JP7323761B2 - コールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法 - Google Patents

コールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボトム出湯方式のコールドクルーシブル溶解炉、および、そのメンテナンス方法に関する。
周知の通り、コールドクルーシブル溶解炉は、銅等の良電導性金属からなる複数のセグメントを円筒状に配列することにより形成されたるつぼが、誘導コイル内に配置された構成を備える。このような構成において、るつぼの中に金属等の被溶解材料を入れて、誘導コイルに高周波電流を流すと、るつぼとその中にある被溶解材料に渦電流が発生し、被溶解材料は渦電流による発熱(誘導加熱)によって、昇温し、溶解する。ただし、るつぼには水等の冷媒が循環されるようになっており、渦電流による誘導加熱によってるつぼ自身が溶解してしまわないようになっている。
コールドクルーシブル溶解炉においては、るつぼの内部で溶解した被溶解材料(溶湯)を、るつぼの底部側に設けられた出湯ノズルを介して取り出す出湯方式(いわゆる、ボトム出湯方式)が採用されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
ボトム出湯方式のコールドクルーシブル溶解炉においては、るつぼの底部側を塞ぐ底板に貫通孔が設けられ、該貫通孔に挿通して漏斗状の出湯ノズルが配設されるとともに、該出湯ノズルの周囲に誘導コイルが設けられる。底板には水等の冷媒が循環されるようになっており、るつぼの周囲を囲む誘導コイルに高周波電流が流されたときに、るつぼの中にある被溶解材料は、るつぼの底部側および出湯ノズルにおける拡径部の内部にスカル(溶湯の凝固層)を形成しつつ、溶解する。このスカルによって出湯ノズルが栓をされ、るつぼの中で溶解した被溶解材料が出湯ノズルから漏れ出さないようになっている。るつぼの中で被溶解材料が十分に溶解した後に、出湯ノズルの周囲に設けられた誘導コイルに高周波電流が流されると、出湯ノズルの内部のスカルが誘導加熱によって溶解し、出湯ノズルから溶湯が出湯する。
特開2009-285726号公報
上記の通り、ボトム出湯方式のコールドクルーシブル溶解炉においては、出湯ノズルの内部のスカルを誘導加熱により溶解させることによって、るつぼの内部の溶湯を出湯させる。溶湯をスムーズに出湯させるためには、出湯ノズルの内部のスカルを十分に溶解させる必要があり、このためには、出湯ノズルの周囲に設けられた誘導コイルに、相当の電力を供給しなければならない。
ところが、誘導コイルに大きな電力を供給すると、その周囲に配置されている部品(例えば底板や出湯ノズル等)にも相応の磁界がおよぶこととなり、これらの部品が誘導加熱によって昇温しやすくなる。よって、冷却能力が不足し、これらの部品が溶解するおそれも生じる。このため、これらの部品を冷却するための冷却機構を強化するための対策が必要となる。
また、ボトム出湯方式のコールドクルーシブル溶解炉においては、るつぼの内部の溶湯が少なくなるにつれて出湯速度が低下するため、溶湯が出湯し切ったときに出湯ノズルの内部に多少のスカルが残存することが避けられない。出湯ノズルの内部にスカルが残存した状態のままで次のロットに係る溶解動作が行われると、該残存していたスカルが出湯ノズルの内壁と密着してしまう。内壁と密着してしまったスカルを誘導加熱によって溶解させることは困難であり、非常に大きな電力を必要とする。誘導コイルに投入する電力が大きくなるほど、誘導コイルの周囲に配置されている部品の昇温も顕著になり、冷却能力の不足によりこれらの部品が溶解する等して装置が損傷するリスクも高くなる。このため、必要な冷却機構を強化するための対策をとる必要性がより高くなる。
このような事態を回避するために、出湯ノズルの内壁と密着してしまったスカルについては、これを誘導加熱によって溶解させることにより除去するのではなく、機械的に削り落とすことにより除去するという対処法が考えられる。ただし、上記の通り、出湯ノズルはるつぼの底部側を塞ぐ底板に設けられており、この状態のままでは出湯ノズル内のスカルを削り落とす作業を行うことができない。したがって、この作業を行うためには、出湯ノズルを底板から取り外して、るつぼの外に取り出す必要がある。
ところが、多くの場合、溶湯が出湯し切ったときに、出湯ノズルの先端に、その外径よりも大きな直径を有する滴状のスカルが形成される。この滴状のスカルが底板の下面に引っ掛かってしまうため、出湯ノズルを、底板に設けられた貫通孔から引き抜くことによって底板から取り外すことは難しい。このため、出湯ノズルを底板から取り外すためには、炉本体の分解などの大がかりな作業が必要となってしまう。炉本体を分解するとなると、稼働停止期間が長くなるために稼働効率が著しく悪化する。また、分解の際に部品の損傷が生じるリスクもある。したがって、炉本体を分解して出湯ノズルを取り外すという作業を頻繁に行うことは現実的ではない。
このため、結局のところ、出湯ノズルの内部に残存したスカルを除去するためには、これを誘導加熱によって溶解させるという手法に頼らざるを得ず、誘導コイルの周囲に配置されている部品を冷却するための冷却機構を強化するための対策が必要になってしまうことは避けられなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ボトム出湯方式のコールドクルーシブル溶解炉において、出湯に係る構成を簡素化することができる技術の提供を目的としている。
本発明は、上記の目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明は、コールドクルーシブル溶解炉であって、
筒状のるつぼと、
前記るつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板と、
逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備えて、全体として漏斗状を呈し、前記底板に設けられた貫通孔に挿通して取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルと、
前記るつぼの周囲に配置された溶解用コイルと、
前記出湯ノズルの周囲に配置された出湯用コイルと、
を備え、
前記貫通孔の内周面と、前記出湯ノズルを構成するストレート部の外周面との間に隙間が設けられている。
この構成においては、出湯ノズルの周囲に配置された出湯用コイルに高周波電流を流して、出湯ノズルの内部のスカルを誘導加熱によって溶解させるときに、出湯ノズルの外周面と底板に設けられた貫通孔の内周面との間に設けられた隙間が断熱層として機能するため、出湯ノズルから底板へ熱が逃げにくい。すなわち、熱損失が低減され、誘導加熱によって生じたジュール熱が無駄なくスカルの溶解に費やされる。これによって、出湯ノズルの内部のスカルを溶解させるために出湯用コイルに供給する電力を小さく抑えることができる。その結果、出湯用コイルの周囲に配置された部品が昇温しにくくなり、出湯に係る構成が簡素化される。
上記の構成において、出湯ノズルの外周面と貫通孔の内周面との間に設けられる隙間は、内部に何も設けられずに単なる空隙とされていてもよいし、内部に別の部材(例えば、後述する断熱部材)が設けられてもよい。隙間の内部に何も設けられない場合、出湯ノズルと底板の間に、気体(すなわち、典型的には、るつぼや底板を収容する筐体の内部に充填されている気体であり、主として不活性ガス)の層が介在することになる。あるいは、該筐体の内部が真空とされる場合は、真空の層が介在することになる。気体は熱伝導率が十分に小さく、真空も熱伝導が略ゼロとみなせる程度に小さい。このため、気体の層や真空の層によって、出湯ノズルと底板の間に十分な断熱性能を有する断熱層が形成される。一方、隙間に別の部材が設けられる場合、出湯ノズルと底板の間に、隙間に設けられた部材の熱伝導率に応じた断熱性能を有する断熱層が形成されることになる。この場合、該部材の形成材料として適宜のものを選択することによって、出湯ノズルから底板への熱損失を任意のものとすることができる。
好ましくは、前記コールドクルーシブル溶解炉において、
前記貫通孔の内直径が、前記出湯ノズルの先端に形成される滴状スカルの直径よりも大きい。
この構成によると、先端に滴状スカルが形成されている出湯ノズルを貫通孔から引き抜くことによって底板から取り外すことができる。したがって、炉本体の分解などの大がかりな作業を行わなくとも出湯ノズルを底板から容易に取り外すことができ、該取り外した出湯ノズルの内部に残存しているスカルを削り落とす等して除去することができる。このため、出湯ノズルの内部に残存しているスカルを誘導加熱によって溶解させて除去する必要がない、あるいは、そのような必要性が低くなるので、出湯用コイルに供給する電力を十分小さく抑えることができる。これによって、出湯に係る構成をさらに簡素化することができる。
好ましくは、前記コールドクルーシブル溶解炉において、
前記貫通孔の内直径が、前記滴状スカルの予測直径よりも大きく、
前記予測直径が、前記滴状スカルの表面張力と、前記滴状スカルにかかる重力と、被溶
解材料が前記滴状スカルを上から押す力との釣り合い式に基づいて算出された値であり、
前記釣り合い式における被溶解材料が前記滴状スカルを上から押す力Fは、被溶解材料の融点での液体密度ρ、重力加速度g、ストレート部の長さh、ストレート部の内直径dを用いて、
F3=ρg・π(d/4)h
によって算出する。
この構成によると、予測直径の算出にあたって、出湯ノズルの寸法値が加味されているので、出湯ノズルの先端に実際に形成される滴状スカルの直径が正確に予測される。したがって、貫通孔の内直径が適切に規定される。
好ましくは、前記コールドクルーシブル溶解炉において、
前記貫通孔の内周面と前記出湯ノズルの外周面との離間幅が、所定の上限幅以下であり、
前記所定の上限幅が、
前記出湯用コイルに高周波電流が流れない状態において、前記出湯ノズルの内部の被溶解材料の凝固状態が維持される最大の幅である。
この構成によると、貫通孔の内周面と出湯ノズルの外周面との離間幅が、所定の上限幅以下とされることによって、出湯ノズルの熱がある程度は底板に放出される、すなわち、出湯ノズルがある程度は冷却されるように担保される。したがって、出湯用コイルに高周波電流が流れない状態において、出湯ノズルの内部の被溶解材料の凝固状態が確実に維持され、該状態において出湯ノズルから溶湯が漏れ出すといった事態が確実に回避される。
好ましくは、前記コールドクルーシブル溶解炉において、
前記隙間に着脱自在に設けられた断熱部材、
を備える。
この構成によると、隙間に断熱部材が設けられるので、出湯ノズルと底板の間に、該断熱部材の熱伝導率に応じた断熱性能を有する断熱層が形成され、これによって、出湯ノズルから底板へ熱が逃げることを十分に抑制することができる。また、該断熱部材の形成材料として適宜のものを選択することによって、出湯ノズルから底板への熱損失を任意のものとすることができる。さらに、断熱部材が隙間に着脱自在に設けられるので、出湯ノズルを底板から取り外す場合等に、断熱部材が邪魔になることもない。
好ましくは、コールドクルーシブル溶解炉であって、
前記貫通孔よりも径方向外側に前記出湯用コイルを形成している。
また、本発明の他のコールドクルーシブル溶解炉は、
筒状のるつぼと、
前記るつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板と、
逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備えて、全体として漏斗状を呈し、前記底板に設けられた貫通孔に挿通して取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルと、
前記るつぼの周囲に配置された溶解用コイルと、
前記出湯ノズルの周囲に配置された出湯用コイルと、
を備え、
前記貫通孔の内周面と、前記出湯ノズルを構成するストレート部の外周面との間に隙間が設けられ、
前記るつぼを前記底板に載せ置いている。
また、本発明は、コールドクルーシブル溶解炉のメンテナンス方法も対象としている。
該メンテナンス方法は、
筒状のるつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板に、逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備え、全体として漏斗状を呈する出湯ノズルを設けるにあたり、前記底板に設けられた貫通孔に、該貫通孔の内周面との間に隙間を設けつつ前記ストレート部を挿通されて取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルを、その先端に滴状スカルが形成された状態のままで、前記貫通孔を挿通させつつ上方に引き上げて前記底板から取り外す出湯ノズル取り外し工程と、
前記るつぼを上方に引き上げて、前記底板から分離させる、るつぼ分離工程と、
を備え、
前記るつぼ分離工程が、前記出湯ノズル取り外し工程に先だって行われる。
この構成によると、炉本体の分解などの大がかりな作業を行わなくとも出湯ノズルを底板から容易に取り外すことができ、該取り外した出湯ノズルの内部に残存しているスカルを削り落とす等して除去することができる。このため、出湯ノズルの内部に残存しているスカルを誘導加熱によって溶解させて除去する必要がない、あるいは、そのような必要性が低くなる。したがって、出湯用コイルに供給する電力を小さく抑えることができ、出湯に係る構成を簡素化することができる。
また、この構成によると、底板からるつぼが分離されることによって、底板上に残存しているスカルの側面を露出させることができるので、該スカルを側面側から掴む等してこれを底板から容易に除去することが可能となる。スカルを底板から除去することによって、底板に設けられている出湯ノズルを底板から取り外すことが特に容易となる。また、底板上に残存しているスカルは、出湯ノズルの内部に残存しているスカルと一体に連なっていることが多く、この場合、底板上に残存しているスカルを掴む等して上方に引き上げて底板から除去すると、同時に出湯ノズルも底板から取り外される。つまり、底板上のスカルの除去と出湯ノズルの取り外しとを一度に行うことができる。
本発明に係るコールドクルーシブル溶解炉によると、出湯に係る構成を簡素化することができる。
実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉の構成を模式的に示す図。 出湯ノズルおよびその近傍を拡大して示す図。 出湯ノズルの先端に滴状スカルが形成された状態を模式的に示す図。 溶解工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉を模式的に示す図。 るつぼの中にある溶湯が、出湯ノズルから出湯され切った状態のコールドクルーシブル溶解炉を模式的に示す図。 るつぼ分離工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉を模式的に示す図。 出湯ノズル取り外し工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉を模式的に示す図。 出湯ノズルを示すとともに、その先端に形成される滴状スカルの予測直径の算出に用いられるパラメータを説明するための図。 変形例に係る出湯ノズルを示す図。 変形例に係る出湯ノズルを示す図。 変形例において、隙間に断熱部材が設けられた状態を示す図。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
<1.第1実施形態>
<1-1.コールドクルーシブル溶解炉の全体構成>
第1実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉の構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFの構成を模式的に示す図である。
コールドクルーシブル溶解炉CCFは、円筒状のるつぼ1を備える。るつぼ1は、銅により形成されるとともに、内部に水等の冷媒が循環される水冷銅セグメントが複数枚組み合わされた構造(いわゆる、水冷銅セグメント構造)となっている。すなわち、るつぼ1は、断面弧状の縦長の水冷銅セグメント11が、隣り合う水冷銅セグメント11との間にスリット状の間隙を設けつつ、絶縁材を介して周方向に複数枚並べられることによって、円筒状に組み立てられたものである。
るつぼ1の底部側には、これを塞ぐように平板状の底板2が設けられている。底板2は、るつぼ1と同様、水冷銅セグメント構造となっている。すなわち、底板2は、平面視にて扇形の水冷銅セグメント21が、隣り合う水冷銅セグメント21との間にスリット状の間隙を設けつつ、絶縁材を介して周方向に複数枚並べられることによって、円板状に組み立てられたものである。底板2には、貫通孔22が設けられており、該貫通孔22に、出湯ノズル3が挿通して設けられる。出湯ノズル3については、後に詳細に説明する。
るつぼ1の周囲には、これを囲むように誘導コイル(溶解用コイル)4が設けられる。溶解用コイル4には電源装置(第1電源装置)41が接続されている。また、出湯ノズル3の周囲には、これを囲むように誘導コイル(出湯用コイル)5が設けられる。出湯用コイル5には電源装置(第2電源装置)51が接続されている。
<1-2.出湯ノズル>
出湯ノズル3について、図2、図3を参照しながら説明する。図2は、出湯ノズル3およびその近傍を拡大して示す図である。図3は、出湯ノズル3の先端に滴状スカル80が形成された状態を模式的に示す図である。
出湯ノズル3は、拡径部31と、その下側に連なるストレート部32とを備え、全体として漏斗状を呈している。すなわち、拡径部31は、上端に近づくにつれて拡径する逆円錐形状であり、ストレート部32は、その軸方向の全体に亘って径寸法が変化しない筒状である。出湯ノズル3の形成材料は、被溶解材料との反応性等を考慮して適宜に選択されるものであり、具体的には例えば、黒鉛、高融点の金属、等を出湯ノズル3の形成材料として用いることができる。
上記の通り、出湯ノズル3は、底板2に形成された貫通孔22に挿通されることによって、底板2に取り付けられる。貫通孔22は、拡径内周面221と、その下側に連なるストレート内周面222とを備え、出湯ノズル3と同様、全体として漏斗状を呈している。すなわち、拡径内周面221は、上端に近づくにつれて拡径する逆円錐形状であり、ストレート内周面222は、その軸方向の全体に亘って径寸法が変化しない筒状である。
拡径内周面221の傾斜角度は、出湯ノズル3の拡径部31の傾斜角度と略一致している。したがって、出湯ノズル3が、その中心軸を貫通孔22の中心軸と一致させつつ貫通孔22の上方からこれに挿通されると、拡径部31の外周面が拡径内周面221に面的に接触した状態となり、これによって、出湯ノズル3が貫通孔22から抜け落ちないように係止される。
一方、ストレート内周面222の内直径d22は、出湯ノズル3のストレート部32の外直径d3よりも大きな寸法となっている。したがって、出湯ノズル3が貫通孔22に挿通された状態において、ストレート部32の外周面が、ストレート内周面222から離間した状態となる。つまり、ストレート内周面222とストレート部32の外周面との間に、隙間6が設けられる。上記の通り、出湯ノズル3は、貫通孔22と同軸に配置されるので、この隙間6は、ストレート部32の周方向に亘って均等に設けられることになる。
この実施形態においては、隙間6は、内部に何も設けられることなく、単なる空隙とされている。るつぼ1および底板2は、図示しない筐体の内部に配置されており、被溶解材料を溶解させるときには、これが酸化されることを抑制するために、該筐体の内部に所定の気体(典型的には、不活性ガス)が充填される、あるいは、該筐体の内部雰囲気が排気されて真空状態とされる。このとき、隙間6の内部は、該所定のガスが充填された状態、あるいは、真空状態となる。つまり、被溶解材料を溶解させるときには、ストレート部32の外周面とストレート内周面222の間に、該所定の気体の層、あるいは、真空の層が介在することになる。気体の層および真空の層は、いずれも熱伝導率が十分に小さいため、気体の層あるいは真空の層が介在することによって、ストレート部32の外周面とストレート内周面222の間に、十分な断熱性能を有する断熱層が形成される。すなわち、隙間6が断熱層として機能する。
なお、被溶解材料が高温下でも酸化反応を起こさない材料である場合は、筐体の内部に酸素が含まれることが許容され、この場合、筐体の内部が、酸素を含む気体(例えば、空気)の雰囲気とされてもよい。この場合は、ストレート部32の外周面とストレート内周面222の間に、酸素を含む気体(例えば空気)の層が介在することになる。この場合であっても、ストレート部32の外周面とストレート内周面222の間に十分な断熱性能を有する断熱層が形成される。
<1-3.コールドクルーシブル溶解炉の動作>
次に、図1~図3に加え、図4~図7を参照しながら、コールドクルーシブル溶解炉CCFの動作を説明しつつ、出湯ノズル3と貫通孔22の間に設けられる隙間6の寸法について具体的に説明する。図4は、溶解工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉CCFを模式的に示す図である。図5は、るつぼ1の中にある溶湯7が、出湯ノズル3から出湯され切った状態のコールドクルーシブル溶解炉CCFを模式的に示す図である。図6は、るつぼ分離工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉CCFを模式的に示す図である。図7は、出湯ノズル取り外し工程が行われている状態のコールドクルーシブル溶解炉CCFを模式的に示す図である。
(溶解工程)
コールドクルーシブル溶解炉CCFにおいて、被溶解材料を溶解させる際には、るつぼ1の中に被溶解材料が投入されるとともに、第1電源装置41から溶解用コイル4に高周波電力が投入される。溶解用コイル4に高周波電流が流れると、るつぼ1の中にある被溶解材料が誘導加熱によって昇温する。このとき、るつぼ1および底板2は、冷媒が循環されることによって冷却されており、被溶解材料は、るつぼ1の底部側および出湯ノズル3における拡径部31の内部にスカル8を形成しつつ、溶解する(図4)。このスカル8によって出湯ノズル3が栓をされることになり、溶解した被溶解材料(溶湯)7が出湯ノズル3から漏れ出さないようになっている。
上記の通り、このコールドクルーシブル溶解炉CCFにおいては、出湯ノズル3におけるストレート部32の外周面と、貫通孔22におけるストレート内周面222とが離間して設けられることによって、出湯ノズル3と貫通孔22の間に隙間6が設けられている。ここで、隙間6の幅、すなわち、ストレート部32の外周面とストレート内周面222との離間幅d6(図3)は、溶解工程において、すなわち、溶解用コイル4に高周波電流が流れ、出湯用コイル5に高周波電流が流れない状態において、出湯ノズル3の内部の被溶解材料の凝固状態が維持される最大の幅(上限幅)以下とされている。上限幅の具体的な値は、実験データ等から規定されてもよいし、理論的に算出されてもよい。
離間幅d6が上限幅以下とされることによって、溶解工程の際に、出湯ノズル3の内部にある被溶解材料の熱がある程度は底板2に放出されるように担保される。つまり、出湯ノズル3の内部の被溶解材料の熱の放出が、隙間6によって過度に妨げられることがないように担保される。したがって、溶解工程において、出湯ノズル3の内部にスカル8が形成されない、あるいは、形成されたスカル8が溶解してしまう、といった事態の発生が未然に回避される。
(出湯工程)
るつぼ1の中の被溶解材料が十分に溶解すると、第2電源装置51から出湯用コイル5に高周波電力が投入される。出湯用コイル5に高周波電流が流れると、出湯ノズル3の内部およびその付近に形成されているスカル8が誘導加熱によって昇温し、溶解する。これにより、るつぼ1の中にある溶湯7が出湯ノズル3から出湯する。
この出湯工程においては、出湯ノズル3と貫通孔22の間に設けられた隙間6が断熱層として機能し、出湯ノズル3から底板2への熱の放出が抑制される。したがって、誘導加熱によって生じたジュール熱が無駄なくスカル8の溶解に費やされることとなり、出湯ノズル3の内部のスカル8を溶解させるために必要な電力量が抑制される。
ところで、多くの場合(特に、るつぼ1の中にある溶湯7が出湯し切る直前における出湯速度が十分に大きくない場合)、溶湯7が出湯ノズル3から出湯し切った後に、底板2上だけでなく、出湯ノズル3の内部にもスカル8が残存する(図5)。さらに、出湯ノズル3の先端(下端)に、ストレート部32の外直径d3よりも大きな直径d80を有する滴状のスカル(滴状スカル)80が形成される(図3、図5)。
上記の通り、貫通孔22におけるストレート内周面222の内直径d22は、出湯ノズル3におけるストレート部32の外直径d3よりも大きい寸法とされており、これによって出湯ノズル3と貫通孔22の間には隙間6が設けられるようになっているが、ここでは、ストレート内周面222の内直径d22は、ストレート部32の外直径d3よりも大きいだけでなく、さらに、出湯ノズル3の先端に形成されるこの滴状スカル80の直径d80よりも大きい寸法とされる。したがって、隙間6の幅d6は、滴状スカル80のストレート部32からの張り出し幅よりも大きいものとなる。
滴状スカル80の直径d80よりも大きい内直径d22を規定するにあたっては、例えば、出湯ノズル3の先端に実際に形成される滴状スカル80の直径d80を測定して得られる実測データを複数取得し、該得られた複数の実測データのうち最大の実測値よりも大きい範囲で十分に小さな値を、内直径d22として選択すればよい。
(メンテナンス工程)
上記の通り、多くの場合、出湯工程が終了した段階において、出湯ノズル3の内部等にはスカル8が残存している。このような状態のまま、次のロットに係る溶解工程が連続して行われると、出湯ノズル3の内部等に残存していたスカル8を溶解するために非常に大きな電力が必要となるばかりか、最悪の場合、スカル8が十分に溶解されないために出湯が困難になる虞もある。そこで、次のロットに係る溶解工程が行われる前に、出湯ノズル3の内部等に残存しているスカル8を除去するためのメンテナンス工程を行う。
メンテナンス工程においては、まず、るつぼ1を上方に引き上げて、底板2から分離させる(るつぼ分離工程)。このとき、底板2上に形成されているスカル8は、底板2上に残されたままとなり、該スカル8は、るつぼ1が取り除かれることによって、側面が露出した状態となる(図6)。
続いて、出湯ノズル3を、その先端に滴状スカル80が形成された状態のままで、貫通孔22を挿通させつつ上方に引き上げて底板2から取り外す(出湯ノズル取り外し工程)。上記の通り、ここでは、ストレート内周面222の内直径d22が、出湯ノズル3の先端に形成されるこの滴状スカル80の直径d80よりも大きいので、滴状スカル80が底板2の下面に引っ掛かることがなく、出湯ノズル3をそのまま貫通孔22から引き抜くことによって底板2から取り外すことができる(図7)。したがって、炉本体の分解などの大がかりな作業を行わなくとも出湯ノズル3を底板2から容易に取り外すことができ、該取り外した出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8を削り落とす等して除去することができる。
実際は、底板2上に残存しているスカル8は、出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8と一体に連なっていることが多く、底板2上に残存しているスカル8を側面側から掴む等して上方に引き上げて底板2から除去すれば、該スカル8とともに出湯ノズル3も底板2から取り外される(図7)。つまり、この場合は、底板2上のスカル8の除去と出湯ノズル3の取り外しとが一度に行われる。なお、底板2上に残存しているスカル8が出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8と一体に連なっていない場合は、底板2上に残存しているスカル8を底板2から除去した後に、出湯ノズル3を底板2から取り外せばよい。
続いて、底板2から取り外された出湯ノズル3が、内部に残存しているスカル8を除去された上で、再び底板2に取り付けられる。これによって、メンテナンス工程が終了する。なお、複数の出湯ノズル3を準備しておき、使用済みの出湯ノズル3に代えて新たな出湯ノズル3を取り付けるようにすれば、コールドクルーシブル溶解炉CCFの稼働効率を高めることができる。
<1-4.効果>
上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFによると、るつぼ1の底部側を塞ぐ底板2に設けられた貫通孔22の内周面と、これに挿通して設けられる出湯ノズル3の外周面との間に、隙間6が設けられている。この構成においては、出湯用コイル5に第2電源装置51から高周波電流を流して、出湯ノズル3の内部のスカル8を誘導加熱によって溶解させるときに、隙間6が断熱層として機能するため、出湯ノズル3から底板2へ熱が逃げにくい。すなわち、熱損失が低減され、誘導加熱によって生じたジュール熱が無駄なくスカル8の溶解に費やされる。これによって、出湯ノズル3の内部のスカル8を溶解させるために出湯用コイル5に供給する電力を小さく抑えることができる。その結果、出湯用コイル5の周囲に配置された部品が昇温しにくくなるため、該部品を冷却するための冷却機構を強化するための対策をとる必要性が低下し、出湯に係る構成が簡素化される。また、出湯用コイル5に供給する電力が小さく抑えられることによって、出湯用コイル5と底板2あるいは出湯ノズル3と間に、放電が発生するほどの電圧差が生じることも回避される。
また、上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFにおいては、出湯ノズル3が挿通して設けられる貫通孔22の内直径d22が、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の直径d80よりも大きいので、先端に滴状スカル80が形成されている出湯ノズル3を貫通孔22から引き抜くことによって底板2から取り外すことができる。したがって、炉本体の分解などの大がかりな作業を行わなくとも出湯ノズル3を底板2から容易に取り外すことができ、該取り外した出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8を削り落とす等して除去することができる。このため、出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8を誘導加熱によって溶解させて除去する必要がない、あるいは、そのような必要性が低くなるので、出湯用コイル5に供給する電力を十分小さく抑えることができる。これによって、出湯に係る構成をさらに簡素化することができる。
また、上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFにおいては、貫通孔22の内周面と出湯ノズル3の外周面との離間幅d6が、所定の上限幅以下である。そして、該所定の上限幅が、出湯用コイル5に高周波電流が流れない状態において、出湯ノズル3の内部の被溶解材料の凝固状態が維持される最大の幅である。この構成によると、出湯ノズル3の熱がある程度は底板2に放出される、すなわち、出湯ノズル3がある程度は冷却される、ように担保される。したがって、出湯用コイル5に高周波電流が流れない状態において、出湯ノズル3の内部の被溶解材料の凝固状態が確実に維持され、該状態において出湯ノズル3から溶湯7が漏れ出すといった事態が確実に回避される。
また、上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFのメンテナンス方法は、るつぼ1の底部側を塞ぐ底板2に設けられた貫通孔22に、該貫通孔22の内周面との間に隙間6を設けつつ挿通されて設けられた出湯ノズル3を、その先端に滴状スカル80が形成された状態のままで、貫通孔22を挿通させつつ上方に引き上げて底板2から取り外す出湯ノズル取り外し工程を備える。この構成によると、炉本体の分解などの大がかりな作業を行わなくとも出湯ノズル3を底板2から容易に取り外すことができ、該取り外した出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8を削り落とす等して除去することができる。このため、出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8を誘導加熱によって溶解させて除去する必要がない、あるいは、そのような必要性が低くなる。したがって、出湯用コイル5に供給する電力を小さく抑えることができ、出湯に係る構成を簡素化することができる。
また、上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFのメンテナンス方法は、るつぼ1を上方に引き上げて底板2から分離させる、るつぼ分離工程をさらに備え、このるつぼ分離工程が、出湯ノズル取り外し工程に先だって行われる。この構成によると、底板2からるつぼ1が分離されることによって、底板2上に残存しているスカル8の側面を露出させることができるので、該スカル8を側面側から掴む等してこれを底板2から容易に除去することが可能となる。スカル8を底板2から除去することによって、底板2に設けられている出湯ノズル3を底板2から取り外すことが特に容易となる。また、底板2上に残存しているスカル8は、出湯ノズル3の内部に残存しているスカル8と一体に連なっていることが多く、この場合、底板2上に残存しているスカル8を掴む等して上方に引き上げて底板2から除去すると、同時に出湯ノズル3も底板2から取り外される。つまり、底板2上のスカル8の除去と出湯ノズル3の取り外しとを一度に行うことができる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉について、図8を参照しながら説明する。図8は、出湯ノズル3を示すとともに、その先端に形成される滴状スカル80の予測直径の算出に用いられるパラメータを説明するための図である。
この実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉は、上記の実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFと同じ構成を備えているが、貫通孔22におけるストレート内周面222の内直径d22を、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の予測直径に基づいて規定する点において、第1実施形態と相違する。以下においては、第1実施形態と相違する点のみを説明する。
この実施形態においては、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の直径d80を理論的に算出して、これを滴状スカル80の予測直径として取得する。そして、貫通孔22の内直径d22を、この予測直径よりも大きな値とする。
予測直径は、以下に説明するとおり、滴状スカル80の表面張力と、滴状スカル80にかかる重力と、被溶解材料が滴状スカル80を上から押す力との釣り合い式に基づいて算出される。
まず、滴状スカル80の表面張力「F1」は、次の(式1)で与えられる。
F1=γ・πD ・・・(式1)
ここで、「γ」は表面張力係数であり、「D」はストレート部32の外直径である。ただしここでは、ストレート部32が、その軸方向の全体に亘って径寸法が変化しない形状であるとする。
また、滴状スカル80にかかる重力「F2」は、次の(式2)で与えられる。
F2=mg ・・・(式2)
ここで、「m」は滴状スカル80の質量であり、「g」は重力加速度である。
滴状スカル80が球状であるみなすと、質量「m」は次の(式3)で与えられる。
m=(4/3)πr・ρ ・・・(式3)
ここで、「r」は滴状スカル80の半径であり、「ρ」は、被溶解材料の融点での液体密度である。
したがって、滴状スカル80にかかる重力「F2」は、次の(式4)で与えられる。
F2=(4/3)πr・ρg ・・・(式4)
また、滴状スカル80の上にある被溶解材料が、滴状スカル80を上から押す力「F3」は、次の(式5)で与えられる。
F3=ρgSh ・・・(式5)
ここで、「S」は出湯ノズル3のストレート部32の内部の断面積であり、「h」はストレート部32の長さである。
滴状スカル80の断面積「S」は、次の(式6)で与えられる。
S=π(d/2) ・・・(式6)
ここで、「d」はストレート部32の内直径である。
したがって、被溶解材料が滴状スカル80を上から押す力「F3」は、次の(式7)で与えられる。
F3=ρg・π(d/4)h ・・・(式7)
滴状スカル80は、落下せずに出湯ノズル3の先端で凝固する。したがって、滴状スカル80が形成されるとき、滴状スカル80の表面張力「F1」と、滴状スカル80にかかる重力「F2」と、被溶解材料が滴状スカル80を上から押す力「F3」とが釣り合っている(F1=F2+F3)。したがって、次の(式8)が成り立つ。
γ・πD=(4/3)πr・ρg+ρg・π(d/4)h ・・・(式8)
これより、滴状スカル80の半径「r」は、出湯ノズル3の寸法値(ストレート部32の外直径「D」、ストレート部32の長さ「h」、および、ストレート部32の内直径「d」)、および、被溶解材料の物性値(表面張力係数「γ」、融点での液体密度「ρ」)をパラメータとして、次の(式9)で表される。
=(3γD/4ρg)-(3hd/16) ・・・(式9)
(式9)に各パラメータ値を代入することにより、滴状スカル80の予測半径「r」が算出され、これを2倍することで、滴状スカル80の予測直径が算出される。すなわち、予測直径「p」は、次の(式10)で与えられる。
p=2r ・・・(式10)
例えば、ストレート部32の外直径「D」が「0.008(m)」、ストレート部32の長さ「h」が「0.02(m)」、ストレート部32の内直径「d」が「0.003(m)」であるとする。また、被溶解材料がチタンであり、その表面張力係数「γ」が「1.65(N/m)」、融点での液体密度「ρ」が「4110(kg/m3)」であるとする。この場合、(式9)より、滴状スカル80の予測半径「r」は、「5.96(mm)」と算出され、滴状スカル80の予測直径「p」は、「11.9(mm)」と算出される。したがってこの場合、ストレート内周面222の内直径d22は、予測直径「11.9(mm)」よりも大きな値とされる。例えば、内直径d22が「12.0(mm)」とされた場合、ストレート部32の外周面とストレート内周面222との離間幅d6は、約「2.0(mm)」となる。
発明者達が、予測直径を取得する際に用いたものと同じパラメータ条件において、出湯ノズル3の先端に実際に形成された滴状スカル80の直径d80を測定する実験を行ったところ、得られた実測データはいずれも、予測直径よりも小さな値となった。この実験により、ストレート内周面222の内直径d22を予測直径よりも大きな寸法としておけば、貫通孔22の内直径d22が、出湯ノズル3の先端に実際に形成される滴状スカル80の直径d80よりも大きくなるように担保されることがわかった。
この実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFにおいては、貫通孔22の内直径d22が、滴状スカル80の予測直径よりも大きい。そして、該予測直径が、滴状スカル80の表面張力と、滴状スカル80にかかる重力と、被溶解材料が滴状スカル80を上から押す力との釣り合い式に基づいて算出された値であり、該釣り合い式において、出湯ノズル3の寸法値、および、被溶解材料の物性値が、パラメータとして含まれている。予測直径の算出にあたって、出湯ノズル3の寸法値、および、被溶解材料の物性値が加味されることによって、出湯ノズル3の先端に実際に形成される滴状スカル80の直径d80が正確に予測されるため、貫通孔22の内直径d22が適切に規定される。
<3.第3実施形態>
次に、第3実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉について説明する。この実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉は、上記の各実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFと同じ構成を備えているが、貫通孔22におけるストレート内周面222の内直径d22を、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の予測直径を補正することによって得られた補正予測直径に基づいて規定する点において、第1、第2実施形態と相違する。以下においては、第1、第2実施形態と相違する点のみを説明する。
この実施形態においては、貫通孔22の内直径d22を規定するにあたって、まず、第2実施形態と同様の方法で、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の直径d80を理論的に算出して、これを滴状スカル80の予測直径として取得する。
続いて、取得された予測直径を、滴状スカル80の直径の実測データに基づいて規定される補正値を用いて補正し、該補正後の値を補正予測直径として取得する。具体的には例えば、実測データに基づいて補正係数を規定し、これを予測直径に乗じて、得られた値を補正予測直径として取得する。補正係数は、予測直径を実測データに近づけるように補正できる値であればどのようなものであってもよい。上記の通り、発明者等の実験によると、予測直径は、実測データよりも大きな値となることがわかっている。これに鑑みれば、補正係数は、1より小さい値、特に、予測直径を実測データの最大値を超えない範囲で十分に小さな値に補正するような値であることが好ましい。
そして、貫通孔22の内直径d22を、取得された補正予測直径よりも大きな値とする。
この実施形態に係るコールドクルーシブル溶解炉CCFにおいては、貫通孔22の内直径d22が、予測直径に基づいて算出された補正予測直径よりも大きい。この補正予測直径は、予測直径を、滴状スカル80の直径d80の実測データに基づいて規定される補正値を用いて補正した値であるので、出湯ノズル3の先端に実際に形成される滴状スカル80の直径d80に特に近い値となっている。したがって、貫通孔22の内直径d22が特に適切に規定される。
<4.変形例>
上記の各実施形態では、出湯ノズル3は、ストレート部32が、その軸方向の全体に亘って径寸法が変化しない筒状であったが(図8等参照)、出湯ノズル3の形状はこれに限らない。例えば、図9に示される出湯ノズル3aのように、拡径部31aの下側に連なるストレート部32aの下端部分に、下端に近づくにつれて外径寸法が徐々に小さくなるテーパー部321aが形成されてもよい。また例えば、図10に示される出湯ノズル3bのように、拡径部31bの下側に連なるストレート部32bの下端部分に、外径寸法が非連続的に小さくなる段差部321bが形成されてもよい。
なお、予測直径の算出にあたっては、出湯ノズルの形状を加味することが好ましい。例えば、テーパー部321aが形成される出湯ノズル3a(図9)の場合、滴状スカル80の表面張力「F1」は、上記(式1)ではなく、次の(式1a)で与えられる。
F1=γ・πD・cosθ ・・・(式1a)
ここで、「θ」はテーパー部321aの傾斜角度である。
したがって、滴状スカル80の表面張力「F1」と、滴状スカル80にかかる重力「F2」と、被溶解材料が滴状スカル80を上から押す力「F3」との釣り合いの式(F1=F2+F3)は、上記(式8)ではなく、次の(式8a)で与えられる。
γπDcosθ=(4/3)πr・ρg+ρg・π(d/4)h ・・・(式8a)
これより、滴状スカル80の半径「r」は、出湯ノズル3の寸法値、および、被溶解材料の物性値をパラメータとして、次の(式9a)で表される。
=(3γDcosθ/4ρg)-(3hd/16) ・・・(式9a)
(式9a)に各パラメータ値を代入することにより、滴状スカル80の予測半径「r」が算出され、これを2倍することで、滴状スカル80の予測直径が算出される。
例えば、ストレート部32の外直径「D」が「0.008(m)」、ストレート部32の長さ「h」が「0.02(m)」、ストレート部32の内直径「d」が「0.003(m)」、テーパー部321aの傾斜角度「θ」が「45°」であるとする。また、被溶解材料がチタンであり、その表面張力係数「γ」が「1.65(N/m)」、融点での液体密度「ρ」が「4110(kg/m3)」であるとする。この場合、(式9a)より、滴状スカル80の予測半径「r」は、「5.19(mm)」と算出され、滴状スカル80の予測直径「p」は、「10.4(mm)」と算出される。したがってこの場合、ストレート内周面222の内直径d22は、予測直径「10.4(mm)」よりも大きな値とされる。
また、上記の実施形態においては、隙間6は、内部に何も設けられずに単なる空隙とされていたが、隙間6の内部に別の部材が設けられてもよい。例えば、図11に示されるように、隙間6に、断熱材料から形成される断熱部材61が、隙間6に対して着脱自在に設けられてもよい。具体的には例えば、断熱部材61を、径方向の厚みが離間幅6dよりも小さい円筒状の部材とし、これをストレート部32の回りに装着して出湯ノズル3に取り付けるものとすればよい。断熱部材61が取り付けられた出湯ノズル3を、貫通孔22に挿入して設けることによって、断熱部材61が隙間6に配置されることになる。また、出湯ノズル3を貫通孔22から引き抜いて底板2から取り外すと、出湯ノズル3とともに断熱部材61も底板2から取り外されることになる。
隙間6に断熱部材61を設ける構成によると、出湯ノズル3と底板2の間に、断熱部材61の熱伝導率に応じた断熱性能を有する断熱層が形成され、これによって、出湯ノズル3から底板2へ熱が逃げることを十分に抑制することができる。また、断熱部材61の形成材料として適宜のものを選択することによって、出湯ノズル3から底板2への熱損失を任意のものとすることができる。さらに、断熱部材61が隙間6に着脱自在に設けられることによって、出湯ノズル3を底板1から取り外す場合に、断熱部材61が邪魔になることもない。
なお、上記の変形例において、断熱材料から形成されるシート状の部材を出湯ノズル3のストレート部32に巻き付けて断熱部材61としてもよい。
また、上記の実施形態においては、隙間6が、ストレート内周面222とストレート部32の外周面との間に設けられるものとしたが、ストレート内周面222とストレート部32の外周面との間の隙間に代えて、あるいは、該隙間に加えて、拡径内周面221と拡径部31の外周面と間に隙間が設けられるものとしてもよい。このような隙間は、例えば、拡径内周面221と拡径部31の外周面とのうちの少なくとも一方に、スペーサとなる突起等を設けることにより形成することができる。
また、上記の実施形態においては、溶解工程において、該被溶解材料の一部が出湯ノズル3の内部にスカル8を形成することによって、出湯ノズル3が栓をされるものとしたが、るつぼ1に被溶解材料を投入するのに先だって、板状あるいは逆円錐形状の栓部材を、出湯ノズル3を塞ぐように挿入しておき、該栓部材によって出湯ノズル3が栓をされるものとしてもよい。この場合、栓部材は、被溶解材料と同じ材料、合金等から形成すればよい。
また、上記の実施形態では、ストレート内周面222の内直径d22は、ストレート部32の外直径d3よりも大きく、さらに、出湯ノズル3の先端に形成される滴状スカル80の直径d80よりも大きい寸法とされていたが、内直径d22は、必ずしも滴状のスカル80の直径d80よりも大きいものでなくともよく、少なくともストレート部32の外直径d3よりも大きいものであればよい。
また、上記の実施形態において、るつぼ1は、必ずしも円筒状である必要はなく、多角形筒状であってもよい。また、るつぼ1は、必ずしも上下に亘って同径なストレート形状である必要はなく、下広がりのテーパー状であってもよい。
また、第2の実施形態において、予測直径を算出する態様は、上記に例示したものに限らない。例えば、第2の実施形態では、溶湯7が滴状スカル80を上から押す力「F3」を算出するにあたって、ストレート部32内の被溶解材料の質量を加味していたが、その上側、すなわち、拡径部31およびるつぼ1内にある被溶解材料の質量をさらに加味してもよい。また例えば、ストレート部32の内壁に付着したスカル8の厚みを考慮して、予測直径の算出に用いられるパラメータ「d」(すなわち、ストレート部32の内直径)を、実寸法よりも小さな値としてもよい。
また、第3の実施形態では、予測直径に、滴状スカル80の直径の実測データに基づいて規定される補正係数を乗じることによって補正予測直径を取得していたが、予測直径を補正する態様はこれに限るものではない。例えば、予測直径から、滴状スカル80の直径の実測データに基づいて規定される補正定数を加算あるいは減算することによって、補正予測直径を取得してもよい。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1 るつぼ
2 底板
22 貫通孔
221 拡径内周面
222 ストレート内周面
3,3a,3b 出湯ノズル
31,31a,31b 拡径部
32,32a,32b ストレート部
321a テーパー部
321b 段差部
4 溶解用コイル
5 出湯用コイル
6 隙間
61 断熱部材
7 溶湯
8 スカル
80 滴状スカル
CCF コールドクルーシブル溶解炉

Claims (8)

  1. 筒状のるつぼと、
    前記るつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板と、
    逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備えて、全体として漏斗状を呈し、前記底板に設けられた貫通孔に挿通して取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルと、
    前記るつぼの周囲に配置された溶解用コイルと、
    前記出湯ノズルの周囲に配置された出湯用コイルと、
    を備え、
    前記貫通孔の内周面と、前記出湯ノズルを構成するストレート部の外周面との間に隙間が設けられている、
    コールドクルーシブル溶解炉。
  2. 請求項1に記載のコールドクルーシブル溶解炉であって、
    前記貫通孔の内直径が、前記出湯ノズルの先端に形成される滴状スカルの直径よりも大きい、
    コールドクルーシブル溶解炉。
  3. 請求項2に記載のコールドクルーシブル溶解炉であって、
    前記貫通孔の内直径が、前記滴状スカルの予測直径よりも大きく、
    前記予測直径が、前記滴状スカルの表面張力と、前記滴状スカルにかかる重力と、被溶解材料が前記滴状スカルを上から押す力との釣り合い式に基づいて算出された値であり、
    前記釣り合い式における被溶解材料が前記滴状スカルを上から押す力Fは、被溶解材料の融点での液体密度ρ、重力加速度g、ストレート部の長さh、ストレート部の内直径dを用いて、
    F3=ρg・π(d/4)h
    によって算出する、
    コールドクルーシブル溶解炉。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のコールドクルーシブル溶解炉であって、
    前記貫通孔の内周面と前記出湯ノズルの外周面との離間幅が、所定の上限幅以下であり、
    前記所定の上限幅が、
    前記出湯用コイルに高周波電流が流れない状態において、前記出湯ノズルの内部の被溶解材料の凝固状態が維持される最大の幅である、
    コールドクルーシブル溶解炉。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のコールドクルーシブル溶解炉であって、
    前記隙間に着脱自在に設けられた断熱部材、
    を備える、コールドクルーシブル溶解炉。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のコールドクルーシブル溶解炉であって、
    前記貫通孔よりも径方向外側に前記出湯用コイルを形成している、コールドクルーシブル溶解炉。
  7. 筒状のるつぼと、
    前記るつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板と、
    逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備えて、全体として漏斗状を呈し、前記底板に設けられた貫通孔に挿通して取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルと、
    前記るつぼの周囲に配置された溶解用コイルと、
    前記出湯ノズルの周囲に配置された出湯用コイルと、
    を備え、
    前記貫通孔の内周面と、前記出湯ノズルを構成するストレート部の外周面との間に隙間が設けられ、
    前記るつぼを前記底板に載せ置いている、
    コールドクルーシブル溶解炉。
  8. 筒状のるつぼの底部側を塞ぐ水冷セグメント構造の底板に、逆円錐状の拡径部と、その下側に連なるストレート部とを備え、全体として漏斗状を呈する出湯ノズルを設けるにあたり、前記底板に設けられた貫通孔に、該貫通孔の内周面との間に隙間を設けつつ前記ストレート部を挿通されて取り付けられた、水冷セグメント構造ではない出湯ノズルを、その先端に滴状スカルが形成された状態のままで、前記貫通孔を挿通させつつ上方に引き上げて前記底板から取り外す出湯ノズル取り外し工程と、
    前記るつぼを上方に引き上げて、前記底板から分離させる、るつぼ分離工程と、
    を備え、
    前記るつぼ分離工程が、前記出湯ノズル取り外し工程に先だって行われる、コールドクルーシブル溶解炉のメンテナンス方法。
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