一部が図9に示すようにハウジング1と軸2との界面に侵入する、所謂はみだし現象を生じたりして、ハウジング1と軸2との間から油漏れを起こすという問題があった。
よって、かかる問題の解消のために、PTFE等のフッ素樹脂に、銅粉(ブロンズ)や特殊充填材等を配合してなる樹脂リングも提案されているが、依然として、樹脂リングの耐磨耗性や耐はみ出し性は十分に解決されていないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、樹脂リングと弾性体リング(樹脂リングの内周面または外周面のいずれか一方の側に配置する)とを組み合わせ、高圧流体下で相対移動する軸と該軸を覆う外装体のいずれか一方に設けた窪み内に、樹脂リングが運動面に摺接するように装着して、軸と外装体間の隙間への高圧流体の浸入を防止するタイプのシール材において、樹脂リングの耐久性、特に、耐磨耗性および耐はみだし性が改善されて、良好なシール性能を従来よりも持続できるシール材を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、上記使用形態のシール材に用いる樹脂リングの耐久性向上に、1,9−ノナンジアミンとテレフタル酸を主成分とするポリアミドの力学特性、耐熱性、耐油性(耐薬品性)等が好ましく作用することを知見し、該知見に基づき本発明を完成させた。
すなわち、本発明の特徴は以下の通りである。
【0006】
(1)樹脂リングと該樹脂リングの内周面若しくは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性体リングとからなり、高圧流体下で、相対移動する軸と該軸を覆う外装体のいずれか一方に形成された窪み内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周面のいずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面のいずれか一方に押圧して、前記軸と外装体間をシールするシール材であって、前記樹脂リングが、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン、ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸であるポリアミドを主体としてなることを特徴とするシール材。
(2)軸が、回転、往復および揺動のうちの少なくとも1つの運動をするものである請求項1記載のシール材
(3)軸と外装体が、スイベルジョイントの軸と該軸を覆うハウジングであり、該ハウジングに設けられた窪み内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置させて、装着して、樹脂リングの内周面を軸の外周面に押圧してなるものである上記(1)記載のシール材
(4)ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)が100MPa以上であり、かつ、荷重変形率が1.0%以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記載のシール材。
(5)樹脂リングが、前記ポリアミド100重量部当り10〜40重量部の充填材を含むものである上記(1)〜(4)のいずれかに記載のシール材。
(6)充填材が、ガラス繊維、カーボン繊維、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉末からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(5)記載のシール材。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシール材は、樹脂リングと該樹脂リングの内周面若しくは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性体リングとからなり、高圧流体下で相対移動する軸とこれを覆う外装体のいずれか一方に形成した窪み内に、弾性体リングを窪みの底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周面のいずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面のいずれか一方に押圧して、軸と外装体間の隙間への高圧流体の浸入を防止するシール材であって、樹脂リングを、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン、ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸からなるポリアミドを主体に構成したことが特徴である。
【0008】
ここで、高圧流体下で相対移動する軸と該軸を覆う外装体とは、例えば、油圧機器におけるスイベルジョイントの軸とハウジング、エンジン機構等におけるピストンとシリンダ、さらには、冷蔵庫、冷凍機、エアコンディショナ機等の冷却装置や空調装置のコンプレッサにおける軸とハウジング、スクロールコンプレッサ等における摺動面(移動面)と固定面等である。シール対象となる高圧流体には、各種の油(例えば、鉱油、タービン油、ガソリン油、冷凍機油、生分解性油)や冷媒(例えば、フロンガス、フルオロ炭化水素等)が挙げられる。また、軸と外装体とが相対移動するとは、少なくともこれらの一方(通常は軸)が運動して両者の位置関係が変化することであり、軸の運動には、例えば、回転、往復および揺動等の他、これらのうちのいずれか2つの複合動、さらには、これら3つの複合動が含まれる。例えば、スイベルジョイントの稼動中において、軸は、回転、揺動をそれぞれ単独で行ったり、これら2つの複合動をする。ここで、回転とは、軸がその軸線周りに一定方向に回転する運動であり、揺動とは、軸がその軸線周りの一方向とその反対方向に交互に回転する運動であり、例えば、一定の位置から一方向に180度回転した後、反転して反対方向に180度回転したり、一方向に360度回転した後、反転して反対方向に360度回転したりする。また、複合動とは、2つ以上の運動が同時に、または、交互(順次)に連続して行われることである。
【0009】
本発明において、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンからなり、ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸からなるポリアミドを主体に構成した樹脂リングは、高圧流体に接触する状態でシール相手部材(軸、外装体)と長期に亘って繰り返し摺動しても(特に、スイベルジョイントのような、回転、揺動、さらにはこれらの複合動をする軸に押圧されて摺動する場合であっても)、動的劣化(疲労)が極めて小さく、磨耗や変形が起こりにくく、また、軸と外装体との界面への侵入(はみだし現象)等を起すことなく、良好なシール性能を長期間持続する。そして、かかる良好なシール性能の長期持続性は、軸および外装体を含む機構が室温で作動する場合のみならず、高温(例えば、スイベルジョイントでは100〜120℃)で作動する場合、また、低温(最低温度が約−30℃)で作動する場合にも維持される。
【0010】
本発明で用いる上記ポリアミドにおいて、ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸が75モル%以上であるのが好ましく、90モル%以上であるのがより好ましい。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の量がこの範囲にあると、樹脂リングはより良好なシール性を示す。テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4'−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4'−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4'−ジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸などが挙げられ、これらは1種または2種以上で用いることができる。これらの中でも、芳香族カルボン酸が好適である。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を、得られるポリアミドが溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
【0011】
また、ポリアミドのジアミン成分のうち、1,9−ノナンジアミンが75モル%以上が好ましく、90モル%以上が特に好ましい。ジアミン成分中の1,9−ノナンジアミンの量がこの範囲にあると、樹脂リングはより良好なシール性を示す。1,9−ノナンジアミン以外のジアミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミンなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で用いることができる。これらのうちでも2−メチル−1,8−オクタンジアミンが好ましい。
【0012】
また、上記ポリアミドは目的とする樹脂リングのシール性能の持続性、成形性等の点から、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が0.4〜3.0dl/gであるものが好ましい。かかる極限粘度は、濃硫酸中にポリアミドを溶解して、濃度が0.05、0.1、0.2および0.4dl/gの試料溶液を調製し、30℃における固有粘度ηinhを測定し、これを濃度0に外挿することにより測定される。
【0013】
本発明において、上記ポリアミドは好ましくは100MPa以上、より好ましくは120MPa以上の25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)を有する。当該25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)が100MPa以上であれば、それらから得られた樹脂リングは高圧下での耐変形性や耐磨耗性がより向上し、スイベルジョイントのような極めて高圧の流体(30MPa以上)が作用する機構内で使用される場合に、より好ましい結果を得ることができる。また、上記ポリアミドは好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下の荷重変形率(%)を有する。当該荷重変形率が1.0%より大きいと、それらから得られた樹脂リングは、シール相手部材(軸または外装体)との繰り返しの摺動によって疲労、変形しやすく、その結果、軸と外装体の間から流体漏れを起こすおそれがあり、好ましくない。
なお、上記ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)の上限は、特に限定されないが、200MPa以下、好ましくは180MPa以下であり、また、上記荷重変形率(%)の下限は特に限定されない。
【0014】
本発明において、上記ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)はASTM D695に準拠した方法(試験片寸法:長さ10.0mm、直径8.0mm)で測定され、荷重変形率(%)はASTM D621に準拠した方法(試験片寸法:厚さ12.7mm、直径14.3mm)で測定される。
【0015】
さらに、上記ポリアミドは、好ましくは60MPa以上、より好ましくは80MPa以上の引張強度を有する。ポリアミドの引張強度が60MPa未満では、樹脂リングは引張応力に対して変形を起こしやすく、特に揺動時の引き伸ばしによって変形が生じやすくなり、好ましくない。なお、該引張強度の上限は、特に限定されないが、150MPa以下、好ましくは130MPa以下である。本発明において、該引張強度はASTM D638に準拠した方法(試験片形状:タイプI ダンベル片)で測定される。
【0016】
また、上記ポリアミドは、好ましくは23℃の水中に24時間浸漬した時の吸水率〔(浸漬後の重量−浸漬前の重量)/(浸漬前の重量)〕[%]が0.3%以下(より好ましくは0.2%以下)という低吸水性を有する。当該吸水率が0.3%より大きいと、それらから得られた樹脂リングは、使用中に吸水した水分が抜け出して密封油を劣化させたり、また、樹脂リングの寸法変化が大きくなってシール性能が低下する傾向を示し、好ましくない。本発明において、該吸水率はJIS K 7209に準拠した方法で測定される。
【0017】
また、本発明で用いる上記ポリアミドは、従来の樹脂リングに用いていた充填材入りPTFEでは困難であった、射出成形にて成形することができるので、所望の形状、大きさの樹脂リングを効率良く製造できるという利点も得ることができる。
【0018】
本発明で用いる上記ポリアミドは、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法;ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法など;の方法により製造することが可能である。
【0019】
本発明で用いる上記ポリアミドの具体例としては、例えば、ジェネスタ 1000NA〔クラレ(株)製の商品名、ジアミン成分:1,9−ノナンジアミン(100モル%)、ジカルボン酸成分:テレフタル酸(100モル%)、25℃での圧縮強度(10%ひずみ時):120MPa、荷重変形率:0.23%、引張強度:90MPa、吸水率:0.17%〕等が挙げられる。
【0020】
本発明において、樹脂リングは上記ポリアミドを主体にしてなるものである。すなわち、本発明において、樹脂リングは上記ポリアミド単体で構成しても、上記ポリアミドに必要に応じて充填材やその他の添加剤を配合して構成してもよい。
充填材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉末からなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、特に好ましくは、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉末から選ばれる少なくとも1種であり、とりわけ好ましくはフッ素樹脂微粉末である。これらの充填材の含有量は、ポリアミド樹脂100重量部当り、10〜40重量部、好ましくは15〜30重量部である。かかる充填材の配合により、樹脂リングは、耐油性が更に向上するとともに、摺動抵抗がより低下して、強度低下を起こしにくくなり(変形や磨耗を起しにくくなり)、良好なシール性能がより長期にわたって維持される。なお、充填材の配合量が10重量部未満では、摺動性および機械的強度の向上効果が得難く、40重量部を超える場合は、ポリアミド樹脂に充填材を配合した組成物の溶融流動性が低下して、成形性に支障をきたすおそれがある。
かかる充填剤以外の他の添加剤としては、潤滑剤、酸化防止剤、加工助剤等が挙げられる。
【0021】
本発明において、樹脂リングは、熱圧縮プレス、押出し成形、射出成形等の成形加工、切削加工、または、これらの組み合わせによって、所望の形状、大きさに加工して作製される。この際、シール材の他方の構成部材である弾性体リングの形状、大きさ等を考慮して形成される。
例えば、図8に示したスイベルジョイント用のシール材を構成する場合は、樹脂リング14は、ハウジング1の内壁のリング状の窪み12内に配置でき、その外周面側に配置される弾性体リング13の弾性が良好に伝わり、その内周面が軸2に押接して、ハウジング1と軸2とを気密にシールできる形状および大きさに加工する。その外周および内周の形状は、軸2の外周の形状や、当該樹脂リング14の外周側に配置される弾性体リング13の内周の形状によって選択される。また、その断面形状は、例えば、円形(Oリング)、矩形(角リング)が例示される。また、図1、2のような、テーパ加工を施した角リングも例示され、これらは、コストが安価である利点がある。さらに、図3のような、その外周に弾性体リング13を配置できる凹部を有する形状も例示され、これは、樹脂リング14を薄くすることで、弾性体リング13の弾性を軸2との接触面に良好に伝えることができ、また装着性が良好であり、さらに弾性体リング13のずれを防止できる。さらにまた、図4のような、その外周および/または内周に複数の溝を有するリングも例示され、内周に溝を設けることによりシール面に油を保持できるので、摩擦抵抗を下げて磨耗を低下でき、また外周に溝を設けることにより、当該樹脂リング14と弾性体リング13との間での摺動を防止できる。
【0022】
以上説明したスイベルジョイントの軸とハウジング(外装体)間における樹脂リングと弾性体リングの配置構成は、樹脂リングの外周面側に弾性体リングを配置して、樹脂リングの内周面を弾性体リングの弾性によって、相対移動する軸とハウジング(外装体)のうちの運動面(軸)に摺接させる構成であるが、樹脂リング14の内周面側に弾性リング13を配置し、樹脂リングの外周面を運動面(ハウジングの内壁面)に摺接するよう構成する場合もある。例えば、これはエンジン機構におけるピストン(軸)とシリンダ(外装体)間、コンプレッサー機構おける軸とハウジング(外装体)間をシールする等の場合であり、例えば、図5に示すように、ピストン15の外壁に設けたリング状窪み12の底面側に弾性体リング13を配置し、該弾性体リング13の外周面に樹脂リング14を配置し、樹脂リング14の外周面が弾性体リング13の弾性によってシリンダ16の内壁面に摺接される。なお、樹脂リング14の内周の形状は、弾性体リング13の外周の形状によって選択されるが、その断面形状は、例えば図6のような矩形(角リング)が例示される。
【0023】
本発明のシール材に用いる弾性体リングは、その弾性によって樹脂リングをシールすべき相手面(運動面)に摺接してシール面圧を発生させるものであり、ゴム材料を含んでなるものが好ましく、本発明で使用できるゴム材料としては、従来公知のゴム材料が使用でき、例えば、ニトリルゴム(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、オレフィン系ゴム等が挙げられる。例えば、スイベルジョイント用の場合、耐油性、耐磨耗性、圧縮永久歪、成形性等の点から、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム等が好ましく、より好ましくは、ニトリルゴムである。
【0024】
弾性体リングは、上記のゴム材料をプレス成形等の方法により所望のリング状に成形加工して得られる。例えば、図8のようなスイベルジョイント用に使用する場合、窪み12内に配置でき、当該弾性体リング13の弾性を樹脂リング14に良好に伝えることができる形状および大きさに成形される。その内周の形状は、樹脂リング14の外周の形状によって選択されるが、断面形状の具体例としては、例えば、図1、4のような矩形(角リング)が例示され、これはシール面圧を均一にすることができるので、摩擦抵抗を下げることができる。また、図2、3のような円形(Oリング)も例示され、これは、シール面圧にピーク圧を発生させることができるので、シール性能が向上する。
【0025】
また、前記した図5に示すシリンダとピストン間のシールに使用する場合のような、樹脂リングの内周面側に弾性体リングを配置し、樹脂リングの外周面を運動面(図5ではシリンダの内壁面)に摺接させる構成とする場合、図5に示すように、弾性体リング13は、ピストン15(軸)の外壁に設けたリング状窪み12内に配置でき、当該弾性体リング13の弾性を樹脂リング14に良好に伝えることができる形状および大きさに成形される。その外周の形状は、樹脂リング14の内周の形状によって選択されるが、その断面形状の具体例としては、図6のような、外周に凸部を有する形状が例示される。
【0026】
また、必要に応じて、例えば図6に示すように、弾性体リング13をその外周に凸部を有する形状とする場合、樹脂リング14が、ピストン(軸)の往復運動時に、窪み12内で固定されるように、樹脂リング14の上下にバックアップリング17を配置してもよい。このバックアップリング17の材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、超高分子量ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン等が例示される。その形状としては、樹脂リング14が、ピストン(軸)の往復運動時に窪み12内で固定されるような形状であれば、特に制限はない。
【0027】
本発明のシール材における樹脂リング14と弾性体リング13の組み合わせとしては、スイベルジョイント用のように、樹脂リングの外周面側に弾性体リングを配置し、樹脂リングの内周面を運動面に摺接させる場合、すなわち、相対移動する軸と外装体のうちの外装体側に窪みを設けてシール材(樹脂リングと弾性体リング)を取り付け、軸に樹脂リングを摺接させる場合、内周がテーパ加工された角リング状の樹脂リングと角リング状の弾性体リング(図1)、内周がテーパ加工された角リング状の樹脂リングとOリング状の弾性体リング(図2)、外周に弾性体リング13を配置できる凹部を有する形状の樹脂リングとOリング状の弾性体リング(図3)、外周および内周に複数の溝を有する角リング状の樹脂リングと角リング状の弾性体リング(図4)が例示され、上記の中でも、高圧条件下での耐はみ出し性が特に優れること、シール性能の安定性が優れること、軸2との接触面の発生面圧を安定できること、およびコストが安いことから、内周がテーパ加工された角リング状の樹脂リングと角リング状の弾性体リング(図1)の組み合わせが特に好ましい。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
実施例1
ポリアミド樹脂として、ジェネスタ 1000NA(クラレ(株)製、商品名)を使用し、ノズル温度320〜340℃、シリンダー温度を前部が290〜330℃、中央部が280〜320℃、後部が270〜310℃とし、金型温度100〜140℃とした条件で射出成形して、図1に示す内周側がテーパ加工された角リング状の樹脂リングを作製した。
なお、該樹脂リングの寸法は、外径L1(直径):104.53mm、内径L2(直径):100.25mm、外周面の幅W11(リングの直径方向に対して直交する方向の幅):4.6mm、内周面の幅W12(リングの直径方向に対して直交する方向の幅):3.6mm、テーパ角度(θ1):30°である。
【0030】
比較例1
ブロンズ(40重量%)、MoS2(2重量%)およびカーボン繊維(1重量%)を添加したPTFEを用い、室温で素材(φ110mm×φ95mm×L120mm)を成形し、規定温度で焼成したものを切削加工して、上記実施例1と同じ寸法の樹脂リングを作製した。
【0031】
実施例1および比較例1で得られたシール部材について、以下に示す高温耐久試験(耐磨耗性、耐はみ出し性)および実機耐久試験(耐磨耗性、耐はみ出し性、油漏れの有無)を行った。
【0032】
1.高温耐久試験
軸の外径(φ)が100mm、ハウジングの内壁面にリング状の窪み(幅5mm、深さ5mm)が設けられたスイベルジョイントに、実施例1または比較例1で作成した樹脂リングと、図1に示す断面が矩形の弾性体リング(材料:ニトリルゴム、外径(φ):111.2mm、内径(φ):104.4mm)を適用し、以下の条件にてスイベルジョイントを作動して、以下の方法により耐磨耗性および耐はみ出し性を評価した。その結果を表1に示す。
作動油:タービン#56
作動温度:120℃(油温)
作動圧力:35MPa
作動角度:+960°〜−960°
作動回転数:15rpm
作動時間:4時間
【0033】
2.実機耐久試験
軸の外径(φ)が100mm、ハウジングの内壁面にリング状の窪み(幅5mm、深さ5mm)が設けられたスイベルジョイントに、実施例1または比較例1で作成した樹脂リングと、図1に示す断面が矩形の弾性体リング(材料:ニトリルゴム、径(φ):111.2mm、内径(φ):104.4mm)を適用し、以下の条件にてスイベルジョイントを作動して、以下の方法により耐磨耗性および耐はみ出し性を評価した。その結果を表2に示す。
作動油:タービン#56
作動温度:室温(24℃)
作動圧力の変動範囲:0〜35MPa
作動速度:30cpm
作動回転数:15rpm
作動回数:70万回
【0034】
<耐磨耗性>
図7に示すように、シール部材の、耐久試験前の高さW1および耐久試験後の高さW2をそれぞれ測定し、磨耗量W1−W2を算出し、これを耐磨耗性の尺度とした。
【0035】
<耐はみ出し性>
図7に示すように、シール部材の耐久試験後のはみ出し量tを測定し、これを耐はみ出し性の尺度とした。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、軸と外装体間の隙間への高圧流体の浸入を防止するタイプのシール材における、運動面に対して摺接する側の樹脂リングを、1,9−ノナンジアミンとテレフタル酸を主成分とするポリアミドを主体に構成したことにより、従来よりも長期に亘って良好なシール性能を持続できるシール材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシール材における樹脂リングと弾性体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
【図2】本発明のシール部材における樹脂リングと弾性体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
【図3】本発明のシール部材における樹脂リングと弾性体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
【図4】本発明のシール部材における樹脂リングと弾性体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
【図5】本発明のシール材をシリンダとピストン間のシールに適用した例の要部断面図である。
【図6】本発明のシール部材における樹脂リングと弾性体リングの組み合わせの具体例を示す断面図である。
【図7】耐久試験による耐はみ出し性を評価する際の、シール部材の測定部位を示す図である。
【図8】パワーショベルにおける通常のスイベルジョイントの要部断面図である。
【図9】スイベルジョイントにおけるシール材(樹脂リング)のはみだし現象の説明図である。
【符号の説明】
1 円筒状のハウジング
2 軸
11 内壁
12 シール用のリング状窪み
13 弾性体リング
14 樹脂リング
15 ピストン
16 シリンダー
17 バックアップリング
20 シール材
Claims (6)
- 樹脂リングと該樹脂リングの内周面若しくは外周面のいずれか一方の側に配置される弾性体リングとからなり、高圧流体下で相対移動する軸と該軸を覆う外装体のいずれか一方に形成された窪み内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置させて、装着し、樹脂リングの内周面または外周面のいずれか一方を、軸の外周面または外装体の内壁面のいずれか一方に押圧して、前記軸と外装体間をシールするシール材であって、前記樹脂リングが、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミン、ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸であるポリアミドを主体としてなり、さらに前記ポリアミド100重量部当り10〜40重量部の充填材を含むものであり、該充填材が、ガラス繊維、カーボン繊維、フッ素樹脂微粉末、ポリフェニレンサルファイド樹脂微粉末およびポリイミド樹脂微粉末からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするシール材。
- 軸が、回転、往復および揺動のうちの少なくとも1つの運動をするものである請求項1記載のシール材。
- 軸と外装体が、スイベルジョイントの軸と該軸を覆うハウジングであり、該ハウジングに設けられた窪み内に、弾性体リングを窪み底面側に、樹脂リングを窪み開口側に位置させて、装着して、樹脂リングの内周面を軸の外周面に押圧してなるものである請求項1記載のシール材。
- ポリアミドの25℃での圧縮強度(10%ひずみ時)が100MPa以上であり、かつ、荷重変形率が1.0%以下である請求項1〜3のいずれかに記載のシール材。
- 充填材がポリイミド樹脂微粉末である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール材。
- 充填材がフッ素樹脂微粉末である、請求項1〜4のいずれかに1項に記載のシール材。
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