JP3255413B2 - 二量体環状エステル生成のための薄膜解重合 - Google Patents

二量体環状エステル生成のための薄膜解重合

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    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J6/00Heat treatments such as Calcining; Fusing ; Pyrolysis

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、二量体環状エステル生成のための減圧反応
蒸留方法に関する。本発明の方法は、ヒドロキシカルボ
ン酸のオリゴマーの薄膜を解重合して二量体環状エステ
ルを生成させ、これを回収することからなる。本発明の
薄膜法は二量体環状エステルへの急速でほぼ完全な変換
を可能にし、滞留時間が短く、好ましくない副産物への
分解がほとんどなく、高品質の製品を高収率で得ること
を可能とする。
発明の背景 ヒドロキシカルボン酸の二量体環状エステル、例えば
グリコリド(1,4−ジオキサン−2,5−ジオン)およびラ
クチド(1.4−ジオキサン−3,5−ジメチル−2,5−ジオ
ン)は、高分子ポリヒドロキシカルボン酸への中間体で
あり、また、このポリヒドロキシカルボン酸は生物学的
あるいは加水分解的に劣化し、生理学的および環境的に
許容し得る副生成物を形成するから、生体臨床医学的用
途などに有用である。
この二量体環状エステル生成のための方法としては、
ヨーロッパ特許出願公開番号第264926(Aigner et al)
に見出すことができる。このAigner et alの方法におい
ては、減圧下で強制供給フローチューブ反応器(ダブル
スクリューイクストルーダー)内で、長さ方向に温度勾
配増大させつつ熱分解解重合反応を連続的に行うように
している。二量体環状エステル製品は反応器の下流端に
位置する蒸気口を介して反応物質から蒸留され、一方高
沸点残渣は強制供給押出し条件下で押出される。
本発明の目的は、α−ヒドロキシカルボキシル化合物
の低分子オリゴマーまたはポリマーを、短い滞留時間、
高生産速度で環状エステルへ変換する改良された方法を
提供することである。
本発明の他の目的は、α−ヒドロキシカルボキシル化
合物のポリマーを実質的に完全に環状エステルへ変換す
るとともにラセミ化反応や、その他の好ましくない分解
反応を実質的に減少し得る方法を提供することである。
さらに本発明の目的は、反応器での滞留時間、反応物
質の露出、製品の熱ストレスを最少にしつつ、二量体環
状エステルへの急速な変換を達成し得る方法を提供する
ことである。
発明の概要 本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸成分のオリゴマ
ー(例えば、乳酸のオリゴマー)の環状エステル(例え
ばラクチド)への変換が、上記オリゴマーを含む反応物
質を解重合温度に加熱された表面上に薄い液体または溶
融フィルムとして広げたときに、想像以上に急速に進行
することを見出したことに基づくものである。オリゴマ
ーを加熱表面上に薄いフィルムとして、好ましくはフィ
ルムの厚みに対して比較的大きい表面積のフィルムとし
て配置させることにより、(1)加熱表面からのオリゴ
マー組成物への熱の移動が急速に行われること;(2)
反応生成物(例えばラクチド)がオリゴマーフィルムを
介して急速に移動しオリゴマー表面から急速に気化され
ること(すなわち、反応生成物はオリゴマーよりも揮発
性である)が可能となった。また、これによりラセミ化
反応や、その他の好ましくない分解反応を実質的に減少
しつつ、環状エステルへの高変換、高収率を伴う短滞留
時間の連続的製造方法が可能となった。
すなわち、本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸化合
物の解重合可能なオリゴマーを、薄膜蒸留条件下で有効
な解重合、蒸留温度に加熱し、これによりオリゴマーの
気化環状エステルへの変換を短い滞留時間で行う二量体
環状エステルへの解重合(熱分解)方法を提供するもの
である。
さらに、本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸、その
アルキルエステルまたは塩のオリゴマーを変換する方法
であって、(1)予め形成されたオリゴマーの薄い液体
フィルムを反応域内で加熱表面上に配置する工程と、
(2)該加熱表面を該液体フィルムが解重合温度に加熱
されるのに十分な温度に保ち、かつ、該反応域を二量体
環状エステルを含む気化製品流を形成するのに十分な低
い減圧に保ちつつ、該オリゴマーを二量体環状エステル
に変換する工程と、(3)該製品流を回収する工程とを
具備してなる方法を提供するものである。
本発明の方法は、L−ラクチドを含むラクチドを乳酸
またはそのエステルのオリゴマー、その窒素塩基塩のオ
リゴマーから高収率、高変換速度で製造するのに特に適
している。
本発明の一態様において、気化製品流は冷却され、凝
縮され、液体として集められる。この態様の重要な点
は、オリゴマーフィルムが形成され、連続的に解重合さ
れ、気化された製品が連続的に集められることである。
この連続的方法の他の特徴は加熱表面へのオリゴマーの
供給速度、オリゴマーフィルム(薄膜)の厚み、温度お
よび圧力が調和、制御され、解重合がほぼ完全に進行し
気化された製品が形成されることである。ごく少量の残
渣(いわゆるヒールと呼ばれるもの)も形成されるかも
知れないが、この残渣の存在はこの方法全体の進行を何
ら妨げるものではない。この残渣は後述のように定期的
に除去され、あるいは再循環ないし加水分解される。本
発明によれば、この薄膜解重合はワイプトフィルム(wi
ped−film)エバポレータ内で行うことにより最も好ま
しい結果を得ることができる。
本発明の反応性蒸留法は、閉鎖ポリヒドロキシカルボ
ン酸化合物の熱分解/解重合による揮発性の環状反応製
品の生成工程と、この環状反応製品を気化工程と、この
環状エステル製品回収のための凝縮工程とからなること
を特徴とする。
図面の簡単な説明 図1は内部凝縮器を備えたワイプトフィルムエバポレ
ータの断面図; 図2は外部凝縮器を結合した図1のワイプトフィルム
エバポレータの断面図; 図3は本発明の方法を示すブロック図である。
発明の詳細な説明 本発明は、下記構造式を有する環状エステルの製造方
法に関する。
式中、R1、R2は各独立して水素原子または炭素原子数
1ないし6の脂肪族炭化水素基である。
本発明の重要な特徴は、α−ヒドロキシカルボン酸ま
たはそのエステル、窒素塩基塩のオリゴマーを、減圧、
高温に保たれた反応域内の反応表面に薄い溶融フィルム
として導入することである。反応域内の圧力、温度はオ
リゴマーが解重合され、熱分解生成物が気化し、環状エ
ステルを含む反応製品流を形成するように保たれてい
る。この反応製品流は環状エステルに悪影響が及ぼない
ような適当な方法により回収することができる。
本発明の別の態様においては、この反応製品流を凝縮
し、ついで再蒸留、抽出または溶液からの結晶化を適宜
行い、所望の環状エステル製品を回収することが行われ
る。
上記オリゴマー供給物質は、下記一般式のオリゴマー
化可能なα−ヒドロキシカルボン酸またはそのエステ
ル、窒素塩基塩のオリゴマーからなる。
なお、上記式中、nは2ないし50の整数、XはH、R3
またはカチオン基HA、R1、R2およびR3は各独立して水素
原子または炭素原子数1ないし6の炭化水素基、Aは窒
素塩基である。好ましくはR1、R2およびR3はH以外のと
きはアルキル基である。より好ましくはR1およびR2はグ
リコール酸(R1=R2=H)または乳酸(R1=H、R2=メ
チル)のようにHまたはメチル基である。カチオン基HA
は好ましくは窒素塩基から得られるもの、例えばアンモ
ニア、アルキルアミンであり、好ましくはアンモニアま
たは第3アミン、例えばトリメチルアミン、トリエチル
アミン、メチルジエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミンである。
重合度(すなわち、nの値)および分子量は、オリゴ
マーが操作温度で溶融し解重合可能である限り、種々変
化させることができる。最良の結果を得るためには、n
の値は約5ないし30(例えば25を超えない)の範囲であ
り、通常は約10ないし15の範囲である。このnの値は解
重合反応の間において増大し、したがって反応完了後に
残るヒール(すなわち、ポリマー残渣)は通常、オリゴ
マー出発物質よりも重合度が大きい。オリゴマーが溶融
可能で、解重合可能である限り、このヒールを本発明に
従って反応器へ再循環させることができる。その他、こ
のヒールを加水分解してモノマー酸などの、より低分子
量のα−ヒドロキシカルボン酸とすることもでき、これ
らはこのプロセスで再利用するため所望の重合度のオリ
ゴマーに再重合させることができる。
オリゴマーは通常、溶解ガス、溶媒、その他の低沸点
成分を含まないようにし、これにより減圧操作時にフィ
ルムが気泡を含んだり、飛散したりすることによるフィ
ルムの劣化の可能性を回避あるいは抑制する必要があ
る。さらに、オリゴマーはエバポレータの反応域に供給
される前に操作温度ないしその近傍温度に予備加熱する
ことが好ましい。
この解重合プロセスは薄膜エバポレータを用いて連続
方式で有利に行うことができる。この薄膜エバポレータ
は、反応器の加熱内側表面にオリゴマーを分配するため
の手段を備えた加熱筒状またはテーパー筒状反応器を有
する。本発明の1つの態様として、この筒状反応器はそ
の壁面から接近して離され、あるいは壁面上の液体フィ
ルムに載せられるようにして維持された一連の回転ワイ
パー部材を具備している。この反応器の操作において、
オリゴマーは反応器の加熱表面に薄い液体フィルムとし
て連続的に供給配置される。最良の結果を得るために、
この薄い液体フィルムは比較的大きい表面積でかつ均一
な厚みとなるようにして反応器の加熱表面に供給され
る。例えば、フィルムの厚みは可能な限り薄くし、例え
ば約0.05〜1.0mmの範囲とし、通常約0.2〜0.5mmの範囲
とする。フィルムの厚みを約0.3〜1.0mmの範囲とするこ
とにより良好な結果を得ることができる。連続的解重合
条件を提供し得る装置の例としては以下のものを挙げる
ことができる。
(A)溶融/液化オリゴマーが蒸発器の加熱壁面に沿っ
て下方に流れ落ちるようにした落下フィルム蒸発器であ
る。ここで形成されるフィルムの品質は重力応力の大き
さ、オリゴマーの粘度、加熱表面での流量に主として依
存する。良好な結果が得られるものとしてワイプド−フ
ィルム型の落下フィルム蒸発器が用いられ、これには送
られてくるオリゴマーを加熱表面にて水平および垂直に
広げる手段が装着されていて、実質的に均一な厚みの比
較的表面積の大きい薄いフィルムを形成させることがで
きる。フィルム厚みに対する表面積の比は臨界的なもの
ではないが、ある場合にはフィルム厚みに対する表面積
の比は大きいことが望ましい。これは表面積の比が大き
いと、加熱手段からより大量の液状オリゴマーフィルム
への熱の伝導が増大し、フィルムを通して解重合生成物
が蒸気としてフィルム上の減圧空間へより活発に移動す
ることになるからである。その結果、単位時間当たりの
生成物の量が増大することになる。
(B)本発明を実施するためのワイプド−フィルム型蒸
発器は回転ワイパー部材を備え、この回転ワイパー部材
は回転速度を種々変化させることができ、加熱蒸発器壁
面とワイパー羽との間隔も変化させることができる。こ
のワイパー羽との間隔はフィルムの厚みを規制し、ワイ
パー回転速度およびオリゴマー供給速度はフィルム形成
速度を左右する。このワイパー羽との間隔(所望のフィ
ルムの厚みを得るための)、回転速度は特定のオリゴマ
ー組成物、オリゴマーの粘度、その他の条件(温度、圧
力等)のそれぞれについて実験的に決定することができ
る。
蒸発器において、オリゴマーを揮発性生成物に解重合
したときに生成する製品蒸気流は、好ましくはこの製品
蒸気流が液体として凝縮する温度に維持された凝縮表面
と接触させ、この液体を受理器に導入するようにする。
この凝縮表面は内部凝縮器または外部凝縮器、あるいは
これら双方の組合せからなるものであってもよく、これ
については以下に図1、2を参照して詳述する。
例えばワイプド−フィルム型蒸発器は内部凝縮器から
離間しつつ、内部凝縮器を囲む加熱表面を具備してい
る。このワイプド−フィルム型蒸発器は内部凝縮器の代
わり、あるいは内部凝縮器を補うものとして機能する外
部凝縮器に接続してもよい。凝縮表面の表面積は生成物
流が凝縮する仕方を制御するように変更してもよい。例
えば、コイル状チューブ凝縮器の表面積はチューブの直
径を小さくし、コイルの数を増大することにより増大す
ることができる。この製品蒸気流は通常、二量体環状エ
ステル、開鎖ヒドロキシカルボン酸(例えば乳酸、ラク
トイル乳酸など)などを含め、他の揮発性物質からな
る。凝縮された蒸気流は直ちに、蒸留、抽出、結晶化な
どの方法により成分別に分離される。
本発明の方法は通常、触媒の存在下で行われる。この
触媒は蒸発器に供給される前にオリゴマー反応体に含ま
せることができる。この触媒はオリゴマーの熱分解によ
る環状エステルへの変換を促進し得るものであればいか
なるものでもよい。適当な触媒の例としては、周期率表
第IV、VおよびVIII族の金属、金属化合物が挙げられ
る。この内好ましい金属は第IV族の金属、特に単体(粉
体)、酸化物、ハロゲン化物、カルボキシレートとして
のSn、または第V族の金属、特にSb(通常、Sb2O3)で
ある。ここで特に好ましいものはSn(II)カルボキシレ
ートであり、特に溶融オリゴマーに溶解するもの、例え
ば一般にオクタン酸第一錫と呼ばれているビス・2−エ
チルヘキサン酸第一錫である。
この触媒は触媒有効量用いられるが、この量は具体的
供給原料、反応条件により大きく異なる。したがって、
最良の触媒有効量は実験的に容易に決定される。例え
ば、オクタン酸第一錫を触媒として用いる場合は、一般
には0.01〜5%の範囲、通常0.3〜3%の範囲、最も好
ましくは少なくとも約1%反応体に含有させる。触媒の
充填量が多いことはオリゴマー滞留時間を短くし、二量
体環状エステルの生産速度を促進するので好ましい。
本発明の1態様として、オリゴマーを蒸発器に供給す
る前にオリゴマーに環状エステルの溶媒を混合すること
も好ましいことである。この溶媒の適当なものとして
は、解重合条件下で実質的に不活性のもので、かつ揮発
性が環状エステルと同等ないしより小さいものでなけれ
ばならない。溶媒はオリゴマーの流動性を促進し、ワイ
プド−フィルム型蒸発器の加熱壁面の清浄性を維持する
のに役立つ。揮発性が環状エステルと同等ないしより小
さい溶媒はさらに、凝縮器表面から環状エステルを洗い
落とすことにより凝縮器清浄性を維持するのに役立つ。
蒸発器内の有効温度は、形成される二量体環状エステ
ルの分解温度以下であれば、種々変化させることができ
る。通常、この温度は200〜290℃の範囲である。オリゴ
マー/環状エステル変換における最適温度はオリゴマー
の組成により異なる。例えばL−またはD−アクチドの
製造においては、この温度は通常、約250〜270℃であ
り、グリコリドの製造においては、この温度は通常、約
260〜280℃である。
蒸発器の加熱域表面は任意の手段により加熱すること
ができる。この加熱域は好ましくは熱伝導性材料から作
られ、熱を加熱域壁面の外側から内部蒸発表面に向けて
供給し、オリゴマーフィルムを解重合温度に加熱するよ
うにする。熱は例えば加熱域の外側を加熱テープで電気
的に包みことにより、あるいは電気加熱マントルで加熱
域を被せることにより供給することができる。その他、
加熱域にジャケットを設け、これに加熱オイルを循環さ
せ内部加熱表面を所望の温度に加熱するようにしてもよ
い。必要に応じ、熱電対を蒸発器の加熱域の外部表面に
設置して解重合温度をモニターし、記録するうようにし
てもよい。
この解重合プロセスは、操作(解重合)温度で回収さ
れる環状エステルの蒸気圧と適合する大気圧以下の圧力
下で行われる。この圧力は通常1mmHg未満以上20mmHg以
下の範囲、一般的には約1〜5mmHgの範囲で変化させる
ことができる。
本発明の重要な点は、オリゴマー組成、オリゴマー粘
度、オリゴマー供給速度、フィルム形成速度(例えばワ
イパーブレードの回転速度)、フィルム厚、温度、圧
力、オリゴマー触媒充填などの条件の1ないし2以上を
調整することにより供給されたオリゴマーのほぼ全量が
蒸気製品流に急速に変換され、ヒールの形成がほとんど
ないし全くないようにすることである。これらのプロセ
ス条件を制御することにより蒸留時間の短縮、オリゴマ
ーの高変換率、ラセミ化のほとんどない所望の二量体環
状エステルの高収率、望ましくない副反応例えば炭化の
抑制が可能となる。滞留時間は極めて短く、通常、数分
すなわち1〜10分の範囲である。ヒール形成を抑制して
変換/生産速度をできるだけ高くすることが好ましい
が、反応の進行につれて蒸発器からオリゴマーヒールの
少量を除去できる解重合条件を維持することが得策であ
る。なぜならば、このヒールは蒸発器壁面に堆積された
ままになるかもしれない触媒を保持することができるか
らである。このヒールは直接、蒸発器に再循環するか、
最初により低分子量のα−ヒドロキシカルボン酸に加水
分解し、これを触媒とともに追加のオリゴマーとして再
循環し、環状エステル生成のために用いるようにしても
よい。
形成されるヒールの特性は再循環される程度に影響を
与える。ヒールが再循環されることの実効性は一般に重
合される度合いに関係する。例えば、高分子と呼ばれる
ような重合度が比較的高いヒールはポリマー鎖の末端の
ヒドロキシ基の量が少なくなっていることなどから、再
循環がより困難となる。このプロセスで生成されるヒー
ルはワイプド−フィルム型蒸発器での滞留時間が短かっ
たものであり、したがって、比較的低分子量のものであ
り、これらのヒールは直接、再循環させることができ、
または再循環可能な形に容易に変形させることができ
る。
ワイプド−フィルム型蒸発器の加熱壁面へのオリゴマ
ーの流れはオリゴマーの種類、粘度、温度(粘度は温度
の上昇とともに減少する)、さらに解重合温度、蒸発器
自体の形状に大きく変化させることができる。ワイプド
−フィルム型蒸発器へのオリゴマーの流れは、重力流下
で加熱壁面表面にフィルムが形成されるのに十分なもの
でなければならないが、蒸発器が溢れるような早い速度
であってはならない。このオリゴマー流速は解重合温度
と調和させ、薄いフィルムを形成させ、これがプロセス
を通じて維持され、オリゴマーのほとんど全てが所望の
環状エステル製品へ解重合されるように制御される。さ
らにこのオリゴマー流速はワイパーブレードの回転速度
調和させる必要がある(すなわち、ワイパーブレードは
ワイプド−フィルム型蒸発器の加熱表面に沿ってオリゴ
マーをフィルム状に形成させるものであるから)。例え
ば、オリゴマー流速が大きい場合は、ワイパーブレード
の回転速度も急速にして過剰の炭化、ヒール形成をもた
らすことなく、オリゴマーが効果的に解重合されるよう
にする。しかし、ある場合においては、オリゴマーの少
量を変化させずにおいて、これにより流動性のヒールを
除去し得るようにし、このようにして清浄な加熱壁面を
維持する(すなわち、加熱壁面は分解生成物および堆積
物が付着していない)ようにすることが好ましい。
以下、本発明を図示の実施例を参照して説明する。
図1の装置は、ジャケット付き筒状蒸発器1を示し、
これは図示しない真空ポンプによりライン7を介して減
圧に排気可能になっている。この蒸発器1はその内壁面
2から離間した内部凝縮器8と、この内部凝縮器8と内
壁面2との間に配置された回転可能な筒状ワイパーブレ
ード機構5とを有する。筒状ワイパーブレード機構5
は、液体オリゴマーを内壁面2上に均一厚みに広げるこ
とができる複数のワイパーブレード6を有している。さ
らに筒状ワイパーブレード機構5は、ブレード6の間お
よびブレード6により形成された筒状形の周囲に沿って
複数の開口6Aを有する。これにより内壁面2はこの開口
6Aを介して内部凝縮器8と連通している。内壁面2とブ
レード6との間の空間は固定されていてもよいが、この
空間の大きさを調整可能にしてもよい。筒状ワイパーブ
レード機構5は5Aで図示しないモーターにより種々の速
度に制御可能となっている。
蒸発器1の内壁面2は、ジャケットを介して加熱オイ
ルを適当に循環させることにより外側表面から操作温度
に加熱されるようになっている。このオイルは3から入
り、4から出るようになっている。
蒸発器1のジャケットに配置された熱電対は内壁面2
の温度を測定する。内壁面2に発生する解重合温度は加
熱流体の温度により決まり、この温度は具体的オリゴマ
ーについて実験的に容易に決定することができる。
内部凝縮器8の温度はライン9および10を介して出入
する循環冷却剤により制御される。
蒸発器1はジャケット付き供給容器16から溶融オリゴ
マーを受理するようになっている。このオリゴマーはラ
イン15を介して容器16に供給されジャケットを介しての
加熱オイルの循環により溶融状態が保たれている。この
加熱オイルは17から入り、17Aから出るようになってい
る。溶融オリゴマーの温度は解重合温度より低く、かつ
解重合温度に近いものでなければならない。弁18Aは蒸
発器1への溶融オリゴマーの供給速度を制御する。通
常、弁18Aは45分間ないし2時間当たり500ccのオリゴマ
ーがジャケット付き筒状蒸発器1を通過するように調整
される。デフレクタープレート19が配置されライン18を
介して供給された溶融オリゴマーを蒸発器の内壁面2に
向けるようになっており、これによりオリゴマーが重力
により壁面を流れ落ち、ブレード6により垂直および水
平に広げられ、内壁面2全体に亘り実質的に均一な厚み
に広げられる。
内壁面2にて解重合温度に加熱されたオリゴマーから
蒸発した解重合製品は開口6Aを介して通過し、少なくと
も一部が内部凝縮器8で凝縮し、ライン12を介して受理
器12Aに凝縮物11として集められる。蒸気に変換されな
かった溶融物はヒール13としてライン14を介して受理器
14Aに集められる。
凝縮物11はさらに所望により、環状エステルを回収、
精製するため、公知の手段によりさらに処理される。
同様に、回収されたヒール13は反応器へ再循環されて
環状エステルを追加する形で変換される。重合度が所望
のものより大きい場合は、それをさらに処理して最良の
重合度のオリゴマーに変換される。
図2の装置は図1の装置を含み、外部凝縮器20を具備
し、これは絶縁ライン7(絶縁部は図示されていない)
を介して蒸発器1と連通している。外部凝縮器20は例え
ばエチレングリコール、水、またはこれらの組合せなど
の冷却剤により冷却される。この冷却剤はライン21、22
を介して循環される。外部凝縮器20は、内部凝縮器8で
凝縮されなかった蒸発製品のほぼ全てを凝縮するように
設計、配置されている。なお、凝縮物23はライン24を介
して受理器24Aに集められる。ライン7Aを介して外部凝
縮器20を離れる凝縮されなかった蒸発物はCO2−アルコ
ール混合物27により低温に保たれたコールドトラップ26
を通過する。また、センサー28により真空ポンプにより
もたらされる減圧度を測定する。
上述の代表的薄膜蒸発器において、オリゴマーが解重
合される壁面と、凝縮表面との間隔は大きく変化させる
ことができる。例えば、内部凝縮器型の蒸発器において
は、その間隔は操作圧力によるが二量体環状エステルの
平均自由行程のオーダーの非常に小さいものでもよく、
あるいはその間隔は外部凝縮器型の蒸発器のように、二
量体環状エステルの平均自由行程の何倍かの非常に大き
いのものであってもよい。本発明においては、加熱表面
と凝縮表面との間隔は、圧力が十分に低く、解重合温度
が十分に高く、適当な環状エステル生成速度が確保され
る限り特に臨界的なものではない。特定の蒸発器におけ
る特定の環状エステルについての最良の温度、圧力は実
験的に容易に決定することができる。加熱表面/凝縮表
面間隔が比較的大きい外部凝縮器を備えた蒸発器が蒸発
製品の完全な回収の点からより好ましい。
図3は、環状エステル製造のためのブロック図であ
り、濃縮液状乳酸、好ましくは乳酸を80〜90%含むもの
(88%の乳酸を含むものは市販されている)がライン31
を介して変換器32に供給され、ここでさらに蒸留により
凝縮され、ポリ乳酸(PLA)に重合される。この場合、
通常、減圧下で160℃、ついで170℃に徐々に加熱され、
反応水が除去され、N2が流される。この濃縮、重合段階
における除去される水性蒸留物は33を介して濃縮器34へ
送られ、ここで脱水されて濃縮乳酸となり再循環され
る。32で生成したポリ乳酸は36を介して図2、3で説明
したように薄膜蒸発器37へ送られる。ここで上述のよう
に対応する二量体環状エステル(例えばラクチド)に変
換される。薄膜蒸発器37で生成した凝縮製品はラクチ
ド、少量の乳酸、さらに少量の気化水溶性オリゴマー
(通常、2ないし3の乳酸単位を有する)を含み、これ
は溶媒処理によりさらに処理/精製される。例えば、凝
縮製品は38を介して薄膜蒸発器を出て、抽出器39に入
り、ここで適当な溶媒、例えばアセトンにより抽出が行
われ、ラクチドおよび乳酸等不純物の溶液が形成され
る。
アセトンのような水溶性溶媒を用いて溶液が濃縮さ
れ、ラクチドの析出が開始され、水、好ましくは0〜5
℃に冷却された水の重分量による稀釈が行われ、これに
よりラクチドをほぼ完全に析出させ、水溶液中に乳酸を
残す。不純物を実質的に含まないラクチドは濾過、遠心
分離により分離され、ライン41を介して除去され、所望
により洗浄によりさらに精製され、乾燥され、非反応性
溶媒(例えばトルエン)から再結晶化される。
非水溶性溶媒(例えばメチルイソブチルケトン)が用
いられる場合は、39で生成する有機質溶液は十分量の水
で完全に抽出され、溶液から実質的に全ての乳酸が除去
され、得られた水性相が有機質相から分離される。ラク
チド含有有機質相はライン40を介して除去され、所望に
より溶媒増発、結晶化、再結晶化などの公知の手段によ
り溶液からラクチドが回収される。
実質的に全ての乳酸、残留有機溶媒を含む水性溶液は
ライン41を介して濃縮器42に送られ、ここで存在する有
機質溶媒の全てが除去され、水性溶液が再循環のため濃
縮され(88%乳酸)、有機質溶媒および過剰の水がライ
ン43を介して除去され、再循環流が47を介して除去され
る。薄膜蒸発器37に残留するポリ乳酸残渣は44を介して
除去される。所望により、残渣(ヒール)は加水分解器
45を通過することにより単量体(乳酸)に加水分解によ
り戻される。すなわち、残渣は加水分解器45にて沸騰水
により、ほぼ完全に水溶液に変換されるまで加熱され
る。
加水分解物は濾過され、所望により再循環のため例え
ば88%乳酸に濃縮される。この加水分解に用いられる水
の割合は所望の乳酸濃度の加水分解物を与えるのに十分
な量とする。再循環のための乳酸加水分解物は47を介し
て加水分解器45を離れ、乳酸再循環流48(43からのも
の)および35(34からのもの)と一緒になって、結合流
49を形成し、これがライン31に再循環され、ついで補充
濃縮乳酸とともに変換器2へ循環される。
この循環行程を示す操作全体を繰り返し、リサイクル
される物質の量が各循環により発生した乳酸の量と同じ
であるラインド・アウト・リサイクル法を行うようにし
てもよい。回収された乳酸のリサイクルにより、変換器
に供給される新しい乳酸の量を減少させることができ、
したがってラクチドの生産総量が増大することになる。
以下の実施例は単なる例示であり、また特に指示した
もの以外は市販の物質が以下の実施例で用いられた。
実 施 例 UICインダストリー(ジオレット、イリノイ州、米
国)のKDL−4ワイプト・フィルム・エバポレータが以
下の実施例で用いられた。このエバポレータ(蒸発器)
は蒸発器表面が0.043の筒状ハウジングを垂直に配置し
たものを備えている。このエバポレータは改良して図2
に示すように内側凝縮器から下流側に外部凝縮器を配置
させた。このエバポレータにはジャケットを設け、加熱
オイルの循環によりエバポレータの表面を加熱するよう
にし、さらに(a)循環加熱オイルで加熱するようにし
たジャケット付き供給漏斗と、(b)溶融オリゴマーを
制御された流量でエバポレータに送るように計測する供
給手段であって、供給物質が頂部から内部筒状壁面を流
れ落ちるようにしたものと、(c)加熱壁面上にオリゴ
マーを水平および垂直に機械的に広げるようにするため
の回転ワイパーブレードとしてのガラス強化テフロン
(ポリテトラフルオロエチレン)製ローラとを備えてい
る。このワイパーブレードは2.5にセットしたJanke−Ku
nkelモデルNo.RW20駆動機構により回転された。ワイパ
ーブレードの間隔はフィルム厚みが約0.5mmとなるよう
に設定した。このユニットには排気手段を設け、エバポ
レータを減圧下に保つようにした。
実施例1 A. D−乳酸約1%およびオクタン酸第一錫18.5gを含む88
%L−乳酸1650gの混合物を、水分除去を容易にするた
めN2ガスを流しながら180℃に徐々に加熱することによ
り、乳酸のオリゴマーを作った。この得られたオリゴマ
ーの平均鎖長が10になるまで、この操作を継続させた。
この平均鎖長は指示薬としてフェノールフタレインを用
い、メタノール性ナトリウムメトキシドを用いたメタノ
ール中で滴定により行った。その結果、得られたオリゴ
マーは約0.69重量%のオクタン酸第一錫触媒を含んでい
た。
B. 上記Aで作ったオリゴマーを以下の条件で解重合し
た。
ワイプト・フィルム・エバポレータのワイパーローラ
ーは約2.5の攪拌に設定し、260℃のオイルをエバポレー
タジャケットを介して循環させ、150℃のオイルを供給
漏斗ジャケットを介して循環させた。また熱水を凝縮器
に循環させ90℃の温度とし、エバポレータを排気して1m
mHgの圧力に維持した。予熱(150℃)溶融オリゴマーを
約273g/時間の流量でエバポレータに供給した。エバポ
レータ表面からの蒸留物は凝縮器から排液として約234.
5g/時間の割合で集められた。加熱エバポレータ壁面か
らのヒールは約35.5g/時間の割合で集められた。このワ
イプト・フィルム・エバポレータは約85分間操作され
た。反応器における滞留時間は約6.0分であった。
オリゴマー供給量に対する蒸留物収集量の割合は85.9
%[(234.5/273)×100]であった。オリゴマー供給量
に対する蒸留物とヒールの合計の収集量の割合は98.9%
[(270/273)×100]であり、熱分解生成物(蒸留物)
がほぼ完全に回収されたことを示していた。
この蒸留物は約69.5%のL−ラクチド、6.5%のメト
−ラクチド、0.04%のD−ラクチドを含んでいることが
高圧液体クロマトグラフィにより判明した。この蒸留物
の残りはほぼ乳酸と気化した水溶性乳酸オリゴマーであ
り、その量は蒸留物1kg当たり約1130ミリ当量の酸度に
相当した。上記ラクチド含量は100%ベースで、約91.2
%のL−ラクチド、8.3%のメソ−ラクチド、0.5%のD
−ラクチドに相当する。
上記データでは多少のラセミ化が解重合工程で発生し
たが、メソ−異性体の割合は許容し得るものであった。
実施例2 以下の条件が、変化された以外は実施例1の操作が繰
り返され、以下のような結果が得られた。
(a)乳酸は平均鎖長が18になるようにオリゴマー化
し、そのオリゴマーは約0.59重量%のオクタン酸第一錫
触媒を含んでいた。(b)オリゴマー供給量は約225g/
時間であった。(c)蒸留物回収量の割合は約244g/時
間であり、(d)ヒール回収量はゼロに近かった。すな
わち、オリゴマー供給量に対する蒸留物収集量の割合は
約95.7%であった。
この蒸留物は約77.6%のL−ラクチド、6.1%のメソ
−ラクチド、0.2%のD−ラクチドを含んでいた。この
蒸留物の残りはほぼ乳酸と気化した水溶性乳酸オリゴマ
ーであり、その量は蒸留物1kg当たり約650ミリ当量の酸
度に相当した。上記ラクチド含量は100%ベースで、約9
2.5%のL−ラクチド、7.3%のメソ−ラクチド、0.24%
のD−ラクチドに相当する。
実施例3 以下の条件が、変化された以外は実施例1の操作が繰
り返され、以下のような結果が得られた。
(a)オリゴマーは約2.9重量%のオクタン酸第一錫触
媒を含んでいた。(b)270℃のオイルをエバポレータ
ジャケットを介して循環させ、170℃のオイルを供給漏
斗ジャケットを介して循環させた。(c)エバポレータ
に対するオリゴマー供給量は941g/時間であった。
蒸留物は約731g/時間の割合で回収され、非置換物質
(ヒール)は197g/時間の割合で回収された。操作時間
は0.6時間であった。反応器における滞留時間は約4分
であった。
オリゴマー供給量に対する蒸留物収集量の割合は77.7
%[(731/941)×100]であった。オリゴマー供給量に
対する蒸留物とヒールの合計の収集量の割合は98.6%
[(928/941)×100]であった。
この蒸留物は約64.4%のL−ラクチド、5.92%のメソ
−ラクチド、0.62%のD−ラクチドを含んでいることが
高圧液体クロマトグラフィにより判明し、酸度は蒸留物
1kg当たり約1334ミリ当量を示した。上記ラクチド含量
は100%ベースで、約90.8%のL−ラクチド、8.3%のメ
ソ−ラクチド、0.8%のD−ラクチドに相当する。
実施例4 この実施例はポープ・サイエンティフィック・コーポ
レーション(Pope Scientific Co.)(Menomonee Falls
WI、米国)の4インチ・ワイプト・フィルム・スチル
を用いて行われた。このスチル(蒸留器)は変速駆動フ
ィルムワイパー機構が設けられたジャケット付き垂直蒸
発部を備えたもので、外部凝縮器に接続されたものであ
る。
88%L−乳酸2000gおよびオクタン酸第一錫20gを含む
混合物を180℃まで徐々に加熱し、この温度で1時間保
持することにより、乳酸のオリゴマーを作った。圧力を
減少させ、180℃での加熱を、得られるオリゴマーの平
均鎖長が11.8になるまで、この操作を継続させた。エバ
ポレータを排気し、245℃のオイルをエバポレータジャ
ケットを介して循環させた。オリゴマー1344gを約1209g
/時間の流量で約50分に亘りエバポレータに供給した。
この間において、エバポレータの圧力は2.5〜10mmHgの
範囲であった。197gの蒸留物を外部凝縮器により凝縮さ
せた。1156gのヒールがスチルに残存した。
この蒸留物は約52.1%のL−ラクチド、3.64%のメソ
−ラクチド、0.93%のD−ラクチドを含み、蒸留物1kg
当たり約2700ミリ当量の酸度を示した。上記ラクチド含
量は100%ベースで、約91.9%のL−ラクチド、6.4%の
メソ−ラクチド、1.64%のD−ラクチドに相当する。
以上、幾つかの実施例について記載したが、その他多
くの組合わせが在り得ることが当業者に自明であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リン、カング アメリカ合衆国、デラウエア州 19711、 ニューアーク、ジュピター・ロード 108 (72)発明者 ナシュ、ロバート・ステファン アメリカ合衆国、ニュージャージー州 08318、エルマー、ボックス 734、アー ル・デー 6 (72)発明者 スタンバウ、トーマス・ウォルター アメリカ合衆国、ニュージャージー州 08260、ノース・ワイルドウッド、ケネ ディー・ドライブ 1000 (56)参考文献 特開 昭63−123401(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 319/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式で表わされるα−ヒドロキシカル
    ボン酸のオリゴマーを二量体環状エステルへ解重合する
    連続的方法であって、 [式中、nは2ないし50の整数、Xは独立してH、R3
    たはカチオン基HA:R1、R2およびR3は独立してHまたはC
    1〜C6の炭化水素基:および“A"は窒素塩基である。] A. オリゴマーの解重合温度よりは低いけれども、オリ
    ゴマー液を与えるに十分な温度にオリゴマーを加熱する
    工程、 B. オリゴマーの環状エステルへの熱分解を促進する触
    媒を、加熱された液体オリゴマーと混合する工程、 C. 減圧された蒸発域に加熱された液体オリゴマーを導
    入し、厚さ0.05〜1.0mmの加熱された液体オリゴマーと
    触媒の混合物の薄膜を形成し、その混合物を加熱表面に
    沿って流して、(1)二量体環状エステルの蒸発温度よ
    り上に該薄膜を加熱すること、(2)該薄膜の解重合に
    より二量体環状エステルおよび液体オリゴマーの残り
    (heel)を形成すること、および(3)該薄膜から二量
    体環状エステルの蒸発、をもたらす工程、 D. 蒸発域の上部区域から蒸発した二量体環状エステル
    を除き、および蒸発性の排流(effluent)の凝縮により
    二量体環状エステルを回収する工程、 E. 蒸発区域の下部区域から液体オリゴマーの残りを除
    去する工程、 を備えることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】反応域への上記オリゴマーの供給量、蒸発
    器表面へのオリゴマー薄膜の配置量、薄膜の厚み、温度
    および圧力を調整、制御し、これにより解重合をほぼ完
    全に進行させ、二量体環状エステルを含む気化物質を形
    成させるようにすることを特徴とする請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】該解重合を薄膜エバポレータで行うことを
    特徴とする請求の範囲第1項記載の方法。
  4. 【請求項4】薄膜エバポレータが、ワイプトフィルムエ
    バポレータであることを特徴とする請求の範囲第3項記
    載の方法。
  5. 【請求項5】該オリゴマーが乳酸のオリゴマー、そのオ
    リゴマー化可能なエステルまたは窒素塩基塩からなるも
    のであり、二量体環状エステルがラクチドである請求の
    範囲第1項記載の方法。
  6. 【請求項6】該オリゴマーが乳酸のオリゴマーである請
    求の範囲第5項記載の方法。
  7. 【請求項7】乳酸をポリ乳酸に変換する第1の手段と、 ポリ乳酸を解重合するため該第1の手段と接続し、ラク
    チドを含む製品を形成する手段であって、ワイプト−フ
    ィルム型蒸発器からなるものと、 ラクチドを製品から抽出するため該第2の手段と接続す
    る第3の手段と、 この抽出されたラクチドを折出するため該第3の手段と
    接続する第4の手段と、 を具備してなることを特徴とする二量体環状エステル製
    造装置。
  8. 【請求項8】該第2の手段が加水分解装置に接続されて
    いて残留ポリ乳酸を乳酸に変換させることを特徴とする
    請求の範囲第7項記載の装置。
  9. 【請求項9】該加水分解装置が該第1の手段と接続さ
    れ、これにより該加水分解装置からの乳酸を該第1の手
    段へ再循環させるようにしたことを特徴とする請求の範
    囲第8項記載の装置。
  10. 【請求項10】該第3の手段が濃縮器に接続され、これ
    により該第3の手段からの残留乳酸を該第1の手段へ再
    循環される形で回収するようにしたことを特徴とする請
    求の範囲第7項記載の装置。
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