JP2002273880A - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents
インクジェット式記録ヘッドInfo
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Abstract
収容空部23の先端側開口に臨ませた状態で、固定板1
3をケース16の固定板接合壁部46に接合すると共に
自由端部22の先端を島部24に接合して、振動子ユニ
ット15を収容空部23内に取り付ける。固定板接合壁
部46には逃げ凹部44を設けて非接着領域を形成し、
固定板13と固定板接合壁部46とを固定板接合壁部4
6における流路ユニット17側の領域内で接合する。
Description
タ等の記録装置に好適に用いられるインクジェット式記
録ヘッドに関し、特に、振動子ユニットを収容可能な樹
脂製ケース及びケース先端に接合される流路ユニットを
備えたものに関する。
下、単に記録ヘッドと称する。)には、圧電振動子群を
固定板に接合した振動子ユニットと、この振動子ユニッ
トを収納可能な収容空部を形成した樹脂製のケースと、
このケース先端部に接合される流路ユニットとを備えた
構成を採るものがある。
ズル開口を列状に開設したノズルプレートと、共通イン
ク室から圧力室を経てノズル開口に連通するインク流路
を形成した流路形成基板と、圧力室や共通インク室の一
方の開口を封止する弾性板とを備え、これらの各部材を
積層状態で一体化することにより作製されている。そし
て、流路形成基板は、シリコンウェハーをエッチング処
理することに作製されており、この流路形成基板の一方
の表面にステンレス鋼(SUS)製のノズルプレートが
接合され、他方の表面に弾性板が接合される。この弾性
板は、例えば、ステンレス鋼製の支持板に樹脂製フィル
ムをラミネートし、ステンレス層を部分的に除去した複
合板材により構成される。
部の先端側開口を通じてケースの外部に露出しており、
先端面が弾性板の島部に接合されている。そして、この
自由端部の伸縮によって弾性板を変形させることで圧力
室の容積を可変する。また、この振動子ユニットの固定
板は、ステンレス鋼によって作製されており、樹脂製ケ
ースの内壁面に接着によって接合されている。
記録ヘッドは、非常に高い湿度環境下に長時間に亘って
曝されるとケースが膨潤してしまう。例えば、図15に
示すように、ケース1を構成する樹脂の吸湿に伴ってケ
ース1が全体的に膨潤してしまう。また、図16に示す
ように、ケース1の先端面には流路ユニット2を接合し
てあるが、この流路ユニット2は、流路形成基板がシリ
コン製であり、ノズルプレートがステンレス鋼製である
ことから、吸湿に伴う膨潤は生じない。このため、上記
のケース1は、先端側については流路ユニット2により
拘束されて変形量が少なくなり、流路ユニット2から遠
ざかるにつれて変形量が多くなる。従って、ケース1の
基端側(つまり、流路ユニット2とは反対側となる取付
面側)については大きく変形する。
ンレス鋼等の金属で作製されているため、吸湿に伴う膨
潤は生じない。このため、互いに接着された固定板6と
ケース1は、吸湿に伴ってバイメタル現象と同じような
動きをし、ケース1の外側に向けて凸状に湾曲してしま
う。
界面や樹脂フイルム部5と島部4との接着界面に対して
機械的なストレスがかかってしまう。即ち、固定板6が
ケース1と共にケース1の外側に倒れ、これに伴い圧電
振動子3も倒れてしまうため、接着界面には機械的なス
トレスがかかってしまう。そして、この機械的なストレ
スが過度になると接着界面が剥離し、記録ヘッドの故障
を招く虞がある。
たものであり、圧電振動子の接続信頼性を向上させるこ
とを目的とする。
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、複数の圧電振動子及びこれらの圧電振動子を支
持する固定板を有し、振動子の自由端部を固定板の先端
縁よりも外側に突出させた状態で振動子の固定端部を固
定板上に接合した振動子ユニットと、該振動子ユニット
を収容可能であって先端面から取付面側に向けて一連に
形成された収容空部を有する樹脂製のケースと、ケース
の先端面に接合され、振動子の自由端部先端が接合され
る振動子接合部を有する流路ユニットとを備えたインク
ジェット式記録ヘッドにおいて、振動子の自由端部の先
端を収容空部の先端側開口に臨ませた状態で振動子ユニ
ットを収容空部内に配置し、該配置状態で固定板とケー
スの固定板接合壁部とをケースにおける先端側領域内で
接合すると共に、自由端部の先端を振動子接合部に接合
したことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドであ
る。なお、「ケースにおける先端側領域」とは、ケース
の先端側の領域であって、振動子の固定端部と固定板の
接合領域に対応する領域が少なくとも含まれる。
定板接合壁部とを、振動子の固定端部と固定板との接合
領域に対応する領域で接合したことを特徴とする請求項
1に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
固定板と固定板接合壁部との接着領域よりも大きい形状
に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
のインクジェット式記録ヘッドである。
壁部を凹状に窪ませることにより、固定板との非接着領
域を形成したことを特徴とする請求項3に記載のインク
ジェット式記録ヘッドである。
壁部における固定板との接合基端から側方に向けて床板
部材を延設し、該床板部材の外側縁部からケースの取付
面側に向けて起立壁部を形成したことを特徴とする請求
項3に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
基端にフランジ部を形成し、該フランジ部にキャリッジ
部材と当接する位置決め部を形成したことを特徴とする
請求項5に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
起立壁部とによって区画される空部の開口面積を、ケー
スの取付面側に配置される回路基板の面積よりも大きく
したことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のイ
ンクジェット式記録ヘッドである。
起立壁部との境界部分に、インクを保持可能なインク保
持溝を設けたことを特徴とする請求項5から請求項7の
何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
子及びこれらの圧電振動子を支持する固定板を有し、振
動子の自由端部を固定板の先端縁よりも外側に突出させ
た状態で振動子の固定端部を固定板上に接合した振動子
ユニットと、該振動子ユニットを収容可能であって先端
面から取付面側に向けて一連に形成された収容空部を有
する樹脂製のケースと、ケースの先端面に接合され、振
動子の自由端部先端が接合される振動子接合部を有する
流路ユニットとを備えたインクジェット式記録ヘッドに
おいて、振動子の自由端部の先端を収容空部の先端側開
口に臨ませた状態で、固定板をケースの固定板接合壁部
に接合すると共に自由端部の先端を振動子接合部に接合
して、前記振動子ユニットを収容空部内に取り付け、固
定板接合壁部の固定板接合面とは反対側の面には補強板
を固定したことを特徴とするインクジェット式記録ヘッ
ドである。
流路ユニット側の縁部がケース先端面よりも取付面側に
位置するように配置されていることを特徴とする請求項
9に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
流路ユニット側の縁部が固定板の先端縁よりも取付面側
に位置するように、補強板を配置したことを特徴とする
請求項10に記載のインクジェット式記録ヘッドであ
る。
固定板よりもヤング率の高い材料によって構成したこと
を特徴とする請求項9から請求項11の何れかに記載の
インクジェット式記録ヘッドである。
固定板と同じ材質の板材によって構成したことを特徴と
する請求項9から請求項11の何れかに記載のインクジ
ェット式記録ヘッドである。
金属によって作製したことを特徴とする請求項9から請
求項13の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド
である。
テンレス鋼であることを特徴とする請求項14に記載の
インクジェット式記録ヘッドである。
厚さを固定板の厚さに揃えたことを特徴とする請求項1
3から請求項15の何れかに記載のインクジェット式記
録ヘッドである。
固定板接合壁部とを、ケースにおける先端側領域内で接
合したことを特徴とする請求項9から請求項16の何れ
かに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
熱硬化性樹脂によって作成したことを特徴とする請求項
1から請求項17の何れかに記載のインクジェット式記
録ヘッドである。
に基づいて説明する。まず、記録ヘッドの全体構成につ
いて説明する。
1は、圧電振動子群12、固定板13、及び、フレキシ
ブルケーブル14等をユニット化した振動子ユニット1
5と、この振動子ユニット15を収納可能なケース16
と、ケース16の先端面に接合される流路ユニット17
とを備える。
る。図3に示すように、圧電振動子群12を構成する圧
電振動子20は、縦方向に細長い櫛歯状に形成されてお
り、例えば50μm〜100μm程度の極めて細い幅に
切り分けられている。そして、縦方向に伸縮可能な縦振
動型の圧電振動子として構成されている。各圧電振動子
20…は、固定端部21を固定板13上に接合すること
により、自由端部22を固定板13の先端縁よりも外側
に突出させている。即ち、圧電振動子20は、所謂片持
ち梁の状態で固定板13上に支持されている。また、固
定端部21は固定板13の長さよりも短い長さに設けら
れ、固定板13の前側部分(先端側部分)に接合されて
いる。言い換えると、固定板13の後側部分は固定端部
21の後端よりも後方まで設けられている。なお、各圧
電振動子20…における自由端部22の先端は、図6に
示すように、それぞれ流路ユニット17の島部24(本
発明の振動子接合部の一種)に接合されている。
とは反対側となる固定端部21の側面で圧電振動子20
と電気的に接続されている。また、各圧電振動子20…
を支持する固定板13は、圧電振動子20からの反力を
受け止め得る剛性を備えた板状部材、好ましくは金属製
の板材によって構成される。本実施形態では、厚さが1
mm程度のステンレス鋼板によって作製され、固定板1
3と後述する固定板接合壁部46との接着領域よりも大
きい形状に設けられている。そして、図8に示すよう
に、固定板13の長さは、振動子ユニット15を取り付
けた際に、後端面が収容空部23の基端側開口23A
(後述する。)の近傍に位置する程度の長さに設定され
ている。これにより、この固定板13を振動子ユニット
15の取り付け時における治具用の保持部に使用するこ
とができるし、放熱効果を高めることもできる。
る。図4及び図5に示すように、流路ユニット17は、
ノズルプレート25、流路形成基板26、及び弾性板2
7から構成され、ノズルプレート25を流路形成基板2
6の一方の表面に、弾性板27をノズルプレート25と
は反対側となる流路形成基板26の他方の表面にそれぞ
れ配置して積層し、接着等により一体化することで構成
されている。
対応したピッチで複数のノズル開口28…を列状に開設
したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態
では、例えば、180個のノズル開口28…を列状に開
設し、これらのノズル開口28…によってノズル列を構
成している。そして、このノズル列を横並びに2列設け
ている。
(図8参照)、インク供給口32、及び圧力室33から
なるインク流路が形成された板状部材である。具体的に
は、この流路形成基板26は、各ノズル開口28…に対
応させて圧力室33となる空部を隔壁で区画した状態で
複数形成すると共に、インク供給口32および共通イン
ク室31となる空部を形成した板状の部材である。そし
て、本実施形態の流路形成基板26は、シリコンウェハ
ーをエッチング処理することで作製されている。上記の
圧力室33は、ノズル開口28…の列設方向(ノズル列
方向)に対して直交する方向に細長い室として形成さ
れ、インク供給口32は、圧力室33と共通インク室3
1との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成され
ている。また、共通インク室31は、インクカートリッ
ジ(図示せず)に貯留されたインクを各圧力室33…に
供給するための室であり、インク供給口32を通じて対
応する各圧力室33に連通している。
支持板34上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)
等の樹脂フィルム35をラミネート加工した二重構造の
複合板材であり、圧力室33の一方の開口面を封止する
ダイヤフラム部として機能すると共に、共通インク室3
1の一方の開口面を封止するコンプライアンス部として
も機能する。そして、図6に示すように、ダイヤフラム
部として機能する部分、すなわち圧力室33に対応した
部分の支持板34にエッチング加工を施し、当該部分を
環状に除去して圧電振動子20の自由端部22の先端を
接合するための島部24を形成する。この島部24は、
圧力室33の平面形状と同様に、ノズル開口28の列設
方向と直交する方向に細長いブロック状であり、この島
部24の周りの樹脂フィルム35が弾性体膜として機能
する。また、コンプライアンス部として機能する部分、
すなわち共通インク室31に対応する部分については、
支持板34の部分をエッチング加工で除去して樹脂フィ
ルム35だけにする。
では、島部24を設けてこの島部24に圧電振動子20
の自由端部22を接着するようにしたが、樹脂フィルム
35の表面に自由端部22を直接接着するようにしても
よい。この場合には、樹脂フィルム35における自由端
部22との接着部が本発明の振動子接合部となる。ま
た、圧電振動子20と島部24との接合には、簡便であ
ることから接着が好適に用いられるがこれに限定される
ものではなく、ロウ付け(例えば半田付け)であっても
よい。
〜図9に示すように、ケース16は、ブロック状のケー
ス本体40と、このケース本体40の基端部から側方に
延出されたフランジ部41とから概略構成された樹脂製
の部材である。ケース16を構成する樹脂としては、成
型性が良く高い寸法精度が得られ、必要な剛性も得られ
るという観点から熱硬化性樹脂が好適に用いられる。本
実施形態では、エポキシ樹脂によって作製している。
ランジ部41側、つまり、取付面側から見て略長方形状
に形成してある。このケース本体40には、振動子ユニ
ット15を収容可能な収容空部23を設ける。この収容
空部23は、流路ユニット17側となるケース本体40
の先端面(即ち、ケース16の先端面)から、この先端
面とは反対側の取付面に亘って一連に形成してある。つ
まり、収容空部23は、先端側開口23Bから基端側開
口23Aに亘ってケース16の高さ方向を貫通する貫通
開口部として形成されている。そして、この収容空部2
3は、振動子ユニット15毎に設けられる。例えば、本
実施形態の記録ヘッド11は、2列のノズル列を有し、
各ノズル列に1つの振動子ユニット15が設けられてい
るので、収容空部23を2つ横並びに設けている。即
ち、ケース本体40の短辺方向の中心線CLを挟んで左
右対称の位置に収容空部23を1つずつ形成している。
挿入される第1収容空部42と、固定板13が挿入され
る第2収容空部43と、該第2収容空部43に挿入され
た固定板13の背面部に非接着領域を形成するための逃
げ凹部44とからなる一連の空部である。
取付面の長辺方向に長く短辺方向に短い扁平な矩形状の
開口を有し、ケース16の先端面から取付面に亘ってケ
ース16の高さ方向に沿って一連に形成してある。そし
て、第1収容空部42の開口長さ(長辺方向の長さ)
は、圧電振動子群12における振動子列設方向の長さよ
りも少し長く設定されており、開口幅(短辺方向の長
さ)は、圧電振動子20の厚さの2倍程度に設定されて
いる。
向に長く、短辺方向に短い矩形状の開口形状を有し、ケ
ース16の先端面よりも少し奥側(取付面側)の位置か
ら取付面まで一連に形成されている。即ち、この第2収
容空部43の底面43aは、ケース16の先端面から圧
電振動子20の自由長(自由端部22の長さ)よりも少
し短い長さだけ取付面側の位置に設けられている。そし
て、第2収容空部43の開口長さは、固定板13の幅と
大体同じ長さに設定され、第1収容空部42の開口長さ
よりも少し長い。また、第2収容空部43の開口幅は、
固定板13の厚さと略等しい幅、詳しくは、固定板13
の厚さよりも僅かに狭く設定されている。
2の外側、つまり、上記の中心線CLから離隔する側
に、第1収容空部42と連通した状態で設けられてい
る。そして、第1収容空部42とは反対側の第2収容空
部43の壁面は、後述するように振動子ユニット15の
固定板13が接着される接着面(固定板接合面の一種)
となる。従って、ケース本体40において、この壁面よ
りも外側に位置する部分、つまり、図7に二点鎖線のハ
ッチングで示す部分が、固定板接合壁部46として機能
する。また、第2収容空部43と第1収容空部42とに
関し、開口部の長手方向の中心同士が揃えられているの
で、第2収容空部43の開口長手方向の両端部はそれぞ
れ、第1収容空部42の両端よりも突出している。換言
すると、第2収容空部43の左右両端部は、ケース16
の中空部内面に溝として成型される。
長く、短辺方向に短い矩形状の開口形状を有し、第2収
容空部43の底面43aよりも少し後側の位置から取付
面まで一連に形成されている。即ち、この逃げ凹部44
の底面44aは、第2収容空部43の底面43aよりも
少し取付面側であって、ケース16の高さ方向の長さの
半分から先端側の範囲内に位置する。そして、逃げ凹部
44の開口長さは、第2収容空部43の開口長さよりも
少し短く設定されており、本実施形態では第1収容空部
42の開口長さとほぼ同じである。また、逃げ凹部44
の開口幅は、固定板13の接着面との間に十分な隙間を
形成し得る幅に設定され、本実施形態では第2収容空部
43の開口幅とほぼ同じである。
外側(中心線CLから離隔する側)に、第2収容空部4
3と連通した状態で設けられている。言い換えると、固
定板接合壁部46の表面の大部分を厚さ方向に凹状に窪
ませる或いは後退させることによって作製されている。
このため、ケース内壁の逃げ凹部44が設けられた領域
は、固定板13と離隔して非接着面となる。従って、ケ
ース内壁(固定板接合壁部46)における固定板13と
の接着面(第1接着面)は、非接着領域を除いた領域と
なる。即ち、図7及び図9に符号S1で示す側縁領域
と、符号S2で示す先端側領域(流路ユニット17側の
領域)とが固定板13との接着面となる。
として設定され、本実施形態では0.5mm程度の幅に
設定されている。また、先端側領域S2は、図8に示す
ように、第2収容空部43の底面43aと逃げ凹部44
の底面44aとの段差により形成される段差壁面であ
り、本実施形態では2〜3mm程度の高さに設定されて
いる。そして、この先端側領域S2は、振動子ユニット
15における圧電振動子20の固定端部21と固定板1
3との接合領域に対応する領域、詳しくは、高さ方向に
ついて、固定端部21と固定板13との接合領域が含ま
れる領域に設けられる。即ち、この先端側領域S2は、
圧電振動子20の運動に伴う反力を受けるのに最低限必
要な位置及び面積に設定されている。
S1,S2に加えて、第2収容空部43の底面43aも
固定板13の接着領域(先端面領域S3)として機能す
る。つまり、固定板13の先端面をケース本体40の内
壁に接合している。なお、底面43aと固定板13の先
端面との隙間は、例えば、0.04mmに設定されてお
り、注入された接着剤を流動させるための毛細管力が得
られる大きさに設定している。
ニット15を取り付けるには、まず、圧電振動子20の
自由端部22の先端面に接着剤を薄く塗布する。接着剤
を塗布したならば、固定板13を治具によって保持し、
この自由端部22を先頭にした姿勢で振動子ユニット1
5を収容空部23の基端側開口23Aから挿入する。そ
して、自由端部22の先端を収容空部23の先端側開口
23Bに臨ませ、対応する島部24の表面に当接させた
状態で位置決めする。この状態で、固定板13とケース
内壁との間の接着領域S1,S2,S3を接着剤で満た
す。例えば、ケース16の取付面側から側縁領域S1に
対して流動性を有する接着剤を注入し、毛細管現象を利
用することにより、注入した接着剤を側縁領域S1、先
端側領域S2、及び、先端面領域S3内に満たす。各接
着領域を接着剤で満たしたならば、自由端部22の先端
の接着剤、及び、接着領域の接着剤を硬化させる。例え
ば、所定温度まで加熱した状態で適当な時間放置する。
これにより、固定板13とケース内壁(固定板接合壁部
46)とが接着されると共に、自由端部22の先端が島
部24に接着される。
S3も固定板13用の接着領域として使用すると、圧電
振動子20の伸縮変形に伴う反力が流路ユニット17か
らケース本体40に伝わっても、この反力を固定板13
によって受け止めることができる。このため、圧電振動
子20の伸縮変形に伴う記録ヘッド11の振動を、固定
板13の先端面をケース本体40から離隔させて配置し
た場合よりも、小さく抑えることができる。
固定板接着面に対応する位置、即ち、上記した固定板接
合壁部46における固定板接着面とは反対側の面には、
補強板45を固定してある。図8に示すように、本実施
形態における補強板45は、固定板13と圧電振動子2
0の固定端部21との接合領域に対応する領域からケー
ス16の取付面側に亘って配置されている。また、補強
板45は、流路ユニット17側の縁部が、ケース16の
先端面よりも取付面側に位置するように配置される。具
体的には、補強板45における流路ユニット17側の縁
部を、固定板13の先端縁よりも取付面側に配置してい
る。また、補強板45の幅は、図7に示すように、固定
板接合壁部46を覆うことができる程度に十分に広い。
の膨潤を規制する膨潤規制部材であり、吸湿したケース
16が側方(外側)に膨潤するのを防止する。このた
め、補強板45には、ケース16を構成する樹脂よりも
吸湿による膨潤が生じ難い板材が用いられる。また、こ
の補強板45は、固定板13とケース内壁との接着領域
に対応する領域に配置されている。そして、補強板45
の剛性に関し、ケース16の膨潤を規制するという観点
からすれば、固定板13と同じか固定板13よりも高い
ことが望ましい。
膨潤が生じず、剛性が高く加工が容易である金属製の板
材が好適に用いられる。本実施形態では、固定板13と
同じ材質の板材であるステンレス鋼板を用いており、補
強板45の厚さを固定板13の厚さと同じ厚さに揃えて
いる。このように、補強板45と固定板13に同じ材質
の板材を使用すると、補強板45と固定板13の材料特
性が揃うので、設計の容易化が図れる。また、補強板4
5を金属で作製すると、記録ヘッド11の熱を外部に効
率よく放出することができる。
性の高い(つまり、ヤング率の高い)材料によって構成
すると、補強板45を薄く構成することができるので、
記録ヘッド11の小型化が図れるという点で有利であ
る。
に対して接着によって固定されているが、補強板45の
固定は、ケース本体40に固定できれば任意の固定方法
を採ることができる。例えば、カシメによって固定して
も良いし、ケース本体40に設けた保持溝に保持させて
もよい。或いは、補強板45をケース本体40内、つま
り固定板接合壁部46内にインサート成型してもよい。
そして、接着によって固定した場合には、固定板13の
接着剤を固化させる工程で補強板45の接着剤を固化さ
せることができるので、工程の簡略化が図れる。
1の作用、具体的には、非常に高い湿度環境下に長時間
に亘って曝された際の作用について説明する。
るが、固定板接合壁部46に逃げ凹部44を設けて、固
定板13と固定板接合壁部46との接着を、主に固定板
接合壁部46における先端側領域(流路ユニット17側
の領域)S2内、つまり、ケース16の高さ方向におけ
る下半の領域内で行うようにしたので、流路ユニット1
7から離隔した上半の領域内(基端側領域内)では、固
定板13の両側縁領域S1以外の領域について、固定板
13と固定板接合壁部46との機械的な縁が切られてい
る。このため、基端側領域においてケース16が側方に
膨張しても、固定板13が側方に倒れ込むのを防止でき
る。従って、圧電振動子20と島部24との接着界面が
剥離してしまう不具合を防止できる。その結果、圧電振
動子20の接続信頼性を向上させることができる。
5における圧電振動子20の固定端部21と固定板13
との接合領域に対応する領域に設けられているので、圧
電振動子20の運動に伴う反力を受けるのに最低限必要
な領域が確保できる。このため、インク滴の吐出特性を
損なわずに、圧電振動子20の接続信頼性を向上させる
ことができる。
8に点線で示すように、振動子ユニット15の固定板1
3と補強板45とによってケース16の固定板接合壁部
46を両側から押さえ込むことができ、固定板13と補
強板45とで挟まれている部分の側方への膨潤を規制で
きる。これにより、ケース16の基端側部分は側方に拡
がらず、振動子ユニット15の固定板13が側方に倒れ
込んでしまうことを確実に防止できる。従って、振動子
ユニット15の倒れ込みに起因する圧電振動子20と島
部24の接着界面への機械的ストレスや、樹脂フィルム
35部と島部24との接着界面への機械的なストレスを
防止することができ、これらの接着界面が剥離してしま
う不具合を防止できる。その結果、圧電振動子20の接
続信頼性を向上させることができる。また、固定板13
及び補強板45は何れも、湿気を透さない金属製(ステ
ンレス鋼製)であるので、固定板接合壁部46を吸湿し
難くすることもできる。
板45の流路ユニット17側の縁部がケース16の先端
面から少し取付面側に離れた場所に配置されているの
で、この部分は補強板45や固定板13による拘束を受
けない。このため、ケース16の先端部分については、
図中点線で示すように、膨潤による側方への膨出が許容
される。しかし、この膨出部分は、固定板13とケース
内壁(固定板接合壁部46)との接着領域の先端側寄り
であるので、膨潤しても振動子ユニット15の傾きに与
える影響は少ない。そして、当該部分を側方に膨出させ
ることで、ケース16の高さ方向についての流路ユニッ
ト17と振動子ユニット15の位置関係を、ケース16
の膨潤後においても膨潤前の状態に維持できる。このた
め、ケース16の膨潤により、流路ユニット17と振動
子ユニット15とがケース16の高さ方向に離隔してし
まう不具合を確実に防止することもできる。この点で
も、圧電振動子20の接続信頼性を向上させることがで
きる。このように、補強板45における流路ユニット1
7側の縁部を、固定板13の流路ユニット17側の縁部
よりも多少流路ユニット17から遠い側に位置させるこ
とで、上記の効果を一層高められることが確認されてい
る。
示す位置まで延設し、補強板45の縁部と固定板13の
縁部の高さ方向の位置を揃え、補強板45によって固定
板接合壁部46との接着領域に対応する領域を覆うよう
にしてもよい。
40の側面を囲繞してもよい。この構成では、ケース1
6の側方への膨潤をより確実に防止できる。
設けずに逃げ凹部44のみを設ける構成を採ってもよ
い。このように、逃げ凹部44を設けて固定板13と固
定板接合壁部46とを固定板接合壁部46における流路
ユニット17側の領域内で接合すると、上記したよう
に、流路ユニット17から離隔した基端側領域において
は固定板13と固定板接合壁部46の対向面の機械的な
縁を切ることができる。このため、点線で示すように、
ケース16が側方に膨張しても固定板13が側方に倒れ
込むのを防止でき、振動子ユニット15の倒れ込みに起
因する圧電振動子20と島部24との接着界面への機械
的ストレスを防止できる。
定板接合壁部46に逃げ凹部44を設けることにより、
固定板13の下半部分と固定板接合壁部46の下半部分
とを接合するようにしたものを例示したが、本発明は、
この構成に限定されるものではない。例えば、固定板接
合壁部における固定板との接合基端から側方に向けて床
板部材を延設すると共に、この床板部材の外側縁部から
ケースの基端側に向けて起立壁部を形成することにより
非接着領域を形成し、固定板と固定板接合壁部とを下半
部分で接合するようにしてもよい。以下、このように構
成した第2実施形態について説明する。
実施形態の記録ヘッド50は、振動子ユニット15と、
この振動子ユニット15を収納可能なケース51と、ケ
ース51の先端面に接合される流路ユニット17とを備
える。本実施形態の記録ヘッド50において、上記した
第1実施形態との相違は、主にケース51の形状にあ
る。以下、この相違点を中心に説明する。なお、この第
2実施形態において、上記した第1実施形態と同一の部
材には、同一符号を付してその説明を省略する。
ス本体52とフランジ部53とから概略構成された樹脂
製の部材であり、本実施形態では、熱硬化性樹脂の一種
であるエポキシ樹脂によって作製している。ケース本体
52は、収容空部54を開設した先端側部分55と、取
付面で開放した箱状の基端側部分56とから構成されて
いる。また、フランジ部53は、基端側部分56の取付
面側の端部(後述する起立壁部65の基端部)から側方
に向けて延出されている。そして、このフランジ部53
の下面(即ち、流路ユニット17側の面)には、キャリ
ッジ部材57と当接する位置決め突起58を形成してい
る。この位置決め突起58は、本発明の位置決め部とし
て機能するものであり、例えば、扁平な円形突起によっ
て構成される。このように、フランジ部53に位置決め
突起58を設け、この位置決め突起58をキャリッジ部
材57に当接させるようにすると、一側のフランジ部5
3から反対側のフランジ部53までの距離を長く設定す
ることができ、記録ヘッド50をキャリッジ部材57に
取り付ける際に、水平方向の位置精度を高めることがで
きる。
が圧電振動子20の長さよりも少し高く、流路ユニット
17が接合される先端面が該流路ユニット17よりも一
回り大きい長方形をした直方体ブロック状である。ま
た、収容空部54は、この先端側部分55内をケース5
1の高さ方向に貫通するように一連に形成した貫通開口
部である。そして、本実施形態の記録ヘッド50も2列
のノズル列を有し、各ノズル列に1つの振動子ユニット
15が設けられるので、収容空部54は2つ横並びに設
けてある。
挿入される第1収容空部59と、固定板13が挿入され
る第2収容空部60とからなる一連の空部である。第1
収容空部59は、先端側部分55の長辺方向に長く短辺
方向に短い扁平な矩形状の開口を有し、先端側部分55
の先端面から基端側部分56の底面に亘ってケース51
の高さ方向に沿って一連に形成してある。第2収容空部
60もまた先端側部分55の長辺方向に長く、短辺方向
に短い矩形状の開口形状を有し、先端側部分55の先端
面よりも少し基端側の位置から基端側部分56の底面ま
で一連に形成されている。そして、第1収容空部59と
は反対側の第2収容空部60の壁面もまた、振動子ユニ
ット15の固定板13が接着される接着面S4(固定板
接合面の一種)となる。従って、ケース本体52におい
て、この接着面S4よりも外側に位置する部分が固定板
接合壁部61として機能する。
ニット15を取り付けるには、まず、圧電振動子20の
自由端部22の先端面に接着剤を薄く塗布し、この自由
端部22を先頭にした状態で振動子ユニット15を収容
空部54内に挿入する。そして、自由端部22の先端を
対応する島部24の表面に当接させた状態で位置決め
し、固定板13とケース内壁との間の接着面S3,S4
を接着剤で満たす。これにより、固定板13の先端部分
とケース内壁とが接着されると共に、自由端部22の先
端が島部24に接着される。
板接合壁部61における固定板13との接合基端から側
方に向けて延設された床板部材64と、この床板部材6
4の外側縁部からケース51の取付面側に向けて起立さ
せた起立壁部65とから構成されている。つまり、床板
部材64と起立壁部65とによって空部66を形成して
いる。この空部66は、床板部材64の大きさに応じて
その開口面積が規定され、床板部材64の大きさと起立
壁部65の高さとによって容積が規定される。そして、
この空部66内は、記録ヘッド50の構成部材を収納す
る等、種々の用途に使用可能である。
ユニット15の上半部分を収納するための空間として使
用すると共に、圧電振動子20からの熱を放出する放熱
用の空間としても使用している。このため、起立壁部6
5の高さは、収納状態の固定板13よりも少し高くなる
ように定められる。また、図12や図13に示すよう
に、この空部66の開口面積を、ケース51の取付面側
に配置される回路基板67の面積(つまり、重合部分の
面積)よりも大きく設定し、回路基板67によって覆わ
れずに外部と連通する隙間66aをこの空部66の開口
に形成している。この構成により、圧電振動子20から
の熱は、固定板13を伝わって基端側部分56の空部6
6内に放出され、さらに回路基板67との隙間66aを
通じてケース51の外部に放出される。
もケース51の膨潤に伴う振動子ユニット15の倒れ込
みを防止することができ、圧電振動子20の接続信頼性
を向上させることができる。即ち、非常に高い湿度環境
下に長時間に亘って曝されると、ケース51が吸湿して
膨潤するが、固定板13と固定板接合壁部61とを、固
定板13における下半部分、つまり、ケース51におけ
る流路ユニット17側の範囲内で接合しているので、基
端側部分56内に収納されている固定板13の上半部分
については、固定板接合壁部61との機械的な縁が切ら
れている。このため、ケース51が膨張しても、この膨
張による振動子ユニット15の倒れ込みを防止できる。
13との接合基端から側方に向けて床板部材64を延設
しているので、この床板部材64がこの接合基端、つま
り、先端側部分55における取付面側の端部の膨張を規
制するように作用し、吸湿によって振動子ユニット15
が倒れ込んでしまう不具合を確実に防止できる。なお、
この床板部材64も樹脂製であるので吸湿によって膨張
するが、床板部材64の膨張は、上記の接合基端を内側
に向けて押す方向、つまり、先端側部分55の膨張を規
制する方向に作用する。従って、この点でも、ケース5
0の膨張に起因する振動子ユニット15の倒れ込みを防
止できる。
立壁部65とによって空部66を形成する構成であるの
で、この空部66内に記録ヘッド50の構成部材を配置
することができる。このため、記録ヘッド50の設計上
の自由度が増す。
内に、詳しくは、床板部材64と起立壁部65との境界
部分に、インクを保持可能なインク保持溝68を設けて
も良い。
を備えた記録装置は、インク滴を極く少量のインク滴と
して飛翔させるため、インク滴がミスト化し易いという
問題がある。このインクミストは装置内に浮遊している
ので、キャリッジやハウジング等に付着してしまうと大
粒のインク滴となり得る。そして、大粒のインク滴にな
ってしまうと、このインク滴は毛細管力等によって記録
ヘッド50とキャリッジとの隙間に浸入し、記録ヘッド
50を汚損する虞がある。
4と起立壁部65との境界部分にインク保持溝68を設
けると、外部から浸入して起立壁部65を流下したイン
クをこのインク保持溝68で保持できる。このため、イ
ンクが振動子ユニット15まで達してしまう不具合を防
止することができる。なお、このインク保持溝68に関
し、図14では、床板部材64の内側縁部を厚さ方向に
削って凹溝69を設けると共にリブ70を突設して比較
的深い溝を形成しているが、凹溝69を設けるだけでも
よいし、リブ70を突設するだけでもよい。
されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、
種々の変形が可能である。
接合壁部46を凹状に窪ませることによって固定板13
を部分的に接着する構成であったが、接着領域に対応す
る部分の固定板13の厚さを他の部分よりも厚く設ける
ことによって、固定板13を部分的に接着するようにす
ることもできる。そして、固定板接合壁部46を凹状に
窪ませることにより、固定板13との非接着領域を形成
した場合には、成型によって逃げ凹部44を容易に作製
できる。
る記録ヘッド11にあっては、収容空部23,23同士
の間に形成される区画壁部が本発明の固定板接合壁部と
しても機能する。そして、補強板45を設ける構成にお
いては、区画壁部内に補強板45をインサート成型する
ことにより、上記の第1実施形態と同様な作用効果が得
られる。
下の効果を奏する。即ち、振動子の自由端部の先端を収
容空部の先端側開口に臨ませた状態で振動子ユニットを
収容空部内に配置し、該配置状態で固定板と固定板接合
壁部とを固定板接合壁部における先端側領域内で接合す
ると共に、自由端部の先端を振動子接合部に接合したの
で、流路ユニットから離隔した基端側領域においては固
定板と固定板接合壁部の対向面の機械的な縁を切ること
ができる。このため、この基端側領域においては、ケー
スが側方に膨張してもこの膨張によって固定板が側方に
倒れ込むのを防止できる。従って、振動子ユニットの倒
れ込みに起因する圧電振動子と振動子接合部の接着界面
への機械的ストレスを防止することができ、この接着界
面が剥離してしまう不具合を防止できる。その結果、圧
電振動子の接続信頼性を高めることができる。
子の固定端部と固定板との接合領域に対応する領域で接
合したので、圧電振動子の運動に伴う反力を受けるのに
最低限必要な領域が確保できる。このため、インク滴の
吐出特性を損なわずに、圧電振動子の接続信頼性を高め
ることができる。
との接着領域よりも大きい形状に設けた場合には、固定
板を振動子ユニットの取り付け時における治具用の保持
部に使用することができるし、放熱効果を高めることも
できる。
接合基端から側方に向けて床板部材を延設し、該床板部
材の外側縁部からケースの取付面側に向けて起立壁部を
形成した場合には、床板部材によって接合基端の膨潤が
抑制されるので、固定板の倒れ込みをより確実に防止で
きる。これにより、圧電振動子の接続信頼性を一層高め
ることができる。さらに、この構成では、床板部材と起
立壁部とによって空部が形成されるので、この空部内に
記録ヘッドの構成部材を配置したり、この空部の放熱用
の空間として使用することができる。このため、記録ヘ
ッドの設計上の自由度が増す。
の先端側開口に臨ませた状態で固定板をケースの固定板
接合壁部に接合すると共に自由端部の先端を振動子接合
部に接合することにより、前記振動子ユニットを収容空
部内に取り付け、固定板接合壁部の固定板接合面とは反
対側の面には補強板を固定したので、吸湿によってケー
スが膨潤しても固定板と補強板とによってケースの固定
板接合壁部が両側から押さえ込まれ、固定板接合壁部の
側方への膨潤が規制される。これにより、ケースの基端
部分は側方に拡がらず、振動子ユニットが側方に倒れ込
んでしまう不具合を確実に防止できる。このため、振動
子ユニットの倒れ込みに起因する圧電振動子と振動子接
合部の接着界面への機械的ストレスを防止することがで
き、この接着界面が剥離してしまう不具合を防止でき
る。その結果、圧電振動子の接続信頼性を高めることが
できる。
面よりも取付面側に位置するように、補強板を配置した
場合には、ケースの先端部分は、補強板や固定板による
拘束を受けずにケースの膨潤による側方への膨出が許容
される。そして、このケースの先端部分を側方に膨出さ
せることで、ケース高さ方向についての流路ユニットと
振動子ユニットの位置関係を、ケースの膨潤後において
も膨潤前の状態に維持できる。このため、ケースの膨潤
により、流路ユニットと振動子ユニットとがケースの高
さ方向に離隔してしまう不具合を確実に防止することが
でき、圧電振動子の接続信頼性を向上させることができ
る。
い材料によって構成した場合には、補強板を薄手に作製
でき、記録ヘッドの小型化が図れる。
よって構成した場合には、補強板と固定板の材料特性が
揃うので、設計の容易化が図れる。
には、必要な剛性が得られて加工も容易である。また、
この補強板を介して記録ヘッドの熱を効率よく放出する
こともできる。さらに、透湿性も有さないので、吸湿し
たケースの側方への膨潤を防止するとともにケースを吸
湿し難くすることができる。
から見た斜視図である。
た斜視図である。
ある。
視図である。
る。
る。
ら見た斜視図である。
である。
る断面図である。
る平面図である。
る断面図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 複数の圧電振動子及びこれらの圧電振動
子を支持する固定板を有し、振動子の自由端部を固定板
の先端縁よりも外側に突出させた状態で振動子の固定端
部を固定板上に接合した振動子ユニットと、該振動子ユ
ニットを収容可能であって先端面から取付面側に向けて
一連に形成された収容空部を有する樹脂製のケースと、
ケースの先端面に接合され、振動子の自由端部先端が接
合される振動子接合部を有する流路ユニットとを備えた
インクジェット式記録ヘッドにおいて、 振動子の自由端部の先端を収容空部の先端側開口に臨ま
せた状態で振動子ユニットを収容空部内に配置し、該配
置状態で固定板とケースの固定板接合壁部とをケースに
おける先端側領域内で接合すると共に、自由端部の先端
を振動子接合部に接合したことを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項2】 前記固定板と固定板接合壁部とを、振動
子の固定端部と固定板との接合領域に対応する領域で接
合したことを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
ト式記録ヘッド。 - 【請求項3】 前記固定板を、固定板と固定板接合壁部
との接着領域よりも大きい形状に設けたことを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載のインクジェット式記録
ヘッド。 - 【請求項4】 前記固定板接合壁部を凹状に窪ませるこ
とにより、固定板との非接着領域を形成したことを特徴
とする請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項5】 前記固定板接合壁部における固定板との
接合基端から側方に向けて床板部材を延設し、該床板部
材の外側縁部からケースの取付面側に向けて起立壁部を
形成したことを特徴とする請求項3に記載のインクジェ
ット式記録ヘッド。 - 【請求項6】 前記起立壁部の基端にフランジ部を形成
し、該フランジ部にキャリッジ部材と当接する位置決め
部を形成したことを特徴とする請求項5に記載のインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項7】 前記床板部材と起立壁部とによって区画
される空部の開口面積を、ケースの取付面側に配置され
る回路基板の面積よりも大きくしたことを特徴とする請
求項5又は請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッ
ド。 - 【請求項8】 前記床板部材と起立壁部との境界部分
に、インクを保持可能なインク保持溝を設けたことを特
徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載のインク
ジェット式記録ヘッド。 - 【請求項9】 複数の圧電振動子及びこれらの圧電振動
子を支持する固定板を有し、振動子の自由端部を固定板
の先端縁よりも外側に突出させた状態で振動子の固定端
部を固定板上に接合した振動子ユニットと、該振動子ユ
ニットを収容可能であって先端面から取付面側に向けて
一連に形成された収容空部を有する樹脂製のケースと、
ケースの先端面に接合され、振動子の自由端部先端が接
合される振動子接合部を有する流路ユニットとを備えた
インクジェット式記録ヘッドにおいて、 振動子の自由端部の先端を収容空部の先端側開口に臨ま
せた状態で、固定板をケースの固定板接合壁部に接合す
ると共に自由端部の先端を振動子接合部に接合して、前
記振動子ユニットを収容空部内に取り付け、 固定板接合壁部の固定板接合面とは反対側の面には補強
板を固定したことを特徴とするインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項10】 前記補強板は流路ユニット側の縁部が
ケース先端面よりも取付面側に位置するように配置され
ていることを特徴とする請求項9に記載のインクジェッ
ト式記録ヘッド。 - 【請求項11】 前記補強板の流路ユニット側の縁部が
固定板の先端縁よりも取付面側に位置するように、補強
板を配置したことを特徴とする請求項10に記載のイン
クジェット式記録ヘッド。 - 【請求項12】 前記補強板を固定板よりもヤング率の
高い材料によって構成したことを特徴とする請求項9か
ら請求項11の何れかに記載のインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項13】 前記補強板を固定板と同じ材質の板材
によって構成したことを特徴とする請求項9から請求項
11の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項14】 前記補強板を金属によって作製したこ
とを特徴とする請求項9から請求項13の何れかに記載
のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項15】 前記金属がステンレス鋼であることを
特徴とする請求項14に記載のインクジェット式記録ヘ
ッド。 - 【請求項16】 前記補強板の厚さを固定板の厚さに揃
えたことを特徴とする請求項13から請求項15の何れ
かに記載のインクジェット式記録ヘッド。 - 【請求項17】 前記固定板と固定板接合壁部とを、ケ
ースにおける先端側領域内で接合したことを特徴とする
請求項9から請求項16の何れかに記載のインクジェッ
ト式記録ヘッド。 - 【請求項18】 前記ケースを熱硬化性樹脂によって作
成したことを特徴とする請求項1から請求項17の何れ
かに記載のインクジェット式記録ヘッド。
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