JP4741761B2 - インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ等の記録方式のうち、吐出口(ノズル)からインクを吐出させて被記録媒体に文字や画像等を形成するインクジェット記録方式は、低騒音のノンインパクト記録方式で高密度かつ高速の記録動作が可能であるため、近年では広く採用されている。
【0003】
一般的なインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドと、これを搭載するキャリッジを駆動する手段と、被記録媒体を搬送する手段と、これらを制御するための制御手段とを備えている。このように、キャリッジを移動させながら記録動作を行うものをシリアル型という。一方、インクジェット記録ヘッドを移動させずに被記録媒体の搬送のみで記録動作を行うものをライン型という。ライン型のインクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドは、被記録媒体の幅方向全幅にわたって配列された多数のノズルを有する。
【0004】
インクジェット記録ヘッドは、ノズルからインク滴を吐出させるために、ノズル内のインクに与える吐出用のエネルギーを発生するエネルギー発生手段を有する。エネルギー発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体素子を用いたもの、発熱抵抗体等の電気熱変換体素子を用いたもの、あるいは電波やレーザ等の電磁波を機械的振動または熱に変換する電磁波機械変換体素子、電磁波熱変換体素子を用いたもの等がある。その中でも、熱エネルギーを利用してインク滴を吐出させる方式は、ノズルを高密度に配列させることができるため高解像度の記録を行うことが可能である。特に、電気熱変換体素子をエネルギー発生素子とし用いたインクジェット記録ヘッドは、電気機械変換体素子を用いたものよりも小型化が容易であり、更には、最近の半導体製造分野において進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加工技術を応用してその長所を十分に活用することにより、高密度実装化が容易でかつ製造コストを低くできるという利点がある。
【0005】
インクジェット記録ヘッドへのインクの供給方式としては、インクを収容するインクタンクをインクジェット記録ヘッドと一体とした、いわゆるヘッドタンク一体方式、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとをチューブで接続した、いわゆるチューブ供給方式、および、インクタンクとインクジェット記録ヘッドとを別々に設け、必要に応じてインクジェット記録ヘッドをインクタンクの位置まで移動させて両者を接続し、その間にインクタンクからインクジェット記録ヘッドヘインクを供給する、いわゆるピットイン方式がある。
【0006】
インクタンクの交換頻度を少なくするために、インクタンクの容量を大きくすると、インクタンクの重量が増大するため、シリアル型のインクジェット記録装置においては、キャリッジに加わる重量が増大することを考慮すると、ヘッドタンク一体方式は好ましくない。したがって、大容量のインクタンクを用いるシリアル型のインクジェット記録装置では、チューブ供給方式やピットイン方式を採用する場合が多い。中でも、ピットイン方式はインクの供給中は記録動作を停止させる必要があるため、長時間の連続記録が可能なチューブ供給方式が多く採用される。
【0007】
以下に、チューブ供給方式のインクジェット記録装置のインク供給系について、図16を参照して説明する。
【0008】
図16に示すインク供給系は、インク1209を内部に収納するメインタンク1204と、メインタンク1204が着脱可能に装着される供給ユニット1205と、供給チューブ1206を介して供給ユニット1205と接続されている記録ヘッド1201とを有する。
【0009】
供給ユニット1205はインク室1205cをその内部に有している。インク室1205cは、上部において大気連通口1205gにより大気に開放されるとともに、底部において供給チューブ1206と接続されている。また、供給ユニット1205には、それぞれ下端がインク室1205c内に位置し、かつ上端が供給ユニット1205の上面から突出している中空のインク供給針1205aおよび大気導入針1205bが固定されている。インク供給針1205aの下端は、大気導入針1205bの下端よりも低い位置にある。
【0010】
メインタンク1204は、メインタンク1204の内部を密閉するための、ゴム栓等で構成される2つのコネクタ部を底部に有し、メインタンク単独では密閉構造となっている。メインタンク1204を供給ユニット1205に装着する際は、インク供給針1205aおよび大気導入針205bがそれぞれコネクタ部を貫通しメインタンク1204の内部に侵入するように装着する。インク供給針1205aの下端の位置と大気導入針1205bの下端の位置は上記のように設定されているので、メインタンク1204内のインクはインク供給針1205aを介してインク室1205cへ供給され、それによるメインタンク1204内の圧力の減少分を補うように、大気導入針1205bを介してメインタンク1204内に大気が導入される。大気導入針1205aの下端がインクに浸かる位置までインク室1205c内にインクが供給されると、メインタンク1204からインク室1205cへのインクの供給が停止する。
【0011】
記録ヘッド1201は、一定量のインクを蓄えるサブタンク部1201bと、インクを吐出する複数のノズルが配列されたインク吐出部1201gと、サブタンク部1201bとインク吐出部1201gとを接続する流路とを有する。インク吐出部1201gではノズルの開口面が下方を向いており、インクは下向きに吐出される。インク吐出部1201gの各ノズル内には、上述したエネルギー発生手段が設けられている。サブタンク部1201bはインク吐出部1201gの上方に位置しており、供給チューブ1206はこのサブタンク部1201bと接続されている。サブタンク部1201bと流路1201fとの間には、インク中の微細な異物がインク吐出部1201gに侵入することによって生じるノズルの目詰まりを防止するために、微細なメッシュ構造を有するフィルタ1201cが取り付けられている。
【0012】
フィルタ1201cの面積はインクによる圧力損失を許容値以下とするように設定される。フィルタ1201cでの圧力損失は、フィルタ1201cのメッシュが細かいほど、また、フィルタ1201cを通過するインクの流量が多いほど高くなる。逆に、フィルタ1201cの面積には反比例する。近年の高速、多ノズル、小ドットの記録ヘッドにおいては圧力損失が高くなる傾向にあるので、フィルタ1201cの面積をできるだけ大きくして圧力損失の上昇を抑えている。
【0013】
ノズルは大気に対して開放されており、しかもノズルの開口面は下方を向いて配置されているので、ノズルからのインクの漏れを防止するために、記録ヘッド1201の内部は負圧に保たれている必要がある。一方、負圧が大きすぎるとノズル内に空気が侵入し、ノズルからインクを吐出することができなくなってしまう。そこで、記録ヘッド1201内を適度の負圧状態とするために、ノズルの開口面の位置がインク室1205c内でのインクの液面に対して高さHだけ高い位置になるように記録ヘッド1201を配置し、記録ヘッド1201内が高さHの水頭差分の負圧に保たれた状態とする。これによりノズルは開ロ面にメニスカスを形成した状態でインクを満たした状態に保たれる。
【0014】
ノズルからのインクの吐出は、エネルギー発生手段の駆動によりノズル内のインクを押し出すことによって行われる。インクの吐出後、ノズル内には毛管力によってインクが充墳される。記録動作中は、ノズルからのインクの吐出と、ノズル内へのインクの充填が繰り返され、インクは供給チューブ1206を介して随時インク室1205cから吸い上げられる。
【0015】
インク室1205c内のインクが記録ヘッド1201に吸い上げられ、インク室1205c内のインクの液面位置が大気導入針1205bの下端よりも低くなると、大気導入針1205bを介してメインタンク1204内に大気が導入され、それに伴ってメインタンク1204内のインクがインク室1205cに供給され、大気導入針1205bの下端が再びインク室1205cのインクに浸かる。こういった挙動を繰り返しながら、記録ヘッド1201からのインクの吐出に伴い、メインタンク1204内のインクが記録ヘッド1201へ供給される。
【0016】
ところで、記録ヘッド1201のサブタンク部1201bには、供給チューブ1206などの樹脂材料を透過して侵入した空気や、インク中に溶存していた空気が次第に蓄積してくる。サブタンク部1201bに蓄積した余分な空気を排出するために、サブタンク部1201bには、排気ポンプ1211aと接続された排気チューブ1211が接続されている。ただし、上述したように記録ヘッド1201内を適度な負圧状態に保つため、排気チューブ1211には弁1211bが設けられており、排気動作時にのみ弁1211bを開くことによって、記録ヘッド1201内が大気圧にならないようにしている。
【0017】
なお、インク吐出部1201g内にインクの増粘物が詰まった場合や、インク吐出部1201gのインク中に溶存していた空気が蓄積され気泡となって生じた場合に、これらを除去するために、インクジェット記録装置においては回復ユニット1207が一般的に設けられている。回復ユニット1207は、記録ヘッド1201のノズルの開口面をキャッピングするキャップ1207aと、このキャップ1207aに接続された吸引ポンプ1207cとを有し、キャップ1207aでノズルの開口面をキャッピングした状態で吸引ポンプ1207cを駆動し、記録ヘッド1201内のインクを強制的に吸引することで、インクの増粘物や余分な気泡をインク吐出部1201gから除去する。
【0018】
この吸引回復動作の際、インクの流速が速ければ、インクの増粘物や余分な気泡を効果的に除去できるので、流路1201f内でのインクの流速を速くするために、流路1201fの断面積は小さくされる。一方、前述したように、フィルタ1201cの断面積はできるだけ大きく設定されるので、フィルタ1201cの下では流路1201fは断面積を絞った形状とされる。
【0019】
以上、チューブ供給方式を例に挙げて従来のインク供給系を説明したが、ヘッド一体方式やピットイン方式においても、インクタンクから記録ヘッドまでのインクの供給経路に関する構造が異なるだけで、記録ヘッドのフィルタから下側の構造は、基本的にはチューブ供給方式と同様である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような記録ヘッドは、サブタンクユニットの液室部分に流路蓋を接合することで密閉空間を構成する。しかし、各液室の密閉が不完全な場合には、リークが発生する。例えば、接着剤の塗布時に接合部に泡を抱き込み、タンクユニットと流路蓋との接合時にその泡を内包してしまうと、液室間を繋ぐ空洞ができるため、その空洞を通してリークが発生する。
【0021】
図17(a)のように泡を内包した状態で接着剤を塗布した後にタンクユニットと流路蓋との接合を行うと、図17(b)のように液室A,B間をつなぐ空洞ができてしまうため、液室A,B間にリークが発生する。このリークにより液室内のインクが交じり合い、混色が発生する可能性がある。
【0022】
また、例えば接着剤の硬化キュア時において、温度上昇に伴ってタンクユニット及び流路蓋から発生する水蒸気が成長することによっても液室間を繋ぐ空洞ができるため、その空洞を通してリークが発生する。
【0023】
図18(a)のようにタンクユニットと流路蓋とを接合した後に接着剤のキュアを行うと、図18(b)のようにタンクユニット及び流路蓋を構成している部材の材料から水蒸気が発生する。これが接着剤中に混入して図18(c)のように成長すると液室間を繋ぐ空洞ができるため、液室A,B間にリークが発生し、上記の場合と同様にこのリークにより液室内のインクが交じり合い、混色が発生する可能性がある。
【0024】
本発明の目的は、記録ヘッドの液室の部分に蓋部材を接合する際に接着剤中に泡が内包されることを防止し、これにより液室間のリークによる不具合が発生することを防止することのできるインクジェット記録ヘッド、該インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法を実現することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクタンクと、インクを吐出するノズルと、前記インクタンクからフィルタを介して供給されたインクを一定量貯蔵するとともに前記ノズルへ供給する液室と、該液室に接合される蓋部材とを有し、前記液室の周囲には接着剤が塗布される溝部が形成されており、前記蓋部材には前記溝部に嵌合される凸部が形成されているインクジェット記録ヘッドにおいて、前記溝部内に前記接着剤を塗布した後に前記凸部を前記溝部内に嵌合させて前記蓋部材を前記液室に接合する際に、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる気体放出手段を有することを特徴とする。
【0026】
上記本発明のインクジェット記録ヘッドによれば、接着剤中に残留する気体が溝部の外に放出されるので、互いに隣接する液室間をつなぐ空洞が溝部内の接着剤中に残留する気体によって形成されることがなく、各液室が確実に密閉されるため、液室間にリークが発生することが防止される。
【0027】
さらに、前記気体放出手段は前記蓋部材側に設けられている構成としてもよく、この場合、前記前記気体放出手段は、前記蓋部材の前記凸部に沿って前記蓋部材の表裏を貫通するように形成された穴である構成としてもよい。この構成によれば、接着剤中に残留する気体は、凸部を溝部内に嵌合させて蓋部材を液室に接合する際に、蓋部材の穴を通って溝部の外に放出される。
【0028】
あるいは、前記気体放出手段は前記液室側に設けられている構成としてもよく、この場合、前記気体放出手段は、前記溝部内の空間と前記液室内の空間とを連通させる通路である構成としてもよい。この構成によれば、接着剤中に残留する気体は、凸部を溝部内に嵌合させて蓋部材を液室に接合する際に、溝部から該通路を通って液室内に放出される。
【0029】
また、前記インクタンクと前記ノズルと前記液室とからなる組が独立に複数設けられている構成としてもよい。
【0030】
さらに、前記液室のそれぞれは、前記複数のノズルにより形成される幅が前記複数のインクタンクにより形成される幅よりも小さくなるように、前記複数のノズルから前記複数のインクタンクに向けて拡がる放射形状とされている構成としてもよい。
【0031】
また、前記溝部は、底面から入口に向かうにつれて幅が拡がり、かつ、底面と側面とをつなぐ滑らかな曲線が形成された断面形状を有している構成としてもよい。これによれば、溝部が底面から入口に向かうにつれて幅が拡がっていることから、溝部内に接着剤を塗布しやすく、かつ溝部の底部まで確実に接着剤が入り込み、接着剤が泡を抱き込むような不具合を解消することが可能になる。また、泡は角部に溜まりやすいという性質を有しているが、この溝部には底面と側面とをつなぐ滑らかな曲線が形成されているので、泡が隅部に溜まることを防ぐことが可能になる。
【0032】
さらに、前記凸部は、先端部が丸みを帯びた断面形状を有している構成とすることにより、先端が角張っているものに比べて、溝部内の接着剤中に押し込まれる際に、接着剤に滑らかに接してこれを徐々に押しのけるため、接着剤中に泡を発生させたり、泡を抱き込んだりすることをより確実に防止することができる。
【0034】
また、前記蓋部材を接合する側から見た前記溝部の形状が、縦方向成分と、該縦方向成分に対して直交する横方向成分と、前記縦方向成分または前記横方向成分の少なくとも一方に交差する斜め方向成分とからなる構成としてもよい。これにより、溝部と凸部との間に「ガタ」がある場合であっても、3方向の成分からなる溝部が全体としてこの「ガタ」を極力抑え、より精度良く互いを接合することが可能になる。
【0035】
さらに、前記溝部の前記各成分のうちの任意の4つ以上の成分が交差する部分の接着剤塗布面積が、前記任意の3つ以下の成分が交差する部分の接着剤塗布面積よりも大きい構成としてもよい。接着剤は塗布される際に交差する部分に特に泡が発生しやすい傾向にあるが、上記のように接着剤塗布面積が大きくなっている部分では、多少の泡が発生した場合においても、接着剤の塗布量が他の部分よりも多いので、その泡による影響は相対的に小さくなるため、その泡によって液室間をリークさせる空洞が形成されるおそれが少なくなる。
【0036】
また、本発明のインクジェット記録装置は、上記本発明のインクジェット記録ヘッドを用いている。
【0037】
また、本発明のインクジェット記録装置の製造方法は、インクタンクと、インクを吐出するノズルと、前記インクタンクからフィルタを介して供給されたインクを一定量貯蔵するとともに前記ノズルへ供給する液室と、該液室に接合される蓋部材とを有し、前記液室の周囲には接着剤が塗布される溝部が形成されており、前記蓋部材には前記溝部に嵌合される凸部が形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記溝部内に前記接着剤を塗布する工程と、前記凸部を前記溝部内に嵌合させて前記蓋部材を前記液室に接合する工程と、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程と、を有することを特徴とする。
【0038】
上記本発明のインクジェット記録装置の製造方法によれば、接着剤中に残留する気体が溝部の外に放出されるので、互いに隣接する液室間をつなぐ空洞が溝部内の接着剤中に残留する気体によって形成されることがなく、各液室が確実に密閉されるため、液室間にリークが発生することを防止できるインクジェット記録装置を製造することができる。
【0039】
さらに、前記蓋部材には前記凸部に沿って前記蓋部材の表裏を貫通する穴が形成されており、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程は、前記気体を前記穴を通して前記溝部の外に放出させる工程からなる構成としてもよい。
【0040】
あるいは、前記液室には前記溝部内の空間と前記液室内の空間とを連通させる通路が設けられており、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程は、前記気体を前記通路を通して前記液室内に放出させる工程からなる構成としてもよい。
【0041】
また、前記溝部内に前記接着剤を塗布する工程は、前記接着剤の塗布開始から塗布終了までの間、前記接着剤を連続的に塗布し続けることからなる構成とすることにより、塗布された接着剤中に気泡が混入することを抑えることが可能になる。
【0042】
さらに、接着剤を吐出するニードルからの前記接着剤の単位時間当たりの塗布量を一定に保ち、前記溝部に対する前記ニードルの移動速度を、前記溝部の直線部分に前記接着剤を塗布するときと、前記溝部の角部分に前記接着剤を塗布するときとで変化させる構成としてもよい。溝部の全ての部分に対して同じ速度で塗布を行うと、溝部の角部分では直線部分に比べて接着剤の塗布量が多くなる。そのため、角部分ではニードルの移動速度を上げ、直線部分でその速度を下げることにより、塗布量の安定化とともに、気泡の取り込みの防止を図ることができる。
【0043】
あるいは、接着剤を吐出するニードルの前記溝部に対する移動速度を一定に保ち、前記ニードルからの前記接着剤の吐出圧力を、前記溝部の直線部分に前記接着剤を塗布するときと、前記溝部の角部分に前記接着剤を塗布するときとで変化させる構成としてもよい。溝部の全ての部分に対して同じ吐出圧力で塗布を行うと、溝部の角部分では直線部分に比べて接着剤の塗布量が多くなる。そのため、角部分ではニードルの吐出圧力を低くし、直線部分でその吐出圧力を高くすることにより、塗布量の安定化とともに、気泡の取り込みの防止を図ることができる。
【0044】
また、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程の後に、前記接着剤を硬化させるためのキュア工程をさらに有する構成としてもよい。
【0045】
さらに、前記キュア工程は、比較的低い温度で前記接着剤を硬化させるプレキュア工程と、該プレキュア工程の後に比較的高い温度で前記接着剤を硬化させる本キュア工程とからなる構成としてもよい。接着剤の溝部および流路蓋に接する部分は、プレキュアを経ると半硬化状態になる。そのため、プレキュア後に行う本キュア中の高温で溝部や流路蓋の構成材料から水蒸気が発生した場合であっても、その水蒸気は半硬化状態の接着剤を透過することはできないため、水蒸気が接着剤中に混入することを抑制することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【0048】
図1に示すインクジェット記録装置は、記録ヘッド201の往復移動(主走査)と、一般記録紙、特殊紙、OHPフィルム等の記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とを繰り返しつつ、これらの動きと同期させながら記録ヘッド201から選択的にインクを吐出させ、記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル型の記録装置である。
【0049】
図1において、記録ヘッド201は、2本のガイドレールに揺動自在に支持され不図示のモータ等の駆動手段によりガイドレールに沿って往復移動されるキャリッジ202に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、搬送ローラ203により、記録ヘッド201のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、キャリッジ202の移動方向と交差する方向(例えば、直交する方向である矢印A方向)に搬送される。
【0050】
記録ヘッド201は、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。記録ヘッド201から吐出されるインクの色に対応して、複数独立したメインタンク204が、インク供給ユニット205に着脱可能に装着される。インク供給ユニット205と記録ヘッド201とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ206によって接続され、メインタンク204をインク供給ユニット205に装着することで、メインタンク204内に収納された各色のインクを、記録ヘッド201の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。
【0051】
記録ヘッド201の往復移動範囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、回復ユニット207が、記録ヘッド201のインク吐出面と対面するように配置されている。
【0052】
次に、このインクジェット記録装置のインク供給系の詳細な構成について図2を参照して説明する。図2は、図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を説明するための図であり、説明を簡単にするため、1色分の経路についてのみ示している。
【0053】
まず、記録ヘッド201について説明する。
【0054】
記録ヘッド201へは、インク供給チューブ206の先端に設けられた液体コネクタが気接続されるコネクタ挿入口201aからインクが供給される。コネクタ挿入口201aは記録ヘッド201の上部に形成されたサブタンク部201bと連通している。サブタンク部201bの下には、並列に配列された複数のノズル201gを有するノズル部にインクを直接供給する液室201fが形成されている。サブタンク部201bと液室201fとはフィルタ201cによって区画されているが、サブタンク部201bと液室201fとの境界には開口部201dが形成された仕切部201eを有し、フィルタ201cはこの仕切部201e上に設置されている。
【0055】
上述の構成により、コネクタ挿入口201aから記録ヘッド201に供給されたインクは、サブタンク部201b、フィルタ201c、液室201fを経てノズル201gに供給される。コネクタ挿入口201aからノズル201gまでの間は大気に対して気密な状態に保つ必要がある。
【0056】
サブタンク部201bの上面には開口部が形成され、この開口部はドーム状の弾性部材201hで覆われている。この弾性部材201hで囲まれた空間(圧力調整室201i)は、サブタンク部201b内の圧力に応じて容積が変化し、後述するようにサブタンク部201b内の圧力を調整する機能を有する。
【0057】
ノズル201gは、断面幅が20μm程度の筒状の構造を持ち、ノズル201g内のインクに吐出エネルギーを与えることでインクをノズル201gから吐出させ、インクの吐出後、ノズル201gの毛管力によりノズル201g内にインクが満たされる。通常は、この吐出を20kHz以上のサイクルで繰り返し、微細で高速な画像形成を行っている。ノズル201g内のインクに吐出エネルギーを与えるために、記録ヘッド201は、ノズル201gごとにエネルギー発生手段を有する。本実施形態では、エネルギー発生手段として、ノズル201g内のインクを加熱する発熱抵抗素子を用いており、記録ヘッド201の駆動を制御するヘッド制御部(不図示)からの指令により発熱抵抗素子を選択的に駆動し、所望のノズル201g内のインクを膜沸騰させ、これにより生じる気泡の圧力を利用してノズル201gからインクを吐出させている。
【0058】
ノズル201gは、インクを吐出する先端を下向きにして配列されているが、その先端を閉鎖する弁機構は設けられておらず、インクはメニスカスを形成した状態でノズル201gを満たしている。そのため、記録ヘッド201の内部、特にノズル201g内は負圧の状態に保たれている。ただし、負圧が小さすぎると、ノズル201gの先端に異物やインクが付着した場合、インクのメニスカスが崩れてインクがノズル201gから漏れ出てしまうことがある。またこの逆に負圧が大きすぎると、吐出時にインクに与えられるエネルギーよりもノズル201g内にインクを引き戻す力が強くなってしまい、吐出不良となってしまう。よって、ノズル201g内における負圧は、大気圧よりも若干低い一定の範囲に保たれる。この負圧の範囲は、ノズル201gの数、断面積、発熱抵抗素子の性能等により異なるが、実験結果によれば、−40mmAq(約−0.0040atm=−4.053kPa)〜−200mmAq(約−0.0200atm=−2.0265kPa)(ただし、インクの比重≒水の比重とする)の範囲が好ましい。
【0059】
本実施形態では、インク供給ユニット205と記録ヘッド201とをインク供給チューブ206で接続しており、インク供給ユニット205に対する記録ヘッド201の位置を比較的に自由に設定できるので、記録ヘッド201内を負圧とするために、記録ヘッド201をインク供給ユニット205よりも高い位置に配置している。この高さについて詳しくは後述する。
【0060】
フィルタ201cは、ノズル201gを詰まらせるような異物がサブタンク部201bから液室201fへ流出するのを防止するための、ノズル201gの断面幅よりも小さい10μm以下の微細孔を有する金属メッシュで構成される。フィルタ201cは、フィルタ201cの一方の面のみにインクが接触すると各微細孔に毛管力によるインクのメニスカスが形成され、インクは容易に透過するが空気の流れは困難な性質を持っている。微細孔のサイズが小さいほどメニスカスの強度は強くなり、より空気を通しにくくなる。
【0061】
本実施形態で用いたようなフィルタ201cでは、空気を透過させるのに必要な圧力は0.1atm(10.1325kPa)程度(実験値)である。そのため、記録ヘッド1内でのインクの移動方向に関してフィルタ201cの下流に位置する液室201fに空気が存在すると、空気は空気自身の浮力程度ではフィルタ201cを通過することができないので、液室201f内の空気は液室201f内に留まる。本実施形態においてはこの現象を利用しており、液室201fをインクで満たさず、液室201f内のインクとフィルタ201cとの間に空気の層が存在するように、一定量のインクを液室201f内に蓄えている。
【0062】
液室201f内に蓄えられるインクの量は、最低限、ノズル201gをインクで満たすのに必要な量である。ノズル201g内に液室201fからの空気が侵入すると、インク吐出後のノズル201gにインクが補充されず吐出不良をおこすため、ノズル201g内は常にインクで満たされている必要がある。
【0063】
フィルタ201cの上面にはサブタンク部201b内のインクが接触しているが、このインクと接触している面積がフィルタ201cの有効面積となる。従来の技術でも述べたようにフィルタ201cによる圧力損失はフィルタ201cの有効面積に依存している。本実施形態では、フィルタ201cを記録ヘッド201の使用状態において水平となるように配置し、フィルタ201cの上面全体にインクを接触させることによりフィルタの有効面積を最大とし、圧力損失を低くしている。
【0064】
圧力調整室201iは、内部の負圧が高まるにつれてその容積が縮小する部屋であり、圧力調整室201iが本実施形態のように弾性部材201hで構成される場合は、弾性部材201hとしてはゴム材等が好ましく用いられる。また、弾性部材201hの他に、プラスチックシートとばねとの組み合わせによって構成してもよい。圧力調整室201iの容積は、この記録ヘッド201が使用される環境温度やサブタンク部201bの容積等に応じて設定されるが、本実施形態では約0.5mlとした。
【0065】
圧力調整室201iを設けない場合、サブタンク部201b内の圧力は、インクがメインタンク204、インク供給ユニット205、およびインク供給チューブ206を通過する際の圧力損失による抵抗を直接受ける。そのため、全てのノズル201gよりインクを吐出するなど、高い割合でインクを吐出するいわゆる高デューティーの場合には、吐出されるインクに対して記録ヘッド201に供給されるインクが不足状態となり、負圧が急激に上昇してしまう。ノズル201gの負圧が、前述した限界値である−200mmAq(約−2.0265kPa)を越えると、吐出が不安定になり画像形成の上で不都合な状態となる。
【0066】
本実施形態のような、シリアル型の記録装置においては、高デューティーでの画像形成であってもキャリッジ202(図1参照)の反転の際にインクの吐出を中断する状態が存在する。圧力調整室201iは、インクの吐出中には容積を縮小させてサブタンク部201b内の負圧の上昇を緩和し、反転時に復元するといった、コンデンサのような役割を果たす。
【0067】
例えば、圧力調整室201iの容積の縮小に対する負圧の変化の割合をK=−1.01325kPa/ml、サブタンク部201bの容積をVS=2mlとすると、吐出されたインクに対して供給されたインクが△V=0.05ml不足した場合を考える。この場合、圧力調整室201iがなければ、「PV=一定」の原理により、サブタンク部201b内の負圧の変化は△P=VS/(VS+△V)−1=−2.270kPaとなり、前述した限界値を越えてしまうため、吐出が不安定になる。これに対し、圧力調整室201iがあると、△P=K×△V=−0.507kPaとなり、負圧の上昇が抑制され、安定した吐出が可能となる。
【0068】
上述のように、圧力調整室201iにより、インクの吐出の安定化を図るとともに、メインタンク204から記録ヘッド201までのインクの供給経路での圧力損失の影響が抑えられる。そのため、キャリッジ202に従動するインク供給チューブ206も直径の細いものを使用することができ、キャリッジ202の移動の負荷低減にも貢献する。
【0069】
次に、インク供給ユニット205およびメインタンク204について説明する。
【0070】
メインタンク204は、供給ユニット205に対して着脱可能な構成であり、その底部に、ゴム栓204bで密封されたインク供給口と、ゴム栓204cで密封された大気導入口とを有する。メインタンク204は、単体では気密な容器であり、インク209はメインタンク204内にそのまま収容される。
【0071】
一方、インク供給ユニット205は、メインタンク204からインク209を取り出すためのインク供給針205aと、メインタンク204内へ大気を導入させるための大気導入針205bとを有する。インク供給針205aおよび大気導入針205bはともに中空の針であり、メインタンク204のインク供給口および大気導入口の位置に対応させて針先を上方に向けて配置されており、メインタンク204がインク供給ユニット205に装着されることで、インク供給針205aおよび大気導入針205bがそれぞれゴム栓204b,204cを貫通し、メインタンク204の内部に侵入する構成となっている。
【0072】
インク供給針205aは、液路205c、遮断弁210、および液路205dという経路を経て、インク供給チューブ206と接続される。大気導入針205bは、液路205e、バッファ室205f、大気連通口205gを経て大気と連適する。インク供給針205aからインク供給チューブ206までのインク供給経路のうち最も高さの低い位置にある液路205cと、大気導入針205bから大気運通口205gまでの経路のうち最も高さの低い位置にある液路205eとは、ともに同じ高さである。インク供給針205aおよび大気導入針205bは、本実施形態では、インクの流動抵抗を抑えるため、内径が1.6mmの太いものを使用し、また、針穴についても直径を1〜1.5mmとした。
【0073】
遮断弁210は、ゴム材からなるダイアフラム210aを有し、このダイアフラム210aを変位させることにより2つの液路205c,205d間の開閉を行う。ダイアフラム210aの上面には、押圧ばね210cを内部に保持する筒状のばねホルダ210bが取り付けられており、この押圧ばね210cによりダイアフラム210aを押し潰すことにより、液路205c,205d間が遮断される。ばねホルダ210bは、後述する回復ユニット207のリンク207eにより動作されるレバー210dが係合するフランジを有する。レバー210dを動作させて、押圧ばね210cのばね力に抗してばねホルダ210bを持ち上げることで、液路205c,205d間が連通する。遮断弁210は、記録ヘッド201がインクを吐出している状態では開かれ、待機中および休止中は閉じられ、後述するインク充頃動作時には、回復ユニット207とタイミングを合わせて開閉される。
【0074】
上述したインク供給ユニット205の構成は、レバー210dを除き、メインタンク204ごと、すなわちインクの色ごとに設けられている。レバー210dは全ての色に共通のものであり、全ての色についての遮断弁210を同時に開閉させる。
【0075】
以上の構成により、記録ヘッド201内のインクが消費されると、その負圧により、インクが随時メインタンク204からインク供給ユニット205およびインク供給チューブ206を介して記録ヘッド201へ供給される。その際、メインタンク204から供給されたインクと同量の空気が、大気連通□205gからバッファ室205f、大気導入針205bを経て、メインタンク204内に導入される。
【0076】
バッファ室205fは、メインタンク204内の空気の膨張によりメインタンク204から流出したインクを一時的に保持する目的の空間であり、大気導入針205bの下端はバッファ室205fの底部に位置している。インクジェット記録装置の待機中または休止中に環境温度が上昇したり外気圧が低下する等、メインタンク204内の空気が膨張した場合は、遮断弁210は閉じられているため、メインタンク204内のインクが大気導入針205bから液路205eを経てバッファ室205fへ流出する。逆に、環境温度が低下する等、メインタンク204内の空気が収縮した場合は、バッファ室205f内に流出していたインクはメインタンク204へ戻る。また、バッファ室205fにインクが存在している状態で記録ヘッド201からインクを吐出させると、まず、バッファ室205f内のインクがメインタンク204へ戻り、バッファ室205f内のインクがなくなった後、メインタンク204内に空気が導入される。
【0077】
バッファ室205fの容積Vbは、製品の使用環境を満足するように設定する。例えば、5℃(278K)〜35℃(308K)の温度範囲内での使用を前提とする製品であれば、メインタンク204の容量を100mlとすると、Vb=100×(308−278)/308=9.7ml以上として設定される。
【0078】
ここで、メインタンク204の基本水頭と、メインタンク204内に空気が導入される際のインク供給ユニット205の液路内での空気およびインクの挙動について、図3を用いて説明する。
【0079】
図3(a)に、メインタンク204から記録ヘッド201(図2参照)へインクを供給可能な通常の状態を示す。この状態では、メインタンク204内は、バッファ室205fを除いて気密状態であるためメインタンク204内は負圧に保たれ、インクの先端209aは、液路205eの途中に留まっている。インクの先端209aの圧力は、大気と接しているため大気圧(=0mmAq)である。インクの先端209aが位置する液路205cとインク供給チューブ206(図2参照)に連通する液路205eとは同じ高さであり、両液路205c,205e間はインクのみで連通されているので、液路205cの圧力も大気圧となる。これはインクの先端209aと液路205cとの高さの関係で決まるものであり、メインタンク204内のインク209の量には影響されない。
【0080】
メインタンク204内のインクが消費されると、図3(b)に示すように、インクの先端209aは徐々に大気導入針205bへ向かって移動し、大気導入針205bの直下に達した時点で、図3(c)に示すように、気泡となって大気導入針205b内を浮上し、メインタンク204内に導入される。これと入れ替えに、メインタンク204内のインクが大気導入針205b内に侵入し、インクの先端209aは図3(a)に示した元の状態に戻る。
【0081】
図3(d)に、バッファ室205f内にインクが溜まった状態を示す。この場合、インクの先端209aはバッファ室205fの高さ方向中間の、液路205cよりもh1(mm)だけ高い位置に位置しており、液路205cの圧力が−h1(mmAq)となっている。
【0082】
以上より、本実施形態において、ノズル201g(図2参照)にかかる水頭差による圧力は、図4に示すように流路205cからサブタンク部201b内のインク上面209bまでの高さをh2(mm)、フィルタ201cからサブタンク部201b内のインク上面209bまでの高さをh3(mm)、ノズル201gの下端から液室201f内のインク上面209cまでの高さをh4(mm)とすると、ノズル201g下端での負圧Pnは、通常の状態では、Pn≒−(h2−h3−h4)mmAqとなり、バッファ室205fにインクが溜まった状態では、Pn=−(h2−h1−h3−h4)mmAqとなる。Pnの値は、前述した負圧の範囲(−40mmAq〜−200mmAq)の範囲に収まるように設定される。
【0083】
再び図2を参照すると、インク供給針205aと大気連通針205bとにはインクの電気抵抗を測定する回路205hが接続されており、メインタンク204内のインクの有無を検出可能となっている。この回路205hは、メインタンク204内にインクが存在している状態で2は、メインタンク204内のインクを介して回路205hに電流が流れるため電気的クローズを検出し、インクが存在しないまたはメインタンク204が装着されていない状態では電気的オープンを検出する。検出電流は微弱であるため、インク供給針205aと大気導入針205bとの絶縁は重要であり、本実施形態では、インク供給針205aから記録ヘッド201までの経路と、大気運通針205bから大気運通口205gまでの経路とを完全に独立させ、メインタンク204内のインクのみの電気抵抗を測定可能なように配慮している。
【0084】
次に、回復ユニット207について説明する。
【0085】
回復ユニット207は、ノズル201gからのインクや空気の吸引と、遮断弁210の開閉を行うものであり、記録ヘッド201のインク吐出面(ノズル201gが開口した面)をキャッピングする吸引キャップ207aと、遮断弁210のレバー210dを動作させるリンク207eとを有する。
【0086】
吸引キャップ207aは、少なくともインク吐出面と接触する部分がゴム等の弾性部材で構成され、インク吐出面を密閉する位置と記録ヘッド201から退避した位置との間を移動可能に設けられている。吸引キャップ207aには、中間部位にチューブポンプ式の吸引ポンプ207cを有するチューブが接続されており、ポンプモータ207dによって吸引ポンプ207cを駆動することで、連続吸引が可能である。また、ポンプモータ207dの回転量に応じて吸引量を変えることが可能である。本実施形態では、0.4atm(40.53kPa)まで減圧可能な吸引ポンプ207cを用いている。
【0087】
カム207bは吸引キャップ207aを動作させるものであり、カム制御モータ207gにより、リンク207eを動作させるカム207fと同期して回転される。カム207bのa〜cの位置がそれぞれ吸引キャップ207aと接触するタイミングは、カム207fのa〜cの位置がそれぞれリンク207eと接触するタイミングと一致している。aの位置では、カム207bは吸引キャップ207aを記録ヘッド201のインク吐出面から離間させ、カム207fはリンク207eを押しつけてレバー210dを押し上げ、遮断弁210を開かせる。bの位置では、カム207bは吸引キャップ207aをインク吐出面に密着させ、カム207fはリンク207eを引き戻して遮断弁を閉じさせる。cの位置では、カム207bは吸引キャップ207aをインク吐出面に密着させ、カム207fはリンク207eを押しつけて遮断弁210を開かせる。
【0088】
記録動作の際は、カム207b,207fをaの位置とし、ノズル201gからのインクの吐出、およびメインタンク204から記録ヘッド201へのインクの供給を可能とする。待機中および休止中を含む非動作時は、カム207b,207fをbの位置とし、ノズル201gの乾燥を防止するとともに、記録ヘッド201からのインクの流出を防止する(特に装置自身の移動時は、装置が傾けられてインクが流出する場合もある)。カム207b,207fのcの位置は、以下に説明する、記録ヘッド201へのインク充填動作時に用いられる。
【0089】
以上、メインタンク204から記録ヘッド201までのインク供給経路を説明したが、図2に示したような構成では、長期にわたって見ると、記録ヘッド201内に空気が蓄積してしまう。
【0090】
サブタンク部201bにおいては、インク供給チューブ206や弾性部材201hを透過して侵入する空気や、インク内に溶存していた空気が蓄積する。インク供給チューブ206や弾性部材201hを透過する空気については、それらを構成する材料としてガスバリア性の高いものを使用すればよいが、ガスバリア性の高い材料は高価であり、大量生産される民生用の機器では、コスト面の都合上、高性能な材料を容易に使用することはできない。本実施形態では、インク供給チューブ206には低コストかつ柔軟性が高く使い易いポリエチレンチューブを用い、弾性部材201hにはブチルゴムを使用している。
【0091】
一方、液室201fにおいては、ノズル201gからインクを吐出する際にインクの膜沸騰により生じた気泡が分裂して液室201fに戻ったり、インク中に溶存している微細な気泡がノズル201g内のインクの温度上昇により集まって大きな気泡となったりすることにより、徐々に空気が蓄積する。
【0092】
実験によると、本実施形態に示した構成においては、サブタンク部201b内での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約1ml、液室201f内での空気の蓄積量は1ヶ月当たり約0.5mlであった。
【0093】
サブタンク部201b内および液室201f内での空気の蓄積量が多いと、サブタンク部201bおよび液室201fが各々収納しているインク量が減少してしまう。サブタンク部201bにおいては、インクが不足すると、フィルタ201cが空気に露出してフィルタ201cの有効面積が減少し、その結果的としてフィルタ201cの圧力損失が上昇し、最悪の場合は液室201fヘインクが供給できなくなってしまう。一方、液室201fにおいては、ノズル201gの上端が空気に露出すると、ノズル201gへのインク供給が不能となる。このように、サブタンク部201bおよび液室201fのいずれも、一定量以上のインクが収納されていないと致命的な問題が生じる。
【0094】
そこで、所定の期間ごとにサブタンク部201bおよび液室201fの各々に適量のインクを充頃することで、ガスバリア性の高い材料を使用しなくてもインクの吐出機能を長期間にわたって安定して維持することができる。例えば本実施形態の場合、1ヶ月当たりに蓄積する空気の量に充填時のばらつきをプラスした量を、サブタンク部201bおよび液室201fにそれぞれ1ヶ月ごとに充填すればよい。
【0095】
サブタンク部201bおよび液室201fへのインクの充填は、回復ユニット207による吸引動作を利用して行う。すなわち、吸引キャップ207aで記録ヘッド201のインク吐出面を密閉した状態で吸引ポンプ207cを駆動し、記録ヘッド201内のインクをノズル201gから吸引することによって行う。ただし、単にノズル201gからインクを吸引しただけでは、ノズル201gから吸引したインクとほぼ同量のインクがサブタンク部201bから液室201fへ流れ込み、同様に、サブタンク201bから流出したインクとほぼ同量のインクがメインタンク204からサブタンク部201bへ流れ込むだけで、吸引前と状況はほとんど変わらない。
【0096】
したがって、本実施形態では、フィルタ201cで仕切られたサブタンク部201bと液室201fとに各々適量のインクを充填するために、遮断弁210を利用してサブタンク部201bおよび液室201fを所定の圧力まで減圧し、サブタンク部201bおよび液室201fの容積設定を行う。
【0097】
以下に、サブタンク部201bと液室201fとへのインク充墳動作、および容積設定について説明する。
【0098】
インク充墳動作は、まず、記録ヘッド201が吸引キャップ207aと対向する位置までキャリッジ202(図1参照)を移動させ、回復ユニット207の力ム制御モータ207gを駆動してカム207b,207eを、それぞれbの位置が吸引キャップ107aおよびリンク207eと接触するまで回転させる。これにより、記録ヘッド201のインク吐出面が吸引キャップ207aにより密閉され、遮断弁210はメインタンク204から記録ヘッド201までのインク経路を閉じた状態となる。
【0099】
この状態でポンプモータ207dを駆動し、吸引ポンプ207cにより吸引キャップ207aから吸引を行う。この吸引により、記録ヘッド201内に残留しているインクおよび空気がノズル201gを通して吸引され、記録ヘッド201内が減圧される。吸引ポンプ207cによる吸引量が所定の量に達した時点で、吸引ポンプ207cを停止させ、カム制御モータ207gを駆動してカム207b,207fをそれぞれcの位置が吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触するまで回転させる。これにより、吸引キャップ207aによるインク吐出面の密閉状態はそのままで、遮断弁210が開かれる。吸引ポンプ207cによる吸引量は、記録ヘッド201内の圧力が、サブタンク部201bおよび液室201f内に適量のインクを充填するのに必要な所定の圧力となる吸引量であり、これは計算や実験等によって求めることができる。
【0100】
記録ヘッド201内が減圧されると、インク供給チューブ206を介して記録ヘッド201内にインクが流れ込み、サブタンク部201bおよび液室201fの各々にインクが充填される。充填されるインクの量は、減圧されているサブタンク部201bおよび液室201fがほぼ大気圧に戻るのに必要な体積であり、サブタンク部201bおよび液室201fの容積および圧力により決定される。
【0101】
サブタンク部201bおよび液室201fへのインクの充填は、速断弁210が開かれてから約1秒程度で完了する。インクの充填が完了すると、カム制御モータ207gを駆動してカム207b,207fをbの位置がそれぞれ吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触する位置まで回転させる。これにより吸引キャップ207aを記録ヘッド201から離間させ、再び吸引ポンプ207cを駆動して吸引キャップ207a内に残ったインクを吸引する。また、この状態では遮断弁210は開いた状態であるので、ノズル201gからインクを吐出して記録用シートS(図1参照)へ文字や画像等を形成可能な状態となる。なお、待機中および休止中の場合は、カム制御モータ207gを再び駆動してカム207b,207fをそれぞれbの位置が吸引キャップ207aおよびリンク207eと接触する位置まで回転させ、記録ヘッド201のインク吐出面を吸引キャップ207aで密閉するとともに、遮断弁210を閉じる。
【0102】
サブタンク部201bおよび液室201f内のインクの量が長期間にわたって不足することがなければ、回復ユニット207による吸引動作を頻繁に行う必要もなく、インクを無駄にする機会も減る。さらに、サブタンク部201bおよび液室201fの両方にインクの充填が必要な場合であっても1回の充填動作で済むのでインクを節約することができる。
【0103】
ここで、サブタンク部201bの容積をV1、サブタンク部201bに充墳すべきインクの量をS1、サブタンク部201b内の圧力をP1(大気圧からの相対値)とする。ここで、「PV=一定」の原理により、これらの関係をV1=S1/|P1|となるように設定することにより、充填動作によりサブタンク部201bに対して適量のインクを充墳することができる。同様に、液室201fの容積をV2、液室201fに充填すべきインクの量をS1、液室201f内の圧力をP2(大気圧からの相対値)としたとき、これらの関係をV2=S2/|P2|となるように設定することにより、充填動作により液室201fに対して適量のインクを充墳することができる。
【0104】
また、サブタンク部201bと液室201fとを区画するフィルタ201cは微細なメッシュ構造であり、前述したようにメニスカスが形成された状態では空気の流れが困難な性質を持っている。ここで、メニスカスが形成されたフィルタ201cに対して空気を透過させるのに必要な圧力をPmとする。回復ユニット207のよりノズル201gから吸引した場合、液室201f内の圧力P2は、フィルタ201cを通してサブタンク部201b内の空気を透過させるために、サブタンク部201b内の圧力P1よりも上記圧力Pm分だけ低くなる。よって、この関係を、サブタンク部201bおよび液室201fの容積を決定する際に用いると、充填動作の条件を容易に決定することができる。
【0105】
ここで、上述した充填動作および容積設定についての具体的な例を説明する。
【0106】
インクの充填は、1ヶ月に1回実施し、1ヶ月間で蓄積する空気の量は、サブタンク部201bで1ml、液室201fで0.5mlとする。また、サブタンク部201bにおいてフィルタ201cを空気に露出させないようにするために必要なインクの量は0.5ml、液室201fにおいてノズル201gを空気に吐出させないようにするために必要なインクの量は0.5ml、インクの充墳量のばらつきは、サブタンク部201b、液室201fとも0.2mlとする。これらの数値は、実験によって求められたものである。以上より、1回の充填で充墳すべきインクの量はこれらの合計値であり、サブタンク部201bでは1.7ml、液室201fでは1.2mlと設定される。
【0107】
記録ヘッド201内の減圧圧力は、回復ユニット207の能力を超えない範囲で設定される。本実施形態では吸引ポンプ207cの実力限界が−0.6atm(−60.795kPa)であるため、余裕を持たせて、吸引キャップ207a内の圧力が−0.5atm(−50.6625kPa)となるように、吸引ポンプ207cの吸引量が実験により求められて設定され、ポンプモータ207dの回転量として制御される。
【0108】
ここで、ノズル201gのメニスカスによる空気を透過させるのに必要な圧力は実験値で−0.05atm(−5.06625kPa)であるので、吸引キャップ207a内の圧力と液室201f内の圧力との間にノズル201gの抵抗分の差が生じ、液室201f内の圧力がキャップ207a内の圧力よりも0.05atm(5.06625kPa)だけ高くなる。同様に、フィルタ201cのメニスカスによる空気を透過させるのに必要な圧力は実験値で−0.1atm(−10.1325kPa)なので、液室201f内の圧力とサブタンク部201b内の圧力との間にフィルタ201cの抵抗分の差が生じ、サブタンク部201b内の圧力が液室201f内の圧力よりも0.1atm(10.1325kPa)だけ高くなる。よって、吸引キャップ207a内の圧力を−0.5atm(−50.6625kPa)に設定すると、液室201f内の圧力は−0.45atm(−45.5963kPa)、サブタンク部201b内の圧力は−0.35atm(−35.4638kPa)となる。
【0109】
サブタンク部201bに1.7mlのインクを充填するためには、内圧がほぼ1atm(101.325kPa)となっているサブタンク部201bから1.7mlだけインクを吸引した時点で内圧が−0.35atm(−35.4638kPa)となるように、サブタンク部201bの容積V1を設定する。すなわち、V1=1.7/0.35=4.85mlとなる。同様にして、液室201fの容積V2についても、V2=1.2/0.45=2.67mlと設定する。
【0110】
以上の条件で記録ヘッド201内を減圧した後、遮断弁210を開くことで、負圧となっている記録ヘッド201内へインクが流れ込む。より詳しく説明すると、まず、サブタンク部201b内にインクが流れ込み、減圧によってV1まで膨張していた空気がほぼ大気圧まで復元する。そのときのサブタンク部201b内での空気の体積をV1aとすると、V1a=V1×(1−0.35)=3.15mlであり、サブタンク部201bにV1−V1a=1.7mlのインクが充填された時点で落ち着く。同様に液室201fについても、サブタンク部201bからインクが流れ込み、減圧によってV2まで膨張していた空気がほぼ大気圧まで復元する。そのときの液室201f内での空気の体積をV2aとすると、V2a=V2×(1−0.45)=1.47mlであり、液室201fにV2−V2a=1.2mlのインクが充填された時点で落ち着く。
【0111】
以上のように、サブタンク部201bおよび液室201fの各々の容積と減圧する圧力とを設定することにより、フィルタ201cで仕切られたサブタンク部201bと液室201fとに各々適量のインクを1回の充填動作で充境することができ、空気が記録ヘッド201内に蓄積する状況下であってもその吸引動作なしに、長期間にわたって正常に稼働させることができる。
【0112】
また、前述したように、フィルタ201cと液室201f内のインクの上面との間には空気層が介在しているが、この空気層の量は回復ユニット207による吸引動作での吸引圧力で任意に設定することが可能である。つまり、空気層は管理可能な空気層である。
【0113】
そのため、従来、フィルタとノズルとの間に発生した気泡が原因となって起こっていた吐出不良に対する信頼性を大幅に向上させることができる。すなわち、管理できない気泡がフィルタの下に存在することによってフィルタの有効面積が変化(低減)するという従来の問題に対しては、本実施形態においては、フィルタ201cは初めから管理された部分(図1の開口部201d)で空気層と接しており、フィルタ201cの有効面積は変化しないので、設計段階よりこのことを考慮しておけばよい。
【0114】
また、フィルタとノズルとの間の流路を気泡が塞いでしまうという問題に対しては、液室201f内に存在し得る気泡の直径に対して液室201fの断面積を十分に大きく構成しているので、液室101f内の気泡がインクの流れを妨げることはなくなる。
【0115】
さらに、液室内の気泡がノズル内に侵入したり、液室とノズルとの間の連通部を塞いだりしてしまうことによる問題に関しては、上述したように液室201fの断面積が十分に大きいので、液室201f内に生じた気泡はその浮力により液室201f内のインク中を上昇し、空気層と合体するので、ノズル201g内に侵入することはなくなる。しかも、液室201f内に生じた気泡が空気層と合体しても、この空気層は上述のように管理された空気層であるため、フィルタ201cの有効面積は変化しない。
【0116】
すなわち、フィルタ201cでサブタンク部201bと仕切られた液室201fを以上のように構成することで、液室201f内に気泡が生じたり、生じた気泡が移動することが原因となって発生していた吐出不良に対する信頼性を大幅に向上させることができる。
【0117】
図5は、図2に示した記録ヘッド201の構成を詳細に示す断面図である。
【0118】
図5に示す断面図は、図2を図面左から右に向かって見たときの断面図である。本実施例の記録ヘッド201は、6個のノズル201gからそれぞれインクを吐出するもので、各ノズル201gのそれぞれについて、図1に示したメインタンク204およびインク供給チューブ206、さらに、サブタンク201bおよび液室201fを介してインクが独立に供給されている。
【0119】
図6は記録ヘッド201をノズル201g側から見た底面図である。
【0120】
ノズル201gは、複数の記録素子列からなる長手方向を有するもので、本実施例のものにおいては6個(201g1〜201g6)設けられている。また、サブタンク201bおよび液室201fもノズル201gと平行な長手方向を有する形状とされている。
【0121】
本実施例において、各ノズル201g1〜201g6は201g1〜201g3、201g4〜201g6それぞれが一組とされ、各組内でノズルは近接して配置され、その結果、記録ヘッドのインク吐出面としての幅(図6における左右方向の長さ)はサブタンク201b群についての幅よりも短いものとしている。これは、吸引キャップ207aによるインク吐出面についての密閉空間を小さくするためである。
【0122】
本実施例のようなインクを大量に消費するインクジェット記録装置の場合、サブタン201bの容量が大きくなることからサブタンク201b群の幅も従来のものよりも大きくなる。各サブタンク201bからインクの供給を受けるノズル201g1〜201g6を各サブタンク201bの下方に配置すると、インク吐出面の幅も大きくなり、吸引キャップ207aによるインク吐出面についての密閉空間も大きくなってしまい、吸引量も大きくなってしまう。このため、必要とされる吸引ポンプも大型化してしまい、装置全体が大きくなってしまう。本実施例においては、上述のようにインク吐出面としての幅はサブタンク201b群についての幅よりも短いものとして装置の大型化を防止している。
【0123】
本実施例においては、インク吐出面の幅をサブタンク201b群の幅よりも短いものとするために、各サブタンク201bと各ノズル201gとを結ぶ液室201fのそれぞれを各ノズル201gから各サブタンク201bに向けて放射状に拡がるものとしている。これにより、従来と同等の吸引ポンプを使用することができるとともに、複数のノズル列からなる吐出面について、小型のインクジェット記録装置との共通化を図ることができ、製造コストを低減することができるものとなっている。
【0124】
図7および図8は、流路蓋が接合されるサブタンクの構成を説明するための図である。図7(a)はサブタンクを流路蓋が接着される面から見た全体図、図7(b)は図7(a)に示したサブタンクの流路蓋が接着される部分を拡大して表した図、図7(c)は図7(b)のA−A線に沿った断面図である。また、図8(a)は図7(b)におけるB部の拡大図、図8(b)は図7(b)におけるB部の斜視図である。
【0125】
これに対し、図9は図7等に示したサブタンクの液室を塞ぐ流路蓋を示す図であり、図9(a)は図7等に示したサブタンクの液室を塞ぐ流路蓋を示す図、図9(b)は図9(a)におけるC部の拡大図、図9(c)は図9(b)におけるD−D線に沿った断面図、図9(d)はサブタンクに流路蓋を接着剤で接合させた直後から接着剤を硬化させるまでの接合部の状態を示す図である。
【0126】
本実施形態にかかるサブタンク201bは、図7(a)に示すように、流路蓋350(図9(a)参照)が接合される流路蓋接合部301を有している。流路蓋接合部301は、図7(b)に示すように6つの液室201f1〜201f6を含んでおり、これらの液室201f1〜201f6を形成する壁部材の端面に、流路蓋350を接合するための接着剤が塗布される溝部302(図7(b)の斜線部)が形成されている。各液室201f1〜201f6は、各ノズル201g1〜201g6(図6参照)に対応している。各液室201f1〜201f6のそれぞれは、複数のノズル201g1〜201g6により形成される幅が複数のサブタンク201bにより形成される幅よりも小さくなるように、上述したように各ノズル201g1〜201g6から各サブタンク201bに向けて放射状に拡がるものとなっており、各液室201f1〜201f6の形状も互いに異なるものとなっている。
【0127】
さらに、溝部302の随所には、溝部302から各液室201f1〜201f6内に延びた泡抜き部303が設けられている。図7(c)に示すように、泡抜き部303は、溝部302と各液室201fとを連通させる通路を構成しており、溝部302から液室201fに向かうにつれて流路を狭くするような斜面を有している。
【0128】
これに対し、サブタンク201bの流路蓋接合部301に接合されて液室201f1〜201f6を塞ぐ流路蓋350は、図9(a)に示すように、流路蓋接合部301の溝部302に対応する形状を有する凸部352を有している。この凸部352は、流路蓋接合部301の溝部302に嵌合して流路蓋接合部301に対する流路蓋350の位置合わせを行う役割に加えて、流路蓋350自身の反りを防止するリブとしての役割も有している。さらに、流路蓋350には、流路蓋350の表裏を貫通する複数の空気抜き穴351が、凸部352に沿ってその両側に形成されている(図9(b)および(c)参照)。これらの空気抜き穴351は、接着剤の塗布から硬化時にかけて接着剤中に発生する泡を図9(d)に示すように大気中へと放出することを可能にする。
【0129】
ここで、サブタンク201bの流路蓋接合部301を流路蓋350が接合される側から見たとき、つまり図7(b)に示す状態において、溝部302は、横方向成分(図の左右方向に延びている成分)、縦方向成分(図の上下方向に延びている成分)、および斜め成分(縦方向成分および横方向成分の少なくとも一方に交わる成分)の3つの成分で構成されている。これにより、溝部302と凸部352との間に「ガタ」がある場合であっても、3方向の成分からなる溝部302が全体としてこのガタを極力抑え、より精度良く互いを接合することが可能になる。
【0130】
また、溝部302の3つの方向成分のうち、4つ以上の成分が交差する部分(図7(b)のX部分)における接着剤塗布面積が、3つ以下の成分が交差する部分(図7(b)のY部分やZ部分)の該面積よりも大きく形成されているので、特にXY塗布機等の自動塗布機を使用する場合に接着剤が交差する部分の塗布性が向上している。接着剤は塗布される際に交差する部分に特に泡が発生しやすい傾向にあるが、上記のように接着剤塗布面積が大きくなっている部分Xでは、多少の泡が発生した場合においても、接着剤の塗布量が他の部分よりも多いので、その泡による影響は相対的に小さくなるため、その泡によって液室間リークさせる空洞を形成するするおそれは少ない。
【0131】
次に、上記に説明したサブタンク201bの流路蓋接合部301に対する流路蓋350の接合工程について、その概略を説明する。
【0132】
この接合工程においては、まず、サブタンク201bを位置決め固定し、ディスペンサによって流路蓋接合部301の溝部302内に接着剤を連続して塗布する。このとき、例えば使用するニードルのサイズを20ゲージとし、そのニードルの溝部302に対する移動速度を6mm/秒に設定すると、接着剤を溝部302内にうまく充填することができる。溝部302内に塗布された接着剤中に混入した泡は、図8(a),(b)に示すように溝部302の随所に設けられた泡抜き部303の斜面に沿って移動し、大気中に放出される。
【0133】
続いて、同様に位置決めされた流路蓋350の凸部352をサブタンク201bの流路蓋接合部301の溝部302にはめ込み、両者を接合させる。このとき、溝部302内に塗布された接着剤中に泡がまだ残留していた場合でも、接合の際に接着剤が凸部352に押されて泡抜き部303の方に移動する。そのため、溝部302内の残留気泡が溝部302を跨いで液室間方向に拡がることを防止できるので、液室間のリークを生じる原因となる空洞が発生することを防止できる。例えば、図10(a)のように泡抜き部303が設けられていない構成では、溝部302に塗布された接着剤中に泡が混入していると、流路蓋350の接合時に図10(b)のように液室間を繋ぐ空洞ができてしまう。これに対し、図10(c)に示す本実施形態のように泡抜き部303が設けられている構成では、流路蓋350の接合時に接着剤が凸部352に押されるのに伴って混入泡も泡抜き部303の方向へ移動し、混入泡は泡抜き部303から外へ放出される。そのため、リークをもたらす液室間を跨ぐ空洞の発生を防ぐことができる。
【0134】
そして最後に、接着剤を完全硬化させるために、接合されたサブタンク201bと流路蓋350をオーブンに入れてキュアを行う。この際、キュアは105℃で5時間行った。
【0135】
以上により、流路蓋接合部301に対する流路蓋350の接合工程が完了する。
【0136】
<本実施形態の変形例>
(第1の変形例)
−流路蓋接合部の溝部に対する接着剤の塗布手順等について−
流路蓋接合部301の溝部302に対する接着剤の塗布は、塗布した接着剤中に気泡が混入することを防ぐために、連続的に、好ましくは一筆書きのように行うことがよい。しかしながら、本実施形態の流路蓋接合部301のように、溝部302の全ての部分に対して一筆書きのように接着剤を塗布できない場合もある。このような場合には、図11に示すように、まず流路蓋接合部301の外周の溝部302に連続して接着剤を塗布し(手順▲1▼)、その後、各液室間を仕切る各壁部の端面に設けられた溝部302に接着剤を塗布する(手順▲2▼〜▲4▼)。このように、流路蓋接合部301の外周部を先に塗布することにより、流動性の良い接着剤を使用した場合でも未塗布の溝部302への流れ込み量を最小限に抑えることができ、塗布された接着剤中に気泡が混入することが防止されるので、液室間の混色をより安定して防ぐことが可能となる。
【0137】
溝部302に接着剤を塗布する際に、溝部302の全ての部分に対して同じ塗布速度で塗布を行うと、溝部302の角部分では直線部分に比べて接着剤の塗布量が多くなる。そのため、角部分では塗布速度を上げ、直線部分で塗布速度を下げることにより、塗布量の安定化とともに、気泡の取り込みの防止を図ることができる。例えば、接着剤として信越化学工業(株)製のサイフェル614(粘度:20ps±5ps)を使用し、ニードルのサイズを22ゲージとした場合には、接着剤を吐出するニードルからの単位時間当たりの塗布量を一定に保ち、直線部部分の塗布速度を6mm/秒とし、角部分の塗布速度を12mm/秒とすることで、流路蓋接合部301に対する流路蓋350の接合を良好に行うことができた。
【0138】
また、溝部302の角部分と直線部分とで接着剤の塗布量を変える手法として、上記手法の代わりに、接着剤を吐出するニードルの溝部320に対する移動速度を一定に保ち、ニードルからの接着剤の吐出圧力を角部分で低くし、直線部分で高くする手法によっても、上記と同様の効果を得ることが可能である。
【0139】
(第2の変形例)
−流路蓋の溝部の形状および流路蓋の凸部の形状について−
図12は本変形例にかかる流路蓋を示す図であり、同図(a)はその流路蓋の上面図、同図(b)はその流路蓋の正面図、同図(c)は同図(b)におけるA−A線に沿った断面図である。また、図13は本変形例にかかる流路蓋と流路蓋接合部との接合状態を示す図であり、同図(a)は流路蓋と流路蓋接合部とを互いに位置合わせした状態を示す断面図、同図(b)は流路蓋の凸部と流路蓋接合部の溝部との接合状態を拡大して示した拡大断面図である。
【0140】
図12に示すように、本変形例における流路蓋350も図9に示した流路蓋と同様に凸部352を有している。ただし本変形例では、図12(c)に示すように、凸部352の先端が丸みを帯びた断面形状(例えばR形状)を有している。凸部352は、そのいずれの断面部分においても、先端が同じように丸みを帯びた形状を有している。
【0141】
一方、本変形例におけるサブタンクの流路蓋接合部301に設けられている溝部302は、図13(b)の断面図からわかるように、底面から入口に向かうにつれた拡がる形状を有しており、かつ溝部302の底面と側面とを滑らかにつなぐ曲線部(R部)が設けられている。溝部302もまた、そのいずれの断面部分においても同一の断面形状を有している。
【0142】
次に、本変形例における流路蓋接合部301と流路蓋350との接合工程について説明する。
【0143】
両者を接合する際には、まず、サブタンクの流路蓋接合部301の溝部302に対して、所与のXY座標に基づいてディスペンサの位置制御を行う、いわゆるXY塗布機等を用いて、溝部302の形状に沿って接着剤を流し込む。
【0144】
このとき、溝部302は上述したように断面形状に関して入口に向かって拡がる形状を有しているため、溝部302内に接着剤を塗布しやすく、かつ溝部302の底部まで確実に接着剤が入り込み、接着剤が泡を抱き込むような不具合を解消することができる。また、泡は隅部に溜まりやすいという性質を有しているが、溝部302の底面と側面とが成す各稜線にはR部が設けられているため、泡がこの稜線部に溜まることを防ぐことができる。なお、このときの接着剤の塗布量としては、図13(a)のように溝部302の入口よりも少し盛り上がる程度とするのが望ましい。
【0145】
続いて、流路蓋350の凸部352が流路蓋接合部301の溝部302に嵌合するように、流路蓋350を流路蓋接合部301に接合させる。
【0146】
流路蓋350の凸部352が流路蓋接合部301の溝部302内に押し込まれると、溝部302内の接着剤は、溝部302内に押し込まれた凸部352の体積の分だけ溝部302の外に流れ出る。凸部352を溝部302内に完全に押し込んだ状態では、図13(b)のように流路蓋350と流路蓋接合部301とが互いに当接する。このとき、流路蓋350と流路蓋接合部301とが成す稜線部分は、溝部302の外に流れ出た接着剤で封止されるので、隣接する液室同士の連通がより効果的に防止される。また、流路蓋350の凸部352は、先端がR形状になっているため、図9に示す凸部352のように先端が角張っているものに比べて、溝部302内の接着剤中に押し込まれる際に、接着剤に滑らかに接してこれを徐々に押しのけるため、接着剤中に泡を発生させたり、泡を抱き込んだりすることをより確実に防止することができる。
【0147】
なお、両者の接合時には、サブタンク側に設けられた2カ所の長穴(不図示)に対して、流路蓋350側に設けられた2つの突起350aを圧入することで、互いの位置決めの簡略化と、接着剤が硬化するまでの両者同士の保持とを図ることができ、これにより、接着剤が硬化する前に流路蓋350がサブタンクから外れてしまうことを防止できる。
【0148】
また、流路蓋350は、自身の形状に起因して、図12(a)のように両側の位置決めボスを基準に内側に反る傾向がある。このため、流路蓋350の接着リブとしての凸部352の高さを、流路蓋350の全体の反り量よりも大きくすることが必要である。凸部352の高さと流路蓋350の全体の反り量とは、
凸部の高さ > 流路蓋の全体の反り量
の関係が成り立つことが望ましい。
【0149】
本例では、具体的には、流路蓋350の全体の反り量は0.2〜0.3mmの範囲にあるため、流路蓋350の凸部352の高さは0.4mmとした。これにより、両側2カ所の位置決めを兼ねた突起350aが突き当たって、流路蓋350の中央部が全体の反り量の分だけ浮き上がったとしても、流路蓋350の中央部における凸部352の先端は溝部302内に入り込む。そのため、接着不良などによって液室同士の間にリーク等が発生することを防止できる。
【0150】
(第3の変形例)
−接着剤のキュアについて−
図14は、本変形例による接着剤のキュア硬化時の温度変化を示すグラフである。
【0151】
本変形例では、本キュア(105℃)の前にプレキュア(温度80℃)を行う。ここで「プレキュア」とは、比較的高い温度(例えば、100℃以上)で接着剤を硬化させる本キュアに先立って、比較的低い温度(例えば、100℃未満)で接着剤を硬化させることをいい、接合する部材から発生する水蒸気が接着剤中に混入することを抑えるために行われるものである。
【0152】
本例では、プレキュア(温度80℃)にて加温する期間▲1▼中に、接着剤がサブタンク201bおよび流路蓋350によって加温されて、それぞれに接する部分の硬化が進む。これに続いて本キュア(105℃)の期間▲2▼を経ると、接着剤は完全に硬化する。このとき、接着剤のサブタンク201bおよび流路蓋350に接する部分は、プレキュアを経て既に半硬化状態(図15の×印部を参照)になっている。そのため、本キュア中の高温でサブタンク201bや流路蓋350から水蒸気が発生した場合であっても、その水蒸気は半硬化状態の接着剤を透過することはできないため、水蒸気が接着剤中に混入することを抑制することができる。
【0153】
なお、上記のインクジェット記録ヘッドを搭載することにより効果を奏するインクジェット記録装置としては、図1に示したようなシリアル型に限定されることはなく、いわゆるライン型のものであっても同様の効果を奏することができることは言うまでもない。
【0154】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、溝部内に接着剤を塗布した後に凸部を溝部内に嵌合させて蓋部材を液室に接合する際に、接着剤中に残留する気体を溝部の外に放出させるように構成されているので、互いに隣接する液室間をつなぐ空洞が溝部内の接着剤中に残留する気体によって形成されることが防止され、各液室が確実に密閉されるため、液室間にリークが発生することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるインクジェット記録装置の概略の構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の、1色分についてのインク供給経路を説明するための図である。
【図3】図2に示すインク供給経路での、メインタンク内に空気が導入される際の、インク供給ユニットの液路内での空気およびインクの挙動を説明する図である。
【図4】図2に示すインク供給経路での、ノズルにかかる水頭差による圧力を説明する図である。
【図5】図2に示した記録ヘッドの構成を詳細に示す断面図である。
【図6】記録ヘッドをノズル側から見た底面図である。
【図7】流路蓋が接合されるサブタンクの構成を説明するための図である。
【図8】流路蓋が接合されるサブタンクの構成を説明するための図である。
【図9】図7等に示したサブタンクの液室を塞ぐ流路蓋を示す図である。
【図10】溝部内に混入した泡が外に放出される様子を説明するための図である。
【図11】溝部内への接着剤の塗布順序を示す図である。
【図12】変形例にかかる流路蓋を示す図である。
【図13】本変形例にかかる流路蓋と流路蓋接合部との接合状態を示す図である。
【図14】接着剤のキュア硬化時の温度変化を示すグラフである。
【図15】プレキュアが行われた接着剤の状態を示す図である。
【図16】従来のチューブ供給方式のインクジェット記録装置におけるインク供給系の図である。
【図17】接着剤中に混入した泡が、液室間をつなぐ空洞を形成する様子を示す図である。
【図18】接着剤中に混入した泡が、液室間をつなぐ空洞を形成する様子を示す図である。
【符号の説明】
201 記録ヘッド
201a コネクタ挿入口
201b サブタンク
201c フィルタ
201d 開口部
201e 仕切部
201f,201f1〜201f6 液室
201g ノズル
201h 弾性部材
201i 圧力調整室
202 キャリッジ
203 搬送ローラ
204 メインタンク
204b,204c ゴム栓
205 インク供給ユニット
205a インク供給針
205b 大気導入針
205c、205d、205e 液路
205f バッファ室
205g 大気連通口
205h 回路
206 インク供給チューブ
207 回復ユニット
207a 吸引キャップ
207b,207f カム
207c 吸引ポンプ
207d ポンプモータ
207e リンク
207g カム制御モータ
209 インク
209a 先端
209b,209c インク上面
210 遮断弁
210a ダイアフラム
210b ホルダ
210c 押圧ばね
210d レバー
301 流路蓋接合部
302 溝部
303 泡抜き部
350 流路蓋
350a 突起
351 空気抜き穴
352 凸部
S 記録用シート

Claims (21)

  1. インクタンクと、インクを吐出するノズルと、前記インクタンクからフィルタを介して供給されたインクを一定量貯蔵するとともに前記ノズルへ供給する液室と、該液室に接合される蓋部材とを有し、
    前記液室の周囲には接着剤が塗布される溝部が形成されており、前記蓋部材には前記溝部に嵌合される凸部が形成されているインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記溝部内に前記接着剤を塗布した後に前記凸部を前記溝部内に嵌合させて前記蓋部材を前記液室に接合する際に、前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる気体放出手段を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記気体放出手段は前記蓋部材側に設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 記気体放出手段は、前記蓋部材の前記凸部に沿って前記蓋部材の表裏を貫通するように形成された穴である、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記気体放出手段は前記液室側に設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記気体放出手段は、前記溝部内の空間と前記液室内の空間とを連通させる通路である、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記インクタンクと前記ノズルと前記液室とからなる組が独立に複数設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 前記液室のそれぞれは、前記複数のノズルにより形成される幅が前記複数のインクタンクにより形成される幅よりも小さくなるように、前記複数のノズルから前記複数のインクタンクに向けて拡がる放射形状とされている、請求項6に記載のインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記溝部は、底面から入口に向かうにつれて幅が拡がり、かつ、底面と側面とをつなぐ滑らかな曲線が形成された断面形状を有している、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 前記凸部は、先端部が丸みを帯びた断面形状を有している、請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 前記蓋部材を接合する側から見た前記溝部の形状が、縦方向成分と、該縦方向成分に対して直交する横方向成分と、前記縦方向成分または前記横方向成分の少なくとも一方に交差する斜め方向成分とからなる、請求項1からのいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 前記溝部の前記各成分のうちの任意の4つ以上の成分が交差する部分の接着剤塗布面積が、前記任意の3つ以下の成分が交差する部分の接着剤塗布面積よりも大きい、請求項10に記載のインクジェット記録ヘッド。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置。
  13. インクタンクと、インクを吐出するノズルと、前記インクタンクからフィルタを介して供給されたインクを一定量貯蔵するとともに前記ノズルへ供給する液室と、該液室に接合される蓋部材とを有し、
    前記液室の周囲には接着剤が塗布される溝部が形成されており、前記蓋部材には前記溝部に嵌合される凸部が形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記溝部内に前記接着剤を塗布する工程と、
    前記凸部を前記溝部内に嵌合させて前記蓋部材を前記液室に接合する工程と、
    前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  14. 前記蓋部材には前記凸部に沿って前記蓋部材の表裏を貫通する穴が形成されており、
    前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程は、前記気体を前記穴を通して前記溝部の外に放出させる工程からなる、請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  15. 前記液室には前記溝部内の空間と前記液室内の空間とを連通させる通路が設けられており、
    前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程は、前記気体を前記通路を通して前記液室内に放出させる工程からなる、請求項13に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  16. 前記溝部内に前記接着剤を塗布する工程は、前記接着剤の塗布開始から塗布終了までの間、前記接着剤を連続的に塗布し続けることからなる、請求項13から15のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  17. 接着剤を吐出するニードルからの前記接着剤の単位時間当たりの塗布量を一定に保ち、前記溝部に対する前記ニードルの移動速度を、前記溝部の直線部分に前記接着剤を塗布するときよりも、前記溝部の角部分に前記接着剤を塗布するときを速くする、請求項16に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  18. 接着剤を吐出するニードルの前記溝部に対する移動速度を一定に保ち、前記ニードルからの前記接着剤の吐出圧力を、前記溝部の直線部分に前記接着剤を塗布するときよりも、前記溝部の角部分に前記接着剤を塗布するときを低くする、請求項16に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  19. 前記接着剤中に残留する気体を前記溝部の外に放出させる工程の後に、前記接着剤を硬化させるためのキュア工程をさらに有する、請求項13から18のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  20. 前記キュア工程は、比較的低い温度で前記接着剤を硬化させるプレキュア工程と、該プレキュア工程の後に比較的高い温度で前記接着剤を硬化させる本キュア工程とからなる、請求項19に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  21. インクを吐出するノズルと、前記ノズルへ供給するインクを貯蔵する液室と、該液室に接合される蓋部材と、を有し、前記液室の周囲には接着剤が塗布される溝部が形成されており、前記蓋部材には前記溝部に嵌合される凸部が形成されているインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記溝部内に前記接着剤を塗布する工程と、
    前記凸部を前記溝部内に嵌合させるとともに、前記接着剤中に残留する気体を、前記溝部と大気とを連通させる穴から大気中に放出させる工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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