JP3578129B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

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    • B41J2002/14362Assembling elements of heads

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやプロッタ等の記録装置に好適に用いられるインクジェット式記録ヘッドに関し、特に、振動子ユニットの固定板をケースに接着するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドと称する。)には、圧電振動子群を固定板に接合した振動子ユニットと、この振動子ユニットを収容可能な収容空部を形成したケースと、このケース先端部に接合される流路ユニットとを備えた構成を採るものがある。
【0003】
振動子ユニットは、圧電振動子と固定板とを接合してユニット化した部材である。この振動子ユニットでは、例えば、圧電振動子の自由端部を固定板の先端面よりも外側に突出させた所謂片持ち梁の状態で、圧電振動子の固定端部と固定板とを接合している。そして、ケースは、合成樹脂で成型されたブロック状の部材であり、先端と後端が共に開放され振動子ユニットが丁度収まる大きさとされた扁平な収容空部を備えている。また、流路ユニットは、共通インク室から圧力室を経てノズル開口に連通するインク流路を内部に設けた板状の部材である。
【0004】
この記録ヘッドは、ケースの先端面に流路ユニットを接着し、ケースの収容空部内に振動子ユニットを収容して固定することによって作製される。そして、振動子ユニットの固定は、ケースの内部に形成した接着壁部と固定板とを接着することで行っている。例えば、固定板の接着面と接着壁部の接着面との隙間に流動性の接着剤を流し込み、流し込んだ接着剤を硬化させることで行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成の記録ヘッドでは、固定板と接着壁部との接着領域、特に、圧電振動子の固定端部に対応する領域に残留気泡がなく、接着剤で充填されていることが肝要である。これは、接着領域内における接着剤の充填が不十分で気泡が残留してしまうとこの残留気泡に対応する部分については剛性が低くなってしまい、圧電振動子の挙動に影響を与え、インク滴の吐出特性、例えば、飛行速度やインク量にばらつきが生じてしまうからである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定板と接着壁部との接着領域内における残留気泡を防止できるようにしたインクジェット式記録ヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、圧電振動子を固定板に接合した振動子ユニットと、該振動子ユニットを収容可能な収容空部を設けたケースとを備え、ケースの接着壁部と振動子ユニットの固定板とを接着することにより、振動子ユニットを収容空部内に収容して固定したインクジェット式記録ヘッドであって
固定板と接着壁部との接着領域に臨ませて、接着剤が注入される接着剤注入部と接着領域内の空気を排出するための空気排出部とを設け、
前記接着領域における接着壁部の接着面から固定板の接着面までの間隔を、接着剤注入部から空気排出部に向かって狭くなるように部位毎に異ならせて設定することにより、接着剤注入部に注入された接着剤が、毛細管力によって接着剤注入部側から空気排出部側に向けて前記接着領域内の空気を追い出しながら接着領域内を満たすようにし
前記接着壁部におけるケースの基端側領域を凹状に窪ませて、固定板と接着壁部との間に非接着領域を形成する逃げ凹部を設け、
該逃げ凹部と接着領域との境界部分を逃げ凹部側に向けて拡開させて充填視認部を形成し、
該充填視認部により、接着剤の接着領域への充填状態を視認可能にしたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドである。
【0008】
ここで、「基端」とは、ケースを他の部材に取り付ける取付面側の端を意味する。従って、「基端側領域」とは、ケースの高さ方向における略中間から取付面側の領域を意味する。
【0009】
請求項2に記載のものは、前記接着剤注入部を接着領域の左右両側縁部に臨ませて設けると共に、空気排出部を接着剤注入部同士の間に位置させて設け、接着領域の両側縁部から空気排出部側に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0010】
請求項3に記載のものは、前記空気排出部を接着領域の左右両側縁部に臨ませて設けると共に、接着剤注入部を空気排出部同士の間に位置させて設け、接着領域の左右中央側から両側縁部側に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0011】
請求項4に記載のものは、前記接着剤注入部を接着領域の左右一側縁部に臨ませて設けると共に、空気排出部を左右他側縁部に臨ませて設け、接着領域の一側縁部から他側縁部に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0012】
請求項5に記載のものは、固定板背面と密着する基準面が形成された位置決めリブを接着領域よりも外側の左右両側に接着領域の高さ方向へ延設し、
上記接着剤注入部を位置決めリブ同士の間に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0013】
請求項6に記載のものは、前記接着剤注入部に連通させて、注入された接着剤を一時的に貯留する接着剤溜部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0014】
請求項7に記載のものは、前記接着剤溜部を、接着領域を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設けたことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0015】
請求項8に記載のものは、前記接着領域と空気排出部とが連通する排気部の隙間を、接着領域内の接着剤が表面張力によって保持される大きさに設定したことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである
【0016】
請求項に記載のものは、前記振動子ユニットを、圧電振動子の自由端部を固定板の先端面よりも外側に突出させた状態で圧電振動子と固定板とを接合する構成とし、
前記接着壁部の先端部分を接着領域よりも突出させて固定板先端面が接着される先端面接着部を形成し、
該先端面接着部における振動子側の隅角部に窪部を設けて、固定板先端面と先端面接着部との先端面接着領域を固定板先端面における振動子側の縁部から離隔させたことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッドである。
【0017】
ここで、「先端」とは、ノズル開口側の端を意味する。従って、「先端面」とはノズル開口側の端面を意味し、「先端部分」とはノズル開口側の端部を意味する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の記録ヘッドについて説明する。
【0019】
図1に示すように、記録ヘッド1は、振動子ユニット2と、この振動子ユニット2を収納可能なケース3と、ケース3の先端面に接合される流路ユニット4とを備えている。
【0020】
まず、振動子ユニット2について説明する。図2に示すように、振動子ユニット2は、圧電振動子群5、固定板6、及び、フレキシブルケーブル7によって概略構成され、これらの各部材を接合してユニット化した部材である。圧電振動子群5は、複数の圧電振動子8…によって構成されている。この圧電振動子8は、所謂櫛歯状に形成されており、例えば30μm〜100μm程度の極めて細い幅に切り分けられている。そして、各圧電振動子8…は、固定端部9を固定板6上に接合することにより、自由端部10を固定板6の先端面6aよりも外側に突出させている。即ち、圧電振動子8は、いわゆる片持ち梁の状態で固定板6上に支持されている。フレキシブルケーブル7は、固定板6とは反対側となる固定端部9の側面で圧電振動子8と電気的に接続されている。また、各圧電振動子8…を支持する固定板6は、圧電振動子8からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材によって構成される。好ましくは、金属製の板材によって構成される。本実施形態では、厚さが1mm程度のステンレス鋼板によって構成している。そして、圧電振動子8は、この固定板6における先端側部分に接合されている。
【0021】
次に、流路ユニット4について説明する。図3に示すように、流路ユニット4は、ノズルプレート13、流路形成基板14、及び弾性板15から構成されている。そして、この流路ユニット4は、ノズルプレート13を流路形成基板14の一方の表面に、弾性板15をノズルプレート13とは反対側となる流路形成基板14の他方の表面にそれぞれ配置して積層し、接着等により一体化することで作製されている。
【0022】
ノズルプレート13は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口16…を列状に開設したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態では、例えば、180個のノズル開口16…を列状に開設し、これらのノズル開口16…によってノズル列を構成している。そして、このノズル列を横並びに2列設けている。
【0023】
流路形成基板14は、共通インク室17(図には一部分だけを示す。)、インク供給口18、及び圧力室19からなるインク流路が形成された板状部材である。圧力室19は、ノズル開口16…の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成され、インク供給口18は、圧力室19と共通インク室17との間を連通する流路幅の狭い狭窄部として形成されている。また、共通インク室17は、インクカートリッジ(図示せず)に貯留されたインクを各圧力室19…に供給するための室である。
【0024】
弾性板15は、ステンレス鋼等の金属製の支持板20上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フィルム21をラミネート加工した二重構造の複合板材であり、圧力室19の一方の開口面を封止するダイヤフラム部として機能すると共に、共通インク室17の一方の開口面を封止するコンプライアンス部としても機能する。そして、ダイヤフラム部として機能する部分をエッチング等により環状に除去して圧電振動子8の自由端部10の先端を接合するための島部22を形成する。また、コンプライアンス部として機能する部分は、支持板20の部分をエッチング等によって除去して樹脂フィルム21だけにする。
【0025】
次に、ケース3について説明する。ここで、図4はケース3を基端側(つまり、取付面側)から見た平面図、図5は図4のA−A線の位置で片半を断面で示した図である。なお、図4はケース3だけの状態を示し、図5は振動子ユニット2を収容した状態を示している。
【0026】
ケース3は、ブロック状のケース本体25と、このケース本体25の基端部から側方に延出されたフランジ部26とから概略構成されている。このケース3は、樹脂、例えばエポキシ樹脂により成型されている。ケース3の基端面、つまり、フランジ部26側の取付面は、基端側から見て略長方形状に形成してある。このケース3には、上記の振動子ユニット2を収容可能な収容空部27を設ける。この収容空部27は、ケース3の先端面(流路ユニット4側の面)から取付面に亘って一連に形成した貫通開口部として形成されている。そして、この収容空部27は、振動子ユニット2毎に設けられる。例えば、本実施形態の記録ヘッド1は、2列のノズル列を有し、各ノズル列に1つの振動子ユニット2が設けられているので、収容空部27を2つ横並びに設けている。即ち、取付面における短辺方向の中心線CLを挟んで左右対象の位置に収容空部27を1つずつ設けている。
【0027】
図5に示すように、この収容空部27は、圧電振動子群5が挿入される第1収容空部28と、固定板6が挿入される第2収容空部29と、挿入された固定板6の背面(圧電振動子8とは反対側の面)に、部分的に非接着領域を形成する逃げ凹部30とからなる一連の空部である。
【0028】
第1収容空部28は、ケース3における取付面の長辺方向に長く短辺方向に短い扁平な矩形状の開口形状とされ、ケース3の先端面から基端面に亘って高さ方向(先端と基端とを結ぶ方向)に沿って形成してある。
【0029】
第2収容空部29もまた、上記取付面の長辺方向に長く、短辺方向に短い矩形状の開口形状とされている。この第2収容空部29は、第1収容空部28の外側方向、つまり中心線CLから離隔する方向に、この第1収容空部28と連通した状態で形成されている。そして、第1収容空部28とは反対側の第2収容空部29の壁面は、固定板6の背面が接着される固定板接着面となる。従って、ケース本体25において、この固定板接着面よりも外側に位置する部分が固定板接着壁部31として機能する。
【0030】
この第2収容空部29の開口長さは固定板6の幅よりも少し長く設定されており、第2収容空部29の開口幅は固定板6の厚さよりも少し広い幅に設定されている。そして、第2収容空部29の開口長手方向の両端部はそれぞれ、第1収容空部28の両端よりも突出している。換言すると、第2収容空部29の左右両端部は、ケース3の中空部内面に溝として成型される。
【0031】
また、第2収容空部29の底面29aは、ケース3の先端面から奥側(つまり、取付面側)に、圧電振動子8の自由端部10の長さよりも僅かに短い距離だけ離隔して設けられる。そして、第2収容空部29は、この底面29aの位置から取付面まで一連に形成されている。上記の振動子ユニット2は、自由端部10が先端側に向いた姿勢で取付面側から挿入されるので、振動子ユニット2の収容状態において、第2収容空部29の底面29aは固定板6の先端面6aと対向する。従って、第2収容空部29の底面29aは、固定板6の先端面6aが接着される接着面となる。
【0032】
このように、第2収容空部29の底面29aと固定板6の先端面6aとが対向状態で接着されるので、ケース3において、第2収容空部29よりも先端側に位置する部分は、先端面接着部32として機能する。そして、この先端面接着部32は、固定板接着壁部31の先端部分を、固定板背面との接着面よりも突出させた突出部ということができる。
【0033】
この先端面接着部32に関し、接着面(つまり、底面29a)側の隅角部には窪部を設けている。本実施形態では、図6に示すように、先端面接着部32の隅角部に、円弧状に窪ませた曲面形状の湾曲窪部33を設けている。そして、固定板先端面6aと底面29aとの重合領域として形成される先端面接着領域を、この湾曲窪部33により、固定板先端面6aにおける振動子側の縁から離隔させている。これは、固定板6と固定板接着壁部31とを接着するための接着剤が圧電振動子8に付着してしまうことを防止するためである。
【0034】
即ち、振動子ユニット2を収容空部27内に接着固定する際には、後述するように、固定板6の接着面と固定板接着壁部31の接着面との隙間に接着剤を充填する。しかし、この接着剤は、流動性を有するので、先端面接着部32の接着面と固定板先端面6aとの隙間を通って圧電振動子8まで伝わってしまう虞がある。そして、接着剤が圧電振動子8まで伝わってしまうと、隣り合う圧電振動子8,8同士の隙間に接着剤が流入するので、流入した接着剤によって圧電振動子8,8同士が接着されてしまい、圧電振動子8が正常に動作しなくなってしまう。
【0035】
そして、先端面接着部32の隅角部に湾曲窪部33を設けた場合には、上記の先端面接着領域を圧電振動子8から離隔させることができる。さらに、接着剤が湾曲窪部33の縁部まで達した際には、表面張力によって接着剤の進行を止めることができる。このため、接着剤を先端面接着領域内に保持でき、接着剤が圧電振動子8に伝わってしまう不具合が防止できる。
なお、本実施形態では、円弧曲面の湾曲窪部33を設けたが、窪部は湾曲窪部33に限定されるものではない。例えば、鈎括弧状の窪部であってもよい。
【0036】
さらに、この湾曲窪部33の長手方向両端部33aに関し、本実施形態では、図7に示すように、角部が形成されないように略円弧形状に凹んだ円弧曲面としている。このように、湾曲窪部33の端部33aを円弧曲面で作製することにより、接着剤が回り込んで圧電振動子8に到達してしまう不具合を防止できる。
【0037】
また、本実施形態では、固定板先端に矩形状窪部6bを設けている。この矩形状窪部6bは圧電振動子8側の隅角部を矩形状に凹ませることで作製される。そして、振動子ユニットの位置決め状態において、固定板先端面6aとの境界頂部が先端面接着部32の接着面(底面29a)よりも振動子側に位置するように設けられる。
このため、この境界頂部と上記の湾曲窪部33とによっても接着剤を保持できる。従って、万一、先端面接着領域から接着剤があふれ出しても、このあふれ出した接着剤を保持でき、接着剤が圧電振動子8に伝わってしまう不具合を確実に防止できる。
【0038】
上記の逃げ凹部30は、ケース3における取付面の長辺方向に長く、短辺方向に短い矩形状の開口形状を有し、ケース3の高さ方向中間付近から取付面まで一連に形成されている。
この逃げ凹部30は、第2収容空部29の外側に、この第2収容空部29と連通した状態で設けられている。言い換えると、固定板接着壁部31におけるケース3の基端側領域(即ち、ケース3における高さ方向の略中間から取付面側の領域)を、厚さ方向に凹状に窪ませる、或いは、後退させることによって作製されている。本実施形態では、固定板背面から1.8mm厚さ方向に窪ませている。
この逃げ凹部30により、固定板接着壁部31には固定板背面と離隔した領域(非接着領域)が形成される。従って、この非接着領域を除いた部分が、固定板接着壁部31における接着面31aとなる。
【0039】
また、図6に示すように、逃げ凹部30と接着領域40との境界部分、詳しくは、逃げ凹部30の底面30aと固定板接着壁部31の接着面31aとの境界部分には、接着剤の接着領域40への充填状態をケース3の外側から視認させるための充填視認部34を設けている。この充填視認部34は、逃げ凹部30と接着領域40との境界部分を、逃げ凹部30側に向けて拡開する面取り形状にすることによって作製されている。この充填視認部34により、逃げ凹部30の底面30aとほぼ面一に位置する接着剤の自由表面の面積を広げることができ、逃げ凹部30を通して接着剤の充填状態を容易に視認できる。
【0040】
次に、固定板接着壁部31と固定板6との接着構造について説明する。ここで、図8はケース3における固定板接着壁部31の構造を説明する断面図、図9は振動子ユニット2を収容空部27内に収容した状態をケース3の取付面側から見た拡大図である。
【0041】
ケース3の固定板接着壁部31には、固定板6と固定板接着壁部31との接着領域40に臨ませて、接着剤注入部41と空気排出部42とを設けている。ここで、接着剤注入部41は振動子ユニット2を収容空部27内に接着するための接着剤が注入される溝部であり、空気排出部42は接着剤の充填に伴って押し出される空気を排出するための溝部である。また、固定板接着壁部31には、この他に、上記の逃げ凹部30(非接着領域)等も設けてある。
【0042】
本実施形態では、一対の接着剤注入部41,41を接着領域40の左右両側縁部に臨ませて設け、空気排出部42を接着剤注入部41,41同士の間に位置させて設けている。そして、注入された接着剤が毛細管力によって接着領域40内を接着剤注入部41側から空気排出部42側に向けて順次充填されるように、固定板接着壁部31の接着面から固定板6の接着面までの間隔を設定している。
【0043】
即ち、接着領域40は、固定板6の位置を規定するための位置決めリブ43と、上記した逃げ凹部30とによって区画される領域である。ここで、位置決めリブ43は、固定板6の背面に密着する基準面43a(クリアランスが0.0mmの面)が設けられた突条である。本実施形態の位置決めリブ43は、先端が第2収容空部29の底面29aと同じ高さとされ、この位置からケース3の取付面側に向けて一連に形成されている。つまり、この位置決めリブ43は、ケース3の高さ方向、言い換えれば、接着領域40の高さ方向に延設されている。
そして、この接着領域40は、図8に示すように、前方から見て略「凹」字の形状に作製される。また、上記した空気排出部42は、この「凹」字の下側部分であって左右略中央の場所に設けられる。
【0044】
上記の接着剤注入部41は、位置決めリブ43の基端部分(つまり、取付面側の部分)であって左右内側の位置に、この位置決めリブ43に隣り合わせの状態で設けられている。この接着剤注入部41は、接着剤受部44と連通溝部45とから構成されている。接着剤受部44は、接着剤供給装置から供給された接着剤を受ける部分であり、ケース3の取付面で開放した有底の凹室によって構成されている。連通溝部45は、接着剤受部44と接着領域40とを連通する部分であり、ケース3の高さ方向に細長い溝によって構成されている。
【0045】
そして、本実施形態では、接着剤注入部41(連通溝部45)を一対の位置決めリブ43,43の内側に設けているので、各接着剤注入部41,41から接着領域40内に流入した接着剤は、位置決めリブ43の基準面43aと固定板背面とが密着していることから堰き止められ、位置決めリブ43よりも左右外側には広がらない。これにより、接着領域40から接着剤が漏れ出すことによる不具合、例えば、圧電振動子8,8同士が接着されてしまう等の不具合を確実に防止できる。
【0046】
また、本実施形態では、この連通溝部45に連通させて接着剤溜部46を設けている。この接着剤溜部46は、図9に示すように、固定板背面とのクリアランスC1が0.5mmの空部によって構成され、接着剤注入部41に注入された接着剤を導入して一時的に貯留する。そして、この接着剤溜部46は、接着領域40を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設けられる。
【0047】
上記の接着領域40は、連通溝部45の先端側に隣接して設けた第1接着領域47と、接着剤溜部46の先端側に隣接して設けた第2接着領域48と、これらの第1接着領域47及び第2接着領域48の先端側であって、固定板6の先端側領域に対応する領域に設けた第3接着領域49とから構成される。
【0048】
第1接着領域47は、ケース3の高さ方向に細長い帯状の領域であり、その先端は逃げ凹部30の底面30aと同じ高さに位置し、基端はケース3の取付面近傍に位置する。また、第1接着領域47の左右外側の縁は位置決めリブ43に接しており、左右内側の縁は上側部分が接着剤注入部41に繋がり、下側部分が第2接着領域48に繋がっている。そして、この第1接着領域47は、固定板背面とのクリアランスC2が0.1mmの面によって構成されている。このため、流入した接着剤は、毛細管力によって第1接着領域47内を移動し、満たしてゆく。
【0049】
第2接着領域48は、ケース3の高さ方向に少し長い略長方形の領域であり、その先端は逃げ凹部30の底面30aと同じ高さに位置し、基端は接着剤溜部46の先端に繋がっている。また、第2接着領域48の左右外側の縁は第1接着領域47に繋がっており、左右内側の縁は逃げ凹部30に繋がっている。この第2接着領域48は、固定板背面とのクリアランスC3が0.2mmの面によって構成されている。このため、第2接着領域48においても、流入した接着剤は、毛細管力によって第2接着領域48内を移動し、満たしてゆく。
【0050】
ここで、第1接着領域47及び第2接着領域48について、固定板6とのクリアランスを比較すると、第1接着領域47のクリアランスC2の方が第2接着領域48のクリアランスC3よりも狭い。このため、毛細管力については、第1接着領域47内の接着剤の方が第2接着領域48内の接着剤よりも強くなる。従って、第1接着領域47内に流入した接着剤の方が第2接着領域48内に流入した接着剤よりも速く移動する。
【0051】
第3接着領域49は、左右方向(つまり、振動子配列方向)に細長い略長方形状の領域であり、逃げ凹部30側の縁は、左右外側で第1接着領域47及び第2接着領域48に繋がっており、他の部分では充填視認部34と繋がっている。また、先端面接着部32側の縁は、第2収容空部29の底面29aと同じ高さに位置している。さらに、第3接着領域49の左右外側の縁は位置決めリブ43に接しており、左右内側の縁は空気排出部42に繋がっている。この第3接着領域49は、固定板背面とのクリアランスC4が0.05mmの面によって構成されている。このため、第3接着領域49においても、流入した接着剤は、毛細管力によって第3接着領域49内を満たす。
【0052】
そして、この第3接着領域49のクリアランスC4は、第1接着領域47及び第2接着領域48のクリアランスC2,C3よりも狭いので、第3接着領域49内の接着剤の毛細管力は、第1接着領域47及び第2接着領域48の接着剤の毛細管力よりも強い。要するに、接着領域40では、固定板接着壁部31の接着面から固定板6の接着面までの間隔を、接着剤注入部41から空気排出部42に向かって段階的に狭くしており、接着剤注入部41から遠ざかる程に接着剤の毛細管力を強くしている。これにより、接着剤注入部41に注入された接着剤を空気排出部42まで確実に案内できるようにしている。
【0053】
空気排出部42は、ケース本体25の高さ方向に細長い溝である。この空気排出部42の基端は、逃げ凹部30に繋がっている。そして、この空気排出部42は、第3接着領域49よりも大きく窪んでいる。本実施形態では、固定板背面から0.5mmだけ後退している。このため、固定板6を収容して位置決めすると、空気排出部42と第3接着領域49の境界部には、第3接着領域49のクリアランスC4に相当する幅0.05mmのスリットが形成され、このスリットが排気部50となる。そして、この排気部50の隙間、つまり、スリットの幅は、第3接着領域49内を満たした接着剤が表面張力によって保持される程度の大きさである。これにより、接着領域40内の接着剤が空気排出部42内に溢れ出す不具合を防止している。
【0054】
次に、振動子ユニット2を収容空部27内に収容して接着固定する手順について説明する。
【0055】
この場合、まず、収容空部27内に振動子ユニット2を収容して位置決めする。即ち、圧電振動子8の先端面に接着剤を薄く塗布した後、固定板6を治具によって保持し、自由端部10を先頭にした状態で振動子ユニット2を収容空部27内に挿入する。そして、自由端部10の先端面を対応する島部22の表面に当接させた状態で位置決めする。
【0056】
振動子ユニット2を位置決めしたならば、接着剤供給装置のノズルを接着剤注入部41の接着剤受部44に臨ませ、接着剤を接着剤受部44に注入する(図10の状態)。この注入時において、ケース3は接着剤受部44側を上側に向けておく。注入された接着剤は、接着剤受部44内から連通溝部45を通り、その一部が少しずつ第1接着領域47や第2接着領域48に流入する。また、これらの接着領域40に流入する前の接着剤は、接着剤受部44や接着剤溜部46に一時的に貯留される。ここで接着剤溜部46を設けているので、接着剤の注入速度を高めても接着剤を基端側開口から溢れ難くすることができる。これにより、接着工程の作業時間の短縮化が図れる。さらに、接着剤溜部46の容積を、接着領域40を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設定しているので、接着剤の注入を1回で済ませることができる。このため、作業時間の一層の短縮化が図れる。
【0057】
接着剤を注入し終えたならば、ケース3の向きを上下反転する。即ち、接着剤受部44を下側にする(図11の状態)。これは、重力を作用させずに毛細管力で接着剤を接着領域40内に充填するためである。このとき、上記したように、第1接着領域47内の接着剤の毛細管力は、第2接着領域48内の接着剤の毛細管力よりも強い。このため、接着剤は、第1接着領域47内を、第2接着領域48内よりも速く移動する。そして、この第1接着領域47は、第3接着領域49の左右外側の端部で連通しているので、接着剤は、第3接着領域49の外側端部から次第に充填されてゆく。また、接着剤の充填に伴って接着領域40内の空気は、空気排出部42に排出される。換言すると、毛細管力の差によって、接着領域40の端部から順に空気を追い出しながら接着剤が充填されている。
【0058】
そして、第2接着領域48内の接着剤が第3接着領域49内に到達し、第3接着領域49内に流入する(図12の状態)。このとき、第3接着領域49内における左右外側の端部は、第1接着領域47から流入した接着剤によって既に満たされているので、第2接着領域48からの接着剤が流入することによる気泡の残留を防止できる。
その後は、第3接着領域49における毛細管力によって接着剤が空気排出部42側に順次移動し、空気を追い出しながら接着領域40の全域を満たす(図13の状態)。そして、第3接着領域49と空気排出部42との境界の接着剤は、表面張力によって排気部50で保持されるので、空気排出部42側へ溢れ出てしまう不具合が防止される。
【0059】
そして、本実施形態では、上記した充填視認部34を設けてあるので、充填視認部34における接着剤の充填状態を目視等で確認することにより、接着剤が接着領域40の全域を満たしたかどうかを判定できる。このため、接着不良等の不具合を確実に防止できる。
【0060】
接着領域40を接着剤で満たしたならば、接着領域40内の接着剤、及び、自由端部10の先端の接着剤を硬化させる。例えば、所定温度まで加熱した状態で適当な時間放置する。これにより、固定板6とケース内壁(固定板接着壁部31)とが接着されると共に、自由端部10の先端が島部22に接着される。
【0061】
このように、本実施形態では、接着剤注入部41に注入された接着剤が、毛細管力によって接着剤注入部41側から空気排出部42側に向けて接着領域40内を充填するように、各接着領域47,48,49のクリアランスを設定しているので、流入した接着剤は接着剤注入部41側から順に接着領域40を満たす。これにより、接着領域40内の空気を空気排出部42側に追い出しながら接着剤を充填することができる。従って、固定板6と固定板接着壁部31との接着領域40における気泡の残留を防止できる。このため、接着領域40における部分的な剛性不足が防止でき、各圧電振動子8の挙動を揃えることができる。その結果、飛行速度やインク量等のインク滴の吐出特性の安定化が図れる。
【0062】
ところで、上記した第1実施形態は、各圧電振動子8…をケース3における取付面の長手方向に配列した振動子ユニット2を、向かい合わせの状態で2つ収納した記録ヘッド1を例示したが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、図14に示すケース60を用い、複数の振動子ユニット2…をケース60における取付面の長手方向に配置した構成の記録ヘッドにも適用できる。以下、この記録ヘッドについて説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0063】
図15に示すように、この第2実施形態においても、ケース60の固定板接着壁部61には、接着剤注入部62、接着領域63、空気排出部64、逃げ凹部65を設けており、接着剤注入部62を接着領域63の左右両側縁部に臨ませて設け、空気排出部64を接着剤注入部62,62同士の間、詳しくは接着領域63の左右略中央に設けている。また、接着領域63の左右両側縁にそれぞれ隣接させて位置決めリブ66,66をケース60の高さ方向(つまり、接着領域63の高さ方向)に延設している。この位置決めリブ66も固定板6の位置決めを行うための突条であり、固定板背面との対向面が基準面66aとして機能する。
そして、接着剤注入部62に注入された接着剤が、毛細管力によって接着剤注入部62側から空気排出部64側に向けて接着領域63内を充填するように、接着領域63における固定板接着壁部61の接着面から固定板6の接着面までの間隔を設定している。
【0064】
接着剤注入部62は、位置決めリブ66,66同士の間であって、ケース60の基端部(取付面側の部分)に設けられている。そして、本実施形態でも、位置決めリブ66の基準面66aと固定板背面とが密着することから、接着剤注入部62から注入された接着剤が堰き止められ、位置決めリブ66を越えて溢れてしまう不具合を防止できる。
この接着剤注入部62は、例えば、固定板背面とのクリアランスが1.3mmの窪部によって構成されており、接着剤の溜部としても機能する。即ち、接着剤注入部62の容積は、接着領域63を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設定されている。そして、この接着剤注入部62の左右内側に矩形状の逃げ凹部65が設けられている。この逃げ凹部65は、固定板背面とのクリアランスが1.0mmの窪部によって構成されている。
【0065】
上記の接着領域63は、接着剤注入部62の先端側に設けた第1接着領域67と、第1接着領域67の左右内側に隣接して設けた第2接着領域68と、左右外側が第1接着領域67に隣接し、左右内側が空気排出部64に隣接した第3接着領域69とから構成される。そして、接着剤注入部62と第1接着領域67との間及び接着剤注入部62と第2接着領域68との間には、第1接着領域67及び第2接着領域68側に向けて傾斜したテーパー部70を設け、このテーパー部70を介して接着剤注入部62と第1接着領域67及び第2接着領域68とを繋いでいる。
【0066】
第1接着領域67は、ケース60の高さ方向に細長い帯状の領域であり、その先端は固定板6の先端面6aが接着される第2収容空部29の底面29aと略同じ高さに位置し、基端は上記のテーパー部70に隣接している。また、第1接着領域67の左右外側の縁は位置決めリブ66に接しており、左右内側の縁は第3接着領域69に繋がっている。この第1接着領域67は、固定板背面とのクリアランスが0.1mmの面によって構成されている。そして、第2接着領域68は、第3接着領域69の基端側隅角部とテーパー部70との間に設けられた略長方形状の微小領域であり、固定板背面とのクリアランスが0.2mmの面によって構成されている。また、第3接着領域69は、第1接着領域67と空気排出部64との間に設けられた矩形状領域であり、固定板背面とのクリアランスが0.04mmの面によって構成されている。
【0067】
従って、本実施形態においても、接着領域63は、固定板背面とのクリアランスが接着剤注入部62から空気排出部64に向かって段階的に狭くなっており、接着剤注入部62から遠ざかる程に接着剤の毛細管力を強くしている。
【0068】
次に、振動子ユニット2を収容空部27内に接着固定する手順について説明する。なお、この手順は、上記の第1実施形態と概ね同じである。
【0069】
即ち、収容空部27内に振動子ユニット2を収容して位置決めした後、接着剤を接着剤注入部62に注入し、ケース60を上下方向に反転する(図16(a)の状態)。ここで、接着剤注入部62を、接着領域63を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設けているので、接着剤の注入速度を高めても接着剤を溢れ出にくくでき、注入が1回で済む。このため、作業時間の一層の短縮化が図れる。
【0070】
ケース60を反転すると接着剤は接着領域63内を毛細管力で移動してゆく。このとき、第1接着領域67内の毛細管力は、第2接着領域68内の毛細管力よりも強いので、まず、第1接着領域67内が接着剤で満たされ、第1接着領域67に近い側の先端側隅角部から第3接着領域69内に接着剤が流入する(図16(b)の状態)。続いて、第3接着領域69内では第1接着領域67側から流入した接着が次第に拡がる。また、第2接着領域68内が接着剤で満たされ、第2接着領域68に近い側の基端側隅角部から第3接着領域69内に接着剤が流入する(図16(c)の状態)。その後は、第1接着領域67や第2接着領域68から第3接着領域69内に接着剤が流入し、この流入した接着剤は、毛細管力によって第3接着領域69内の空気を追い出しながら空気排出部64側に移動してゆく。そして、接着領域63の全域が満たされると(図16(d)の状態)、空気排出部64との境界の接着剤は、表面張力によって排気部71で保持される。
【0071】
このように、本実施形態でも、接着領域63に流入した接着剤が領域の端部から順に充填される。これにより、接着領域63内の空気を空気排出部64側に追い出しながら接着剤を充填することができ、接着領域63における気泡の残留を防止できる。このため、各圧電振動子8の挙動を揃えることができ、飛行速度やインク量等のインク滴の吐出特性の安定化が図れる。
【0072】
ところで、上記した第1実施形態及び第2実施形態は何れも、接着領域の左右両側縁部から左右中央の空気排出部側に向けて接着剤を充填させる構成であったが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、空気排出部を接着領域の左右両側縁部に臨ませて設けると共に、接着剤注入部を空気排出部同士の間に設け、接着領域の左右中央側から両側縁部側に向けて接着剤を充填させてもよい。以下、このように構成した第3実施形態について説明する。
【0073】
図17に示すように、この第3実施形態においても、ケース75の固定板接着壁部76には、接着剤注入部77、接着領域78、空気排出部79,79、逃げ凹部80を設けている。そして、本実施形態では、収納空部の左右両端部に位置決めリブ81を設けている。この位置決めリブ81は、ケース75の高さ方向(つまり、接着領域78の高さ方向)に細長い突条として設けられており、固定板6との対向面が固定板背面と密着する基準面81aである。
また、各位置決めリブ81,81の左右内側には、この位置決めリブ81に隣接させて、空気排出部79を1つずつ設けている。この空気排出部79は、固定板背面とのクリアランスが0.5mmに設定された凹溝であり、位置決めリブ81と同様にケース75の高さ方向に延設している。そして、この空気排出部79の先端は第2収容空部29の底面29aと同じ高さに位置し、基端はケース75の取付面に達している。
【0074】
上記の接着剤注入部77は、ケース75の高さ方向に細長い溝部であり、空気排出部79,79同士の間(即ち、位置決めリブ81,81同士の間)に挟まれた領域の左右略中央であって、ケース57の取付面側に設けられている。この接着剤注入部77には、接着剤溜部82が一体に設けられている。この接着剤溜部82は、接着領域78内に充填される接着剤を保持可能な容積に設定される。本実施形態では、固定板背面とのクリアランスが0.5mmに設定された凹溝として構成されている。
そして、逃げ凹部80は、接着剤注入部77と空気排出部79との間に挟まれた領域に設けられる。本実施形態では、固定板背面とのクリアランスが1.3mmとなるように後方に窪ませた矩形状領域によって構成されている。
【0075】
接着領域78は、第1接着領域83と第2接着領域84と第3接着領域85とから構成される。第1接着領域83は、接着剤溜部82に連続して設けられた溝部である。この第1接着領域83は、ケース先端側に向けて延設され、その先端はケース高さ方向の丁度中間に位置して第2接着領域84と繋がっている。そして、第1接着領域83における固定板背面とのクリアランスは、接着剤溜部82のクリアランスよりも狭くなるように設定され、本実施形態では0.2mmである。第2接着領域84は、ケース高さ方向の略中間の位置に左右方向に延設された帯状の溝部であり、その一端は一方の空気排出部79と繋がっており、他端は他方の空気排出部79と繋がっている。なお、第2接着領域84における固定板背面とのクリアランスは、第1接着領域83と同じ広さに設定されている。第3接着領域85は、第2接着領域84と第2収容空部29の底面29aとの間に設けられた矩形状の領域である。そして、第3接着領域85における固定板背面とのクリアランスは、第1接着領域83及び第2接着領域84のクリアランスよりも狭くなるように設定され、本実施形態では0.05mmである。
【0076】
そして、本実施形態においても上記した各実施形態と同様に、振動子ユニット2を位置決めした後に接着剤を接着剤注入部77に注入することで、振動子ユニット2を収容空部27内に接着固定する。
【0077】
この場合、図18に示すように、接着剤注入部77に注入された接着剤は、まず、網点の領域で示すように、第1接着領域83及び第2接着領域84に広がると共に、第1接着領域83と第2接着領域84との交差部分から第3接着領域85内に流入する。そして、網掛けの領域で示すように、接着剤は、第3接着領域85内で先端側に凸の山状に拡がってゆく。その後、接着剤は、点線で示すように、第3接着領域85内でさらに広がり、最終的には接着領域78の全域に充填される。
この場合において、本実施形態では、空気排出部79よりも外側に位置決めリブ81を設けており、基準面81aが固定板背面と密着しているので、万一、接着領域78から空気排出部79側に接着剤が溢れ出したとしても、この接着剤を堰き止めることができる。従って、漏れ出した接着剤による不具合を防止することができる。
【0078】
このように、本実施形態では、接着領域78の左右中央から流入した接着剤が左右両側に向かって拡がり、接着領域78内の空気を空気排出部79,79側に追い出しながら接着剤を充填する。このため、接着領域78における気泡の残留を防止でき、各圧電振動子8の挙動を揃えることができる。その結果、飛行速度やインク量等のインク滴の吐出特性の安定化が図れる。
【0079】
なお、圧電振動子群5を構成する圧電振動子8…の数が多い大型の記録ヘッド1にあっては、接着剤注入部77、接着領域78(83,84,85)、空気排出部79、及び、逃げ凹部80の組を横並びに複数組設けることで、同様の効果が得られる。
【0080】
ところで、上記の各実施形態は、何れも接着領域の左右両側縁部と左右中央部との間で接着剤を充填させる構成であったが、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、接着剤注入部を接着領域の左右一側縁部に臨ませて設けると共に、空気排出部を左右他側縁部に臨ませて設け、接着領域の一側縁部から他側縁部に向けて接着剤を満たすようにしてもよい。以下、このように構成した第4実施形態について説明する。
【0081】
図19に示すように、ケース90の固定板接着壁部91には、接着剤注入部92、接着領域93、空気排出部94、逃げ凹部95を設けている。そして、接着剤注入部92を接着領域93の左右一側(図では右側)に臨ませて設け、空気排出部94を接着領域93の左右他側(図では左側)に設けている。また、接着領域93の左右両側縁にそれぞれ隣接させて一対の位置決めリブ96,96を、ケース90の高さ方向(つまり、接着領域93の高さ方向)に延設している。この位置決めリブ96も固定板6の位置決めを行う突条であり、固定板6との対向面が固定板背面と密着する基準面96aである。
【0082】
上記の接着剤注入部92は、ケース90の高さ方向略中央から基端側に設けられた矩形状の窪部であり、位置決めリブ96,96同士の間に設けられている。そして、本実施形態でも、位置決めリブ96の基準面96aと固定板背面とが密着することから、接着剤注入部92から注入された接着剤は堰き止められ、位置決めリブ96を越えて溢れてしまう不具合を防止できる。
この接着剤注入部92は、固定板背面とのクリアランスが1.0mmの窪部によって構成され、接着剤の溜部としても機能する。即ち、接着剤注入部92の容積は、接着領域93を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設定されている。そして、この接着剤注入部92の左右内側に矩形状の逃げ凹部95が隣接している。この逃げ凹部95は、固定板背面とのクリアランスが0.25mmの窪部によって構成されている。
【0083】
上記の接着領域93は、第1接着領域97と第2接着領域98とから構成される。そして、接着剤注入部92と第1接着領域97との間、及び、接着剤注入部92と第2接着領域98との間には、第1接着領域97及び第2接着領域98側に向けて傾斜したテーパー部99を設けており、このテーパー部99を介して接着剤注入部92と第1接着領域97及び第2接着領域98とを連通させている。
【0084】
第1接着領域97は、ケース90の高さ方向に細長い長方形状の領域であり、固定板背面とのクリアランスが0.25mmの面によって構成されている。この第1接着領域97は、接着剤注入部93側の位置決めリブ96に隣接して形成されており、その基端は上記のテーパー部99に接し、先端は第2収容空部29の底面29aの少し手前に位置している。そして、第1接着領域97の先端及び左右内側の縁は、第2接着領域98に繋がっている。
【0085】
第2接着領域98は、先端部分の幅が他の部分の幅よりも少し広いハット状の領域であり、固定板背面とのクリアランスが0.05mmの面によって構成されている。そして、この第2接着領域98における左右一側に上記の第1接着領域97が隣接しており、左右他側に空気排出部94が隣接している。
【0086】
従って、本実施形態においても、接着領域93は、固定板背面とのクリアランスが接着剤注入部92から空気排出部94に向かって段階的に狭くなっており、接着剤注入部92から遠ざかる程に接着剤の毛細管力を強くしている。
【0087】
空気排出部94は、第2接着領域98の先端側の突出部分から逃げ凹部に向かってケース90の高さ方向に形成された直線状の凹溝であり、位置決めリブ96の左右内側に設けられている。このため、万一、空気排出部94内に接着剤が溢れてしまってもこの接着剤を堰き止めることができ、位置決めリブ66を越えて溢れてしまう不具合を防止できる。
この空気排出部94は、固定板背面とのクリアランスが0.25mmの面によって構成されている。このため、空気排出部94と第2接着領域98の境界部には、第2接着領域98のクリアランスに相当する幅0.05mmのスリットが形成され、このスリットが排気部100となる。そして、この排気部100の隙間、つまり、スリットの幅は、第2接着領域98内を満たした接着剤が表面張力によって保持される程度の大きさである。これにより、接着領域93内の接着剤が空気排出部94内に溢れ出す不具合を防止している。
【0088】
次に、振動子ユニット2を収容空部27内に接着固定する手順について説明する。
【0089】
本実施形態でも、まず、収容空部27内に振動子ユニット2を収容して位置決めした後、接着剤を接着剤注入部92に注入する。ここで、本実施形態では、1つの振動子ユニット2に対応する接着剤注入部92が1つである。このため、複数の振動子ユニット2…を備えていても、接着剤供給装置のノズルは1方向から臨ませればよい。これにより、製造ラインにおける装置レイアウトの自由度が増す。また、ノズルを接着剤注入部92に臨ませる作業も容易になる。
【0090】
接着剤を注入したならば、ケース90を上下方向に反転する。このとき、まず、第1接着領域97とテーパー部99とが接着剤で満たされる(図20の状態)。そして、ケース90を反転すると接着剤は、第2接着領域98内を毛細管力で移動してゆく。即ち、接着剤は、第1接着領域97の縁部、及び、テーパー部99の縁部から第2接着領域98内に流入する(図21の状態)。その後、接着剤は、第2接着領域98内を空気排出部94側に向けて移動する。これにより、第2接着領域98内の空気は、排気部100等を通じて排出される。従って、第2接着領域98内に気泡を残さずに確実に充填できる。
【0091】
第2接着領域98を進む接着剤は、まず、排気部100の長辺側に到達する。ここで、排気部100の幅が幅0.05mmと極く狭いので、接着剤は、排気部100を越えて空気排出部94側へは移動しない。従って、接着剤は、図22に示すように、第2接着領域98における先端側隅角部に向かって充填される。
その後、接着剤は、第2接着領域98の先端側隅角部まで充填され(図23の状態)、排気部100の短辺側に空気を追い出すようにして、第2接着領域98の全域に充填される(図24の状態)。
【0092】
このように、本実施形態でも、接着領域93に流入した接着剤が領域の端部から順に充填される。これにより、接着領域93内の空気を空気排出部94側に追い出しながら接着剤を充填することができ、接着領域94における気泡の残留を防止できる。このため、各圧電振動子8の挙動を揃えることができ、飛行速度やインク量等のインク滴の吐出特性の安定化が図れる。
【0093】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、上記の各実施形態では、固定板接着壁部の接着面から固定板の接着面までの間隔を段階的に設定した構成を例示したが、この間隔を連続的に変化させてもよい。
【0095】
また、上記の各実施形態では、接着剤の注入後にケース3,60,75,90の上下を反転させ、毛細管力によって接着剤を充填させるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、接着剤の注入後においてもケース3,60,75,90の上下方向をそのまま維持し、固定板の接着面と固定板接着へ基部の接着面との隙間に接着剤を充填してもよい。
なお、先端面接着部32に湾曲窪部33を設けた構成では、接着剤の注入後にケースの上下を反転させると、その効果を一層高めることができる。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
即ち、固定板と接着壁部との接着領域に臨ませて、接着剤が注入される接着剤注入部と接着領域内の空気を排出するための空気排出部とを設け、前記接着領域における接着壁部の接着面から固定板の接着面までの間隔を、接着剤注入部から空気排出部に向かって狭くなるように部位毎に異ならせて設定することにより、接着剤注入部に注入された接着剤が、毛細管力によって接着剤注入部側から空気排出部側に向けて前記接着領域内の空気を追い出しながら接着領域内を満たすようにしたので、接着領域内における接着剤の充填速度を積極的にコントロールできる。具体的には、接着剤注入部から遠ざかる程に接着剤の毛細管力が強くなる。これにより、接着剤注入部に注入された接着剤を空気排出部まで確実に案内できると共に、接着領域における気泡の残留を防止できる。このため、接着領域における部分的な剛性不足が防止でき、各圧電振動子の挙動を揃えることができる。その結果、飛行速度やインク量等のインク滴の吐出特性の安定化が図れる。
【0097】
また、充填視認部により、接着剤の接着領域への充填状態を逃げ凹部を通して視認可能にした場合には、充填視認部における接着剤の充填状態に基づいて、接着剤が接着領域の全域を満たしたかどうかを判定できる。このため、接着不良を防止できる。
【0098】
また、固定板背面と密着する基準面が形成された位置決めリブを接着領域よりも外側の左右両側に設け、接着剤注入部を位置決めリブ同士の間に設けた場合には、注入された接着剤は位置決めリブに堰き止められるので、接着剤を接着領域内に留めることができる。これにより、他の部分に接着剤が付着してしまう不具合を確実に防止できる。
【0099】
また、接着剤注入部に連通させて、注入された接着剤を一時的に貯留する接着剤溜部を設けた場合には、接着剤の注入速度を高めても接着剤を基端側開口から溢れにくくすることができる。これにより、接着工程の作業時間の短縮化が図れる。さらに、接着剤溜部の容積を、接着領域を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設定した場合には、接着剤の注入を1回で済ませることができる。このため、作業時間の一層の短縮化が図れる。
【0100】
また、接着領域と空気排出部とが連通する排気部の隙間を、接着領域内の接着剤が表面張力によって保持される大きさに設定した場合には、接着領域内の接着剤が空気排出部内に溢れてしまうことを防止することができる
【0101】
また、先端面接着部における接着面側の隅角部に窪部を設けて、固定板先端面と先端面接着部との先端面接着領域を固定板先端面における振動子側の縁部から離隔させた場合には、窪部の角部によって接着剤を先端面接着領域内に保持することができ、接着剤が圧電振動子に伝わってしまう不具合を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】振動子ユニットを抜いた状態の記録ヘッドの斜視図である。
【図2】振動子ユニットの斜視図である。
【図3】流路ユニットの部分を拡大して示した断面図である。
【図4】ケースを基端側から見た平面図である。
【図5】図4のA−A線の位置で片半を断面で示した図である。
【図6】固定板とケースとの接着部分を拡大して示した断面図である。
【図7】湾曲窪部の端部を説明する拡大図である。
【図8】第1実施形態のケースにおける固定板接着壁部の構造を説明する図である。
【図9】接着剤注入部付近の拡大図である。
【図10】接着剤注入時の状態を説明する図である。
【図11】注入された接着剤が毛細管力により上昇する様子を説明する図である。
【図12】接着剤が毛細管力により第3接着領域を満たす様子を説明する図である。
【図13】第3接着領域が接着剤によって満たされた様子を説明する図である。
【図14】第2実施形態におけるケースの平面図である。
【図15】図14のB−B断面図である。
【図16】(a)〜(d)はそれぞれ、第2実施形態における接着剤の充填状態を説明する図である。
【図17】第3実施形態におけるケースの断面図である。
【図18】第3実施形態における接着剤の充填状態を説明する図である。
【図19】第4実施形態を説明する図であり、(a)はケースの断面図、(b)はケースを取付面側から見た図である。
【図20】第4実施形態において接着剤注入直後の状態を説明する図である。
【図21】第4実施形態において注入された接着剤が第2接着領域内を充填する様子を説明する図である。
【図22】第4実施形態において接着剤が空気排出部まで到達した様子を説明する図である。
【図23】第4実施形態において接着剤が第2接着領域内の隅角部まで充填された様子を説明する図である。
【図24】第4実施形態において接着剤が第2接着領域内の全域を満たした様子を説明する図である。
【符号の説明】
1…インクジェット式記録ヘッド
2…振動子ユニット
3,60,75,90…ケース
4…流路ユニット
5…圧電振動子群
6…固定板
7…フレキシブルケーブル
8…圧電振動子
9…圧電振動子の固定端部
10…圧電振動子の自由端部
13…ノズルプレート
14…流路形成基板
15…弾性板
16…ノズル開口
17…共通インク室
18…インク供給口
19…圧力室
20…支持板
21…樹脂フィルム
22…島部
25…ケース本体
26…フランジ部
27…収容空部
28…第1収容空部
29…第2収容空部
30,65,80,95…逃げ凹部
31,61,76,91…固定板接着壁部
32…先端面接着壁部
33…湾曲窪部
34…充填視認部
40,63,78,93…接着領域
41,62,77,92…接着剤注入部
42,64,79,94…空気排出部
43,66,81,96…位置決めリブ
44…接着剤受部
45…連通溝部
46,82…接着剤溜部
47,67,83,97…第1接着領域
48,68,84,98…第2接着領域
49,69,85…第3接着領域
50,71,100…排気部
70,99…テーパー部

Claims (9)

  1. 圧電振動子を固定板に接合した振動子ユニットと、該振動子ユニットを収容可能な収容空部を設けたケースとを備え、ケースの接着壁部と振動子ユニットの固定板とを接着することにより、振動子ユニットを収容空部内に収容して固定したインクジェット式記録ヘッドであって
    固定板と接着壁部との接着領域に臨ませて、接着剤が注入される接着剤注入部と接着領域内の空気を排出するための空気排出部とを設け、
    前記接着領域における接着壁部の接着面から固定板の接着面までの間隔を、接着剤注入部から空気排出部に向かって狭くなるように部位毎に異ならせて設定することにより、接着剤注入部に注入された接着剤が、毛細管力によって接着剤注入部側から空気排出部側に向けて前記接着領域内の空気を追い出しながら接着領域内を満たすようにし
    前記接着壁部におけるケースの基端側領域を凹状に窪ませて、固定板と接着壁部との間に非接着領域を形成する逃げ凹部を設け、
    該逃げ凹部と接着領域との境界部分を逃げ凹部側に向けて拡開させて充填視認部を形成し、
    該充填視認部により、接着剤の接着領域への充填状態を視認可能にしたことを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 前記接着剤注入部を接着領域の左右両側縁部に臨ませて設けると共に、空気排出部を接着剤注入部同士の間に位置させて設け、接着領域の両側縁部から空気排出部側に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 前記空気排出部を接着領域の左右両側縁部に臨ませて設けると共に、接着剤注入部を空気排出部同士の間に位置させて設け、接着領域の左右中央側から両側縁部側に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 前記接着剤注入部を接着領域の左右一側縁部に臨ませて設けると共に、空気排出部を左右他側縁部に臨ませて設け、接着領域の一側縁部から他側縁部に向けて接着剤を満たすようにしたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 固定板背面と密着する基準面が形成された位置決めリブを接着領域よりも外側の左右両側に接着領域の高さ方向へ延設し、
    上記接着剤注入部を位置決めリブ同士の間に設けたことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 前記接着剤注入部に連通させて、注入された接着剤を一時的に貯留する接着剤溜部を設けたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
  7. 前記接着剤溜部を、接着領域を満たすために必要な量の接着剤を貯留し得る容積に設けたことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 前記接着領域と空気排出部とが連通する排気部の隙間を、接着領域内の接着剤が表面張力によって保持される大きさに設定したことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
  9. 前記振動子ユニットを、圧電振動子の自由端部を固定板の先端面よりも外側に突出させた状態で圧電振動子と固定板とを接合する構成とし、
    前記接着壁部の先端部分を接着領域よりも突出させて固定板先端面が接着される先端面接着部を形成し、
    該先端面接着部における振動子側の隅角部に窪部を設けて、固定板先端面と先端面接着部との先端面接着領域を固定板先端面における振動子側の縁部から離隔させたことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載のインクジェット式記録ヘッド。
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