JP2002274290A - ドアジャンクションの給電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドアジャンクションの給電装置にあって、接
点間における接触部位への異物の付着を防止して導通不
良を生じないようにする。 【解決手段】 ドアジャンクションの給電装置１におい
て、フィメール側の接点を構成する板バネ部材１４にあ
って、これに設けた傾斜状自由端部１４ａに対し、メー
ル側の接点１６が該自由端部１４ａを弾性変形させつつ
圧接摺動する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両のドアジャン
クションに設けられ、ドアを閉じたときにドア内部のモ
ータ等へ給電可能とする接点機構を備えたドアジャンク
ションの給電装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば自動車のボディとドア間に
設けられた給電装置は、例えばスライド式のドアでは、
ボディとの間に夫々接点機構を対向配置し、ドアを閉じ
たとき互いの接点が接触してドア内部のドアロック用モ
ータ等への給電を可能にしている。そして、このような
接点機構を有する給電装置は、ドアが閉じられ互いの接
点が接触状態にあるときには、周りをゴム製パッキンに
より封止された構成としている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、ドアを開閉
する間に細かな塵埃等の異物が接点に付着することは避
け難い。また、対向配置された互いの接点の接触部位
は、常に一定位置における接触となる。従って、接触部
位に異物が付着した場合には、その異物は対向する接点
間に介在されたままとなり、導通不良となってモータ等
への給電不良を招くおそれがあった。

【０００４】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、接点の接触部位への異物の
付着防止を図り導通不良をなくすようにしたドアジャン
クションの給電装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のドアジャンクションの給電装置は、ボディ
とドア間に設けられ、該ドアを閉じたときフィメール側
の接点に対向するメール側の接点が接触して給電可能と
するものにおいて、前記フィメール側接点は、一端を固
定し他端を自由端部とする板バネ部材にて形成するとと
もに、その自由端部を傾斜形状とし、この傾斜状自由端
部に前記メール側接点が弾性的に圧接摺動する構成とし
たことを特徴とする（請求項１の発明）。

【０００６】斯かる構成によれば、一方の接点を構成す
る板バネ部材の傾斜状自由端部に対し、これを弾性変形
させつつ接触する他方の接点は、圧接した状態のもとに
摺動する。これにより、いずれか一方の接点の接触部位
に異物が付着しようとしても、その異物は摺動する接触
部位から排斥されるように除去され、そのまま付着する
ことはなく簡単な接点機構にて導通不良を確実に防止で
きる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車のスライド
式のドアジャンクションに適用した一実施例につき、図
１ないし図３を参照して説明する。図１は、車両のボデ
ィ２に対しドア３（いずれも一点鎖線で示す）が開放状
態における給電装置１を示した断面図、図２は同じくド
ア３が閉じた状態を示した断面図で、また図３は要部の
拡大図である。

【０００８】まず図１に基づき説明すると、当該給電装
置１は、例えばボディ２側に設けられたフィメールジャ
ンクション４と、ドア３側に設けられたメールジャンク
ション５とから構成される。具体的には、まずフィメー
ルジャンクション４は、中空筒状のケース６を一端がボ
ディ２から外部に臨ませて設け、このケース６内の中空
方向に沿って弾性体としての圧縮コイルスプリング７を
挟持圧縮した状態に、左右に端板８，９を配した構成と
している。

【０００９】このうちの内方側（図示左側）に位置する
端板８は、中央部に透孔１０と上記コイルスプリング７
を保持する座部１１を有する形状をなして固定されてお
り、これに対し外方側（図示右側）の端板９は、対向位
置に同様の座部１２を有するとともに外面側の中央部位
に突部１３を設けた形状としている。しかも、この端板
９はケース６内において、コイルスプリング７を圧縮す
る方向にスライド可能に配設され、また、これら端板
８，９は絶縁材料にて成形されている。

【００１０】加えて、外方側の端板９には、フィメール
側接点として弾力性を有する板バネ部材１４がカシメ手
段など適宜の手段にて固定され、且つ本実施例では該端
板９を貫通して内外に延出され、そのうちの内方端には
コード線１５が接続されるとともに、内方側の端板８の
透孔１０を経て導出され図示しないバッテリー側電源に
接続される。これに対し、端板９から外方に延出された
板バネ部材１４は、直線状に延出された後に前記突部１
３を覆うように曲成され、斜め前方（外方）に向って傾
斜する自由端部１４ａを形成している。従って、斯かる
自由端部１４ａは、詳細は後述するが弾性変形に富み、
内方に位置する突部１３に当接するまで撓み変形可能な
形態を得る。このように、フィメールジャンクション４
では、フィメール側接点として板バネ部材１４を用い
て、特に弾性変形容易な傾斜形状をなす自由端部１４ａ
を備えた構成にある。

【００１１】一方、このようなフィメールジャンクショ
ン４と対向しドア３に設けられたメールジャンクション
５にあっては、軸状の剛性を有する接点１６を備えた構
成にある。即ち、この軸状の接点１６は、ドア３に固定
された絶縁材料からなる支持体１７を貫通して装着さ
れ、内方側の一端には図示しないモータ等に繋がるコー
ド線１８が接続され、他端は球面状の頭部１６ａを前面
（外方）に突出させている。しかるに、この頭部１６ａ
は前記フィメール側の板バネ部材１４の傾斜状自由端部
１４ａと対峙する位置関係に配設される。

【００１２】そして、上記支持体１７は、接点１６を挿
通する部位をボス部１７ａとして突出しているが、その
ボス部１７ａ周囲の段差区域にゴム等の緩衝体１９を貼
着しており、この緩衝体１９は前記フィメール側のケー
ス６の外端面と対峙する位置関係にある。以って、メー
ルジャンクション５が構成される。

【００１３】次に、上記構成の給電装置１の作用につい
て、図２，３も参照して述べる。図１に示す開放状態に
あるドア３を閉じる場合には、図１中に示す矢視方向に
スライド移動させる。すると、まずメール側の接点１６
の頭部１６ａが、フィメール側の接点たる板バネ部材１
４の傾斜状自由端部１４ａに接触し、更にこれを撓ませ
（弾性変形）ながら圧接状態に至る。しかるに、この自
由端部１４ａが突部１３に衝止されるまで弾性変形され
ると、それ以上の圧接力および変位は端板９がコイルス
プリング７の弾力に抗してケース６内方をスライド移動
することにより回避される。

【００１４】また、接点１６の周囲の緩衝体１９は、ケ
ース６の外端面との当接を緩衝するとともに、圧接する
ことで内部を遮蔽状態に保つ。斯くして、ドア３が完全
に閉じられ、給電装置１は図２に示すように板バネ部材
１４と軸状の接点１６とは圧接状態のもとに電気的に導
通し、給電可能な状態を得る。

【００１５】ところで、上記したように弾性変形する板
バネ部材１４の自由端部１４ａは、図１に示す斜め前方
の傾斜状態（ドア開）から、図２の斜め後方の傾斜状態
（ドア閉）へと大きく変位する。図３は、その自由端部
１４ａの矢視方向への変位を拡大して示したもので、該
図面を参照して述べると、メール側の接点１６の頭部１
６ａが実線で示す前方傾斜状態における自由端部１４ａ
と接触する接触始点Ａに対し、二点鎖線で示す後方傾斜
状態における接触終点Ｂとは、図示するように位置がず
れる。即ち、接触始点Ａから同終点Ｂまでの間、頭部１
６ａが傾斜する自由端部１４ａ上を摺動するもので、且
つ圧接状態のまま摺動するので導通状態は終始維持され
る。

【００１６】斯くして、上記実施例によれば次の効果を
有する。ドア３の開閉に伴うドアジャンクションの給電
装置１にあって、フィメール側の接点を構成する板バネ
部材１４には傾斜状の自由端部１４ａを設けて、該自由
端部１４ａを弾性変形させつつメール側の軸状の剛性を
有するメール側接点１６が接触するようにした。即ち、
自由端部１４ａ上を、接点１６が圧接摺動する構成とし
た。

【００１７】従って、板バネ部材１４と接点１６との接
触部位に異物が付着しようとしても、その異物は摺動す
る接触部位から排斥されるとともに、常に圧接状態に維
持される。これにより、接触部位に異物が付着すること
はなく、また板バネ部材１４による比較的簡単な接点構
成でありながら導通不良を確実に防止することができる
などの実用的効果を奏する。また、板バネ部材１４に必
要以上の圧接力が作用しても、該板バネ部材１４を備え
た端板９が弾性的にスライド移動し、無理な力や変位に
対して回避することができるので、接点としての板バネ
部材１４は長期使用にも十分耐え得る。更には、ドア３
を閉じたときの衝撃を緩衝する緩衝体１９により、内部
の導通状態を隠蔽することで異物の混入を阻止する封止
効果も有する。

【００１８】尚、フィメールおよびメールジャンクショ
ン４および５は、ボディ２またはドア３のいずれに設け
ても良いし、その他、スライド可能な端板９に固定した
板バネ部材１４の装着手段など、本発明は実施に際して
具体的に種々変更可能である。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、本
発明のドアジャンクションの給電装置によれば、フィメ
ール側の接点を構成する板バネ部材にあって、これに設
けた傾斜状自由端部に対し、メール側の接点が該自由端
部を弾性変形させつつ圧接摺動する構成とした。これに
より、接点の接触部位に異物が付着しようとしても、そ
の異物は摺動する接触部位から排斥されるように除去さ
れ、そのまま付着することがなく、以って導通不良とな
ることを確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すドアが開放状態におけ
る給電装置の断面図

【図２】ドアが閉じた状態における給電装置の断面図

【図３】要部の拡大図

【符号の説明】

１は給電装置、６はケース、７はコイルスプリング（弾
性体）、１４は板バネ部材（フィメール側接点）、１４
ａは自由端部、および１６は接点（メール側接点）を示
す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０２Ｇ 3/38 Ｈ０１Ｈ 13/18 Ａ // Ｈ０１Ｈ 13/18 Ｈ０２Ｇ 3/28 Ｆ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボディとドア間に設けられ、該ドアを閉
   じたときフィメール側の接点に対向するメール側の接点
   が接触して給電可能とするものにおいて、 前記フィメール側接点は、一端を固定し他端を自由端部
   とする板バネ部材にて形成するとともに、その自由端部
   を傾斜形状とし、この傾斜状自由端部に前記メール側接
   点が弾性的に圧接摺動する構成としたことを特徴とする
   ドアジャンクションの給電装置。