JP2008194700A - 連続鋳造装置、連続鋳造装置における引抜制御装置、および連続鋳造装置における引抜制御方法 - Google Patents

連続鋳造装置、連続鋳造装置における引抜制御装置、および連続鋳造装置における引抜制御方法 Download PDF

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泰弘 中井
Masanori Tsuda
正徳 津田
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Abstract

【課題】ルツボ内面を傷めることなく、金属鋳塊の表面に欠陥の無い高品質な製品をえることができる、連続鋳造装置を提供する。
【解決手段】引抜過負荷判定部42により、溶解引き抜き時のACサーボモータ33の負荷トルク電流を検出し、ACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を超えた場合に、誘導加熱電力増加制御部45により溶解電源装置50の溶解電力を増大させる。例えば、誘導加熱電力を10%〜50%程度増加させる。また、ACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を越えた状態が所定時間継続した場合は、引抜一時休止制御部43により、引き抜き動作を一時間休止し、所定の時間(例えば、数分程度)の経過後に引き抜き動作を再開する。また、引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合、引き抜き動作を中止し、警報を出す。
【選択図】図1

Description

本発明は、ルツボ(溶解炉)内面を傷めることなく、インゴット(金属鋳塊)の表面に欠陥の無い高品質な製品を得ることができ、安全で安定した連続鋳造を可能とする、連続鋳造装置、連続鋳造装置における引抜制御装置、および連続鋳造装置における引抜制御方法に関する。
連続鋳造法は、被溶解材料を固形または他の溶解装置で溶解し液状で供給しながら溶解が連続して行われ、その間に、溶解された溶湯の一部は徐々に溶解域から離されて冷却され、溶解と凝固とが連続して行われ、これらの作業が継続されて溶解域の断面形状とほぼ同じ断面形状の長い棒状や厚板状のインゴットが連続して形成される方法である。この連続鋳造法を使用した連続鋳造装置にコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置がある(例えば、特許文献1を参照)。
図6は、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のルツボ(溶解炉)の部分の構成を示す断面図である。図中の符号10は誘導連続溶解鋳造装置のルツボ(例えば、内周面の直径が80mm〜500mm程度の溶解炉)であり、ルツボ10は円形断面のインゴットを鋳造するため、内部に冷却水通路16aを有する複数のセグメント16が所定の寸法のスリット17を介して円周方向に分割され、交互に隣接して形成された側壁20と、この側壁20の外周側の上部に、この側壁20の半径方向外周に所定の間隔を有して螺旋状に巻回され、内部が冷却水通路18aになっている中空銅管製の誘導加熱コイル18と、前記の側壁20の内周面より水平方向の直径が僅かに小さく内周面に対し上下動可能に配置された水冷式の底板1と、この底板1を上下に移動する引抜シャフト12などにより構成されている。
また、底板1は、上部材2と下部材3とから成り、両部材は水平方向断面の外径が側壁20の内周面より僅かに小さい寸法で形成され、側壁20との間に溶湯14が漏れない程度の空間を有している。前記の上部材2は上下方向に短い底付きの中空円筒形であり、この中空円筒形の上部材2は倒立され、その底部2aが上方に、中空筒部(冷却水室)2dが下方になるように配置されている。上に配置される底部2aの半径方向中央部には、非貫通の凹部、この例では円錘台形の空間としての穴2bとして設けられているが、この穴を画定する側面2cはテーパ状、正確には逆テーパ状に形成されていて底板の上部材2の内部すなわち下方に行くほど広くなっている。一方、下部材3には、前記の上部材2の冷却水室2dに連通するように軸方向に延在する2つの貫通孔が設けられて、冷却水の流入口3aと流出口3bとになっている。また、下部材3の半径方向中央部には引抜シャフト12が固定されている。
前記の底板の上部材2と下部材3とは、この例では外周側からシール溶接されて一体にされている。このシール溶接により前記の中空円筒部は、冷却水の流入口3a、流出口3bと連通された冷却水室2dとなり、底板1全体を冷却する。図6に示したように、底板1は水冷されているため溶解されずに被溶解材料13の凝固相15との境界が明瞭に残るが、溶解の当初には溶湯14は非貫通の穴2bに流れ込んで、この穴2bを埋めて溶湯下部の凝固相と一体に凝固する。この状態で引抜シャフト12を下方に下げると逆テーパの側面2cを介して凝固相15に引張り力が伝達され、凝固相15と溶湯14とは徐々に下降して、溶湯14の下部は時間の経過とともに凝固相15に変化し、鋳造品の長さは逐次大きくなってゆく。
底板1は更に下降されて、このような溶解と凝固とが継続して行われ、凝固相15はその長さが下方に延長され棒状の鋳造品が形成される(例えば、300mm〜1000mm程度の長さのインゴット)。この、誘導加熱によるルツボ10で、ルツボ10の初期溶融過程で炉床となる底板1が、側壁20とは相互に隙間を有して独立して上下に移動可能に設けられ、被溶解材料13の供給に合わせて溶湯14の量を一定に保持したまま徐々に下降し、溶湯14の下部が下降するにつれて誘導加熱コイル18が巻回された溶解域から離れて、セグメント16に誘導加熱コイル18が巻回されていない鋳造域に移動して冷却され、外周側から徐々に凝固され、更に下降すると中央部までが凝固して金属あるいは合金などの丸棒が形成される。
また、図7は、従来のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のシステム構成を示す図である。前述した引抜シャフト12は、ボールネジ31とナット30とで構成される昇降機構に連結されている。このボールネジ31を、減速機32を介してACサーボモータ33で回転させることにより、引抜シャフト12を上下に昇降する。
溶解電源装置50は、誘導加熱コイル18に誘導加熱用の高周波電流を流す装置であり、例えば、内周面の直径が80mm程度(大型ものでは直径が500mm程度のものもある)のルツボに対して、100KW程度の高周波電流(500Hz程度)を流す装置である。この溶解電源装置50の出力は、溶解電源装置制御部51により制御される。
引抜制御装置40Aは、引抜制御部41とACサーボドライバ(インバータ)100を主要な構成要素としている。引抜制御部41は、引抜制御装置40Aの全体を統括制御すると共に、ルツボ10の底板1の昇降動作を制御するための制御部である。金属鋳塊の引き抜き動作の際には、この引抜制御部41が、溶解電源装置50の溶解電源装置制御部51から引抜準備完了信号(ルツボ内で金属材料が溶解し引抜可能である旨の信号)を受信した後に、ACサーボドライバ100に指示を出し、ACサーボモータ33を起動することにより底板1を下降させ、金属鋳塊の引き抜き動作を実行する。
この場合に、引抜制御部41は、底板1が基準位置(図7に示す底板1の位置)から所定の速度(一定の速度)で所定の位置(例えば、300mm〜1000mm)まで下降するように、ACサーボモータ33の回転(回転速度および回転量)を制御する。
この底板1の所定位置までの下降制御は、例えば、引抜制御部41に位置決め制御機能(底板1を指定した位置(距離)に移動させる機能)を付与しておき、この位置決め制御機能により底板1を所定位置まで下降させることにより行う。または、例えば、引抜シャフト12の下限位置を検出する位置センサ(図示せず)を設け、ACサーボモータ33を一定速度で回転させることにより引抜シャフト12を下降させ、前記位置センサにより下限位置を検出した場合にACサーボモータ33を停止することにより行う。
このようにして、ルツボ内で金属を溶解し、凝固させつつ一定速度で引き抜くことで所定の長さのインゴット(金属鋳塊)を製造することができる。
特開平8−141705号公報
上述したように、従来のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置においては、引抜制御装置40Aにより、底板1を一定の速度で下降させながら、ルツボ10内で溶解させた金属を凝固させつつ引き抜いている。
しかしながら、この方法では、ルツボの側壁と凝固した金属鋳塊(凝固相)との間にコジ(ルツボの側壁に凝固相が引っ掛かるなど過負荷が生じている状態)が発生した場合にも、これに関係なく一定速度で引き抜き動作を行っている。
このため、ルツボ内で金属を溶解し凝固させつつ引き抜く際に生じる凝固物、あるいはスカルのルツボ壁への付着、不均一な凝固により、凝固した金属鋳塊によってルツボ内面が傷むと共に、引き抜いた金属鋳塊の表面に割れや、凸凹の性状の欠陥を引き起こすことがある。例えば、図4(A)に示すインゴット(金属鋳塊)のような状態となる。
また、ルツボは傷み出すと、その部分に凝固した金属鋳塊が引っ掛かりを起こし加速的に損傷し、故障の原因となることもある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ルツボ内面を傷めることなく、金属鋳塊の表面に欠陥の無い高品質な製品を得ることができると共に、安全で安定した連続鋳造を可能とする、連続鋳造装置、該連続鋳造装置における引抜制御装置、および連続鋳造装置における引抜制御方法を提供することにある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の連続鋳造装置は、誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置であって、前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源となるモータと、前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出部と、前記トルク電流検出部により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定部と、前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御部と、前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、トルク電流検出部により溶解引き抜き時(ルツボの底板の下降時)のモータの負荷トルク電流を検出し、引抜過負荷判定部により負荷トルク電流が所定の値を超えているかどうかを判定し、負荷トルク電流が所定の値を超えている場合は、誘導加熱電力増加制御部によりルツボにおける溶解電力を増大させる。例えば、誘導加熱電力を10%〜50%程度増加させ、金属鋳塊とルツボのコジている部分を軟化あるいは溶解し、負荷を解消する。また、モータの負荷トルク電流が所定の値を越えた状態が所定時間継続した場合は、引抜一時休止制御部により、モータの運転を一時休止することにより引き抜き動作を一時間休止し、所定の時間(例えば、数分程度)の経過後にモータを再起動することにより引き抜き動作を再開する。
これにより、金属鋳塊(インゴット)の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御部をさらに備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合に、引抜中止制御部により引き抜き動作を中止する。
このように、健全な金属鋳塊を得るために、最終的には引き抜き動作を停止し、操業の安全を確保する。これにより、ルツボの傷みを未然に防止し故障の発生を抑止できる。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記引抜中止制御部により前記引き抜き動作を中止した場合に、警報信号を出力することを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合に、引抜中止制御部により引き抜き動作を中止すると共に、警報信号(例えば、ブザー等の音響信号)を出力する。
これにより、金属鋳塊の引抜動作に異常が生じたことを係員に容易に通知することができる。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記モータがACサーボモータであって、前記トルク電流検出部は前記ACサーボモータの負荷トルク電流を検出することを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、底板を昇降させる昇降機構の駆動源としてACサーボモータを使用し、該ACサーボモータの負荷トルク電流を検出する。
これにより、汎用のACサーボモータおよびACサーボドライバを使用することができると共に、負荷トルク電流の信号を容易に得ることができる。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源として、ACサーボモータと、前記ACサーボモータに減速機を介して連結されるボールネジと、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、ルツボの底板の昇降機構において、底板を昇降させる駆動源として、ACサーボモータと、ACサーボモータに減速機を介して連結されるボールネジとを使用する。
これにより、底板を高い精度で昇降する昇降機構を容易に製作することができる。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記連続鋳造装置がコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置であることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置に本発明を適用するようにしたので、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置において、金属鋳塊の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
また、本発明の連続鋳造装置は、前記連続鋳造装置が真空排気系、ガス導入系を備えた気密容器内に設置され、溶解および連続鋳造が真空あるいは不活性雰囲気中で行われることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置では、真空排気系、またはガス導入系を備えた気密容器内に溶解炉を設置した連続鋳造装置に本発明を適用するようにしたので、真空または不活性雰囲気中で連続鋳造を行う連続鋳造装置において、金属鋳塊の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
また、本発明の連続鋳造装置における引抜制御装置は、誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における引抜制御装置であって、前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源となるモータと、前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出部と、前記トルク電流検出部により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定部と、前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御部と、前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御部と、を備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置における引抜制御装置では、トルク電流検出部により溶解引き抜き時(ルツボの底板の下降時)のモータの負荷トルク電流を検出し、引抜過負荷判定部により負荷トルク電流が所定の値を超えているかどうかを判定し、負荷トルク電流が所定の値を超えている場合は、誘導加熱電力増加制御部によりルツボにおける溶解電力を増大させる。例えば、誘導加熱電力を10%〜50%程度増加させ、金属鋳塊とルツボのコジている部分を軟化あるいは溶解し、負荷を解消する。また、モータの負荷トルク電流が所定の値を越えた状態が所定時間継続した場合は、引抜一時休止制御部により、モータの運転を一時休止することにより引き抜き動作を一時間休止し、所定の時間(例えば、数分程度)の経過後にモータを再起動することにより引き抜き動作を再開する。
これにより、金属鋳塊(インゴット)の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
また、本発明の連続鋳造装置における引抜制御装置は、前記引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御部をさらに備えることを特徴とする。
上記構成からなる本発明の連続鋳造装置における引抜制御装置では、引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合に、引抜中止制御部により引き抜き動作を中止する。
このように、健全な金属鋳塊を得るために、最終的には引き抜き動作を停止し、操業の安全を確保する。これにより、ルツボの傷みを未然に防止し故障の発生を抑止できる。
また、本発明の連続鋳造装置における引抜制御方法は、誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における引抜制御方法であって、前記底板を昇降させる昇降機構をモータにより駆動する手順と、前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出手順と、前記トルク電流検出手順により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定手順と、前記引抜過負荷判定手順によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御手順と、前記引抜過負荷判定手順によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御手順と、を含むことを特徴とする。
上記手順を含む連続鋳造装置における引抜制御方法では、トルク電流検出手順により溶解引き抜き時(ルツボの底板の下降時)のモータの負荷トルク電流を検出し、引抜過負荷判定手順により負荷トルク電流が所定の値を超えているかどうかを判定し、負荷トルク電流が所定の値を超えている場合は、誘導加熱電力増加制御手順によりルツボにおける溶解電力を増大させる。例えば、誘導加熱電力を10%〜50%程度増加させ、金属鋳塊とルツボのコジている部分を軟化あるいは溶解し、負荷を解消する。また、モータの負荷トルク電流が所定の値を越えた状態が所定時間継続した場合は、引抜一時休止制御手順により、モータの運転を一時休止することにより引き抜き動作を一時間休止し、所定の時間(例えば、数分程度)の経過後にモータを再起動することにより引き抜き動作を再開する。
これにより、金属鋳塊(インゴット)の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
また、本発明の連続鋳造装置における引抜制御方法は、前記引抜一時休止制御手順による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御手順をさらに含むことを特徴とする。
上記手順を含む本発明の連続鋳造装置における引抜制御方法では、引抜一時休止制御手順による引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合に、引抜中止制御手順により引き抜き動作を中止する。
このように、健全な金属鋳塊を得るために、最終的には引き抜き動作を停止し、操業の安全を確保する。これにより、ルツボの傷みを未然に防止し故障の発生を抑止できる。
本発明によれば、金属鋳塊の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊に発生した負荷をモータの負荷トルク電流により間接的に検知し、それを基に引抜制御を行うようにしたので、これにより、ルツボと凝固した金属鋳塊との間に発生しているコジ(凝固した金属鋳塊がセグメントの側壁に引っ掛かるなど過負荷が生じている状態)の拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。また、安定した操業と安全性が確保される。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る連続鋳造装置のシステム構成を示す図である。図1に示す連続鋳造装置は、コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置であり、図5に示す従来技術のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置と同様に、底板1が昇降しルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、インゴット(金属鋳塊)を得る装置である。また、底板1を昇降させる昇降機構の駆動源として、サーボモータ33と、減速機32と、ボールネジ31とを用いたものである。
図1に示すコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のシステム構成は、図5に示す従来技術の連続鋳造装置のシステム構成と比較して、構成上異なるのは、引抜制御装置40の内部構成であり、他の構成は図5に示すシステム構成と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付してある。以下、従来技術の連続鋳造装置と構成が異なる、引抜制御装置40を中心にして説明する。
引抜制御装置40は、引抜制御部41、引抜過負荷判定部42、引抜一時休止制御部43、引抜中止制御部44、誘導加熱電力増加制御部45、ACサーボドライバ100を有している。また、ACサーボドライバ100は内部にトルク電流検出部101を有している。
引抜制御部41は、引抜制御装置40の全体を統括制御すると共に、ルツボ10の底板1の昇降動作を制御するための制御部である。金属鋳塊の引き抜き動作の際には、この引抜制御部41が、溶解電源装置50の溶解電源装置制御部51から引抜準備完了信号(ルツボ内で金属材料が溶解し引抜可能である旨の信号)を受信した後に、ACサーボドライバ100に指示を出し、ACサーボモータ33を起動することにより底板1を下降させ、金属鋳塊の引き抜き動作を実行する。
この場合に、引抜制御部41は、底板1が基準位置(図1に示す底板1の位置)から所定の速度(一定の速度)で所定の位置(例えば、300mm〜1000mm)まで下降するように、ACサーボモータ33の回転(回転速度および回転量)を制御する。
この底板1の所定位置までの下降制御は、例えば、引抜制御部41に位置決め制御機能(底板1を指定した位置(距離)に移動させる機能)を付与しておき、この位置決め制御機能により底板1を所定位置まで下降させることにより行う。
または、例えば、引抜シャフト12の下限位置を検出する位置センサ(図示せず)を設け、ACサーボモータ33を一定速度で回転させることにより引抜シャフト12を下降させ、前記位置センサにより下限位置を検出した場合にACサーボモータ33を停止することにより行う。このようにして、ルツボ内で金属を溶解し、凝固させつつ一定速度で引き抜くことで所定の長さのインゴット(金属鋳塊)を製造することができる。
トルク電流検出部101は、ACサーボドライバ100においてACサーボモータ33の負荷トルク電流を検出する部分である。このACサーボドライバ100における負荷トルク電流の検出方法については後述する。
引抜過負荷判定部42は、底板1の下降時(金属鋳塊の引き抜き時)に、トルク電流検出部101により検出したACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を超えたか否かを判定する。この場合に、例えば、ACサーボモータ33の負荷トルク電流のピーク値が所定の値を超えた場合か、または、負荷トルク電流の平均値(例えば、数秒間の平均値)が所定の値を超えたときに、負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定する。
引抜一時休止制御部43は、引抜過負荷判定部42によりACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された状態が所定時間継続した場合に、この状態を検出を検出し、ACサーボモータ33の運転を所定時間(例えば、数分程度)だけ一時休止し、底板1の下降を一時休止させると共に、所定の時間の後に、ACサーボモータ33の運転を再開し、底板1の下降を再開させるように引抜制御部41に指示する。
誘導加熱電力増加制御部45は、引抜過負荷判定部42によりACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、溶解電源装置50の溶解電源装置制御部51に信号を送り、誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させるように指示する。例えば、通常時100KWの誘導加熱電力を110〜150%(11KW〜150KW)に増大するように指示し、ルツボ内の金属の溶解を早めるように制御する。
引抜中止制御部44は、引抜一時休止制御部43による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の所定回数以上繰り返された場合、引き抜き動作を中止するように引抜制御部41に指示する処理を行う。例えば、10分〜数10分間に3〜5回程度繰り返されたことを検出した場合に、引抜中止処理を行う。
上記構成において、引抜過負荷判定部42により、溶解引き抜き時のACサーボモータ33の負荷トルク電流を検出し、所定の値を超えた場合に、誘導加熱電力増加制御部45により溶解電源装置50の溶解電力を増大させる。例えば、誘導加熱電力を10%〜50%程度増加させる。また、ACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を越えた状態が所定時間継続した場合は、引抜一時休止制御部43により、引き抜き動作を一時間休止し、所定の時間(例えば、数分程度)の経過後に引き抜き動作を再開する。また、引抜一時休止動作が所定時間内(例えば、10分〜数10分)に所定の回数以上繰り返された場合、引き抜き動作を中止し、警報を出す。
このようにして、健全な金属鋳塊を得ることができる。すなわち、引抜過負荷判定部42によりACサーボモータ33の負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合(引抜過負荷が増大したと判定された場合)に、溶解電源装置50の誘導加熱電力を増加することで、溶湯および金属鋳塊に加熱電力を与え、金属鋳塊とルツボのコジている部分を軟化あるいは溶解し、過負荷状態を解消することができる。
また、引抜一時休止制御部43によるACサーボモータ33の一時休止は、コジている状態での引抜を一時中断し、コジている状態の解消を待つことで、健全な金属鋳塊を得ることができる。この引抜動作の停止時間は、例えば、数分程度である。
また、引抜中止制御部44による引抜中止動作は、健全な金属鋳塊を得るためと、ルツボの損傷を防ぐために行われ、最終的には引き抜き動作を停止し、操業の安全を確保するものである。
また、図2は、ACサーボドライバ100内のトルク電流検出部101について説明するための図である。図2に示すACサーボドライバ100は、ACサーボドライバとしては、ごく普通の周知の構成のものである。このため、回路構成の全体の説明は省略し、本発明に直接関係するACサーボモータ33のトルク電流を検出する部分についてのみ説明する。
図2において、ACサーボモータ33に流れるU相、W相の電流信号iu、iwが電流センサ102A、102Bにより検出される。検出されたU相、W相の電流iu、iwは2/3相変換回路103に入力される。2/3相変換回路103では、U相、W相の電流信号iu、iwを基に、V相電流信号ivを求めると共に、U相、V相、W相の電流信号iu、iv、iwを、ACサーボモータ33の回転子の位置情報(角度情報)θを基に、回転子に同期して回転するd−q直交座標系に「3相→2相変換」し、磁束電流id、トルク電流iqの信号に変換する。このトルク電流iqの信号が、負荷トルク電流として引抜過負荷判定部42に入力される。なお、ACサーボモータ33の回転子の位置情報(角度情報)θの情報は、ACサーボモータ33に付随するレゾルバ34から信号を受信するレゾルバ制御部104により生成される。
なお、引抜制御部41からACサーボドライバ100に対して、ACサーボモータ33の回転速度指令信号として速度指令信号Sが送られ、この速度指令信号Sと、レゾルバ制御部104からの速度フィードバック信号SとがPID回路等の速度制御部105に入力され、速度制御部105からトルク指令信号iqが出力される。
なお、図2に示した例は、ACサーボモータ33を使用する場合の負荷トルク電流の検出方法を示したものであるが、底板1の昇降機構の駆動源に使用するモータとしては、ACサーボモータ33に限らず、直流サーボモータ、直流電動機、ベクトル制御される誘導電動機などであってもよい。すなわち、負荷トルク電流を検出できるモータであれば種類を問わない。
図3は、上述したコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置における引抜制御の処理の流れをフローチャートで示したものであり、本発明に直接関係する部分について示したものである。以下、図3を参照して、その処理の流れについて説明する。
ルツボ内の金属が溶解し、金属鋳塊の引抜の準備が完了すると、引抜動作が開始され(ステップS1)、引抜制御部41はACサーボドライバ100に指令信号を送り、ACサーボモータ33を起動し(ステップS2)、ルツボの底板1を下降させる(ステップS3)。
底板1の下降が開始されると、引抜過負荷判定部42は、ACサーボモータ33の負荷トルク電流の検出信号をトルク電流検出部101(ACサーボドライバ100内のトルク電流検出部101)から受け取り(ステップS4)、負荷トルク電流が所定の値を超えているかどうか(引抜負荷が過大であるかどうか)を判定する(ステップS5)。
引抜過負荷判定部42により、負荷トルク電流が所定の値を超えていない(引抜負荷が過大でない)と判定された場合は(ステップS5:NO)、溶解電源装置50における誘導加熱電力が通常時よりも増加されている場合は、誘導加熱電力増加制御部45から溶解電源装置制御部51に指示信号を送り、誘導加熱電力を通常時の電力に戻す(ステップS6)。誘導加熱電力が通常時の状態の場合は、そのままの状態とし、ステップS7に移行する。
ステップS7では、引抜制御部41により、底板1が下限(引抜き位置下限)に到達したかどうかを判定し、引抜位置下限でないと判定した場合は(ステップS7:NO)、ステップS3に移行し、引抜動作を継続する。引抜位置下限であると判定した場合は(ステップS7:YES)、引抜動作を停止する(ステップS8)。
一方、ステップS5において、引抜過負荷判定部42により、引抜負荷が過大(負荷トルク電流が所定の値を超えている)と判定された場合は(ステップS5:YES)、誘導加熱電力増加制御部45から溶解電源装置制御部51に指示信号を送り、誘導加熱電力を増加させる(ステップS9)。既に誘導加熱電力が増加されている場合は、そのままの状態とし、ステップS10に移行する。
引抜一時休止制御部43では、引抜過負荷の継続時間を計測すると共に、引抜過負荷継続時間が所定時間継続(例えば、数10秒程度)しているかどうかを判定する(ステップS10)。
引抜過負荷継続時間が所定時間継続していない場合は(ステップS10:NO)、ステップS7に移行し、底板1を下降させ引抜動作を継続する。引抜過負荷継続時間が所定時間継続している場合は(ステップS10:YES)、ステップS11に移行し、引抜中止制御部44により、今回の引抜過負荷の継続状態が、所定時間内において何回目であるかを判定する(ステップS11)。例えば、10分間〜数10分間で3回目かどうかを判定する。
ステップS11において、所定時間内において所定回数目であると判定された場合は(ステップS11:YES)、異常が生じているものと判定し、引抜中止制御部44から引抜制御部41に信号を送り、引抜動作を中止させる(ステップS9)。
ステップS11において、引抜過負荷の継続状態が所定時間内において所定回数目でないと判定された場合は(ステップS11:NO)、引抜一時休止制御部43により、引抜動作の一時休止状態に入る。すなわち、引抜一時休止制御部43から引抜制御部41に指示信号を送り、ACサーボモータ33を一時停止させ(ステップS12)、底板1の下降を停止させる。
引抜一時休止制御部43は、引抜一時休止状態を所定時間(例えば、数分程度)継続させ(ステップS13)、所定時間経過後に(ステップS13:YES)、引抜制御部41に指示してACサーボモータ33を再起動させ(ステップS14)、ステップS3に移行して、底板1を下降させ引抜動作を再開する。
このような処理の流れにより、金属鋳塊の引き抜き時に、ルツボと凝固した金属鋳塊との間に発生した負荷をACサーボモータの負荷トルク電流により間接的に検知し、それを基に引抜制御を行うようにしたので、これにより、ルツボと金属鋳塊との間に発生している過負荷(コジ)の拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの側壁の損傷をなくし、健全で高品質かつ歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。また、安定した操業と安全性が確保される。
なお、図4は、本発明による効果の例を示す図であり、図4(A)は従来技術によるインゴット(金属鋳塊)の例を示し、図4(B)は本発明によるインゴットの例を示している。図に示すように、本発明によるインゴットの表面の凹凸は、従来技術のインゴットの表面の凹凸よりも少ない。
また、図5は、本発明の他の実施の形態に係わる連続鋳造装置の構成を示す図である。図5に示す連続鋳造装置は、図1に示した連続鋳造装置の溶解炉10の部分を気密容器60内に設置し、溶解および鋳造を、真空中(またはは不活性ガス雰囲気中)で行うようにしたものである。その他の構成は、図1に示した連続鋳造装置と同様であり、図1と同様の部材又は部位については同じ符号を付している。
図5において、気密容器60は外部から気密状態に遮断され、本体61は水冷するように二重壁構造にされており、一方面を開閉可能に設けられた開閉扉62を有している。開閉扉62には、気密容器60内をオペレータに視認させるように覗き窓62aが設けられていると共に、開閉扉62の開閉時にオペレータにより把持される把手62bが設けられている。また、気密容器60の本体61にも、覗き窓61a、61bが上面に設けられている。
また、気密容器60の本体61の上部には、原料追装機構63が設けられており、この原料追装機構63により、溶解炉10のルツボ内に溶解対象の金属材料を供給する。また、前述したように溶解炉10の底板1は引抜シャフト12により昇降可能に構成されており、この引抜シャフト12と気密容器60との気密性を保持するために、引抜シャフト12の外周部12aの部分に軸シール35が設けられている。
また、タンク本体61には、第1バルブ64a、第2バルブ64b、第3バルブが並列接続されている。第1バルブ64aは、真空ポンプ65に接続されており、開状態時に気密容器60内の空気を真空ポンプ65により吸引して外部に排気可能にする。第2バルブ64bは、アルゴンガス等を収容したガスボンベ66に接続されており、開状態時にガスボンベ66のアルゴンガス等を気密容器60内に供給可能にする。第3バルブ64cは、外部に開放されており、開状態時に外部の空気を気密容器60に供給可能にする。
上記構成により、これらの第1〜第3バルブ64a〜64cの開閉を制御することにより、気密容器60内を真空あるいは不活性ガス雰囲気とした状態において、溶解炉10に原料追装機構63から溶解対象の金属材料を供給しつつ、を誘導加熱コイル18により金属材料を加熱して溶解させる。
以後の鋳造時の動作は、図1乃至図3で説明した連続鋳造時の動作と同じであり、引抜シャフト12により底板1を下降させながら引抜き制御動作を行い、連続鋳造を行う。
これにより、真空または不活性ガス雰囲気中で連続鋳造を行う連続鋳造装置において、金属鋳塊の引き抜き時に、ルツボの側壁と金属鋳塊との間に発生した負荷を間接的に検知でき、それを基に引抜制御を行えるので、ルツボと金属鋳塊との間に発生しているコジの拡大を未然に回避することができる。このため、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来る。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の連続鋳造装置および引抜制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明においては、ルツボの損傷をなくし、健全で高品質、かつ歩留りの良い金属鋳塊を得ることが出来るので、本発明は連続鋳造装置、該連続鋳造装置における引抜制御装置等に有用である。
本発明の実施の形態に係るコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のシステム構成を示す図である。 ACサーボドライバ内のトルク電流検出部について説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明による効果の例を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係わる連続鋳造装置の構成を示す図である。 コールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のルツボの部分の構成を示す図である。 従来のコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置のシステム構成を示す図である。
符号の説明
1・・・底板、10・・・ルツボ、12・・・引抜シャフト、13・・・被溶解材料、14・・・溶湯、15・・・凝固相、16・・・セグメント、17・・・スリット、18・・・誘導加熱コイル、20・・・側壁、30・・・ナット、31・・・ボールネジ、32・・・減速機、33・・・ACサーボモータ、34・・・レゾルバ、35・・・軸シール、40、40A・・・引抜制御装置、41・・・引抜制御部、42・・・引抜過負荷判定部、43・・・引抜一時休止制御部、44・・・引抜中止制御部、45・・・誘導加熱電力増加制御部、50・・・溶解電源装置、51・・・溶解電源装置制御部、60・・・気密容器、61・・・タンク本体、62・・・開閉扉、63・・・原料追装機構、64a、64b、64c・・・バルブ、65・・・真空ポンプ、66・・・ガスボンベ、100・・・ACサーボドライバ、101・・・トルク電流検出部

Claims (11)

  1. 誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置であって、
    前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源となるモータと、
    前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出部と、
    前記トルク電流検出部により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定部と、
    前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御部と、
    前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御部と、
    を備えることを特徴とする連続鋳造装置。
  2. 前記引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御部を
    さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造装置。
  3. 前記引抜中止制御部により前記引き抜き動作を中止した場合に、警報信号を出力すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の連続鋳造装置。
  4. 前記モータがACサーボモータであって、
    前記トルク電流検出部は前記ACサーボモータの負荷トルク電流を検出すること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の連続鋳造装置。
  5. 前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源として、
    ACサーボモータと、
    前記ACサーボモータに減速機を介して連結されるボールネジと、
    を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の連続鋳造装置。
  6. 前記連続鋳造装置がコールドクルーシブル誘導溶解連続鋳造装置であること
    を特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の連続鋳造装置。
  7. 前記連続鋳造装置が真空排気系、ガス導入系を備えた気密容器内に設置され、溶解および連続鋳造が真空あるいは不活性雰囲気中で行われること
    を特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の連続鋳造装置。
  8. 誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における引抜制御装置であって、
    前記底板を昇降させる昇降機構の駆動源となるモータと、
    前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出部と、
    前記トルク電流検出部により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定部と、
    前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御部と、
    前記引抜過負荷判定部によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御部と、
    を備えることを特徴とする引抜制御装置。
  9. 前記引抜一時休止制御部による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御部を
    さらに備えることを特徴とする請求項8に記載の引抜制御装置。
  10. 誘導加熱によりルツボ内の金属を溶解させると共に、前記ルツボの底板を昇降させることにより前記ルツボ内で溶解した金属を凝固させながら下方に引き抜き、金属鋳塊を得る連続鋳造装置における引抜制御方法であって、
    前記底板を昇降させる昇降機構をモータにより駆動する手順と、
    前記底板の下降時に前記モータの負荷トルク電流を検出するトルク電流検出手順と、
    前記トルク電流検出手順により検出されたモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたことを判定する引抜過負荷判定手順と、
    前記引抜過負荷判定手順によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えたと判定された場合に、前記誘導加熱における溶解電力を所定の割合で増大させる誘導加熱電力増加制御手順と、
    前記引抜過負荷判定手順によりモータの負荷トルク電流が所定の値を超えていると判定された状態が所定時間継続した場合に、前記モータを一時休止し前記底板の下降を休止させると共に、所定時間の後に前記モータを再起動し前記底板の下降を再開させる引抜一時休止制御手順と、
    を含むことを特徴とする引抜制御方法。
  11. 前記引抜一時休止制御手順による引抜一時休止動作が所定時間内に所定の回数以上繰り返された場合に、前記引き抜き動作を中止する引抜中止制御手順を
    さらに含むことを特徴とする請求項10に記載の引抜制御方法。
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