JP2926961B2 - 金属の連続的溶解および鋳造装置 - Google Patents

金属の連続的溶解および鋳造装置

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、誘導加熱が行われる縦型の冷却式るつぼを
用いた金属の連続的溶解および鋳造装置に関する。
(従来の技術) 従来から広く知られている冷却式るつぼは、チタンや
ジルコニウム等の高融点であって、かつ反応性に富んだ
金属材料を溶解し、そのインゴットを製造する場合等に
使用される金属の溶解および鋳造のための装置である。
そして、この冷却式るつぼは、通常は、チャンバー内
に配置され、普通銅からなる導電性の壁に、スリットで
分割されたセクターからなる銅製の冷却式るつぼ、前記
冷却式るつぼの外周面に囲繞する誘導コイル、鋳造され
たインゴットを支持する引き抜き装置、スラグ剤のフィ
ーダーと、さらには金属材料の原料のフィーダーから構
成されている。
すなわち、前述のように、前記冷却式るつぼの外壁
は、4個から20個を越える複数個の長手方向のセクター
に分割されており、これらのセクターは互いに円周状に
並置されるとともに互いに電気的に絶縁されており、さ
らに該セクターの内部を冷却流体が循環するように構成
されている。
さらに、前記冷却式るつぼは、その高さの一部分につ
いて、冷却された同軸のらせん形の誘導子である誘導コ
イルにより囲まれている。そして、前記冷却式るつぼの
外壁面がセクターに分割されることによって、前記誘導
コイルに印加された中波または高周波の交流電流により
交番磁場が金属材料中に電流を誘導する。
その結果、金属材料は加熱・溶解され、撹拌されるよ
うに構成されている。
このような冷却式るつぼを用いた金属の溶解装置に関
する提案が従来より種々なされている。
例えば、仏国特許第2497050号では、金属材料の下方
への引き抜きとともに固体状態で漸次取り出される装
置、すなわち装填された金属材料を加熱・溶解し、冷却
・固化するとともに引き抜くことにより、金属材料の溶
解および鋳造を連続的に行う装置が提案されている。こ
の仏国特許第2497050号により提案された装置は、金属
材料は電磁的ピンチ力を被るとともに、前記装置の全高
にわたって金属材料と壁との間に凝固スラグ膜が存在す
るため、金属材料はるつぼ壁と直接に接触しないという
特徴を有している。
また、仏国特許第2609655号では、冷却式るつぼを具
備した連続鋳造装置として、冷却式るつぼ内側の断面積
が下方に向かって少なくとも拡大している点およびスラ
グを用いない点を除いて、概ね前記仏国特許第2497050
号により提案された装置に類似した装置が提案されてい
る。この仏国特許第2609655号により提案された装置
は、誘導コイルに供給する電流の値を制御することによ
り、液体材料を冷却式るつぼの上部領域と下部領域とが
接合される僅かな高さを有する部分以外で電磁的に冷却
式るつぼの壁面から隔離することを可能にし、その際、
上記部分では、液体金属が冷却式るつぼの側壁と接触し
て凝固する。そして、上部領域と下部領域とでは、冷却
式るつぼの内側の断面積を変化させているため、固体金
属はるつぼの内壁に対して限定された高さで接触するこ
ととなる。したがって、この装置によれば、インゴット
の引き抜きが比較的容易となり、凝固金属はるつぼの金
属によって殆ど汚染されず、また固体金属と冷却式るつ
ぼとの間の引っ張り応力は小さな値に制限されることと
なるために、インゴットは良好な表面状態を有すること
が期待できる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、これらの装置には、それぞれ問題がある。
まず、仏国特許第2497050号により提案された装置に
は、 固体材料と冷却式るつぼの内壁面とが長い範囲にわた
って接触する場合、生じる引っ張り応力は大きな値とな
り、最悪の場合にはインゴットの鋳造表面に亀裂を発生
させるおそれがあること、 インゴット表面に付着するスラグ膜をインゴットの加
工前に剥ぎ取って除去しなければならず、工数増となる
こと、 スラグにより、溶解した金属材料が汚染されたり、冷
却式るつぼを腐食させる危険性があること、さらに スラグは、溶解作業が真空下で行なわれる場合には蒸
発して炉内各部に付着するため、前記炉内を清掃する必
要が生ずるとともに、スラグはインゴットの形状をるつ
ぼの内面形状以外の任意形状に変形させる恐れがあるこ
と という問題点がある。
一方、仏国特許第2609655号により開示された装置の
問題点は、生産性が低いために、実施化が容易ではない
ことである。すなわち、生産性を高めるためにインゴッ
トの鋳造速度を高めると、内壁面の断面積が下方につれ
て拡大する冷却式るつぼとインゴットとの間の空間に未
凝固の材料がオーバーフローして二重肌を形成してしま
ったり、最悪の場合にはブレークアウトを発生してしま
う。
ここに、本発明の目的は、上記の従来の技術の問題
点、すなわち (a)スラグの存在に起因する材料汚染の問題とスラグ
膜の剥ぎ取りによる工程増の問題、 (b)インゴットの鋳肌における亀裂の発生の問題、さ
らには (c)高速での鋳造時における二重肌およびブレークア
ウトの発生の問題 を解決することができる金属の連続的溶解および鋳造装
置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記課題を解決するため種々検討を重ね
た。
まず、従来の装置を用いて基礎実験を繰り返し行うこ
とにより、 (a)従来の装置においては、インゴットと冷却式るつ
ぼとの内壁面との接触を防止するためにこれらの間のス
ラグを介在させているが、このスラグを用いなくとも、
ピンチ力などの存在により、鋳造に際しては実質的に電
気的および熱的に絶縁状態となっており、実用上問題が
ないこと、および特に隣接するセクターの間隙部はるつ
ぼ内の他の場所(例えばセクター設置部)よりも磁束密
度が高いことが理論的に予想され、前記感激部には溶解
した金属材料が流入する可能性はさらに小さいことを知
見した。
しかし、本発明者は、さらに膨大な量の基礎実験結果
を詳細に検討した。その結果、 (b)実操業時を考えると、現実には、固体材料の投入
に伴う液体材料の湯面変動などの外乱が発生することあ
り、このような装置を設計する場合には、隣接するセク
ターの間隙部への液体材料の流入は発生し得るとの前提
に立つ必要があることを知見した。
そして、隣接するセクターの間隙部への液体材料の流
入が発生した場合の対策について、種々検討を重ねた結
果、 (c)隣接するセクターの間隙部への液体材料の流入が
発生すると、流入した液体材料は、この間隙部内で固化
し、インゴット全体の引っ張り応力を増加させることか
ら、前記引張応力を緩和するために、セクターの間隙部
の寸法が鋳造方向(鉛直下向き)に沿って拡大する壁面
構造の冷却式るつぼを用いれば、インゴット引き抜き時
におけるインゴットと冷却式るつぼとの間における応力
が緩和されて、インゴットの鋳肌の品質が向上するこ
と、 (d)鋳造方向に沿う前記間隙部の延長部分であって、
前記セクターの下部に溝を設けることにより、特に前記
間隙が消失する上部領域と下部領域との接合部またはそ
の近傍において固化した流入材料と冷却式るつぼとの間
において生じる応力が緩和されるため、鋳肌の品質を向
上する上では、一層望ましいこと、さらに (e)上記(c)または(d)に示した構造のるつぼで
は、特に凝固に関与する上部領域の断面積と下部領域の
内側の断面積とが変化することはないため、高速鋳造時
における二重肌の発生あるいはブレークアウトの発生を
防止することができること を知見した。
このような知見に基づいて、本発明者はさらに検討を
重ねた結果、本発明を完成した。
ここに、本発明の要旨とするところは、上方から供給
される固体状の金属を連続的に溶解および鋳造する装置
であって、高さ方向の一部の壁面が複数のセクターに分
割された導電性の冷却式るつぼと、前記冷却式るつぼの
外周面をその高さ方向の一部について囲繞するように配
置されたコイル形の誘導子と、前記冷却式るつぼで鋳造
されたインゴットの下方への引き抜き装置とを有する金
属の連続的溶解および鋳造装置であって、前記冷却式る
つぼは、 (i)その一部が前記セクターに分割されるとともに、
隣接する前記セクター各々の間隔が下方にゆくにつれて
拡大する構造を有する上部領域と、 (ii)前記上部領域に接合され、かつ前記セクターに分
割されない下部領域と を有することを特徴とする金属の連続的溶解および鋳造
装置である。
また、上記の本発明においては、前記下部領域は、隣
接する前記セクターの間隔の延長上のインゴットに面す
る冷却式るつぼの内壁面に溝を有することが、前記間隙
が消失する上部領域と下部領域との接合部またはその近
傍において固化した流入材料と冷却式るつぼとの間にお
いて生じる応力が緩和されるため、鋳肌の品質を向上す
るという観点からは一層望ましい。
さらに、これらの本発明において、前記冷却式るつ
ぼ、前記コイル形の誘導子、原料供給装置および前記引
き抜き装置を大気から分離し、さらに望ましくは制御さ
れた雰囲気を伴うチャンバーを有することも好適であ
る。
(作用) まず、本発明を作用効果とともに詳述する。
本発明は、略述すれば、上方から供給される固体状の
金属を連続的に溶解および鋳造する装置であって、その
壁が高さ方向の一部において複数のセクターに分割され
た導電性の冷却式るつぼと、前記冷却式るつぼをその高
さ方向の一部について囲繞するように配置されたコイル
形の誘導子と、前記るつぼ内で鋳造されたインゴットの
下方への引き抜き装置とを有する金属の連続的溶解およ
び鋳造装置において、前記冷却式るつぼが具体的には、 (i)その一部を前記セクターに分割されるとともに、
隣接する前記セクターの各々の間隔が下方にゆくにつれ
て増大する構造を有する前記上部領域と、 (ii)前記上部領域に続いて設けられ、セクターに分割
されない、隣接する前記セクターの間隔の延長上のイン
ゴットに面するるつぼ壁において溝を有する前記下部領
域と を有することを特徴とする金属の連続的溶解および鋳造
装置である。
すなわち、本発明においては、その一部を前記セクタ
ーに分割されるとともに隣接する前記セクター各々の間
隔が下方につれて増大する上部領域を有する構造とした
ため、隣接するセクターの間隙への液体材料の流入が発
生すると、従来の冷却式るつぼを用いた金属の連続的溶
解および鋳造装置では、流入した前記液体材料が前記セ
クターの間隙部において固化してしまうため、インゴッ
ト引張時におけるインゴット全体の引っ張り応力を増加
させてしまう。
しかし、本発明によれば、前記引張応力を緩和するた
めに、冷却式るつぼの構造を、隣接するセクターの間隙
部の寸法が鋳造方向(鉛直下向き)に沿って拡大する構
造(例えば、各セクターの幅が鉛直下方に向かうにつれ
て、テーパー状に減少する構造)とするために、インゴ
ットと冷却式るつぼとの間における応力が緩和されて、
インゴットの鋳肌の品質が向上する。
さらに、鋳造方向に沿う間隙の延長部分を溝構造とす
ると、特に間隙が消失する上部領域と下部領域との接合
部において固化した流入材料と冷却式るつぼとの間の応
力が緩和されるため、鋳肌の品質を向上する上では、一
層望ましい。
さらに、この本発明にかかる構造の冷却式るつぼで
は、前述の仏国特許第2609655号により提案された装置
のように、凝固に関与する上部領域の断面積と下部領域
の内側の断面積とを変化させる必要がないため、高速鋳
造時における二重肌の発生あるいはブレークアウトの発
生を防止することができる。
なお、本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳造装
置において用いる冷却式るつぼは、前述のように、隣接
するセクターの間隙部の寸法が鋳造方向(鉛直下向き)
に沿って拡大する構造となっている点を除けば、従来か
らの冷却式るつぼと同様であってよい。
すなわち、冷却式るつぼは、普通銅からなる導電性の
壁を有し、この壁は、例えば4個から20個以上の複数個
の長手方向へのセクターを有し、これらのセクターは互
いに並置され、かつ互いに電気的に絶縁されており、ま
た前記セクターの内部は冷却用液体が循環するように構
成されている。
また、らせん形の誘導子には、中波または高周波の交
流電流が供給されている。これらの構造は、公知のセク
ターと何ら変わりない構造でよく、適宜手段によりこの
ような機能を満足するように構成すればよい。
次に、本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳造装
置を用いて金属材料を溶解してインゴットを製造する方
法を第1図および第2図にもとづいて説明する。
第1図は、本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳
造装置の1実施例の構造を示す略式説明図を、第2図
に、本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳造装置に
おいて用いる冷却式るつぼの構造を示す略式斜視図であ
る。
まず、インゴット6の母材を引き抜き棒5の先端に固
定した後、引き抜き棒5を上昇させて母材の上端が冷却
式るつぼ2の略中間高さに一致するところまで挿入す
る。
その後、誘導子7に中波または高周波の交流電流を供
給すると冷却式るつぼ2の上部領域における間隙2hを介
してるつぼの内面に誘導電流が流れるので、母材は加熱
され、やがて溶融する。
続いて、溶融状態にある母材3上に、金属材料4を連
続供給するとともに、材料の供給速度に相当する速度で
引き抜き棒を連続的に下降させる。
その際、溶融状態にある金属材料上に固体の金属材料
が落下するときの衝撃、あるいは誘導撹拌などの外乱に
より、液体状の金属材料3はるつぼ上部領域における隣
接するセクター同士の間に存在する間隙に流入して、こ
こで凝固することがある。
前述のように、本発明は、隣接するセクターの間隙が
鋳造方向に沿って拡大するように構成した点に特徴を有
する構造の冷却式るつぼを用いた金属の連続的溶解およ
び鋳造装置である。
すなわち、前記間隙に流入して凝固した金属材料は、
インゴット6の下方への移動とともに、インゴットおよ
び冷却式るつぼ間において生じる引っ張り応力を緩和す
る方向に作用するため、インゴット表面の鋳肌に亀裂を
発生させることはない。
さらに、第2図に示すように、冷却式るつぼの下部領
域に、溝2iを有する構造の冷却式るつぼの場合は、冷却
式るつぼの上部領域から下部領域にインゴットが移動す
る際、隣接するセクターの間隙に流入した金属材料によ
り冷却式るつぼとインゴットとの間における引っ張り力
が増加することが避けられるため、インゴットの鋳肌に
亀裂を発生させることはない。
また、上記構造の冷却式るつぼの場合、特に凝固の際
の抜熱に関与する上部領域と下部領域の内側との水平断
面形状を高さ方向(鋳造方向)で顕著に変化させる必要
がないため、抜熱量の著しい低下は起こらない。したが
って、高速での鋳造を行っても、二重肌の発生あるいは
ブレークアウトの発生を防止できる。
実施例 さらに、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明す
る。
第1図および第2図に示す構造の本発明にかかる金属
の連続的溶解および鋳造装置と、第1図および第3図に
示す構造の本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳造
装置とを用いて、本発明の効果の評定を行った。
なお、第2図は本実施例で用いた冷却式るつぼ2のA
−A矢視部分の略式斜視図を、第3図は本実施例で用い
た他の冷却式るつぼのA−A矢視部分の略式斜視図をそ
れぞれ示しており、第2図は溝2iの深さが鋳造方向に沿
って一定である冷却式るつぼを、第3図は溝2iの深さが
鋳造方向に沿って拡大した冷却式るつぼを示している。
第1図において、るつぼ2は内径60mm、外径100mm、
高さ180mmの寸法で、銅材料から構成される。
セクター構造を有さない、冷却式るつぼ2の上部領域
2aは、冷却水の出口2dを有する高さ50mmの中空体であ
り、その内部を冷却水が通過できる構造としている。
セクター構造を有する冷却式るつぼ2の上部領域2b
は、本実施例では、16分割された内部水冷のセクタ2gか
らなる構造であり、隣接するセクターとの間隙2hはその
上端で0.2mm、下端で0.4mm、高さは50mmである。
冷却式るつぼ2の下部領域2cは、給水口2eを有する外
径200mm、高さ80mmの中空冷却体であり、冷却式るつぼ
2の壁の内面に半径0.3mm、高さ80mmの半円形断面状の
溝が、隣接するセクター同士の間隙の延長上(下方)に
設けてある。
誘導子7は、肉厚2mm、外径12mmの銅製コイルを平均
直径120mmの寸法で、冷却式るつぼ2の周囲にらせん状
に4回巻いた構造としている。
さらに、冷却式るつぼ2の上方には、金属材料4を供
給するためのホッパーが設けられており、一方冷却式る
つぼ2の下方には、鋳造されたインゴット6を下方に引
き抜くための引き抜き装置である引き抜き棒5が設けて
ある。
このような構造の本発明にかかる金属の連続的溶解お
よび鋳造装置の主要部は、チャンバー1の内容に収容さ
れている。
溶解および鋳造操作は次のようにして行った。
まず、チャンバ1内をArガス雰囲気にした後、引き抜
き棒5を冷却式るつぼ2内に挿入し、引き抜き棒5の上
端に取り付けたチタン母材を、その上部が誘導コイルの
高さの中程に位置するようにして、装入した。
次に、誘導子7に150kwの高周波電流を流し、溶融し
たチタンの頂部が誘導子7の上部に相当する位置に達し
た時、引き抜き棒5を1.6cm/minの速度で下降すると同
時に振動フィーダから200g/minでチタン材料を供給し
た。
このような操作を36分間連続して行い、直径58mm、長
さ576mm、重量6.5kgのチタンインゴットを製造し、その
化学組成を調べた。
その結果、第1図および第2図により示した装置、第
1図および第3図に示した装置のいずれによっても、酸
素含有量200ppm、炭素含有量230ppm、窒素含有量105pp
m、銅含有量20ppm以下、残部チタンという、高純度のチ
タンインゴットが得られた。
また、その表面性状も極めて良好であった。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明により、スラグの存在に
起因する材料汚染の問題とスラグ膜の剥ぎ取りによる工
程増の問題、インゴットの鋳肌における亀裂の発生の問
題、さらには高速での鋳造時における二重肌およびブレ
ークアウトの発生の問題を解決することができる金属の
連続的溶解および鋳造装置を提供することができた。
したがって、スラグ剤を使用することなしに、高速で
金属の溶解および連続鋳造を行うことができる。
しかも、高純度でかつ表面性状に優れる高品質のイン
ゴットを製造することが可能となる。
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明にかかる金属の連続的溶解および鋳造
装置の全体の構成を示す略式説明図;および 第2図および第3図は、それぞれ実施例で用いた冷却式
るつぼのA−A矢視部分を示す略式斜視図の立体図であ
る。 1:チャンバ、1a:チャンバの排気口 2:るつぼ 2a:セクタ構造を持たないるつぼ上部領域 2b:セクタ構造を持つるつぼ上部領域 2c:溝構造を持つるつぼ下部領域 2d:るつぼの冷却水出口 2e:るつぼの冷却水入口 2f:るつぼの冷却水通路 2g:るつぼ上部領域におけるセクタ 2h:るつぼ上部領域における間隙 2i:るつぼ下部領域における溝 3:溶融状態における金属材料 4:金属材料、5:引き抜き棒 6:インゴット、7:誘導子
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/04 B22D 21/02 B22D 27/15

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上方から供給される固体状の金属を連続的
    に溶解および鋳造する装置であって、高さ方向の一部の
    壁面が複数のセクターに分割された導電性の冷却式るつ
    ぼと、前記冷却式るつぼの外周面をその高さ方向の一部
    について囲繞するように配置されたコイル形の誘導子
    と、前記冷却式るつぼで鋳造されたインゴットの下方へ
    の引き抜き装置とを有する金属の連続的溶解および鋳造
    装置であって、前記冷却式るつぼは、 (i)その一部が前記セクターに分割されるとともに、
    隣接する前記セクター各々の間隔が下方にゆくにつれて
    拡大する構造を有する上部領域と、 (ii)前記上部領域に続いて設けられ、かつセクターに
    分割されない下部領域と を有することを特徴とする金属の連続的溶解および鋳造
    装置。
  2. 【請求項2】さらに、前記下部領域は、隣接する前記セ
    クターの間隔の延長上のインゴットに面する内壁面に溝
    を有することを特徴とする請求項1記載の金属の連続的
    溶解および鋳造装置。
  3. 【請求項3】さらに、前記冷却式るつぼ、前記誘導子、
    原料供給装置および前記引き抜き装置を大気から分離す
    るチャンバーを有することを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の金属の連続的溶解および鋳造装置。
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