JPH0711352A - 高融点活性金属の連続溶解鋳造方法 - Google Patents
高融点活性金属の連続溶解鋳造方法Info
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- JPH0711352A JPH0711352A JP15174093A JP15174093A JPH0711352A JP H0711352 A JPH0711352 A JP H0711352A JP 15174093 A JP15174093 A JP 15174093A JP 15174093 A JP15174093 A JP 15174093A JP H0711352 A JPH0711352 A JP H0711352A
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- Japan
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- melting
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- crucible
- sectional area
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- Continuous Casting (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
- Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】溶解効率を向上させることができる高融点活性
金属の連続的な溶解、鋳造方法を提供する。 【構成】(1) 高融点活性金属を水冷式の銅ルツボで連続
溶解し、連続鋳造する際に、溶解の加熱効率を向上させ
る方法であって、溶解初期に前記ルツボ内にセットされ
る母材として、母材下部の水平断面積が母材本体のそれ
より小さいものを用いる連続溶解鋳造方法。 (2)母材本体の水平断面積に対する母材下部のそれの断
面減少率が30%以上である上記(1) 記載の連続溶解鋳造
方法。 【効果】溶解電力を低下させ、溶解の加熱効率を向上さ
せることができる。
金属の連続的な溶解、鋳造方法を提供する。 【構成】(1) 高融点活性金属を水冷式の銅ルツボで連続
溶解し、連続鋳造する際に、溶解の加熱効率を向上させ
る方法であって、溶解初期に前記ルツボ内にセットされ
る母材として、母材下部の水平断面積が母材本体のそれ
より小さいものを用いる連続溶解鋳造方法。 (2)母材本体の水平断面積に対する母材下部のそれの断
面減少率が30%以上である上記(1) 記載の連続溶解鋳造
方法。 【効果】溶解電力を低下させ、溶解の加熱効率を向上さ
せることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のセグメントに区
切られた水冷式の銅ルツボを用いて、高融点活性金属を
連続的に誘導溶解し、鋳造する方法に関する。
切られた水冷式の銅ルツボを用いて、高融点活性金属を
連続的に誘導溶解し、鋳造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の縦型のセグメントに区切られた水
冷式銅ルツボによる高周波誘導溶解法( 以下、単に冷ル
ツボ誘導溶解法という )では、溶融金属(以下、溶湯と
いう)内に形成される誘導電流とセグメント内の誘導電
流により形成される磁場の電磁気的相互作用により、溶
湯をルツボ壁から反発させながら金属の溶解を進行させ
る。
冷式銅ルツボによる高周波誘導溶解法( 以下、単に冷ル
ツボ誘導溶解法という )では、溶融金属(以下、溶湯と
いう)内に形成される誘導電流とセグメント内の誘導電
流により形成される磁場の電磁気的相互作用により、溶
湯をルツボ壁から反発させながら金属の溶解を進行させ
る。
【0003】ルツボ壁がセグメントで区切られていない
誘導溶解法では溶湯がルツボ壁と接触するため、ルツボ
材質が溶湯と反応してルツボが損傷を受け、Tiなどの高
融点活性金属の高純度溶解ができないが、冷ルツボ誘導
溶解法ではルツボ壁と溶湯が非接触の状態となるため、
ルツボの損傷および溶湯の汚染を少なくして高融点活性
金属を誘導溶解することが可能である。
誘導溶解法では溶湯がルツボ壁と接触するため、ルツボ
材質が溶湯と反応してルツボが損傷を受け、Tiなどの高
融点活性金属の高純度溶解ができないが、冷ルツボ誘導
溶解法ではルツボ壁と溶湯が非接触の状態となるため、
ルツボの損傷および溶湯の汚染を少なくして高融点活性
金属を誘導溶解することが可能である。
【0004】例えば、Cold Crucible Induction Meltin
g of Titanium (P.Paillere et al.:Sixth World Confe
rence on Titanium,1988,p.583〜587)には、冷ルツボ誘
導溶解法を利用して高融点活性金属であるチタンまたは
チタン合金の連続溶解、鋳造が可能なことが示されてい
る。この方法では、溶解初期にルツボ内に溶解材と同一
組成を持つ溶解用母材をルツボ内に設置し、高周波電流
をコイルに付加し初期溶湯を形成する。次いで、この初
期溶湯の上部から溶解原料であるチタンまたはチタン合
金スクラップが供給され、ルツボ内の溶湯に投入された
原料はルツボ内で溶解された後、ルツボ下部方向に引き
抜かれ、チタンまたはチタン合金鋳片が連続的に鋳造さ
れる。
g of Titanium (P.Paillere et al.:Sixth World Confe
rence on Titanium,1988,p.583〜587)には、冷ルツボ誘
導溶解法を利用して高融点活性金属であるチタンまたは
チタン合金の連続溶解、鋳造が可能なことが示されてい
る。この方法では、溶解初期にルツボ内に溶解材と同一
組成を持つ溶解用母材をルツボ内に設置し、高周波電流
をコイルに付加し初期溶湯を形成する。次いで、この初
期溶湯の上部から溶解原料であるチタンまたはチタン合
金スクラップが供給され、ルツボ内の溶湯に投入された
原料はルツボ内で溶解された後、ルツボ下部方向に引き
抜かれ、チタンまたはチタン合金鋳片が連続的に鋳造さ
れる。
【0005】ただしこの場合、溶湯は完全にルツボ壁と
非接触状態が維持されるわけではなく、溶湯の下部領
域、すなわち高周波コイルの下部位置付近では、溶湯内
の誘導電流が減少するため溶湯内に作用する電磁気力が
減少すること、さらに上部溶湯による静水圧力が付加さ
れるため、溶湯はルツボ壁と一部接触する。この接触に
より溶湯はルツボにより冷却され凝固する。
非接触状態が維持されるわけではなく、溶湯の下部領
域、すなわち高周波コイルの下部位置付近では、溶湯内
の誘導電流が減少するため溶湯内に作用する電磁気力が
減少すること、さらに上部溶湯による静水圧力が付加さ
れるため、溶湯はルツボ壁と一部接触する。この接触に
より溶湯はルツボにより冷却され凝固する。
【0006】一方、このような冷ルツボ誘導溶解法の欠
点は、高周波電流による誘導電流がセグメントを介して
溶湯に伝達されるために、セグメントにおいて誘導電流
による発熱が生じて溶解の加熱効率が悪くなることであ
る。この欠点を解消する目的でルツボのセグメント形
状、すなわち各セグメント間のスリット形状を改良する
ことが提案されている(例えば、本発明者らによる特願
平5−187453号参照)。
点は、高周波電流による誘導電流がセグメントを介して
溶湯に伝達されるために、セグメントにおいて誘導電流
による発熱が生じて溶解の加熱効率が悪くなることであ
る。この欠点を解消する目的でルツボのセグメント形
状、すなわち各セグメント間のスリット形状を改良する
ことが提案されている(例えば、本発明者らによる特願
平5−187453号参照)。
【0007】上記の文献などに示される方法では、溶解
初期にルツボ内にセットされる溶解用母材は、その上下
方向の全てにわたって水平断面積がルツボ内径と同じも
のである。しかし、溶解時の加熱効率を低下させている
原因は、上記のセグメント内に発生する誘導電流に起因
する熱損失だけではなく、溶解用母材の下方への抜熱損
失にもある。
初期にルツボ内にセットされる溶解用母材は、その上下
方向の全てにわたって水平断面積がルツボ内径と同じも
のである。しかし、溶解時の加熱効率を低下させている
原因は、上記のセグメント内に発生する誘導電流に起因
する熱損失だけではなく、溶解用母材の下方への抜熱損
失にもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
の抜熱損失を低減し溶解効率を向上させることができる
高融点活性金属の連続的な溶解、鋳造方法を提供するこ
とにある。
の抜熱損失を低減し溶解効率を向上させることができる
高融点活性金属の連続的な溶解、鋳造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は次の(1)
、(2) の連続溶解鋳造方法にある。
、(2) の連続溶解鋳造方法にある。
【0010】(1)高融点活性金属を水冷式の銅ルツボで
連続溶解し、連続鋳造する際に、溶解の加熱効率を向上
させる方法であって、溶解初期に前記ルツボ内にセット
される母材として、母材下部の水平断面積が母材本体の
水平断面積より小さいものを用いることを特徴とする連
続溶解鋳造方法。
連続溶解し、連続鋳造する際に、溶解の加熱効率を向上
させる方法であって、溶解初期に前記ルツボ内にセット
される母材として、母材下部の水平断面積が母材本体の
水平断面積より小さいものを用いることを特徴とする連
続溶解鋳造方法。
【0011】(2)母材本体の水平断面積に対する母材下
部の水平断面積の断面減少率が30%以上であることを特
徴とする上記(1) 記載の連続溶解鋳造方法。
部の水平断面積の断面減少率が30%以上であることを特
徴とする上記(1) 記載の連続溶解鋳造方法。
【0012】
【作用】溶解初期にルツボ内にセットされる溶解用母材
(以下、単に母材ともいう)の水平断面形状は通常、ル
ツボ内面の水平断面形状に合わせて決定される。すなわ
ち、水平断面が円形の鋳片を鋳造する場合、加熱中の母
材の熱膨張を考慮し、母材の外径はルツボ内径より1mm
程度小径となっている。従来この母材は、上部から下部
まで同一水平断面積で製作されている。
(以下、単に母材ともいう)の水平断面形状は通常、ル
ツボ内面の水平断面形状に合わせて決定される。すなわ
ち、水平断面が円形の鋳片を鋳造する場合、加熱中の母
材の熱膨張を考慮し、母材の外径はルツボ内径より1mm
程度小径となっている。従来この母材は、上部から下部
まで同一水平断面積で製作されている。
【0013】一方、本発明の方法では、溶解時における
母材下部方向への抜熱を抑制するため、母材の下部にお
いて、その水平断面積が母材本体のそれよりも小さい領
域を設ける。
母材下部方向への抜熱を抑制するため、母材の下部にお
いて、その水平断面積が母材本体のそれよりも小さい領
域を設ける。
【0014】図1はこの方法の例を説明するための、ル
ツボとその内部にセットされる小水平断面積領域を有す
る母材などを模式的に示す縦断面図である。「母材本
体」とは図1に示すL1 の、「母材下部」とは同じくL
2 の、それぞれ領域をいう。なお、従来の溶解用母材
は、図1中の点線で示す部分までを含む形状を有する。
ツボとその内部にセットされる小水平断面積領域を有す
る母材などを模式的に示す縦断面図である。「母材本
体」とは図1に示すL1 の、「母材下部」とは同じくL
2 の、それぞれ領域をいう。なお、従来の溶解用母材
は、図1中の点線で示す部分までを含む形状を有する。
【0015】溶解初期には、母材下部L2 に小水平断面
積領域を有する全長がL1 +L2 の溶解用母材12が、ス
リット16を有するルツボ1内にセットされ、母材下部L
2 の小水平断面積領域の下端で取付用ネジ2により、鋳
片を下部へ引き抜くための引抜棒11に接続されている。
図1において、符号3はセグント、16はスリットであ
る。
積領域を有する全長がL1 +L2 の溶解用母材12が、ス
リット16を有するルツボ1内にセットされ、母材下部L
2 の小水平断面積領域の下端で取付用ネジ2により、鋳
片を下部へ引き抜くための引抜棒11に接続されている。
図1において、符号3はセグント、16はスリットであ
る。
【0016】この場合、母材下部L2 の小水平断面積領
域の断面積は、次式で表される断面減少率が30%以上で
あるのがよい。
域の断面積は、次式で表される断面減少率が30%以上で
あるのがよい。
【0017】断面減少率(%)=〔(母材本体水平断面積−
母材下部水平断面積)/母材本体水平断面積〕×100 この断面減少率が30%未満では抜熱損失が大きくなり、
望ましい溶解効率の向上が得られない。一方、その上限
値は、鋳片引き抜き時にルツボのスリット範囲の下部
で、溶湯がルツボと接触凝固することに起因して母材内
に生じる引張応力に依存する。すなわち、小水平断面積
領域の最小断面積は、上記引張応力により母材下部が破
断しない程度であればよい。
母材下部水平断面積)/母材本体水平断面積〕×100 この断面減少率が30%未満では抜熱損失が大きくなり、
望ましい溶解効率の向上が得られない。一方、その上限
値は、鋳片引き抜き時にルツボのスリット範囲の下部
で、溶湯がルツボと接触凝固することに起因して母材内
に生じる引張応力に依存する。すなわち、小水平断面積
領域の最小断面積は、上記引張応力により母材下部が破
断しない程度であればよい。
【0018】ルツボ1内に溶解用母材12をセットする際
の母材下部L2 の小水平断面積領域の上端は、図1に示
すように初期溶湯が形成された時点における凝固界面18
より下方であればよい。この理由は、初期溶湯の凝固界
面18の位置より上方であると、母材下部L2 の小水平断
面積領域まで溶解初期の溶湯部が及んで溶湯の維持が不
可能となるか、または符号17で示すように初期溶湯の表
面が形成されるので、溶湯がルツボ壁と小水平断面積領
域の間隙を伝わり下方へ流れ出すため、安全上の問題点
を引き起こすからである。
の母材下部L2 の小水平断面積領域の上端は、図1に示
すように初期溶湯が形成された時点における凝固界面18
より下方であればよい。この理由は、初期溶湯の凝固界
面18の位置より上方であると、母材下部L2 の小水平断
面積領域まで溶解初期の溶湯部が及んで溶湯の維持が不
可能となるか、または符号17で示すように初期溶湯の表
面が形成されるので、溶湯がルツボ壁と小水平断面積領
域の間隙を伝わり下方へ流れ出すため、安全上の問題点
を引き起こすからである。
【0019】さらに、母材下部L2 の長さは、ルツボ構
造、ルツボと鋳片の引き抜き装置などの構成から許容さ
れる範囲内で最大限の長さを取ることが望ましい。この
理由は、小水平断面積領域が長いほど、前記の溶湯の接
触凝固位置より下方のルツボ内における母材側面からル
ツボ壁方向に対する抜熱量が低下し、加熱効率すなわち
溶解効率が向上するからである。
造、ルツボと鋳片の引き抜き装置などの構成から許容さ
れる範囲内で最大限の長さを取ることが望ましい。この
理由は、小水平断面積領域が長いほど、前記の溶湯の接
触凝固位置より下方のルツボ内における母材側面からル
ツボ壁方向に対する抜熱量が低下し、加熱効率すなわち
溶解効率が向上するからである。
【0020】図2は、母材下部L2 の小水平断面積領域
の形状の他の例を示す母材全体の縦断面図である。図2
(a) は下部に向かって断面積が縮小するテーパー状とし
たのもの、図2(b) は同じく逆階段状にしたものをそれ
ぞれ示す。これらの例では、母材下部の水平断面積とは
最下端部の最小の水平断面積を意味する。
の形状の他の例を示す母材全体の縦断面図である。図2
(a) は下部に向かって断面積が縮小するテーパー状とし
たのもの、図2(b) は同じく逆階段状にしたものをそれ
ぞれ示す。これらの例では、母材下部の水平断面積とは
最下端部の最小の水平断面積を意味する。
【0021】図1および図2に示すような小水平断面積
領域の存在により、小水平断面積領域を通過する熱流束
が制限される。この結果、小水平断面積領域より上方の
母材本体内の熱勾配が緩やかとなり、母材下部方向への
抜熱量が減少し、溶解中の加熱効率が向上する。
領域の存在により、小水平断面積領域を通過する熱流束
が制限される。この結果、小水平断面積領域より上方の
母材本体内の熱勾配が緩やかとなり、母材下部方向への
抜熱量が減少し、溶解中の加熱効率が向上する。
【0022】図3は本発明の方法を実施するための装置
全体の構成の例を示す縦断面図である。この装置では、
排気口8を有するチャンバー7内に、スリットで分割さ
れた複数のセグメント3からなる銅製の水冷式ルツボ
1、その下部の冷却ゾーン14、その外周面を囲繞する誘
導加熱用コイル13、溶解用母材12と接続して鋳造された
鋳片と母材12′を引抜く引抜棒11および原料15の投入用
ホッパー10が配置される。この例では、ルツボ1内にセ
ットされる溶解用母材12は、前記の図1と同じ形状のも
のである。図3において、符号4は冷却水入口、5は冷
却水出口、6は冷却水路、9は溶湯、L2 は母材下部の
小水平断面積領域である。
全体の構成の例を示す縦断面図である。この装置では、
排気口8を有するチャンバー7内に、スリットで分割さ
れた複数のセグメント3からなる銅製の水冷式ルツボ
1、その下部の冷却ゾーン14、その外周面を囲繞する誘
導加熱用コイル13、溶解用母材12と接続して鋳造された
鋳片と母材12′を引抜く引抜棒11および原料15の投入用
ホッパー10が配置される。この例では、ルツボ1内にセ
ットされる溶解用母材12は、前記の図1と同じ形状のも
のである。図3において、符号4は冷却水入口、5は冷
却水出口、6は冷却水路、9は溶湯、L2 は母材下部の
小水平断面積領域である。
【0023】
〔試験1〕図1および図3示す装置を用いて、純チタン
(チタンJIS 1種) の連続溶解、鋳造試験を行った。具
体的な溶解、鋳造装置の構成は次のとおりとした。
(チタンJIS 1種) の連続溶解、鋳造試験を行った。具
体的な溶解、鋳造装置の構成は次のとおりとした。
【0024】ルツボは内径φ70mm、厚み15mm、全長250m
m の銅製のものである。ルツボ上部の100mm は溶解ゾー
ンで、12本の縦方向のセグメントによりルツボの円周方
向を区切り、各セグメント間には、ルツボ上端から幅
0.5mm、長さ100mm のスリットを設けた。セグメントで
区切られた溶解ゾーンの下方に、長さ150mm でスリット
のない冷却ゾーンを設け、またルツボのセグメント内と
冷却ゾーン内には冷却水を流し、ルツボ全体を冷却し
た。
m の銅製のものである。ルツボ上部の100mm は溶解ゾー
ンで、12本の縦方向のセグメントによりルツボの円周方
向を区切り、各セグメント間には、ルツボ上端から幅
0.5mm、長さ100mm のスリットを設けた。セグメントで
区切られた溶解ゾーンの下方に、長さ150mm でスリット
のない冷却ゾーンを設け、またルツボのセグメント内と
冷却ゾーン内には冷却水を流し、ルツボ全体を冷却し
た。
【0025】コイルは内径 110mmの銅製で、長さは70m
m、4巻からなり、高周波電源は20 kHz で、最高出力
は180kWである。
m、4巻からなり、高周波電源は20 kHz で、最高出力
は180kWである。
【0026】溶解用母材は図1に示す形状のもので、そ
の本体の外径がφ68mm、小水平断面積領域を含む全長
(L1 +L2 )が 350mmで、純チタン JIS 1種により作
製した。
の本体の外径がφ68mm、小水平断面積領域を含む全長
(L1 +L2 )が 350mmで、純チタン JIS 1種により作
製した。
【0027】表1に示す断面減少率の条件で、この母材
本体の下部に小水平断面積領域を設け、ルツボ内にセッ
トした。ただし、本発明例および比較例ともに、母材下
部の小水平断面積領域の上端の位置はルツボ上端より40
mm下方になる一定条件とした。
本体の下部に小水平断面積領域を設け、ルツボ内にセッ
トした。ただし、本発明例および比較例ともに、母材下
部の小水平断面積領域の上端の位置はルツボ上端より40
mm下方になる一定条件とした。
【0028】溶解は、ルツボ、コイル、母材をセットし
た後、チャンバー内を真空ボンプで排気し、さらにアル
ゴンガスを導入し、雰囲気の調整を行いながら実施し
た。
た後、チャンバー内を真空ボンプで排気し、さらにアル
ゴンガスを導入し、雰囲気の調整を行いながら実施し
た。
【0029】以上の条件で溶解を実施し、母材が溶解
し、初期溶湯が形成される時点での電源出力を測定する
方法により、母材下部に小水平断面積領域を設ける効果
を評価した。
し、初期溶湯が形成される時点での電源出力を測定する
方法により、母材下部に小水平断面積領域を設ける効果
を評価した。
【0030】表1にこの電源出力の測定結果を併せて示
す。この結果からわかるように、小水平断面積領域を設
けることで、初期溶湯形成に必要な投入電力が削減さ
れ、溶解効率の向上が認められる。特に断面減少率が30
%以上で溶解電力が40 kW以下となり、顕著な溶解効率
の向上効果が認められる。また小水平断面積領域の長さ
が長くなると、溶解電力が低減されることが確認され
た。
す。この結果からわかるように、小水平断面積領域を設
けることで、初期溶湯形成に必要な投入電力が削減さ
れ、溶解効率の向上が認められる。特に断面減少率が30
%以上で溶解電力が40 kW以下となり、顕著な溶解効率
の向上効果が認められる。また小水平断面積領域の長さ
が長くなると、溶解電力が低減されることが確認され
た。
【0031】
【表1】
【0032】〔試験2〕高融点活性金属である純タンタ
ルを母材として溶解を行った。使用したタンタルは純度
99.9%である。
ルを母材として溶解を行った。使用したタンタルは純度
99.9%である。
【0033】この試験に用いた装置の構成、母材の形状
および方法は、試験1の場合と同じである。この条件を
表2に示す。
および方法は、試験1の場合と同じである。この条件を
表2に示す。
【0034】表2に溶湯が形成される時点での電源出力
の実測結果を併せて示す。この結果から明らかなよう
に、タンタルの場合でも母材に小水平断面積領域を設け
る効果が確認された。
の実測結果を併せて示す。この結果から明らかなよう
に、タンタルの場合でも母材に小水平断面積領域を設け
る効果が確認された。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により、高融点活性金属を
誘導溶解、連続鋳造する際に、溶解電力を低下させ、溶
解の加熱効率を向上させることができる。
誘導溶解、連続鋳造する際に、溶解電力を低下させ、溶
解の加熱効率を向上させることができる。
【図1】ルツボとその内部にセットされる母材などを模
式的に示す縦断面図である。
式的に示す縦断面図である。
【図2】母材の形状の例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の方法を実施するための装置全体の構成
の例を示す縦断面図である。
の例を示す縦断面図である。
1:ルツボ、 2:取付け用ネジ、3:セグメント、
4:冷却水入口、5:冷却水出口、6:冷却水路、
7:チャンバー、8:排気口、9:溶湯、 10:原
料投入用ホッパー、 11:引抜棒、12:溶解用
母材、12′: 溶解用母材および鋳片、 13:誘導加熱用
コイル、14:冷却ゾーン、15:原料、 16:スリ
ット、17:溶解初期の溶湯表面形状、 18:溶解初
期の凝固界面形状、L1:母材本体、
L2:母材下部
4:冷却水入口、5:冷却水出口、6:冷却水路、
7:チャンバー、8:排気口、9:溶湯、 10:原
料投入用ホッパー、 11:引抜棒、12:溶解用
母材、12′: 溶解用母材および鋳片、 13:誘導加熱用
コイル、14:冷却ゾーン、15:原料、 16:スリ
ット、17:溶解初期の溶湯表面形状、 18:溶解初
期の凝固界面形状、L1:母材本体、
L2:母材下部
Claims (2)
- 【請求項1】高融点活性金属を水冷式の銅ルツボで連続
溶解し、連続鋳造する際に、溶解の加熱効率を向上させ
る方法であって、溶解初期に前記ルツボ内にセットされ
る母材として、母材下部の水平断面積が母材本体の水平
断面積より小さいものを用いることを特徴とする連続溶
解鋳造方法。 - 【請求項2】母材本体の水平断面積に対する母材下部の
水平断面積の断面減少率が30%以上であることを特徴と
する請求項1記載の連続溶解鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15174093A JPH0711352A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 高融点活性金属の連続溶解鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15174093A JPH0711352A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 高融点活性金属の連続溶解鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0711352A true JPH0711352A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15525254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15174093A Pending JPH0711352A (ja) | 1993-06-23 | 1993-06-23 | 高融点活性金属の連続溶解鋳造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JPH0711352A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008194700A (ja) * | 2007-02-08 | 2008-08-28 | Shinko Electric Co Ltd | 連続鋳造装置、連続鋳造装置における引抜制御装置、および連続鋳造装置における引抜制御方法 |
JP2009113062A (ja) * | 2007-11-02 | 2009-05-28 | Kobe Steel Ltd | TiAl基合金の鋳塊製造方法 |
KR100906024B1 (ko) * | 2009-04-20 | 2009-07-06 | 장종래 | 내지를 감싸는 표지구조를 갖는 졸업 앨범 |
JP2010137259A (ja) * | 2008-12-12 | 2010-06-24 | Nhk Spring Co Ltd | 金属細線製造装置および金属細線 |
JP4701521B2 (ja) * | 2001-03-14 | 2011-06-15 | 大同特殊鋼株式会社 | コールドクルーシブル溶解法 |
-
1993
- 1993-06-23 JP JP15174093A patent/JPH0711352A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4701521B2 (ja) * | 2001-03-14 | 2011-06-15 | 大同特殊鋼株式会社 | コールドクルーシブル溶解法 |
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KR100906024B1 (ko) * | 2009-04-20 | 2009-07-06 | 장종래 | 내지를 감싸는 표지구조를 갖는 졸업 앨범 |
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