JP2002278333A - 熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents

熱定着装置および画像形成装置

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JP2002278333A
JP2002278333A JP2001082002A JP2001082002A JP2002278333A JP 2002278333 A JP2002278333 A JP 2002278333A JP 2001082002 A JP2001082002 A JP 2001082002A JP 2001082002 A JP2001082002 A JP 2001082002A JP 2002278333 A JP2002278333 A JP 2002278333A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易かつ低コストな構成により、クイックス
タートを実現することができるとともに、安定した定着
を達成することのできる、熱定着装置、および、その熱
定着装置を備える画像形成装置を提供すること。 【解決手段】 加熱ローラ41を押圧する押圧部材42
として、加熱ローラ41に接触するエンドレスベルト5
2と、加熱ローラ41にエンドレスベルト52を介して
対向配置され、加熱ローラ41からの熱を蓄熱するため
の蓄熱部材53とを備える。これによって、加熱ローラ
41が加熱されると、エンドレスベルト52を介して蓄
熱部材53が蓄熱されるので、用紙3には、加熱ローラ
41からの熱が加わるとともに、蓄熱部材53から放熱
される熱がエンドレスベルト52を介して加わるので、
電源投入直後からでも、安定した定着を達成することが
でき、簡易かつ低コストな構成により、クイックスター
トを実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱定着装置、およ
び、その熱定着装置を備えるレーザプリンタなどの画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レーザプリンタなどの画像形
成装置には、トナーにより形成される可視像を担持する
感光ドラムと、感光ドラムに担持される可視像を用紙に
転写するための転写ローラと、転写ローラによって用紙
に転写された可視像を定着させるための定着装置が設け
られている。
【0003】定着装置は、通常、互いに対向配置される
加熱ローラおよび押圧ローラを備えており、用紙が加熱
ローラおよび押圧ローラの間を通過する間に、用紙上に
可視像として形成されているトナーを加熱することによ
り熱定着するようにしている。
【0004】このような定着装置は、電源を投入してか
ら、加熱ローラがトナーの溶融に必要な温度に到達する
までの時間がかかるため、特開平11−15306号公
報では、たとえば、用紙の片面を定着させる定着装置
を、ハロゲンランプを備える加熱ローラと、エンドレス
ベルトと、加熱ローラとエンドレスベルトとのニップ部
分が切り欠かれた略C字状をなしエンドレスベルトの内
側に設けられるガイド部材とによって構成し、加圧ロー
ラの回転により、エンドレスベルトをガイド部材に沿っ
て従動させるとともに、エンドレスベルトを熱容量が小
さくなるように形成して、加熱ローラの熱が取られない
ようにすることで、クイックスタートを可能とする定着
装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した定着
装置では、ガイド部材が、加熱ローラとエンドレスベル
トとのニップ部分が切り欠かれた略C字状をなしている
ので、ニップ部分にはガイド部材がなく、そのため、加
熱ローラ側からしか熱が加わらず、安定した定着が行な
えないという不具合がある。
【0006】一方、ガイド部材の内側にも、ハロゲンラ
ンプを設ければ、良好な定着を達成することができる
が、ハロゲンランプがもう1つ必要となり、コストの大
幅な上昇が不回避となる。
【0007】そこで、本発明は、このような不具合に鑑
みなされたもので、その目的とするところは、簡易かつ
低コストな構成により、クイックスタートを実現するこ
とができるとともに、安定した定着を達成することので
きる、熱定着装置、および、その熱定着装置を備える画
像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、加熱手段と、前記加熱手
段に対向する押圧手段とを備える熱定着装置において、
前記押圧手段は、前記加熱手段に接触するエンドレスベ
ルトと、前記加熱手段に前記エンドレスベルトを介して
対向配置され、前記加熱手段からの熱を蓄熱するための
蓄熱部材とを備えていることを特徴としている。
【0009】このような構成によると、加熱手段が加熱
されると、エンドレスベルトを介して蓄熱部材が蓄熱さ
れるので、加熱手段とエンドレスベルトとの間で定着さ
れる記録媒体には、加熱手段からの熱が加わるととも
に、蓄熱部材から放熱される熱がエンドレスベルトを介
して加わるので、電源投入直後からでも、安定した定着
を達成することができる。そのため、簡易かつ低コスト
な構成により、クイックスタートを実現することができ
るとともに、安定した定着を達成することができる。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記蓄熱部材は、前記エンドレ
スベルトと前記加熱手段との接触部分における前記エン
ドレスベルトの移動方向の上流側端部よりも、下流側に
おいて、前記エンドレスベルトと接触するように配置さ
れていることを特徴としている。
【0011】このような構成によると、記録媒体は、定
着時において、エンドレスベルトと加熱手段との接触部
分に、まず、エンドレスベルトの移動方向の上流側端部
から進入し、次いで、その下流側においてエンドレスベ
ルトを介して蓄熱部材と接触する。つまり、記録媒体
は、まず、接触部分における上流側端部で加熱手段のみ
からの熱が加えられて予熱され、ある程度水分が低減さ
れた状態で、次いで、その下流側において、エンドレス
ベルトを介して蓄熱部材と接触して、加熱ローラと蓄熱
部材との両方からの熱が加えられることにより、良好に
定着される。そのため、たとえば、記録媒体が、エンド
レスベルトと加熱手段との接触部分に進入した後、いき
なり加熱ローラと蓄熱部材との両方からの熱が加えられ
ると、水分が急激に蒸発することによって、現像剤が飛
散することがあるが、このように、まず、おだやかに加
熱して水分を低減した後に、定着させるようにすれば、
そのような、急激な水分の蒸発による現像剤の飛散など
を有効に防止することができる。
【0012】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
または2に記載の発明において、前記押圧手段は、前記
エンドレスベルトの移動を案内するガイド部材を備え、
前記蓄熱部材は、前記エンドレスベルトおよび前記ガイ
ド部材よりも、熱容量が大きい材料によって形成されて
いることを特徴としている。
【0013】このような構成によると、エンドレスベル
トをガイド部材に沿って良好に案内させながら移動させ
ることができる。また、蓄熱部材が、エンドレスベルト
およびガイド部材よりも、熱容量が大きい材料によって
形成されているので、加熱手段からの熱を蓄熱部材に集
中して蓄熱させることができ、ウォーミングアップの時
間を、蓄熱部材を温めるのみの時間とすることができ
る。そのため、より一層速いクイックスタートを実現す
ることができるとともに、さらに安定した定着を達成す
ることができる。
【0014】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
ないし3のいずれかに記載の発明において、前記エンド
レスベルトの移動方向に直交する方向における前記蓄熱
部材の単位長さ(m)あたりの熱容量が、10〜300
0J/Kであることを特徴としている。
【0015】エンドレスベルトの移動方向に直交する方
向における蓄熱部材の単位長さ(m)あたりの熱容量が
10J/Kよりも小さいと、蓄熱部材から放熱される熱
が充分でなく、安定した定着が達成できない場合があ
り、また、3000J/Kよりも大きいと、蓄熱に時間
がかかりクイックスタートを実現することができない場
合がある。しかるに、エンドレスベルトの移動方向に直
交する方向における蓄熱部材の単位長さ(m)あたりの
熱容量が、10〜3000J/Kであると、定着に必要
な熱量を充分に蓄積して、かつ、良好なクイックスター
トを実現することができる。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
ないし4のいずれかに記載の発明において、前記蓄熱部
材の熱伝導率が、0.1W/mK以上であることを特徴
としている。
【0017】蓄熱部材の熱伝導率が0.1W/mK以上
であれば、記録媒体に、蓄熱部材からの熱をエンドレス
ベルトを介して良好に伝導することができるので、より
一層速いクイックスタートを実現することができる。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
ないし5のいずれかに記載の発明において、前記エンド
レスベルトの移動方向における前記蓄熱部材の長さが1
〜30mmであることを特徴としている。
【0019】エンドレスベルトの移動方向における前記
蓄熱部材の長さが、1mmよりも短いと、加熱手段と記
録媒体の接する時間が十分に得られず、安定した定着を
達成できない場合がある。また、30mmよりも長い
と、加熱手段と記録媒体の接する距離および時間が長く
なり、加熱手段の熱によって加熱手段の形状が記録媒体
に定着させられ、記録媒体に反りなどのゆがみが生じる
場合がある。しかるに、エンドレスベルトの移動方向に
おける蓄熱部材の長さが1〜30mmであると、安定し
た定着を達成できながら、記録媒体の良好な搬送を実現
することができる。
【0020】また、請求項7に記載の発明は、請求項1
ないし6のいずれかに記載の発明において、前記蓄熱部
材が、非発泡の弾性体から形成されていることを特徴と
している。
【0021】蓄熱部材が発泡弾性体から形成されている
と、熱伝導が不良で、加熱手段からの熱を良好に蓄積す
ることができないが、このように、蓄熱部材を非発泡の
弾性体から形成すれば、良好な熱伝導を達成して、クイ
ックスタートを実現することができる。
【0022】また、請求項8に記載の発明は、請求項1
ないし7のいずれかに記載の発明において、前記加熱手
段が加熱ローラであり、前記エンドレスベルトは、前記
加熱ローラの回転に従動するように構成されており、前
記蓄熱部材は、前記エンドレスベルトの移動方向におけ
る上流側から下流側に沿って、前記エンドレスベルトに
摺擦可能に面接触するように構成されていることを特徴
としている。
【0023】このような構成によると、記録媒体は、加
熱ローラの回転およびそれに従動するエンドレスベルト
の移動によって、その上流側から下流側に沿って移動さ
れながら定着される。そして、この定着においては、蓄
熱部材がエンドレスベルトに摺擦しながら面接触される
ので、大きな加熱面積によって、より一層、効率的な定
着を達成することができる。
【0024】また、請求項9に記載の発明は、請求項8
に記載の発明において、前記蓄熱部材におけるエンドレ
スベルトとの摺擦面が、ポリテトラフルオロエチレンで
形成されていることを特徴としている。
【0025】摺擦面がポリテトラフルオロエチレンで形
成されていると、エンドレスベルトの摺動抵抗を低減す
ることができる。そのため、エンドレスベルトの円滑な
移動により、安定した定着を達成することができる。
【0026】また、請求項10に記載の発明は、請求項
1ないし9のいずれかに記載の発明において、前記加熱
手段が加熱ローラであり、前記蓄熱部材の表面が、前記
加熱ローラの表面に沿った湾曲形状で形成されているこ
とを特徴としている。
【0027】このような構成によると、蓄熱部材の表面
が加熱ローラの表面に沿った湾曲形状で形成されている
ので、加熱ローラとエンドレスベルトとの間において、
記録媒体をそれらにより密着させることができ、良好な
定着を達成することができる。
【0028】また、請求項11に記載の発明は、請求項
1ないし10のいずれかに記載の発明において、前記蓄
熱部材が、前記エンドレスベルトを前記押圧手段に向け
て押圧するように構成されていることを特徴としてい
る。
【0029】このような構成によると、蓄熱部材によっ
て、エンドレスベルトが押圧されることにより、記録媒
体を加熱手段とエンドレスベルトとの間に、より密着さ
せることができ、良好な定着を達成することができる。
【0030】また、請求項12に記載の発明は、請求項
1ないし11のいずれかに記載の発明において、前記蓄
熱部材における前記エンドレスベルトとの対向面と、前
記エンドレスベルトにおける前記蓄熱部材との対向面と
の少なくともいずれか一方が、弾性層によって構成され
ていることを特徴としている。
【0031】このような構成によると、弾性層によっ
て、蓄熱部材とエンドレスベルトとが弾性的に接触され
るので、両者の損傷が有効に防止される。そのため、耐
久性の向上を図ることができる。
【0032】また、請求項13に記載の発明は、画像形
成装置であって、請求項1ないし12のいずれかに記載
の熱定着装置を備えていることを特徴としている。
【0033】この画像形成装置では、簡易かつ低コスト
な構成によりクイックスタートを実現できる定着装置を
備えているので、電源投入時から直ちに良好な画像を安
定して形成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の画像形成装置と
してのレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図
である。図1において、レーザプリンタ1は、モノクロ
レーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、用紙
3を給紙するためのフィーダ部4や、給紙された用紙3
に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備え
ている。
【0035】フィーダ部4は、本体ケーシング2内の底
部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレ
イ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一
端側端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パ
ット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流
側に設けられる紙粉取りローラ10および11と、紙粉
取りローラ10および11に対し用紙3の搬送方向の下
流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0036】用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタッ
ク可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部にお
いて揺動可能に支持されることによって、近い方の端部
が上下方向に移動可能とされており、また、その裏側か
ら図示しないばねによって上方向に付勢されている。そ
のため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従
って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点とし
て、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ロ
ーラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設さ
れ、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によっ
て、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されて
いる。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押
圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8
に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって
給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に
給紙される。給紙された用紙3は、紙粉取りローラ10
および11によって、紙粉が取り除かれた後、レジスト
ローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対の
ローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後
に、画像形成部5に送るようにしている。
【0037】なお、このフィーダ部4は、さらに、マル
チパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上
に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側
給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット25
とを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およ
びマルチパーパス側給紙パット25は、互いに対向状に
配設され、マルチパーパス側給紙パット25の裏側に配
設されるばね25aによって、マルチパーパス側給紙パ
ット25がマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって
押圧されている。マルチパーパストレイ14上に積層さ
れる用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転
によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパー
パス側給紙パット25とで挟まれた後、1枚毎に給紙さ
れる。
【0038】画像形成部5は、スキャナユニット16、
プロセス部17、後述する熱定着装置としての定着部1
8などを備えている。
【0039】スキャナユニット16は、本体ケーシング
2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、
回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および
21、反射鏡22、23および24などを備えており、
レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づく
レーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー1
9、レンズ20、反射鏡22および23、レンズ21、
反射鏡24の順に通過あるいは反射させて、プロセス部
17の感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射させ
ている。
【0040】プロセス部17は、スキャナユニット16
の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在
に装着されるドラムカートリッジ26内に、感光ドラム
27、現像カートリッジ28、スコロトロン型帯電器2
9、転写ローラ30を備えている。
【0041】現像カートリッジ28は、ドラムカートリ
ッジ26に対して着脱自在に装着されており、現像ロー
ラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33および
トナー収容部34を備えている。
【0042】トナー収容部34内には、現像剤として、
正帯電性の非磁性1成分のトナーが充填されている。こ
のトナーとしては、重合性単量体、たとえば、スチレン
などのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C
1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタ
アクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合など
の公知の重合方法によって共重合させることにより得ら
れる重合トナーが使用されている。このような重合トナ
ーは、球状をなし、流動性が極めて良好であり、高画質
の画像を形成することができる。また、このトナーに
は、カーボンブラックなどの着色剤やワックスなどが配
合されるとともに、流動性を向上させるために、シリカ
などの外添剤が添加されており、その粒子径は、約6〜
10μm程度である。
【0043】そして、トナー収容部34内のトナーは、
トナー収容部34の中心に設けられる回転軸35に支持
されるアジテータ36の矢印方向(時計方向)への回転
により、攪拌されて、トナー収容部34の側部に開口さ
れたトナー供給口37から放出される。なお、トナー収
容部34の側壁には、トナーの残量検知用の窓38が設
けられており、回転軸35に支持されたクリーナ39に
よって清掃される。
【0044】トナー供給口37の側方位置には、供給ロ
ーラ33が矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設さ
れており、また、この供給ローラ33に対向して、現像
ローラ31が矢印方向(反時計方向)に回転可能に配設
されている。そして、これら供給ローラ33と現像ロー
ラ31とは、そのそれぞれがある程度圧縮するような状
態で互いに当接されている。
【0045】供給ローラ33は、金属製のローラ軸に、
導電性のスポンジ部材からなるローラが被覆されてい
る。
【0046】現像ローラ31は、金属製のローラ軸に、
導電性のゴム材料である弾性部材からなるローラが被覆
されている。より具体的には、現像ローラ31のローラ
は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、
シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなる弾性体
のローラ部分と、そのローラ部分の表面に被覆される、
ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが主
成分とされる、ローラ部分よりも硬度の高い表面コート
層との2層構造によって形成されている。
【0047】また、現像ローラ31の近傍には、層厚規
制ブレード32が配設されている。この層厚規制ブレー
ド32は、金属の板ばね材からなるブレード本体の先端
部に、絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の
押圧部40を備えており、現像ローラ31の近くにおい
て現像カートリッジ28に支持されて、押圧部40がブ
レード本体の弾性力によって現像ローラ31上に圧接さ
れるように構成されている。
【0048】そして、トナー供給口37から放出される
トナーは、供給ローラ33の回転により、現像ローラ3
1に供給され、この時、供給ローラ33と現像ローラ3
1との間で正に摩擦帯電され、さらに、現像ローラ31
上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴っ
て、層厚規制ブレード32の押圧部40と現像ローラ3
1との間に進入し、ここでさらに十分に摩擦帯電され
て、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持され
る。
【0049】感光ドラム27は、現像ローラ31の側方
位置において、その現像ローラ31と接触するような状
態で矢印方向(時計方向)に回転可能に配設されてい
る。この感光ドラム27は、ドラム本体が接地されると
ともに、その表面が、ポリカーボネートを主成分とする
有機感光体の感光層によって形成されている。
【0050】スコロトロン型帯電器29は、感光ドラム
27の上方に、感光ドラム27に接触しないように、所
定の間隔を隔てて配設されている。このスコロトロン型
帯電器29は、タングステンなどの帯電用ワイヤからコ
ロナ放電を発生させる正帯電用のスコロトロン型の帯電
器であり、感光ドラム27の表面を一様に正極性に帯電
させるように構成されている。
【0051】そして、感光ドラム27の表面は、その感
光ドラム27の回転に伴なって、まず、スコロトロン型
帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナユニ
ット16からのレーザービームの高速走査により露光さ
れ、所定の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0052】次いで、現像ローラ31の回転により、現
像ローラ31上に担持されかつ正帯電されているトナー
が、感光ドラム27に対向して接触する時に、感光ドラ
ム27の表面上に形成される静電潜像、すなわち、一様
に正帯電されている感光ドラム27の表面のうち、レー
ザービームによって露光され電位が下がっている露光部
分に供給され、選択的に担持されることによって可視像
化され、これによって反転現像が達成される。
【0053】転写ローラ30は、感光ドラム27の下方
において、この感光ドラム27に対向するように配置さ
れ、ドラムカートリッジ26に矢印方向(反時計方向)
に回転可能に支持されている。この転写ローラ30は、
金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラ
が被覆されており、感光ドラム27の駆動に従動して回
転し、転写時には、感光ドラム27に対して所定の転写
バイアスが印加されるように構成されている。そのた
め、感光ドラム27の表面上に担持された可視像は、用
紙3が感光ドラム27と転写ローラ30との間を通る間
に用紙3に転写される。
【0054】定着部18は、プロセス部17の側方下流
側に配設され、加熱手段としての加熱ローラ41、加熱
ローラ41を押圧する押圧手段としての押圧部材42、
および、これら加熱ローラ41および押圧部材42の下
流側に設けられる1対の搬送ローラ43を備えている。
【0055】そして、定着部18によって、プロセス部
17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が
加熱ローラ41と押圧部材42との間を通過する間に熱
定着させ、その後、その用紙3を搬送ローラ43によっ
て、排紙パス44に搬送するようにしている。排紙パス
44に送られた用紙3は、排紙ローラ45に送られて、
その排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙さ
れる。
【0056】また、このレーザプリンタ1には、用紙3
の両面に画像を形成するために、反転搬送部47が設け
られている。この反転搬送部47は、排紙ローラ45
と、反転搬送パス48と、フラッパ49と、複数の反転
搬送ローラ50とを備えている。
【0057】排紙ローラ45は、1対のローラからな
り、正回転および逆回転の切り換えができるように構成
されている。この排紙ローラ45は、上記したように、
排紙トレイ46上に用紙3を排紙する場合には、正方向
に回転するが、用紙3を反転させる場合には、逆方向に
回転する。
【0058】反転搬送パス48は、排紙ローラ45から
画像形成部5の下方に配設される複数の反転搬送ローラ
50まで用紙3を搬送することができるように、上下方
向に沿って設けられており、その上流側端部が、排紙ロ
ーラ45の近くに配置されるとともに、その下流側端部
が、反転搬送ローラ50の近くに配置されている。
【0059】フラッパ49は、排紙パス44と反転搬送
パス48との分岐部分に臨むように、揺動可能に設けら
れており、図示しない切替用ソレノイドの励磁または非
励磁により、排紙ローラ45によって反転された用紙3
の搬送方向を、排紙パス44に向かう方向から、反転搬
送パス48に向かう方向に切り換えることができるよう
に構成されている。
【0060】反転搬送ローラ50は、給紙トレイ6の上
方において、略水平方向に複数設けられており、最も上
流側の反転搬送ローラ50が、反転搬送パス48の後端
部の近くに配置されるとともに、最も下流側の反転搬送
ローラ50が、レジストローラ12の下方に配置される
ように設けられている。
【0061】そして、用紙3の両面に画像を形成する場
合には、この反転搬送部47が、次のように動作され
る。すなわち、一方の面に画像が形成された用紙3が搬
送ローラ43によって排紙パス44から排紙ローラ45
に送られてくると、排紙ローラ45は、用紙3を挟んだ
状態で正回転して、この用紙3を一旦外側(排紙トレイ
46側)に向けて搬送し、用紙3の大部分が外側に送ら
れ、用紙3の後端が排紙ローラ45に挟まれた時に、正
回転を停止する。次いで、排紙ローラ45は、逆回転す
るとともに、フラッパ49が、用紙3が反転搬送パス4
8に搬送されるように、搬送方向を切り換えて、用紙3
を前後逆向きの状態で反転搬送パス48に搬送するよう
にする。なお、フラッパ49は、用紙3の搬送が終了す
ると、元の状態、すなわち、搬送ローラ43から送られ
る用紙3を排紙ローラ45に送る状態に切り換えられ
る。次いで、反転搬送パス48に逆向きに搬送された用
紙3は、反転搬送ローラ50に搬送され、この反転搬送
ローラ50から、上方向に反転されて、レジストローラ
12に送られる。レジストローラ12に搬送された用紙
3は、裏返しの状態で、再び、所定のレジスト後に、画
像形成部5に向けて送られ、これによって、用紙3の両
面に所定の画像が形成される。
【0062】また、このレーザプリンタ1では、転写ロ
ーラ30によって用紙3に転写された後に感光ドラム2
7の表面上に残存する残存トナーを、現像ローラ31に
よって回収する、いわゆるクリーナレス方式によって残
存トナーを回収するようにしている。このようなクリー
ナレス方式によって感光ドラム27の表面上の残存トナ
ーを回収すれば、ブレードなどのクリーナ装置や廃トナ
ーの貯留手段を設ける必要がないため、装置構成の簡略
化、小型化およびコストの低減化を図ることができる。
【0063】次に、このレーザプリンタ1の定着部18
について、図2を参照して詳述する。図2において、加
熱ローラ41は、アルミニウムなどの金属からなる中空
円筒形状のローラであって、その内部に、軸方向に沿っ
て加熱のためのハロゲンランプ51を備えている。ま
た、この加熱ローラ41は、図示しない駆動源によっ
て、矢印方向(時計方向)に所定の周速で回転駆動され
る。
【0064】押圧部材42は、加熱ローラ41の下方に
おいて対向配置されており、加熱ローラ41に接触する
エンドレスベルト52と、エンドレスベルト52を介し
て加熱ローラ41に対向配置され、かつ、加熱ローラ4
1からの熱を蓄熱するための蓄熱部材53と、エンドレ
スベルト52の移動を案内するガイド部材54とを備え
ている。
【0065】エンドレスベルト52は、加熱ローラ41
の回転に従動する無端状ベルトであって、たとえば、ニ
ッケルまたはポリイミドなどから形成されている。また
このエンドレスベルト52は、その熱容量が、次に述べ
る蓄熱部材53よりも小さく、より具体的には、厚さ5
0μmのものを使用した時の1平方メートルあたりの熱
容量が、2.0×10 J/K以下の材料から形成さ
れている。
【0066】蓄熱部材53は、エンドレスベルト52の
下方において、加熱ローラ41の軸方向に沿って、その
エンドレスベルト52を加熱ローラ41に向けて押圧す
るように配置されている。
【0067】この蓄熱部材53は、エンドレスベルト5
2および後述するガイド部材54よりも熱容量が大きい
非発泡の弾性体から形成されている。より具体的には、
この蓄熱部材53は、加熱ローラ41の軸方向(エンド
レスベルト52の移動方向に直交する方向)における単
位長さ(m)あたりの熱容量が10〜3000J/Kで
あって、熱伝導率が0.1W/mK以上である、たとえ
ば、アルミニウムやシリコーンゴムなどから形成されて
いる。
【0068】また、この蓄熱部材53は、そのエンドレ
スベルト52と対向摺擦される摺擦面55で、加熱ロー
ラ41の表面に沿った中央部がくぼむ湾曲円弧形状で形
成されており、エンドレスベルト52の移動方向におけ
る上流側から下流側に沿ってエンドレスベルト52と摺
擦可能に面接触するように形成されている。
【0069】また、この摺擦面55は、その表面がポリ
テトラフルオロエチレンによりコーティングされる、シ
リコーンゴムからなる弾性層56によって形成されてい
る。そして、この蓄熱部材53は、より具体的には、エ
ンドレスベルト52の移動方向における長さが、1〜3
0mmとして形成されている。
【0070】また、ガイド部材54は、蓄熱部材53を
挟んで対向配置される2つの支持部材57aおよび57
bから構成されており、各支持部材57aおよび57b
は、略断面三日月状をなし加熱ローラ41の軸方向に沿
って配置されている。
【0071】各支持部材57aおよび57bは、その外
周面でエンドレスベルト52を摺動可能に受けることに
よって、エンドレスベルト52が、これら支持部材57
aおよび57bの間で巻回されるように構成されてい
る。
【0072】なお、これら支持部材57aおよび57b
は、エンドレスベルト52が緊張される所定の間隔を隔
てて配置されており、一方の支持部材57aが蓄熱部材
53と所定の間隔を隔てたエンドレスベルト52の移動
方向の上流側に、他方の支持部材57bが蓄熱部材53
と所定の間隔を隔てたエンドレスベルト52の移動方向
の下流側に配置されている。
【0073】このように2つの支持部材57aおよび5
7bが、蓄熱部材53と所定の間隔を隔てて接触しない
ように配置されることで、蓄熱部材53の効率的な蓄熱
性を確保している。
【0074】また、各支持部材57aおよび57bの上
側先端部58aおよび58bは、蓄熱部材53よりも上
方において加熱ローラ41と対向するように配置されて
おり、これによって、エンドレスベルト52は、各支持
部材57aおよび57bに巻回される上側部分におい
て、加熱ローラ41の外周面に沿う湾曲状態で、加熱ロ
ーラ41と接触するようにガイド部材54に巻回され
る。そのため、エンドレスベルト52は、加熱ローラ4
1の回転駆動に従動して、ガイド部材54、すなわち、
2つの支持部材57aおよび57bの外周面に沿って案
内されながら移動される。したがって、この押圧部材4
2では、エンドレスベルト52をガイド部材54に沿っ
て良好に案内させながら移動させることができ、安定し
た定着を達成することができる。
【0075】より具体的には、エンドレスベルト52
は、一方の支持部材57aの上側先端部58aと他方の
支持部材57bの上側先端部58bとの間で加熱ローラ
41と常時接触し、この部分が、加熱ローラ41とエン
ドレスベルト52とのニップ部分とされている。そし
て、蓄熱部材53は一方の支持部材57aと所定の間隔
を隔てた下流側に配置されているため、このニップ部分
におけるエンドレスベルト52の移動方向上流側端部、
つまり、一方の支持部材57aの上側先端部58aと加
熱ローラ41とが対向する部分よりも、下流側におい
て、エンドレスベルト52と接触し、かつ、その接触部
分を加熱ローラ41に向けて押圧するように配置されて
いる。
【0076】また、蓄熱部材53は、他方の支持部材5
7bと所定の間隔を隔てた上流側に配置されているた
め、このニップ部分におけるエンドレスベルト52の移
動方向下流側端部、つまり、他方の支持部材57bの上
側先端部58bと加熱ローラ41とが対向する部分より
も上流側において、エンドレスベルト52と接触するよ
うに配置されている。
【0077】そのため、この定着部18では、可視像が
転写された用紙3が搬送されてくると、まず、加熱ロー
ラ41と一方の支持部材57aの上側先端部58aとの
対向部分において、加熱ローラ41とエンドレスベルト
52の間に挟まれる。その後、加熱ローラ41と蓄熱部
材53との対向部分に搬送され、その対向部分におい
て、加熱ローラ41からの熱が加わるとともに、蓄熱部
材53から放熱される熱がエンドレスベルト52を介し
て加えられることにより熱定着され、次いで、加熱ロー
ラ41と他方の支持部材57bの上側先端部58bとの
対向部分から送り出される。
【0078】そして、このような定着部18において
は、蓄熱部材53が、エンドレスベルト52およびガイ
ド部材54よりも熱容量が大きな非発泡の弾性体材料に
より形成されているので、加熱ローラ41からの熱を蓄
熱部材53に集中して効率よく蓄熱させることができ、
ウォーミングアップ時間を蓄熱部材53を温めるのみの
時間とすることができるとともに、良好な熱伝導を達成
できるため、クイックスタートを実現することができ
る。
【0079】より具体的には、この蓄熱部材53は、加
熱ローラ41の軸方向における単位長さ(m)あたりの
熱容量が10〜3000J/Kであり、熱伝導率が0.
1W/mK以上の材料から形成されているので、定着に
必要な熱量を充分に蓄積できるとともに、用紙3に、蓄
熱部材53からの熱をエンドレスベルト52を介して良
好に伝導することができるので、より一層速いクイック
スタートを実現することができる。
【0080】なお、加熱ローラ41の軸方向における蓄
熱部材53の単位長さ(m)あたりの熱容量が10J/
Kよりも小さいと、蓄熱部材53から放熱される熱が充
分でなく、安定した定着が達成できない場合があり、ま
た、3000J/Kよりも大きいと、蓄熱に時間がかか
りクイックスタートを実現することができない場合があ
る。
【0081】また、この定着部18においては、蓄熱部
材53の摺擦面55が、加熱ローラ41の表面に沿った
湾曲円弧形状に形成されるとともに、その摺擦面55に
摺擦するエンドレスベルト52を加熱ローラ41に向け
て押圧してしているので、加熱ローラ41とエンドレス
ベルト52との間において、用紙3を、それらにより密
着させることができ、良好な定着を達成することができ
る。
【0082】より具体的には、この蓄熱部材53は、エ
ンドレスベルト52の移動方向における長さが1〜30
mmにおいて、その移動方向における上流側から下流側
に沿って、摺擦面55がエンドレスベルト52に面接触
するように構成されているので、定着時においては、用
紙3の良好な搬送を実現しながら、大きな加熱面積によ
って、より一層、効率的な定着を達成することができ
る。
【0083】なお、エンドレスベルト52の移動方向に
おける蓄熱部材53の長さが、1mmよりも短いと、加
熱ローラ41と用紙3の接する時間が十分に得られず、
安定した定着を達成できない場合がある。また、30m
mよりも長いと、加熱ローラ41と用紙3の接する距離
および時間が長くなり、加熱ローラ41の熱によって加
熱ローラ41の形状が用紙3に定着させられ、用紙3に
反りなどのゆがみが生じる場合がある。
【0084】また、この定着部18においては、蓄熱部
材53におけるエンドレスベルト52との摺擦面55
が、ポリテトラフルオロエチレンによりコーティングさ
れているため、エンドレスベルト52の摺動抵抗を低減
することができる。そのため、エンドレスベルト52の
円滑な移動により、安定した定着を達成することができ
る。
【0085】しかも、蓄熱部材53におけるエンドレス
ベルト52との対向面である摺動面55が、弾性層56
によって構成されているので、その弾性層56によっ
て、蓄熱部材53とエンドレスベルト52とが弾性的に
接触されるので、両者の損傷を有効に防止することがで
き、耐久性の向上を図ることができる。
【0086】したがって、このレーザプリンタ1の定着
部18においては、加熱ローラ41とエンドレスベルト
52との間で定着される用紙3には、加熱ローラ41か
らの熱が加わるとともに、蓄熱部材53から放熱される
熱がエンドレスベルト52を介して効率良く加わるの
で、電源投入直後からでも、安定した定着を達成するこ
とができる。そのため、簡易かつ低コストな構成によ
り、クイックスタートを実現することができるととも
に、安定した定着を達成することができる。
【0087】そして、このレーザプリンタ1では、簡易
かつ低コストな構成によりクイックスタートを実現でき
る定着部18を備えているので、電源投入時から直ちに
良好な画像を安定して形成することができる。
【0088】また、このレーザプリンタ1においては、
蓄熱部材53が、エンドレスベルト52と加熱ローラ4
1とのニップ部分における、エンドレスベルト52の移
動方向の上流側端部(すなわち、エンドレスベルト52
の移動方向における上流側に位置する支持部材57aの
上側先端部58aと加熱ローラ41とが対向する部分)
よりも、下流側においてエンドレスベルトと接触するよ
うに配置されている。そのため、定着時において、用紙
3は、まず、ニップ部分における上流側端部で加熱ロー
ラ41のみからの熱が加えられて予熱され、ある程度水
分が低減された状態で、次いで、その下流側において、
エンドレスベルト52を介して蓄熱部材53と接触し
て、加熱ローラ41と蓄熱部材53との両方からの熱が
加えられる。しかるに、用紙3が、エンドレスベルト5
2と加熱ローラ41とのニップ部分に進入した後、いき
なり加熱ローラ41と蓄熱部材53との両方からの熱が
加えられると、水分が急激に蒸発することによって、ト
ナーが飛散することがあるが、このように、まず、おだ
やかに加熱して水分を低減した後に、定着させるように
すれば、そのような、急激な水分の蒸発によるトナーの
飛散などを有効に防止することができ、一層良好な定着
を達成することができる。
【0089】なお、以上の説明では、蓄熱部材53のエ
ンドレスベルト52と対向摺擦される摺擦面55を、シ
リコーンゴムからなる弾性層56によって形成している
が、たとえば、エンドレスベルト52における蓄熱部材
53との摺動面59をそのような弾性層によって形成し
てもよく、また、これら摺擦面55および摺動面59の
両方を弾性層によって形成してもよい。
【0090】また、以上の説明では、押圧部材42のガ
イド部材54を、2つの固定状に配置される支持部材5
7aおよび57bによって構成したが、たとえば、図3
に示すように、ガイド部材54を、3つのローラ61
a、61bおよび61cを略三角形状に配置することに
よって構成してもよい。すなわち、このガイド部材54
では、加熱ローラ41を挟んで2つのローラ61aおよ
び61bが配置されるとともに、その2つのローラ61
aおよび61bの間における下方にもう1つのローラ6
1cが配置され、これら3つのローラ61a、61bお
よび61cにエンドレスベルト52が巻回されている。
このようなローラ61a、61bおよび61cによって
ガイド部材54を構成すると、それらのローラ61a、
61bおよび61cの回転により、エンドレスベルト5
2の安定した移動を確保することができる。
【0091】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、簡易かつ低コストな構成により、クイック
スタートを実現することができるとともに、安定した定
着を達成することができる。
【0092】請求項2に記載の発明によれば、まず、加
熱ローラのみからの熱によりおだやかに加熱して水分を
低減した後に、加熱ローラと蓄熱部材との両方からの熱
により定着させることができ、急激な水分の蒸発による
現像剤の飛散などを有効に防止することができる。
【0093】請求項3に記載の発明によれば、ウォーミ
ングアップの時間を、蓄熱部材を温めるのみの時間とす
ることができ、より一層速いクイックスタートを実現す
ることができるとともに、さらに安定した定着を達成す
ることができる。
【0094】請求項4に記載の発明によれば、定着に必
要な熱量を充分に蓄積して、かつ、良好なクイックスタ
ートを実現することができる。
【0095】請求項5に記載の発明によれば、記録媒体
に、蓄熱部材からの熱をエンドレスベルトを介して良好
に伝導することができるので、より一層速いクイックス
タートを実現することができる。
【0096】請求項6に記載の発明によれば、安定した
定着を達成できながら、記録媒体の良好な搬送を実現す
ることができる。
【0097】請求項7に記載の発明によれば、良好な熱
伝導を達成して、クイックスタートを実現することがで
きる。
【0098】請求項8に記載の発明によれば、蓄熱部材
がエンドレスベルトに摺擦しながら面接触されるので、
大きな加熱面積によって、より一層、効率的な定着を達
成することができる。
【0099】請求項9に記載の発明によれば、エンドレ
スベルトの円滑な移動により、安定した定着を達成する
ことができる。
【0100】請求項10に記載の発明によれば、加熱ロ
ーラのエンドレスベルトとの間において、記録媒体をそ
れらにより密着させることができ、良好な定着を達成す
ることができる。
【0101】請求項11に記載の発明によれば、記録媒
体を加熱手段とエンドレスベルトとの間に、より密着さ
せることができ、良好な定着を達成することができる。
【0102】請求項12に記載の発明によれば、蓄熱部
材とエンドレスベルトとの損傷を有効に防止して、耐久
性の向上を図ることができる。
【0103】請求項13に記載の発明によれば、電源投
入時から直ちに良好な画像を安定して形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置としての、レーザプリン
タの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示すレーザプリンタの定着部(ガイド部
材が2つの支持部材によって構成されている態様)を示
す要部側断面図である。
【図3】図1に示すレーザプリンタの定着部の他の実施
形態(ガイド部材が3つのローラによって構成されてい
る態様)を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ 18 定着部 41 加熱ローラ 42 押圧部材 52 エンドレスベルト 53 蓄熱部材 54 ガイド部材 55 摺擦面

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段と、前記加熱手段に対向する押
    圧手段とを備える熱定着装置において、 前記押圧手段は、前記加熱手段に接触するエンドレスベ
    ルトと、前記加熱手段に前記エンドレスベルトを介して
    対向配置され、前記加熱手段からの熱を蓄熱するための
    蓄熱部材とを備えていることを特徴とする、熱定着装
    置。
  2. 【請求項2】 前記蓄熱部材は、前記エンドレスベルト
    と前記加熱手段との接触部分における前記エンドレスベ
    ルトの移動方向の上流側端部よりも、下流側において、
    前記エンドレスベルトと接触するように配置されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の熱定着装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧手段は、前記エンドレスベルト
    の移動を案内するガイド部材を備え、前記蓄熱部材は、
    前記エンドレスベルトおよび前記ガイド部材よりも、熱
    容量が大きい材料によって形成されていることを特徴と
    する、請求項1または2に記載の熱定着装置。
  4. 【請求項4】 前記エンドレスベルトの移動方向に直交
    する方向における前記蓄熱部材の単位長さ(m)あたり
    の熱容量が10〜3000J/Kであることを特徴とす
    る、請求項1ないし3のいずれかに記載の熱定着装置。
  5. 【請求項5】 前記蓄熱部材の熱伝導率が、0.1W/
    mK以上であることを特徴とする、請求項1ないし4の
    いずれかに記載の熱定着装置。
  6. 【請求項6】 前記エンドレスベルトの移動方向におけ
    る前記蓄熱部材の長さが、1〜30mmであることを特
    徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の熱定着
    装置。
  7. 【請求項7】 前記蓄熱部材が、非発泡の弾性体から形
    成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のい
    ずれかに記載の熱定着装置。
  8. 【請求項8】 前記加熱手段が加熱ローラであり、前記
    エンドレスベルトは、前記加熱ローラの回転に従動する
    ように構成されており、 前記蓄熱部材は、前記エンドレスベルトの移動方向にお
    ける上流側から下流側に沿って、前記エンドレスベルト
    に摺擦可能に面接触するように構成されていることを特
    徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の熱定着
    装置。
  9. 【請求項9】 前記蓄熱部材におけるエンドレスベルト
    との摺擦面が、ポリテトラフルオロエチレンで形成され
    ていることを特徴とする、請求項8に記載の熱定着装
    置。
  10. 【請求項10】 前記加熱手段が加熱ローラであり、前
    記蓄熱部材の表面が、前記加熱ローラの表面に沿った湾
    曲形状で形成されていることを特徴とする、請求項1な
    いし9のいずれかに記載の熱定着装置。
  11. 【請求項11】 前記蓄熱部材が、前記エンドレスベル
    トを前記加熱手段に向けて押圧するように構成されてい
    ることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに
    記載の熱定着装置。
  12. 【請求項12】 前記蓄熱部材における前記エンドレス
    ベルトとの対向面と、前記エンドレスベルトにおける前
    記蓄熱部材との対向面との少なくともいずれか一方が、
    弾性層によって構成されていることを特徴とする、請求
    項1ないし11のいずれかに記載の熱定着装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の熱定着装置を備えていることを特徴とする、画像形成
    装置。
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JP2009216800A (ja) * 2008-03-07 2009-09-24 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置及び画像形成装置
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