JP2000268948A - コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 - Google Patents
コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法Info
- Publication number
- JP2000268948A JP2000268948A JP11074352A JP7435299A JP2000268948A JP 2000268948 A JP2000268948 A JP 2000268948A JP 11074352 A JP11074352 A JP 11074352A JP 7435299 A JP7435299 A JP 7435299A JP 2000268948 A JP2000268948 A JP 2000268948A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tapping
- molten metal
- coil
- level
- melting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- General Induction Heating (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 コールドクルーシブル誘導溶解装置から出湯
するにあたり、その出湯速度を積極的に制御する方法を
開発し、例えば均一速度で出湯して連続鋳造法等への各
種鋳造方法への適用を容易にする出湯方法を提供する。 【解決手段】 底部に出湯口を有するるつぼ本体部外周
には溶解用コイルが環装され、出湯口の外周には出湯用
コイルが環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置
の出湯方法において、被溶解物の湯面高さを検知し、湯
面高さに応じて溶解用コイルの電流値を制御することに
より、出湯の間、湯面高さを制御して出湯速度を制御す
ることを特徴とするものであり、特に、湯面高さを一定
に保持することで出湯速度を一定になる様に制御するこ
とができる。
するにあたり、その出湯速度を積極的に制御する方法を
開発し、例えば均一速度で出湯して連続鋳造法等への各
種鋳造方法への適用を容易にする出湯方法を提供する。 【解決手段】 底部に出湯口を有するるつぼ本体部外周
には溶解用コイルが環装され、出湯口の外周には出湯用
コイルが環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置
の出湯方法において、被溶解物の湯面高さを検知し、湯
面高さに応じて溶解用コイルの電流値を制御することに
より、出湯の間、湯面高さを制御して出湯速度を制御す
ることを特徴とするものであり、特に、湯面高さを一定
に保持することで出湯速度を一定になる様に制御するこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導溶解により金
属を溶解するコールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯
方法であって、出湯速度の制御を行う方法に関するもの
である。
属を溶解するコールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯
方法であって、出湯速度の制御を行う方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】コールドクルーシブル誘導溶解装置は、
縦長に分割された良導電性金属のセグメントで略円筒状
に形成されたるつぼを誘導コイル内に配設することで構
成されており、上記誘導コイルによりるつぼの各セグメ
ントに渦電流を発生させ、この渦電流により更にるつぼ
内の被溶解材料に渦電流を発生させ被溶解材料にジュー
ル熱を発生させて加熱・溶解する装置である。尚、上記
誘導溶解装置は、るつぼ自体の溶解を防止することを目
的として、上記るつぼ内には水等の冷媒を循環させる様
に構成されていることからコールドクルーシブル誘導溶
解装置と呼ばれている。
縦長に分割された良導電性金属のセグメントで略円筒状
に形成されたるつぼを誘導コイル内に配設することで構
成されており、上記誘導コイルによりるつぼの各セグメ
ントに渦電流を発生させ、この渦電流により更にるつぼ
内の被溶解材料に渦電流を発生させ被溶解材料にジュー
ル熱を発生させて加熱・溶解する装置である。尚、上記
誘導溶解装置は、るつぼ自体の溶解を防止することを目
的として、上記るつぼ内には水等の冷媒を循環させる様
に構成されていることからコールドクルーシブル誘導溶
解装置と呼ばれている。
【0003】上記コールドクルーシブル誘導溶解装置
は、例えば真空炉内に配設されて活性金属(大気中で酸
化して粉末となるTiやCr,Mgなど)の溶解等に用
いられており、更には国内では未だ行われていないTi
スクラップの溶解等への工業的利用が期待されている。
Tiスクラップの溶解を行うにあたっては、均一組成の
Ti合金を大量に溶解する上で、るつぼの大型化が要望
されており、大型化が実現した場合には連続鋳造法をは
じめ各種の鋳造方法への採用が期待されることから、出
湯の開始から終了まで同一の流量で出湯する技術の確立
が要望されていた。
は、例えば真空炉内に配設されて活性金属(大気中で酸
化して粉末となるTiやCr,Mgなど)の溶解等に用
いられており、更には国内では未だ行われていないTi
スクラップの溶解等への工業的利用が期待されている。
Tiスクラップの溶解を行うにあたっては、均一組成の
Ti合金を大量に溶解する上で、るつぼの大型化が要望
されており、大型化が実現した場合には連続鋳造法をは
じめ各種の鋳造方法への採用が期待されることから、出
湯の開始から終了まで同一の流量で出湯する技術の確立
が要望されていた。
【0004】上記コールドクルーシブル誘導溶解装置の
出湯方法としては図1〜3の3つの方式がある。図1
は、コイルごと坩堝を傾動させて出湯する傾注方式であ
り、図2はるつぼ底部に設置したノズルから溶湯を出湯
するボトム出湯方式、図3は浮揚型コールドクルーシブ
ルにおけるボトム出湯方式である。
出湯方法としては図1〜3の3つの方式がある。図1
は、コイルごと坩堝を傾動させて出湯する傾注方式であ
り、図2はるつぼ底部に設置したノズルから溶湯を出湯
するボトム出湯方式、図3は浮揚型コールドクルーシブ
ルにおけるボトム出湯方式である。
【0005】図1の傾注方式では、出湯時における炉体
(るつぼ10及び溶解用コイル21)の傾動により溶湯
1とるつぼ側壁11の接触面積が増大して凝固スカル2
が著しく成長するので(2a)、その分出湯量が減少す
る。従って、傾注方式では、溶湯をできるだけ早く出湯
して、傾動状態でるつぼ内に溶湯が存在する時間を短く
することが望まれ、瞬時の傾動によって溶湯の全量を数
秒で出湯してしまうものである。
(るつぼ10及び溶解用コイル21)の傾動により溶湯
1とるつぼ側壁11の接触面積が増大して凝固スカル2
が著しく成長するので(2a)、その分出湯量が減少す
る。従って、傾注方式では、溶湯をできるだけ早く出湯
して、傾動状態でるつぼ内に溶湯が存在する時間を短く
することが望まれ、瞬時の傾動によって溶湯の全量を数
秒で出湯してしまうものである。
【0006】次に、従来のボトム出湯方式を採用するコ
ールドクルーシブル誘導溶解装置(図2)では、被溶解
物を上記るつぼの底面及び内壁面に接触させ該被溶解物
の表面に凝固スカル2を形成しながら溶解を行うと共
に、出湯ノズル13の上部に配設されたノズル栓3を溶
解用コイル21及び出湯用コイル22により溶解させて
出湯を行うものである。この方式における出湯速度は、
ノズル穴から溶湯表面までの高さ(湯面高さ)の平方根
に比例するため、出湯が進み、湯面高さが減少するに従
って、出湯速度が減衰してしまう。
ールドクルーシブル誘導溶解装置(図2)では、被溶解
物を上記るつぼの底面及び内壁面に接触させ該被溶解物
の表面に凝固スカル2を形成しながら溶解を行うと共
に、出湯ノズル13の上部に配設されたノズル栓3を溶
解用コイル21及び出湯用コイル22により溶解させて
出湯を行うものである。この方式における出湯速度は、
ノズル穴から溶湯表面までの高さ(湯面高さ)の平方根
に比例するため、出湯が進み、湯面高さが減少するに従
って、出湯速度が減衰してしまう。
【0007】また浮揚型コールドクルーシブル誘導溶解
装置(図3)は、上誘導コイル25には溶解の為に高周
波コイルを用いると共に、下誘導コイル26には大きい
浮揚力を発生させることを目的として低周波コイルを用
い被溶融金属を浮揚させながら溶解を行うものである。
但し、浮揚型コールドクルーシブル誘導溶解装置の場合
には、大量の金属溶湯を浮上させることが困難であり、
現在では50kg程度の被溶解物の溶解装置が稼働して
いるにとどまり、未だ工業ベースでの生産には適用され
ていない。また、下誘導コイル26には、浮揚機能と出
湯制御の相反する機能が期待されることから、出湯中に
おいて浮揚させた溶湯の安定保持が非常に困難であり、
この方法においても出湯速度の制御は不可能である。
装置(図3)は、上誘導コイル25には溶解の為に高周
波コイルを用いると共に、下誘導コイル26には大きい
浮揚力を発生させることを目的として低周波コイルを用
い被溶融金属を浮揚させながら溶解を行うものである。
但し、浮揚型コールドクルーシブル誘導溶解装置の場合
には、大量の金属溶湯を浮上させることが困難であり、
現在では50kg程度の被溶解物の溶解装置が稼働して
いるにとどまり、未だ工業ベースでの生産には適用され
ていない。また、下誘導コイル26には、浮揚機能と出
湯制御の相反する機能が期待されることから、出湯中に
おいて浮揚させた溶湯の安定保持が非常に困難であり、
この方法においても出湯速度の制御は不可能である。
【0008】以上の様に、従来ではコールドクルーシブ
ル誘導溶解装置を用いて、均一な速度で出湯することは
困難と考えられており、その適用範囲を著しく狭めてい
るのが現状である。
ル誘導溶解装置を用いて、均一な速度で出湯することは
困難と考えられており、その適用範囲を著しく狭めてい
るのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、コールドクルーシブル誘
導溶解装置から出湯するにあたり、その出湯速度を積極
的に制御する方法を開発し、例えば均一速度で出湯して
連続鋳造法等への各種鋳造方法への適用を容易にする出
湯方法を提供しようとするものである。
目してなされたものであって、コールドクルーシブル誘
導溶解装置から出湯するにあたり、その出湯速度を積極
的に制御する方法を開発し、例えば均一速度で出湯して
連続鋳造法等への各種鋳造方法への適用を容易にする出
湯方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明方法とは、底部に出湯口を有するるつぼ本体部外周に
は溶解用コイルが環装され、出湯口の外周には出湯用コ
イルが環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置の
出湯方法であって、被溶解物の湯面高さを検知し、湯面
高さに応じて溶解用コイルの電流値を制御することによ
り、出湯の間、湯面高さを制御して出湯速度を制御する
ことを要旨とするものであり、特に、湯面高さを一定に
保持することで出湯速度を一定になる様に制御するもの
である。
明方法とは、底部に出湯口を有するるつぼ本体部外周に
は溶解用コイルが環装され、出湯口の外周には出湯用コ
イルが環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置の
出湯方法であって、被溶解物の湯面高さを検知し、湯面
高さに応じて溶解用コイルの電流値を制御することによ
り、出湯の間、湯面高さを制御して出湯速度を制御する
ことを要旨とするものであり、特に、湯面高さを一定に
保持することで出湯速度を一定になる様に制御するもの
である。
【0011】尚、溶解用コイルの電流値を制御するにあ
たっては、下記の制御式を用いることが推奨される。 It+t'=It ×(H0 /Ht+t')1/n
たっては、下記の制御式を用いることが推奨される。 It+t'=It ×(H0 /Ht+t')1/n
【0012】但し、tは測定中の任意の時刻をある基準
時刻からの経過時間(秒)で示す値、t’はコイル電流
値を制御する2.0秒以下の任意の時間間隔(湯面高さ
の平均をとる時間間隔)、It は前記測定中の任意の時
刻tにおけるコイルの電流値(A),It+t'は時間t’
経過後のコイルの電流値(A),H0 は出湯開始時の湯
面高さ(mm)、Ht+t'は時間t’経過中の平均の湯面
高さ(mm)、nは2.0以下の任意の正の実数であ
る。
時刻からの経過時間(秒)で示す値、t’はコイル電流
値を制御する2.0秒以下の任意の時間間隔(湯面高さ
の平均をとる時間間隔)、It は前記測定中の任意の時
刻tにおけるコイルの電流値(A),It+t'は時間t’
経過後のコイルの電流値(A),H0 は出湯開始時の湯
面高さ(mm)、Ht+t'は時間t’経過中の平均の湯面
高さ(mm)、nは2.0以下の任意の正の実数であ
る。
【0013】また、湯面高さの検知方法としては、レー
ザ式変位計または渦電流式変位計を用いることができ
る。
ザ式変位計または渦電流式変位計を用いることができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコールドクルーシ
ブル誘導溶解装置とその出湯方法を水冷銅セグメント構
造からなるるつぼを用いた装置を例に挙げて図4を参照
しながら説明する。図4に示すコールドクルーシブル誘
導溶解装置は、溶解用高周波コイル21の内側に、水冷
銅セグメント構造からなるるつぼ10が配設され、るつ
ぼ底部の中央に、水冷銅セグメント構造からなる出湯ノ
ズル13が配設されたものである。
ブル誘導溶解装置とその出湯方法を水冷銅セグメント構
造からなるるつぼを用いた装置を例に挙げて図4を参照
しながら説明する。図4に示すコールドクルーシブル誘
導溶解装置は、溶解用高周波コイル21の内側に、水冷
銅セグメント構造からなるるつぼ10が配設され、るつ
ぼ底部の中央に、水冷銅セグメント構造からなる出湯ノ
ズル13が配設されたものである。
【0015】るつぼ底部に配設されている出湯ノズルか
らの出湯速度は、原理的には、ノズル穴から溶湯表面ま
での高さH(湯面高さ)の平方根に比例するため、出湯
によって溶湯が減少し溶湯の湯面高さが低くなるに従っ
て、出湯速度は減衰する。コールドクルーシブル誘導溶
解装置では、溶解用コイルによって、溶湯には求心方向
に電磁気力が働き、溶湯はるつぼ壁から離脱しドーム形
状を呈する。このドーム形状は、溶解用コイルの電流値
が大きいほど高く盛り上がり、著しく強い場合には柱状
の溶湯注となる。また、溶解用コイル電流が一定の場合
には、溶湯に働く求心方向の電磁気力は、原理的に、溶
湯とるつぼ壁との距離が大きいほど、即ち溶湯注が細い
程弱くなる。
らの出湯速度は、原理的には、ノズル穴から溶湯表面ま
での高さH(湯面高さ)の平方根に比例するため、出湯
によって溶湯が減少し溶湯の湯面高さが低くなるに従っ
て、出湯速度は減衰する。コールドクルーシブル誘導溶
解装置では、溶解用コイルによって、溶湯には求心方向
に電磁気力が働き、溶湯はるつぼ壁から離脱しドーム形
状を呈する。このドーム形状は、溶解用コイルの電流値
が大きいほど高く盛り上がり、著しく強い場合には柱状
の溶湯注となる。また、溶解用コイル電流が一定の場合
には、溶湯に働く求心方向の電磁気力は、原理的に、溶
湯とるつぼ壁との距離が大きいほど、即ち溶湯注が細い
程弱くなる。
【0016】従って、出湯によるるつぼ内残溶湯の減少
にかかわらず、湯面高さHを均一に保つためには、出湯
にあわせて溶解用コイル電流を増大させることが必要で
ある。
にかかわらず、湯面高さHを均一に保つためには、出湯
にあわせて溶解用コイル電流を増大させることが必要で
ある。
【0017】そこで、図4に示す様に、出湯中、湯面高
さをレーザ式変位計や渦電流式変位計等の検知手段40
を用いて随時測定し、下記の制御式(1)により溶解用
コイル21の電流値を増加させ、溶湯に働く求心方向の
電磁気力を増加させて、図4(a)に示す出湯初期の状
態が図4(b)に示す出湯末期に至る間、溶湯の湯面高
さHを一定に保持すれば、均一な出湯速度を得ることが
できる。 It+t'=It ×(H0 /Ht+t')1/n … (1)
さをレーザ式変位計や渦電流式変位計等の検知手段40
を用いて随時測定し、下記の制御式(1)により溶解用
コイル21の電流値を増加させ、溶湯に働く求心方向の
電磁気力を増加させて、図4(a)に示す出湯初期の状
態が図4(b)に示す出湯末期に至る間、溶湯の湯面高
さHを一定に保持すれば、均一な出湯速度を得ることが
できる。 It+t'=It ×(H0 /Ht+t')1/n … (1)
【0018】但し、tは測定中の任意の時刻をある基準
時刻からの経過時間(秒)で示す値、t’はコイル電流
値を制御する2.0秒以下の任意の時間間隔(湯面高さ
の平均をとる時間間隔)、It は前記測定中の任意の時
刻tにおけるコイルの電流値(A),It+t'は時間t’
経過後のコイルの電流値(A),H0 は出湯開始時の湯
面高さ(mm)、Ht+t'は時間t’経過中の平均の湯面
高さ(mm)、nは2.0以下の任意の正の実数であ
る。
時刻からの経過時間(秒)で示す値、t’はコイル電流
値を制御する2.0秒以下の任意の時間間隔(湯面高さ
の平均をとる時間間隔)、It は前記測定中の任意の時
刻tにおけるコイルの電流値(A),It+t'は時間t’
経過後のコイルの電流値(A),H0 は出湯開始時の湯
面高さ(mm)、Ht+t'は時間t’経過中の平均の湯面
高さ(mm)、nは2.0以下の任意の正の実数であ
る。
【0019】尚、上記制御式(1)では、溶湯の湯面高
さHの値をある時間間隔t’の平均値としている。これ
は、溶湯は電磁気力による流動撹拌の影響で著しく揺動
しており、瞬間瞬間の湯面高さは著しく変化するもので
あり、各瞬間の値を用いて制御を行った場合には、溶解
用コイル電流値は、湯面の揺動と同期して、発散する恐
れがあるからであり、そのため湯面高さについてはある
時間に亘って時間平均をとることが必要となる。しかし
ながら、平均をとる時間を長く取り過ぎると、コイル電
流の増加が追いつかず制御不能となるので、2.0秒以
下とすることが必要である。
さHの値をある時間間隔t’の平均値としている。これ
は、溶湯は電磁気力による流動撹拌の影響で著しく揺動
しており、瞬間瞬間の湯面高さは著しく変化するもので
あり、各瞬間の値を用いて制御を行った場合には、溶解
用コイル電流値は、湯面の揺動と同期して、発散する恐
れがあるからであり、そのため湯面高さについてはある
時間に亘って時間平均をとることが必要となる。しかし
ながら、平均をとる時間を長く取り過ぎると、コイル電
流の増加が追いつかず制御不能となるので、2.0秒以
下とすることが必要である。
【0020】湯面高さの変化量と溶解用コイルの電流値
の関係については、一般に溶湯の盛り上がり高さHは、
溶湯量が十分に多い場合、コイル電流値の2乗に比例す
ることが知られている。しかし、今回の様に、出湯によ
って溶湯量が変化し、るつぼと溶湯注の間に大きな空間
が生ずる場合は、必ずしも2乗に従わない。そこで、コ
イル電流値の制御については、基準となるコイル電流値
を用いず、時間間隔t’前のコイル電流値を基準として
変化させていくこととし、溶湯注が細くなることによる
電磁気力の減衰を補うため、指数nを2.0より大きな
値に設定することで制御可能となる。
の関係については、一般に溶湯の盛り上がり高さHは、
溶湯量が十分に多い場合、コイル電流値の2乗に比例す
ることが知られている。しかし、今回の様に、出湯によ
って溶湯量が変化し、るつぼと溶湯注の間に大きな空間
が生ずる場合は、必ずしも2乗に従わない。そこで、コ
イル電流値の制御については、基準となるコイル電流値
を用いず、時間間隔t’前のコイル電流値を基準として
変化させていくこととし、溶湯注が細くなることによる
電磁気力の減衰を補うため、指数nを2.0より大きな
値に設定することで制御可能となる。
【0021】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に基づいて設計変更すること
はいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもの
ではなく、前・後記の主旨に基づいて設計変更すること
はいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0022】
【実施例】[従来例]るつぼ内径400mmを有するコ
ールドクルーシブル溶解炉の底部に内径20mmの出湯
ノズルを設置し、Ti:200kgを、溶解用高周波電
源の出力1600kWで溶解保持し、溶湯温度及び凝固
スカル形状が均一となってから、出湯用高周波電源をO
Nし、出力200kWで出湯を行った場合の出湯速度の
経時変化を図5に示す。横軸は1秒当りの出湯量であ
る。このように、従来例の出湯速度は時間の経過と共に
減少していた。
ールドクルーシブル溶解炉の底部に内径20mmの出湯
ノズルを設置し、Ti:200kgを、溶解用高周波電
源の出力1600kWで溶解保持し、溶湯温度及び凝固
スカル形状が均一となってから、出湯用高周波電源をO
Nし、出力200kWで出湯を行った場合の出湯速度の
経時変化を図5に示す。横軸は1秒当りの出湯量であ
る。このように、従来例の出湯速度は時間の経過と共に
減少していた。
【0023】[実施例]次に、従来例と同条件にて、レ
ーザ変位計を用いて湯面高さを測定し、上述の制御式に
おいて、t’=1.0秒、n=2.2の値を用いてコイ
ル電流値の制御を行い、湯面高さを一定に保った場合の
結果を図6に示す。図5に示す従来例の結果と比較し
て、出湯速度は均一なものとすることができることが分
かる。
ーザ変位計を用いて湯面高さを測定し、上述の制御式に
おいて、t’=1.0秒、n=2.2の値を用いてコイ
ル電流値の制御を行い、湯面高さを一定に保った場合の
結果を図6に示す。図5に示す従来例の結果と比較し
て、出湯速度は均一なものとすることができることが分
かる。
【0024】上記レーザ変位計に代えて渦電流式変位計
を用いた場合の結果を、図7に示す。やはり、図5に示
す従来例の結果と比較して、出湯速度は均一なものとす
ることができることが分かる。
を用いた場合の結果を、図7に示す。やはり、図5に示
す従来例の結果と比較して、出湯速度は均一なものとす
ることができることが分かる。
【0025】[比較例]更に、t’=2.1秒,n=
2.2とした場合と、t’=1.0秒,n=1.9とし
た場合には、夫々図8及び図9に示す様に、出湯速度の
制御は全く不可能であった。
2.2とした場合と、t’=1.0秒,n=1.9とし
た場合には、夫々図8及び図9に示す様に、出湯速度の
制御は全く不可能であった。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、コールドクルーシブル誘導溶解装置から出湯するに
あたり、その出湯速度を積極的に制御でき、例えば均一
速度で出湯して連続鋳造法等への各種鋳造方法への適用
を容易にする出湯方法が提供できることとなった。
で、コールドクルーシブル誘導溶解装置から出湯するに
あたり、その出湯速度を積極的に制御でき、例えば均一
速度で出湯して連続鋳造法等への各種鋳造方法への適用
を容易にする出湯方法が提供できることとなった。
【図1】傾注法(従来法)によるコールドクルーシブル
誘導溶解装置の出湯例を示す説明図である。
誘導溶解装置の出湯例を示す説明図である。
【図2】従来のコールドクルーシブル溶解ボトム出湯例
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図3】浮揚型コールドクルーシブル溶解装置(従来
法)のボトム出湯例を示す説明図である。
法)のボトム出湯例を示す説明図である。
【図4】本発明に係るコールドクルーシブル溶解ボトム
出湯装置を説明図であり、(a)は出湯開始前、(b) は出
湯中を夫々示す。
出湯装置を説明図であり、(a)は出湯開始前、(b) は出
湯中を夫々示す。
【図5】従来例の出湯速度の経時変化を示すグラフであ
る。
る。
【図6】本発明例の出湯速度の経時変化を示すグラフで
ある。
ある。
【図7】本発明例の出湯速度の経時変化を示すグラフで
ある。
ある。
【図8】比較例の出湯速度の経時変化を示すグラフであ
る。
る。
【図9】比較例の出湯速度の経時変化を示すグラフであ
る。
る。
1 溶湯 2 凝固シェル 2a 成長した凝固シェル 3 ノズル栓 10 るつぼ 11 るつぼ側壁 12 るつぼ底部 13 出湯ノズル 21 溶解用コイル 22 出湯用コイル 23 溶解用低周波電源 24 出湯用高周波電源 25 上誘導コイル 26 下誘導コイル 30 鋳型 40 溶湯高さ検知手段
フロントページの続き (72)発明者 草道 龍彦 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3K059 AB07 AB16 AC07 AC35 AC37 AC44 AC62 AC78 AD05 AD40 BD04 BD21 CD06
Claims (5)
- 【請求項1】 底部に出湯口を有するるつぼ本体部外周
には溶解用コイルが環装され、出湯口の外周には出湯用
コイルが環装されたコールドクルーシブル誘導溶解装置
の出湯方法であって、 被溶解物の湯面高さを検知し、湯面高さに応じて溶解用
コイルの電流値を制御することにより、出湯の間、湯面
高さを制御して出湯速度を制御することを特徴とするコ
ールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法。 - 【請求項2】 湯面高さを一定に保持することで出湯速
度が一定になる様に制御する請求項1に記載の出湯方
法。 - 【請求項3】 溶解用コイルの電流値を制御するにあた
り、下記の制御式を用いる請求項2に記載の出湯方法。 It+t'=It ×(H0 /Ht+t')1/n 但し、tは測定中の任意の時刻をある基準時刻からの経
過時間(秒)で示す値、t’はコイル電流値を制御する
2.0秒以下の任意の時間間隔(湯面高さの平均をとる
時間間隔)、It は前記測定中の任意の時刻tにおける
コイルの電流値(A),It+t'は時間t’経過後のコイ
ルの電流値(A),H0 は出湯開始時の湯面高さ(m
m)、Ht+t'は時間t’経過中の平均の湯面高さ(m
m)、nは2.0以下の任意の正の実数である。 - 【請求項4】 湯面高さの検知方法として、レーザ式変
位計を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の出湯方
法。 - 【請求項5】 湯面高さの検知方法として、渦電流式変
位計を用いる請求項1〜4のいずれかに記載の出湯方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11074352A JP2000268948A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 |
US09/400,995 US6144690A (en) | 1999-03-18 | 1999-09-21 | Melting method using cold crucible induction melting apparatus |
DE69931141T DE69931141T2 (de) | 1999-03-18 | 1999-09-28 | Schmelzverfahren in einer Induktion-Kalt-Schmelz-Tiegelanlage |
EP99119405A EP1045216B1 (en) | 1999-03-18 | 1999-09-28 | Melting method using cold crucible induction melting apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11074352A JP2000268948A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000268948A true JP2000268948A (ja) | 2000-09-29 |
Family
ID=13544661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11074352A Withdrawn JP2000268948A (ja) | 1999-03-18 | 1999-03-18 | コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000268948A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106191482A (zh) * | 2016-08-12 | 2016-12-07 | 张强 | 高洁净度的钛铝金属间化合物和高纯度钛合金的感应熔铸方法 |
CN109813106A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-05-28 | 付亚波 | 一种制备高活性材料的多功能熔炼炉 |
CN110317967A (zh) * | 2019-06-19 | 2019-10-11 | 西部超导材料科技股份有限公司 | 一种改善大规格tc4钛合金铸锭凝固组织的方法 |
-
1999
- 1999-03-18 JP JP11074352A patent/JP2000268948A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106191482A (zh) * | 2016-08-12 | 2016-12-07 | 张强 | 高洁净度的钛铝金属间化合物和高纯度钛合金的感应熔铸方法 |
CN109813106A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-05-28 | 付亚波 | 一种制备高活性材料的多功能熔炼炉 |
CN110317967A (zh) * | 2019-06-19 | 2019-10-11 | 西部超导材料科技股份有限公司 | 一种改善大规格tc4钛合金铸锭凝固组织的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6144690A (en) | Melting method using cold crucible induction melting apparatus | |
JP4950360B2 (ja) | 中空インゴットの半連続鋳造方法および装置 | |
JP2009285726A (ja) | コールドクルーシブル溶解炉における出湯方法 | |
JP2007240102A (ja) | コールドクルーシブル溶解装置を用いた鋳塊の製造方法 | |
JP2017121650A (ja) | チタンまたはチタン合金からなるスラブの連続鋳造方法 | |
JPH04288956A (ja) | 低流量ノズルおよび溶射成形方法 | |
JP2000268948A (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 | |
CN116748478A (zh) | 一种高碳钢连铸设备及方法 | |
JP7132717B2 (ja) | チタン合金からなる鋳塊の製造方法 | |
JP4512542B2 (ja) | 浮揚溶解鋳造法及び該鋳造法で使用される水冷坩堝 | |
JP2002277170A (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解装置の出湯方法 | |
JP2000274951A (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解装置及びその出湯方法 | |
JP7313122B2 (ja) | 誘導加熱溶解装置における出湯方法、及び、誘導加熱溶解装置 | |
JP4770616B2 (ja) | 溶融金属の連続鋳造方法および連続鋳造用浸漬ランス | |
JP2006153362A (ja) | 金属の溶解出湯装置及び鋳造装置 | |
JP4496791B2 (ja) | 電磁出湯ノズルおよびこれを用いる金属溶解・出湯装置 | |
JP4506057B2 (ja) | コールドクルーシブル溶解鋳造装置 | |
JP3779514B2 (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解法 | |
JP2008180471A (ja) | コールドクルーシブル溶解炉の出湯用電磁ノズル装置及び出湯方法 | |
JPS59202142A (ja) | タンデイツシユ浸漬ノズルの加熱方法 | |
JP2008188632A (ja) | 溶解炉、連続鋳造装置、および連続鋳造装置における鋳造方法 | |
RU2319752C2 (ru) | Способ индукционной плавки литья металлов и устройство для его осуществления | |
WO2021024704A1 (ja) | Ti-Al基合金の鋳造方法 | |
JP3109072B2 (ja) | 金属の連続製造装置 | |
JP2001041661A (ja) | コールドクルーシブル誘導溶解装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |