JP5380775B2 - コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置を用いた出湯方法 - Google Patents
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Description
ここで従来用いられているコールドクルーシブル溶解炉は、周方向に複数分割された円弧状の水冷銅セグメントを絶縁材を介して周方向に互いに繋ぎ合わせて筒状の水冷のるつぼ(銅るつぼ)を構成し、そしてその外側に溶解用コイルを配置した形態のもので、るつぼ内部に装入した原料金属を溶解用コイルによる高周波誘導加熱により溶解する。
このコールドクルーシブル溶解炉による溶解技術は未だ発展途上にある技術であり、現状ではるつぼ内で溶解した金属を銅るつぼ及び溶解用コイルごと傾動させて出湯する方法が一般に用いられている。
そこで図7に示すようにるつぼ底部に出湯用ノズル200を設け、るつぼ内の溶湯をるつぼ底部から出湯用ノズル200を通じて外部下方に出湯する方法が種々検討されている。
コールドクルーシブル溶解炉を用いた溶解では、るつぼ内部の金属溶湯はるつぼ底部に接する部分が、るつぼ底部による冷却によって凝固金属(スカル)となり、金属の溶解中はその凝固スカルによって出湯用ノズルが閉塞された状態にある。
こうした問題のため、現状では大容量のコールドクルーシブル溶解炉を用いた溶解は未だ実用化に到っていないのが実情である。
尚、出湯用ノズル200への凝固スカルの付着の問題を解決することを目的とした出湯用電磁ノズル装置が幾つか提案されているが(例えば下記特許文献1,特許文献2)、未だ十分に上記の問題を解決できてはいない。
具体的には、ノズルコイルを通電停止した状態で出湯を行ったところ、図8に示すように出湯用ノズルの下端からつらら状に垂れ下がるような形で凝固スカルk-1が生じたのに対し、ノズルコイルに通電を行った状態で出湯を行ったところ、出湯用ノズルの下端の口部から出た溶湯が激しく外向きに広がって、出湯用ノズルの下端で外向きに広がった形の凝固スカルk-2の生じる事実を見出した。
即ち本発明者らは、ノズルコイルの作る磁場によって出湯用ノズルの下端の口部を出た溶湯が外向きに引張られるのであれば、出湯の際にノズルコイルの下端位置を従来よりも上側に位置させておけば良いと考え、そこで適正な上下方向・配置位置を調べた結果、ノズルコイルをその下端が出湯用ノズルの下端よりもD以上上位置となるように配置しておくことで良好な結果の得られることが判明した。
従って本発明では、極端な場合にはその漏斗部の外側だけにノズルコイルを位置させておき、ストレート部の外側についてはノズルコイルが無い状態としておくことも可能である。
しかしながら一旦このような凝固スカルが生じてしまうと、即ち次に再びるつぼ内に原料金属を装入して溶解を行い、再度出湯する際に、そのつらら状の凝固スカルが出湯流を乱す要因となる。
図1(図1及び図2は参考例を示す)において、10はコールドクルーシブル溶解炉で、水冷の銅製のるつぼ12と、その外側に配置された溶解用コイル14とを有している。
るつぼ12は周方向に複数分割された円弧状の水冷銅セグメントを絶縁材を介して円筒形状に繋ぎ合わせて構成してある。
16は平板状をなするつぼ底部で水冷銅製である。
出湯用ノズル20は、逆円錐台形状をなす上部の漏斗部20-1と、この漏斗部20-1に続いて下方に垂下する下部のストレート部20-2とを有している。
この出湯用ノズル20も、周方向に分割構造の水冷銅から成るもので、各セグメントを絶縁材を介して周方向に繋ぎ合わせて構成してある。
尚、24はコールドクルーシブル溶解炉10の下方に設置された鋳型であり、またMはるつぼ12内部で溶解された金属の溶湯を、Kはるつぼ12への接触による冷却によって凝固した凝固スカルを表している。
溶解した金属の溶湯Mは、溶解用コイル14による電磁誘導に基づくローレンツ斥力によってるつぼ12の壁部から離れ、るつぼ12内で中心部が上向きに盛り上がったドーム状に半浮遊した状態となる。
そしてるつぼ底部16に接して冷却された底部が凝固して凝固スカルKを形成する。
このとき、凝固スカルKは出湯用ノズル20の上部の漏斗部20-1の開口を閉塞した状態にある。
具体的には、ノズルコイル22への通電を行って、出湯用ノズル20の漏斗部20-1の開口を閉鎖している凝固スカルKを高周波誘導加熱により溶解し、閉塞状態にあった漏斗部20-1を開口せしめる。
これにより、るつぼ12内の金属の溶湯Mが、出湯用ノズル20を通過して下方の鋳型24へと出湯される。
即ち場合によってノズルコイル22を、漏斗部20-1の部分にだけ配置しておくことも可能である。
一方、出湯が終わったところでノズルコイル22を図3(B)(II)に示す下位置までスライド下降させて、出湯後におけるノズルコイル22による高周波誘導加熱を行う。
従って次のチャージの溶解操業を良好且つ円滑に行うことができる。
この例は、ノズルコイル22を上コイル22-1と、下コイル22-2とに上下に分割し、そして上コイル22-1を図3(B)(I)に示す上位置に、また下コイル22-2を、その下端が出湯用ノズル20の下端からL2(L2≧(1/2)Dmm)下方に突き出すように上コイル22-1に並べて配置した例である。
この図4に示す例では、溶湯Mの出湯中は下コイル22-2を上コイル22-1に対し出力を低減若しくはゼロとする。
一方、出湯後に下コイル22-2の出力を高めて下コイル22-2により出湯用ノズル20の下端部に付着した凝固スカルを溶解除去する。
このうち図5(A)の例は、磁場遮蔽用導電リング30を出湯用ノズル20の外周側且つノズルコイル22の下側に配置した例であり、また図5(B)の例は、テーパ状をなす磁場遮蔽用導電リング32を、出湯用ノズル20の下端面から下向きに突出する状態に設けた例である。
従ってこの例によっても、出湯中に出湯用ノズル20の下端部に凝固スカルが付着し且つ成長する現象を効果的に抑制することができる。
このようにしておくことで、出湯中に磁場の外向きの引張力によって出湯用ノズル20の下端部に凝固スカルが付着し成長する現象を効果的に抑制ないし防止することができる。
<実験例1>
純チタンスポンジチタン,スクラップ(合計500kg)を雰囲気コントロールが可能なチャンバ内に設置したるつぼ12内に装入し、そしてチャンバ内を密閉して50Paまで真空排気後、チャンバ内にArを大気圧となるまで封入した。
そして溶解用コイル14を出力2400kW,600Hzの周波数で通電して、るつぼ12内に装入した原料金属を全量溶解し、30分間均質化のための保持を行った。
その後鋳塊を500℃以下までArガス雰囲気下で冷却し、しかる後これを取り出した。
ここで表1中のNo.1は図1及び図2に示す出湯用電磁ノズル装置において図2(I)中L1の距離を−20mm(つまりノズルコイル22下端が出湯用ノズル20の下端よりも下側位置)とした場合であり、またNo.2はL1を20mmとした場合、No.3はL1を40mmとした場合、No.4はL1を55mmとした場合、No.5はL1を55mmとし且つ図5(A)に示す磁場遮蔽用導電リング30を用いた場合を、No.6はL1を55mmとし且つ図5(B)の磁場遮蔽用導電リング32を用いた場合をそれぞれ示している。
またNo.6は図5(B)の磁場遮蔽用導電リング32として、銅製で下端の内径d3=φ102mm,外径d4=φ114mm,上端の内径d5=φ70mm,外径d6=φ82mm,高さH=45mmのものを用いた。
尚この実施例において、出湯用ノズル20における口径D=φ35mmである(ストレート部20-2の長さ:225mm,ノズルコイル22の巻数:9.5巻)。
次に、図2に示したノズルコイル22を出湯後に下向きにスライド下降させ、そして図3(B)(II)に示すL2を変えてノズルコイル22による出湯後の加熱を行った。
その結果が表2に示してある。
12 るつぼ
14 溶解用コイル
16 るつぼ底部
18 出湯用電磁ノズル装置
20 出湯用ノズル
20-1 漏斗部
20-2 ストレート部
22 ノズルコイル
22-1 上コイル
22-2 下コイル
30,32 磁場遮蔽用導電リング
Claims (1)
- 水冷のるつぼの内部に装入した原料金属を該るつぼの外側に設けた溶解用コイルにて高周波誘導溶解し、該原料金属を該るつぼ内で半浮遊状態に溶解するコールドクルーシブル溶解炉のるつぼ底部に溶湯を出湯する出湯用ノズルを設けるとともに、該出湯用ノズルの外側にノズルコイルを設けて成り、該ノズルコイルにより該るつぼ底部で凝固した凝固金属を高周波誘導溶解して前記るつぼ内の溶湯を出湯するようになしたコールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置を用いた出湯方法であって、
前記出湯用ノズルの出湯口径をDとして、前記ノズルコイルを、該ノズルコイルの下端が該出湯用ノズルの下端よりもD以上の上方に位置する上位置と、該出湯用ノズルの下端よりも(1/2)D以上下方に突き出した下位置との間で上下にスライド可能に、該出湯用ノズルの外側に配置し、
溶湯の出湯時に前記ノズルコイルを前記上位置に位置させた状態で該ノズルコイルによる高周波誘導加熱を行い、出湯後において該ノズルコイルを前記下位置までスライド下降させて該ノズルコイルによる高周波誘導加熱を行い、前記出湯用ノズルの下端部に付着した凝固金属を加熱溶解することを特徴とする出湯方法。
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