JP3779514B2 - コールドクルーシブル誘導溶解法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコールドクルーシブル誘導溶解法に関し、詳細にはチタン等の高融点・活性金属材料を大量に溶解・鋳造することのできる大型のコールドクルーシブル誘導溶解装置を用いた溶解法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は代表的なコールドクルーシブル誘導溶解装置の縦断面図を示す概略説明図である。溶解用コイル1の内側に、水冷銅セグメント構造からなるるつぼ2を設置し、るつぼ底部の構造として、平坦な底面を有するリング状の水冷銅底板9、テーパ面3aとストレート部3bを有する水冷銅セグメント構造からなる出湯ノズル3を、その外側に出湯用コイル4を配置したものである。尚、上記溶解用コイルには溶解用加熱電源が接続され、上記出湯用コイルには出湯用加熱電源が接続されている。
【0003】
上記コールドクルーシブル誘導溶解装置を用いて金属材料の溶解を行うにあたっては、初めに原料をるつぼ内に装入し、溶解用加熱電源7をONにして誘導溶解を行い、溶解後、溶湯温度及び凝固スカル6の形状が定常となるまで一定時間保持する。次いで、出湯用加熱電源8をONにし、出湯ノズルのテーパ部内の凝固スカル層を溶解させて出湯を行うものである。
【0004】
ところで、板製品を製造するために用いられる圧延機は大掛かりな装置であり、圧延実施可能な鋳塊サイズには、例えば200mm×100mm×2000mm以上であること等の制約があり、チタンでこの条件を満足するためには、160kg以上の鋳塊が必要となる。コールドクルーシブル誘導溶解装置を用いてチタン160kgの鋳塊を1回の溶解鋳造で製造する為には、るつぼ直径として400mm以上が必要である。しかしながら、現存するコールドクルーシブル溶解炉のほとんどは、溶解量が数kgの試験研究用であって、最大でも溶解量数十kg程度のものであり、溶解用加熱電源の出力はせいぜい1000kW程度であった。従って、コールドクルーシブル誘導溶解装置で製造されるものは、精密鋳造等の小型製品に限られており、その適用範囲が制約されている。
【0005】
尚、溶解用加熱電源の周波数は、以下に詳述する通り、溶解時の溶湯の安定性と深く係っている。即ち、溶湯に誘起される誘導電流は周波数が高い程表面に集中する傾向にあり(電磁浸透厚み:スキンデプス)、るつぼ直径が5cm以上の炉であれば、周波数を高くしてスキンデプスを約1cm以下とした場合、溶湯に作用する電磁気力は溶湯表面の深さ1cm以内に集中し、溶湯の非接触保持を安定に行うことができるのに対し、周波数が低くスキンデプスが1cmを超えると溶湯は安定せず激しく揺動する。この為、るつぼ側壁面との接触頻度が増加し、これにより溶湯は冷却され、ついには溶解が困難となる。従って、溶解量が数十kgの従来のコールドクルーシブル溶解炉(るつぼの直径300mm以下)では、チタン溶湯のスキンデプスが約1cm以下となる様に、溶解用加熱電源の周波数として、3000Hz以上を採用することが一般的であった。
【0006】
また溶湯の発熱量は、電磁誘導の法則から周波数の平方根に比例して増加することから、周波数が高い方が溶解に適している。
【0007】
更に、溶解用加熱電源については、出力が大きければ大きい程容易に溶解が可能である。
【0008】
従って、るつぼ直径が400mm以上になると、従来のコールドクルーシブル誘導溶解装置に比べて、より高い周波数でかつより高出力の溶解用加熱電源設備が要望される。しかしながら、現在の電源製作技術ではこのような溶解用加熱電源を製造することは不可能と考えられており、これまでにるつぼ直径が300mmを超えるようなコールドクルーシブル誘導溶解装置の開発はなされていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであって、チタン等の高融点・活性金属材料を大量に溶解・鋳造することのできるるつぼ直径400mm以上の大型のコールドクルーシブル誘導溶解装置を用いた溶解法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明とは、溶解用加熱電源に接続された溶解用コイル内に、水冷銅セグメント構造からなるるつぼを設置すると共に、るつぼ底部に水冷銅セグメント構造からなる出湯用ノズルを配設し、出湯用加熱電源に接続した出湯用コイルを環装してなるコールドクルーシブル誘導溶解装置を用いる金属材料の溶解法であって、上記るつぼの直径を400mm以上とすると共に、上記溶解用加熱電源の周波数を2000Hz以下、出力を1300kW以上に設定して溶解を行うことを要旨とするものであり、更に出湯に際しては、前記出湯用加熱電源の周波数を500Hz以上、出力を50kW以上に設定して運転を行い溶融金属材料の出湯を行えばよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
前述の通り、るつぼ直径が300mm以下のコールドクルーシブル誘導溶解装置では、溶解時の溶湯の安定性の観点から、周波数は3000Hz程度以上に高くすることが必要である。また溶湯の発熱量は、電磁誘導の法則から周波数の平方根に比例して増加することから、周波数が高い方が溶解に適している。更に、溶解用加熱電源は、出力が大きければ大きいほど容易に溶解が可能である。
【0012】
従って、チタン等の高融点・活性金属材料を大量に溶解・鋳造することのできるるつぼ直径400mm以上の大型のコールドクルーシブル誘導溶解装置を開発するには、従来のコールドクルーシブル誘導溶解装置よりも出力が大きく、より高い周波数の溶解用加熱電源が必要であると考えられていた。
【0013】
しかしながら、周波数が高くなると、表皮効果の為、電源ケーブル等でのエネルギーロスが大きくなると共に、コイル電流量も小さくなる。コールドクルーシブル溶解炉では、電磁気力によって水冷銅るつぼの内壁面から溶湯を離して非接触で保持しつつ溶解することをその原理としているが、コイル電流が低下すると、るつぼ内壁面との接触面積が大きくなって冷却が強くなり、結果として溶解が不可能となる。
【0014】
本発明者らは、直径400mm以上の大型のコールドクルーシブル誘導溶解装置を開発する際に、技術的にボトルネックとなっていた溶解用加熱電源について鋭意研究を重ねた結果、これまで3000Hz程度以上の高い値に設定すべきと考えられていた周波数を意外にも2000Hz以下の低い値に設定し、出力を1300kW以上とすることで、溶湯が不安定となることなく溶解できることを見出し、本発明に想到した。
【0015】
このように、溶解用加熱電源の周波数を2000Hz以下とすることで、現在の電源製作技術や設備コストの観点からも、実用レベルの大型コールドクルーシブルの溶解電源の製作が可能となり、また実際の溶解・出湯も可能である。但し、溶解用加熱電源の周波数が50Hz未満では、溶解が困難となるので、50Hz以上とすることが必要である。尚、溶解用加熱電源の周波数を2000Hz以下にするにあたっては、溶解用加熱出力を1300kW以上に設定することが必要であり、周波数を低く設定する程、出力は高く設定することが望ましい。
【0016】
出湯用加熱電源についても、出力が大きい程、出湯が容易となるが、出湯のみのために多大な電源設備を持つことは得策ではなく、できるかぎり小さい電源で出湯可能とすることが望まれる。出湯可能の成否は、凝固スカルの発熱量と水冷銅るつぼへの抜熱量のバランスによって決定され、凝固スカル部の発熱量は、誘導発熱原理に従い、電源の周波数の平方根に比例し、電源の運転出力に比例する。従って、出湯用加熱電源については周波数500Hz以上、出力50kW以上に設定することが望ましい。
【0017】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の主旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲内に含まれるものである。
【0018】
【実施例】
るつぼ直径が400〜2000mmのコールドクルーシブル誘導溶解装置を用い、200〜2000kgのチタンの溶解・出湯試験を行った。表1にその結果を示す。
【0019】
【表1】
【0020】
溶解用加熱電源周波数3000Hz、出力1300kWの条件では、80kg以下の一部のチタンが溶解するにとどまり、出湯もできなかった。出力を1300Wとして、周波数を2000〜50Hzの範囲に設定した場合には、溶解及び出湯とも可能であったが、周波数が30Hzでは溶解ができなかった。
【0021】
次に、溶解用加熱電源周波数を1000Hz、出力を1300kWに設定し、出湯用加熱電源の周波数及び出力を変えて出湯試験を行った。結果は表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
出湯用加熱電源周波数を200Hzとした場合と、出力を40kWにした場合には、出湯ができなかった。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、チタン等の高融点・活性金属材料を大量に溶解・鋳造することのできるるつぼ直径400mm以上の大型のコールドクルーシブル誘導溶解装置を用いた溶解法が提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】代表的なコールドクルーシブル誘導溶解装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶解用コイル
2 るつぼ
3 出湯ノズル
3a テーパ面
3b ストレート部
4 出湯用コイル
5 溶湯
6 凝固スカル
7 溶解用加熱電源
8 出湯用加熱電源
9 水冷銅底板
10 鋳型
Claims (2)
- 溶解用加熱電源に接続された溶解用コイル内に、水冷銅セグメント構造からなるるつぼを設置すると共に、るつぼ底部に水冷銅セグメント構造からなる出湯用ノズルを配設し、出湯用加熱電源に接続した出湯用コイルを環装してなるコールドクルーシブル誘導溶解装置を用いる金属材料の溶解法であって、
上記るつぼの直径を400mm以上とすると共に、
上記溶解用加熱電源の周波数を2000Hz以下、出力を1300kW以上に設定して溶解を行うことを特徴とするコールドクルーシブル誘導溶解法。 - 更に、前記出湯用加熱電源の周波数を500Hz以上、出力を50kW以上に設定して運転を行い溶融金属材料の出湯を行う請求項1に記載のコールドクルーシブル誘導溶解法。
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Family Applications (1)
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