JP5267315B2 - 連続鋳造用タンディッシュ及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用タンディッシュ及び連続鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に用いられる連続鋳造用タンディッシュ及び当該タンディッシュを用いた連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造においては、精錬工程で成分と温度を調整された溶鋼は、取鍋内に貯留された状態で、連続鋳造工程を実施する連続鋳造機まで輸送される。輸送された溶鋼は、連続鋳造機の鋳型に注入されるが、取鍋から直接鋳型に注入すると、溶鋼の流量の制御が難しい。またその一方で、取鍋を交換しつつ、鋳型に継続的に溶鋼を供給して、鋳造を連続的に行う必要がある。このため、一般的に、取鍋内の溶鋼は、注入ノズルなどを通じて一旦タンディッシュと呼ばれる中間容器内に注入され、タンディッシュ内で流量調整された後、鋳型内に供給されている。
上述のタンディッシュは、種々の形のものが存在するが、いわゆる舟型のものが多く用いられている。このようなタンディッシュによれば、注入ノズルからタンディッシュの中央部に溶鋼が供給され、舟の舳先に相当する両端部の流出口から連続鋳造機の鋳型に耐火物のノズルを通じて溶鋼が流出される。タンディッシュの両端部の流出口には、例えば上下に移動して流出口の開口面積を調整する棒状のストッパーが設けられており、このストッパーによりタンディッシュ内の溶鋼の流量制御が行われている。
また、タンディッシュ内には高温の溶鋼が供給されるため、タンディッシュの側壁や底部には、耐火レンガ、耐火性ボード等の耐火物が内張りされている。そして、タンディッシュ内の溶鋼が耐火物に抜熱され、流出口付近で溶鋼が冷却して凝固するのを防止するため、通常、溶鋼が注入される前に耐火物を予熱することが行われている。この耐火物の予熱には、例えばタンディッシュ底部において、注入ノズルと流出口との間に電気抵抗発熱体を設けて耐火物を予熱することが提案されている(特許文献1)。
特開昭52−116731号公報
ところで、タンディッシュは、上述のように流量を制御しつつ溶鋼を鋳型に供給する機能を持つほかに、鋼の精錬時に不可避的に混入した酸化物であるスラグや、脱酸のために添加されたアルミから生成されるアルミナなどの非金属介在物を、その比重が鋼の比重よりも小さいことを利用してタンディッシュ内で浮上分離させる機能を有している。これにより、溶鋼中の非金属介在物などがそのまま鋳型内に供給されることが防止されて鋳片に混入することがなく、非金属介在物などが原因で生じる圧延時の疵などを抑制できる。
これを図に基づいて説明すると、例えば図12に示すように、タンディッシュ100の入側、すなわち注入ノズル110と流出口111の間の領域では、注入ノズル110からの強い流れが支配的となり、溶鋼Mはタンディッシュ100の底面に到達した後、タンディッシュ100内を上昇する。このとき、溶鋼M中の介在物Rは浮上分離される。
しかしながら、タンディッシュ100の出側、すなわち流出口111と短辺壁100aとの間の領域では、短辺壁100aと長辺壁100bから溶鋼Mが抜熱され冷却されて生じる熱対流が支配的となり、流出口111に向かう溶鋼Mの下降流Fが発生する。そのため、流出口111の上方で浮上分離された介在物Rや溶鋼M中に浮遊する介在物Rが、この下降流Fによって流出口111に向かって流れてしまう。これにより、介在物Rを含む溶鋼Mが流出口111から鋳型に流れ、最終的に製造される鋼の品質が低下することが懸念される。
また、上述した特許文献1の方法では、電気抵抗発熱体によって、注入ノズル110と流出口111との間のタンディッシュ100の底部を加熱することができるが、流出口111と短辺壁100aとの間の領域において、当該短辺壁100aや長辺壁100bを加熱することはできない。したがって、かかる電気抵抗発熱体によって、短辺壁100aと長辺壁100bからの溶鋼Mの抜熱を抑制することはできず、溶鋼Mの下降流Fを抑制することはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、連続鋳造用のタンディッシュにおいて、溶鋼中の介在物を十分に分離除去することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、タンディッシュから鋳型へ溶鋼を流出させる流出口は、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を流入させる注入ノズルに対し、平面視において、前記長辺壁に沿って同一直線上に並んで配置され、前記短辺壁の内部と前記長辺壁の内部の両方に抵抗加熱体が設けられ、前記長辺壁の内部の前記抵抗加熱体は、L ≧L を満足し、前記抵抗加熱体の下端部はタンディッシュ底部位置であり、前記抵抗加熱体の上端部は少なくとも最大溶鋼湯面位置であり、前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m )は、0<W≦2Qを満足することを特徴としている。なお、抵抗加熱体は、通電によりそれ自体が発熱する構造を有するものをいう。
但し
:短辺壁の内側面と、流出口の中心を通って長辺壁と直角方向に延伸する中心線との最短距離
:流出口の中心を通って長辺壁と直角方向に延伸する中心線と、長辺壁の内部の抵抗加熱体の注入ノズル側の端部との最短距離
Q:短辺壁と長辺壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
本発明によれば、短辺壁の内部又は短辺壁の内部と長辺壁の内部に抵抗加熱体が設けられているので、抵抗加熱体による溶鋼の加熱によって、短辺壁又は短辺壁と長辺壁からの溶鋼の抜熱を抑制することができる。これによって、溶鋼の熱対流による下降流を抑制することができるので、溶鋼中の介在物が流出口に流れるのを抑制することができる。したがって、タンディッシュ内で介在物を十分に分離除去することができる。なお、抵抗加熱体の加熱熱流束は、要求される鋼の品質によって任意に設定することができる。
前記短辺壁の内部の抵抗加熱体の長辺壁側の両端部は、平面視において、前記長辺壁の両内側面まで設けられていることが最も好適である。
別な観点による本発明は、前記タンディッシュを用いた鋼の連続鋳造方法であって、前記抵抗加熱体の加熱熱流束によって、前記短辺壁と前記長辺壁からの溶鋼の抜熱を抑制し、当該溶鋼の下降流を抑制することを特徴としている。
本発明によれば、連続鋳造用のタンディッシュにおいて、溶鋼中の介在物を十分に分離除去することができる。
本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す縦断面の説明図である。 短辺壁、長辺壁及び抵抗加熱体の構成の概略を示す横断面の説明図である。 短辺壁の温度分布及び各部材の諸元を示す説明図である。 タンディッシュ内の溶鋼の流れの様子を示す説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 他の実施の形態にかかるタンディッシュの構成の概略を示す横断面の説明図である。 実施例1において、短辺壁の内部及び外部の温度分布の測定結果を示すグラフである。 実施例2において、タンディッシュから流出する介在物の比率についてのシミュレーション結果を示すグラフである。 従来のタンディッシュ内の溶鋼の流れの様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかるタンディッシュ1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。図2は、タンディッシュ1の構成の概略を示す横断面の説明図である。
タンディッシュ1は、図1及び図2に示すように、一対の短辺壁10(図示にの例では一端側のみ表示している)と一対の長辺壁11、11を備え、平面形態が長方形に形成されている。また、タンディッシュ1は、天井面12と底面13を備え、内部に溶鋼Mを貯留することができる。
タンディッシュ1の中央付近の天井面12には、図1に示すように、注入ノズル20が下方向に向けて挿入されている。この注入ノズル20により、上方の取鍋21からタンディッシュ1内に溶鋼Mを流入させることができる。タンディッシュ1の短辺壁10付近の底面13には、流出口22が形成されている。流出口22には、図示しない連続鋳造機の鋳型に連通するノズル23が接続されている。この流出口22とノズル23により、タンディッシュ1内の溶鋼Mを鋳型に供給することができる。なお、これら注入ノズル20と流出口22は、平面視においてタンディッシュ1の長辺壁11に沿って同一直線状に並んで配置されている。
流出口22の上方には、流量調節棒24が設けられている。流量調節棒24は、上下動することで流出口22の開口面積を変えて、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流量を調整することができる。
短辺壁10の内部には、図1及び図3に示すように、通電により発熱する抵抗加熱体30が埋設されている。抵抗加熱体30は、図3に示すように、側面視において、その形状が短辺壁10と相似形の台形となるように配置されている。また、抵抗加熱体30は、短辺壁10のほぼ全面に配置され、その長辺壁11側の両端部は、図2に示すように、平面視において、長辺壁11の両内側面まで設けられている。また、抵抗加熱体30は、図3に示すように、その下端部がタンディッシュ1の底部の位置になるように配置されており、また、その上端部が少なくとも最大溶鋼湯面位置、すなわち、定常状態のタンディッシュ1内の溶鋼Mの湯面Mよりも上方に位置するように配置されている。
さらに、抵抗加熱体が長辺壁11の内部にも設けられている場合、一対の長辺壁11、11の内部には、図2及び図4に示すように、他の抵抗加熱体31、31がそれぞれ埋設されている。抵抗加熱体31は、側面視において、その形状が長方形状に形成されている。抵抗加熱体31は、流出口22に対向する位置に配置されている。抵抗加熱体31の短辺壁10側の端部31bは、平面視において、流出口22の中心を通って長辺壁11と直角方向に延伸する中心線Pよりも短辺壁10側に位置しており、例えば短辺壁10と長辺壁11との間のコーナー付近に位置している。一方、抵抗加熱体31の注入ノズル20側の端部31aは、平面視において、中心線Pよりも注入ノズル20側に位置している。ここでは、端部31aと中心線Pとの間の最短距離Lは、短辺壁10の内側面と中心線Pとの間の最短距離Lと等しくなっている。また、抵抗加熱体31の上端部は、溶鋼Mの最大溶鋼湯面位置Mよりも上方に位置しており、抵抗加熱体31の下端部は、タンディッシュ1の底部に位置している。なお、抵抗加熱体31の注入ノズル20側の端部31aの位置は、短辺壁10の内側面と中心線Pとの間の一部または全部に設けられていれば良いが、本実施の形態に限定されず、端部31aはさらに流出口22側に位置していてもよい。
なお、これら抵抗加熱体30、31は、図1及び図2において図示しないタンディッシュ1の他端側にも同様に設けられている。
次に、短辺壁10、長辺壁11及び抵抗加熱体30、31の構成について詳しく説明する。
短辺壁10には、図5に示すように、外側から鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42がこの順で配置されている。同様に、長辺壁11にも、外側から鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体31、ウェアレンガ42がこの順で配置されている。なお、パーマネントレンガ41は半永久的に鉄皮40に固定された耐火レンガであり、ウェアレンガ42は溶鋼Mとの接触により浸食されたときに定期的に補修される耐火レンガである。抵抗加熱体30、31には、当該抵抗加熱体30、31に通電するためのケーブル43がそれぞれ接続されている。ケーブル43は、例えば鉄皮40及びパーマネントレンガ41の厚み方向に形成された孔44を介して、図示しない電源に接続されている。
また、抵抗加熱体30、31は、その加熱熱流束W(W/m)が下記式(1)を満たすように発熱する。
0<W≦2Q・・・・(1)
但し、Q:短辺壁10と長辺壁11からの溶鋼Mの抜熱熱流束(W/m
上記式(1)の根拠について説明する。発明者らが汎用の数値熱流体解析ソフト「FLUENT」を用いてシミュレーションを行ったところ、抵抗加熱体30、31による加熱を少しでも行えば、タンディッシュ1から流出する介在物の個数が減少することが分かった。このシミュレーションの結果については、実施例2において詳しく説明する。
溶鋼Mの抜熱がゼロになると、図12に示した抜熱に起因する溶鋼Mの熱対流、すなわち溶鋼Mの下降流Fがなくなる。そうすると、溶鋼Mの介在物の浮上分離効果は最大となる。また、抵抗加熱体30、31によって溶鋼Mに付与される加熱熱流束はW/2となる。したがって、抵抗加熱体30、31による加熱熱流束Wの好適な上限値は、上記式(1)で示した溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍となる。ちなみに、加熱熱流束Wを溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍よりも大きくなる様に加熱すると、溶鋼Mが加熱されて溶鋼Mの上昇流が発生することで溶鋼Mの対流が発生して、下降流が発生することも懸念されるため、上昇流発生による悪影響が出ない範囲で、加熱熱流束Wを溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍よりも大きくなる様に加熱しても良い。但し、加熱コストを考慮すると、加熱熱流束Wの上限値は溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍とすることが、最も好適である。
なお、抵抗加熱体30、31の加熱熱流束Wの値を上記式(1)の範囲内でどの値に設定するかは、要求される鋼の品質によって任意に設定することができる。例えば介在物を全く許容しないような高い品質が要求されている場合、抵抗加熱体30、31の加熱熱流束Wは2Qに設定される。これに対して、介在物がある程度許容されているような場合は、要求レベルに応じて、加熱熱流束Wの値を任意に設定することができる。従って、加熱熱流束Wの下限値は、0<Wとなる。
また、品質の要求レベルに応じて、抵抗加熱体30、31の加熱熱流束Wを下記式(2)の範囲としてもよく、より好ましくは下記式(3)としてもよい。
1.5Q≦W≦2Q・・・・(2)
1.9Q≦W≦2Q・・・・(3)
ここで、後述の実施例2の結果(図11)を参照すると、例えば加熱熱流束Wがゼロの場合、すなわち溶鋼Mの抜熱熱流束Qが5000W/mの場合、例えば100μmの直径の介在物は7%程度鋳型に流出した。これに対して、介在物の鋳型への流出が4.5%となる、すなわち介在物の鋳型への流出改善率が35%(=(7%−4.5%)/7%)となるのは、溶鋼Mの抜熱熱流束が1250W/mの場合であった。この抜熱熱流束から加熱熱流束Wを算出すると、加熱熱流束Wは1.5Qとなった。そこで、加熱熱流束Wの好ましい下限値を、上記式(2)で示したように1.5Qとした。
また、介在物が鋳型へ流出するのをさらに抑制するため、介在物の鋳型への流出が3.5%となる、すなわち介在物の流出改善率が50%(=(7%−3.5%)/7%)となるのは、溶鋼Mの抜熱熱流束が250W/mの場合であった。この抜熱熱流束から加熱熱流束Wを算出すると、加熱熱流束Wは1.9Qとなった。そこで、加熱熱流束Wのより好ましい下限値を、上記式(3)で示したように1.9Qとした。
発明者らは、上記式(1)における溶鋼Mの抜熱熱流束Qの算出方法を検討した。ここでは、図6に示すように短辺壁10近傍の溶鋼Mの抜熱熱流束Qについて説明する。
短辺壁10の外側の空気A、鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42、短辺壁10の内側の溶鋼Mについて、各部材の温度分布及び諸元は図6に示すように設定した。温度分布は図中の折れ線グラフであり、各部材の諸元は表中の値である。
ここで、文献 J.P.ホールマン著 平田賢監訳 伝熱工学 <上> ブレイン図書出版株式会社 第1版 (1982) pp29〜33に記載されているとおり、鉄皮40側の熱流束一定の条件から下記式(4)が得られ、溶鋼M側の熱流束一定の条件から下記式(5)が得られる。
(T−T)=α(T−T)=α(T−T)=qt/2+α(T−T)・・・・(4)
−qt/2+α(T−T)=α(TL−T)・・・・(5)
上記式(4)及び(5)から、T、Tが以下の通りに求まり、溶鋼Mの抜熱熱流束Qを示す上記式(5)は、下記式(6)で表される。
Q=α(TL−T)・・・・(6)
但し、
=T−qt/2/α+h(1/α+1/α+1/α)(T−T
={T+h(1/α+1/α+1/α+1/α)+qt(1/α+1/2/α)}/{1+h(1/α+1/α+1/α+1/α)}
なお、長辺壁11の抵抗加熱体31を用いた場合も、溶鋼Mの抜熱熱流束Qは上記式(6)で算出することができる。
次に、以上のように構成されたタンディッシュ1の作用について、図7に基づいて説明する。なお、図7は、タンディッシュ1内の溶鋼Mの流れを説明するため、溶鋼Mの湯面Mの位置までのタンディッシュ1内の一部を示している。
先ず、取鍋21から注入ノズル20を介してタンディッシュ1内に溶鋼Mが供給される。そして最大溶鋼湯面位置、すなわち定業操業時において溶鋼Mの湯面Mの位置が所定の高さで安定する。注入ノズル20から供給された溶鋼Mは、タンディッシュ1の底面13に到達した後、流出口22に向かって流れる。注入ノズル20と流出口22の間の領域では、注入ノズル20からの強い流れが支配的になり、湯面Mに向かう上昇流Fが形成される。また、この上昇流Fにより、溶鋼M中の介在物Rも湯面Mまで浮上する。
また、取鍋21からタンディッシュ1内に溶鋼Mを供給する際に、抵抗加熱体30、31を通電することにより発熱させる。このとき、抵抗加熱体30、31の加熱熱流束Wが好ましくは上記式(1)を満たすように、抵抗加熱体30、31を発熱させる。そうすると、短辺壁10と長辺壁11からの溶鋼Mの抜熱が減少し、この抜熱による溶鋼Mの下降流Fは極めて小さくなるか、あるいはゼロになる。このため、湯面Mに浮上している介在物Rが流出口22に流れるのを抑制することができる。
さらに、このように溶鋼Mの下降流Fが極めて小さくなると、流出口22と短辺壁10との間の領域で溶鋼M中に浮遊している介在物Rが、浮力により湯面Mに向かって上昇する。したがって、溶鋼M中の介在物Rが流出口22に流れるのを抑制することができる。
介在物Rが十分に除去された溶鋼Mは、流出口22から流出し、ノズル23を通じて連続鋳造機の鋳型に供給される。
以上の実施の形態によれば、短辺壁10の内部及び長辺壁11の内部に、抵抗加熱体30、31が設けられているので、抵抗加熱体30、31による溶鋼Mの加熱によって、短辺壁10及び長辺壁11からの溶鋼Mの抜熱を抑制することができる。これによって、溶鋼Mの熱対流による下降流Fを抑制することができるので、溶鋼M中の介在物Rが流出口22に流れるのを抑制することができる。したがって、タンディッシュ1内で介在物Rを十分に分離除去することができる。
また、抵抗加熱体30、31の加熱熱流束Wが上記式(1)を満たしていると、溶鋼Mに適切な量の加熱熱流束を付与することができる。これによって、品質の要求レベルに応じて、加熱熱流束Wの値を任意に設定することができ、溶鋼Mの抜熱を適切に抑制することができ、品質の要求レベルが高い場合でも、介在物Rを十分に分離除去することができる。
以上の実施の形態では、短辺壁10の内部と長辺壁11の内部の両方に抵抗加熱体30、31が設けられていたが、短辺壁10のみに設けられていてもよい。すなわち図8に示すように、短辺壁10の内部にのみ抵抗加熱体30を設けてもよい。この場合でも、抵抗加熱体30によって、溶鋼Mの熱対流による下降流Fの発生に最も大きく起因する溶鋼Mの短辺壁10からの抜熱を抑制することができるため、溶鋼Mの熱対流による下降流Fを抑制することができる。
また、以上の実施の形態において、長辺壁11の内部には、流出口22より注入ノズル20側まで延伸する抵抗加熱体31が配置されていたが、図9に示すように、短辺壁10から中心線Pまで延伸する抵抗加熱体50を配置してもよい。上述したように溶鋼Mの抜熱による下降流Fは、そのほとんどが流出口22と短辺壁10との間の領域で発生する。したがって、本実施の形態の抵抗加熱体50を用いた場合でも、溶鋼Mの抜熱を抑制することができ、溶鋼Mの熱対流による下降流Fを抑制することができる。
また、図2に示すとおり、長辺壁11の内部の抵抗加熱体31は、その注入ノズル20側の端部31aを中心線Pよりも注入ノズル20側に位置させ、例えば、中心線Pとの間の最短距離Lが、短辺壁10の内側面と中心線Pとの間の最短水平距離Lと等しくなるように配置されることによって、短辺壁10と流出口22との間の領域に加えて、流出口22より注入ノズル22側の領域の溶鋼Mも加熱することができ、すなわち流出口22の周囲に渡って溶鋼Mを加熱することができるので、当該溶鋼Mの溶鋼Mの熱対流による下降流Fをより確実に抑制することができる。
以下、本発明のタンディッシュを用いた場合の溶鋼の抜熱抑制効果について説明する。本実施例においては、先に図6に示した短辺壁10を用い、下記の条件において、短辺壁10の内部のみに抵抗加熱体30を設けた場合について、短辺壁10の内部及び外部の温度分布を測定する実験を行った。なお、パーマネントレンガ41にはシリカ質の耐火レンガが用いられ、ウェアレンガ42にはアルミナ質の耐火レンガが用いられた。また、抵抗加熱体30のヒーターにはカーボンヒーターが用いられた。
短辺壁10内の鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42の熱伝導率及び厚みは、表1に示したとおりである。また、抵抗加熱体30の加熱量(加熱熱流束)は、0(kW/m)、5.0(kW/m)、12.4(kW/m)の3種類の条件とした。
以上の条件で実験を行った結果を表2及び図10に示す。表2中の試験No.1は図10中の“○”に該当し、表2中の試験No.2は図10中の“□”に該当し、表2中の試験No.3は図10中の“■”に該当する。
表2及び図10を参照すると、試験No.1に比べて、試験No.2及び試験No.3の方が溶鋼の抜熱熱流束を抑制できることが分かった。すなわち、本発明の抵抗加熱体を用いた場合、溶鋼からの抜熱熱流束を十分に抑制できることが分かった。
次に、本発明のタンディッシュを用いた場合の介在物の除去効果について説明する。本実施例では、先に図1及び図2に示したタンディッシュ1、すなわち短辺壁10と長辺壁11の内部に抵抗加熱体30、31を用いた場合において、汎用の数値熱流体解析ソフト「FLUENT」を用いてシミュレーションを行った。
本実施例では、抵抗加熱体31が設けられていない部分の長辺壁11、天井面12、底面13においては、5000W/mで抜熱される場合を想定した。また、抵抗加熱体30、31が設けられている部分の短辺壁10及び長辺壁11においては、0W/m、500W/m、1000W/m、2500W/m、5000W/mの5通りの条件で抜熱される場合を想定した。なお、抜熱が0W/mの場合は、抵抗加熱体30、31の加熱によって溶鋼Mの抜熱がない状態を示し、抜熱が5000W/mの場合は、抵抗加熱体30、31による溶鋼Mの加熱を行っていない状態を示している。溶鋼Mについては、比重が7200kg/m、熱膨張率が1.25×10−4、熱伝導率が41W/mK、比熱が750J/kgKとした。溶鋼M中の介在物Rについては、濃度の輸送方程式にストークス浮上速度を考慮し、湯面Mにおいて単純除去されるモデルとした。
そして、取鍋21からタンディッシュ1への溶鋼Mの流入流量が一定で、かつタンディッシュ1から鋳型への流出流量が一定となる定常操業時において、取鍋21から流入する介在物Rの個数(ここでの検討は1000個とした)に対して、鋳型に流出した介在物Rの個数の比率を算出した。具体的には、注入ノズル20面に1000個の粒子を置いて、取鍋21からタンディッシュ1へ介在物Rを流入させた場合の、タンディッシュ1内での粒子の軌跡を計算し、鋳型に流出した介在物Rの個数をカウントして求めた。ちなみに、介在物Rのサイズは、品質に影響するサイズとして、直径が100μmおよび150μmについて検討した。
以上の条件でシミュレーションを行った結果を図11に示す。図11を参照すると、溶鋼Mの抜熱が5000W/mの場合、100μmの介在物Rは8%、150μmの介在物Rは1.2%程度鋳型に流出している。これに対して、溶鋼Mの抜熱を減少させる、すなわち抵抗加熱体30、31によって溶鋼Mを少しでも加熱すると、鋳型に流出する介在物Rが減少することが分かった。したがって、本発明のタンディッシュを用いた場合、加熱熱流束Wの値を任意に設定することで、品質の要求レベルに応じて、介在物を適切に除去することができ、品質の要求レベルが高い場合でも、介在物を十分に除去できることが分かった。
Figure 0005267315
Figure 0005267315
本発明は、連続鋳造用のタンディッシュを用いて、取鍋から鋳型に溶鋼を供給する際に有用である。
1 タンディッシュ
10 短辺壁
11 長辺壁
12 天井面
13 底面
20 注入ノズル
21 取鍋
22 流出口
23 ノズル
24 流量調節棒
30、31 抵抗加熱体
40 鉄皮
41 パーマネントレンガ
42 ウェアレンガ
43 ケーブル
44 孔
50 抵抗加熱体
M 溶鋼
P 中心線
R 介在物

Claims (3)

  1. 一対の長辺壁と一対の短辺壁を備えた鋼の連続鋳造用のタンディッシュであって、
    タンディッシュから鋳型へ溶鋼を流出させる流出口は、取鍋からタンディッシュへ溶鋼を流入させる注入ノズルに対し、平面視において、前記長辺壁に沿って同一直線上に並んで配置され、
    前記短辺壁の内部と前記長辺壁の内部の両方に抵抗加熱体が設けられ、
    前記長辺壁の内部の前記抵抗加熱体は、L ≧L を満足し、
    前記抵抗加熱体の下端部はタンディッシュ底部位置であり、
    前記抵抗加熱体の上端部は少なくとも最大溶鋼湯面位置であり、
    前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m )は、0<W≦2Qを満足することを特徴とする、連続鋳造用タンディッシュ。
    但し
    :短辺壁の内側面と、流出口の中心を通って長辺壁と直角方向に延伸する中心線との最短距離
    :流出口の中心を通って長辺壁と直角方向に延伸する中心線と、長辺壁の内部の抵抗加熱体の注入ノズル側の端部との最短距離
    Q:短辺壁と長辺壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
  2. 前記短辺壁の内部の抵抗加熱体の長辺壁側の両端部は、平面視において、前記長辺壁の両内側面まで設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造用タンディッシュ。
  3. 請求項1又は2に記載のタンディッシュを用いた鋼の連続鋳造方法であって、
    前記抵抗加熱体の加熱熱流束によって、前記短辺壁と前記長辺壁からの溶鋼の抜熱を抑制し、当該溶鋼の下降流を抑制することを特徴とする、連続鋳造方法。
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