JP2002282601A - 流下膜式蒸留装置 - Google Patents

流下膜式蒸留装置

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JP2002282601A
JP2002282601A JP2001096628A JP2001096628A JP2002282601A JP 2002282601 A JP2002282601 A JP 2002282601A JP 2001096628 A JP2001096628 A JP 2001096628A JP 2001096628 A JP2001096628 A JP 2001096628A JP 2002282601 A JP2002282601 A JP 2002282601A
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residue
cylinder
internal condenser
distillation apparatus
falling film
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JP2001096628A
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English (en)
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Masanori Inuzuka
正憲 犬塚
Hiroshi Ishikawa
石川  浩
Masakazu Sakano
正和 坂野
Kiyoko Umemura
聖子 梅村
Shuji Inada
修司 稲田
Kikutomo Sato
菊智 佐藤
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Nippon Sharyo Ltd
IS KK
Original Assignee
Nippon Sharyo Ltd
IS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 縮重合反応が進む温度と融点とが比較的近い
原液に対する分子蒸留操作の処理能力を向上させた流下
膜式蒸留装置を提供すること。 【解決手段】 筒状の内部コンデンサ41の冷媒通過域
に螺旋状のバッフルを内設し、筒状の冷媒通過域の冷媒
を螺旋状のバッフルに沿って流動させることにより、内
部コンデンサ41の冷媒速度を向上させ、内部コンデン
サ41の外側面及び内側面(凝縮面)の伝熱能力を大き
くする。また、加熱胴30の下端に固定される残渣受胴
40の上部を胴状に形成し、内部コンデンサ41の下端
部を内在させる新たなスペースを残渣受胴40の上部に
設けて、内部コンデンサ41の全長を大きくすることに
より、内部コンデンサ41の伝熱能力を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種製品の精製・
濃縮・脱臭・脱色などに適用可能な流下膜式蒸留装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリエチレンテレフタレート
(以下、「PET」と略記する)等の芳香族ジカルボン
酸と脂肪族ジオールからなるポリエステルが触媒の存在
下において、大過剰の該ジオールによって解重合され、
低分子の中間体に分解される事は周知であった。例えば
「PET」を大過剰のエチレングリコール(以下、「E
G」と略記する)で分解すれば、ビス−β−ヒドロキシ
エチルテレフタレート(以下、「BHET」と略記す
る)が容易に得られるが、分解後の「BHET」は着色
しこの脱色は極めて難しく、例えば「PET」の製造工
程中に発生する樹脂屑等を「EG」で分解し「BHE
T」と分解しても、このものをそのまま再度重合工程に
導入する事は実質的には不可能であった。さらに、ポリ
エステル系樹脂のリサイクル技術として、使用済みPE
Tボトルを新たなPETボトルに再生可能にするケミカ
ルリサイクル方法が考案されている。そして、かかるケ
ミカルリサイクル方法においては、使用済みPETボト
ルを粉砕して得られた「PET」のフレークを「EG」
で解重合させて、モノマーである「BHET」に態々分
解し再度重合して新規の「PET」を製造しようと試み
ても、前記と同じ理由から新規に製造されるPET樹脂
と同等の品質をもつ樹脂が得られず、特開2000−5
3802号公報において、該「BHET」の品質を高め
るべく分子蒸留操作による精製が提案されている。
【0003】この点、「BHET」の精製を分子蒸留操
作で行う装置としては、図6や図7の断面図に示した流
下膜式蒸留装置101がある。そこで、図6や図7の流
下膜式蒸留装置101について説明する。図6や図7に
示すように、流下膜式蒸留装置101は、加熱胴13
0、上蓋110、残渣受胴140などから構成される。
【0004】加熱胴130は、円筒状の側面にジャケッ
ト空間131を備えたものであり、熱媒入口134や熱
媒出口133などを介して(図7参照)、約220℃の
液状の熱媒をジャケット空間131に通すことにより、
内面132を蒸発面とするものである。
【0005】また、上蓋110には、プーリ111や軸
封装置112などを介して、図示しないモータを駆動源
とする回転翼115が装着されている。そして、この回
転翼115は、上蓋110が加熱胴130の上端に固設
されることにより、加熱胴130の中空部に配設され
る。このとき、この回転翼115の外側に設けられた複
数のワイパー116は、加熱胴130の内面132に接
触する。また、上蓋110においては、回転翼115の
上側に回転板114が設けられるとともに、この回転板
114の上面に向けて、2個の原液入口113が設けら
れている。
【0006】また、残渣受胴140は、円板の形状を有
するものであって、円筒状の内部コンデンサ141、内
部コンデンサ141の下端を環囲した仕切板142、仕
切板142の内側と連通した第1留出液出口143、内
部コンデンサ141の下側に位置した第2留出液出口1
44、仕切板142の外側と連通した残渣液出口14
5、内部コンデンサ141の中空部と連通した排気口1
46などから構成される。
【0007】そして、円筒状の内部コンデンサ141
は、残渣受胴140が加熱胴130の下端に固設される
ことにより、加熱胴130の中空部に配設されると同時
に、回転翼115の内側に配設される。これにより、内
部コンデンサ141の外側面は、加熱胴130の蒸発面
(内面132)に対向することになる。さらに、図7に
示すように、内部コンデンサ141の冷媒通過域に対し
ては、冷媒入口147やパイプ149や冷媒出口148
などを介して、約120℃の冷媒を通しており、これに
より、内部コンデンサ141の外側面及び内側面を凝縮
面としている。
【0008】従って、図6や図7に示した流下膜式蒸留
装置101においては、約17.3Paの高真空度の操
作条件の下で、約160℃の「BHET」の原液を原液
入口113を介して回転板114の上に供給すると、回
転板114の遠心力により、回転板114の上の「BH
ET」の原液は、ほぼ均等に、加熱胴130の内面13
2に流下する。その後、「BHET」の原液は、加熱胴
130の内面132の上で流下膜状を形成し、さらに、
回転翼115のワイパー116により液界面での表面更
新を促進されつつ、加熱胴130の内面132の上で加
熱蒸発する。
【0009】そして、加熱蒸発された「BHET」は、
内部コンデンサ141の外側面及び内側面で冷却されて
凝縮し、「BHET」の留出液となる。このとき、「B
HET」の留出液については、内部コンデンサ141の
外側面を流下するものは、残渣受胴140の仕切板14
2の内側にまで流下し、残渣受胴140の第1留出液出
口143から回収される。また、内部コンデンサ141
の内側面を流下するものは、残渣受胴140の第2留出
液出口144から回収される。
【0010】一方、加熱胴130の内面132の上を膜
状流下した「BHET」の原液のうち、加熱胴130の
内面132の上で加熱蒸発できなかったものは、残渣受
胴140の仕切板142の外側にまで流下し、「BHE
T」の残渣液として、残渣受胴140の残渣液出口14
5から回収される。
【0011】従って、図6や図7に示した流下膜式蒸留
装置101は、分子蒸留操作の精製により、原液の「B
HET」を留出液と残渣液とに分離して回収することが
できるので、「BHET」の純度を高めることが可能な
ものである。
【0012】尚、図6や図7に示した流下膜式蒸留装置
101に導入し得る原液は、その組成の少なくとも50
wt%以上が「BHET」からなり、他の成分として
は、本流下膜式蒸留装置101で「BHET」と分離で
きるものであれば、如何なるものでもよい。更にこの原
液は如何なる方法によって得られるものでもよく、原液
の製法には限定しない。例えば、品質上樹脂として使用
不可能な「PET」の樹脂を過剰の「EG」で分解して
得られる混合液、使用済みPETボトル等を過剰の「E
G」で分解して得られる混合液等を挙げる事が出来る
(以下の記述に於いて、「BHET」の原液と称す)。
上記他の成分としては、例えばオリゴエチレンテレフタ
レート類、テレフタル酸とジエチレングリコールのモノ
及び/又はオリゴエステル類等を例示できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6や
図7に示した流下膜式蒸留装置101で精製される「B
HET」は、たとえ、約17.3Paの高真空度の操作
条件の下であっても、その融点は約110〜112℃と
高く、また、この条件下で、約200℃を越えると縮重
合反応が進むことから、加熱胴130の蒸発面(内面1
32)の温度を高くしたり、内部コンデンサ141の凝
縮面(外側面及び内側面)の温度を低くしたりすること
ができず、加熱胴130の蒸発面(内面132)と内部
コンデンサ141の凝縮面(外側面及び内側面)の温度
差を、今まで以上に大きく確保することができない制約
があった。
【0014】従って、図6や図7に示した流下膜式蒸留
装置101の操作時においては、内部コンデンサ141
の凝縮面(外側面及び内側面)の伝熱能力の大きさが限
界値に近いので、原液の「BHET」の供給量が変動し
てある程度増加すると、加熱蒸発された「BHET」の
凝縮捕集を完全に行うことができないことがあり、この
とき、加熱蒸発された「BHET」の一部が排気口14
6などの真空排気系に飛散すると、例えば、かかる真空
排気系の配管やトラップ類に「BHET」が付着して、
真空排気系の排気抵抗の増加し真空条件が悪化すること
になるので、運転上のトラブルを起こすおそれがあっ
た。
【0015】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、内部コンデンサの凝縮
面の伝熱能力を大きくすることにより、縮重合反応が進
む温度と融点とが比較的近い原液に対する分子蒸留操作
の処理能力を向上させた流下膜式蒸留装置を提供するこ
とを第1の課題とする。
【0016】また、図6や図7に示した流下膜式蒸留装
置101で回収される「BHET」の残渣液は、残渣受
胴140の残渣液出口145から回収されるが、このと
き、加熱胴130の蒸発面(内面132)を離れて、平
面状の残渣受胴140の上面にまで流下するので、平面
状の残渣受胴140の上面などに溜まって固化し、残渣
受胴140の残渣液出口145から回収できないおそれ
があった。
【0017】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、分子蒸留操作で分離さ
れた原液の残渣液を速やかに回収することができる流下
膜式蒸留装置を提供することを第2の課題とする。
【0018】また、同様にして、図6や図7に示した流
下膜式蒸留装置101で回収される「BHET」の留出
液は、残渣受胴140の第1留出液出口143又は第2
留出液出口144から回収されるが、このとき、例え
ば、内部コンデンサ141の外側面を流下するものは、
内部コンデンサ141の凝縮面(外側面)を離れて、平
面状の残渣受胴140の上面にまで流下するので、平面
状の残渣受胴140の上面などに溜まって固化し、残渣
受胴140の第1留出液出口143から回収できないお
それがあった。
【0019】そこで、本発明は、上述した問題点を解決
するためになされたものであり、分子蒸留操作で分離さ
れた原液の留出液を速やかに回収することができる流下
膜式蒸留装置を提供することを第3の課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した第1の課題を解
決するために成された請求項1に係る発明は、加熱胴
と、前記加熱胴の下端に固設された残渣受胴と、前記残
渣受胴に突設されるとともに前記加熱胴の中空部に位置
する筒状の内部コンデンサと、前記内部コンデンサの中
空部に連通するとともに前記残渣受胴に突設された排気
口とを有し、前記排気口を介した減圧の下で、前記加熱
胴の内面に膜状流下させた原液を加熱して蒸発させると
ともに前記内部コンデンサで前記原液の蒸発物を冷却し
て凝縮させることにより、前記原液を留出液と残渣液と
に分子蒸留操作で分離する流下膜式蒸留装置において、
前記内部コンデンサの冷媒通過域に螺旋状のバッフルを
内設することにより、前記内部コンデンサの冷媒速度を
向上させたこと、を特徴としている。
【0021】すなわち、本発明の流下膜式蒸留装置にお
いては、筒状の内部コンデンサの冷媒通過域に螺旋状の
バッフルが内設されており、筒状の冷媒通過域の冷媒が
螺旋状のバッフルに沿って流動して、内部コンデンサの
冷媒速度が向上するので、内部コンデンサの凝縮面の伝
熱能力が大きくなり、もって、縮重合反応が進む温度と
融点とが比較的近い原液に対する分子蒸留操作の処理能
力を向上させることができる。
【0022】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載する流下膜式蒸留装置であって、前記残渣受胴の上
部を胴状に形成するとともに前記内部コンデンサの下端
部を前記残渣受胴の上部に内在させることにより、前記
内部コンデンサの伝熱能力を向上させたこと、を特徴と
している。
【0023】さらに、本発明の流下膜式蒸留装置におい
ては、残渣受胴に突設された内部コンデンサが加熱胴の
中空部に位置するものであるが、この点、加熱胴の下端
に固定される残渣受胴の上部を胴状に形成すれば、内部
コンデンサの下端部を内在させる新たなスペースを残渣
受胴の上部に設けることができ、内部コンデンサの全長
を大きくすることにより、内部コンデンサの伝熱能力を
向上させることができるので、内部コンデンサの凝縮面
の伝熱能力が一層大きくなり、もって、縮重合反応が進
む温度と融点とが比較的近い原液に対する分子蒸留操作
の処理能力も一層向上させることができる。
【0024】尚、本発明において、「縮重合反応が進む
温度と融点とが比較的近い原液」には、(1)縮重合反
応及び熱分解反応が進む両温度と融点の三者が共に比較
的近い原液だけでなく、(2)縮重合反応が進む温度と
融点とが比較的近い原液、(3)熱分解反応が進む温度
と融点とが比較的近い原液なども含まれる。
【0025】また、上述した第2の課題を解決するため
に成された請求項3に係る発明は、加熱胴と、前記加熱
胴の下端に固設された残渣受胴と、前記残渣受胴に突設
されるとともに前記加熱胴の中空部に位置する筒状の内
部コンデンサと、前記内部コンデンサの中空部に連通す
るとともに前記残渣受胴に突設された排気口と、前記残
渣受胴に設けられた残渣液出口とを有し、前記排気口を
介した減圧の下で、前記加熱胴の内面に膜状流下させた
原液を加熱して蒸発させるとともに前記内部コンデンサ
で前記原液の蒸発物を冷却して凝縮させることにより、
前記原液を留出液と残渣液とに分子蒸留操作で分離し、
前記原液の残渣液を前記残渣液出口から回収する流下膜
式蒸留装置において、前記残渣受胴の上部を胴状に形成
して前記残渣受胴の上部の内面を前記加熱胴の内面に連
接させるとともに、前記残渣受胴の内面に周設させた仕
切樋を前記残渣液出口に向けて下り傾斜で連通させたこ
と、を特徴としている。
【0026】すなわち、本発明の流下膜式蒸留装置にお
いては、加熱胴の下端に固定される残渣受胴の上部を胴
状に形成するとともに、残渣受胴の上部の内面を加熱胴
の内面に連接させているので、加熱胴の内面に膜状流下
させた原液のうち加熱蒸発できなかったものは、原液の
残渣液として、残渣受胴の上部の胴状の内面にまで流下
することになり、このとき、残渣受胴の上部の胴状の内
面にまで流下した原液の残渣液は、残渣受胴の内面に周
設させた仕切樋に受け止められることになるが、この
点、残渣受胴の内面に周設させた仕切樋は、残渣受胴の
残渣液出口に向けて下り傾斜で連通されているので、分
子蒸留操作で分離された原液の残渣液を速やかに回収す
ることができる。
【0027】また、上述した第3の課題を解決するため
に成された請求項4に係る発明は、加熱胴と、前記加熱
胴の下端に固設された残渣受胴と、前記残渣受胴に突設
されるとともに前記加熱胴の中空部に位置する筒状の内
部コンデンサと、前記内部コンデンサの中空部に連通す
るとともに前記残渣受胴に突設された排気口と、前記残
渣受胴に設けられた留出液出口とを有し、前記排気口を
介した減圧の下で、前記加熱胴の内面に膜状流下させた
原液を加熱して蒸発させるとともに前記内部コンデンサ
で前記原液の蒸発物を冷却して凝縮させることにより、
前記原液を留出液と残渣液とに分子蒸留操作で分離し、
前記原液の留出液を前記留出液出口から回収する流下膜
式蒸留装置において、前記残渣受胴の上部を胴状に形成
して前記内部コンデンサの下端部を前記残渣受胴の上部
に内在させるとともに、前記残渣受胴の底部を円錐状に
形成して前記留出液出口を前記残渣受胴の底部の頂点に
設けたこと、を特徴としている。
【0028】すなわち、本発明の流下膜式蒸留装置にお
いては、加熱胴の下端に固定される残渣受胴の上部を胴
状に形成するとともに、内部コンデンサの下端部を残渣
受胴の上部に内在させているので、内部コンデンサで生
成する原液の留出液は、内部コンデンサの下端部から残
渣受胴の底部に落下することになり、さらに、円錐状に
形成された残渣受胴の底部の内面を流下することになる
が、この点、残渣受胴の留出液出口が残渣受胴の円錐状
の底部の頂点に設けられているので、分子蒸留操作で分
離された原液の留出液を速やかに回収することができ
る。
【0029】また、請求項5に係る発明は、請求項3又
は請求項4に記載する流下膜式蒸留装置であって、前記
残渣受胴に設けたジャケット空間に媒体を通すことによ
り、前記残渣受胴の内部を保温すること、を特徴として
いる。
【0030】すなわち、本発明の流下膜式蒸留装置にお
いて、残渣受胴に設けたジャケット空間に媒体を通すこ
とにより、残渣受胴の内部を保温すれば、残渣受胴の内
面に周設させた仕切樋を流動する原液の残渣液が固化し
て溜まることがなく、また、残渣受胴の円錐状の底部の
内面を流下する原液の留出液が固化して溜まることがな
いので、分子蒸留操作で分離された原液の留出液や残渣
液を一層速やかに回収することができる。
【0031】また、請求項6に係る発明は、請求項1乃
至請求項5のいずれか一つに記載する流下膜式蒸留装置
であって、前記原液を構成する成分の50wt%以上が
「BHET」であること、を特徴としている。
【0032】特に、「BHET」は、縮重合反応が進む
温度と融点とが比較的近いものであり、さらに、かかる
融点も高いことから、本発明の流下膜式蒸留装置におい
て、原液を構成する成分の50wt%以上が「BHE
T」であると、加熱胴の内面と内部コンデンサの温度差
を今まで以上に大きく確保することができないことか
ら、上述した効果を大きく発揮することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。先ず、本実施の形態の流下膜式
蒸留装置に導入し得る原液は、その組成の少なくとも5
0wt%以上が「BHET」からなり、他の成分として
は、本実施の形態の流下膜式蒸留装置で「BHET」と
分離できるものであれば、如何なるものでもよい。更に
この原液は如何なる方法によって得られるものでもよ
く、原液の製法には限定しない。例えば、品質上樹脂と
して使用不可能な「PET」の樹脂を過剰の「EG」で
分解して得られる混合液、使用済みPETボトル等を過
剰の「EG」で分解して得られる混合液等を挙げる事が
出来る(以下の記述に於いて、「BHET」の原液と称
す)。上記他の成分としては、例えばオリゴエチレンテ
レフタレート類、テレフタル酸とジエチレングリコール
のモノ及び/又はオリゴエステル類等を例示できる。従
って、本実施の形態の流下膜式蒸留装置は、これらの原
液の精製を分子蒸留操作で行うものである。そして、図
1の断面図に示すように、流下膜式蒸留装置1は、加熱
胴30、上蓋10、残渣受胴40などから構成される。
【0034】加熱胴30は、円筒状の側面にジャケット
空間31を備えたものであり、図示しない熱媒入口や熱
媒出口などを介して、約200〜220℃の熱媒をジャ
ケット空間31に通すことにより、内面32を蒸発面と
するものである。
【0035】また、上蓋10には、図示しないプーリや
軸受ブラケットなどを介して、図示しないモータを駆動
源とする回転翼15が装着されている。そして、この回
転翼15は、上蓋10が加熱胴30の上端に固設される
ことにより、加熱胴30の中空部に配設される。このと
き、この回転翼15の外側に設けられた複数のワイパー
16は、加熱胴30の内面32に接触する。また、上蓋
10においては、回転翼15の上側に回転板14が設け
られるとともに、この回転板14の上面に向けて、2個
の原液入口13が設けられている。
【0036】また、残渣受胴40は、その上部が胴状
に、その底部を円錐状にそれぞれ形成されたものであっ
て、円筒状の内部コンデンサ41、内部コンデンサ41
の下端部を囲い巡らすようにして残渣受胴40の内面の
周囲に設けられた仕切板42と仕切底51、残渣受胴4
0の円錐状の底部に設けられた留出液出口44、仕切底
51に接続した残渣液出口45、内部コンデンサ41の
中空部と連通した排気口46などから構成される。
【0037】そして、円筒状の内部コンデンサ41は、
残渣受胴40が加熱胴30の下端に固設されることによ
り、加熱胴30の中空部に配設されると同時に、回転翼
15の内側に配設される。これにより、内部コンデンサ
41の外側面は、加熱胴30の蒸発面(内面32)に対
向することになる。さらに、図2や図3に示すように、
内部コンデンサ41の冷媒通過域61に対しては、冷媒
入口47や螺旋状のバッフル62やパイプ64や冷媒出
口48などを介して、約120℃の冷媒を通しており、
これにより、内部コンデンサ41の外側面72及び内側
面71を凝縮面(SUS304の鏡面仕上げ)としてい
る。
【0038】尚、内部コンデンサ41の冷媒通過域61
においては、冷媒入口47からの冷媒が、螺旋状のバッ
フル62に沿って流動するので、スタートアップ時に冷
媒の粘性抵抗が大きくなっても、冷媒の流動に支障はな
い。また、冷媒入口47からの冷媒は、螺旋状のバッフ
ル62に沿って上に向かって流動し、内部コンデンサ4
1の冷媒通過域61の上部にまで到達すると、その後
は、パイプ64の中を上から下に向かって流動して、冷
媒出口48へ向かうことになる。従って、内部コンデン
サ41の冷媒通過域61は、冷媒が常に充填されてお
り、エアー溜まりのない構造になっている。
【0039】また、残渣受胴40の側面には、ジャケッ
ト空間50が設けられており、熱媒入口52や熱媒出口
53などを介して(図2参照)、約120℃のスチーム
を通している。さらに、留出液出口44、残渣液出口4
5(図3参照)、排気口46(図2参照)、液出口54
(図2参照)などは、いわゆる二重管構造を有してお
り、約120℃のスチームで保温されている。これによ
り、残渣受胴40の内部は、「BHET」の融点の約1
14℃よりも高い温度に保つことができる。
【0040】尚、残渣受胴40の胴状の上部の内面は、
残渣受胴40が加熱胴30の下端に固設されることによ
り、加熱胴30の内面に連なって接続される。また、内
部コンデンサ41の底部には、内部コンデンサ41の中
空部と連通した留出液通過口63が設けられている。ま
た、仕切底51は、残渣液出口45に向かって下りの傾
斜がつけられており、さらに、仕切板42とで「仕切
樋」を形成している。従って、仕切板42と仕切底51
で形成された「仕切樋」は、残渣液出口45に連通して
いる。
【0041】すなわち、図1に示した流下膜式蒸留装置
1においては、約17.3Paの高真空度の操作条件の
下で、約160℃の「BHET」の原液を原液入口13
を介して回転板14の上に供給すると、約300rpm
で回転する回転板14の遠心力により、回転板14の上
の「BHET」の原液は、ほぼ均等に、加熱胴30の内
面32に流下する。その後、「BHET」の原液は、加
熱胴30の内面32の上で流下膜状を形成し、さらに、
回転翼15のワイパー16により液界面での表面更新を
促進されつつ、加熱胴30の内面32の上で加熱蒸発す
る。
【0042】そして、図2や図3に示すように、加熱蒸
発された「BHET」は、内部コンデンサ41の外側面
72及び内側面71で冷却されて凝縮し、「BHET」
の留出液となる。このとき、「BHET」の留出液につ
いては、内部コンデンサ41の外側面72を流下するも
のは、残渣受胴40の円錐状の底部の内面73の上に落
下・流下し、残渣受胴40の留出液出口44から回収さ
れる。また、内部コンデンサ41の内側面71を流下す
るものは、内部コンデンサ41の底部に設けられた留出
液通過口63を介して、残渣受胴40の留出液出口44
から主に回収されるが、内部コンデンサ41の中空部と
連通した排気口46の液出口54からも回収される。
【0043】一方、図1に示すように、加熱胴30の内
面32の上を膜状流下した「BHET」の原液のうち、
加熱胴30の内面32の上で加熱蒸発できなかったもの
は、残渣受胴40の仕切底51にまで流下し、仕切底5
1と仕切板42とで形成された「仕切樋」に導かれて、
「BHET」の残渣液として、残渣受胴40の残渣液出
口45から回収される。
【0044】従って、図1に示した流下膜式蒸留装置1
は、分子蒸留操作の精製により、「BHET」の原液を
留出液と残渣液とに分離して回収することができるの
で、「BHET」の純度を高めることが可能なものであ
る。
【0045】以上詳細に説明したように、本実施の形態
の流下膜式蒸留装置1においては、図2や図3に示すよ
うに、筒状の内部コンデンサ41の冷媒通過域61に螺
旋状のバッフル62が内設されており、筒状の冷媒通過
域61の冷媒が螺旋状のバッフル62に沿って流動し
て、内部コンデンサ41の冷媒速度が向上するので、内
部コンデンサ41の外側面72及び内側面71(凝縮
面)の伝熱能力が大きくなり、もって、縮重合反応が進
む温度と融点とが比較的近い「BHET」の原液に対す
る分子蒸留操作の処理能力を向上させることができる。
【0046】さらに、本実施の形態の流下膜式蒸留装置
1においては、図1に示すように、残渣受胴40に突設
された内部コンデンサ41が加熱胴30の中空部に位置
するものであるが、この点、加熱胴30の下端に固定さ
れる残渣受胴40の上部を胴状に形成しており、従来技
術の欄で説明した流下膜式蒸留装置101に比べ(図6
や図7参照)、内部コンデンサ41の下端部を内在させ
る新たなスペースを残渣受胴40の上部に設けることが
でき、内部コンデンサ41の全長を大きくすることによ
り、内部コンデンサ41の伝熱面積が大きくなって、内
部コンデンサ41の伝熱能力を向上させることができる
ので、内部コンデンサ41の外側面72及び内側面71
(凝縮面)の伝熱能力が一層大きくなり、もって、縮重
合反応が進む温度と融点とが比較的近い「BHET」の
原液に対する分子蒸留操作の処理能力も一層向上させる
ことができる。
【0047】図4は、本実施の形態の流下膜式蒸留装置
1の処理能力を、従来技術の欄で説明した流下膜式蒸留
装置101(図6や図7参照)のものと比較した試験結
果の表であるが、留出液出口44における「BHET」
の留出液の留出速度や、加熱胴30における単位伝熱面
積当たりの蒸発速度において、本実施の形態の流下膜式
蒸留装置1が全て上回っており、この試験結果により、
「BHET」の原液に対する分子蒸留操作の処理能力が
向上したことがわかる。
【0048】さらに、図4の「No.3」の試験では、
本実施の形態の流下膜式蒸留装置1において、加熱胴3
0のジャケット空間31の熱媒として、約200℃の気
相のものを通しているが、この条件でも、従来技術の欄
で説明した流下膜式蒸留装置101(図6や図7参照)
の処理能力を上回ることができる。
【0049】尚、図4において、「熱媒入」とは、加熱
胴30のジャケット空間31の熱媒の入口温度であり、
「熱媒出」とは、加熱胴30のジャケット空間31の熱
媒の出口温度であり、「液温入」とは、原液入口13を
介して供給される「BHET」の入口温度であり、「液
温出」とは、残渣液出口45を介して回収される「BH
ET」の残渣液の出口温度であり、「真空度」とは、加
熱胴30の中空部における圧力値であり、「フィード
量」とは、原液入口13を介して供給される「BHE
T」の供給量である。
【0050】また、図5は、本実施の形態の流下膜式蒸
留装置1で回収した「BHET」の留出液の分析結果
を、「BHET」を50wt%以上含む市販の原液と比
較した表であるが、図5の分析結果より、本実施の形態
の流下膜式蒸留装置1で回収した「BHET」の留出液
の純度は、市販の「BHET」の原液と比べ、十分に高
いことがわかる。
【0051】また、本実施の形態の流下膜式蒸留装置1
においては、図1に示すように、加熱胴30の下端に固
定される残渣受胴40の上部を胴状に形成するととも
に、残渣受胴40の上部の内面を加熱胴30の内面32
に連接させているので、加熱胴30の内面32に膜状流
下させた「BHET」の原液のうち加熱蒸発できなかっ
たものは、「BHET」の原液の残渣液として、残渣受
胴40の上部の胴状の内面にまで流下することになる。
このとき、残渣受胴40の上部の胴状の内面にまで流下
した「BHET」の原液の残渣液は、残渣受胴40の内
面に周設させた「仕切樋」(仕切板42と仕切底51で
形成されたもの)に受け止められることになるが、この
点、残渣受胴40の内面に周設させた「仕切樋」(仕切
板42と仕切底51で形成されたもの)は、残渣受胴4
0の残渣液出口45に向けて下り傾斜で連通されている
ので、分子蒸留操作で分離された「BHET」の原液の
残渣液を速やかに回収することができる。
【0052】また、本実施の形態の流下膜式蒸留装置1
においては、図1〜図3に示すように、加熱胴30の下
端に固定される残渣受胴40の上部を胴状に形成すると
ともに、内部コンデンサ41の下端部を残渣受胴40の
上部に内在させているので、内部コンデンサ41で生成
する「BHET」の原液の留出液は、内部コンデンサ4
1の下端部から残渣受胴40の底部に落下することにな
り、さらに、円錐状に形成された残渣受胴40の底部の
内面73を流下することになる。この点、残渣受胴40
の留出液出口44が残渣受胴40の円錐状の底部の頂点
に設けられているので、分子蒸留操作で分離された「B
HET」の原液の留出液を速やかに回収することができ
る。
【0053】また、本実施の形態の流下膜式蒸留装置1
においては、図1〜図3に示すように、残渣受胴40に
設けたジャケット空間50に約120℃のスチームを通
すことにより、残渣受胴40の内部を保温しており、残
渣受胴40の内部の温度が、「BHET」の融点である
約114℃より下回ることがない。従って、残渣受胴4
0の内面に周設させた「仕切樋」(仕切板42と仕切底
51で形成されたもの)を流動する「BHET」の原液
の残渣液が固化して溜まることがなく、また、残渣受胴
40の円錐状の底部の内面73を流下する「BHET」
の原液の留出液が固化して溜まることがないので、分子
蒸留操作で分離された「BHET」の原液の留出液や残
渣液を一層速やかに回収することができる。
【0054】もっとも、本実施の形態の流下膜式蒸留装
置1においては、残渣受胴40に設けたジャケット空間
50に加えて、留出液出口44、残渣液出口45、排気
口46、液出口54などが、いわゆる二重管構造を有し
ており、各々に対して、約120℃のスチームが通され
ているので、全プロセスラインを約120℃に保つこと
ができる。
【0055】また、特に、本実施の形態の流下膜式蒸留
装置1においては、分子蒸留操作で分離する原液とし
て、その構成成分の50wt%以上が「BHET」のも
のを扱っているが、この点、「BHET」は、発明が解
決しようとする課題の欄で述べたように、操作する真空
下で、縮重合反応が進む温度(約200℃以上)と融点
(約112℃)とが比較的近いものであり、さらに、か
かる融点(約112℃)も高く、加熱胴30の蒸発面
(内面32)と内部コンデンサ41の凝縮面(外側面及
び内側面)の温度差を今まで以上に大きく確保すること
ができないことから、上述した効果を大きく発揮するこ
とができる。
【0056】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、本実施の形態の流下膜式蒸留装置
1においては、分子蒸留操作で分離する原液として、
「BHET」を扱っているが、「BHET」以外の原液
であっても、操作する真空下で、 (1)縮重合反応及び熱分解反応が進む両温度と融点の
三者が共に比較的近い原液 (2)縮重合反応が進む温度と融点とが比較的近い原液 (3)熱分解反応が進む温度と融点とが比較的近い原液 などであれば、加熱胴30の蒸発面(内面32)と内部
コンデンサ41の凝縮面(外側面及び内側面)の温度差
を今まで以上に大きく確保することができないことか
ら、上述した効果を発揮することは十分に可能である。
【0057】具体的には、p−キシリレンフェノール、
モノグリセリン脂肪酸エステル、パラフィンワックスな
どがある。
【0058】
【発明の効果】本発明の流下膜式蒸留装置においては、
筒状の内部コンデンサの冷媒通過域に螺旋状のバッフル
が内設されており、筒状の冷媒通過域の冷媒が螺旋状の
バッフルに沿って流動して、内部コンデンサの冷媒速度
が向上するので、内部コンデンサの凝縮面の伝熱能力が
大きくなり、もって、縮重合反応が進む温度と融点とが
比較的近い原液に対する分子蒸留操作の処理能力を向上
させることができる。
【0059】さらに、本発明の流下膜式蒸留装置におい
ては、残渣受胴に突設された内部コンデンサが加熱胴の
中空部に位置するものであるが、この点、加熱胴の下端
に固定される残渣受胴の上部を胴状に形成すれば、内部
コンデンサの下端部を内在させる新たなスペースを残渣
受胴の上部に設けることができ、内部コンデンサの全長
を大きくすることにより、内部コンデンサの伝熱能力を
向上させることができるので、内部コンデンサの凝縮面
の伝熱能力が一層大きくなり、もって、縮重合反応が進
む温度と融点とが比較的近い原液に対する分子蒸留操作
の処理能力も一層向上させることができる。
【0060】また、本発明の流下膜式蒸留装置において
は、加熱胴の下端に固定される残渣受胴の上部を胴状に
形成するとともに、残渣受胴の上部の内面を加熱胴の内
面に連接させているので、加熱胴の内面に膜状流下させ
た原液のうち加熱蒸発できなかったものは、原液の残渣
液として、残渣受胴の上部の胴状の内面にまで流下する
ことになり、このとき、残渣受胴の上部の胴状の内面に
まで流下した原液の残渣液は、残渣受胴の内面に周設さ
せた仕切樋に受け止められることになるが、この点、残
渣受胴の内面に周設させた仕切樋は、残渣受胴の残渣液
出口に向けて下り傾斜で連通されているので、分子蒸留
操作で分離された原液の残渣液を速やかに回収すること
ができる。
【0061】また、本発明の流下膜式蒸留装置において
は、加熱胴の下端に固定される残渣受胴の上部を胴状に
形成するとともに、内部コンデンサの下端部を残渣受胴
の上部に内在させているので、内部コンデンサで生成す
る原液の留出液は、内部コンデンサの下端部から残渣受
胴の底部に落下することになり、さらに、円錐状に形成
された残渣受胴の底部の内面を流下することになるが、
この点、残渣受胴の留出液出口が残渣受胴の円錐状の底
部の頂点に設けられているので、分子蒸留操作で分離さ
れた原液の留出液を速やかに回収することができる。
【0062】また、本発明の流下膜式蒸留装置におい
て、残渣受胴に設けたジャケット空間に媒体を通すこと
により、残渣受胴の内部を保温すれば、残渣受胴の内面
に周設させた仕切樋を流動する原液の残渣液が固化して
溜まることがなく、また、残渣受胴の円錐状の底部の内
面を流下する原液の留出液が固化して溜まることがない
ので、分子蒸留操作で分離された原液の留出液や残渣液
を一層速やかに回収することができる。
【0063】特に、「BHET」は、縮重合反応が進む
温度と融点とが比較的近いものであり、さらに、かかる
融点も高いことから、本発明の流下膜式蒸留装置におい
て、原液を構成する成分の50wt%以上が「BHE
T」であると、加熱胴の内面と内部コンデンサの温度差
を今まで以上に大きく確保することができないことか
ら、上述した効果を大きく発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の流下膜式蒸留装置の断面図であ
る。
【図2】本実施の形態の流下膜式蒸留装置の残渣受胴の
断面図である。
【図3】本実施の形態の流下膜式蒸留装置の残渣受胴の
断面図である。
【図4】本実施の形態の流下膜式蒸留装置と従来技術の
流下膜式蒸留装置の試験結果を比較した表である。
【図5】本実施の形態の流下膜式蒸留装置で蒸留された
「BHET」の分析結果と、「BHET」を50wt%
以上含む市販の原液の分析結果を比較した表である。
【図6】従来技術の流下膜式蒸留装置の断面図である。
【図7】従来技術の流下膜式蒸留装置の断面図である。
【符号の説明】
1 流下膜式蒸留装置 30 加熱胴 40 残渣受胴 41 内部コンデンサ 42 仕切板 44 留出液出口 45 残渣液出口 46 排気口 50 残渣受胴のジャケット空間 51 仕切底 61 内部コンデンサの冷媒通過域 62 バッフル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 浩 名古屋市熱田区三本松町1−1 日本車輌 製造株式会社内 (72)発明者 坂野 正和 名古屋市熱田区三本松町1−1 日本車輌 製造株式会社内 (72)発明者 梅村 聖子 名古屋市熱田区三本松町1−1 日本車輌 製造株式会社内 (72)発明者 稲田 修司 大阪府吹田市藤白台4丁目6番6号 (72)発明者 佐藤 菊智 広島県福山市加茂町中野3丁目68番 Fターム(参考) 4D076 AA13 AA22 BA13 BC01 CB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱胴と、前記加熱胴の下端に固設され
    た残渣受胴と、前記残渣受胴に突設されるとともに前記
    加熱胴の中空部に位置する筒状の内部コンデンサと、前
    記内部コンデンサの中空部に連通するとともに前記残渣
    受胴に突設された排気口とを有し、前記排気口を介した
    減圧の下で、前記加熱胴の内面に膜状流下させた原液を
    加熱して蒸発させるとともに前記内部コンデンサで前記
    原液の蒸発物を冷却して凝縮させることにより、前記原
    液を留出液と残渣液とに分子蒸留操作で分離する流下膜
    式蒸留装置において、 前記内部コンデンサの冷媒通過域に螺旋状のバッフルを
    内設することにより、前記内部コンデンサの冷媒速度を
    向上させたこと、を特徴とする流下膜式蒸留装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載する流下膜式蒸留装置で
    あって、 前記残渣受胴の上部を胴状に形成するとともに前記内部
    コンデンサの下端部を前記残渣受胴の上部に内在させる
    ことにより、前記内部コンデンサの伝熱能力を向上させ
    たこと、を特徴とする流下膜式蒸留装置。
  3. 【請求項3】 加熱胴と、前記加熱胴の下端に固設され
    た残渣受胴と、前記残渣受胴に突設されるとともに前記
    加熱胴の中空部に位置する筒状の内部コンデンサと、前
    記内部コンデンサの中空部に連通するとともに前記残渣
    受胴に突設された排気口と、前記残渣受胴に設けられた
    残渣液出口とを有し、前記排気口を介した減圧の下で、
    前記加熱胴の内面に膜状流下させた原液を加熱して蒸発
    させるとともに前記内部コンデンサで前記原液の蒸発物
    を冷却して凝縮させることにより、前記原液を留出液と
    残渣液とに分子蒸留操作で分離し、前記原液の残渣液を
    前記残渣液出口から回収する流下膜式蒸留装置におい
    て、 前記残渣受胴の上部を胴状に形成して前記残渣受胴の上
    部の内面を前記加熱胴の内面に連接させるとともに、前
    記残渣受胴の内面に周設させた仕切樋を前記残渣液出口
    に向けて下り傾斜で連通させたこと、を特徴とする流下
    膜式蒸留装置。
  4. 【請求項4】 加熱胴と、前記加熱胴の下端に固設され
    た残渣受胴と、前記残渣受胴に突設されるとともに前記
    加熱胴の中空部に位置する筒状の内部コンデンサと、前
    記内部コンデンサの中空部に連通するとともに前記残渣
    受胴に突設された排気口と、前記残渣受胴に設けられた
    留出液出口とを有し、前記排気口を介した減圧の下で、
    前記加熱胴の内面に膜状流下させた原液を加熱して蒸発
    させるとともに前記内部コンデンサで前記原液の蒸発物
    を冷却して凝縮させることにより、前記原液を留出液と
    残渣液とに分子蒸留操作で分離し、前記原液の留出液を
    前記留出液出口から回収する流下膜式蒸留装置におい
    て、 前記残渣受胴の上部を胴状に形成して前記内部コンデン
    サの下端部を前記残渣受胴の上部に内在させるととも
    に、前記残渣受胴の底部を円錐状に形成して前記留出液
    出口を前記残渣受胴の底部の頂点に設けたこと、を特徴
    とする流下膜式蒸留装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載する流下膜
    式蒸留装置であって、前記残渣受胴に設けたジャケット
    空間に媒体を通すことにより、前記残渣受胴の内部を保
    温すること、を特徴とする流下膜式蒸留装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに
    記載する流下膜式蒸留装置であって、 前記原液を構成する成分の50wt%以上がビス−β−
    ヒドロキシエチルテレフタレートであること、を特徴と
    する流下膜式蒸留装置。
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