JP2002275113A - アルコキシフェニルアセチレン類の製造方法 - Google Patents

アルコキシフェニルアセチレン類の製造方法

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JP2002275113A
JP2002275113A JP2001075291A JP2001075291A JP2002275113A JP 2002275113 A JP2002275113 A JP 2002275113A JP 2001075291 A JP2001075291 A JP 2001075291A JP 2001075291 A JP2001075291 A JP 2001075291A JP 2002275113 A JP2002275113 A JP 2002275113A
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reaction
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alkoxyphenylacetylenes
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JP2001075291A
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Inventor
Takanori Fukumura
考記 福村
Hiroshi Sonoda
寛 園田
Hidetoshi Hayashi
秀俊 林
Masahiko Kusumoto
昌彦 楠本
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】工業的に入手が容易でかつ安価なアルコキシ置
換アセトフェノン類を原料に、アルコキシフェニルアセ
チレン類を一工程で高収率に製造する新規な方法の提
供。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1はそれぞれC1〜C12の直鎖もしくは分岐
のアルキル基を表し、R2、R3、R4、R5はそれぞれ水
素、C1〜C4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、ハロゲ
ン原子を表し、同一でも異なっていてもよい。)で表さ
れるアセトフェノン類を、有機塩基存在下に下記一般式
(2) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコキシフェニ
ルアセチレン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルコ
キシフェニルアセチレン類は液晶材料やLB膜の合成原
料、および医薬品の合成原料として工業的に重要な化合
物である。
【0003】従来アルコキシフェニルアセチレン類の製
造方法としては、アルコキシ置換アセトフェノンを五塩
化リンで塩素化して1,1−ジクロロエチル体に変換し
た後、KOHやNaNH2等の強塩基による脱塩酸反応
によって合成する方法(Prey ら、 Monats
h. 82,990等)、β−ハロアルコキシスチレン
等をNaNH2等の強塩基で脱ハロゲン化水素すること
によって合成する方法(Johnsonら、 J. Am.
Chem. Soc., 48(1926), 476等)、α,β
‐ジハロアルコキシスチレンをエーテル中、金属ナトリ
ウムで脱ハロゲンする方法(Kunckellら、Chem. Ber.,
36(1903), 915等)、 アルコキシ置換桂
皮酸もしくはその誘導体から脱炭酸反応によって合成す
る方法(Hariharanら、J. Indian Inst.
Sci., (A) 8(1925), 210等)、ア
ルコキシ置換ベンズアルデヒドからWittigタイプ
の反応を経て合成する方法(Matsumotoら、T
etrahedron Lett., 21(198
0), 4021等)等様々な方法が知られているが、
どの方法においても反応収率の低さ、原料合成の困難さ
や多段階合成の煩雑さなどから工業的な方法とは言い難
かった。
【0004】または最近ではアルコキシ置換ブロモもし
くはヨードベンゼンとエチニル亜鉛塩によって合成する
方法や、同じくアルコキシ置換ブロモもしくはヨードベ
ンゼンをPd触媒存在下に3−メチル−1−ブチン−3
−オールとカップリングさせた後、塩基によって脱保護
して合成する方法等が開示されている(Kingら、
J. Org. Chem., 42(1978) 2,
358、特許第2568423号等)。これらの方法は
収率が比較的高く、また反応も穏和な条件下に進行する
が、原料のアルコキシ置換ブロモもしくはヨードベンゼ
ンおよび触媒または反応試剤の価格が高いため、安価な
製造方法にはなり得ない。したがってアルコキシフェニ
ルアセチレン類を安価な原料から、少ない工程数で高収
率に製造できる方法の開発が望まれていた。
【0005】本発明者らは、一般式(2)で表される化
合物を用いて、一工程でアセトフェノン類をフェニルア
セチレン類に変換できることを見出した。これは安価な
原料から容易に目的のフェニルアセチレン類を得る優れ
た方法であるが、アルコキシ置換アセトフェノン類を原
料に同様の反応を試みたところ、目的のアルコキシフェ
ニルアセチレン類以外に1−(アルコキシフェニル)−
1−フルオロエテン類がかなり副生することがわかっ
た。このためアルコキシフェニルアセチレン類の反応収
率が低下するとともに、この副生物はアルコキシフェニ
ルアセチレン類と物性が近いため、その分離に多大な労
力が必要となる。したがって副生物を抑制し高収率にア
ルコキシフェニルアセチレン類を得る方法の開発が課題
となっていた。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、この課題を
解決する為に鋭意検討を行った結果、工業的に入手が容
易でかつ安価なアルコキシ置換アセトフェノン類を原料
に、一般式(2)で表される化合物を用いて反応を行う
際に、有機塩基を添加することによって副生物を抑制
し、一工程で高収率にアルコキシフェニルアセチレン類
を製造しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は以下の通りである。 (1) 一般式(1)
【化5】 (式中、R1はそれぞれC1〜C12の直鎖もしくは分岐
のアルキル基を表し、R2、R3、R4、R5は、それぞれ
水素原子、C1〜C4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、
ハロゲン原子を表し、同一でも異なっていてもよい。)
で表されるアセトフェノン類を、有機塩基存在下に下記
一般式(2)
【化6】 (式中、R6、R7、R8、R9は、C1〜C6のアルキル
基又はアリール基を示し、それぞれ同じであっても異な
っていてもよい。又、式中のR6とR8は結合して5員
環、もしくは6員環を構成していてもよく、R6、R7
たはR8、R9が結合していてもよい。)で表される化合
物と反応させることを特徴とする一般式(3)
【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記と同じ意味
を示す。)で表されるアルコキシフェニルアセチレン類
の製造方法。 (2) 一般式(2)の化合物が、式(4)
【化8】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イ
ミダゾリジンであることを特徴とする(1)記載のアル
コキシフェニルアセチレン類の製造方法。 (3) 有機塩基がトリアルキルアミンであることを特
徴とする(1)および(2)記載のアルコキシフェニル
アセチレン類の製造方法。 (4) 有機塩基がトリエチルアミンである(3)記載
のアルコキシフェニルアセチレン類の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(2)中、R6〜R9で表されるアルキル基として
は炭素数1〜6のアルキル基又はアリール基である。例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル
基、およびフェニル基が挙げられる。式中のR6とR8
結合して5員環、もしくは6員環を構成した化合物、お
よびR6とR7、R8とR9がそれぞれ結合して、それぞれ
炭素数3〜5のヘテロ環を構成した化合物等が挙げられ
る。
【0009】一般式(2)で表される化合物の内、具体
例として、ビス−ジメチルアミノ−ジフルオロメタン、
ビス−ジエチルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジプ
ロピルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−i−プロ
ピルアミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−n−ブチル
アミノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−i−ブチルアミ
ノ−ジフルオロメタン、ビス−ジ−t−ブチルアミノ−
ジフルオロメタン、ビス−ジ−n−ペンチル−ジフルオ
ロメタン、ビス−ジ−n−ヘキシル−ジフルオロメタ
ン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イミダゾ
リジン、2,2−ジフルオロ−1−エチル−3−メチル
−イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジエ
チル−イミダゾリジン、2,2−ジフルオロ−1,3−
ジ−n−プロピル−イミダゾリジン、2,2−ジフルオ
ロ−1,3−ジ−i−プロピル−イミダゾリジン、2,
2−ジフルオロ−1,3−ジ−n−ブチル−イミダゾリ
ジン、N,N−ジメチル−N’−メチル−N’−フェニ
ル−ジフルオロメタン、ビス−ピペリジル−ジフルオロ
メタン等を挙げることが出来るが、本発明はここに示し
た例に制限されるものではない。これらのなかで式
(4)で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチ
ル−イミダゾリジンが特に好ましい。
【0010】これらの化合物の製造は、一般式(5)
【化9】 (式中、R6、R7、R8、R9は、前記と同じ意味を示
す。)で表されるクロロホルムアミジニウム=クロリド
とフッ素のアルカリ金属塩とを溶媒中でハロゲン交換反
応を行なわせることによって、安全に且つ容易に得るこ
とが出来る。フッ素のアルカリ金属塩の具体例として
は、フッ化セシウム、フッ化ルビジウム、フッ化カリウ
ム、およびフッ化ナトリウム等が挙げられるが、経済
的、反応効率的にも有利なフッ素化反応用のスプレード
ライフッ化カリウムを用いるのが好ましい。
【0011】一般式(2)で表される化合物を製造する
原料として用いられる一般式(5)で表されるクロロホ
ルムアミジニウム=クロリドは、テトラアルキル尿素、
1,3−ジアルキルイミダゾリジノン等をホスゲン、塩
化チオニル等の塩素化剤で塩素化することによって製造
することが出来る。例えば、2−クロロ−1,3−ジメ
チルイミダゾリニウム=クロリドの製造は、特公昭59
−25375号公報に記載されている方法で容易に製造
することが出来る。
【0012】一般式(2)で表される化合物の製造にお
いて、ハロゲン交換反応で使用するフッ素のアルカリ金
属塩の使用量は一般式(5)で表される化合物に対して
好ましくは2倍モル以上、更に好ましくは2〜5倍モル
である。2倍モル未満では未交換のクロリドが残存する
可能性があり不十分であり、5倍モルを超えて用いても
反応成績はあまり大きくは向上しない。
【0013】一般式(2)で表される化合物の製造にお
いて反応溶媒は、一般式(5)で表される化合物および
一般式(2)で表される化合物と反応しない溶媒であれ
ば特に制限はない。好ましくはアセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジ
ノン、ジクロロメタン、エチレンジクロリド等である。
溶媒量は特に限定されるものではないが、反応効率及び
操作性から、好ましくは反応基質に対して1から10重
量倍である。反応温度は特に制限はないが、反応速度と
生成物の安定性の面からして−20℃〜150℃好まし
くは0℃〜100℃の範囲である。
【0014】一般式(2)で表される化合物の製造にお
いて、ハロゲン交換反応は四級アルキルアンモニウム塩
や四級アルキルホスホニウム塩等の相関移動触媒を共存
させて行なうことも可能である。得られた一般式(2)
で表される化合物はハロゲン交換反応液のまま、次のア
ルコキシフェニルアセチレン類の合成反応に使用するこ
とが出来る。また、反応液から無機塩を濾別して使用す
ることも出来るし、或いは無機塩を濾別した後、蒸留も
しくは晶析によって単離して使用することも出来る。
【0015】原料として使用される一般式(1)で表さ
れるアセトフェノン類の具体例としては、4’−メトキ
シアセトフェノン、4’−エトキシアセトフェノン、
4’−プロポキシアセトフェノン、4’−ブトキシアセ
トフェノン、4’−ペンチロキシアセトフェノン、4’
−ヘキシロキシアセトフェノン、4’−ヘプチロキシア
セトフェノン、4’−オクチロキシアセトフェノン、
4’−ノニロキシアセトフェノン、4’−デカニロキシ
アセトフェノン、4’−ウンデカニロキシアセトフェノ
ン、4’−ドデカニロキシアセトフェノンおよびそれら
オルトまたはメタ異性体、2’−メチル−4’−メトキ
シアセトフェノン、3’−メチル−4’−ブトキシアセ
トフェノン、2’−フルオロ−4’−ペンチロキシアセ
トフェノン、3’,5’−ジメチル−4’−メトキシア
セトフェノン等が挙げられるが、これらの例示化合物に
制限されるものではない。これらは対応するヒドロキシ
アセトフェノン類から通常のエーテル化反応によって容
易に合成できる。
【0016】一般式(3)で表されるアルコキシフェニ
ルアセチレン類の具体例としては、4’−メトキシフェ
ニルアセチレン、4’−エトキシフェニルアセチレン、
4’−プロポキシフェニルアセチレン、4’−ブトキシ
フェニルアセチレン、4’−ペンチロキシフェニルアセ
チレン、4’−ヘキシロキシフェニルアセチレン、4’
−ヘプチロキシフェニルアセチレン、4’−オクチロキ
シフェニルアセチレン、4’−ノニロキシフェニルアセ
チレン、4’−デカニロキシフェニルアセチレン、4’
−ウンデカニロキシフェニルアセチレン、4’−ドデカ
ニロキシフェニルアセチレンおよびそれらオルトまたは
メタ異性体、2’−メチル−4’−メトキシフェニルア
セチレン、3’−メチル−4’−ブトキシフェニルアセ
チレン、2’−フルオロ−4’−ペンチロキシフェニル
アセチレン、3’,5’−ジメチル−4’−メトキシフ
ェニルアセチレン等が挙げられるが、これらの例示化合
物に制限されるものではない。
【0017】一般式(1)で表されるアセトフェノン類
と一般式(2)で表される化合物を反応させる場合、一
般式(2)で表される化合物の使用量は、一般式(1)
の化合物に対して1当量以上あればよく、1.5〜3当
量が望ましい。1当量未満では反応の進行が不十分とな
りあまり好ましくない。また、3当量を超えて使用して
も反応成績は大きく向上しない。
【0018】一般式(1)で表されるアセトフェノン類
と一般式(2)で表される化合物を反応させる場合に、
添加する有機塩基の例としてはトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等
のトリアルキルアミン類、ピリジン、キノリン、N,N
−ジメチルアニリン等が挙げられるが、これらの例示化
合物に制限されるものではない。これらの有機塩基を添
加することで1−(アルコキシフェニル)−1−フルオ
ロエテン類の副生を大きく抑制することができる。中で
もトリアルキルアミン類を用いると目的のアルコキシフ
ェニルアセチレン類の収率が高くなる傾向があるため好
ましく、特にトリエチルアミンが好ましい。
【0019】有機塩基の使用量としては一般式(1)の
化合物に対して1当量以上あればよく、2〜5当量が望
ましい。1当量未満では副生物の抑制効果が不十分とな
り好ましくない。また、5当量を超えて使用しても反応
成績は大きく向上しない。
【0020】一般式(1)で表されるアセトフェノン類
と一般式(2)で表される化合物を有機塩基存在下に反
応させる場合の反応溶媒は、一般式(1)で表されるア
セトフェノン類、一般式(2)で表される化合物、使用
した有機塩基、および一般式(3)で表される反応生成
物であるアルコキシフェニルアセチレン類と反応しない
溶媒であれば特に制限はないが、好ましくは、ジクロロ
メタン、クロロホルム、エチレンジクロリド等のハロゲ
ン系溶媒、 アセトニトリル、N−メチルピロリジノ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン等の非プロトン性極性溶媒等である。
【0021】一般式(1)で表されるアセトフェノン類
と一般式(2)で表される化合物を有機塩基存在下に反
応させる場合の反応温度は、30℃〜150℃、好まし
くは50℃〜120℃の範囲である。30℃未満の温度
では、反応速度が極端に遅くなりあまり好ましくない。
150℃を超えると一般式(2)で表される化合物の安
定性が下がるので好ましくない。
【0022】反応により生成したアルコキシフェニルア
セチレン類は、濃縮や抽出操作等により反応混合物から
容易に取り出すことが出来る。又、一般式(2)で表さ
れる化合物は、反応終了後には、テトラアルキル尿素、
1,3−ジアルキルイミダゾリジノン等として回収する
ことが可能である。回収した該化合物は、前記の方法で
塩素化することによって一般式(5)で表されるクロロ
ホルムアミジニウム−クロリドとし、さらには一般式
(5)で表される化合物とフッ素のアルカリ金属塩との
ハロゲン交換反応を行なわせることによって再び一般式
(2)で表される化合物として使用することが可能であ
る。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、合成例1中のアセトニトリル溶液中の2,2−ジフ
ルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(以下DFI
と略記する)濃度はDFIをアニリンと反応させて誘導
化した後、高速液体クロマトグラフィー法(以下HPL
Cと略記する)により測定した。又、フッ素イオン(以
下F-と略記する)の濃度測定はランタン−アリザリン
コンプレキソン試薬を用いる吸光光度分析法により行っ
た。アルコキシフェニルアセチレン類の反応成績につい
ては、ガスクロマトグラフィー(以下GCと略記する)
を用いた内部標準法による定量分析にて評価した。
【0024】(合成例1) 2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン
(DFI)の合成 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウム=クロ
リドの80.0g(0.452mol)とスプレードラ
イ品のフッ化カリウム105.1g(1.810mo
l)とアセトニトリル320mlを500ml四つ口反
応フラスコに装入して窒素雰囲気下、80℃で17時間
反応させた。反応液を25℃まで冷却したあと反応液か
ら無機塩を分別してDFI(MW136.14)のアセ
トニトリル溶液414.2gを得た。溶液中DFI濃度
11.4wt%、収率77%。 この反応液の減圧蒸留
を行い、DFI 32g(純度 97.8%)を得た。
物性値は以下の通りである。
【0025】沸点 47.0℃/37mmHg、 EI−MS:136(M+),117(M+−F+)、 IR(neat)cm-1:1486,1385,129
5,1242,1085,966、 F分析:計算値 27.9%,実測値 27.7%、1 H−NMR(δ,ppm,CDCl3 ,TMS基
準):2.52(s,6H,−CH3×2),3.O5
(s,4H,−CH2CH2−)、13 C−NMR(δ,ppm,CDCl3 ,−45℃,C
DCl3 基準):31.4(s,−CH3×2),4
7.6(s,−CH2CH2−),128.5(t,J=
230Hz,=CF2 )、19 F−NMR(δ,ppm,CDCl3 ,−45℃,C
FCl3 基準):−70.9(s,=CF2).
【0026】(合成例2) 4'−ペンチロキシアセトフェノンの合成 攪拌機、温度計、還流冷却管を備えた200ml四つ口
フラスコに、4'−ヒドロキシアセトフェノン25.1
g(0.18mol)、n−ペンチルブロマイド30.
6g(0.20mol)、炭酸カリウム28g(0.2
0mol)およびジメチルホルムアミド30.0gを仕
込み、窒素雰囲気下80℃で4時間攪拌しながら加熱し
た。冷却後この中にトルエン76gを入れ塩を析出さ
せ、濾過によって塩を除いて得られた有機相を水洗した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後減圧下溶
媒を留去し、得られた淡黄色オイルを水冷することによ
って白色結晶として4'−ペンチロキシアセトフェノン
36.1gを得た(純度99.7%、収率95%)。
【0027】実施例1 4'−ペンチロキシフェニルアセチレンの合成 4'−ペンチロキシアセトフェノン 2.02g(9.
76mmol)、98.4%DFI 2.04g(1
4.75mmol)、トリエチルアミン1.95g(1
9.27mmol)とアセトニトリル10mlを反応容
器に入れ、窒素雰囲気下84℃で16時間反応させた。
反応マスの分析より、原料転化率97%、目的の4'−
ペンチロキシフェニルアセチレン収率は91%で、その
他に6%の1−(4'−ペンチロキシフェニル)−1−
フルオロエテンの副生が見られた。
【0028】比較例1 トリエチルアミンを用いない以外は実施例1と同様に反
応を行った。反応マスの分析より、原料転化率76%、
目的の4'−ペンチロキシフェニルアセチレン収率は5
9%で、その他に17%の1−(4'−ペンチロキシフ
ェニル)−1−フルオロエテンの副生が見られた。
【0029】実施例2 4'−ペンチロキシフェニルアセチレンの合成 4'−ペンチロキシアセトフェノン 1.01g(4.
88mmol)、98.4%DFI 1.02g(7.
37mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.
2]オクタン0.87g(7.37mmol)とアセト
ニトリル10mlを反応容器に入れ、窒素雰囲気下84
℃で8時間反応させた。反応マスの分析より、原料転化
率90%、目的の4'−ペンチロキシフェニルアセチレ
ン収率は76%で、その他に3%の1−(4'−ペンチ
ロキシフェニル)−1−フルオロエテンの副生が見られ
た。
【0030】実施例3 4'−メトキシフェニルアセチレンの合成 4'−メトキシアセトフェノン 1.50g(9.99
mmol)、98.4%DFI 1.59g(11.6
8mmol)、ピリジン1.90g(24.02mmo
l)とアセトニトリル10mlを反応容器に入れ、窒素
雰囲気下84℃で8時間反応させた。反応マスの分析よ
り、原料転化率75%、目的の4'−メトキシフェニル
アセチレン収率は51%で、その他に2%の1−(4'
−メトキシフェニル)−1−フルオロエテンの副生が見
られた。
【0031】
【発明の効果】本発明は、工業的に入手が容易でかつ安
価なアルコキシ置換アセトフェノン類を原料に、アルコ
キシフェニルアセチレン類を一工程で高収率に製造する
新規な方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠本 昌彦 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC25 BA51 BB20 BB21 GP03 4H039 CA20 CG10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1はそれぞれC1〜C12の直鎖もしくは分岐
    のアルキル基を表し、R2、R3、R4、R5は、それぞれ
    水素原子、C1〜C4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、
    ハロゲン原子を表し、同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるアセトフェノン類を、有機塩基存在下に下記
    一般式(2) 【化2】 (式中、R6、R7、R8、R9は、C1〜C6のアルキル
    基又はアリール基を示し、それぞれ同じであっても異な
    っていてもよい。又、式中のR6とR8は結合して5員
    環、もしくは6員環を構成していてもよく、R6、R7
    たはR8、R9が結合していてもよい。)で表される化合
    物と反応させることを特徴とする一般式(3) 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、前記と同じ意味を
    示す。)で表されるアルコキシフェニルアセチレン類の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(2)の化合物が、式(4) 【化4】 で表される2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチル−イ
    ミダゾリジンであることを特徴とする請求項1記載のア
    ルコキシフェニルアセチレン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 有機塩基がトリアルキルアミンであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のアルコキシフェニ
    ルアセチレン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機塩基がトリエチルアミンである請求
    項3記載のアルコキシフェニルアセチレン類の製造方
    法。
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