JP2002275395A - インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物及びインクジェット記録方法

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JP2002275395A
JP2002275395A JP2001074580A JP2001074580A JP2002275395A JP 2002275395 A JP2002275395 A JP 2002275395A JP 2001074580 A JP2001074580 A JP 2001074580A JP 2001074580 A JP2001074580 A JP 2001074580A JP 2002275395 A JP2002275395 A JP 2002275395A
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ink
ink composition
diethylene glycol
thiodiethanol
jet recording
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JP2001074580A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Nakaya
浩明 中弥
Takanori Kamoto
貴則 加本
Kiyoto Motoyama
清人 本山
Ichiro Fujii
一郎 藤井
Masa Nakamura
雅 中村
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吐出安定性及び吐出応答性を有し、普
通紙上でも滲みのない高濃度画像を記録でき、かつ長期
保存性が良好なインクジェット記録用インク組成物を得
ることを課題とする。 【解決手段】 水と色材を必須成分とし、水溶性有機溶
剤として少なくともジエチレングリコール及び2,2’
−チオジエタノールを含み、かつジエチレングリコール
の含有量が2〜8重量%であり、ジエチレングリコール
に対する2,2’−チオジエタノールの重量比が0.7
〜1.0であり、ジエチレングリコール及び2,2’−
チオジエタノールの合計含有量が4〜16重量%である
ことを特徴とするインクジェット記録用インク組成物に
より、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リントに用いられるインクジェット記録用インク組成物
及びこのインク組成物を用いたインクジェット記録方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェットプリントに用
いられるインクジェット記録用インク組成物としては、
各種水溶性染料を、水、水溶性有機溶剤及び各種添加剤
からなる溶媒中に溶解したものが主に使用されている。
このインク組成物は、記録方式の特異性から、筆記具用
等の一般のインクに比べると、一層厳密な特性が要求さ
れ、インク特性とインク組成の観点から種々の改善・検
討が行われている。
【0003】インクジェット記録用インク組成物に求め
られる特性としては、(1)紙上で滲みや、ドット周辺
の微小なインクの飛び散り(ブリード)がなく、高解像
度、高濃度の均一な画像が得られること、(2)ノズル
先端でのインクの乾燥による目詰まりが発生せず、常に
吐出応答性、吐出安定性が良好であること、(3)紙上
において、インクの速乾性がよいこと、(4)熱インク
ジェット方式においては、ヒーター上への焦げつき(ko
gation)の発生がないこと、及び(5)長期保存安定性
がよいことの5項目が挙げられ、これらの要求を満足す
るために、従来から多くの提案がなされている。しかし
ながら、上記の特性は、互いに相反関係にあることが多
く、一方を満足させようとすると他方に悪影響を及ぼす
場合が多々あり、上記の特性を同時に満足させることは
困難であった。また、最近のインクジェット記録方式で
は、高集積高精細のノズルを有するヘッドの作製技術の
進展に伴い、微小インク滴の吐出で1200dpi相当
以上の高解像の画像を高速印刷するに適するインクが求
められている。
【0004】しかしながら、このようなインクはより厳
しい特性が要求され、インクの開発・改良は困難を極め
ており、求められる性能を全てに満足できるインクは未
だ開発されていないのが現状である。そのような状況の
中で、色材については染料から顔料へと開発・検討が進
められており、また、溶剤・添加剤についても様々な角
度から検討されている。特に、溶剤としては、ジエチレ
ングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−ピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメ
チロールプロパン、2,2’−チオジエタノール等を用
いることが検討されている。
【0005】例えば、特許第2870767号公報にお
いては、ジエチレングリコールを5〜10重量%含む溶
媒を用いたインク組成物が開示されている。このインク
組成物によれば、普通紙上でインクの滲みやブリードが
抑制されて良好な画質が得られるものの、粘度が高くな
りやすい傾向にあるため、ノズル先端において目詰まり
が生じ、吐出安定性が悪く、画像が縞状になる(バイン
ディング)等の問題があった。
【0006】また、特公昭61−55546号公報で
は、特定の染料とチオジエタノールを含む溶媒とを組合
わせた水溶性インク組成物が提案され、また、特公平8
−19359号公報では、C.I.ダイレクトブラック
−168と2,2’−チオジエタノールを含む特定の溶
媒とを組合わせた水溶性インク組成物が報告されてい
る。溶媒にチオジエタノールや2,2’−チオジエタノ
ールを用いた場合には、ノズル先端の目詰まりが改善さ
れ、滲みのない画質が得られるが、その反面、インクの
飛び散りが生じ、吐出安定性が悪く、低湿下ではインク
の固着が発生しやすくなるという問題があった。
【0007】また、特開平7−207202号公報及び
特開平7−238244号公報では、2,2’−チオジ
エタノール及び非イオン性界面活性剤を含む溶媒を用い
た水溶性インク組成物が報告されている。このようなイ
ンク組成物では、非イオン性界面活性剤を使用すること
により、2,2’−チオジエタノールを用いた場合に問
題となるインクの飛び散りや、吐出安定性を制御するこ
とを目的としているが、それらの問題は充分に解決され
ておらず、また、低湿下においてインクが固着する問題
は解決されていない。
【0008】また、特開平7−242847号公報で
は、2,2’−チオジエタノール、多価アルコール及び
界面活性剤を含む溶媒を用いた水溶性インク組成物が報
告されている。このようなインク組成物は、多価アルコ
ールを加えることにより、2,2’−チオジエタノール
を用いた場合に問題となる低湿下でのインクの固着を改
善しているが、インクの滲みや画像が縞状になり、鮮明
な画像が得られないという問題が新たに生じてしまう。
【0009】また、特開平8−269377号公報で
は、充分に精製した2,2’−チオジエタノールを含む
溶媒を用いた水溶性インク組成物が報告されているが、
このインク組成物では、異臭の発生を抑制することがで
きるものの、インクの固着やインクの飛び散りの問題は
充分に改善されていない。また、特開平8−26937
8号公報では、水溶性染料の対イオンとしてカリウムイ
オンを多量に含み、グリセリン及び2,2’−チオジエ
タノールを含む溶媒を用いたインク組成物が報告されて
いる。このインク組成物によれば、インクが固着する問
題を解決できるとしているが、グリセリンは非常に粘性
が高く、ジエチレングリコールを用いる場合以上にイン
クの粘度が高くなるため、ノズル先端に目詰まりが生
じ、吐出が不安定になり、画像が縞状になる等の問題が
ある。
【0010】以上のように、インクの滲み及び滲みによ
る混色、並びにブリードを解決するにあたって併発する
目詰まりにより、吐出が不安定で、画像が縞状になる問
題や、低湿下においてインクが固着する問題を充分に解
決する手法が見い出されていないのが現状である。加え
て、最近のインクジェット記録方式では、高集積高精細
のノズルを有するヘッドより、微小インク滴を吐出し、
1200dpi相当以上の高解像の画像を高速印刷でき
るインク特性が求められいる。従って、インクジェット
記録方式の発展に伴い、上記の問題点はより顕著にな
り、求められる性能を全てに満足できるインク組成物を
早急に開発されることが望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来提案されているイ
ンクジェット記録用インク組成物において、ジエチレン
グリコールを溶媒に用いた場合には、インクの滲みや飛
び散りが抑制され、良好な画像が得られるという報告が
なされているが、高集積高精細のノズルを有するヘッド
を用いて高速印刷を行う場合、ジエチレングリコールを
約10重量%程度に調整したインク組成物では、インク
の粘度が高くなりすぎ、目詰まりが生じ、吐出が不安定
になり、画像が縞状になる等の問題がある。特に、ヘッ
ドより吐出されるインクの液滴体積を15pl以下に制
限できる高精細ノズルより、吐出周波数を10kHz以
上にしてインクを吐出し記録する場合は、ジエチレング
リコールを5〜10重量%程度の範囲に調整したインク
組成物であっても目詰まりが生じる傾向が認められる。
また、ジエチレングリコールを5重量%以下に調整した
インク組成物では、インクの固着が発生したり、滲みが
充分に改善されない等の問題がある。
【0012】また、2,2’−チオジエタノールを約1
0重量%程度に調整したインク組成物の場合では、ジエ
チレングリコールを用いた場合に比較して、通常の環境
下におけるノズル先端の目詰まりが改善され、滲みのな
い鮮明な画質が形成されるが、低湿下においては、イン
クの固着が発生し、吐出不良等によるブリードが発生
し、画像欠陥を生じるか、あるいはノズルが詰まってイ
ンクを吐出できなくなるという問題がある。
【0013】本発明は、上記のような従来のインクジェ
ット記録用インク組成物の現状に鑑み、その問題点を解
決することを目的としてなされたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、高集積高精細のノズルを有するヘ
ッドを用いて高速印刷を行うとき、特に吐出されるイン
クの液滴体積を5〜15plに、吐出周波数を10〜2
0kHzにして高速印刷を行うときでも、優れた吐出安
定性、吐出応答性が得られ、普通紙上でも滲みのない高
濃度画像を記録でき、かつ長期保存性がよいインクジェ
ット記録用インク組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、水と色材を必須成分とし、水溶性有機溶剤と
して少なくともジエチレングリコール及び2,2’−チ
オジエタノールを含有するインク組成物において、ジエ
チレングリコール及び2,2’−チオジエタノールの含
有量を特定の範囲に限定することによって、上記の目的
を達成できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0015】かくして本発明によれば、水と色材を必須
成分とし、水溶性有機溶剤として少なくともジエチレン
グリコール及び2,2’−チオジエタノールを含み、か
つジエチレングリコールの含有量が2〜8重量%であ
り、ジエチレングリコールに対する2,2’−チオジエ
タノールの重量比が0.7〜1.0であり、ジエチレン
グリコール及び2,2’−チオジエタノールの合計含有
量が4〜16重量%であることを特徴とするインクジェ
ット記録用インク組成物が提供される。また、本発明に
よれば、上記のインク組成物を、インクジェット記録装
置により被記録材上に吐出して記録を行うことを特徴と
するインクジェット記録方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録用イ
ンク組成物(以下、「インク組成物」と略称する)は、
水と色材を必須成分とし、水溶性有機溶剤として少なく
ともジエチレングリコール及び2,2’−チオジエタノ
ールを含むものである。水は、インク組成物を普通紙に
プリントしたときに良好な乾燥性・浸透性が得られると
いう点で、インク組成物に対して、通常、70〜90重
量%程度含まれる。
【0017】色材としては、各種染料、顔料等が挙げら
れるが、中でも水溶性染料が好ましい。水溶性染料は、
酸性染料、反応性染料及び直接染料が好ましく、例え
ば、C.I.アシッドイエロー−3、−7、−17、−
23、−29、−42及び−99;C.I.アシッドレ
ッド−1、−4、−8、−13、−14、−15、−1
8、−21、−26、−35、−37、−52、−92
及び−257;C.I.アシッドブルー−1、−7、−
9、−234、−236及び−251;C.I.ダイレ
クトイエロー−1、−8、−11、−12、−24、−
26、−27、−33、−39、−44、−50、−5
8、−85、−86、−88、−98、−100、−1
10及び−132;C.I.ダイレクトレッド−1、−
2、−4、−9、−11、−13、−17、−20、−
23、−24、−28、−31、−33、−37、−3
9、−44、−62、−81、−83、−99及び−2
27;C.I.ダイレクトブルー−1、−2、−6、−
8、−15、−22、−25、−71、−76、−7
8、−86、−98、−108、−120、−192、
−193、−194、−195、−196、−199、
−200、−201、−202、−203、−207、
−236及び−237;C.I.リアクティブレッド−
4、−31、−56、−141及び−180;等が挙げ
られる。これらの色材は、それぞれ単独で、又は2種以
上を組合わせて使用されてもよい。また、シアン、マゼ
ンタ、イエロー、ブラックの4原色のほか、赤、青、緑
などを混合して、オリジナルのカスタムカラーに調色さ
れたものを使用してもい。
【0018】色材の含有量は、インク組成物に対して、
通常、1〜5重量%程度である。ジエチレングリコール
は、インク組成物に対して2〜8重量%含まれる。ジエ
チレングリコールの含有量がチオジグリコールより小さ
いとインクの固着や、滲みを充分に改善することができ
ない。また、ジエチレングリコールの含有量が8重量%
より大きいとインクの粘度が高くなりすぎ、ノズル先端
において目詰まりが生じてしまう。
【0019】2,2’−チオジエタノールは、インク組
成物に対して、ジエチレングリコールとほぼ等量含ま
れ、具体的には、ジエチレングリコールに対する重量比
で0.7〜1.0含まれるのが好ましい。2,2’−チ
オジエタノールの重量比が1.0より大きいと、低湿下
におけるインクの凝固を抑制することが困難になり、ブ
リードが発生してしまう。また、2,2’−チオジエタ
ノールの重量比が0.7より小さいと、粘度の増加を抑
制できない。ジエチレングリコール及び2,2’−チオ
ジエタノールの合計含有量は、インク組成物に対して4
〜16重量%である。この合計含有量が16重量%より
高いとインクの乾燥性が悪くなり、インクの滲みや混色
が発生する。また、合計含有量が4重量%より低いと、
インクの凝固や滲みの問題を解決することができない。
【0020】本発明のインク組成物には、インク組成物
の湿潤性、浸透性、乾燥性及び滲み特性等を適宜調整す
るために、ジエチレングリコール及び2,2’−チオジ
エタノール以外の水溶性有機溶剤が添加されていてもよ
い。そのような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール等の低級アルキルアルコ
ール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケ
トン又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−へキサントリオール、チオジエタノール(グリコー
ル)、へキシレングリコール等のアルキレングリコール
類;グリセリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、トリメチロールプロパン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらの水溶
性有機溶剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組合わ
せて用いてもよい。水溶性有機溶剤の添加量は、本発明
の効果を妨げない範囲であれば特に限定されず、インク
組成物に対して、通常、10〜30重量%程度である。
【0021】本発明のインク組成物には、色材の溶媒と
して水を含んでいるが、さらに色材の溶解剤として有機
溶剤が添加されていてもよい。このような有機溶剤とし
ては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
トリエチレングリコールメチルエーテル等の多価アルコ
ール誘導体、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、シクロヘキシルピロリドン、スクシンイミド、ト
リエタノールアミン等の塩基性溶媒、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアル
コール等のアルコール類等が挙げられる。有機溶剤の添
加量は、画像の滲みが発生しないように、インク組成物
に対し、通常、10〜30重量%程度である。
【0022】本発明のインク組成物には、表面張力調整
剤が添加されていてもよい。表面張力調整剤としては、
例えば、アニオン性界面活性剤(例えば、アルキル硫酸
エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエー
テル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリー
ルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハ
ク酸塩、アルキルアリルおよびアルキルナフタレンスル
ホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン
酸塩等)、カチオン性界面活性剤(例えば、アルキルピ
リジニウム硫酸塩、アルキルアミン塩、ジアルキルアミ
ン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、ベンザルコニウ
ム塩、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩
等)、両イオン性界面活性剤(例えば、ベタイン、スル
フォベタイン、サルフェートベタイン等)又はノニオン
性界面活性剤(例えば、タージトール、サーフィノー
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
ポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステ
ル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリン
エステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエ
ステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエ
ステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノ
ールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミン
オキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等)が挙
げられる。
【0023】上記の界面活性剤の中でも、例えば、ユニ
オンカーバイド社製、商品名:Tergitol 15-S-15、エア
ープロダクツ社製、商品名:サーフィノール465など
のノニオン界面活性剤が好適に用いられる。これらの表
面張力調整剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組
合わせて用いることができる。表面張力調整剤の添加量
は、インク組成物に対して、通常、0.1〜5重量%で
ある。
【0024】本発明のインク組成物には、所望により、
pH調整剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤等が添加さ
れていてもよく、その添加量は適宜調整される。また、
本発明のインク組成物は、普通紙等に記録した場合にイ
ンクの滲みがなく、良好な記録物の乾燥性、浸透性が得
られ、かつ筆記具等やインクジェット用ヘッドに対して
好適であるという点から、25℃における表面張力を2
0×10 -3〜45×10-3N/m程度に、粘度を10-2
Pa・s以下、より好ましくは4×10-3Pa・s以下
に調整するのが望ましい。本発明のインクジェット記録
方法は、上記のインク組成物を、インクジェット記録装
置で被記録材上に吐出することにより行われる。
【0025】特に、インク組成物の液滴体積を5〜15
pl、吐出周波数を10〜20kHzに調節した場合、
優れた吐出安定性及び吐出応答性が得られ、普通紙上で
も滲みのない高濃度の画像を記録することが可能とな
る。インクジェット記録装置としては、特に限定され
ず、ノズルを有するヘッドを備えた公知のものが用いら
れる。被記録材としては、特に限定されず、本発明の効
果を十分に発揮させる点において、普通紙や葉書などの
非塗工紙が挙げられる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。表1〜3に示した各成分及び各残余
を、イオン交換水を用いて合計100重量%とし、充分
に混合・溶解し、ポアサイズが0.45μmのフィルタ
ーで加圧濾過、脱気処理することにより、各インク組成
物を調製した。各インク組成物について、表面張力及び
粘度を測定すると共に、下記の評価テストをそれぞれ行
った。評価テストには、発熱素子をインクの吐出エネル
ギー減として利用し、高集積高精細のノズルを有するヘ
ッドを用いて高速印刷を行うことができるインクジェッ
トプリンター[シャープ(株)製 商品名:AJ−20
00LE]を使用した。また、評価テストは、インクの
吐出条件として、インクの液滴体積を12plに、吐出
周波数を12kHにし、市販の普通紙に写真画像及びキ
ャラクター画像を記録したもので行った。
【0027】(1)インク表面張力 25℃、60%RHの環境において、表面張力計[協和
界面科学(株)製 商品名:CBVP−A3]を用いて
測定した。
【0028】(2)インク粘度 25℃、60%RHの環境において、粘度計(yamco社
製 商品名:VM−1A)を用いて測定した。
【0029】(3)滲み評価 普通紙に上記条件にて記録したものを乾燥した後、ドッ
トレベルでの滲み、エッヂのシャープさを、25℃、6
0%RH及び20℃、50%RHの環境条件で以下の基
準によりそれぞれ評価した。 ◎・・・ほとんど滲みがなく、エッヂは極めてシャープ
である。 ○・・・滲みは多少みられるが、ドットのエッヂはシャ
ープである。 △・・・ほぼ全ドットに滲みがみられ、ドットのエッジ
も少しぼやけている。 ×・・・全ドットに滲みがみられ、ドットのエッヂもは
っきりしない。
【0030】(4)ブリード評価 普通紙に上記条件にて記録したものを乾燥した後、イン
クの飛び散り及び混色について、25℃、60%RH及
び20℃、50%RHの環境条件にて、以下の基準によ
りそれぞれドットレベルで評価した。 ◎・・・インクの飛び散り及び混色がほとんどなく、ド
ット及び2色間のエッヂは極めてシャープである。 ○・・・インクの飛び散り及び混色が多少みられるが、
ドット及び2色間のエッヂはシャープである。 △・・・ほぼ全ドットにインクの飛び散り及び混色がみ
られ、ドット及び2色間のエッジも少しぼやけている。 ×・・・全ドットにインクの飛び散り及び混色がみら
れ、ドット及び2色間のエッヂもはっきりしない。
【0031】(5)連続吐出評価テスト 25℃、60%RH及び20℃、50%RHの雰囲気
中、上記記録条件で、30時間の連続記録テストをそれ
ぞれ行い、画像が縞状になる程度について、以下の基準
により評価した。 ○・・・画像が縞状になる部分が3%以下。 △・・・画像が縞状になる部分が3%より多く、15以
下。 ×・・・画像が縞状になる部分が15より多い。
【0032】(6)環境変化下での吐出テスト 10℃、15%RH及び30℃、85%RHの雰囲気
中、インク組成物を所定時間放置した後、上記記録条件
で記録テストを行い、以下の基準により評価した。 ○・・・12時間放置で印字可能。 △・・・1時間放置で印字可能。 ×・・・1時間放置で印字不可能。 以下、実施例及び比較例において用いられる用語「部」
及び「%」は、特に断わりのない限り重量を基準とした
ものである。
【0033】[実施例1及び比較例1]インク組成物中
における色剤としてのC.I.アシッドイエロー−23
の重量濃度と、水溶性有機溶剤としてのジエチレングリ
コール、グリセリン及び2,2’−チオジエタノール以
外の有機溶剤との重量濃度を固定し、ジエチレングリコ
ール、グリセリン及び2,2’−チオジエタノールにつ
いて、インク組成物中の重量濃度を変化させ、残余を水
としてそれぞれ混合し、5時間攪拌した後、さらにポア
サイズが0.45μmのフィルターで加圧濾過、脱気処
理してインク組成物を調製し、上記の各評価を行った。
得られた各インク組成物のインク組成、評価テストの結
果及び25℃におけるインク物性値を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1より、本発明のインク組成物(実施
例)は、各評価テストにおいて優れていることが分か
る。 [実施例2及び比較例2]色剤としてのC.I.アシッ
ドレッド−52及びC.I.リアクティブレッド−18
0のインク組成物中の重量濃度と、ジエチレングリコー
ル及び2,2’−チオジエタノール以外の有機溶剤の重
量濃度を固定し、ジエチレングリコールと、2,2’−
チオジエタノールとについてインク組成物中の重量濃度
を変化させ、残余を水としてそれぞれ混合し、5時間攪
拌後、さらにポアサイズが0.45μmフィルターで加
圧濾過、脱気処理することによりインク組成物を調製し
た。得られた各インク組成物のインク組成、評価テスト
結果及び25℃におけるインク物性値を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2より、本発明のインク組成物(実施
例)は、各評価テストにおいて優れていることが分か
る。 [実施例3及び比較例3]色剤としてのC.I.アシッ
ドブルー−9及びC.I.ダイレクトブルー−199の
インク組成物中の重量濃度と、ジエチレングリコール、
スクシンイミド及び2,2’−チオジエタノール以外の
有機溶剤の重量濃度を固定し、ジエチレングリコール、
スクシンイミド及び2,2’−チオジエタノールについ
てインク組成物中の重量濃度を変化させ、残余を水とし
て、それぞれ混合し、5時間攪拌後、さらにポアサイズ
が0.45μmフィルターで加圧濾過、脱気処理するこ
とによりインク組成物を調製した。得られたインク組成
物のインク組成、評価テスト結果及び25℃におけるイ
ンク物性値を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3より、本発明のインク組成物(実施
例)は、各評価テストにおいて優れていることが分か
る。
【0040】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用インク組
成物によれば、高集積高精細のノズルを有するヘッドを
備えたインクジェット記録装置を用いて、高速印刷を行
うとき、特に、吐出されるインクの液滴体積を5〜15
plに、吐出周波数を10〜20kHzにしたとき、優
れた吐出安定性及び吐出応答性が得られ、普通紙上での
滲みや、ブリード、混色がない。また、ヘッドノズル付
近においてインクの凝集や固着も発生せず、画像が縞状
になるのが防止され、1200dpi相当以上の高解像
の画像が記録できる。また、このインク組成物は、長期
保存性に優れている。
【0041】なお、特定量のジエチレングリコール及び
2,2’−チオジエタノールを含むことにより、インク
の滲みが抑制されるメカニズムは明確にはされてはいな
いが、グリコールの被記録材表面に対する特有の親水性
/親油性比及び浸透性が、紙中へのインク組成物の浸透
性を高め、かつ過度の浸透を抑え、滲みを防止するもの
と考えられる。また、2,2’−チオジエタノールを併
用することにより、インクが目詰まりしにくくなるメカ
ニズムについても必ずしも明らかではないが、酸素原子
に比べて、原子半径の大きい硫黄原子が関与しているた
め、微小液粒子内の内部応力が吸収されやすく、外圧力
を吸収し、粘度の上昇が抑えられて、目詰まりしにくく
なるのではないかと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本山 清人 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤井 一郎 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 中村 雅 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA05 FC02 2H086 BA03 BA52 BA53 BA55 BA56 BA57 BA59 BA62 4J039 BC07 BC09 BC11 BC36 BC54 BE01 BE03 BE04 BE05 BE12 CA03 CA06 EA44 EA47 GA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と色材を必須成分とし、水溶性有機溶
    剤として少なくともジエチレングリコール及び2,2’
    −チオジエタノールを含み、かつジエチレングリコール
    の含有量が2〜8重量%であり、 ジエチレングリコールに対する2,2’−チオジエタノ
    ールの重量比が0.7〜1.0であり、 ジエチレングリコール及び2,2’−チオジエタノール
    の合計含有量が4〜16重量%であることを特徴とする
    インクジェット記録用インク組成物。
  2. 【請求項2】 色材が、酸性染料、反応性染料及び直接
    染料から選ばれる1種以上の水溶性染料である請求項1
    に記載のインクジェット記録用インク組成物。
  3. 【請求項3】 インクジェット記録用インク組成物が、
    スクシンイミド及び/又は多価アルコール誘導体を含む
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のインク
    ジェット記録用インク組成物を、インクジェット記録装
    置により被記録材上に吐出して記録を行うことを特徴と
    するインクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】 インクジェット記録用インク組成物の液
    滴体積を5〜15plに、吐出周波数を10〜20kH
    zにして、被記録材上に吐出する請求項4に記載のイン
    クジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016139129A (ja) * 2015-01-15 2016-08-04 オーセ プリンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフトOce Printing Systems GmbH & Co. KG 最適な溶剤浸透のための温度特性を有する印刷方法および印刷設備

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