JP6800780B2 - プラズマトーチ、溶湯加熱装置及び溶湯加熱方法 - Google Patents

プラズマトーチ、溶湯加熱装置及び溶湯加熱方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラズマトーチ、プラズマトーチ用の先端電極、及び溶湯加熱装置に関する。
特許文献1は、黒鉛製のプラズマトーチを開示している。プラズマトーチは、溶融炉本体内の溶融スラグを効果的に加熱するために用いられる。プラズマトーチは、溶融炉本体の上部開口を覆うように配置された蓋の貫通孔内に挿通されている。プラズマトーチによる溶融スラグの加熱時には、プラズマトーチの下端部は溶融炉本体と蓋とで囲まれた内部空間内に位置しており、プラズマトーチの上端部は内部空間外に位置している。
特開平9−115663号公報
プラズマを効果的に発生させるため、通常、内部空間内には不活性ガスが充填されている。すなわち、内部空間内には酸素がほとんど存在していない。そのため、溶湯が存在し高温の環境にあるものの、黒鉛と反応する酸素の量が少なく、内部空間内に位置するプラズマトーチ(トーチ下端部)は損耗し難い。一方、内部空間外には酸素が多量に存在するものの、内部空間外の温度は低いので、内部空間外に位置するプラズマトーチ(トーチ上端部)も損耗し難い。
ところが、蓋の貫通孔近傍では、酸素を含む低温の外気と内部空間内の熱風とが混ざり合う。そのため、プラズマトーチのうち貫通孔に挿通されている部分は、黒鉛が酸素と反応して損耗し易い。従って、プラズマトーチの当該部分が細く抉れてしまい、プラズマトーチの寿命に影響を与える虞がある。
そのため、本発明の目的は、長寿命化を図ることが可能なプラズマトーチ及びプラズマトーチ用の先端電極、並びにプラズマトーチの長寿命化を図ることが可能な溶湯加熱装置を提供することにある。
本発明の一つの観点に係るプラズマトーチは、溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された本体の開口部を覆う蓋とを備える容器内で、溶湯との間でプラズマを発生させるプラズマトーチであって、プラズマによる溶湯の加熱処理時に溶湯に向かう先端部が容器内に位置するように、蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に構成された金属製の本体と、本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極とを備える。
本発明の一つの観点に係るプラズマトーチは、プラズマによる溶湯(溶融した液状の金属)の加熱処理時に、溶湯に向かう本体の先端部が容器内に位置するように、金属製の本体が貫通孔内に挿通可能に構成されている。そのため、蓋の貫通孔近傍に黒鉛製の先端電極が存在していない。従って、先端電極の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。しかも、黒鉛製の先端電極を用いているので、プラズマを発生させる際に先端電極を溶湯に浸漬し、先端電極を溶湯から引き上げることにより、100%の確率でプラズマを発生させることが可能となる。なお、全体が金属製のプラズマトーチを用いる場合、黒鉛の損耗は生じないが、当該プラズマトーチを溶湯に浸漬すると当該プラズマトーチが溶損し、溶湯の温度制御が困難となる。
本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材をさらに備えてもよい。この場合、プラズマによる溶湯の加熱処理時に本体が貫通孔内に挿通され、本体と蓋との距離が近接しても、絶縁被覆材により本体と蓋との間における放電(プラズマの発生)が防がれる。そのため、プラズマトーチを用いた溶湯の加熱処理を安全且つ安定して行うことが可能となる。なお、全体が黒鉛製のプラズマトーチの外周面に絶縁被覆材を設ける場合には、プラズマトーチと蓋との間における放電を防ぐことはできるものの、プラズマによる溶湯の加熱処理時に黒鉛自体が高温となり熱膨張するため、黒鉛との熱膨張率の差が大きい絶縁被覆材は黒鉛の外周面から剥がれてしまう。黒鉛を冷却することにより黒鉛からの絶縁被覆材の剥がれを抑制することも考えられるが、黒鉛は構造的に脆いので、黒鉛製のプラズマトーチに冷却液用の流路を設けることも困難である。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチは、金属製の本体と、本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極と、本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材とを備える。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチでは、プラズマによる溶湯(溶融した液状の金属)の加熱処理時に、金属製の本体のうち溶湯に向かう先端部が容器内に位置するように、本体が貫通孔内に挿通された状態とすることにより、蓋の貫通孔近傍に黒鉛製の先端電極が存在しなくなる。そのため、先端電極の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。しかも、黒鉛製の先端電極を用いているので、プラズマを発生させる際に先端電極を溶湯に浸漬し、先端電極を溶湯から引き上げることにより、100%の確率でプラズマを発生させることが可能となる。加えて、絶縁被覆材が本体の外周面を覆うように設けられているので、プラズマによる溶湯の加熱処理時に本体が貫通孔内に挿通され、本体と蓋との距離が近接しても、絶縁被覆材により本体と蓋との間における放電(プラズマの発生)が防がれる。そのため、プラズマトーチを用いた溶湯の加熱処理を安全且つ安定して行うことが可能となる。
先端電極は、先端部に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合、プラズマの生成に伴い先端電極が損耗したときには、新たな先端電極を本体に取り付ければよい。そのため、本体を再利用することができる。従って、プラズマトーチのランニングコストを軽減することが可能となる。
先端電極は、先端部に対して螺合可能に構成されていてもよい。この場合、先端電極の交換を極めて簡便に行うことが可能となる。
先端部には、先端に向かうにつれて拡径する傾斜面を有する凹部が設けられており、先端電極には、傾斜面に対応する外周面を有する凸部が設けられており、先端電極の凸部は、先端部の凹部に嵌合可能に構成されていてもよい。この場合、先端電極と先端部(本体)との接触面積が大きくなる。そのため、プラズマ生成のためにプラズマトーチに通電し、本体と先端電極との間に電流が流れる際に、本体と先端電極との当接部においてジュール熱が発生し難くなる。従って、先端電極の発熱に伴う損耗がより抑制されるので、プラズマトーチの長寿命化をより図ることが可能となる。
本体の先端部は、本体の基端部に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合、本体の先端部が損傷等したときには、新たな先端部を本体の基端部に取り付ければよい。そのため、本体の基端部を再利用することができる。従って、プラズマトーチのランニングコストを軽減することが可能となる。
本体内には冷却液の流路が設けられていてもよい。この場合、本体が冷却液によって冷却されることで、本体の先端部に取り付けられている先端電極の冷却も行われる。そのため、先端電極の発熱に伴う損耗がさらに抑制されるので、プラズマトーチの更なる長寿命化を図ることが可能となる。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチには、プラズマを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔が長手方向に沿って延びるように設けられていてもよい。この場合、動作ガスがプラズマトーチから溶湯に向けて流れるので、安定したプラズマを生成することが可能となる。
本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、外管部内に挿通された中心部とを有し、先端電極は中心部の先端部に取り付けられており、外管部と中心部との間に構成される環状の間隙により貫通孔が構成されていてもよい。この場合、プラズマトーチ(先端電極)と溶湯との間にプラズマが生じた際に、先端電極の周縁が特に熱を受ける。そのため、先端電極のうち熱を受ける領域(受熱部)が比較的広くなるので、熱が分散しやすくなる。従って、先端電極の先端面における最高温度が低くなると共に、先端電極の先端面における温度分布がなだらかとなる。その結果、先端電極の発熱に伴う損耗がいっそう抑制されるので、プラズマトーチのいっそうの長寿命化を図ることが可能となる。
本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、外管部内に挿通された中心部とを有し、先端電極は、環状の外側部と、外側部の内側に配置可能な内側部とを有し、内側部は中心部の先端部に取り付けられており、外側部は外管部に取り付けられており、外管部及び外側部と中心部及び内側部との間に構成される環状の間隙により貫通孔が構成されていてもよい。この場合、プラズマトーチ(先端電極)と溶湯との間にプラズマが生じた際に、先端電極のうち貫通孔近傍が特に熱を受ける。そのため、先端電極のうち熱を受ける領域(受熱部)が比較的広くなるので、熱が分散しやすくなる。従って、先端電極の先端面における最高温度が低くなると共に、先端電極の先端面における温度分布がなだらかとなる。その結果、先端電極の発熱に伴う損耗がいっそう抑制されるので、プラズマトーチのいっそうの長寿命化を図ることが可能となる。
外管部及び外側部と中心部及び内側部とは、互いに電気的に絶縁されていてもよい。この場合、外管部及び外側部と中心部及び内側部とを互いに異極の電源に接続することができる。これにより、外側部と内側部との間で放電しプラズマが発生する。この状態で電源の出力を大きくしていくことにより、外側部と内側部との間で生じているプラズマが成長していく。そして、成長したプラズマが溶湯に到達したときに、外側部及び内側部と、溶湯とを互いに異極の電源に接続することにより、プラズマトーチと溶湯との間にプラズマを生成することができる。従って、プラズマトーチの先端と溶湯との距離が大きい場合でも、プラズマトーチの先端と溶湯との間にプラズマを安定して生じさせることが可能となる。
先端電極と先端部との当接部のうち外部に露出している領域を覆う環状の絶縁部材をさらに備えてもよい。この場合、先端電極のうち当接部の近傍において放電が生ずることが防がれる。そのため、先端部が過剰に加熱され変形等してしまうことを抑制することができる。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極は、容器内の溶湯をプラズマによりの加熱処理する時に、溶湯に向かう先端部が容器内に位置する金属製の本体を有し、容器の蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に本体が構成されているプラズマトーチ用の、黒鉛製の先端電極であって、本体の先端部に対して着脱可能に構成されている。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極は、容器内の溶湯をプラズマによる加熱処理する時に、溶湯に向かう先端部が容器内に位置する金属製の本体を有し、容器の蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に本体が構成されているプラズマトーチに用いられる。そのため、蓋の貫通孔近傍に黒鉛製の先端電極が存在していない。従って、先端電極の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。しかも、本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極は黒鉛製であるので、プラズマを発生させる際に先端電極を溶湯に浸漬し、先端電極を溶湯から引き上げることにより、100%の確率でプラズマを発生させることが可能となる。なお、全体が金属製のプラズマトーチを用いる場合、黒鉛の損耗は生じないが、当該プラズマトーチを溶湯に浸漬すると当該プラズマトーチが溶損し、溶湯の温度制御が困難となる。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極は、外周面を覆うように絶縁被覆材が設けられた金属製の本体の先端部に対して着脱可能に構成されている。
本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極では、容器内の溶湯(溶融した液状の金属)をプラズマにより加熱処理する時に、金属製の本体のうち溶湯に向かう先端部が容器内に位置するように、本体が貫通孔内に挿通された状態とされる。そのため、蓋の貫通孔近傍に黒鉛製の先端電極が存在しなくなる。従って、先端電極の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。しかも、本発明の他の観点に係るプラズマトーチ用の先端電極は黒鉛製であるので、プラズマを発生させる際に先端電極を溶湯に浸漬し、先端電極を溶湯から引き上げることにより、100%の確率でプラズマを発生させることが可能となる。加えて、絶縁被覆材が本体の外周面を覆うように設けられているので、プラズマによる溶湯の加熱処理時に本体が貫通孔内に挿通され、本体と蓋との距離が近接しても、絶縁被覆材により本体と蓋との間における放電(プラズマの発生)が防がれる。そのため、本発明の他の観点に係る先端電極が取り付けられるプラズマトーチを用いた溶湯の加熱処理を安全且つ安定して行うことが可能となる。
本発明の他の観点に係る溶湯加熱装置は、溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された本体の開口部を覆う蓋とを備える容器と、容器内で溶湯との間でプラズマを発生させるプラズマトーチとを備え、プラズマトーチは、プラズマによる溶湯の加熱処理時に溶湯に向かう先端部が容器内に位置するように、蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に構成された金属製の本体と、本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極とを有する。
本発明の他の観点に係る溶湯加熱装置では、プラズマによる溶湯(溶融した液状の金属)の加熱処理時に、溶湯に向かう本体の先端部が容器内に位置するように、金属製の本体が貫通孔内に挿通可能に構成されている。そのため、蓋の貫通孔近傍に黒鉛製の先端電極が存在していない。従って、先端電極の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。しかも、黒鉛製の先端電極を用いているので、プラズマを発生させる際に先端電極を溶湯に浸漬し、先端電極を溶湯から引き上げることにより、100%の確率でプラズマを発生させることが可能となる。なお、全体が金属製のプラズマトーチを用いる場合、黒鉛の損耗は生じないが、当該プラズマトーチを溶湯に浸漬すると当該プラズマトーチが溶損し、溶湯の温度制御が困難となる。
本発明に係るプラズマトーチ、プラズマトーチ用の先端電極、及び溶湯加熱措置によれば、プラズマトーチの長寿命化を図ることが可能となる。
図1は、連続鋳造装置の一つの例を示す図である。 図2は、図1のプラズマトーチの断面を示す。 図3は、従来のプラズマトーチの断面を示す。 図4は、従来のプラズマトーチの断面を示す。 図5は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図6は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図7は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図8は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図9は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図10は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。 図11は、他の例に係るプラズマトーチの断面を示す。
以下に説明される本開示に係る実施形態は本発明を説明するための例示であるので、本発明は以下の内容に限定されるべきではない。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、連続鋳造装置100の構成について説明する。連続鋳造装置100は、取鍋101と、タンディッシュ102(溶湯加熱装置)と、鋳型103と、鋳片支持ロール104と、プラズマ発生装置1(溶湯加熱装置)を備える。
取鍋101は、溶湯(溶鋼)Mを貯留する容器である。タンディッシュ102は、取鍋101の下方に配置されている。タンディッシュ102(容器)は、本体102aと、蓋102bとを有する。本体102aは、取鍋101の底壁に設けられたノズル101aから流出した溶湯Mを貯留する。蓋102bは、上方に向けて開放された本体102aの開口部102cを覆っている。蓋102bには、タンディッシュ102の内外を連通する貫通孔102dが設けられている。
鋳型103は、タンディッシュ102の下方に配置されている。鋳型103は、タンディッシュ102の底壁に設けられたノズル102eから流出した溶湯を冷却しながら所定形状に成形する。鋳片支持ロール104は、鋳型103から引き抜かれた鋳片Sを冷却しつつ搬送する。
プラズマ発生装置1は、タンディッシュ102内の溶湯Mの温度を制御するための装置である。そのため、プラズマ発生装置1は、タンディッシュ102と共に、溶湯加熱装置を構成している。プラズマ発生装置1は、プラズマトーチ10と、トーチ保持具12と、昇降機14と、動作ガス源16とを備える。
プラズマトーチ10は、例えば直線状に延びる丸棒(直棒)である。プラズマトーチ10の直径は、例えば50mm〜200mm程度であってもよい。プラズマトーチ10の長さは、例えば1000mm〜2500mm程度であってもよい。プラズマトーチ10の形状は、丸形以外の他の形状であってもよいし、必ずしも直線状に延びておらず屈曲していてもよい。プラズマトーチ10は、図示しない電源に接続されており、所定の電圧(例えば100V〜500V程度)が印加される。
プラズマトーチ10は、図1及び図2に示されるように、金属製の本体18と、黒鉛製の先端電極20と、絶縁被覆材22とを有する。本体18には、図2に示されるように、貫通孔H1が設けられている。貫通孔H1は、例えば円形状を呈し、本体18の軸方向(プラズマトーチ10の長手方向)に沿って延びている。貫通孔H1の直径は、例えば10mm程度であってもよい。本体18には、貫通孔H1を取り囲むように、冷却液(例えば、水)の流路Fが設けられている。流路Fには、図示しない冷却液源から冷却液が供給される。冷却液は、流路F内を流通した後に排出され、例えば熱交換器によって冷却され、再び流路Fに供給される。冷却液が流路Fを循環することにより、プラズマトーチ10全体(本体18及び先端電極20)が冷却される。
先端電極20は、本体18の下端部18a(先端部)に取り付けられている。より詳しくは、先端電極20は、下端部18aの先端面T1に取り付けられている。先端電極20と本体18との接触面積が大きいと、プラズマトーチ10への通電時に先端電極20と本体18との当接部に生ずるジュール熱が小さくなり、プラズマトーチ10(本体18及び先端電極20)の損耗を抑制できる傾向にある。先端電極20と本体18との接触面積をXとし、プラズマトーチ10を流れる電流をYとした場合、接触面積XはX/Y≦1.0[A/mm]を満たしていてもよい。なお、接触面積Xで電流Yを除算した値は、当接部を通過する電流の密度(通過電流密度)を表わしている。
先端電極20には、貫通孔H2が設けられている。貫通孔H2は、先端電極20(プラズマトーチ10)の軸方向に沿って延びている。貫通孔H2は、先端電極20が本体18の先端面T1に取り付けられた状態において、貫通孔H1と連通している。
絶縁被覆材22は、本体18の外周面の全体に設けられている。絶縁被覆材22は、例えば、アルミナ(Al)を本体18の外周面に溶射することによって得られる。
図1に戻って、トーチ保持具12は、本体18(プラズマトーチ10)の基端部18bを保持する。トーチ保持具12は、例えば、プラズマトーチ10が鉛直軸に対して0°〜30°程度傾くようにプラズマトーチ10を保持可能である。昇降機14は、トーチ保持具12を上下方向に昇降させる。そのため、トーチ保持具12によって保持されているプラズマトーチ10も、昇降機14によって上下方向に昇降され、タンディッシュ102内の溶湯Mに対して近接及び離間する。プラズマトーチ10の下端部(先端部)がタンディッシュ102内に位置するときにプラズマトーチ10が昇降機14によって上昇されると、プラズマトーチ10は、蓋102bの貫通孔102dを通ってタンディッシュ102の外に移動する。プラズマトーチ10がタンディッシュ102外にあるときに昇降機14によって下降されると、プラズマトーチ10の下端部は、蓋102bの貫通孔102dを通ってタンディッシュ102内に移動する。
動作ガス源16は、図1及び図2に示されるように、プラズマを発生させるための動作ガス(例えば、アルゴン、窒素等の不活性ガス)を貫通孔H1,H2に供給する。そのため、貫通孔H1,H2は、動作ガスの流路として機能する。動作ガス源16は、配管24を介して貫通孔H1,H2と接続されている。配管24には、バルブ26が設けられている。バルブ26の開閉に応じて、動作ガス源16からの動作ガスの貫通孔H1,H2への供給状態と非供給状態とが切り替わる。本実施形態では、動作ガス源16、配管24及びバルブ26が、動作ガスを貫通孔H1,H2(プラズマトーチ10)に供給する供給手段として機能する。
プラズマ発生装置1によってプラズマを発生させる場合には、まず、先端電極20の周囲(溶湯Mの湯面近傍)を動作ガス雰囲気とする。具体的には、バルブ26を開放して、動作ガス源16から貫通孔H1,H2を介して動作ガスをタンディッシュ102内に供給する。また、プラズマトーチ10に所定の電圧を印加させる。
次に、この状態で、昇降機14によってプラズマトーチ10を溶湯Mに向けて降下させる。このとき、昇降機14は、先端電極20の全体がタンディッシュ102内(本体102aと蓋102bとの間の内部空間内)に位置すると共に、本体18及び絶縁被覆材22が貫通孔102dに対向した状態となるように、プラズマトーチ10をタンディッシュ102及び溶湯Mの湯面に対して位置決めする。これにより、先端電極20(プラズマトーチ10)と溶湯Mとの距離(ギャップ)が所定の大きさとなるまで先端電極20を溶湯Mに近づける。そうすると、先端電極20と溶湯Mとの間で絶縁破壊が生じ、先端電極20と溶湯Mとの間に電流が流れる。これにより、図2に示されるように、先端電極20と溶湯Mとの間にプラズマPが発生する。なお、先端電極20は、熱を受けることにより徐々に消耗(損耗)していく。
ところで、図3に示されるような全体が黒鉛製のプラズマトーチ50を用いて、溶湯Mとの間にプラズマPを発生させる場合を考える。タンディッシュ102内には、不活性ガスが充填されているので、タンディッシュ102には酸素がほとんど存在していない。そのため、溶湯Mが存在し高温の環境にあるものの、黒鉛と反応する酸素の量が少なく、タンディッシュ102内に位置するプラズマトーチ50(プラズマトーチ50の下端部)は損耗し難い。一方、タンディッシュ102外の温度は低いので、タンディッシュ102外には酸素が多量に存在するものの、タンディッシュ102外の温度は低いので、タンディッシュ102外に位置するプラズマトーチ50(プラズマトーチ50の上端部)も損耗し難い。しかしながら、蓋102bの貫通孔102d近傍では、酸素を含む低温の外気とタンディッシュ102内の熱風とが混ざり合う。そのため、プラズマトーチ50のうち貫通孔102dに挿通されている部分(プラズマトーチ50の中間部分)は、黒鉛と酸素とが反応して損耗しやすい。従って、図3に示されるように、プラズマトーチ50の中間部分が細く抉れてしまい、プラズマトーチ50の寿命に影響を与える虞がある。このような抉れの発生に対して、全体が金属製のプラズマトーチを用いることも考えられる。しかしながら、金属製のプラズマトーチを用いる場合には、プラズマを発生させるためにプラズマトーチを溶湯Mに浸漬することができないので、プラズマの発生率が低下してしまう。金属製のプラズマトーチを溶湯に浸漬すると、溶湯Mの温度がプラズマトーチが溶損してしまい、溶湯Mの温度制御が困難となる。
また、プラズマトーチ50の中間部分と貫通孔102dとの距離は比較的短い。そのため、プラズマトーチ50の周囲の雰囲気が不安定になると、図4に示されるように、プラズマトーチ50の外周面と貫通孔102dとの間で放電してプラズマP1が生ずる虞がある。このような放電を防ぐために、プラズマトーチ50の外周面に絶縁被覆材を設けることも考えられる。しかしながら、プラズマトーチ50は黒鉛製であるので、プラズマトーチ50による溶湯Mの加熱処理時に黒鉛自体が高温となり熱膨張する。黒鉛の熱膨張率は絶縁被覆材の熱膨張率よりも大きいので、絶縁被覆材はプラズマトーチ50の外表面から剥がれてしまう。黒鉛を冷却することにより絶縁被覆材の剥がれを抑制することも考えられるが、黒鉛は構造的に脆いので、黒鉛製のプラズマトーチ50に冷却液用の流路を設けることも困難である。
しかしながら、以上のような本実施形態では、プラズマPによる溶湯Mの加熱処理時に、溶湯Mに向かう本体18の下端部18aがタンディッシュ102内に位置するように、金属製の本体18が貫通孔102d内に挿通可能に構成されている。そのため、蓋102bの貫通孔102d近傍に黒鉛製の先端電極20が存在していない。従って、先端電極20の損耗が極めて抑制される。その結果、プラズマトーチ10の長寿命化を図ることが可能となる。しかも、黒鉛製の先端電極20を用いているので、プラズマPを発生させる際に先端電極20を溶湯に浸漬し、先端電極20を溶湯Mから引き上げることにより、100%の確率でプラズマPを発生させることが可能となる。
本実施形態では、絶縁被覆材22が、本体18の外周面を覆うように設けられている。そのため、プラズマPによる溶湯Mの加熱処理時に本体18が貫通孔102d内に挿通され、本体18と蓋102bとの距離が近接しても、絶縁被覆材22により本体18と蓋102bとの間における放電(プラズマの発生)が防がれる。そのため、プラズマトーチ10を用いた溶湯Mの加熱処理を安全且つ安定して行うことが可能となる。
本実施形態では、本体18内に冷却液の流路Fが設けられている。そのため、本体18が冷却液によって冷却されることで、本体18の下端部18aに取り付けられている先端電極20の冷却も行われる。従って、先端電極20の発熱に伴う損耗がさらに抑制されるので、プラズマトーチ10の更なる長寿命化を図ることが可能となる。
本実施形態では、本体18及び先端電極20にそれぞれ、プラズマPを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔H1,H2がプラズマトーチ10の長手方向(軸方向)に沿って延びるように設けられている。そのため、動作ガスがプラズマトーチ10から溶湯Mに向けて流れるので、安定したプラズマPを生成することが可能となる。
以上、本開示に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明の要旨の範囲内で種々の変形を上記の実施形態に加えてもよい。例えば、先端電極20は、本体18の下端部18a(先端面T1)に対して着脱可能に構成されていてもよい。この場合、プラズマPの生成に伴い先端電極20が損耗したときには、新たな先端電極20を本体18に取り付ければよい。そのため、本体18を再利用することができる。従って、プラズマトーチ10のランニングコストを軽減することが可能となる。
具体的には、図5に示されるように、本体18の下端部18aに形成された雌ねじ部18cと、先端電極20に設けられた雄ねじ部20aとが螺合可能に構成されていてもよい。また、図6に示されるように、本体18の下端部18aに形成された雄ねじ部18dと、先端電極20に設けられた雌ねじ部20bとが螺合可能に構成されていてもよい。これらの場合、先端電極20の交換を極めて簡便に行うことが可能となる。特に、図6に示されるように、先端電極20側が雌ねじ部20bを有する場合、先端電極20が大径化するので、先端電極20の高強度化が図られる。
図7に示されるように、本体18は、その軸方向(長手方向)に沿って延びる外管部18Aと、外管部18A内に挿通された中心部18Bとを有していてもよい。外管部18Aは、中心部18Bとは別体である。外管部18Aの外周面には、絶縁被覆材22が全体的に設けられている。外管部18Aの内径は、中心部18Bの外径よりも大きい。そのため、外管部18Aと中心部18Bとの間には、本体18の軸方向(長手方向)に延びる環状の貫通孔H3が設けられている。すなわち、貫通孔H3は、中心部18Bを取り囲んでいる。貫通孔H3は、動作ガス源16に接続されており、動作ガス源16から動作ガスが供給される。外管部18Aの内部及び中心部18Bの内部にはそれぞれ、冷却液が流通する流路FA,FBが設けられている。中心部18Bの下端部18aには、雌ねじ部18cが形成されている。雌ねじ部18cは、先端電極20に設けられた雄ねじ部20aと螺合可能に構成されている。そのため、先端電極20は、中心部18Bに対して着脱可能である。
図7に示されるプラズマトーチ10の場合、プラズマトーチ10(先端電極20)と溶湯Mとの間にプラズマPが生じた際に、先端電極20の周縁が特に熱を受ける。そのため、先端電極20のうち熱を受ける領域(受熱部)が比較的広くなるので、熱が分散しやすくなる。従って、先端電極20の先端面T2における最高温度が低くなると共に、先端電極20の先端面T2における温度分布がなだらかとなる。その結果、先端電極20の発熱に伴う損耗がいっそう抑制されるので、プラズマトーチ10のいっそうの長寿命化を図ることが可能となる。
図8に示されるように、本体18は、その軸方向(長手方向)に沿って延びる外管部18Aと、外管部18A内に挿通された中心部18Bとを有しており、先端電極20は、環状の外側部20Aと、外側部の内側に配置可能な内側部20Bとを有していてもよい。
外管部18Aは、中心部18Bとは別体である。外管部18Aの外周面及び中心部18Bの外周面にはそれぞれ、絶縁被覆材22が全体的に設けられている。外管部18Aの内径は、中心部18Bの外径よりも大きい。そのため、外管部18Aと中心部18Bとの間には、本体18の軸方向(長手方向)に延びる環状の貫通孔H3が設けられている。すなわち、貫通孔H3は、中心部18Bを取り囲んでいる。貫通孔H3は、動作ガス源16に接続されており、動作ガス源16から動作ガスが供給される。外管部18Aの内部及び中心部18Bの内部にはそれぞれ、冷却液が流通する流路FA,FBが設けられている。
外側部20Aの内径は、内側部20Bの外径よりも大きい。外側部20Aの外周面には、雄ねじ部20aが設けられている。外側部20Aの雄ねじ部20aは、外管部18Aの下端部18aに設けられた雌ねじ部18cと螺合可能に構成されている。そのため、外側部20Aは、外管部18Aに対して着脱可能である。内側部20Bの外周面には、雄ねじ部20aが設けられている。内側部20Bの雄ねじ部20aは、中心部18Bの下端部18aに設けられて雌ねじ部18cと螺合可能に構成されている。そのため、内側部20Bは、中心部18Bに対して着脱可能である。外側部20A及び内側部20Bがそれぞれ外管部18A及び中心部18Bに対して取り付けられた状態において、外側部20Aと内側部20Bとの間には、先端電極20の軸方向に延びる環状の貫通孔H4が設けられる。貫通孔H4は、貫通孔H3と連通しており、貫通孔H3を通じて動作ガスが流通する。
図8に示されるプラズマトーチ10の場合、プラズマトーチ10(先端電極20)と溶湯Mとの間にプラズマPが生じた際に、先端電極20のうち貫通孔H4近傍が特に熱を受ける。そのため、先端電極20のうち熱を受ける領域(受熱部)が比較的広くなるので、熱が分散しやすくなる。従って、先端電極20の先端面T2における最高温度が低くなると共に、先端電極20の先端面T2における温度分布がなだらかとなる。その結果、先端電極20の発熱に伴う損耗がいっそう抑制されるので、プラズマトーチ10のいっそうの長寿命化を図ることが可能となる。
図8に示されるプラズマトーチ10の場合、外管部18Aの外周面及び中心部18Bの外周面にはそれぞれ、絶縁被覆材22が全体的に設けられているので、外管部18A及び外側部20Aと中心部18B及び内側部20Bとは互いに電気的に絶縁されている。そのため、外管部18A及び外側部20Aと中心部18B及び内側部20Bとを互いに異極の電源に接続することができる。これにより、外側部20Aと内側部20Bとの間で放電しプラズマPが発生する。この状態で電源の出力を大きくしていくことにより、外側部20Aと内側部20Bとの間で生じているプラズマPが成長していく。そして、成長したプラズマPが溶湯Mに到達したときに、外側部20A及び内側部20Bと、溶湯Mとを互いに異極の電源に接続することにより、プラズマトーチ10(先端電極20)と溶湯Mとの間にプラズマPを生成することができる。従って、プラズマトーチ10の先端と溶湯Mとの距離が大きい場合でも、プラズマトーチ10の先端と溶湯との間にプラズマPを安定して生じさせることが可能となる。
図9に示されるように、下端部18aが本体18の基端部18eに対して着脱可能に構成されていてもよい。具体的には、下端部18aに形成された雌ねじ部18fと、基端部18eに形成された雄ねじ部18gとが螺合可能に構成されている。下端部18aの外周面及び基端部18eの外周面にはそれぞれ、絶縁被覆材22が設けられている。下端部18aの先端面T1には、先端電極20が取り付けられている。この場合、本体18の下端部18aが損傷等したときには、新たな下端部18aを本体18の基端部18eに取り付ければよい。そのため、本体18の基端部18eを再利用することができる。従って、プラズマトーチ10のランニングコストを軽減することが可能となる。
図10に示されるように、プラズマトーチ10は、絶縁部材25をさらに備えていてもよい。絶縁部材25は、円環状を呈しており、先端電極20と下端部18aとの当接部のうち外部に露出している領域を覆っている。当接部には、絶縁部材25の外形に対応した凹溝が形成されている。そのため、絶縁部材25を当接部に取り付ける際には、まず、先端電極20と下端部18aとが取り外されている状態で、下端部18a側の凹溝に絶縁部材25を嵌め込む。次に、先端電極20の雄ねじ部20aを下端部18aの雌ねじ部18cに螺合する。これにより、絶縁部材25は、先端電極20及び下端部18aの凹溝内において保持される。この場合、先端電極20のうち当接部の近傍において放電が生ずることが防がれる。そのため、下端部18aが過剰に加熱され変形等してしまうことを抑制することができる。
図11に示されるように、下端部18aには、下端に向かうにつれて拡径する傾斜面(先端面T1)を有する凹部が設けられていてもよい。傾斜面は、例えば円錐面であってもよい。先端電極20には、傾斜面(先端面T1)に対応する外周面を有する凸部が設けられていてもよい。すなわち、先端電極20の凸部は、円錐状又は円錐台状を呈している。先端電極20の凸部は、下端部18aの凹部に対して嵌合可能に構成されていてもよく、下端部18aの凹部に対して着脱可能に構成されていてもよい。図11においては、凸部の外周面に形成された雄ねじ部20aと、凹部の内周面に形成された雌ねじ部18cとが螺合可能に構成されている。この場合、先端電極20と下端部18a(本体18)との接触面積が大きくなる。そのため、プラズマ生成のためにプラズマトーチ10に通電し、本体18と先端電極20との間に電流が流れる際に、本体18と先端電極20との当接部においてジュール熱が発生し難くなる。従って、先端電極20の発熱に伴う損耗がより抑制されるので、プラズマトーチ10の長寿命化をより図ることが可能となる。
1…プラズマ発生装置(溶湯加熱装置)、10,50…プラズマトーチ、12…トーチ保持具、14…昇降機、16…動作ガス源、18…本体、18A…外管部、18B…中心部、18a…下端部(先端部)、18b…基端部、18c…雌ねじ部、18d…雄ねじ部、18e…基端部、18f…雌ねじ部、18g…雄ねじ部、20…先端電極、20A…外側部、20B…内側部、20a…雄ねじ部、20b…雌ねじ部、22…絶縁被覆材、24…配管、25…絶縁部材、26…バルブ、100…連続鋳造装置、101…取鍋、102…タンディッシュ(溶湯加熱装置)、103…鋳型、104…鋳片支持ロール、101a…ノズル、102a…本体、102b…蓋、102c…開口部、102d…貫通孔、102e…ノズル、F,FA,FB…流路、H1〜H4…貫通孔、M…溶湯(溶鋼)、P,P1…プラズマ、S…鋳片、T1,T2…先端面。

Claims (18)

  1. 溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された前記本体の開口部を覆う蓋とを備える容器内で、溶湯との間でプラズマを発生させるプラズマトーチであって、
    プラズマによる溶湯の加熱処理時に溶湯に向かう先端部が前記容器内に位置するように、前記蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に構成された金属製の本体と、
    前記本体の前記先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極とを備え
    プラズマを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔が長手方向に沿って延びるように設けられており、
    前記本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、前記外管部内に挿通された中心部とを有し、
    前記先端電極は前記中心部の先端部に取り付けられており、
    前記外管部と前記中心部との間に構成される環状の間隙により前記貫通孔が構成されている、プラズマトーチ。
  2. 溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された前記本体の開口部を覆う蓋とを備える容器内で、溶湯との間でプラズマを発生させるプラズマトーチであって、
    プラズマによる溶湯の加熱処理時に溶湯に向かう先端部が前記容器内に位置するように、前記蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に構成された金属製の本体と、
    前記本体の前記先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極とを備え、
    プラズマを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔が長手方向に沿って延びるように設けられており、
    前記本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、前記外管部内に挿通された中心部とを有し、
    前記先端電極は、環状の外側部と、前記外側部の内側に配置可能な内側部とを有し、
    前記内側部は前記中心部の先端部に取り付けられており、
    前記外側部は前記外管部に取り付けられており、
    前記外管部及び前記外側部と前記中心部及び前記内側部との間に構成される環状の間隙により前記貫通孔が構成されている、プラズマトーチ。
  3. 前記外管部及び前記外側部と前記中心部及び前記内側部とは、互いに電気的に絶縁されている、請求項に記載のプラズマトーチ。
  4. 前記先端電極と前記先端部との当接部のうち外部に露出している領域を覆う環状の絶縁部材をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  5. 溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された前記本体の開口部を覆う蓋とを備える容器内で、溶湯との間でプラズマを発生させるプラズマトーチであって、
    プラズマによる溶湯の加熱処理時に溶湯に向かう先端部が前記容器内に位置するように、前記蓋に設けられた貫通孔内に挿通可能に構成された金属製の本体と、
    前記本体の前記先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極と、
    前記先端電極と前記先端部との当接部のうち外部に露出している領域を覆う環状の絶縁部材とを備える、プラズマトーチ。
  6. 前記本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  7. 金属製の本体と、
    前記本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極と、
    前記本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材とを備え
    プラズマを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔が長手方向に沿って延びるように設けられており、
    前記本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、前記外管部内に挿通された中心部とを有し、
    前記先端電極は前記中心部の先端部に取り付けられており、
    前記外管部と前記中心部との間に構成される環状の間隙により前記貫通孔が構成されている、プラズマトーチ。
  8. 金属製の本体と、
    前記本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極と、
    前記本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材とを備え、
    プラズマを発生させるための動作ガスの流路として機能する貫通孔が長手方向に沿って延びるように設けられており、
    前記本体は、長手方向に沿って延びる外管部と、前記外管部内に挿通された中心部とを有し、
    前記先端電極は、環状の外側部と、前記外側部の内側に配置可能な内側部とを有し、
    前記内側部は前記中心部の先端部に取り付けられており、
    前記外側部は前記外管部に取り付けられており、
    前記外管部及び前記外側部と前記中心部及び前記内側部との間に構成される環状の間隙により前記貫通孔が構成されている、プラズマトーチ。
  9. 前記外管部及び前記外側部と前記中心部及び前記内側部とは、互いに電気的に絶縁されている、請求項8に記載のプラズマトーチ。
  10. 前記先端電極と前記先端部との当接部のうち外部に露出している領域を覆う環状の絶縁部材をさらに備える、請求項7〜9のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  11. 金属製の本体と、
    前記本体の先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極と、
    前記本体の外周面を覆うように設けられた絶縁被覆材と、
    前記先端電極と前記先端部との当接部のうち外部に露出している領域を覆う環状の絶縁部材とを備える、プラズマトーチ。
  12. 前記先端電極は、前記先端部に対して着脱可能に構成されている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  13. 前記先端電極は、前記先端部に対して螺合可能に構成されている、請求項12に記載のプラズマトーチ。
  14. 前記先端部には、先端に向かうにつれて拡径する傾斜面を有する凹部が設けられており、
    前記先端電極には、前記傾斜面に対応する外周面を有する凸部が設けられており、
    前記先端電極の前記凸部は、前記先端部の前記凹部に嵌合可能に構成されている、請求項12又は13に記載のプラズマトーチ。
  15. 前記本体の前記先端部は、前記本体の基端部に対して着脱可能に構成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  16. 前記本体内には冷却液の流路が設けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載のプラズマトーチ。
  17. 溶湯を貯留する本体と、上方に向けて開放された前記本体の開口部を覆う蓋とを備える容器と、
    前記容器内で溶湯との間でプラズマを発生させるように構成された、請求項1〜16のいずれか一項のプラズマトーチとを備える、溶湯加熱装置。
  18. 溶湯を貯留する本体の開口部を覆う蓋に設けられた貫通孔内にプラズマトーチの金属製の本体が挿通された状態で、前記プラズマトーチを下方に降下させ、前記プラズマトーチの先端部に取り付けられた黒鉛製の先端電極を溶湯に浸漬することと、
    前記プラズマトーチを上昇させて、前記先端電極を溶湯から引き上げることにより、前記先端電極と溶湯との間にプラズマを発生させて、プラズマで溶湯を加熱することとを含む、溶湯加熱方法。
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