JP2002274849A - チタン酸リチウム及びその製造方法、並びにその用途 - Google Patents
チタン酸リチウム及びその製造方法、並びにその用途Info
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Abstract
酸リチウムを提供すること、及び該チタン酸リチウムを
用いたリチウム二次電池を提供すること。 【解決手段】 K2O含有量が0.01〜0.40質量%
で、かつP2O5含有量が0.01〜1.00質量%であ
ることを特徴とするLi4Ti5O12を主成分とするチタ
ン酸リチウムを用いて、リチウム二次電池を製造する。
Description
の活物質として有用なチタン酸リチウム及びその製造方
法に関するものである。
酸リチウムは代表的なものにLi4Ti5O12があり、二
次電池の活物質として使用した場合、リチウム基準で
1.5Vの電圧を有し、長寿命であることが特徴であ
る。また、時計用リチウムイオン電池活物質として実績
を持つ材料であり、充放電に際しての膨張・収縮が無視
できるという特徴から、電池の大型化に際して注目され
る電極材料である。この材料は正極としての利用の他、
負極活物質としての利用面も開けており、電池の正極・
負極活物質としてその将来が期待されるものである。
成し、活物質として使用したリチウム二次電池の電池特
性の改良が試みられている。例えば、A.D.Robertson,
Journal of the Electrochemical Society,146(11)3985
-3962(1991)ではFeを含有するLi1+xFe1-3xTi
1+2xO4(0.0≦x≦0.33)が、T.Ohzuku,Journal of th
e Electrochemical Society,147(10)3592-3597(2000)で
はCrを含有するLi[CrTi]O4が提案されてい
る。特開2000−277116では組成がLi4MxT
i5ーxO12(式中MはV、Nb、Mo及びPの少なくと
も1種であり、Xは0<X≦0.45)のものが提案さ
れている。これらはチタン酸リチウム中のTiの一部を
上記金属で置換したチタン酸リチウムである。
置換チタン酸リチウムおよびその製造方法ならびにそれ
を用いてなるリチウム電池として、Li成分の一部が2
以上の原子価を有する金属で置換されていることを特徴
とし、2以上の原子価を有する金属としてはコバルト、
ニッケル、マンガン、バナジウム、鉄、ホウ素、アルミ
ニウム、珪素、ジルコニウム、ストロンチウム、マグネ
シウム及び錫からなる群より選ばれる少なくとも1種の
金属であるチタン酸リチウムが提案されている。
ウムの合成法としては例えば特開2000−30254
7公報に示されているように原料に高純度の酸化チタン
を使用した、不純物の少ないチタン酸リチウムが合成さ
れている。このように第3成分を含有したり、高純度で
あるチタン酸リチウムの合成検討は各種なされている
が、特定量のK2OとP2O5を含有するチタン酸リチウ
ムの二次電池特性に及ぼす影響は未だに報告がなされて
いない。
ウムのリチウム二次電池特性を改良する為に、特定量の
K2O及びP2O5を含有したチタン酸リチウムを合成す
ること、及びその製造方法、並びに該チタン酸リチウム
を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とす
る。
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の方法で製造し
た特定量のK2O及びP2O5を含有するチタン酸リチウ
ムを活物質として使用したリチウム二次電池は、優れた
充放電特性を示すことを見い出し、本発明を完成させ
た。
K2O含有量が0.01〜0.40質量%で、かつP2O
5含有量が0.01〜1.00質量%であり、Li4Ti
5O 12を主成分とすることを特徴とする。
K2O含有量が0.01〜0.50質量%で、かつP2O
5含有量が0.01〜1.20質量%の酸化チタンと、
水溶性のリチウム塩とを、LiとTiとの原子比が4:
5となるように混合する工程と、該混合物を熱処理する
工程とからなることを特徴とする。
用いて電池用正極とすることができる。
として用いて電池用負極とすることもできる。
池用負極を用いてリチウム二次電池を形成することがで
きる。
質とし、金属Liを負極として作製したリチウム二次電
池であって、充・放電試験を行った結果が1.4〜1.
6Vの充・放電電圧及び150mAh/g以上の初期放
電容量を有するリチウム二次電池を形成することができ
る。
2Oを0.01〜0.40質量%かつP2O5を0.01
〜1.00質量%含有する。前記K2O含有量及びP2O
5含有量は、好ましくはK2O含有量が0.04〜0.3
0質量%で、かつP2O5含有量が0.04〜0.75質
量%であり、より好ましくはK2O含有量が0.10〜
0.25質量%で、かつP2O5含有量が0.10〜0.
50質量%である。また主成分がLi4Ti5O12である
ことを特徴とするが、これは例えば、粉末を使用したX
線回折図においてLi4Ti5O12のメインピークである
4.83Åのピーク強度を100とした時に、ルチル型
二酸化チタンのメインピークである3.25Å及びLi
2TiO3の生成を示す2.07Åの各々のピーク強度は
5以下であることが好ましく、より好ましくは3以下で
ある。
代表的には原料を水中で均一に混合する工程、該混合物
を乾燥させて球状粒子を形成する工程及び該球状粒子を
大気中で熱処理する工程を特徴とし、洗浄の工程を含ま
ない為、排水の環境への影響を考慮することなく、目的
物が製造できる。
は、まず、リチウム塩として水酸化リチウム、水酸化リ
チウム・1水和物、酸化リチウム、炭酸水素リチウムま
たは炭酸リチウム等を水と混合または溶解する。この液
にLiとTiの原子比が4:5となる酸化チタンを混合
する。混合液のスラリー濃度は、Li原料が0.48〜
4.8モル/L、酸化チタンが0.60〜6.00モル
/Lであると良い。前記範囲より濃度が高いと均一混合
に強い攪拌力が必要となる。また乾燥時の配管閉塞等の
トラブルの原因となり好ましくない。上記範囲より濃度
が低いと蒸発水分量が増加し、乾燥コストがあがり好ま
しくない。混合液を攪拌しながら乾燥させて球状粒子と
する。前記乾燥させて球状粒子とする方法は、噴霧乾
燥、流動層乾燥、転動造粒乾燥、あるいは凍結乾燥を単
独または組み合わせて使用できる。乾燥物を大気中にお
いて、熱処理する。
0時間であるが、800〜900℃で5〜10時間が好
ましい。700℃未満では酸化チタンとリチウム化合物
の反応が十分でない。1000℃を超えた場合、チタン
酸リチウムの焼結が起こるため、電池特性の悪いものに
なってしまう。
O含有量が0.01〜0.50質量%かつP2O5含有量
が0.01〜1.20質量%の酸化チタンである。前記
K2O含有量及びP2O5含有量は、好ましくはK2O含有
量が0.05〜0.35質量%で、かつP2O5含有量が
0.05〜0.85質量%であり、より好ましくはK2
O含有量が0.10〜0.30質量%で、かつP2O5含
有量が0.10〜0.60質量%である。本製造方法に
おいては、K2O含有量及びP2O5含有量が前記範囲よ
りも少ないと、後述の比較例のように得られたチタン酸
リチウムの二次電池特性が悪くなり好ましくない。ま
た、K2O含有量及びP2O5含有量が前記範囲を超える
とリチウム塩水溶液との混合時に粘度が上昇し、均一混
合に強い撹拌力が必要となる。又、乾燥時の配管閉塞等
のトラブルの原因となり好ましくない。
は含水酸化チタンにK2O及びP2O 5を前記の含有量と
なるように添加した後、焼成、粉砕して製造する。
極活物質として使用し、負極にLi金属を使用したコイ
ン型二次電池を作成し、電池特性評価を行った。本発明
によるチタン酸リチウムは充・放電試験を行った結果が
1.4〜1.6Vの充・放電電圧を満足し、K2O及び
P2O5を含有しないLi4Ti5O12よりも初期放電容量
が大きいことを見い出した。また、本発明のチタン酸リ
チウムを負極活物質として用いる場合、正極にはLiC
oO2、LiNiO2、LiMn2O2、LiFeO2等の
Li含有複合酸化物を用いてリチウムイオン電池が提供
され、その充放電特性の向上に寄与する。
ながら説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
2%濃度で水に溶解した。該溶解液にK2O含有量0.
26質量%、P2O5含有量0.51質量%である酸化チ
タンをLiとTiの原子比が4:5となる量を添加後、
30分以上撹拌する。混合物を110℃で噴霧乾燥す
る。乾燥物を大気中875℃で6時間熱処理し、チタン
酸リチウムを作製した。
線回折、比表面積の測定、及び平均粒径の測定を行っ
た。図1はX線回折図を示す。図1より合成物はLi4
Ti5O 12であることを確認した。得られた試料の比表
面積は2.7m2/gで平均粒径(メジアン径)は2
3.9μmであった。ICP分析による合成物中のK2
O含有量及びP2O5含有量はそれぞれ0.230質量%
及び0.439質量%であった。また、合成物のLi/
Tiモル比は0.80であった。
正極電極合剤を作製した。活物質として得られたチタン
酸リチウム82重量部と、導電助剤としてアセチレンブ
ラック9重量部と、結着剤としてフッ素樹脂9重量部
を、溶剤としてn−メチル−2−ピロリドンを用い混合
した。上記電極合剤をドクターブレード法でアルミ箔へ
乾燥後の厚さが0.01g/cm2となるように塗布し
た。150℃で真空乾燥後、初期電極合剤の厚みに対し
80%にロールプレスした。1cm2の面積で打ち抜き
後、図2に示すコイン電池の正極4とした。
解液はエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの
等容量混合物にLiPF6を1mol/Lで溶解したも
のを、セパレーターはポリプロピレン多孔膜を、それぞ
れ使用した。
流密度0.2mA/cm2の定電流で1.0Vまで放電
し、その後、3.0Vまで充電し、このサイクルを10
回繰り返した。図3は本実施例のチタン酸リチウムを正
極活物質とし、Li金属を負極としたコイン電池の放電
曲線を示す。3サイクル目の放電容量は164mAh/
gで10サイクル目の放電容量は163mAh/gであ
った。
量0.50質量%である酸化チタンを使用した以外は実
施例1と同様の手法で乾燥物をえた。乾燥物を大気中、
800℃で6時間熱処理した。実施例1と同様にX線回
折定性、比表面積及び平均粒径の測定及びK2O、P2O
5とLi/Tiモル比の分析を行った。また、コイン電
池評価も実施例1と同様に行った。X線回折結果は実施
例1と同じで合成物はLi4Ti5O12であることを確認
した。比表面積は2.8m2/gで平均粒径(メジアン
径)は8.7μmであった。合成物中のK2O及びP2O
5量はそれぞれ0.232質量%及び0.432質量%
であった。また、Li/Tiモル比は0.82であっ
た。コイン電池評価の結果3サイクル目の放電容量は1
64mAh/gで、10サイクル目の放電容量は162
mAh/gであった。
量0.13質量%である酸化チタンを使用した以外は実
施例1と同様に合成並びに評価を行った。X線回折結果
より合成物はLi4Ti5O12であることを確認した。比
表面積は2.3m2/gで平均粒径(メジアン径)は2
4.7μmであった。ICP分析による合成物中のK 2
O及びP2O5量はそれぞれ0.170質量%及び0.1
09質量%であった。また、Li/Tiモル比は0.8
3であった。コイン電池評価の結果3サイクル目の放電
容量は160mAh/gで、10サイクル目の放電容量
は158mAh/gであった。
量0.27質量%である酸化チタンを使用した以外は実
施例1と同様に合成並びに評価を行った。X線回折結果
より合成物はLi4Ti5O12であることを確認した。比
表面積は2.2m2/gで平均粒径(メジアン径)は2
0.1μmであった。ICP分析による合成物中のK 2
O及びP2O5量はそれぞれ0.139質量%及び0.2
35質量%であった。また、Li/Tiモル比は0.8
3であった。コイン電池評価の結果3サイクル目の放電
容量は159mAh/gで、10サイクル目の放電容量
は157mAh/gであった。
量0.33質量%である酸化チタンを使用した以外は実
施例1と同様に合成並びに評価を行った。X線回折結果
より合成物はLi4Ti5O12であることを確認した。比
表面積は1.6m2/gで平均粒径(メジアン径)は1
5.1μmであった。ICP分析による合成物中のK 2
O及びP2O5量はそれぞれ0.243質量%及び0.2
84質量%であった。また、Li/Tiモル比は0.8
3であった。コイン電池評価の結果3サイクル目の放電
容量は156mAh/gで、10サイクル目の放電容量
は154mAh/gであった。
含有量0.01質量%未満である酸化チタンを使用した
以外は実施例1と同様に合成並びに評価を行った。X線
回折結果より合成物はLi4Ti5O12であることを確認
した。比表面積は2.2m2/gで平均粒径(メジアン
径)は22.1μmであった。ICP分析による合成物
中のK2O及びP2O5量はいずれも0.001質量%以
下であった。また、Li/Tiモル比は0.83であっ
た。コイン電池評価の結果3サイクル目の放電容量は1
46mAh/gで、10サイクル目の放電容量は136
mAh/gであった。
K2Oを0.01〜0.40質量%かつP2O5を0.0
1〜1.00質量%含有するチタン酸リチウムは、K2
O及びP2O5を含有しないチタン酸リチウムよりも初期
放電容量が大きい。
はK2Oを0.01〜0.40質量%かつP2O5を0.
01〜1.00質量%含有することを特徴とし、前述し
た合成法においてはK2O及びP2O5を含有しないチタ
ン酸リチウムよりも初期放電容量の大きいチタン酸リチ
ウムを得ることができる。
折図である。
用したコイン電池の断面図である。
例1のチタン酸リチウムを正極に使用したコイン電池の
放電曲線を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 K2O含有量が0.01〜0.40質量
%で、かつP2O5含有量が0.01〜1.00質量%で
あり、Li4Ti5O12を主成分とすることを特徴とする
チタン酸リチウム。 - 【請求項2】 K2O含有量が0.01〜0.50質量
%で、かつP2O5含有量が0.01〜1.20質量%の
酸化チタンと、水溶性のリチウム塩とを、LiとTiと
の原子比が4:5となるように混合する工程と、該混合
物を熱処理する工程とからなることを特徴とするチタン
酸リチウムの製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のチタン酸リチウムを正
極活物質として用いた電池用正極。 - 【請求項4】 請求項1に記載のチタン酸リチウムを負
極活物質として用いた電池用負極。 - 【請求項5】 請求項3に記載の電池用正極、又は請求
項4に記載の電池用負極を用いたリチウム二次電池。 - 【請求項6】 請求項1に記載のチタン酸リチウムを正
極活物質とし、金属Liを負極として作製したリチウム
二次電池であって、充・放電試験を行った結果が1.4
〜1.6Vの充・放電電圧及び150mAh/g以上の
初期放電容量を有することを特徴とするリチウム二次電
池。
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