JP2002276358A - エンジンの排気系構造 - Google Patents

エンジンの排気系構造

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JP2002276358A JP2001078164A JP2001078164A JP2002276358A JP 2002276358 A JP2002276358 A JP 2002276358A JP 2001078164 A JP2001078164 A JP 2001078164A JP 2001078164 A JP2001078164 A JP 2001078164A JP 2002276358 A JP2002276358 A JP 2002276358A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】排気マニホルド上流端からの熱を放出すべく構
成することで、シリンダヘッド・ヘッドカバー間のシー
ル部材および補機類の熱劣化を防止することができるエ
ンジンの排気系構造の提供する。 【解決手段】排気マニホルド18の外周に配置されたイ
ンシュレータ30,31を備えてなるエンジンの排気系
構造であって、インシュレータ30,31は排気マニホ
ルド18上流端のシリンダヘッドに対する取付けフラン
ジ23から下流側の排気管接続部までを略覆うように少
なくとも2つ以上の複数部材から構成され、インシュレ
ータ30,31の取付けフランジ23側の端部はフラン
ジ23から下流側に所定の隙間Lをもつように設定さ
れ、取付けフランジ23とインシュレータ30,31の
上記隙間Lから放出される熱をエンジンから離反する方
向に導くように該エンジンから離反する方向に延出され
た案内手段94が設けられたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、排気マニホルド
の外周に配置されたインシュレータ(詳しくはヒート・
インシュレータ)を備えてなるようなエンジンの排気系
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のエンジンの排気系構造と
しては、排気マニホルドの周囲に存在する部品に対して
該排気マニホルドからの放熱による熱害が及ぶことを防
止する目的で、排気マニホルドをインシュレータで覆っ
たものが知られている。
【0003】このように、上述の排気マニホルドをイン
シュレータで囲繞すると、周囲への熱害を防止すること
ができると共に、排気管に介設される触媒コンバータを
早期に活性化させることができる利点がある反面、次の
ような問題点があった。
【0004】つまり、排気マニホルドはその内部を高温
の排気ガスが流通するので、熱をもっており、この排気
マニホルドをインシュレータで囲繞すると、このインシ
ュレータ内に熱がこもる。
【0005】このため、排気マニホルドとインシュレー
タとの間の熱を、インシュレータ外部に放出させる必要
があるが、仮に上述の熱を排気マニホルドと上流端のシ
リンダヘッドに対する取付けフランジ側から放出する構
造を採用すると、シリンダヘツドとシリンダヘッドカバ
ーとの間に介設されたラバー製のガスケット(シール部
材)やその周辺に存在する補機類が熱劣化する問題点が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、排気マニ
ホルド上流端のシリンダヘッドに対する取付けフランジ
と、インシュレータの該取付けフランジ側の端部に設け
られた隙間からの熱を放出すべく構成すると共に、この
隙間から放出される熱をエンジンから離反する方向(エ
ンジンから遠ざかる方向)に案内する案内手段を設ける
ことで、シリンダヘッド・ヘッドカバー間のシール部材
および補機類の熱劣化を防止することができるエンジン
の排気系構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明によるエンジン
の排気系構造は、排気マニホルドの外周に配置されたイ
ンシュレータを備えてなるエンジンの排気系構造であっ
て、上記インシュレータは排気マニホルド上流端のシリ
ンダヘッドに対する取付けフランジから下流側の排気管
接続部までを略覆うように少なくとも2つ以上の複数部
材から構成され、上記インシュレータの取付けフランジ
側の端部は該フランジから下流側に所定の隙間をもつよ
うに設定され、上記取付けフランジとインシュレータの
上記隙間から放出される熱をエンジンから離反する方向
に導くように該エンジンから離反する方向に延出された
案内手段が設けられたものである。
【0008】上記構成の案内手段は、排気マニホルドの
シリンダヘッドに対する取付けフランジ(つまりエンジ
ン取付けフランジ)とシリンダヘッドとの間に介設され
るガスケットに一体的に形成してもよく、またはガスケ
ットと別体のガイド板をシリンダヘッドに取付けるよう
に構成してもよい。
【0009】上記構成によると、排気マニホルドとイン
シュレータとの間の熱は上記取付けフランジ側の隙間か
ら外部に放出され、かつ、この熱がシリンダヘッドとシ
リンダヘッドカバーとの間のシール面や補機類に向かわ
ないように上述の案内手段で熱をエンジンから離反する
方向へ案内する。この結果、シリンダヘッド・ヘッドカ
バー間のシール部材および補機類の熱劣化を防止するこ
とができる。
【0010】この発明の一実施態様においては、上記案
内手段は取付けフランジとシリンダヘッドとの間に配設
されるガスケットに一体的に設けられたものである。上
記構成によると、より一層簡単な構成で、熱をエンジン
から離反する方向へ導くことができると共に、部品点数
および組付け工数の削減を図ることができる。
【0011】この発明の一実施態様においては、上記イ
ンシュレータを構成する複数部材の合わせ部相互の隙間
より上記取付けフランジ端部側の隙間が大きく設定され
たものである。上記構成によると、インシュレータ内の
熱は上述の合わせ部相互の隙間から放出することなく、
取付けフランジ端部側の隙間から放出するので、案内手
段による効果がさらに向上する。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記エ
ンジンは横置き配置されると共に、後方排気構造に設定
されたものである。上記構成によると、熱の放出方向す
なわち、取付けフランジ端部側の隙間から放出された後
に、案内手段で案内される熱の放出方向と、エンジンル
ーム内に導入される走行風の向きとが同方向となるの
で、エンジンおよびエンジン補機類を熱害から保護する
ことができ、またエンジンルーム内部における熱のこも
りも低減することができる。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記イ
ンシュレータの少なくとも幅方向には複数の補強部が設
けられると共に、上記補強部にはインシュレータを排気
マニホルドに取付けるボルト孔が形成されたものであ
る。
【0014】上記構成の幅方向は、排気マニホルド内を
流通する排気ガスの排出方向と略直交する方向に設定す
ることができ、また上述の補強部はリブ(rib)またはビ
ード(bead)に設定することができる。
【0015】上記構成によると、複数の補強部によりイ
ンシュレータそれ自体の剛性向上を図ることができ、ま
た補強部に上記ボルト孔を設けたので、ボルト等の締結
部材を用いてインシュレータを排気マニホルドに取付け
る際の取付け剛性の向上を図ることができる。
【0016】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンの排気系構造を示し、図1にお
いて、直列4気筒エンジン11は、シリンダブロック1
2の上部にシリンダヘッド13を介してシリンダヘッド
カバー14が取付けられると共に、シリンダブロック1
2の下部にはオイルパン15が取付けられている。また
図中、16はクランクセンタ、17はシリンダブロック
12とシリンダヘッド13との合わせ面である。
【0017】上述の直列4気筒エンジン11は車両前部
のエンジンルーム内に横置き配置され、かつ、エンジン
の車体前方側から吸気して、後方に排気すべく構成され
ている。すなわち、後述する枝管24〜27と集合部2
8とを含む排気マニホルド18が走行風にさらされるこ
となく、排気ガスの保温性を向上させる目的で、後方排
気構造に構成されている。
【0018】また上述の排気マニホルド18の下流端に
は排気管19を接続し、この排気管19をフロントフロ
アパネル20等の車体下部に導き、該排気管19には排
気ガスを浄化する触媒コンバータ21(いわゆるキャタ
リスト)を介設している。
【0019】上述のシリンダヘッド13における排気ポ
ート出口端部(出口端面)には、図2、図4に示すガスケ
ット22(詳しくは排気マニホルドガスケット)を介して
排気マニホルド18のエンジン取付けフランジ23がボ
ルトアップされる。
【0020】ここで、上述の排気マニホルド18は図
2、図3、図4に示すように4気筒に対応する合計4本
の単管構造の枝管24,25,26,27と、これら4
気筒の各枝管24〜27の下流端に接続されて排気ガス
を合流させる集合部28と、この集合部28の下流側に
配置されて上述の排気管19の上流端を、エンジン11
のロール振動を緩和すべく接続する球状自在継手29と
を備え、この排気マニホルド18の上流端のシリンダヘ
ッド13に対するエンジン取付けフランジ23から集合
部28下流端までを略覆う上部インシュレータ30およ
び下部インシュレータ31とを設けて、これら両インシ
ュレータ30,31で排気マニホルド18のほぼ全体を
覆って、排気ガスの保温性を確保すると共に、周囲への
熱害を防止すべく構成している。
【0021】また上述の各枝管24〜27のうち枝管2
4は第1気筒に対応し、枝管25は第2気筒に対応し、
枝管26は第3気筒に対応し、枝管27は第4気筒に対
応するものである。さらに、上述の集合部28の下流部
で、かつ近傍位置の車体下部には図1で示したように触
媒コンバータ21が配設されている。
【0022】次に、図5、図6、図7(2部材から成る
インシュレータ30,31を取外した状態の図面)を参
照して各枝管24〜27の構成について詳述すると、こ
れらの各枝管24〜27は曲げ加工性を考慮してそれぞ
れ単管(シングル管)で構成されると共に、これら各枝管
24〜27はそれぞれの上流端から気筒列方向の中心側
に指向して、その直下流側で各枝管24〜27の軸心
(軸芯線)が斜め後方下方に向く略同一方向となるように
曲げられた曲がり部32(図7参照)と、これら各枝管2
4〜27の下流側に配置した集合部28まで直線状に延
びる直線部33(図7参照)とから構成されている。
【0023】また気筒列方向両側に相当し、かつ第1気
筒に対応する枝管24と、第4気筒に対応する枝管27
とは略等長に形成されると共に、気筒列方向中間に相当
し、かつ第2気筒に対応する枝管25と、第3気筒に対
応する枝管26とは略等長に形成されている。
【0024】さらに上述の各枝管24〜27と集合部2
8との接続部28a(図9参照)の少なくとも一部は、シ
リンダブロック12とシリンダヘッド13との合わせ面
17の延長線17a上の高さに設定され、かつ上述の各
枝管24〜27の直線部33から集合部28の下流端ま
での排気ガス流通路は図5〜図7に示す如く直線状に構
成されている。
【0025】なお、上述の集合部28の下流側に配置さ
れた球状自在継手29の下端部は、図7に示すようにク
ランクセンタ16の延長線16a上に近接する位置に設
定されている。
【0026】図8は図7の矢印X方向から見た図面、図
9は図8のA−A線矢視断面図、図10は図8のB−B
線矢視断面図、図11は図8のC−C線矢視断面図であ
って、上述の集合部28は図9に示す如く各枝管24〜
27から導入される排気ガスが流通する内管34と、こ
の内管34の周囲を所定距離外側から囲繞する外管35
との二重管構造に設定されている。
【0027】これら内管34および外管35は耐熱金属
材料により構成され、内管34の外周よりも所定距離外
側において内管34を覆う外管は、図10、図11に示
すように半割り構造の2部材35a,35bから形成さ
れ、上述の内管34と外管35とは集合部28の上流端
で溶接固定されている。なお、この溶接手段としてはミ
グ溶接(MIG welding、イナートガスアーク溶接)が用
いられるが、このMIG溶接に代えてレーザ溶接にて接
合してもよい。
【0028】また図9、図10、図11に示すように、
上述の集合部28の上流端から下流側へ該集合部28の
軸芯線方向に延びて、各枝管24,25,26,27か
ら導入される排気ガスを二分して下流側に導く耐熱金属
製の仕切板36を設け、所謂4−2−1タイプの排気系
を構成している。
【0029】ここに、4−2−1タイプの排気系とは、
4つの枝管から一旦排気ガスの流通路を二分した後に、
1つの共通の流通路にて排気を行なうもので、排気ガス
が徐々に集合することにより排気ガスの背圧や排気脈動
の影響を受けにくいものである。
【0030】そして、この仕切板36によって集合部2
8における内管34の内部を、点火順序が隣り合わない
気筒列方向両側部の2本の枝管24,27(つまり第1
気筒と第4気筒とに対応する枝管)から導入される排気
ガスを集合させる第1集合部41と、残りの枝管すなわ
ち点火順序が隣り合わない気筒列方向中央部の2本の枝
管25,26(つまり第2気筒と第3気筒とに対応する
枝管)から導入される排気ガスを集合させる第2集合部
42とに二分している。
【0031】上述の第1集合部41においては第1気筒
と第4気筒との排気ガスが導入乃至集合されるので、点
火順序が#1→#3→#4→#2の順序または#1→#
2→#4→#3の順序の何れの場合においても、点火順
序が隣り合わないことになる。
【0032】同様に、上述の第2集合部42においては
第2気筒と第3気筒との排気ガスが導入乃至集合される
ので、点火順序が#1→#3→#4→#2の順序または
#1→♯2→#4→#3の順序の何れの場合において
も、点火順序が隣り合わないことになる。
【0033】また上述の仕切板36の向きは第1集合部
41が第2集合部42よりもエンジン11の外方すなわ
ち後方に位置するように設定されている。さらに上述の
集合部28における内管34は図9に示す如く、排気ガ
ス流通路が直線状で、かつ上流側から下流側に行くに従
って内管34の断面積が徐々に小さくなるようにテーパ
筒状に構成されている。
【0034】次に図10を参照して合計4本の枝管2
4,25,26,27と、集合部28上流端との接続構
造について説明する。上述の各枝管24〜27は鋼管
(丸パイプ)で形成されるが、これら各枝管24〜27の
下流部は、集合部28上流の内管34の内壁に接する曲
線部24a,25a,26a,27aと、集合部28上
流の内管34の内方に位置する略直角部24b,25
b,26b,27bとが形成されている。
【0035】そして、上述の4本の枝管24〜27下流
部の略直角部24b,25b,26b,27bを図10
に示す如く近接配置して、十文字状の空間部37を形成
し、この十文字状の空間部37に2つの補強板36,3
8を十文字状に組合せて挿入し、これらの補強板36,
38を上述の各枝管24〜27下流部の略直角部24
b,25b,26b,27b外壁に溶接固定している。
【0036】また、上述の十文字状の補強板36,38
の一方を構成する板36は、集合部28の内部に延出さ
れて、集合部28の内部において排気通路を第1集合部
41と第2集合部42とに二分する仕切板に設定されて
いる。
【0037】このように、上述の枝管24〜27に略直
角部24b,25b,26b,27bを形成して、これ
らの各略直角部24b〜27bを十文字状に組合わせ、
かつ空間部37に十文字状の補強板36,38を挿入し
て、溶接固定する構成により、隙間をなくして、接続部
の剛性向上および溶接強度の向上を図るように構成して
いる。
【0038】ところで、上述の排気マニホルド18はエ
ンジン11に支持させる必要があるので、図9に示すよ
うに取付けブラケット43を設けている。この取付けブ
ラケット43は各枝管24〜27と集合部28との接続
部28aまたは接続部周辺部位において上述の第2集合
部42側で、かつエンジン11のシリンダブロック12
と対向する位置に設けられている。
【0039】また上述の取付けブラケット43は図9に
示すようにブラケット本体43aと、このブラケット本
体43aに略直交するフランジ部43bと、これら両者
43a,43bを接続するアール部43cとを有してい
る。このアール部43cにより排気マニホルド18の熱
延びを吸収すると共に、エンジン11側の振動が排気マ
ニホルド18に不所望に伝達されるのを緩和すべく構成
している。
【0040】前述の内管34と外管35とは集合部28
の上流端で溶接固定されているが、図9の実施例では取
付けブラケット43のフランジ部43b下端を内外管3
4,35の溶接固定部よりも下流側つまり内管34と外
管35との間に間隔がある部位において外管35に溶接
接続している。
【0041】このようにして集合部28の上流端に溶接
固定された取付けブラケット43は、図1、図2に示す
ようにボルト、ナット44を用いてエンジン側のブラケ
ット45に固定され、このエンジン側のブラケット45
は図1に示すようにシリンダブロック12の所定部に取
付けられる。
【0042】一方、上述の排気マニホルド18には図
7、図8に示すように、上部インシュレータ30および
下部インシュレータ31を取付けるためのブラケット4
6,47,48,49,50,51が設けられている。
【0043】これら各ブラケット46〜51のうちの1
つのブラケット46は枝管27の直線部33上面に溶接
固定され、他の1つのブラケット49は枝管25の直線
部33下面に溶接固定されている。
【0044】残りの4つのブラケット47,48,5
0,51は集合部28を構成する外管35の上流近傍、
下流近傍の上下両面にそれぞれ溶接固定されるが、これ
ら各ブラケット47,48,50,51は図10に示す
ように外管の凹部35cを跨いで該外管35の外壁部に
溶接固定され、ブラケット47,48,50,51のコ
ンパクト化と、外管35の広がり防止と、インシュレー
タ30,31取付時に用いるボルトやネジ等の締付け部
材の締付け量増大とを達成するように構成している。
【0045】なお、上述の各ブラケット46〜51のイ
ンシュレータ取付座面における管27,25,35側に
は予めナットが接合されているが、図示の便宜上、これ
らナットの図示を省略している。
【0046】また上述の各ブラケット46〜51のうち
上側に位置するブラケット46,47,48は上部イン
シュレータ30取付け用に設定され、下側に位置するブ
ラケット49,50,51は下部インシュレータ31取
付け用に設定されている。
【0047】次に図6を参照して各枝管24〜27の上
流端に接続され、かつシリンダヘッド13に接続される
エンジン取付けフランジ23の構成について、さらに詳
述する。
【0048】このエンジン取付けフランジ23には複数
のボルト孔23a,23b,23c,23d,23e,
23f,23gが略千鳥状に配置形成されるが、インパ
クトレンチ等の工具スペースを確保しつつ、枝管24〜
27の直線部33を長く設定する目的で、気筒列方向中
央の2つの枝管25,26(第2気筒、第3気筒に相当
する枝管)が近接する位置のボルト孔23cは気筒列(詳
しくは各枝管24〜27の上流端中心部を気筒列方向に
結ぶ線)よりも上方に位置させている。
【0049】また複数のボルト孔23a〜23gのうち
端部に位置するボルト孔23fは、組付け性を考慮して
長孔に設定されている。なお、長孔に設定するボルト孔
は1つのみに限定されるものではなく、複数に設定して
もよいことは勿論である。
【0050】次に図11を参照して集合部28下流部に
おける内管34の支持構造について説明する。上述の内
管34はその上流端にあっては図9で既に示したように
外管35に溶接固定されているが、この内管34の下流
側は両管34,35の熱膨張の差に起因して内管34の
下流方向への延びが許容されるように構成している。
【0051】このため内管34と外管35との間のリン
グ状の空間部にはステンレスワイヤメッシュ等から成る
スペーサ52を介設し、内管34の自重が作用する部分
すなわち両管34,35内の下部に位置するスペーサ5
2の所定部の支持剛性は他の部分に対してその支持剛性
が大きくなるように設定している。また上述のスペーサ
52はその一部を内管34または外管35に接合され
る。
【0052】この所定部の支持剛性を大きく設定する手
段としては、スペーサ52の材質、幅、厚さ、密度のう
ちの少なくとも1つを変更すればよい。また、図11で
示した実施例にあっては、上記スペーサ52を内管34
と外管35との間のリング状の空間部の全周に介設した
が、該空間部にスペーサ52を部分的または間欠的に介
設してもよいことは勿論である。
【0053】次に図8、図12を参照して集合部28の
下流端に設けられた球状自在継手29の構成について説
明する。この球状自在継手29は集合部28の外管35
の下流端外周に接合された管部材53と、この管部材5
3の外周中間部に接合されたフランジ54と、管部材5
3の外周下流部に接合され球面部55aを有するジョイ
ント55と、ボルト56と、ワッシャ57と、ナット5
8とを備えている。
【0054】而して、この球状自在継手29の上記球面
部55aに図8に示すように、排気管19上端側の球面
部19aを対接させ、かつ排気管19上端側のフランジ
部19bとボルト56のスプリングリテーナ部との間に
スプリング59を介設した状態で、集合部28の下流端
に球状自在継手29を介して排気管19を接続して、エ
ンジン11のロール振動を緩和すべく構成したものであ
る。
【0055】次に、図13〜図16を参照して前述の上
部インシュレータ30の構成について説明する。この上
部インシュレータ30は各枝管24〜27と集合部28
とを含む排気マニホルド18の上流側端における取付け
フランジ23から下流の排気管19接続部までの上側過
半部を覆うように断面門形状に形成されている。
【0056】また、この上部インシュレータ30は図1
6にその断面構造を示すように、アルミメッキ鋼板など
の金属製の外側部材60と内側部材61との間に断熱材
62(断熱作用と吸音作用とを兼ねる部材)を介設し、全
周縁部にはクリンチ(clinch)構造によるフランジ部63
を有するものである。
【0057】さらに図13に示すように、その平面から
見た形状が略T字状に形成されていると共に、集合部2
8と対応する部分には排気ガスの流動方向と略直交する
横方向(幅方向)で、かつ外方へ突出する補強部としての
複数のビード64,65,66が一体形成されている。
【0058】上述のビード64,65,66の形成位置
には、該上部インシュレータ30を排気マニホルド18
に取付けるためのボルト孔67,68,69が設けられ
ている。
【0059】また図13に示すように各枝管24〜27
の上流側と対応する部分にも、該上部インシュレータ3
0を取付けるためのボルト孔70,71が設けられてい
るが、これらボルト孔70,71のうちの一方のボルト
孔71は組付け性および熱延びの緩和を図る目的で長孔
に設定されている。
【0060】次に、図17〜図20を参照して前述の下
部インシュレータ31の構成について説明する。この下
部インシュレータ31は各枝管24〜27と集合部28
とを含む排気マニホルド18の上流端における取付けフ
ランジ23から下流の排気管19接続部までの下側半部
を覆うように断面凹形状に形成されている。
【0061】また、この下部インシュレータ31は図2
0にその断面構造を示すように、アルミメッキ鋼板など
の金属製の外側部材72と内側部材73との間に断熱材
74(断熱作用と吸音作用とを兼ねる吸音断熱部材)を介
設し、全周縁部にはクリンチ(clinch)構造によるフラン
ジ部75を有するものである。
【0062】さらに図17に示すように、その平面から
見た形状が略T字状に形成されると共に、集合部28と
対応する部分には排気ガスの流動方向と略直交する横方
向(幅方向)で、かつ外方へ突出する補強部としての複数
のビード76,77,78が一体形成されている。
【0063】上述のビード76,77,78の形成位置
には、該下部インシュレータ31を排気マニホルド18
に取付けるためのボルト孔79,80,81が設けられ
ている。
【0064】ここで、上下の各インシュレータ30,3
1に設けられたビード64,65,66,76,77,
78はこれらインシュレータ30,31の周縁部まで延
出形成されると共に、図4に示す如く各ビードの形成部
位は互に一致するように構成されている。
【0065】また図17に示すように各枝管24〜27
の上流側と対応する部分にも、該下部インシュレータ3
1を取付けるためのボルト孔82,83が設けられてい
るが、これらボルト孔82,83のうちの一方のボルト
孔83は組付け性および熱延びの緩和を図る目的で長孔
に設定されている。さらに、上述のビード76,77間
には、前述の取付けブラケット43を外部へ導出させる
ための開口部84が形成されている。
【0066】ところで、図6に示すよう上述のエンジン
取付けフランジ23における各枝管24,25の間と、
各枝管26,27との間とには、その上下両部に取付け
部85a,85b,86a,86bを備えた取付けブラ
ケット85,86が接合固定されている。
【0067】上述の上部インシュレータ30側の上流側
の2つのボルト孔70,71は取付け部85a,86a
にボルトアップされ、下流側の3つのボルト孔67,6
8,69はブラケット46,47,48(図6参照)にボ
ルトアップされる。
【0068】また、下部インシュレータ31側の上流側
の2つのボルト孔82,83は取付け部85b,86b
にボルトアップされ、下流側の3つのボルト孔79,8
0,81はブラケット49,50,51(図7参照)にボ
ルトアップされる。次に、図21、図22を参照してシ
リンダヘッド13とエンジン取付けフランジ23との間
に配置される前述のガスケット22の構成について説明
する。
【0069】このガスケット22は図22にその断面構
造を示すように、ステンレス等の金属板から形成された
第1部材87と、鋼板等の金属板から形成された第2部
材88との二重構造に形成されると共に、図21に示す
ようにエンジン11側の排気ポート出口端と対応する開
口部89,90,91,92を有するものである。ま
た、このガスケット22には図6で示したエンジン取付
けフランジ23のボルト孔23a〜23gと一致するボ
ルト孔22a〜22gが形成されている。
【0070】しかも、上述の第2部材88を上方に延設
した後に、屈曲点93からリヤ方向に折り曲げて、つま
りエンジン11から後方へ離反する方向(遠ざかる方向)
へ折り曲げ延出して、案内手段としてのひさし状のガイ
ド部94を一体形成すると共に、このガイド部94と第
2部材88のみの一重構造部との間の所定部には補強用
のビード95…が複数形成されている。また上述のガイ
ド部94においてブラケット85,86の取付け部85
a,86aと対向する部分には切欠き部94a,94b
が形成されている。
【0071】上述のガイド部94(排気マニホルド18
と)は排気マニホルド18とインシュレータ30,31
との間から外部に放出される熱を、エンジン11から離
反する方向へ導くもので、このように構成することによ
り、エンジン11のシリンダヘッド13とシリンダヘッ
ドカバー14との間のラバー製のガスケットなどのシー
ル部材、並びにエンジン補機類の熱劣化を防止すべく構
成している。
【0072】ところで、図2に示すように上部インシュ
レータ30と下部インシュレータ31とは、上部インシ
ュレータ30の下端が下部インシュレータ31の上端部
に所定量オーバラップするように被せられ、これら両者
30,31の被着状態下における合わせ部βの隙間は可
及的小さく、望ましくは零となるように設定されてい
る。ここで、上述の合わせ部βは排気ガスの流動方向に
略沿うように両インシュレータ30,31の長手方向に
形成される。
【0073】また、これら両者30,31の被着状態下
において、インシュレータ30,31の少なくとも取付
けフランジ23側の端部は、図2に示すように該フラン
ジ23から下流側に所定量の隙間Lを持つように設定さ
れており、このエンジン取付けフランジ23とインシュ
レータ30,31との間の上記隙間Lから放出された熱
が、上述のガスケット22のガイド部94で案内され
て、エンジン11から遠ざかる方向へ導かれるように構
成したものである。
【0074】さらに上述の隙間Lの大きさは、上部イン
シュレータ30と下部インシュレータ31とをオーバラ
ップ状に被着して形成される合わせ部βの隙間に対し
て、大きくなるように設定されて、これら両インシュレ
ータ30,31の合わせ部βからの熱逃げを抑止し、上
述の隙間Lから熱を外部へ放出すべく構成している。換
言すれば、各インシュレータ30,31の合わせ部βに
おける熱の放出抵抗を大きく設定し、上記隙間Lからの
熱の放出抵抗が小さくなるように設定したものである。
【0075】このように、図1〜図22で示した実施例
のエンジンの排気系構造は、排気マニホルド18の外周
に配置されたインシュレータ30,31を備えてなるエ
ンジンの排気系構造であって、上記インシュレータ3
0,31は排気マニホルド18上流端のシリンダヘッド
13に対する取付けフランジ23から下流側の排気管1
9接続部までを略覆うように少なくとも2つ以上の複数
部材30,31から構成され、上記インシュレータ3
0,31の取付けフランジ23側の端部は該フランジ2
3から下流側に所定の隙間L(図2参照)をもつように設
定され、上記取付けフランジ23とインシュレータ3
0,31の上記隙間Lから放出される熱をエンジン11
から離反する方向(遠ざかる方向)に導くように該エンジ
ン11から離反する方向に延出された案内手段(ガイド
部94参照)が設けられたものである。
【0076】この構成によると、上記2つのインシュレ
ータ30,31で排気マニホルド18のほぼ全体を覆う
ことができ、さらに、排気マニホルド18とインシュレ
ータ30,31との間の熱は上記取付けフランジ23側
の隙間Lから外部に放出され、かつ、この熱がシリンダ
ヘッド13とシリンダヘッドカバー14との間のシール
面や補機類に向かわないように上述の案内手段(ガイド
部94参照)で熱をエンジン11から離反する方向へ案
内する。この結果、シリンダヘッド・ヘッドカバー間の
シール部材(ラバー製のガスケット参照)および補機類の
熱劣化を防止することができる。
【0077】また、上述の排気マニホルド18をインシ
ュレータ30,31で覆っているので、排気ガスの保温
性を向上させることができ、このため触媒コンバータ2
1の早期活性化を図ることができる。
【0078】さらに上記インシュレータ30,31は2
つ以上の複数部材(この実施例では2部材)から構成され
たものであるから、比較的複雑形状の排気マニホルド1
8を適切に覆うことができ、また、その取付け性も良好
となる。
【0079】しかも、上記案内手段(ガイド部94参照)
は取付けフランジ23とシリンダヘッド13との間に配
設されるガスケット22に一体的に設けられたものであ
る。この構成によると、より一層簡単な構成で、熱をエ
ンジン11から離反する方向へ導くことができると共
に、部品点数および組付け工数の削減を図ることができ
る。
【0080】また、上記インシュレータ30,31を構
成する複数部材の合わせ部β(図2参照)相互の隙間より
上記取付けフランジ23端部側の隙間Lが大きく設定さ
れたものである。この構成によると、インシュレータ3
0,31内の熱は上述の合わせ部β相互の隙間から放出
することなく、取付けフランジ23端部側の隙間Lから
放出するので、案内手段(ガイド部94参照)による効果
(熱逃がしの効果)がさらに向上する。
【0081】さらに、上記エンジン11は横置き配置さ
れると共に、後方排気構造に設定されたものである。こ
の構成によると、取付けフランジ23端部側の隙間Lか
ら放出され、案内手段(ガイド部94参照)で案内される
熱の放出方向と、エンジンルーム内に導入される走行風
の向きとが同方向となるので、エンジン11およびエン
ジン補機類を熱害から保護することができ、またエンジ
ンルーム内部における熱のこもりも低減することがで
き、さらには上述の後方排気構成により各枝管24〜2
7および集合部28が走行風にさらされないので、排気
ガスの保温性をより一層向上させることができると共
に、また前方排気構成に対して枝管24〜27上流端か
ら触媒コンバータ21までの長さを短縮することができ
る。
【0082】加えて、上記インシュレータ30,31の
幅方向(横方向参照)には複数の補強部(ビード64,6
5,66,76,77,78参照)が設けられると共
に、上記補強部にはインシュレータ30,31を排気マ
ニホルド18に取付けるボルト孔67,68,69,7
9,80,81が形成されたものである。
【0083】上記構成によると、複数の補強部(ビード
64〜66,76〜78参照)によりインシュレータ3
0,31それ自体の剛性向上を図ることができ、また補
強部(ビード64〜66,76〜78参照)に上記ボルト
孔67〜69,79〜81を設けたので、ボルト等の締
結部材を用いてインシュレータ30,31を排気マニホ
ルド18に取付ける際の取付け剛性の向上を図ることが
できる。
【0084】さらに、上述の補強部をビード64〜6
6,76〜78に設定すると、これらの各ビードによっ
て、インシュレータ30,31の熱延びを吸収、緩和す
ることができる。
【0085】なお上述の実施例で示したように、エンジ
ン11のシリンダヘッド13に接続された複数の枝管2
4〜27と、上記枝管24〜27の下流端に接続され、
排気ガスを合流させる集合部28とを備え、上記各枝管
24〜27は単管構造に設定されて、それぞれ上流端か
ら気筒列方向の中心側に指向し、その直下流側で各枝管
24〜27の軸心が略同一方向になるように曲げられた
曲がり部32(図7参照)と、上記下流側に配置した集合
部28まで直線状に延びる直線部33(図7参照)とから
構成され、上記集合部28は各枝管24〜27から導入
される排気ガスが流通する内管34と、該内管34の周
囲を囲繞する外管35との二重管構造に設定され、集合
部28下流端と、集合部28下流側に配置されて車体に
支持される排気管19の上流端とが球面継手手段(球状
自在継手29参照)にて接続され、上記各枝管24〜2
7と集合部28との接続部28aの少なくとも一部が、
シリンダブロック12とシリンダヘッド13との合わせ
面17の延長線17a上の高さに設定され、上記枝管2
4〜27の直線部33から上記集合部28の下流端まで
の排気ガス流通路が直線状となる構造を採用した場合に
は次の如き効果がある。
【0086】すなわち、各枝管24〜27における直線
部33と、集合部28の直線状との両者によるストレー
ト部の長さを長く設定することができ、排気ガスの排気
抵抗を低減させて、エンジン出力の向上を図ることがで
き、しかも、二重管構造の集合部28の長さを可及的長
く設定し、内管34と外管35との両者で排気ガスの保
温性を向上させることができて、排気系に介設される触
媒コンバータ21の早期活性化を図ることができ、ま
た、上述の各枝管24〜27を単管(シングル管)構造に
成すと、その曲げ加工が容易となり、さらに、集合部2
8下流端と排気管19の上流管とを球面継手手段(球状
自在継手29参照)にて接続すると、エンジン11のロ
ール振動を緩和することができる。
【0087】さらに、上述の実施例で示したように、上
記各枝管24〜27の上流端に接続され、かつシリンダ
ヘッド13に接続されるエンジン取付けフランジ23を
設け、該エンジン取付けフランジ23に形成されたボル
ト孔23a〜23gは図6で示したように千鳥状に配置
されると共に、各枝管25,26が近接する位置のボル
ト孔23cは気筒列よりも上方に位置するように設定さ
れた構造を採用すると、次の如き効果がある。
【0088】すなわち、エンジン取付けフランジ23の
各枝管25,26が近接する部位のボルト孔23cを、
気筒列(各枝管24〜27の上流端中心部を気筒列方向
に結ぶ線)よりも上方に位置させると、インパクトレン
チ等の工具スペースを確保しつつ、各枝管24〜27の
直線部をより一層長く設定することができる。
【0089】因に、上述のエンジン取付けフランジの各
枝管が近接する部位のボルト孔を、気筒列(各枝管の上
流端中心部を気筒列方向に結ぶ線)よりも下方に位置さ
せると、インパクトレンチ等の工具スペースを考慮する
と各枝管の曲がり部が長くなり、直線部が短くなるの
で、上記構成とすることが望ましい。
【0090】加えて、上述の実施例で示したように、上
記集合部28の下流側で、かつ近傍位置の車体下部に触
媒コンバータ21が配設された構造を採用すると、次の
如き効果がある。
【0091】すなわち、前方排気構成の排気マニホルド
直下に設けられる直下キャタ(キャタリストの略)を省略
しつつ、触媒コンバータ21を集合部28に可及的近接
配置することができるので、高温の排気ガスにより該触
媒コンバータ21の早期活性化を図ることができる。
【0092】また上述の実施例で示したように、上記集
合部28の上流端から下流側へ該集合部28の軸芯線方
向に延びて、各枝管24〜27から導入される排気ガス
を二分して下流側に導く仕切板36を設け、集合部28
の内管34は、各枝管24〜27のうち気筒列方向最両
側部に位置する枝管24〜27から導入される排気ガス
を集合させる第1集合部41と、残りの枝管25,26
から導入される排気を集合させる第2集合部42とを備
え、第2集合部42に対して第1集合部41がエンジン
外方側に配置され、内管34の排気ガス流通路は直線状
で、かつ下流側が徐々に内管断面積が小さくなるように
構成された構造を採用すると、次の如き効果がある。
【0093】すなわち、図10に示すように、第2集合
部42に対して第1集合部41をエンジン外方側に配置
させると、各枝管24〜27の曲がり部32を短く設定
することができ、また集合部28の内管34の内部に仕
切板36を設けて排気ガスの流通路を二分するので、そ
れぞれの通路毎に内管を設ける構成と比較して、集合部
28をコンパクトに形成することができ、しかも集合部
28の表面積が小さくなることにより、熱容量(熱逃げ)
が小さくなり、さらに集合部28が長いことで排気ガス
を徐々に絞ることができて、特に4気筒エンジンの場合
には、コンパクトな4−2−1タイプの排気系を確保す
ることができる。
【0094】さらに、上述の実施例で示したように、上
記集合部28の内管34と外管35との間にスペーサ5
2を設け、これら両枝管34,35の下部に位置するス
ペーサ52の支持剛性を他部に対して大きく設定する構
造を採用すると、次の如き効果がある。
【0095】すなわち、上記スペーサ52にて内管34
と外管35との振動による干渉を防止することができ、
特に自重が付勢される内管34下側が外管35と干渉す
るのを防ぐことができる。さらに内管34と外管35と
の熱膨張の差に起因する内管34の延びを許容すること
もできる。
【0096】図23はエンジンの排気系構造の他の実施
例を示し、ブラケット本体43aと、このブラケット本
体43aに略直交するフランジ部43bと、これら両者
43a,43bを接続するアール部43cとを備えた取
付けブラケット43の他の取付け構造を示すものであ
る。
【0097】図23の実施例においても、集合部28は
内管34と、この内管34の外周よりも所定距離外側で
内管34を覆う外管35とからなる二重管構造であっ
て、かつ内管34と外管35とは集合部28の上流端に
溶接固定されているが、この実施例の場合には、取付け
ブラケット43のフランジ部43bを上記溶接固定部に
おける外管35の上端に溶接固定したものである。
【0098】このように構成すると、内管34と、外管
35と、枝管(この場合は2つの枝管25,26)が溶接
される位置に、取付けブラケット43も溶接されるの
で、溶接剛性のさらなる向上を図ることができると共
に、各要素25,26,34,35,43bが一箇所に
て溶接されるので、溶接工数の低減を図ることができ
る。なお、図23において図9と同一の部分には同一符
号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0099】図24はエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示し、集合部28内において排気ガスを二分
して下流側に導く前述の仕切板36をさらに下流側へ延
出して、この仕切板36を排気管19内にも配設したも
のである。なお、排気管内の仕切板は集合部の仕切板と
は別途、流通を損なわないと共に、干渉しないよう所定
量クリアランスを設けて配置されてもよい。
【0100】このように構成すると、4−2−1タイプ
の排気系の「2」の部分をさらに長く設定することがで
き、排気管19内における仕切板36の長さを任意に設
定することにより、エンジン11の要求に対応した4−
2−1タイプの排気系を構成することができる。なお、
図24において図8と同一の部分には同一符号を付し
て、その詳しい説明を省略する。
【0101】図25はエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示し、上述の排気管19を排気ガスが流通す
る内管96と、この内管96の外周を所定量外側にて覆
う外管97とからなる二重管構造に設定したものであ
る。このように構成すると、集合部28の二重管構造に
加えて、その下流側の排気管19も二重管構造となるた
め、排気ガスの保温性をより一層高めることができる。
なお、図25において前図と同一の部分には同一符号を
付して、その詳しい説明を省略する。
【0102】図26はエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示す。図2で示した先の実施例においては案
内手段としてのガイド部94をガスケット22に一体的
に形成したが、図26に示すこの実施例においてはガス
ケット22と別体のガイド板98を設け、このガイド板
98を案内手段に設定したものである。
【0103】上述のガイド板98はボルト99等の取付
け手段を用いてシリンダヘッド13の所定部に取付けら
れる取付け部98aと、前述の取付けフランジ23とイ
ンシュレータ30,31との間の隙間Lから放出される
熱をエンジン11から離反する方向に導くように該エン
ジン11から離反する方向に延出されたガイド部98b
とが一体に形成されたものである。
【0104】このように構成しても、排気マニホルド1
8とインシュレータ30,31との間の熱を、上述の隙
間Lから放出させた後に、この熱をガイド板98のガイ
ド部98bでエンジン11から遠ざかる方向へ案内する
ことができるので、シリンダヘッド13とシリンダヘッ
ドカバー14との間に介設されるラバー製のガスケット
などのシール部材や補機類の熱劣化を防止することがで
きる。
【0105】なお、図26に示す実施例においても、そ
の他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同
様であるから、図26において前図と同一の部分には同
一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0106】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の案内手段は、実施例のガイド部9
4またはガイド板98に対応し、以下同様に、補強部
は、ビード64〜66、76〜78に対応するも、この
発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものでは
ない。
【0107】例えば上記実施例においてはインシュレー
タ30,31は2部材から構成したが、これは、それ以
上の複数部材から構成してもよい。
【0108】
【発明の効果】この発明によれば、排気マニホルド上流
端のシリンダヘッドに対する取付けフランジと、インシ
ュレータの該取付けフランジ側の端部に設けられた隙間
からの熱を放出すべく構成すると共に、この隙間から放
出される熱をエンジンから離反する方向(エンジンから
遠ざかる方向)に案内する案内手段を設けたので、シリ
ンダヘッド・ヘッドカバー間のシール部材および補機類
の熱劣化を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジンの排気系構造を示す側面
図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 上記排気系構造をリヤ方向から見た状態で示
す正面図。
【図4】 同排気系構造の分解斜視図。
【図5】 インシュレータを取外した状態で示す平面
図。
【図6】 インシュレータを取外した状態で示す正面
図。
【図7】 インシュレータを取外した状態で示す側面
図。
【図8】 図7の矢印X視による説明図。
【図9】 図8のA−A線矢視断面図。
【図10】 図8のB−B線矢視断面図。
【図11】 図8のC−C線矢視断面図。
【図12】 球面継手手段の断面図。
【図13】 上部インシュレータの平面図。
【図14】 上部インシュレータの正面図。
【図15】 上部インシュレータの側面図。
【図16】 上部インシュレータの部分断面図。
【図17】 下部インシュレータの平面図。
【図18】 下部インシュレータの正面図。
【図19】 下部インシュレータの側面図。
【図20】 下部インシュレータの部分断面図。
【図21】 ガスケットの正面図。
【図22】 図21のD−D線に沿う拡大断面図。
【図23】 本発明のエンジンの排気系構造の他の実施
例を示す側面図。
【図24】 本発明のエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示す側面図。
【図25】 本発明のエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示す側面図。
【図26】 本発明のエンジンの排気系構造のさらに他
の実施例を示す側面図。
【符号の説明】
11…エンジン 13…シリンダヘッド 18…排気マニホルド 19…排気管 22…ガスケット 23…取付けフランジ 30,31…インシュレータ 64〜66,76〜78…ビード(補強部) 67〜69,79〜81…ボルト孔 94…ガイド部(案内手段) 98…ガイド板(案内手段) L…隙間 β…合わせ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 良太郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G004 BA05 DA11 DA14 DA15 DA22 EA05 FA01 FA04 GA02 GA04 GA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気マニホルドの外周に配置されたインシ
    ュレータを備えてなるエンジンの排気系構造であって、
    上記インシュレータは排気マニホルド上流端のシリンダ
    ヘッドに対する取付けフランジから下流側の排気管接続
    部までを略覆うように少なくとも2つ以上の複数部材か
    ら構成され、上記インシュレータの取付けフランジ側の
    端部は該フランジから下流側に所定の隙間をもつように
    設定され、上記取付けフランジとインシュレータの上記
    隙間から放出される熱をエンジンから離反する方向に導
    くように該エンジンから離反する方向に延出された案内
    手段が設けられたエンジンの排気系構造。
  2. 【請求項2】上記案内手段は取付けフランジとシリンダ
    ヘッドとの間に配設されるガスケットに一体的に設けら
    れた請求項1記載のエンジンの排気系構造。
  3. 【請求項3】上記インシュレータを構成する複数部材の
    合わせ部相互の隙間より上記取付けフランジ端部側の隙
    間が大きく設定された請求項1または2記載のエンジン
    の排気系構造。
  4. 【請求項4】上記エンジンは横置き配置されると共に、
    後方排気構造に設定された請求項1,2または3記載の
    エンジンの排気系構造。
  5. 【請求項5】上記インシュレータの少なくとも幅方向に
    は複数の補強部が設けられると共に、上記補強部にはイ
    ンシュレータを排気マニホルドに取付けるボルト孔が形
    成された請求項1,2,3または4記載のエンジンの排
    気系構造。
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