JP5621214B2 - 連続鋳造用取鍋及び連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造用取鍋及び連続鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンディッシュに溶鋼を供給する際に用いられる連続鋳造用取鍋及び当該取鍋を用いた連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造においては、精錬工程で成分と温度を調整された溶鋼は、取鍋内に貯留された状態で、連続鋳造工程を実施する連続鋳造機まで輸送される。輸送された溶鋼は、取鍋の底面に形成された流出口と、当該流出口に接続され、流量を制御可能なスライディングノズルである注入ノズル等を通じて、取鍋からタンディッシュ内に供給される。また、取鍋内が空になると、次の取鍋が搬送され、連続鋳造中に溶鋼が連続的にタンディッシュ内に供給される。
上述の取鍋の側壁には、当該取鍋内の溶鋼の温度を維持するため、耐火レンガ、耐火性ボード等の耐火物が内張りされている(特許文献1)。また、取鍋内の溶鋼の上部は、一般にスラグと称される精錬工程で発生した、酸化カルシウム(CaO)、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)などの混合物である溶融酸化物で覆われている。さらに、焼きもみなどの保温材や取鍋蓋などが取鍋に設けられ、取鍋内の溶鋼の温度の維持が図られている。
このように取鍋内の溶鋼は熱放出がある程度抑制される処置を行って操業されているものの、熱放出を完全に抑制することはできない。例えば300ton規模の取鍋でも、実際には1分間に0.3℃程度の温度が降下している。これは、主として、取鍋内の溶鋼が取鍋の側壁から抜熱されることに起因している。したがって、溶鋼は側壁近傍ほど温度が低い状態となる。
図10に示すように、取鍋100の側壁101近傍の溶鋼Mの温度が低くなると、鋼は溶融状態では温度が低いほど比重が大きくなるため、内部の溶鋼Mに比して側壁101近傍の溶鋼Mが下方に降下する。このため、内部側の溶鋼Mは上昇する。したがって、取鍋100内の側壁101近傍で熱対流が形成される。熱流体解析によれば、この側壁101近傍の熱対流による下降流Fの速度は、0.01m/s〜0.05m/s程度となる(非特許文献1)。一方、溶鋼M中の介在物Rは浮力により浮上しようとする。この介在物Rの浮上速度は、比重3000kg/m、100μm直径の介在物Rで0.004mm/s程度となる。したがって、100μm程度の直径の介在物Rは側壁101近傍の下降流Fの形成により浮上し難いため、側壁101近傍に常に浮遊することになる。
特開平4−100672号公報
E.F.Rodorigues et al.,<URL:http://ichmt.org/abstracts/CHT-97/poster1.html>
かかる場合、取鍋100の底面に形成された流出口102からタンディッシュに溶鋼Mを供給する際、側壁101近傍に100μm程度の直径の介在物Rが浮遊しているため、流出口102の上方に浮遊している100μm程度の直径の介在物Rが、取鍋100からタンディッシュに流出してしまう。ちなみに、流出口102は、通常、図11に示すように、取鍋底面の側壁101近傍に設置されているため、側壁101近傍に浮遊している100μm程度の直径の介在物Rが、流出口102からタンディッシュに流出し易い。したがって、図11に示すように取鍋100内の溶鋼Mが少量になるにつれて、上述した側壁101近傍に浮遊する介在物Rが取鍋100からタンディッシュにより多く流出してしまう。また、このとき流出口102の上方では溶鋼Mの渦流が発生し、この渦流に介在物Rが巻き込まれて流出口102から流出し易くなる。そして、この介在物Rがタンディッシュを介して連続鋳造機の鋳型に流れると、最終的に製造される鋼の品質が低下するおそれがある。しかしながら、現状では、このように取鍋からタンディッシュ内に介在物が流出することを取鍋段階で抑制する対策は何ら講じられていない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、取鍋からタンディッシュに溶鋼を供給する際に、溶鋼中の介在物が取鍋から流出するのを抑制することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、鋼の連続鋳造用の取鍋であって、少なくとも平面視で取鍋底面の流出口と取鍋の側壁との最短距離に位置する取鍋の側壁を含む領域の内部に、抵抗加熱体が設けられ、前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m)は、下記式(1)を満たすものであり、前記抵抗加熱体の下端部は取鍋内側の底部の上面から1mの高さまでの範囲となる位置であり、前記抵抗加熱体の上端部は少なくとも最大溶鋼湯面位置であることを特徴としている。
0<W≦2Q・・・・(1)
但し、Q:側壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
なお、抵抗加熱体は、通電によりそれ自体が発熱する構造を有するものをいう。
本発明によれば、少なくとも平面視で取鍋底面の流出口と取鍋の側壁との最短距離に位置する取鍋の側壁を含む領域の内部に、抵抗加熱体が設けられており、抵抗加熱体の下端部は取鍋内側の底部の上面から1mの高さまでの範囲となる位置であり、抵抗加熱体の上端部は少なくとも最大溶鋼湯面位置としているので、抵抗加熱体による溶鋼の加熱によって、少なくとも平面視で取鍋底面の流出口近傍の側壁からの溶鋼の抜熱を抑制することができる。そして前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m)は、0<W≦2Q(但し、Q:側壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m))を満たしている。これによって、少なくとも流出口の上方の溶鋼の熱対流による下降流を抑制することができるので、流出口の上方に浮遊している100μm程度の直径の溶鋼中の介在物を浮上させることができる。したがって、介在物が取鍋からタンディッシュに流出するのを抑制することができる。ちなみに、最大溶鋼湯面位置とは、2次精錬が終了した溶鋼を取鍋に供給して貯留した状態で、タンディッシュへ溶鋼の供給を開始するまでの間の溶鋼の湯面位置を意味している。また、少なくとも平面視で取鍋底面の流出口と取鍋の側壁との最短距離に位置する取鍋の側壁を含む領域とは、抵抗加熱体の取鍋の側壁の周方向の長さとしては、特に規定するものではないが、例えば、取鍋の側壁の1/4周が好ましく、1/2周がより好ましい。もちろん、取鍋の側壁の全周に亘って設けられると、取鍋全周に亘って側壁近傍の下降流が抑制できるため、より確実に介在物を浮上させることができる。したがって、抵抗加熱体のコストや要求される鋼の品質によって任意に設定することができる。
また、取鍋の側壁の全周に亘って設けられる場合、溶鋼の抜熱を取鍋全体で抑制することができるため、取鍋に内張りされるウェアレンガが、必ずしも断熱機能を有するものを使用する必要がない。通常は、断熱機能を有する耐火物は空隙率が高いため、熱間強度が小さく、溶鋼により溶損しやすいが、取鍋の側壁の全周に亘って設けられる場合、必ずしも断熱機能を有するものを使用する必要がないため、緻密な耐火物を使用しても良く、この場合は熱間強度が高いため、溶鋼による溶損速度を小さくでき、耐火物コストを低廉化できるという副次的な効果も併せて享受できる。
別な観点による本発明は、前記取鍋を用いた鋼の連続鋳造方法であって、前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m)は、下記式(1)を満たすものであり、前記抵抗加熱体の加熱熱流束によって、前記側壁からの溶鋼の抜熱を抑制し、当該溶鋼の下降流を抑制することを特徴としている。
0<W≦2Q・・・・(1)
但し、Q:側壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
本発明によれば、取鍋からタンディッシュに溶鋼を供給する際に、溶鋼中の介在物が取鍋から流出するのを抑制することができる。
本実施の形態にかかる取鍋の構成の概略を示す縦断面の説明図である。 本実施の形態にかかる取鍋の構成の概略を示す横断面の説明図である。 側壁及び抵抗加熱体の構成の概略を示す横断面の説明図である。 側壁の温度分布及び各部材の諸元を示す説明図である。 取鍋内の溶鋼及び介在物の流れの様子を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる取鍋の構成の概略を示す横断面の説明図である。 他の実施の形態にかかる取鍋の構成の概略を示す横断面の説明図である。 実施例1において、側壁の内部及び外部の温度分布の測定結果を示すグラフである。 実施例2において、取鍋内の介在物の濃度の最大値の比率についてのシミュレーション結果を示すグラフである。 従来の取鍋内の溶鋼及び介在物の流れの様子を示す説明図である。 従来の取鍋内の溶鋼及び介在物の流れの様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる取鍋1の構成の概略を示す縦断面の説明図である。図2は、取鍋1の構成の概略を示す横断面の説明図である。
取鍋1は、図1及び図2に示すように、側壁10と底部11を備えた中空の略円筒形状を有し、内部に溶鋼Mを貯留することができる。また、取鍋1の上面は開口し、当該上面には開閉自在な取鍋蓋12が設けられている。なお、取鍋1内の溶鋼Mの上部は、精錬工程で発生した溶融酸化物であるスラグSで覆われている。
取鍋1の底部11には、流出口20が形成されている。流出口20には、取鍋1から下方向に延伸する注入ノズル21が接続されている。この流出口20と注入ノズル21により、取鍋1内の溶鋼Mを、取鍋1の下方に設けられたタンディッシュ22に供給することができる。図2では、流出口20は、取鍋1の底部11の中心部と側壁10との中間点に設けられている。
取鍋1の側壁10の内部には、通電により発熱する抵抗加熱体30が埋設されている。抵抗加熱体30は、少なくとも平面視で取鍋1内側の底面11a(底部11の上面)の流出口20と取鍋1の側壁10との最短距離に位置する取鍋1の側壁10を含む領域に配置されていれば良く、ここでは、流出口20と取鍋1の側壁10との最短距離の位置する取鍋1の側壁10部分が中心となる様に、側壁10の1/4周に配置されているケースを示す。また、抵抗加熱体30は、その下端部30aが取鍋1内側の底面11aからの高さHが1mとなる位置までの範囲に配置されており、また、その上端部は最大溶鋼湯面位置まで配置されている。
次に、側壁10及び抵抗加熱体30の構成について詳しく説明する。
側壁10には、図3に示すように、外側から鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42がこの順で配置されている。なお、パーマネントレンガ41は半永久的に鉄皮40に固定された耐火レンガであり、ウェアレンガ42は溶鋼Mとの接触により浸食されたときに定期的に補修される耐火レンガである。
抵抗加熱体30は、通常、複数のヒータパネル43を有している。ヒータパネル43の外側の形状は、パーマネントレンガ41の曲率半径に適合するように湾曲している。また、ヒータパネル43の内側の形状は、ウェアレンガ42の曲率半径に適合するように湾曲している。そして、ヒータパネル43は、例えば接着剤によってパーマネントレンガ41に貼り付けられて設置されている。
各ヒータパネル43には、当該ヒータパネル43に通電するためのケーブル44がそれぞれ接続されている。ケーブル44は、例えば鉄皮40及びパーマネントレンガ41の厚み方向に形成された孔45を介して、図示しない電源に接続されている。なお、各ヒータパネル43に溝を設け、ケーブル44を当該溝に配設することにより、ヒータパネル43とパーマネントレンガ41が密着するようにしてもよい。
また、抵抗加熱体30は、その加熱熱流束W(W/m)が下記式(1)を満たすように発熱する。
0<W≦2Q・・・・(1)
但し、Q:側壁10からの溶鋼Mの抜熱熱流束(W/m
上記式(1)の根拠について説明する。発明者らが汎用の数値熱流体解析ソフト「FLUENT」を用いてシミュレーションを行ったところ、抵抗加熱体30による加熱を少しでも行えば、取鍋1から流出する介在物の個数が減少することが分かった。このシミュレーションの結果については、実施例2において詳しく説明する。
溶鋼Mの抜熱がゼロになると、図10に示した抜熱に起因する溶鋼Mの熱対流、すなわち溶鋼Mの下降流Fがなくなる。そうすると、溶鋼Mの介在物の浮上分離効果は最大となる。また、抵抗加熱体30によって溶鋼Mに付与される加熱熱流束はW/2となる。したがって、抵抗加熱体30による加熱熱流束Wの好適な上限値は、上記式(1)で示した溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍となる。なお、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wを2Qより大きくすると、側壁10近傍の溶鋼Mが温められて上昇することで溶鋼Mの対流が発生して下降流が発生することも懸念されるため、上昇流発生による悪影響が出ない範囲で、加熱熱流束Wを溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍よりも大きくなる様に加熱しても良い。但し、加熱コストを考慮すると、加熱熱流束Wの上限値は溶鋼Mの抜熱熱流束Qの2倍とすることが、最も好適である。
なお、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wの値を上記式(1)の範囲内でどの値に設定するかは、要求される鋼の品質によって任意に設定することができる。例えば介在物を全く許容しないような高い品質が要求されている場合、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wは2Qに設定される。これに対して、介在物がある程度許容されているような場合は、要求レベルに応じて、加熱熱流束Wの値を任意に設定することができる。したがって、加熱熱流束Wの下限値は、0<Wとなる。
また、品質の要求レベルに応じて、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wを下記式(2)の範囲としてもよく、より好ましくは下記式(3)としてもよい。
1.5Q≦W≦2Q・・・・(2)
1.8Q≦W≦2Q・・・・(3)
ここで、後述の実施例2の結果(図9)を参照すると、例えば加熱熱流束Wがゼロの場合、すなわち溶鋼Mの抜熱熱流束Qが4700W/mの場合、例えば100μmの直径の介在物は7.4%程度取鍋1内に残留した。これに対して、取鍋1内に残留する介在物が5%となる、すなわち介在物の取鍋1内の残留改善率が35%(=(7.4%−5%)/7.4%)となるのは、溶鋼Mの抜熱熱流束が1175W/mの場合であった。この抜熱熱流束から加熱熱流束Wを算出すると、加熱熱流束Wは1.5Qとなった。そこで、加熱熱流束Wの好ましい下限値を、上記式(2)で示したように1.5Qとした。
また、介在物が取鍋1内に残留するのをさらに抑制するため、取鍋1内に残留する介在物が3.7%となる、すなわち介在物の残留改善率が50%(=(7.4%−3.7%)/7.4%)となるのは、溶鋼Mの抜熱熱流束が470W/mの場合であった。この抜熱熱流束から加熱熱流束Wを算出すると、加熱熱流束Wは1.8Qとなった。そこで、加熱熱流束Wのより好ましい下限値を、上記式(3)で示したように1.8Qとした。
発明者らは、上記式(1)における溶鋼Mの抜熱熱流束Qの算出方法を検討した。側壁10の外側の空気A、鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42、側壁10の内側の溶鋼Mについて、各部材の温度分布及び諸元は図4に示すように設定した。温度分布は図中の折れ線グラフであり、各部材の諸元は表中の値である。
ここで、文献 J.P.ホールマン著 平田賢監訳 伝熱工学 <上> ブレイン図書出版株式会社 第1版 (1982) pp29〜33に記載されているとおり、鉄皮40側の熱流束一定の条件から下記式(4)が得られ、溶鋼M側の熱流束一定の条件から下記式(5)が得られる。
(T−T)=α(T−T)=α(T−T)=qt/2+α(T−T)・・・・(4)
−qt/2+α(T−T)=α(TL−T)・・・・(5)
上記式(4)及び(5)から、T、Tが以下の通りに求まり、溶鋼Mの抜熱熱流束Qを示す上記式(5)は、下記式(6)で表される。
Q=α(TL−T)・・・・(6)
但し、
=T−qt/2/α+h(1/α+1/α+1/α)(T−T
={T+h(1/α+1/α+1/α+1/α)+qt(1/α+1/2/α)}/{1+h(1/α+1/α+1/α+1/α)}
次に、以上のように構成された取鍋1の作用について、図5に基づいて説明する。
鋼の連続鋳造においては、先ず、2次精錬が終了した溶鋼Mを貯留した取鍋1は、タンディッシュ22の上方に輸送される。そして、通常、2次精錬が終了してから30分程度経過した後に、取鍋1からタンディッシュ22への溶鋼Mの供給が開始される。その後、鋼の連続鋳造が約2時間行われ、この間取鍋1からタンディッシュ22へ溶鋼Mが連続的に供給される。したがって、取鍋1内には溶鋼Mが約2時間30分程度、貯留されていることになる。
本実施の形態においては、2次精錬が終了してから連続鋳造が終了する15分前までの間、抵抗加熱体30を通電することにより取鍋1内の溶鋼Mを加熱した。このとき、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wが上記式(1)を満たすように、抵抗加熱体30を発熱させた。これによって、側壁10からの溶鋼Mの抜熱が減少し、この抜熱による溶鋼Mの下降流Fは小さくなるか、あるいはゼロになる。したがって、側壁10近傍の介在物Rの浮上速度を溶鋼Mの下降流Fの速度よりも大きくすることができ、当該介在物Rを浮上させることができる。このため、介在物Rが流出口20に流れるのを抑制することができる。
そして、介在物Rが十分に浮上した溶鋼Mは、流出口20から流出し、注入ノズル21を通じてタンディッシュ22に供給される。
以上の実施の形態によれば、取鍋1の側壁10内部に側壁10の1/4周に抵抗加熱体30が設けられているので、抵抗加熱体30による溶鋼Mの加熱によって、側壁10からの溶鋼Mの抜熱を抑制することができる。これによって、溶鋼Mの熱対流による下降流Fを抑制することができるので、溶鋼M中の介在物Rを上昇させることができる。したがって、介在物Rが取鍋1からタンディッシュ22に流出するのを抑制することができる。
ちなみに、流出口20と取鍋1の側壁10との最短距離の位置する取鍋1の側壁10部分が中心となる様に、図6に示すように側壁10の1/2周に亘って配置されていても良く、また、図7に示すように側壁10の全周に亘って配置されていても良い。
また、抵抗加熱体30の加熱熱流束Wが上記式(1)を満たしているので、溶鋼Mに適切な量の加熱熱流束を付与することができる。これによって、溶鋼Mの抜熱をより確実に抑制することができ、介在物Rを十分に浮上させることができる。
また、抵抗加熱体30は、その下端部30aが取鍋1内側の底面11a(底部11の上面)からの高さHが1mまでの範囲となる位置に配置されているが、発明者らが調べたところ、この下端部30aの高さが1m未満の位置では、溶鋼Mの熱対流による下降流が小さいことが分かった。したがって、高さHが1mまでの範囲となる位置には、抵抗加熱体30を必ずしも配置する必要はないため、下端部30aが上記範囲に位置していても良い。もちろん、抵抗加熱体30は、下端部30aが取鍋1内側の底面11aに位置するように配置されていても良い。
以下、本発明の取鍋を用いた場合の溶鋼の抜熱抑制効果について説明する。本実施例においては、先に図4に示した側壁10を用い、下記の条件において、側壁10の内部及び外部の温度分布を測定する実験を行った。なお、パーマネントレンガ41にはシリカ質の耐火レンガ用いられ、ウェアレンガ42にはアルミナ質の耐火レンガが用いられた。また、抵抗加熱体30のヒーターにはカーボンヒーターが用いられた。また、流出口20は、取鍋1の底部11の中心部と側壁10との中間点に設けられており、抵抗加熱体30は、取鍋1の側壁10との最短距離の位置する取鍋1の側壁10部分が中心となる様に、側壁10の1/4周に亘って配置した。
側壁10内の鉄皮40、パーマネントレンガ41、抵抗加熱体30、ウェアレンガ42の熱伝導率及び厚みは、表1に示したとおりである。また、抵抗加熱体30の加熱量(加熱熱流束)は、0(kW/m)、4.7(kW/m)、12.4(kW/m)の3種類の条件とした。
以上の条件で実験を行った結果を表2及び図8に示す。表2中の試験No.1は図8中の“○”に該当し、表2中の試験No.2は図8中の“□”に該当し、表2中の試験No.3は図8中の“■”に該当する。
表2及び図8を参照すると、試験No.1に比べて、試験No.2及び試験No.3の方が溶鋼からの抜熱熱流束を抑制できることが分かった。すなわち、本発明の抵抗加熱体を用いた場合、溶鋼からの抜熱熱流束を十分に抑制できることが分かった。
次に、本発明の取鍋を用いた場合の介在物の除去効果について説明する。本実施例では、先に図7に示した取鍋1を用いた場合において、汎用の数値熱流体解析ソフト「FLUENT」を用いてシミュレーションを行った。また、本実施例の取鍋1の流出口20も、取鍋1の底部11の中心部と側壁10との中間点に設けられているが、抵抗加熱体30は、側壁10の全周に亘って配置した場合を想定した。
本実施例の解析は、2次元軸対象解析とし、取鍋1を直径4m、深さ4mの円筒形状とした。取鍋1内の溶鋼Mの上部は高温のスラグSで覆われていることから断熱と仮定し、底部11においては、4700W/mで抜熱される場合を想定した。また、側壁10においては、0W/m、500W/m、1000W/m、2500W/m、4700W/mの5通りの条件で抜熱される場合を想定した。なお、抜熱が0W/mの場合は、抵抗加熱体30の加熱によって溶鋼Mの抜熱がない状態を示し、抜熱が4700W/mの場合は、抵抗加熱体30による溶鋼Mの加熱を行っていない状態を示している。溶鋼Mについては、比重が7200kg/m、熱膨張率が1.25×10−4、熱伝導率が41W/mK、比熱が750J/kgKとした。溶鋼M中の介在物Rについては、濃度の輸送方程式にストークス浮上速度を考慮し、溶鋼Mの湯面において単純除去されるモデルとした。
ここで、取鍋1からタンディッシュ22への溶鋼Mの供給を行うタイミングは、上述したように2次精練が終了してから30分程度経過したときである。そこで、2次精錬時に取鍋1の溶鋼M内に均等に存在させた場合の介在物Rの溶鋼M中の濃度に対して、2次精錬が終了してから30分後の介在物Rの溶鋼M中の濃度の最大値の比率を算出した。具体的には、取鍋1の溶鋼M内に10万個の介在物Rが均等に存在する状態の濃度に対して、2次精錬が終了してから30分後の介在物Rの濃度分布を計算し、この濃度分布における最大値を求め、その比率を算出した。ちなみに、介在物Rのサイズは、品質に影響するサイズとして、直径が100μmおよび150μmについて検討した。
以上の条件でシミュレーションを行った結果を図9に示す。図9を参照すると、溶鋼Mの抜熱が4700W/mの場合、100μmの介在物Rは7%、150μmの介在物Rは1.2%程度、取鍋1内に残留している。これに対して、溶鋼Mの抜熱を半減させた場合には、100μmの介在物Rは6%、150μmの介在物Rは0.7%となり、溶鋼Mの抜熱をゼロにした場合には、いずれの径の介在物Rも0%となる。
したがって、溶鋼Mの抜熱を減少させる、すなわち抵抗加熱体30によって溶鋼Mを加熱すると、溶鋼M中に残留する介在物Rが減少し、あるいは完全にゼロできることが分かった。したがって、本発明の取鍋を用いた場合、加熱熱流束Wの値を任意に設定することで、品質の要求レベルに応じて、介在物を適切に除去することができ、品質の要求レベルが高い場合でも、介在物が取鍋から流出するのを十分に抑制できることが分かった。
Figure 0005621214
Figure 0005621214
本発明は、取鍋からタンディッシュに溶鋼を供給する際に有用である。
1 取鍋
10 側壁
11 底部
11a 底面
12 取鍋蓋
20 流出口
21 注入ノズル
22 タンディッシュ
30 抵抗加熱体
40 鉄皮
41 パーマネントレンガ
42 ウェアレンガ
43 ヒータパネル
44 ケーブル
45 孔
M 溶鋼
R 介在物
S スラグ

Claims (3)

  1. 鋼の連続鋳造用の取鍋であって、
    少なくとも平面視で取鍋底面の流出口と取鍋の側壁との最短距離に位置する取鍋の側壁を含む領域の内部に、抵抗加熱体が設けられ、
    前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m)は、下記式(1)を満たすものであり、
    前記抵抗加熱体の下端部は取鍋内側の底部の上面から1mの高さまでの範囲となる位置であり、
    前記抵抗加熱体の上端部は少なくとも最大溶鋼湯面位置であることを特徴とする、連続鋳造用取鍋。
    0<W≦2Q・・・・(1)
    但し、Q:側壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
  2. 前記抵抗加熱体は、前記取鍋の側壁の全周に亘って設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造用取鍋。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の取鍋を用いた鋼の連続鋳造方法であって、
    前記抵抗加熱体の加熱熱流束W(W/m)は、下記式(1)を満たすものであり、
    前記抵抗加熱体の加熱熱流束によって、前記側壁からの溶鋼の抜熱を抑制し、当該溶鋼の下降流を抑制することを特徴とする、連続鋳造方法。
    0<W≦2Q・・・・(1)
    但し、Q:側壁からの溶鋼の抜熱熱流束(W/m
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