JP2002277170A - コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 - Google Patents

コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法

Info

Publication number
JP2002277170A
JP2002277170A JP2001084864A JP2001084864A JP2002277170A JP 2002277170 A JP2002277170 A JP 2002277170A JP 2001084864 A JP2001084864 A JP 2001084864A JP 2001084864 A JP2001084864 A JP 2001084864A JP 2002277170 A JP2002277170 A JP 2002277170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle
tapping
crucible
molten metal
melting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001084864A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4646427B2 (ja
Inventor
Tatsuhiko Sodo
龍彦 草道
Motohiro Nagao
元裕 長尾
Katsuyuki Yoshikawa
克之 吉川
Makoto Morishita
誠 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2001084864A priority Critical patent/JP4646427B2/ja
Publication of JP2002277170A publication Critical patent/JP2002277170A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4646427B2 publication Critical patent/JP4646427B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Induction Heating (AREA)
  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コールドクルーシブル誘導溶解装置におい
て、出湯開始直後のノズル栓の付着を防止すると共に、
溶湯流の乱れを防止しながら連続操業が可能な出湯方法
を提供すること。 【解決手段】 底部に水冷銅セグメントからなる出湯用
ノズルを有するるつぼ本体部外周には溶解用コイルが環
装され、該出湯用ノズルの外周にはノズル加熱用コイル
が環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯
方法であって、該出湯用ノズルに配設されたノズル栓の
上部のスカル層をるつぼ内の溶湯側から溶解させてから
ノズル栓を溶解させることに要旨を有するコールドクル
ーシブル誘導溶解装置の出湯方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコールドクルーシブ
ル誘導溶解装置に関し、詳細にはるつぼ底部に水冷銅セ
グメントからなる出湯用ノズルを有するコールドクルー
シブル誘導溶解装置の出湯方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コールドクルーシブル誘導溶解装置は、
縦長に分割された良導性金属のセグメントを略円筒状に
形成されたるつぼを誘導コイル内に配設することで構成
されており、上記誘導コイルによりるつぼの各セグメン
トに渦電流を発生させ、この渦電流により更にるつぼ内
の被溶解材料に渦電流を発生させ被溶解材料にジュール
熱を発生させて加熱・溶解する装置である。尚、上記誘
導溶解装置は、るつぼ自体の溶解を防止することを目的
として、上記るつぼ内には水などの冷媒を循環させる様
に構成されていることからコールドクルーシブル誘導溶
解装置と呼ばれている。
【0003】るつぼ底部に出湯用ノズルを有するボトム
出湯方式を採用するコールドクルーシブル誘導溶解装置
としては、例えば被溶融金属を電磁作用によって加熱す
ると共に、電磁力によって被溶融金属を浮揚させた状態
で溶解させる浮揚型コールドクルーシブル誘導溶解装置
が知られている。この浮揚型装置では、浮揚状態を保つ
ために誘導コイルの電流を大きくしなければならない
が、電力を大きくすると溶湯の電力消費量が増えるだけ
でなく、横絞り力も増加して溶湯が不安定になるという
問題を生じていた。この様な問題を解決する技術とし
て、例えば特開平7−249283号には、るつぼの底
と出湯管部との結合部を除いて出湯管部の内径寸法を大
きくして結合部に内径側に突出する突出部を形成するこ
とによって、渦電流を該突出部に集中させて溶湯の下面
に流れる渦電流との相互作用によって、電流を大きくす
ることなく溶湯を浮揚させるための浮揚力を提供する技
術を開示している。
【0004】しかしながら浮揚型コールドクルーシブル
誘導溶解装置では、50kg程度の金属溶湯であれば浮
揚させることができるものの、大量の金属溶湯を浮上さ
せることは困難であり、未だ工業ベースでの生産には適
さない。
【0005】従来から工業用に採用されているコールド
クルーシブル誘導溶解装置として図1に示す様な底部に
出湯用ノズルを有するボトム出湯方式が例示される。図
1の装置は、溶解用コイル21の内側に、水冷銅セグメ
ント構造からなるるつぼ10が設置されている。るつぼ
底部の構造としては、平坦な底面を有するリング状の水
冷銅底板12、テーパ部13aとストレート部13bを
有する水冷銅セグメント構造からなる出湯用ノズル1
3、その外側にノズル加熱用コイル22が配置されてい
る。溶解用コイル21には、溶解用の高周波加熱電源2
3が接続されており、またノズル加熱用コイル22には
出湯用の高周波加熱電源24が接続されている。
【0006】上記コールドクルーシブル誘導溶解装置を
用いて金属材料の溶解を行なうに当っては、初めに原料
をるつぼ10内に装入し、溶解用電源23をONにして
誘導溶解を行ない、るつぼの底及びるつぼ下部内壁にス
カル層2を形成させながら溶解した後、出湯用ノズル1
3の上部に配設されたノズル栓3をノズル加熱用コイル
22により溶解させて出湯を行なうものである。
【0007】本発明者らはコールドクルーシブル誘導溶
解装置の出湯方法を改良した技術を種々提案している。
例えばコールドクルーシブル誘導溶解装置における出湯
用ノズルに耐火物製スリーブを配設することによって、
出湯を行なっても出湯用ノズルの下方端近傍位置におけ
る凝固物の付着を防止する技術を提供(特開平11−3
65475号)している。また出湯用ノズルの内表面に
絶縁性皮膜を形成することによって溶解用コイルに多大
な電力を投入することなく、出湯用ノズルからの出湯と
連続操業を行なうことができる技術を提供(特開平11
−212542号)している。更にるつぼ内の湯面高さ
減少に伴う出湯速度の減衰を防止し、均一速度で出湯し
て連続鋳造など各種鋳造方法への適用を容易にする技術
を提供(特開平12−268948号)している。また
更にコールドクルーシブル誘導溶解装置において出湯途
中の停止が可能であり、しかも短時間で出湯を再開する
ことができる技術を提供(特開平12−274951
号)している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す様なボトム
出湯方式のコールドクルーシブル誘導溶解装置では、上
記の通りノズル栓とその上部のスカル層(ノズル栓近傍
のスカル層)を溶解させて出湯しているが、出湯中にお
いても出湯用ノズル内で溶湯流が乱れを生じると出湯用
ノズル内表面にも凝固層が成長することがある。このた
め出湯用ノズルから鉛直方向に落下するはずの出湯流が
乱れてしまい、表面品質の良好な鋳塊を得ることが難し
かった。特にノズル栓の溶解が不十分であると該ノズル
栓が出湯用ノズル先端部に付着して凝固層を形成してし
まい、出湯開始直後の出湯流が乱れたり、あるいはノズ
ル先端に付着した凝固層よって出湯が阻害され、そのま
ま本格的な出湯に至らないという問題が生じていた。
【0009】またるつぼ内の溶湯の湯面高さが低くなる
出湯末期には、るつぼ内で溶湯が渦を形成することがあ
り、渦の発生によって溶湯が回転流を有したまま出湯用
ノズル内を流下するため、ノズルから出湯された溶湯流
が乱れるという問題を有していた。特にるつぼの直径が
400mmを超えると溶湯が渦を形成させやすく、直径
600mmを超えるるつぼに至っては渦の形成が顕著で
あった。
【0010】出湯用ノズルから溶出した出湯流の乱れが
大きくなると、湯受け部から湯が飛び散るという問題が
生じるために、飛散した溶湯がノズル加熱用コイルを破
損することがない様に、出湯用ノズルの下方端がノズル
加熱用コイルの下端により下方に位置するように構成し
なければならなかった。そのため出湯流の乱れが原因と
なって、出湯ノズルの下方端に溶湯が回り込み、そのま
ま凝固した凝固付着物が更に出湯の乱れを生じさせると
ともに、出湯を阻害して表面品質の良好な鋳塊を製造す
ることが困難であった。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であって、本発明の目的はこの様な従来技術に存する問
題点を解消し、安定した出湯を実現する技術を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明とは、底部に出湯用ノズルを有するるつぼ本体部外周
には溶解用コイルが環装され、出湯用ノズルの外周には
ノズル加熱用コイルが環装されたコールドクルーシブル
誘導溶解装置の出湯方法であって、出湯用ノズルに配設
されたノズル栓の上部の凝固スカル層をるつぼ内の溶湯
側から溶解させてからノズル栓を溶解させることに要旨
を有するコールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法
である。
【0013】この際、ノズル栓の温度上昇及び溶解をる
つぼ内の溶湯からの加熱とノズル加熱用コイルによる加
熱のバランスに基づいて制御することにより、るつぼ内
の溶湯からの加熱による凝固スカル層の溶解を先行させ
てノズル栓の溶解を行うことが推奨される。
【0014】また段階的、あるいは連続的にノズル加熱
用コイルの誘導加熱電力を徐々に高めてノズル栓を溶解
させるにあたり、溶解に必要な誘導加熱電力に到達させ
る前に溶湯からの加熱によって凝固スカル層を溶解させ
ることが望ましい。
【0015】本発明においては出湯用コイルの下端位置
を出湯用ノズルの下端位置と等しくするか、あるいは出
湯用ノズルの下端位置よりも下に配設したコールドクル
ーシブル誘導溶解装置を用いることが好ましい。更に出
湯用ノズル内の少なくとも2箇所に垂直方向に延長され
た凸部を配設した出湯用ノズルを用いることも本発明の
好ましい実施態様であり、また更に前記凸部の突出高さ
が出湯用ノズル内径の5〜20%とすることが望まし
い。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の出湯方法を水冷銅
セグメント構造からなるるつぼを用いた図6のコールド
クルーシブル誘導溶解装置を例に挙げて説明するが、本
発明の出湯方法は以下に例示されるコールドクルーシブ
ル誘導溶解装置に限定されるものではない。図6に示す
コールドクルーシブル誘導溶解装置は、溶解用コイル2
1の内側に、水冷銅セグメント構造からなるるつぼ10
が配設され、るつぼ底部の構造として、平坦な底面を有
するリング状の水冷銅底板12と、テーパ部13aとス
トレート部13bを有し、水冷銅セグメント構造からな
る出湯用ノズル13が配設されたものである(もちろん
テーパ部を設けない構成であってもよい)。
【0017】出湯用ノズル13内には、図示する如く原
料(目的とする被溶解物)の落下及び初期溶解時の溶湯
の垂落を防止するため、原料と同材料のノズル栓3が設
置されている。
【0018】るつぼ内に装入された原料は、溶解用電源
23をONにして溶解用コイル21に通電することによ
って溶解され溶湯となる。るつぼ底部と接した溶湯は冷
却されて例えば厚さ1cm前後の凝固層(スカル層)2
を形成する。また溶解用コイル21によって、溶湯には
求心方向に電磁気力が働き、溶湯はるつぼ壁から離脱し
てドーム状を呈するが、溶湯は電磁気力による流動攪拌
の影響で著しく揺動しており、乱れが生じて溶湯がるつ
ぼ側面と接触して、るつぼ側面にも例えば厚さ1cm以
下の凝固層(スカル層)2が形成される(特にるつぼ下
部に形成されやすい)。原料溶解後、溶湯1の温度とス
カル層2の形状が定常となるまで一定時間保持する。そ
の後、出湯用ノズル3から溶湯を出湯するためにノズル
加熱用コイル22に通電することによって、出湯用ノズ
ル3を介してノズル栓3及びその上部スカル層(以下、
「上部スカル層」とはノズル栓近傍に形成されたスカル
層を示す)が溶解されて出湯が開始される。
【0019】通常、出湯用電源24からノズル加熱用コ
イル22ヘ電力を供給する場合、加熱に要する時間を少
なくして電力効率を向上させるために、出湯用電源24
の電源スイッチをONにすると同時に出湯用コイル22
にノズル栓3及び上部スカル層の溶解に必要な電力(k
W)を供給している。図6の様にテーパ部を有する場
合、テーパ部13aとストレート部13bとの境界部近
傍に強大な電磁気力が発生する(尚、テーパ部を有さな
い場合、るつぼ底部とストレート部の結合近傍に電磁気
力が集中する)。そのためノズル加熱用コイル22の出
力をノズル栓3の溶解に必要な電力(kW)まで急速に
高めると、実際は該境界部近傍のノズル栓3の一部のみ
(以下、ノズル栓の一部を3aとする。)が急速に加熱
されるため、該境界部近傍のノズル栓3a以外のノズル
栓3及び上部スカル層が溶解される前に溶解して出湯用
ノズル13を落下して該境界部近傍に空隙が形成される
(図2(b))。そして該境界部近傍に空隙が形成され
ると、誘導電流をノズル栓3の残部および/または上部
スカル層に十分に発生させることができないため、ノズ
ル栓3の残部及び上部スカル層の溶解が困難となり、溶
解に要する電力消費が過大になる。また溶解して落下し
たノズル栓3aの該境界部近傍は加熱されているもの
の、ノズル栓3a下端部付近は十分に加熱されていない
ために、ノズル先端付近で冷やされてノズル内壁に付着
することがある。この付着したノズル栓3aが溶湯流の
乱れの原因となる。また付着量が多いと該先端部を閉塞
して出湯を阻害することがある。
【0020】したがってこの様な空隙の形成やノズル先
端部での付着物の形成を防ぐために、該出湯用ノズル1
3に配設されたノズル栓3の上部スカル層をるつぼ10
内の溶湯1側から溶解させてから、ノズル栓3を溶解さ
せることが望ましい。この様にノズル栓3の溶解に先立
って溶湯1側から上部スカル層を溶解すれば、ノズル栓
3の溶解と同時にるつぼ10内の溶湯1を出湯すること
ができるので、空隙の形成やノズル先端部での付着物の
形成を防止することができると共に、良好な出湯が確保
できる。この際、溶湯1側から溶解させるのは上部スカ
ル層に限らずノズル栓3も溶湯側から溶解させることが
好ましい。上部スカル層に溶湯1側からの熱によって溶
解される程の発熱量が投入されていれば、ノズル栓3も
当然に十分な発熱量を有しているため、溶湯側からノズ
ル栓3を溶解することができる。この様な状態であれば
出湯用ノズル13側からノズル栓3の一部だけが溶解し
て脱落することがなく、出湯用ノズル13側からノズル
栓3が溶解すると、それに伴って出湯が開始されるので
空隙が形成されず、またノズル先端部に付着物を形成す
ることもない。したがってノズル栓3についても上部ス
カル層の溶解に続いて溶湯側から徐々に溶解させること
が望ましいが、この様な状態での出湯用ノズル13側か
らノズル栓3が溶解されることを排除する趣旨ではな
い。
【0021】溶湯1側から上部スカル層を溶解させる方
法としては例えば、るつぼ10内の溶湯1からの加熱と
ノズル加熱用コイル22による加熱のバランスに基づい
て制御することにより、るつぼ10内の溶湯からの加熱
による上部スカル層の溶解を先行させると共に、ノズル
栓3の温度上昇及び溶解を行なえばよい。
【0022】具体的には段階的、あるいは連続的にノズ
ル加熱用コイル22の誘導加熱電力を徐々に高めていく
ことによって、ノズル栓3の温度を徐々に上昇させれ
ば、ノズル栓3を溶解させることなくノズル栓3全体、
上部スカル層の温度を上昇させることができる。そして
るつぼ10内の溶湯1は溶解用コイル21によって加熱
されて図3(a)に例示する如く流動しているため、上
部スカル層近傍の溶湯は高温状態にあるので、ノズル加
熱用コイル22によってある一定の温度まで昇温されれ
ば、溶湯によって上部スカル層を溶解させることができ
る。もちろんコイル栓3も昇温しているので溶湯によっ
て容易に溶解する。
【0023】ノズル加熱用コイル22の誘導加熱電力を
徐々に高めていくとは、即ちノズル加熱用コイル22に
ノズル栓3の溶解に必要な電力P(kW)を100とした
場合(通電前の高周波電源24からの供給電力は0)、
出湯用電源24をONにすると同時に電力を100供給
するのではなく、段階的に(例えば供給電力を10,2
0,30…と高め最終的に100とする)電力を供給す
るか、あるいは連続的に(例えば供給電力を0から連続
的に高めていき最終的に100とする)電力を供給する
ことを意味する。またノズル加熱用コイル22に出湯用
電源24をONにした後、短時間(数秒)で必要電力P
(kW)を供給するのではなく、上部スカル層に対して
水冷銅セグメントヘの伝熱損失量に見合う熱量を供給し
て、ノズル栓先端部を溶融させることなく加熱を行い、
るつぼ内の溶湯の熱量により上部スカル層を溶解するこ
とできる様に電力供給速度を制御することが望ましい。
【0024】必要電力P(kW)に到達するまでに要す
る時間、即ち、徐々に電力を上昇させた場合の電源ON
から供給電力100に到達するまでに要する時間につい
ては特に限定されず、ノズル栓3が先に溶解されない様
にるつぼ10内の溶湯1からの加熱とノズル加熱用コイ
ル22による加熱のバランスに基づいて制御すればよ
い。徐々に加熱すれば上部スカル層に伝熱するためノズ
ル栓3の一部だけが溶解されて脱落することがない。例
えば出湯用ノズル13のノズル径が10〜60mm程度
であって、るつぼ10側の溶湯1による要溶解物層(上
部スカル層及びノズル栓)の厚さが4cm(±10m
m)程度の場合(厚さはストレート部13a上端から上
部スカル層溶湯側表面まで)、安定した出湯を達成する
ためには必要電力P(kW)に到達するまでに少なくと
も60秒以上の時間をかけて、連続的または階投的に徐
々に出湯用電源24からの供給電力を増加させることが
推奨される。より好ましくは120秒以上である。るつ
ぼ10内の溶湯による要溶解物層が薄い場合は、急激な
加熱(電源ONから数秒程度で必要電力P(kW)に到
達)であっても十分伝熱し、上部スカル層が溶湯によっ
て溶解されて出湯が可能となる場合がある。しかしなが
ら要溶解物と底部支持台との接触状態等によって伝熱量
が変動するため、数秒程度で必要電力P(kW)100
に到達させた場合、常に安定した出湯が得られないこと
がある。
【0025】出湯用ノズル13(ストレート部13b)
のノズル径(穴径)は小さい程、ノズル内の磁束密度が
増加し、ノズル内に作用する電磁気力が増大する。した
がってノズル径が小さい場合、テーパ部13aとストレ
ート部13bとの境界部付近には強大な電磁気力が発生
するため、該部分近傍のノズル栓が溶解され易くなる。
また電磁気力により表面張力の作用が大きくなるため、
出湯の妨げとなることがあるのでノズル径は4mm以上
とすることが好ましく、より好ましくは10mm以上、
最も好ましくは20mm以上である。尚、ノズル径が大
きくなりすぎると、ノズル栓としての凝固部が形成され
ないことがあるので好ましくは60mm以下、より好ま
しくは50以下、最も好ましくは45mm以下とするこ
とが望ましい。
【0026】出湯用ノズル13のノズル径がこの範囲内
であれば、必要電力P(kW)到達に60秒以上かけて
ゆっくりと加熱する方式が有効である。もちろん60m
mを超えるノズル径であっても、同様の現象が起こるの
で、この点を考慮して電力上昇速度を制御することが望
ましい。また出湯に伴って出湯用ノズル13の熱が損失
することがあるので、出湯開始後、出湯用電源24の出
力あげて出湯用ノズル13での溶湯の付着を防止するこ
とが望ましい。
【0027】必要電力P(kW)は出湯用ノズル13の
ノズル径等様々な要因によって異なるが、例えば図6に
示す様に出湯用ノズル13がテーパ部13aとストレー
ト部13bから構成されている場合、テーパ部とストレ
ート部の境界部近傍のノズル栓が溶解し易いため、該境
界部近傍のノズル栓が溶解する電力を必要電力P(k
W)とする。必要電力P(kW)は以下の様に求めるこ
とができる。尚、ノズルストレート部13bは水冷銅セ
グメント構造なので、高温で流下する溶湯と接触して溶
損することを防止するために、出湯に際して出湯用ノズ
ルの内壁には薄いスカル層を形成させると共に、出湯中
は該スカル層を維持させることが望ましいが、ノズル加
熱用コイル22の誘導加熱電力が高くなりすぎると、凝
固スカル層が溶解することがある。また誘導加熱電力が
低すぎると凝固スカル層が厚くなりすぎて出湯を阻害す
ることがある。したがって適度な凝固スカル層厚を維持
しつつ、出湯を保持できる様に誘導加熱電力を適宜調節
することが望ましい。 Q(kW)=S×U×(T−30)/1000 S(m2)=πDH+2πD2/4 U(W/(m2K))=419+2.3×(T−172
0)
【0028】式中、Dはノズル直径(m),Hはノズル
内におけるノズル栓の長さ(m)を表し、S(m2)は
表面積を表す(尚、ノズルストレート13bに係るノズ
ル栓の上側、及び下端面共に側面と同じ総括伝熱係数と
する)。またU(W/(m2K))はスカル層を介した
溶湯と水冷銅セグメント構造を有する出湯ノズルとの総
括伝熱係数(即ち、溶湯−上部スカル層−ノズル銅材−
冷却水間の総括伝熱係数)を表し、Tは溶湯温度(℃)
を表す。
【0029】上記式によれば、例えば溶湯温度T(℃)
が1720℃であるチタンの場合、総括伝熱係数U(W
/(m2K))は419(W/(m2K))である。そし
てノズル直径D(m)を10mm,高さHを13mmと
すると表面積S(m2)は5.6×10-42となるの
で、必要な誘導加熱電力Q(kW)は0.4kWであ
る。尚、異なる直径を有するノズルによって出湯用ノズ
ル13が構成されている場合、夫々の誘導加熱電力
(Q)を算出し、それらを合計した値を誘導加熱電力
(Q)とする。例えば上記出湯用ノズルがノズル径50
mmと30mmのノズルによって構成され、誘導加熱電
力Q(kW)は夫々3.2kWと8.8kWであれば、
これらを合計した値(12kW)が誘導加熱電力とな
る。
【0030】尚、電源の効率は設備の構成等によって変
動するため、出湯用ノズル13を誘導加熱する場合の電
源の効率を考慮して溶解に必要な電力P(kW)を算出
して、出湯用電源24の出力を決定すればよい。例えば
上記の如く出湯用ノズルの直径が10〜60mmの場
合、誘導加熱する場合の電源の効率は10%程度である
ことが多いため、必要電力P(kW)は少なくとも誘導
加熱電力Qの10倍程度とすることが必要である。もち
ろん用いる装置に応じて電源の出力を調節することが望
ましい。
【0031】本発明者らが用いた試験装置の出湯用電源
24における出湯用ノズル13内のノズル栓の加熱溶融
に必要な正味の電力は、電力配分を測定した結果、ノズ
ル径が20〜60mmにおける発熱溶融に用いられる電
力は、電源出力の5〜10%程度であった。また供給さ
れた電力の約50%はコイル部での発熱となり、また約
40%は水冷銅セグメント部での発熱として失われるこ
とが判明した。即ち、コイルや水冷銅セグメントにおけ
るジュール損が発生するため、加熱のために要求される
出湯用電源24の周波数は少なくとも数kHzは必要で
ある。したがって出湯用ノズル13内のノズル栓を溶解
するためには、出湯用電源24の出力は少なくとも4〜
160kWとすることが推奨される。
【0032】一旦出湯が開始されると、ノズル内を流下
する溶湯は高温であるためにノズル先端部に溶湯が付着
することがないので安定した出湯を継続できるが、直径
の大きいるつぼを用いたコールドクルーシブル誘導溶解
装置の場合、るつぼ内の溶湯量が少なくなる出湯終期に
るつぼ内の溶湯が渦を形成することがある。るつぼ直径
が400mm以下の場合、溶湯の渦はほとんど発生しな
いが、400mmを超えると溶湯が渦を形成することが
ある。特に直径600mmを超えるるつぼにおいては渦
の発生頼度が高くなる。溶湯が渦を形成すると、出湯用
ノズル13から渦回転方向の流れを有した溶湯流が排出
されるため、溶湯の散乱が発生し、出湯用ノズル下端部
に付着して凝固層を形成して溶湯の流れを阻害したり、
ノズル加熱用コイル22を損傷したりすることがある。
【0033】したがってこの様な渦発生に起因する回転
方向の流れの発生を抑制するために、出湯用ノズルのス
トレート部分を長くすることが望ましい。出湯用ノズル
を長くして回転流を有しながら流下する溶湯をノズル内
壁と摩擦を生じさせることによって回転流れを抑制し溶
湯を整流化できる。
【0034】この様な効果を得るには出湯用ノズルの長
さ(テーパ部13aとストレート部13bとの境界部か
らノズル下端までの長さ)は、るつぼ内径の1/6以上
とすることが好ましく、より好ましくはるつぼ内径の1
/4以上とすることが望ましい。上限は特に限定され
ず、排出した溶湯の受け部との距離、及び該部における
予定溶湯湯面レベル(注湯完了後の鋳塊の上部位置)を
考慮して決定すればよく、予定湯面レベルとノズル先端
部との距離が少なくとも400mm有することがノズル
先端部やノズル加熱用コイルの保護の観点から望まし
い。
【0035】尚、水冷銅セグメントからなる出湯用ノズ
ルを長くすると、それに伴ってノズル内を流下する溶湯
が冷却されやすくなり、ノズル下端において溶湯が凝固
することがあるので、出湯用ノズルを延長せずに、出湯
用ノズルに耐火物製スリーブ5を配設することが望まし
い。耐火物製スリーブ5を配設するにあたっては、出湯
用ノズルの下方端に、該出湯用ノズルの内径と等しい内
径を有する耐火物製スリーブを延設してもよく、あるい
は前記出湯用ノズル13の内周面に、耐火物製スリーブ
5を挿設してもよく、この場合、前記出湯用ノズル13
の下方端を超えて下側まで耐火物製スリーブ5を延設す
ることが望ましい。耐火物製スリーブ5の材料としては
黒鉛,Y23,CaO,ZrO2などから選ばれる材料
を用いればよく、黒鉛製スリーブが好ましい。
【0036】また出湯ノズル(出湯用ノズルと耐火物ス
リーブを合わせたノズル)全長に合わせてノズル加熱用
コイル22を配設すれば、ノズル用コイル22からの誘
導発熱により該ノズル内での溶湯の付着を抑制すること
ができるので望ましい。したがってノズル加熱用コイル
22の下端位置を耐火物製スリーブ(耐火物製スリーブ
を設けず、出湯用ノズルを延設する場合は出湯用ノズ
ル)の下端位置と等しくするか、あるいは耐火物製スリ
ーブ(或いは出湯用ノズル)の下端位置よりも下に配設
することが望ましい。尚、出湯流が何らかの原因で乱れ
た場合に、ノズル加熱用コイル22に溶湯が付着してコ
イル破損や電気的短絡が発生することがない様に、ノズ
ル加熱用コイルの保護手段を設けることが望ましい。
【0037】また延設した耐火物製スリーブ5内に垂直
方向に延長した凸部4(図5)を配設すると、出湯ノズ
ル内で溶湯流の回転流れをより効果的に抑制することが
できる。この際、凸部4を耐火物スリーブ5内に少なく
とも2箇所以上設けることが好ましく、より好ましくは
4箇所以上である。更に凸部の設置位置は凸部を耐火物
スリーブ内径において等間隔に設置することが好まし
い。凸部4の突出高さは被設置スリーブ5内径の5%以
上とすることが好ましく、より好ましくは10%以上で
ある。また突出高さを高くし過ぎるとスリーブ5内に溶
湯が残留することがあるので、好ましくはスリーブ5内
径の25%以下、より好ましくは20%以下とすること
が望ましい。凸部4の上端は該スリーブ5の上端、ある
いは出湯用ノズルストレート部の上端にあわせてもよ
い。凸部4の垂直方向の長さは有効な整流効果を得るた
めに、出湯ノズル全長の少なくとも20%、より好まし
くは少なくとも40%、更に好ましくは耐火物スリーブ
5の全長と同じ長さ、最も好ましくは出湯ノズル全長に
合わせて凸部を設けることが望ましい。凸部の形状につ
いては特に限定されないが、溶損を防ぐために図5に示
される様な三角形を有する形状とすることが推奨され
る。
【0038】本発明においては、るつぼ底部に設置され
たリング状の水冷銅底板12は、溶解用コイル21とノ
ズル加熱用コイル22の発する電磁波を遮断し、溶解用
電源23と出湯用電源24の2台の電源が互いに干渉
し、誤作動・故障するのを防止する。
【0039】また以上の説明では、るつぼの材質は銅
で、るつぼの冷却媒体として水を用いたコールドクルー
シブル誘導溶解装置を取り上げたが、コールドクルーシ
ブル誘導溶解装置のるつぼ材質は銅に限らず電気良導性
物質であればよく、また冷却媒体についても、水に限ら
ず、液体、気体を問わず冷却能等によって適宜選択すれ
ばよい。
【0040】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の趣旨に基づいて設計変更すること
はいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0041】
【実施例】以下の条件を採用して図6に示す様なコール
ドクルーシブル誘導溶解設備を用いてチタン合金(Ti
−6Al−4V)500kgを溶解し、出湯用ノズルか
ら、400kgの溶湯を出湯して、鋳塊を作製した。
【0042】1)コールドクルーシブル誘導溶解装置の
構成 ・溶解用電源23:サイリスタインバータ盤と整合盤で
構成 ・溶解用コイル21:内径690mm×高さ520mm
(水冷銅製)ターン数8 ・溶解用るつぼ10:内径600mm×高さ715mm ・溶解可能量 :350〜600kg(チタン),60
0〜1000kg(鋼) ・るつぼの構成:水冷銅製セグメント 材質:合金鋼(Cr−Cu) セグメント寸法:縦30mm×横40mm×高さ850
mm 本数:60本 バックアップ:コイルとセグメントの隙間に砂を装入 ・るつぼの底部支持台:水冷銅構造 ・冷却水流量:るつぼ1600L/min,底部支持盤
240L/min ・出湯用ノズル13:るつぼの底部支持台の中央部に取
り付け ・出湯用ノズル13:水冷銅セグメントで構成(全長5
0mm,穴径45mm) 材質:合金銅(Cr−Cu) セグメント形状:テーパ角度90° セグメント本数:16 ・耐火物スリーブ5:セグメント内部に黒鉛スリーブ
(全長150mm,穴径25mm)を出湯用ノズルに1
7mm挿入 ・出湯用コイル22:上部6ターンと下部12ターンで
構成(下部12ターンコイルは使用しない場合もある) ・出湯用電源24:トランジスタインバータ盤と整合盤
で構成 ・ノズル栓3:原料と同じチタン合金、サイズはテーパ
部13a及びストレート部13b(境界部からの下端ま
で183mm)に合致するサイズにした。
【0043】2)溶解出湯操業は次の手順で実施した。 ノズル栓3をしたるつぼ10内へ原料(チタン合
金)を装入すると共に、ノズルから出湯した溶湯を受け
る鋳型25を設置した。 溶解鋳造チャンバーを真空排気(図示しない油回転
ポンプ,メカニカルブースターポンプ,油拡散ポンプに
より10-4Torr台まで)した。尚、雰囲気溶解する
場合は真空排気後アルゴンガス(200Torr)を導
入した。 溶解用電源23をONに入れ、溶解用電力を徐々に
増加させてるつぼ10内の原料を溶解した。溶解の所要
時間は原料の形状に依存して変動するが、約時間程度で
原料を溶解(表1参照)させ、その後、溶湯を30分ほど
保持してチタンの介在物(HDI:超硬チップ破片(W
C),LDI:TiN)を溶解消滅させると共に、溶湯
成分の均一化を実施した。操業時の電力供給と溶解状況
を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】 溶湯保持の後、出湯用電源24をON
にしてノズル加熱用コイル24に通電した。この際、ノ
ズル加熱用コイル24への電力供給は徐々に電力を増加
させた。この際のノズル加熱用コイル22ヘの電力供給
状況を表2に示す。
【0046】尚、電力P(kW)はノズルストレート部
直径Dを25mm,ノズル栓高さH183mm,溶湯温
度T1720℃,としてQ(2.53kW)値を求め、
該値を3倍した値である。
【0047】
【表2】
【0048】 電源出力(80kW)に到達後、該電
源24の出力を保持中に出湯が開始した。出湯開始後、
電源出力を150kWまで増加させて加熱を強化した 出湯終了後、出湯用電源24および溶解用電源23
をOFFにした。
【0049】以上の操作手順に際して、ノズル加熱用コ
イルヘの電力供給方法を表3に示す様に変えた以外は同
一の条件である。出湯の成功率を表3に示す。また表3
における電力供給の状況は図4に示す。
【0050】尚、予定の鋳塊量が得られた場合を「成
功」とし、「出湯の成功率」は成功回数÷出湯回数×1
00(%)である。
【0051】
【表3】
【0052】以上から必要電力P(kW)に至るまでの
所要時間が短いと出湯の成功率が低くなることが分か
る。また確実に出湯を得るためには、電力P(kW)に
到達するまでに少なくとも60秒以上は必要なことが明
らかとなった。
【0053】次ぎに上記の操業手順での出湯に際して、
出湯ノズルの長さを変化させると共に、各長さにおいて
図5に示す様な凸部4(材質グラファイト,内径25m
m,外径45mm,凸高さ5mm)を有する耐火物スリ
ーブと凸部を有さない通常の耐火物スリーブとを用いた
以外は上記操作手順と同一の手順で出湯を行ない、溶湯
流が整流化するまでの時間を調べた。結果を表4に示
す。尚、整流化とは、ノズルから出湯した溶湯流が拡散
したり横斜め方向への飛散などの乱れがないことであ
る。
【0054】
【表4】
【0055】※出湯開始から出湯終了までを全出湯時間
とする。
【0056】ノズル長さが100mm以上であれば出湯
流の乱れが少なくなり、十分な整流化が図られているこ
とが分かる。また同じノズル長さであっても、ノズル内
に凸部を設けることによって、出場流の回転流れを抑制
し、出場流を整流化する効果が高いことが示され、出湯
末期であっても出湯を安定化させる技術として有効であ
ることが確認できた。
【0057】以上の実施例から30秒程度での加熱条件
では急激な加熱条件とほとんど結果は変わらず、出湯に
至らない場合があり、出湯を安定して行うためには少な
くとも60秒必要であることが示されている。特に溶解
に必要な電力P(kW)の25%→50%→75%→1
00%と120〜180秒ごとに出力を徐々に増加させ
た場合、より安定した出場が可能となった。尚、同様に
電力P(kW)(25%→50%→75%→100%)
を増加させる際の時間間隔を300秒ごと,600秒ご
ととした場合でも同様な効果が得られたが、不要に長時
間かけるとるつぼ内の溶湯の保持にかなりの電力を要
し、操業全体での電力原単位が上昇する結果となった。
また全体での電力単位を省電力化するためにはノズル上
部の要溶解物層を溶湯側から溶解し、溶湯開始と同時に
るつぼ内の溶湯が一気に供給される条件にして出湯する
ことが望ましいことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ボトム出湯型のコールドクルーシブル誘導溶解
装置を示す概略説明図である。
【図2】コールドクルーシブル誘導溶解装置による従来
の出湯状態を示す説明図である。
【図3】コールドクルーシブル誘導溶解装置による本発
明の出湯状態を示す一説明図である。
【図4】実施例による電力供給の状況と出湯の成功率を
示す説明図である。
【図5】凸部を配設したノズルの一態様を示すノズル断
面図である。
【図6】本発明の好ましいボトム出湯型のコールドクル
ーシブル誘導溶解装置の一態様を示す概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1.溶湯 2.スカル層 3.ノズル栓 4.凸部 5.耐火物スリーブ 10.るつぼ 12.水冷銅底板 13.出湯用ノズル 13a.テーパ部 13b.ストレート部 21.溶解用コイル 22.ノズル加熱用コイル 23.溶解用電源 24.出湯用電源 25.湯受け部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 克之 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 森下 誠 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3K059 AA10 AB07 AB16 AC09 AC76 AD01 CD18 CD48 4K046 AA01 CD02 CE08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底部に水冷銅セグメントからなる出湯用
    ノズルを有するるつぼ本体部外周には溶解用コイルが環
    装され、該出湯用ノズルの外周にはノズル加熱用コイル
    が環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯
    方法であって、 該出湯用ノズルに配設されたノズル栓の上部のスカル層
    をるつぼ内の溶湯側から溶解させてからノズル栓を溶解
    させることを特徴とするコールドクルーシブル誘導溶解
    装置の出湯方法。
  2. 【請求項2】 ノズル栓の温度上昇及び溶解をるつぼ内
    の溶湯からの加熱とノズル加熱用コイルによる加熱のバ
    ランスに基づいて制御することにより、るつぼ内の溶湯
    からの加熱によるスカル層の溶解を先行させてノズル栓
    の溶解を行う請求項1に記載の出湯方法。
  3. 【請求項3】 段階的、あるいは連続的にノズル加熱用
    コイルの誘導加熱電力を徐々に高めてノズル栓を溶解さ
    せるにあたり、溶解に必要な誘導加熱電力に到達させる
    前に溶湯からの加熱によってスカル層を溶解させる請求
    項1または2に記載の出湯方法。
  4. 【請求項4】 前記出湯用ノズルに耐火物製スリーブを
    配設すると共に、出湯用コイルの下端位置を耐火物製ス
    リーブの下端位置と等しくするか、あるいは耐火物製ス
    リーブの下端位置よりも下に配設したコールドクルーシ
    ブル誘導溶解装置を用いる請求項1〜3のいずれかに記
    載の出湯方法。
  5. 【請求項5】 耐火物製スリーブ内の少なくとも2箇所
    に垂直方向に延長された凸部を配設した出湯用ノズルを
    用いる請求項1〜4のいずれかに記載の出湯方法。
  6. 【請求項6】 上記凸部の突出高さが出湯用ノズル内径
    の5〜20%である請求項5に記載の出湯方法。
JP2001084864A 2001-03-23 2001-03-23 コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 Expired - Lifetime JP4646427B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001084864A JP4646427B2 (ja) 2001-03-23 2001-03-23 コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001084864A JP4646427B2 (ja) 2001-03-23 2001-03-23 コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002277170A true JP2002277170A (ja) 2002-09-25
JP4646427B2 JP4646427B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=18940474

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001084864A Expired - Lifetime JP4646427B2 (ja) 2001-03-23 2001-03-23 コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4646427B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140491A (ja) * 2003-04-16 2005-06-02 Daido Steel Co Ltd 金属の溶解出湯装置
JP2005214438A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Daido Steel Co Ltd 電磁出湯ノズルおよびこれを用いる金属溶解・出湯装置
JP2007163031A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Shinko Electric Co Ltd 誘導加熱溶解炉
JP2008180471A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置及び出湯方法
JP2009281710A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用ノズル装置
WO2013047913A1 (ko) * 2011-09-26 2013-04-04 한국수력원자력 주식회사 내측면이 곡면 형상인 금속 섹터 및 이를 포함하는 유도가열식 저온용융로
JP2013092362A (ja) * 2012-12-28 2013-05-16 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置及び出湯方法
JP2013100981A (ja) * 2012-12-28 2013-05-23 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置
JP2020091058A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 シンフォニアテクノロジー株式会社 コールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041661A (ja) * 1999-07-27 2001-02-16 Kobe Steel Ltd コールドクルーシブル誘導溶解装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63207984A (ja) * 1987-02-24 1988-08-29 日本鋼管株式会社 金属の溶解装置
JPH06632A (ja) * 1992-06-18 1994-01-11 Hitachi Ltd 注湯用ノズル
JPH08145571A (ja) * 1994-11-22 1996-06-07 Shinko Electric Co Ltd 底注ぎコールドウォール溶解炉
JP4147604B2 (ja) * 1997-04-23 2008-09-10 神鋼電機株式会社 誘導加熱溶解炉およびその底部出湯機構

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001041661A (ja) * 1999-07-27 2001-02-16 Kobe Steel Ltd コールドクルーシブル誘導溶解装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140491A (ja) * 2003-04-16 2005-06-02 Daido Steel Co Ltd 金属の溶解出湯装置
JP4655301B2 (ja) * 2003-04-16 2011-03-23 大同特殊鋼株式会社 金属の溶解出湯装置
JP4496791B2 (ja) * 2004-01-27 2010-07-07 大同特殊鋼株式会社 電磁出湯ノズルおよびこれを用いる金属溶解・出湯装置
JP2005214438A (ja) * 2004-01-27 2005-08-11 Daido Steel Co Ltd 電磁出湯ノズルおよびこれを用いる金属溶解・出湯装置
JP2007163031A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Shinko Electric Co Ltd 誘導加熱溶解炉
JP2008180471A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置及び出湯方法
JP2009281710A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用ノズル装置
WO2013047913A1 (ko) * 2011-09-26 2013-04-04 한국수력원자력 주식회사 내측면이 곡면 형상인 금속 섹터 및 이를 포함하는 유도가열식 저온용융로
US9265095B2 (en) 2011-09-26 2016-02-16 Korea Hydro & Nuclear Power Co., Ltd. Metal sector having curved inner surface and cold crucible induction melter having the same
JP2013092362A (ja) * 2012-12-28 2013-05-16 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置及び出湯方法
JP2013100981A (ja) * 2012-12-28 2013-05-23 Daido Steel Co Ltd コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置
JP2020091058A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 シンフォニアテクノロジー株式会社 コールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法
JP7323761B2 (ja) 2018-12-05 2023-08-09 シンフォニアテクノロジー株式会社 コールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4646427B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009285726A (ja) コールドクルーシブル溶解炉における出湯方法
JP2002277170A (ja) コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法
JP2002122386A (ja) 浮揚溶解用の水冷銅るつぼ
JP2007240102A (ja) コールドクルーシブル溶解装置を用いた鋳塊の製造方法
JP2000274951A (ja) コールドクルーシブル誘導溶解装置及びその出湯方法
JP5380775B2 (ja) コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置を用いた出湯方法
JP2009281710A (ja) コールドクルーシブル溶解炉の出湯用ノズル装置
JP2006153362A (ja) 金属の溶解出湯装置及び鋳造装置
JP2005055017A (ja) 金属溶湯の出湯装置
JP2001041661A (ja) コールドクルーシブル誘導溶解装置
JPH1080751A (ja) 連続鋳造装置
JP2007163031A (ja) 誘導加熱溶解炉
JPS6347537B2 (ja)
JP4496791B2 (ja) 電磁出湯ノズルおよびこれを用いる金属溶解・出湯装置
JP2000268948A (ja) コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法
KR100694332B1 (ko) 하부 유출 시스템, 하부 유출 일렉트로슬래그 정련 시스템 및 방법
CN104903024A (zh) 由钛或钛合金构成的铸块的连续铸造方法
JP2000271706A (ja) 双ロール式連続鋳造方法とその装置
JP2555768B2 (ja) 金属の連続鋳造装置および鋳造方法
JP4655301B2 (ja) 金属の溶解出湯装置
JPS59202142A (ja) タンデイツシユ浸漬ノズルの加熱方法
JPH06297096A (ja) 電磁攪拌式半凝固金属生成機の半凝固金属排出装置
JP5701720B2 (ja) チタンまたはチタン合金からなる鋳塊の連続鋳造用の鋳型およびこれを備えた連続鋳造装置
JPH05200513A (ja) 金属の連続鋳造法
JP2002192332A (ja) 浮揚溶解鋳造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040806

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4646427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term