JP2008002762A - 浮揚溶解装置およびそれを用いた加熱調理器の製造方法 - Google Patents

浮揚溶解装置およびそれを用いた加熱調理器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で鋳造品の製造が可能な浮揚溶解装置およびそれを用いた加熱調理器の製造方法を提供する。
【解決手段】球状黒鉛鋳鉄を溶解する浮揚溶解装置において、るつぼ11の出湯口14に嵌合させる出湯栓13の原料として、フェロシリコン(Fe―Si合金)を用いる。出湯栓13は、高周波誘導加熱コイル12による誘導加熱により、原料鋳鉄よりも遅れて溶解するために、出湯栓13をわざわざ引き抜くことなく、るつぼ11内の金属溶湯30を鋳型20に供給することができる。これにより、出湯栓13を引き抜くための制御や構造が不要となり、浮揚溶解装置1の簡略化を図ることができる。また、鋳造直前の溶解球状黒鉛鋳鉄に、出湯栓13の構成要素であるケイ素を添加(接種)することができ、完成後の球状黒鉛鋳鉄品の品質を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属材料をるつぼから浮揚させた状態で溶解する浮揚溶解装置、およびその浮揚溶解装置を用いた加熱調理器の製造方法に関する。
従来、フライパンなどの球状黒鉛鋳鉄製(ダクタイル鋳鉄製)の加熱調理器の製造方法としては、電気炉を用いて、原料をアーク溶解させるものが一般的である。アーク溶解は、高圧下において、低電圧での放電(アーク放電)を行い、気体分子をジュール加熱することによって、熱プラズマを発生させて金属を融解させるものである。
しかしながら、この方法は、金属溶解に時間がかかることから生産効率が悪いという問題点に加え、溶解炉内に不純物が付着していた場合には不純物が溶解金属内に混入してしまい、完成品の品質を低下させてしまうという問題点があった。また、均一組成の合金を溶解させるためには、溶解手段のほかに攪拌手段を設けなくてはならないという問題点もあった。
さらに、鋳鉄は、組織中の黒鉛の形状が球状に近いほど強度に優れている「球状黒鉛鋳鉄」となることが知られている。また、球状黒鉛鋳鉄を時間をかけて溶解した場合には、溶解時間中に、組織中に析出する黒鉛の形状が球状から三日月形状になってしまう「ねずみ鋳鉄」となることも知られている。そのため、組織中に析出する黒鉛の形状を球状にして、完成品の機械的強度を保つためには、例えば特許文献1に示すように、原料鋳鉄の溶解後、不活性ガスを吹き込むとともに、マグネシウム化合物を添加することにより溶湯中の酸素を除去した後、鋳造直前に球状黒鉛の核となるフェロシリコンなどを添加するといった複雑な工程を踏まなくてはならないという問題点があった。
一方、別の金属溶解方法として浮揚溶解法がある。浮揚溶解法は、溶解金属を電磁力によって浮遊させ、金属をるつぼと非接触状態で溶解させる点が特徴であり、主にチタンなどの高融点、高純度金属の溶解に用いられる。
以下、図7を参照して浮揚溶解装置の装置構成と原理を説明する。浮揚溶解装置300は、金属塊を溶解する浮揚溶解炉310と、浮揚溶解炉310で金属塊から生じた溶湯330を供給する鋳型320とを備える。浮揚溶解炉310は、るつぼ311と、その周囲に巻かれた高周波誘導加熱コイル312と、高周波誘導加熱コイル312を励磁するための高周波電源(図示せず)とからなる。この高周波誘導加熱コイル312に高周波電流を通電すると、るつぼ311と、るつぼ311中の金属とに渦電流が誘起される。これにより、るつぼ311内の金属塊は、誘起された渦電流のジュール熱により加熱溶解され、溶湯330となる。ここで、るつぼ311と溶湯330とに誘起された渦電流は対向面において逆向きであることにより、相互に電磁反発力が発生し、るつぼ311と溶湯330とは非接触状態を保つ。
この浮揚溶解装置300としては、特許文献2に示すような、るつぼ311の底孔313に引抜可能な出湯栓が設けられて、出湯栓を引き抜くことにより溶湯330を鋳型320に流し込む出湯栓可動式と、特許文献3に示すような、るつぼ311を反転させることによりるつぼ上部315から溶湯330を鋳型に流し込む反転出湯式とに大別される。
特開2006−63396号公報 特開2002−195756号公報 特開2005−153002号公報
浮揚溶解法によれば、金属塊の溶解を短時間で行うことができるとともに、るつぼ311の内部に付着した不純物が溶湯330に混入することがない。さらに、強力な電磁攪拌力が働くので、均一組成の合金の溶解が可能である。
しかしながら、浮揚溶解法は、出湯栓可動式によれば、出湯栓を引き抜くための制御のために浮揚溶解装置300の構造が複雑になってしまうという問題点があった。一方、反転出湯式によれば、フライパンのような体積、質量の大きい完成品を製造しようとすると、るつぼ311を反転させるための大きな動力や広い回転スペースが必要になってしまうという問題点があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、簡単な構造で鋳造品の製造が可能な浮揚溶解装置およびそれを用いた加熱調理器の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明の浮揚溶解装置は、底部に出湯口を有するるつぼの外周側に配置した高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱に基づいて、該るつぼ内に投入した金属材料を浮揚溶解させる浮揚溶解炉と、前記浮揚溶解炉の下側に設けられ、該浮揚溶解炉により浮揚溶解された前記金属材料である金属溶湯が、前記るつぼの出湯口から供給される鋳型と、前記出湯口に嵌合される出湯栓とを有する浮揚溶解装置であって、前記出湯栓を、前記金属材料よりも前記高周波誘導加熱コイルから遠い位置に設けることにより、前記出湯栓を、前記高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱に基づいて、前記金属材料よりも遅れて溶解させることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記出湯栓は、前記金属材料の主原料を含む合金で形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記金属材料の主原料は、鉄であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記金属材料は、球状黒鉛鋳鉄であることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項3または4に記載の発明の構成に加え、前記出湯栓の材質には、球状黒鉛鋳鉄用の接種剤が含まれていることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記球状黒鉛鋳鉄用の接種剤は、フェロシリコン(Fe−Si)であることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記鋳型は金属で形成されるとともに、前記金属溶湯が供給される前に、あらかじめ、温められていることを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記鋳型の内部を減圧するための真空ポンプと、前記浮揚溶解炉と前記鋳型との間に、当該浮揚溶解炉から当該鋳型に前記金属溶湯を流し込むための金属溶湯通路と、前記金属溶湯通路を遮断する遮断体とを有し、前記遮断体は、前記金属溶湯が前記金属溶湯通路を通過する際に、当該金属溶湯に接触して溶融することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項8に記載の発明の構成に加え、前記遮断体の主原料と前記金属材料の主原料とは同一であることを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の浮揚溶解装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記鋳型の内部を減圧するための真空ポンプと、前記真空ポンプと前記鋳型とを連通させる配管とを有し、前記鋳型の前記配管側の開口部には、微細な多数の通孔を有する多孔質栓体が設けられていることを特徴とする。
また、請求項11に係る加熱調理器の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載の浮揚溶解装置を用いて加熱調理器を製造することを特徴とする。
請求項1に係る発明の浮揚溶解装置では、るつぼの出湯口に嵌合された出湯栓が、高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱に基づいて溶解するために、溶解した出湯栓をわざわざ引き抜くことなく、金属原料である金属溶湯を鋳型内に供給することができる。これにより、出湯栓を引き抜くための制御や構造が不要となるため、浮揚溶解装置の簡略化、小型化を図ることができる。また、出湯栓は、前記金属材料よりも前記高周波誘導加熱コイルから遠い位置に設けられて、金属材料よりも遅れて溶解するために、るつぼ内を十分に高温にして、るつぼ内の金属材料を完全に溶解させた後に、出湯栓を溶解させて、出湯口から均一に溶解した状態の金属溶湯を鋳型に供給することができる。しかも、出湯栓を金属材料よりも遅れて溶解させるための装置等をわざわざ設ける必要がないため、浮揚溶解装置の複雑化、大型化を招くことがない。
また、請求項2に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、出湯栓が、るつぼ内に投入される金属材料の主原料を含む合金を主原料として形成されるため、溶解した出湯栓と原料金属材料とを混合した後にも、原材料の組成を大きく変化させることがない。そのため、完成品の品質を保つことができる。
また、請求項3に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、鉄を主原料とした金属材料を、簡単な構造で短時間に溶解させて鋳型に流し込むことができる。これにより、これまで時間を要していた鉄加工を短時間に行うことができ、鉄加工品の生産性を向上させることができる。
また、請求項4に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、原料である球状黒鉛鋳鉄を短時間で溶解させて鋳型に流し込むことができる。そのため、原料鋳鉄の組織中にもともと析出している球状黒鉛の形状を保ったまま加工を行うことができ、完成鋳鉄品の組織中に析出する黒鉛形状を球状にするための複雑な工程を踏むことなく、完成鋳鉄品の組織中に球状黒鉛を析出させることができる。これにより、機械的強度の高く、チル化の恐れのない球状黒鉛鋳鉄製品を、簡単かつ短時間に加工することができる。
また、請求項5に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項3または4に記載の発明の効果に加え、球状黒鉛鋳鉄用の接種剤を含む出湯栓が、るつぼ内に投入された原料鉄合金よりやや遅れて溶解するため、るつぼ内の原料鉄合金が完全に溶けてから接種剤により形成された出湯栓を溶解させて、出湯栓の構成要素である接種剤を原料鋳鉄内に添加することができる。鋳造直前の鋳鉄に接種剤を添加すること(接種)により、黒鉛生成の核が増えて、チル化の恐れの少ない良好な球状黒鉛鋳鉄が生成されることが知られているが、本発明では、簡単に鋳造直前の鋳鉄に接種剤を添加して、完成鋳鉄品の品質を向上させることができる。
また、請求項6に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項5に記載の発明の効果に加え、出湯栓に含まれる接種剤としてフェロシリコン(Fe−Si)を用いたため、鋳造直前の鋳鉄に、鋳鉄中の炭素の黒鉛化に寄与するケイ素(Si)を添加することができる。これにより、チル化の恐れの少ない良好な球状黒鉛鋳鉄品を生成することができる。また、フェロシリコン(Fe−Si)を組成する鉄(Fe)は、原料である球状黒鉛鋳鉄の主成分であるため、出湯栓が溶解して原料の球状黒鉛鋳鉄に混入した後にも、原材料の組成を大きく変化させることがない。そのため、完成品の品質を保つことができる。
また、請求項7に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加え、あらかじめ温められた金型にるつぼ内の金属溶湯が供給されるために、鋳型内で金属溶湯が急冷されるのを防ぎ、パーライト相が形成されるための十分な冷却時間を確保することができる。これにより、完成鋳鉄品のチル化を防止して品質を向上させることができる。
また、請求項8に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、遮断体が金属溶湯通路を遮断するため、金属溶湯が金属溶湯通路を通過する前には、真空ポンプは遮断体より上方の空気を吸引せずに遮断体より下方の空間のみを減圧させることができる。一方、金属溶湯が金属溶湯通路を通過する際には、遮断体が金属溶湯に接触して溶融し、減圧された遮断体より下方の空間が開放されるため、遮断体の下方と上方との間に大きな圧力差を生じさせることができる。これにより、金属溶湯を遮断体上方から下方の鋳型内部にスムーズに吸引して、鋳型内部に金属溶湯を供給することができる。したがって、鋳型内部に金属溶湯を供給する際の空気の巻き込みを軽減し、空気の巻き込みによる鋳造欠損を防止することができる。また、遮断体を金属溶湯との接触により溶融させる構成としたため、遮断体を取り除くための複雑な制御や装置を必要としない。これにより、浮揚溶解装置の小型化、簡素化を図ることができる。
また、請求項9に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項8に記載の発明の効果に加え、遮断体の主原料と金属材料の主原料とは同一であるために、溶融した遮断体が金属溶湯に混入した後にも、金属溶湯の組成を大きく変化させることがない。これにより、完成品の品質を保つことができる。
また、請求項10に係る発明の浮揚溶解装置によれば、請求項1乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、前記鋳型の前記配管側の開口部に設けられた多孔質栓体が微細な多数の通孔を有するために、空気の流出は許容する一方、金属溶湯の流出は防止する。つまり、真空ポンプによって鋳型の内部を減圧する際には、鋳型内部の空気の吸引が可能である一方、金属溶湯が鋳型内に供給された際には、金属溶湯の流出を防止することができる。これにより、真空ポンプによって鋳型の内部を減圧している最中および金属溶湯を鋳型内に供給している最中のいずれも、多孔質栓体を設置したままにしておくことができる。これにより、製造工程を簡略化することができるとともに、浮揚溶解装置の小型化、簡略化を図ることができる。
また、請求項11に記載の加熱調理器の製造方法によれば、請求項1乃至10のいずれかに記載の浮揚溶解装置を用いて加熱調理器を製造するために、簡単かつ短時間に加熱調理器を製造することができる。さらに、原料として球状黒鉛鋳鉄を用いた場合には、機械的強度に優れ、チル化の恐れのない球状黒鉛鋳鉄製の加熱調理器を、簡単かつ短時間に製造することができることから、製造する加熱調理器の肉厚を薄くして、加熱調理器の軽量化を図ることができる。つまり、加熱調理器を形成する鋳鉄組織中に析出する黒鉛の形状が球状でない場合には、加熱調理器の肉厚を薄くすると、析出した黒鉛に応力が集中して破損や割れが生じてしまうことから、肉厚を薄くすることができなかった。一方、本発明の加熱調理器の製造方法によれば、簡単に加熱調理器を形成する鋳鉄組織中の黒鉛形状を球状とすることができるため、加熱調理器の肉厚を薄くした場合にも、強度不足による破損や製造中の割れを防止することができる。
以下、本発明の浮揚溶解装置およびそれを用いた球状黒鉛鋳鉄製加熱調理器(ダクタイル鋳鉄製加熱調理器)の製造方法の一例である実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本実施形態における浮揚溶解装置1の金属材料溶解中の縦断面図であり、図2は本実施形態の浮揚溶解装置1に設けられたるつぼ11の出湯口14に嵌合させる出湯栓13の斜視図である。また、図3は、本実施形態の浮揚溶解装置1に設けられた湯口カップ部60の縦断面図であり、図4は、湯口カップ部60に設けられたストレーナ62の斜視図である。また、図5は本実施形態における浮揚溶解装置1の浮揚原理図であり、図6は本実施形態における浮揚溶解装置1の鋳造中の縦断面図である。
はじめに、本実施形態の浮揚溶解装置1の構造について、図1を参照して説明する。浮揚溶解装置1は、原料金属である球状黒鉛鋳鉄を溶解、鋳造して、球状黒鉛鋳鉄製加熱調理器を製造するためのものであり、原料金属塊を溶解する浮揚溶解炉10と、浮揚溶解炉10で金属魂が溶解して生じた金属溶湯30が供給される鋳型20と、浮揚溶解炉10で生じた金属溶湯30を鋳型20に送りこむための湯口カップ部60と、浮揚溶解炉10に備えられたるつぼ11を冷却する冷却系40と、鋳型20に形成された中空部を真空にする真空系50とから構成される。
浮揚溶解炉10は、原料金属塊を投入するるつぼ11と、るつぼ11の周囲に巻かれた高周波誘導加熱コイル12と、高周波誘導加熱コイル12を励磁するための高周波電源(図示せず)と、るつぼ底部の出湯口14に嵌合される出湯栓13とからなる。
るつぼ11は、すり鉢形状であり、図示しないスリットにより分割された多数の銅セグメントから構成される。るつぼ11の底部には、るつぼ11の内部で溶解した原料金属を、後述する鋳型に流し込むための出湯口14が形成されている。この出湯口14は、径が約10mmの円筒形状の中空である。
出湯栓13は、フェロシリコン(Fe−Si合金)により形成される。この出湯栓13は、図2に示すように、径の異なる2段の円筒部よりなり、出湯口14に嵌合される円筒形の嵌合部131と、嵌合部131の上部に設けられた嵌合部131より径の大きい円筒形のフランジ部132とから構成される。嵌合部131は、出湯口14に嵌合される形状であれば良く、本実施形態では、径が約10mmであり、高さが約17mmである。また、フランジ部132は、径が嵌合部131より大きい13mmであり、高さは13mmである。なお、このフランジ部132の高さにより、後述するように出湯栓13の溶解時間が決定され、本実施形態で示すように13mmが最適である。高さが13mm未満の場合には、原料金属魂が完全に溶解する前に出湯栓13が溶解してしまい、完成品の品質が保てなくなってしまう一方、高さが13mm以上の場合には、原料金属魂が完全に溶解した後、出湯栓13が溶解するまでに時間がかかってしまうため、無駄に製造時間がかかってしまうからである。
るつぼ11の下方には、図1に示すように、湯口カップ部60が設けられる。湯口カップ部60は、図3に示すように、内部に金属溶湯30の流路が形成される湯口カップ本体61と、金属溶湯30に含まれる不純物を取り除くためのストレーナ62と、金属溶湯30の流路を上下で遮断する遮断体63とから構成されている。なお、この金属溶湯30の流路が、本発明における金属溶湯通路に相当する。
湯口カップ本体61は、シェル砂を硬化樹脂で固めることにより形成され、湯口カップ本体左部614と湯口カップ本体右部615とから構成される。この湯口カップ本体左部614と湯口カップ本体右部615とを左右にはめ合わせることにより、湯口カップ本体左部614と湯口カップ本体右部615との間の隙間に、金属溶湯30の流路が形成される。金属溶湯30の流路は、上流側から、すり鉢形状のカップ部611と、カップ部611の下部に設けられた略筒状の溶湯導入部612とから形成されている。また、溶湯導入部612には、中間部にフランジ状のフランジ部613が設けられている。
フランジ部613には、上から、金属溶湯30の流路を上下に遮断する遮断体63と金属溶湯30に含まれる不純物を取り除くためのストレーナ62とが設置される。ストレーナ62は、図4に示すように、セラミックスにより、径40mm、厚み8mmの円盤状に形成されており、上面から下面に貫通する、溶湯流路としての複数の貫通孔621が設けられている。この貫通孔621は、一辺が約2.3mm、高さが8mmの直方体形状である。
遮断体63は、厚さ0.6mmの鉄板により、平面視直径が約40mmの円形に形成されている。
湯口カップ部60の下方には、図1に示すように、鋳型20が設けられる。この鋳型20は、銅合金により形成され、鋳型左部24と鋳型右部25とより構成される。この鋳型左部24と鋳型右部25とを左右に嵌め合わせることにより、鋳型左部24と鋳型右部25との間の隙間に中空部が形成される。中空部は、上から順に、金属溶湯30を出湯口14から後述する型中空部22に案内する円筒中空部21と、フライパン形状の型中空部22と、中空部を真空にするための円筒形の真空口23とから形成されている。また、真空口23には、シェル砂で形成された多孔質栓体26が嵌合される。
多孔質栓体26は、シェル砂を硬化樹脂で固めることにより形成され、円柱形状であり、微細な多数の通孔を有する。多孔質栓体26は、多孔質に形成されていることにより、通気性を有する一方で金属溶湯30を通過させない性質をもつ。
冷却系40は、るつぼ11の上部に配置され、るつぼ11に連結された給排水ジャケット41と、給排水ジャケット41に冷却水を供給する冷却水配管42とから構成される。
真空系50は、主に鋳型20の内部を真空にするためのものであり、図1に示すように、鋳型20に形成された中空部の空気を外部に排出する真空ポンプ52と、鋳型20と真空ポンプ52とに連結される配管55とを有する。配管55は、一端部において鋳型20に形成された真空口23と連結され、他端部において真空ポンプ52に連結される。
次に、上述した浮揚溶解装置1を用いて、球状黒鉛鋳鉄製のフライパン(ダクタイル鋳鉄製フライパン)を製造する工程を図1乃至図6を参照して説明する。まず、図1に示すように、るつぼ11の出湯口14に出湯栓13を嵌合した後、るつぼ11の中に、フライパンの原料となる1.5kgの球状黒鉛鋳鉄(炭素3.2〜4.0%、ケイ素1.5〜2.5%)を投入し、冷却水配管42から、給排水ジャケット41に冷却水を供給する。次に、鋳型20を、電気ヒータを用いておよそ300℃に温める。そして、鋳型20に形成された真空口23に多孔質栓体26を嵌合させた後、真空口23と配管55とを連結させ、真空ポンプ52を駆動する。この際、多孔質栓体26は複数の通孔を有するために、鋳型20の内部の空気は、多孔質栓体26の通孔を介して吸引される。また、湯口カップ部60に形成された金属溶湯30の流路には遮断体63が設けられているため、真空ポンプ52は遮断体63より上方の空気は吸引せずに下方の空気のみを吸引し、遮断体63より下方の空間のみを減圧する。
この状態で、高周波誘導加熱コイル12に高周波電流を通電すると、るつぼ11と、るつぼ11に投入した球状黒鉛鋳鉄とに、図5に示すように、渦電流100が誘起される。これにより、るつぼ11内の球状黒鉛鋳鉄は、誘起された渦電流100のジュール熱により加熱溶解され、およそ2分程度で、原料である球状黒鉛鋳鉄の融点よりも約100℃高温の金属溶湯30となる。ここで、るつぼ11と金属溶湯30とに誘起された渦電流100は、図5に示すように対向面において逆向きであるから、相互に電磁反発力が発生し、るつぼ11と金属溶湯30とは、ほぼ非接触状態となる。
この状態のまま、さらに高周波誘導加熱コイル12に高周波電流を通電し続けると、球状黒鉛鋳鉄よりも高周波誘導加熱コイル12から遠い場所に設置された出湯栓13が、渦電流100のジュール熱からの伝熱により、中心部から溶解し始める。この出湯栓13の溶解時間は、高周波誘導加熱コイル12からの距離、出湯栓13の組成等のほかに、前述したように、フランジ部132の高さに依存し、フランジ部132の高さが高いほど溶解時間が長くなる。本実施形態では、るつぼ11内の球状黒鉛鋳鉄が完全に溶解した後およそ30秒後、つまり高周波誘導加熱コイル12への通電後およそ2分30秒後に、図6に示すように、出湯栓13に貫通孔133が形成される。
出湯栓13に貫通孔133が形成されると、図6に示すように、完全に溶解した金属溶湯30が貫通孔133を経由してカップ部611に流れ込む。この間も、出湯栓13は溶解し続けて、金属溶湯30とともに、カップ部611に流れ込む。
高温の金属溶湯30がカップ部611に流れ込むと、カップ部611の下方に設けられた遮断体63と金属溶湯30とが接触し、鉄製の遮断体63は、金属溶湯30からの伝熱により鉄の融点に達し溶解する。すると、遮断体63より下方の減圧された空間は開放されて、遮断体63の上方と下方との間に圧力差が生じる。これにより、カップ部611の中の金属溶湯30は、遮断体63より下方の減圧された鋳型20の内部にスムーズに吸引される。なお、この金属溶湯30がカップ部611から鋳型20の内部に流れ込む間も、真空ポンプ52は稼動し続けて、鋳型20に形成された中空部を減圧し続ける。
ここで、遮断体63の下方には、ストレーナ62が設けられているため、カップ部611の中の金属溶湯30は、カップ部611から鋳型20の内部に流れ込む前に、ストレーナ62に形成された複数の貫通孔621を通過する。これにより、金属溶湯30に含まれる不純物がろ過される。
金属溶湯30および出湯栓13が鋳型20に流れ込んだ後で、高周波誘導加熱コイル12への高周波電流の通電を停止して、真空ポンプ52の稼動を停止する。その後、鋳型内の金属溶湯30を鉄の融点以下になるまで自然冷却することにより、球状黒鉛鋳鉄製のフライパンが完成する。
以上説明したように、本実施形態の浮揚溶解装置1では、るつぼ11の出湯口14に嵌合された出湯栓13が、高周波誘導加熱コイル12による誘導加熱等に基づいて溶解するために、出湯栓13をわざわざ引き抜くことなく、金属溶湯30を鋳型20に供給することができる。これにより、出湯栓13を引き抜くための制御や構造を不要とし、浮揚溶解装置1の簡略化、小型化を図ることができる。
また、出湯栓13は、原料金属材料よりも遅れて溶解するために、るつぼ11内の金属材料が完全に溶けてから出湯栓13を溶解させて、溶解した金属溶湯30を鋳型20に供給することができる。
また、出湯栓13と高周波誘導加熱コイル12との距離、および原料金属と高周波誘導加熱コイル12との距離を変えることにより、出湯栓13を原料金属材料よりも遅れて溶解させる構成としたために、出湯栓13と原料金属との溶解時間をずらすための専用の装置をわざわざ設ける必要がない。そのため、浮揚溶解装置の簡略化、小型化を図ることができる。
また、るつぼ11に投入する原料金属として球状黒鉛鋳鉄を用い、球状黒鉛鋳鉄を短時間で溶解、鋳造するために、原料組織中に析出している球状黒鉛の形状を保持させたまま加工を行うことができる。このため、加工するフライパンの組織中に析出する黒鉛形状を球状にするための複雑な工程を踏むことなく、フライパンの組織中に球状黒鉛を析出させて、機械的強度を向上させることができる。また、これまで生産に時間を要していたダクタイル製フライパンを含む鉄製品について、短時間に製造して、生産性を向上させることができる。
さらに、出湯栓13をフェロシリコン(Fe―Si合金)により形成したために、誘電加熱および金属溶湯30からの伝熱に基づいて溶解した出湯栓13が、球状黒鉛鋳鉄から生成された金属溶湯30に混入しても、原材料の組成を大きく変化させることがない。そのため、完成した球状黒鉛鋳鉄製フライパンの品質を保つことができる。
しかも、鋳造前の原料鋳鉄にフェロシリコンなどを用いてケイ素(Si)を添加すること(接種)により、黒鉛生成の核が増えて、良好な球状黒鉛鋳鉄が生成されることが知られているが、本実施形態では、フェロシリコン(Fe−Si合金)により形成された出湯栓13が溶解して金属溶湯30とともに鋳型20に供給される過程で、ケイ素(Si)を原料の球状黒鉛鋳鉄中に混入させることができる。このように、製造過程の一部として、原料鋳鉄にケイ素(Si)を添加することができるために、ケイ素(Si)鋳鉄内に添加するための工程をわざわざ設ける必要がなく、簡単にダクタイル鋳鉄製フライパンの品質を向上させることができる。
また、鋳型20に金属溶湯30を流し込む前に、鋳型20をあらかじめ300℃に温めておくために、鋳型20に供給された金属溶湯30の鋳型20との接触部分の急冷を防ぎ、完成品にパーライト相が形成されるための十分な冷却時間を確保することができる。これにより、完成するダクタイル鋳鉄製フライパンのチル化を防止して、品質を向上させることができる。
さらに、浮揚溶解炉10と鋳型20との間に、シェル砂により形成された湯口カップ部60を設けたために、高周波誘導加熱コイル12の短絡や放電を防止することができる。また、鋳型20が、高周波誘導加熱コイル12からの誘電加熱により破損してしまうことを防止できる。
また、湯口カップ部60に形成された金属溶湯30の流路中に遮断体63を設けたために、金属溶湯30が金属溶湯30の流路を通過する前には、真空ポンプ52は遮断体63より上方の空気を吸引せずに遮断体63より下方の空間のみを減圧させることができる。一方、金属溶湯30が金属溶湯30の流路を通過する際には、遮断体63が金属溶湯30に接触して溶融し、遮断体63より下方の減圧された空間が開放されるため、遮断体63の下方と上方との間に大きな圧力差を生じさせることができる。これにより、金属溶湯30を遮断体63の上方から下方の鋳型20内部にスムーズに吸引して、鋳型20内部に金属溶湯30を供給することができる。したがって、鋳型20内部に金属溶湯30を供給する際の空気の巻き込みを軽減し、空気の巻き込みによる鋳造欠損を防止することができる。
また、遮断体63を金属溶湯30との接触により溶融させる構成としたため、遮断体63を取り除くための複雑な制御や装置を設けなくても、遮断体63を除去して金属溶湯30を鋳型20に供給することができ、浮揚溶解装置1の簡素化、小型化を図ることができる。
また、遮断体63を0.6mmの薄い鉄板により形成したために、遮断体63の熱容量を小さくできる一方で、遮断体63と金属溶湯30との接触面積を大きくすることができる。そのため、遮断体63と金属溶湯30とが接触した際には、遮断体63は金属溶湯30の熱により直ちに溶融するとともに、金属溶湯30の温度を大幅に下げることがない。これにより、製造時間の短縮を図ることができるとともに、完成品の品質を保つことができる。
しかも、遮断体63を原料金属の主原料である鉄により形成したために、溶解した遮断体63が、金属溶湯30に混入しても、原材料の組成を大きく変化させることがない。そのため、完成した球状黒鉛鋳鉄製フライパンの品質を保つことができる。
また、湯口カップ部60には、遮断体63の下部にストレーナ62を設けたために、金属溶湯30をカップ部611から鋳型20の内部に供給する間に、金属溶湯30に含まれる不純物を取り除くことができる。これにより、鋳型20には不純物の含まれない金属溶湯30を供給させることができ、完成するダクタイル鋳鉄製フライパンの品質を向上させることができる。
さらに、鋳型20に形成された真空口23に勘合させる多孔質栓体26は、微細な多数の通孔を有するために、空気の流出は許容する一方、金属溶湯30の流出は防止する。つまり、真空ポンプ52によって鋳型の内部を減圧する際には、鋳型20内部の空気の吸引が可能である一方、金属溶湯30が鋳型20内に供給された際には、金属溶湯30の流出を防止することができる。これにより、真空ポンプ52によって鋳型20の内部を減圧している最中および金属溶湯30を鋳型20内に供給している最中のいずれも、多孔質栓体26を設置したままにしておくことができる。これにより、製造工程を簡略化することができるとともに、浮揚溶解装置1の小型化、簡略化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせは一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき、種々変更可能である。例えば、浮揚溶解装置1で溶解する金属材料としては、球状黒鉛鋳鉄に限定されず、種々の金属材料を溶解することができる。また、金属材料として球状黒鉛鋳鉄を用いた場合に、完成鋳鉄品の品質を向上させる効果は、出湯栓13の材質としてフェロシリコン(Fe−Si)を用いた場合に限定されず、例えば、Ca−Si合金、Ca−Si−Ba合金など、接種剤となるものを用いた場合にも同様の効果が得られる。さらに、鋳型20としては金型を用いるものに限定されず、例えば砂型を用いても良い。また、鋳型20を温める手段としては電気ヒータに限定されないし、鋳型20の温度は、供給される金属溶湯30の急冷を防ぐ程度であれば良く、300℃に限定されない。また、るつぼ11と鋳型20との間に、湯口カップ部60を設けるものに限定されず、たとえば、るつぼ11と鋳型20との間に、微小空間を設けて、高周波誘導加熱コイル12の短絡や放電を防止する構成としてもよい。さらに、完成品は球状黒鉛鋳鉄製加熱調理器(ダクタイル鋳鉄製加熱調理器)に限定されず、種々の製品の製造が可能である。
本実施形態における浮揚溶解装置の金属材料溶解中の縦断面図である。 本実施形態の浮揚溶解装置に設けられたるつぼの出湯口に嵌合させる出湯栓の斜視図である。 本実施形態の浮揚溶解装置に設けられた湯口カップ部60の縦断面図である。 湯口カップ部60に設けられたストレーナ62の斜視図である。 本実施形態における浮揚溶解装置の浮揚原理図である。 本実施形態における浮揚溶解装置の鋳造中の縦断面図である。 従来例を説明するための浮揚溶解装置の金属材料溶解中の縦断面図である。
符号の説明
1 浮揚溶解装置
10 浮揚溶解炉
11 るつぼ
12 高周波誘導加熱コイル
13 栓
14 出湯口
20 鋳型
23 真空口
26 多孔質栓体
30 金属溶湯
40 冷却系
50 真空系
52 真空ポンプ
55 配管
60 湯口カップ部
61 湯口カップ本体
62 ストレーナ
63 遮断体
100 渦電流

Claims (11)

  1. 底部に出湯口を有するるつぼの外周側に配置した高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱に基づいて、該るつぼ内に投入した金属材料を浮揚溶解させる浮揚溶解炉と、
    前記浮揚溶解炉の下側に設けられ、該浮揚溶解炉により浮揚溶解された前記金属材料である金属溶湯が、前記るつぼの出湯口から供給される鋳型と、
    前記出湯口に嵌合される出湯栓と
    を有する浮揚溶解装置であって、
    前記出湯栓を、前記金属材料よりも前記高周波誘導加熱コイルから遠い位置に設けることにより、
    前記出湯栓を、前記高周波誘導加熱コイルによる誘導加熱に基づいて、前記金属材料よりも遅れて溶解させることを特徴とする浮揚溶解装置。
  2. 前記出湯栓は、前記金属材料の主原料を含む合金で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の浮揚溶解装置。
  3. 前記金属材料の主原料は、鉄であることを特徴とする請求項1または2に記載の浮揚溶解装置。
  4. 前記金属材料は、球状黒鉛鋳鉄であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の浮揚溶解装置。
  5. 前記出湯栓の材質には、球状黒鉛鋳鉄用の接種剤が含まれていることを特徴とする請求項3または4に記載の浮揚溶解装置。
  6. 前記球状黒鉛鋳鉄用の接種剤は、フェロシリコン(Fe−Si)であることを特徴とする請求項5に記載の浮揚溶解装置。
  7. 前記鋳型は金属で形成されるとともに、前記金属溶湯が供給される前に、あらかじめ、温められていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の浮揚溶解装置。
  8. 前記鋳型の内部を減圧するための真空ポンプと、
    前記浮揚溶解炉と前記鋳型との間に、当該浮揚溶解炉から当該鋳型に前記金属溶湯を流し込むための金属溶湯通路と、
    前記金属溶湯通路を遮断する遮断体と
    を有し、
    前記遮断体は、前記金属溶湯が前記金属溶湯通路を通過する際に、当該金属溶湯に接触して溶融することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浮揚溶解装置。
  9. 前記遮断体の主原料と前記金属材料の主原料とは同一であることを特徴とする請求項8に記載の浮揚溶解装置。
  10. 前記鋳型の内部を減圧するための真空ポンプと、
    前記真空ポンプと前記鋳型とを連通させる配管と
    を有し、
    前記鋳型の前記配管側の開口部には、微細な多数の通孔を有する多孔質栓体が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の浮揚溶解装置。
  11. 加熱調理器の製造方法であって、
    請求項1乃至10のいずれかに記載の浮揚溶解装置を用いて加熱調理器を製造することを特徴とする加熱調理器の製造方法。
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