JP2001113718A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2001113718A
JP2001113718A JP29821599A JP29821599A JP2001113718A JP 2001113718 A JP2001113718 A JP 2001113718A JP 29821599 A JP29821599 A JP 29821599A JP 29821599 A JP29821599 A JP 29821599A JP 2001113718 A JP2001113718 A JP 2001113718A
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ink
adhesive seal
recording head
holder
adhesive
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JP29821599A
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Akihiko Kadowaki
昭彦 門脇
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部材間を気密接着する接着シール材内に、気密
性を悪くする気泡を形成させることがなく、信頼性に優
れたインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】2つの注入孔から供給された接着シール材
42が、記録ヘッド本体11のインク供給側とホールダ2aと
の間の接着シール部となる空間を流動して、最後に合流
する4箇所の合流位置421 〜424 に対応して、ホールダ
2aの外囲部21には4つの開口部231 〜234 (231 と232
は図示せず) と、この開口部231 〜234 に連通する溝部
22とが形成されている。開口部が合流位置の空気を外へ
放出させて、接着シール材内の気泡形成を防止する。ま
た、開口部と溝とが余分な接着シール材を受け入れ、不
都合な部分への接着シール材の溢れ出しを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクを小滴と
してノズルから吐出させて記録するインクジェット記録
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】微細なノズルよりインクを吐出させて紙
等の記録媒体上に付着させて記録する方法は、インクジ
ェット記録法として、従来より知られている。その原理
の一つとして、オンデマンド型インクジェット記録ヘッ
ドを用いたインクジェット記録装置がある。
【0003】図2は、この方式のインクジェット記録ヘ
ッド(以下では単に記録ヘッドという)を用いたインク
ジェット記録装置(以下では単に記録装置という)の一
部の構造を示し、(a)は長さ方向の断面図、(b)は
幅方向の断面図である。図2に示されている部分は、記
録ヘッド本体11とこれを囲んで保護する補助板12とから
なる記録ヘッド1と、記録ヘッド本体11へインクを導
き、且つインク経路中にフィルタを備えたホールダ2
と、インクカートリッジからインクを導出して記録ヘッ
ド本体11へインクを供給するためのインク供給針36を備
えた針付部材3とで構成されている。以下ではこれらを
総称して記録ヘッド組立体という。
【0004】記録ヘッド本体11は、流路基板111 と振動
板112 と圧電素子113 とで構成されている。流路基板11
1 の両面には、インク供給路1111からインク加圧室1112
を経てノズル1113に至るインク流路となる複数の溝が形
成されている。この流路基板111 の両面に振動板112 が
接合一体化されて、インク流路が形成され、インク加圧
室1112に対応する振動板112 の表面に圧電素子113 が接
着剤で接合されている。フレキシブルプリント板8は圧
電素子113 に電気信号を入力する部材であり、圧電素子
113 に接続される部分には、予めはんだメッキが施さ
れ、且つフォーミングされて先端側には若干のばね性が
付与されている。フレキシブルプリント板8は、このば
ね性で圧電素子113 に押圧させた状態で加熱されて、圧
電素子113の所定の位置にはんだ付けされる。
【0005】圧電素子113 へのフレキシブルプリント板
8のハンダ付けは、補助板12に記録ヘッド本体11を挿入
した後、記録ヘッド本体11にフレキシブルプリント板8
を嵌め込んで、補助板12で位置決めされた状態で実行さ
れる。フレキシブルプリント板8を介して圧電素子113
に所定のパルス電圧が印加されると、圧電素子113 が伸
縮して振動板112 を振動させ、インク加圧室1112内の体
積を急激に変化させてインクを加圧し、ノズル1113から
インクを液滴として吐出させる。この際のインクの戻り
を防止してインクを効率よく吐出させるために、インク
供給路1111は細く絞られている。多数のインク供給路11
11を3つのグループに分割しているのは、3色のインク
を使い分けるためである。
【0006】記録ヘッド組立体のインク供給系であるホ
ールダ2及び針付部材3は、型抜きの都合やフィルタ取
り付けのため、一体に形成することができず、別々の部
品として作成された後、接着シール材やシート状接着剤
等によって一体に組み立てられる。これらの部品の材料
は、耐インク性に優れ安価であるポリフェニレンエーテ
ル樹脂である。
【0007】記録装置を立ち上げる時に、ノズル詰まり
等のインク吐出異常時に、または定期的に、記録ヘッド
1はノズル1113からインクを吸引され、インク流路内に
インクを充填されたり、ノズル1113等のインク流路内の
気泡や異物、乾燥インク等を除去される。続いて、その
ノズル開口面114 が払拭されて、ノズル開口面114 に付
着しているインクが除去される。
【0008】このようなインクの吸引が正常に実行でき
るためには、インク供給系が密閉シール状態であること
が肝要である。シール状態が悪いと、十分な吸引動作が
実施できなかったり、吸引不可能となる。更に、インク
がインク供給系から漏れて、混色したり、圧電素子113
が絶縁不良を起こす等のトラブルが発生する。したがっ
て、記録ヘッド組立体の組立工程においては、それぞれ
の部品間が完全に接着シールされることが必要条件とな
る。
【0009】以下に、従来技術によるインク供給系の接
着シールを含めた記録ヘッド組立体の組立方法について
説明する。補助板12の中央部の細長い間隙に、ノズル開
口面114 を下にして記録ヘッド本体11が挿入され、補助
板12の下面とノズル開口面114 とがほぼ同一面になるよ
うに両者が位置合わせされた後、接着シール材41によっ
て両者が接着シールされる。この工程においては、接着
シール材41がノズル開口面114 に流出することを防止す
ることが非常に重要である。なぜなら、ノズル開口面11
4 に流出した接着シール材は、ノズルからのインクの吐
出に重大な影響を与えるからである。このために、記録
ヘッド本体11と補助板12との嵌合部の隙間は0.02mm以下
と極力小さく設定され、接着シール材41は上側から少量
ずつを数回に分けて注入される。特に、1回目の注入は
最少限の量に止められて、接着シール材41の自重による
流出が防止され、ある程度硬化してから順次継ぎ足して
いくという方法が採用されている。
【0010】使用される接着シール材の一例を下記に示
す。この接着シール剤は、シール性と耐インク性とに優
れる一液性のシリコーン系のものである。 メーカ 東芝シリコーン株式会社 材質 シリコーン 製品名 TSE3995 硬化反応 空気中の湿気 粘度 30P タックフリータイム 10分 使用温度範囲 −55℃〜 200℃ 接着シール材41の硬化反応は空気中の湿気によって進行
し、十分に硬化させるためには、通常、高湿(温度25℃
で70%の湿度)の雰囲気に4時間以上保持される。極端
な加湿状態にしないのは、接着シールする部材を雰囲気
槽から取り出した際に、部材の表面に結露して電気部品
に絶縁不良が発生することを避けるためである。
【0011】次に、記録ヘッド本体11のインク供給側で
の接着シール工程を説明する。前工程において、ノズル
側の接着シール材41が十分に硬化された後、フレキシブ
ルプリント板8が記録ヘッド本体11に嵌め込まれて、そ
れぞれの配線部が圧電素子113 にはんだ付けされる。続
いて、ステンレス金網からなるフィルタを備えたホール
ダ2が、記録ヘッド本体11のインク供給側に嵌め込まれ
て位置決めされた後、注入孔から接着シール材42が注入
され、フレキシブルプリント板8の上面とホールダ2の
下面と記録ヘッド本体11の側面とで限られた空間内を充
たし、記録ヘッド本体11のインク供給側の全周が接着シ
ールされる。同時に、記録ヘッド本体11のインク流路を
3つの完全に独立したインク流路に分離する。なお、使
用される接着シール材42はノズル側の接着シール材41と
同じものである。
【0012】続いて、記録ヘッド1とホールダ2との外
周部での接着シール工程を説明する。この接着シールは
外部からのインク等の侵入を防止するために行われるも
のであり、上記の接着シール工程と同じ材料の接着シー
ル材44が外周部全周にわたって塗布される。以上の工程
によって、記録ヘッド本体11と補助板12とホールダ2と
が接着シールされた状態となる。この状態のホールダ2
の上面に針付部材3がフィルム状のホットメルト型接着
剤(図2には図示されていない)によって接着シールさ
れて、図2に示す構成の記録ヘッド組立体が完成する。
フィルム状のホットメルト型接着剤はクラボウ製で、そ
のグレードはX−4360、厚さは75μm であり、その
接合条件は、温度が120 ℃、加圧力が2kg/cm2 、保持
時間が10分に設定されている。
【0013】なお、記録ヘッド1とホールダ2との外周
部での接着シールや、ホールダ2と針付部材3との接着
シールを、接着シールされる下側部材の上面に形成され
た溝に接着シール材を供給するという方法で実施するこ
とも可能である。この場合にも上記の接着シール材が使
用できる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】接着シール材を用いて
接着シールする場合に接着シール部の気密性を確保する
ためには、接着シール材中に気泡を存在させないことが
肝要である。外見から接着シール材が接着シール部に十
分に充填されているように見えても、その中に気泡が含
まれていると、その気泡を通して空気がリークし、十分
な気密性を得ることができなくなる。
【0015】接着シール部の接着シール材中に気泡を存
在させないための対策としては、 1) 注入する接着シール材中に気泡が含まれていないこ
と、 2) 接着シール材の注入時に、接着シール材中に気泡を
取り込ませないこと、 3) 接着シール材の合流位置等に逃げ場のない空気を存
在させないこと が上げられる。
【0016】前2者については、従来から既に十分な配
慮がなされているので問題はないが、3番目の対策につ
いては必ずしも十分とは言えない。特に、細長い空間内
を接着シール材で埋める場合(例えば、記録ヘッド本体
11のインク供給側とホールダとの接着シールの場合)に
は、接着シール材の合流部に空気を閉じ込めることが多
い。一方、上部が開放状態である場合(例えば、記録ヘ
ッド本体11のノズル側と補助板12との接着シールの場
合)には、このような状態になることはない。
【0017】この発明の課題は、記録ヘッド組立体の各
部材間を気密接着している接着シール材内に気密性を悪
くする気泡を存在させず、その結果として、信頼性に優
れた記録装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の空気の閉じ込め
は、次のような過程によるものと推定される。細長い空
間内を接着シール材が流れる場合には、部材が接触して
いる部分(間隔の狭い部分)の接着シール材の流速の方
が、毛細管現象によって、部材で囲まれた空間部の流速
より早くなる。このために、部材が接触している部分の
接着シール材が先に合流位置に達して接触し、中央部の
接着シール材が遅れて合流位置に到達することになる。
しかし、部材の接触部が先に接着シール材で埋められる
ため、内部空間にある空気は逃げ場を失い、接着シール
材の中に閉じ込められることになる。
【0019】したがって、空気の逃げ場となる側の部材
に空気抜きを形成し、空気抜きの位置で接着シール材の
流れを一時的に止めて、接着シール材が合流するのを遅
くすれば、空気の逃げ場でない部材側から接着シール材
が合流するので、空気抜きが空気の逃げ道となり、合流
位置の接着シール材の中に空気を閉じ込めることが回避
される。この考え方に基づくのがこの発明である。
【0020】この発明においては、インクをインク滴と
して吐出する記録ヘッド本体と、記録ヘッド本体を保護
し支持する補助板と、記録ヘッド本体を保持し、記録ヘ
ッド本体へインクを導くホールダと、インクカートリッ
ジからインクを導出して、ホールダを介して記録ヘッド
本体へインクを供給するためのインク供給針を備えた針
付部材と、前記各部材間を気密に固着する接着シール材
とを備え、吐出されたインク滴で記録媒体上に記録する
記録装置において、接着シール部に供給された前記接着
シール材がその流れによってその流れの合流位置に空気
を閉じ込める可能性のある部分に、接着シール材の外側
の流れを一時的に止めあるいは遅くし、且つ合流位置の
空気を放出するための空気抜きが備えられている(請求
項1の発明)。
【0021】接着シール材の流れの合流位置に備えられ
た空気抜きが、空気抜きの開口部に到達した接着シール
材の流れを一時止めあるいは遅くするので、開口部から
離れた側の接着シール材が先に合流し、段々に開口部側
に合流位置が移り、最後に開口部側の接着シール材が合
流する。このような合流の仕方であれば、接着シール材
の内部には空気が閉じ込められない。
【0022】請求項1の発明において、前記空気抜き
が、記録ヘッド本体のインク供給側とホールダとの接着
シール部の外側のホールダの外囲部に形成され且つこの
接着シール部に開口する凹部である(請求項2の発
明)。記録ヘッド本体のインク供給側とホールダとの接
着シール部は、内部を全て接着シール材が満たす接着シ
ール部であり、接着シール材の供給部から合流位置まで
が細長い空間であるが、合流位置のホールダ側に開口部
が設けられるので、合流位置の空気は凹部に送り出され
て、接着シール材の内部には空気が閉じ込められない。
【0023】また、請求項1の発明において、前記空気
抜きが、記録ヘッド本体のインク供給側とホールダとの
接着シール部の外側のホールダの外囲部に形成され且つ
この接着シール部に開口する開口部と、この開口部に連
通し且つホールダの外囲部に形成された溝部とで構成さ
れている(請求項3の発明)。請求項2の発明における
凹部に相当する開口部に加えて、その外側に余分な接着
シール材を受容する溝部が設けられることによって、合
流位置の接着シール材の内部には空気が閉じ込められ
ず、且つ接着シール材の供給量のばらつきを配慮した十
分な接着シール材の供給が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明による記録装置の実施の
形態について、実施例を用いて説明する。なお、従来技
術と同じ機能の部分には同じ符号を用いた。図1は、こ
の発明による記録装置の実施例の記録ヘッド組立体の構
造を示し、(a)は長さ方向の断面図であり、(b)は
幅方向の断面図である。
【0025】この実施例が従来例と異なる点は、ホール
ダ2aに合計4つの開口部231 〜234(231 と232 とは図
示せず)と溝部22とが形成されていることであり、その
他の点は全て従来例と同じであるので、説明は省略す
る。以下には、ホールダ2aの形状及びこれに関連する記
録ヘッド本体11のインク供給側とホールダ2aとの接着シ
ールについて説明する。
【0026】記録ヘッド本体11のインク供給側とホール
ダ2aとを接着シールする際には、インク供給針36間にあ
る2つの供給孔からディスペンサで接着シール材42が供
給される。供給された接着シール材42が毛細管現象で接
着シール部に行き渡って行く過程において、接着シール
部の何箇所かに、両側から流れてきた接着シール材が合
流する場所がある。図1に示した実施例の場合には、接
着シール部の幅方向の中央部と長さ方向の中央部とがこ
の場所に相当し、合流位置421 〜424 として示してあ
る。
【0027】この合流位置421 〜424 に対応して接着シ
ール部に開口している開口部231 〜234 が、ホールダ2a
の外囲部21に形成されており、この4つの開口部231 〜
234に連通して、溝部22がホールダ2aの外囲部21に下面
を開口部として形成されている。開口部231 〜234 の幅
は2mmであり、その高さは0.5mm で、ホールダ2aに形成
されている三角形の接着シール部(図1には破線で表
示)の高さと同じである。溝部22は、樹脂成形上で必要
な肉抜き部を兼ねており、ホールダ2aに必要な強度との
兼ね合いでその大きさが決められている。その深さは約
2mmであり、ホールダ2aの厚さは約3mmである。なお、
溝部22はホールダ2aの外囲部21を一周して形成されてい
る。
【0028】開口部231 〜234 と接着シール部との角の
部分は、丸まっているより鋭利な方が接着シール材の流
れを止める効果が大きいと考えられるので、実施例で
は、R<0.1mm に形成されている。このようなホールダ
2aと記録ヘッド本体11のインク供給側とを、インク供給
針36間にある2つの供給孔から供給された接着シール材
42で接着シールする場合には、ホールダ2aの表面に沿っ
て流れてきた接着シール材は、接着シール部と開口部23
1 〜234 との角部でその動きを止める。一方、記録ヘッ
ド本体11の表面に沿って流れてきた接着シール材は、そ
のまま流れて反対側から流れてきた接着シール材と合流
する。この合流が記録ヘッド本体11の表面から開口部側
に移り、開口部に到達すると、接着シール材が開口部内
に流れ込み始める。したがって、開口部の位置で接着シ
ール材が合流する場合には、記録ヘッド本体11の表面側
から合流が始まって開口部側で合流が終わるから、両側
から流れてきた接着シール材の間にあった空気は、全て
開口部に送り出されて、接着シール材の中に閉じ込めら
れることはない。このようにして、開口部が無い場合に
は、空気が閉じ込められて気密不良を発生させる可能性
の高い合流部が、開口部の存在によって、全く空気を閉
じ込めなくなり、気密性に優れた記録ヘッド組立体を作
成することができるようになる。
【0029】また、開口部231 〜234 に連通する溝部22
が形成されているので、供給された接着シール材が多過
ぎた場合にも、余分の接着シール材が開口部から溝部22
に流れ込んで受容されるので、余分な接着シール材が望
ましくない部分に流れ出してトラブルを発生することが
防止できる。参考までに、ディスペンサの設定値を一定
にした状態における接着シール材の注入量のばらつき
は、前述の接着シール材TSE3995の場合では、約
2倍である。したがって、接着シール材の充填が不足に
なって気密不良を発生させないようにするためには、注
入量をばらつかせる粘度等を管理してばらつきの幅を小
さくするか、このばらつきを配慮して、十分に余裕のあ
るディスペンサの設定値にすることが必要となる。当然
のことながら、ばらつきの幅を小さくできれば、溝部22
は必ずしも必要ではない。
【0030】前述の接着シール材を通常の管理状態でデ
ィスペンサにより注入して作成したこの実施例による記
録ヘッド組立体では、接着シール材の不都合な流れ出し
が全くなく、この記録ヘッド組立体を記録装置に搭載し
てインクの吸引試験を実施したところ、気密不良に伴う
吸引不可は皆無であり、吸引に伴うトラブルが発生する
ことはなかった。
【0031】上記の実施例においては、溝部22は、ホー
ルダ2aの外囲部21を一周して形成されている場合を説明
したが、幾つかの独立な溝に分割することも可能であ
る。更に、他の部分、例えばホールダ2と針付部材3、
の接着シールに接着シール材を使用する場合にも、上記
のような開口部構造を採用することは気密性の確保のた
めに有効である。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば、インクをインク滴と
して吐出する記録ヘッド本体と、記録ヘッド本体を保護
し支持する補助板と、記録ヘッド本体を保持し、記録ヘ
ッド本体へインクを導くホールダと、インクカートリッ
ジからインクを導出して、ホールダを介して記録ヘッド
本体へインクを供給するためのインク供給針を備えた針
付部材と、前記各部材間を気密に固着する接着シール材
とを備え、吐出されたインク滴で記録媒体上に記録する
記録装置において、接着シール部に供給された前記接着
シール材がその流れによってその流れの合流位置に空気
を閉じ込める可能性のある部分に、接着シール材の外側
の流れを一時的に止めあるいは遅くし、且つ合流位置の
空気を放出するための空気抜きが備えられている。
【0033】接着シール材の流れの合流位置に備えられ
た空気抜きが、空気抜きの開口部に到達した接着シール
材の流れを一時止めあるいは遅くするので、開口部から
離れた側の接着シール材が先に合流し、段々に開口部側
に合流位置が移り、最後に開口部側の接着シール材が合
流する。このような合流の仕方であれば、接着シール材
の内部には空気が閉じ込められない。したがって、記録
ヘッド組立体の各部材間を気密接着している接着シール
材内に気密性を悪くする気泡を存在させず、その結果と
して、信頼性に優れた記録装置を提供することができる
(請求項1の発明)。
【0034】請求項1の発明において、前記空気抜き
が、記録ヘッド本体のインク供給側とホールダとの接着
シール部の外側のホールダの外囲部に形成され且つこの
接着シール部に開口する凹部である。記録ヘッド本体の
インク供給側とホールダとの接着シール部は、内部を全
て接着シール材が満たす接着シール部であり、接着シー
ル材の供給部から合流位置までが細長い空間であるが、
合流位置のホールダ側に凹部が設けられるので、合流位
置の空気は凹部に送り出されて、接着シール材の内部に
は空気が閉じ込められない。したがって、最も気密不良
が発生しやすい、記録ヘッド本体のインク供給側とホー
ルダとの接着シール部を確実に気密に接着シールするこ
とができる(請求項2の発明)。
【0035】また、請求項1の発明において、前記空気
抜きが、記録ヘッド本体のインク供給側とホールダとの
接着シール部の外側のホールダの外囲部に形成され且つ
この接着シール部に開口する開口部と、この開口部に連
通し且つホールダの外囲部に形成された溝部とで構成さ
れている。請求項2の発明における凹部に相当する開口
部に加えて、その外側に余分な接着シール材を受容する
溝部が設けられることによって、合流位置の接着シール
材の内部には空気が閉じ込められず、且つ接着シール材
の供給量のばらつきを配慮した十分な接着シール材の供
給が可能となる。したがって、最も気密不良が発生しや
すい、インクジェット記録ヘッド本体のインク供給側と
ホールダとの接着シール部をより確実に気密に接着シー
ルすることができる(請求項3の発明)。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による記録装置の実施例の記録ヘッド
組立体の構造を示し、(a)は長さ方向の断面図、
(b)は幅方向の断面図
【図2】従来技術による記録装置の1例の記録ヘッド組
立体の構造を示し、(a)は長さ方向の断面図、(b)
は幅方向の断面図
【符号の説明】
1 記録ヘッド 11 記録ヘッド本体 111 流路基板 1111 インク供給路 1112 インク加圧室 1113 ノズル 112 振動板 113 圧電素子 114 ノズル開口面 12 補助板 2, 2a ホールダ 21 外囲部 22 溝部 (231, 232) 233, 234 開口部 3 針付部材 36 インク供給針 41, 42, 44 接着シール材 421, 422, 423, 424 合流位置 8 フレキシブルプリント板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクをインク滴として吐出するインクジ
    ェット記録ヘッド本体と、インクジェット記録ヘッド本
    体を保護し支持する補助板と、インクジェット記録ヘッ
    ド本体を保持し、インクジェット記録ヘッド本体へイン
    クを導くホールダと、インクカートリッジからインクを
    導出して、ホールダを介してインクジェット記録ヘッド
    本体へインクを供給するためのインク供給針を備えた針
    付部材と、前記各部材間を気密に固着する接着シール材
    とを備え、吐出されたインク滴で記録媒体上に記録する
    インクジェット記録装置において、 接着シール部に供給された前記接着シール材がその流れ
    によってその流れの合流位置に空気を閉じ込める可能性
    のある部分に、接着シール材の外側の流れを一時的に止
    めあるいは遅くし、且つ合流位置の空気を放出するため
    の空気抜きが備えられていることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記空気抜きが、インクジェット記録ヘッ
    ド本体のインク供給側とホールダとの接着シール部の外
    側のホールダの外囲部に形成され且つこの接着シール部
    に開口する凹部であることを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記空気抜きが、インクジェット記録ヘッ
    ド本体のインク供給側とホールダとの接着シール部の外
    側のホールダの外囲部に形成され且つこの接着シール部
    に開口する開口部と、この開口部に連通し且つホールダ
    の外囲部に形成された溝部とで構成されていることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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