JP2004042551A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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JP2004042551A JP2002205887A JP2002205887A JP2004042551A JP 2004042551 A JP2004042551 A JP 2004042551A JP 2002205887 A JP2002205887 A JP 2002205887A JP 2002205887 A JP2002205887 A JP 2002205887A JP 2004042551 A JP2004042551 A JP 2004042551A
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Akihiko Kadowaki
門脇 昭彦
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Abstract

【課題】良品率が高く信頼性に優れたインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】ホルダを内ホルダ3bとこれの側面及び下面を覆う外ホルダ3aの組み合わせとし、接着シール材を充填する接着シール部6の一部となる外ホルダ3aの角取り部32で、注入された接着シール材の合流位置に、接着シール材逃げ空間8を設け、内ホルダ3bの記録ヘッド1挿入孔の下端の全周に内ホルダ角取り部35を設け、内ホルダ3bの記録ヘッド挿入部であるインク供給部34a の下部に二等辺三角形の断面形状をもつインク整流体36を備える。インク整流体36は内ホルダ3bのインク供給部34a の両端部で内ホルダ3bに保持されており、内ホルダ3bと一体に製作される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インクを小滴としてノズルから吐出させて記録するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細なノズルよりインクを吐出させて紙等の記録媒体上に付着させて記録する方法は、インクジェット記録法として、従来より知られている。その原理の一つとして、オンデマンド型インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置がある。
【0003】
図2は、この方式のインクジェット記録ヘッド(以下では単に記録ヘッドという)を用いたインクジェット記録装置(以下では単に記録装置という)の記録ヘッド近傍の構造を示す。(a)は長さ方向の断面図で、左側が記録ヘッド表面での断面であり、右側が流路基板表面での断面である。(b)はインク供給部に対応する幅方向の断面図であり、(c)はインク分離用接着シール材注入口に対応する幅方向の断面図である。
【0004】
図2に示されているのは、記録ヘッド1と、これを囲んで保護する補助板4と、記録ヘッド1へインクを導き、且つインク経路中にフィルタを備えたホールダ3と、電気信号を入力するフレキシブルプリント板2と、記録ヘッド1及びホルダ3を気密に接着シールするための接着シール材(図2では接着シール部6と表示)と、記録ヘッド1及び補助板4を気密に接着シールするための無表示の接着シール材と、であり、これらをまとめて記録ヘッド組立体と総称する。
【0005】
記録ヘッド1は、流路基板14と振動板15と圧電素子16とで構成されている。流路基板14の両面には、インク供給路11からインク加圧室12を経てインクノズル13に至るインク流路となる複数の溝が形成されている。この流路基板14の両面に振動板15が接合一体化されて、インク流路が形成され、インク加圧室12に対応する振動板15の表面に圧電素子16が接着剤で接合されている。圧電素子16にはフレキシブルプリント板2から電気信号が入力される。圧電素子16に接続されるフレキシブルプリント板2の先端部は、予めはんだメッキされ、且つフォーミングされて若干のばね性を有している。フレキシブルプリント板2は、このばね性で圧電素子16に押圧させた状態で加熱されて、圧電素子16の所定の位置にはんだ付けされる。
【0006】
フレキシブルプリント板2を介して圧電素子16に所定のパルス電圧が印加されると、圧電素子16が伸縮して振動板15を振動させ、インク加圧室12内の体積を急激に変化させてインクを加圧し、インクノズル13からインクを液滴として吐出させる。この際のインクの戻りを防止してインクを効率よく吐出させるために、インク供給路11は細く絞られている。多数のインク供給路11を3つのグループに分割しているのは、3色のインクを使い分けるためである。それに対応して、記録ヘッド1にインクを導入するためのホルダ3も内部が3分割されている。ホルダ3の材料は、耐インク性に優れ、安価なポリフェニレンエーテル樹脂である。
【0007】
図2に示されている記録ヘッド1には、片面に30のインクノズル13があり、それらの間隔は508 μm である。また、表裏のインクノズル13は、300dpiの解像度の1ピッチ分に相当する85μm だけずらされており、表裏合わせて60のインクノズル13を有するものとなっている。
記録ヘッド組立体は、ノズル詰まりが生じた場合や、ノズル詰まりが生じなくても所定時間の記録が継続された場合に、記録媒体から外側に外れた位置に設置されている保護装置によって、インクノズル13の吸引操作を下記のように実行される。この吸引操作は、記録ヘッド組立体を保護装置に対向する位置に移し、ここで、保護装置のキャップを補助板4に押圧し、キャップに接続されているチューブにつながれたポンプによって、インクノズル13内部に詰まっている気泡、異物, 乾燥インク等をインクと共に廃インク容器に吸引除去し、記録不良を回復させる。
【0008】
このような吸引操作を実行するためには、記録ヘッド1及び補助板4と、記録ヘッド1及びホルダ3とがそれぞれ密閉シール状態で固着されていることが肝要である。
図2(b)において点線で示した接着シール材注入口31が、この目的の接着シール材を注入するための注入口であり、左右に1対で2箇所、全部で4箇所に設けられている。ここより注入された接着シール材は、フレキシブルプリント板2の先端部とホルダ3の角取り部32と記録ヘッド1とで形成され、且つ記録ヘッド1の全周にわたる接着シール部6の中を流れ、記録ヘッド1とホルダ3とを接着シールする。
【0009】
図2(c)は、色の異なるインクが混合しないようにそれぞれを分割するためのインク分離用接着シール材注入口(図においては分離用接着シール材注入口)33の部分を示したもので、インク分離用接着シール材注入口33は2箇所に設けられている。注入された接着シール材は、記録ヘッド1の両面に分かれて流れ、前記の接着シール部6の中を流れてきた接着シール材と合流し一体となる。
【0010】
このような接着シール方法においては、接着シール材注入口31及びインク分離用接着シール材注入口33から接着シール部6等に流し込まれた接着シール材が記録ヘッド1のインク供給路11まで流出するのを防止するために、ホルダ3への記録ヘッド1の嵌合部のクリアランスが極力小さく設定されている(例えば0.02mm)。一方、記録ヘッド1の上面(インク供給面)はダイサによって切断されるので、その角は鋭く、記録ヘッド1をホルダ3に挿入する際に、その角がホルダ3を削ったり、記録ヘッド1のインク供給面が欠けたりして、これらの異物が記録ヘッド1のインク流路を塞いで詰まり障害を発生させる。この障害を避けるために、記録ヘッド1のインク供給面に0.01mmの面取りを施しても、前記クリアランスは0.02mmが限界である。しかし、このクリアランスでは、接着シール材が流出して記録ヘッド1のインク供給面まで到達することを確実に防止することは困難である。
【0011】
なお、注入された接着シール材の硬化速度を上げるために、接着シール材の注入後、記録ヘッド1やホルダ3等の接着シールされる部材は、高湿(25℃で湿度70%)の雰囲気炉に移され、4時間以上保持され、接着シール材を十分に硬化させる。この雰囲気は、通常の環境条件(20℃で湿度50%)に比べて約2倍の水分を含んだ状態であり、極端な加湿条件ではない。極端な加湿条件にしないのは、表面に結露して、隣接する圧電素子16間に絶縁不良等の障害を発生させることを防止するためである。
【0012】
また、使用される接着シール材は、シール性及び耐インク性に優れる一液性のシリコーン系接着シール材で、下記のものである。
メーカ      : 東芝シリコーン株式会社
素材       : シリコーン
製品名      : TSE389
硬化反応     : 空気中の湿気
粘度       : 56P
タックフリータイム:30分
使用温度範囲   :−55℃〜 200℃
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明した従来例の接着シール構造においては、以下の3つの問題点がある。
1)  上記の説明の中で言及したように、ホルダ3への記録ヘッド1の嵌合部のクリアランスを極力小さくしても、接着シール部6に流し込まれた接着シール材が記録ヘッド1の上面(インク供給面)まで達してインク供給路11を塞ぐのを確実に防止することは困難である。接着シール材が記録ヘッド1の上面(インク供給面)に達してインク供給路11を塞ぐと、インクが供給されなくなり、インク不吐出となり、良品率を低下させる。
【0014】
参考までに、TSE389の場合で説明すると、ディスペンサによる注入量は、同一設定値においても、ロットによる粘度のばらつきによって約2倍の違いとなる。ロット毎に設定値を調節すれば、注入量を均一化することはできるが、注入後の流動性のばらつきを制御することはできない。
2) 接着シール材は複数の接着シール材注入口31及びインク分離用接着シール材注入口33から注入されるので、接着シール材の合流部では、空気の逃げ場が無く、その位置に気泡が残り易い。接着シール部に気泡が残ると、その部分でインク漏れや気密不良等の障害を発生する可能性が高くなる。
【0015】
3) ホルダ3のインク供給部34は、その断面積が大きい( 1.8mm2 : 0.9mm×2mm)ため、この部分におけるインクの流速が遅く、この内部に気泡が滞留し易い。ここで、“ 0.9mm”は記録ヘッド1の厚さで決まり、“2mm”は表裏合わせて20本の流路にインクを供給するために必要な大きさである。インク供給部34内でインク供給路11から離れた位置に滞留する気泡は、そのまま止まっていれば大きな障害を発生させることはないが、記録中に移動して、インク供給路11の入口を塞いだり、記録ヘッド1内に流入すると、それに対応するインクノズル13が不吐出となる等の記録障害を発生させる。記録ヘッド1のインク供給側に共通のインク溜めを設ければ、この問題は幾分かは防止できるが、記録ヘッド1が大型化するため、コストが高くなる。
【0016】
また、インク供給部34内に滞留する気泡は、前述の保護装置の−80kPaの吸引操作によっても完全に除去することができなかった。
この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題は、良品率が高く、且つ信頼性に優れたインクジェット記録装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、インクをインク滴として吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドを保持し、記録ヘッドへインクを導くホールダと、記録ヘッドとホルダとを気密に接着シールする接着シール材と、インク色を区分するためのインク分離用接着シール材と、を備える記録装置であって、前記ホルダを、記録ヘッドのインク供給側の端部の外周部に接触し、且つ記録ヘッドへインクを供給する内ホルダと、内ホルダの側面及び下面を覆い、記録ヘッドを内ホルダと記録ヘッドとの接触位置より下部で保持し、且つ下端面の記録ヘッド側に、前記接着シール材を充填される空間の一部となる角取り部を全周にわたって有する外ホルダと、で構成し、内ホルダと外ホルダと記録ヘッドとの会合部に、接着シール材及びインク分離用接着シール材が記録ヘッドの上端部へ漏出することを防止するための接着シール材漏出防止空間を備える。
【0018】
内ホルダと外ホルダと記録ヘッドとの会合部に接着シール材漏出防止空間を備えるので、外ホルダの下端にある角取り部を含む接着シール材充填空間に供給された接着シール材が外ホルダと記録ヘッドとの間に存在する隙間を通って上方に漏れ出ても、接着シール材漏出防止空間がこれを収容し、漏れ出た接着シール材が更に上方にまで達することはない。
【0019】
請求項2の発明は、インクをインク滴として吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドを保持し、記録ヘッドへインクを導くホールダと、記録ヘッドとホルダとを気密に接着シールする接着シール材と、を備える記録装置であって、記録ヘッドとホルダとを気密にシールするために接着シール材を充填される空間に供給された接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、接着シール材の逃げ空間を備える。
【0020】
供給された接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、接着シール材の逃げ空間を備えるので、先端部によって押されてきた空気が、先端部と先端部が接触する際に逃げ空間へ押し出され、接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、気泡が残らず、接着シール材を充填空間に完全に充填することができる。また、逃げ空間は余分な接着シール材の逃げ空間にもなる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記内ホルダのインク供給部内で、記録ヘッドのインク供給側に接触する位置に、記録ヘッド側の端部では記録ヘッドのインク供給路以外を殆ど覆う幅を有し、反対の端部側ではこれより狭い幅を有し、且つ両端部間をつなぐ側面は直線状または緩やかな曲線状である断面形状のインク整流体を、内ホルダに一体化して備える。
【0022】
このような断面形状のインク整流体は、インクの流れを整え且つインク供給部の断面積を連続的に小さくしてインク流速を上げるので、記録ヘッドのインク供給路近傍のインク供給部内には気泡が滞留しなくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明による記録装置の特徴は、ホルダを外ホルダと内ホルダに分割し、内ホルダの下端内周に角取り部(内部ホルダ角取り部)を設けて、記録ヘッドと外ホルダと内ホルダとで接着シール材漏出防止空間を形成し、注入された接着シール材がホルダと記録ヘッドの隙間から記録ヘッドの上端まで到達するのを防止していること、接着シール材が充填される接着シール部の一部を構成する角取り部を有する外ホルダの下端部には、異なる接着シール材注入口から注入された接着シール材のそれぞれの先端部が接触する位置に、空気や接着シール材の一部を逃がす逃げ空間(接着シール材逃げ空間)を備えて、接着シール部に気泡を残留させないこと、及び、内ホルダのインク供給部の下部に、挿入された記録ヘッドのインク供給路を除く大部分の表面を覆い、上部が狭く且つ側面が滑らかなインク整流体を備えて、インクの流れを整えその流速を高くし、気泡が滞留しにくいインク供給部形状にしていること、である。
【0024】
以下において、この発明による記録装置の実施の形態について実施例を用いてより詳しく説明する。
なお、従来技術と同じ機能の部分には同じ符号を付ける。
図1は、この発明による記録装置の実施例の記録ヘッド近傍の構成を示し、(a)は接着シール材の合流部でない部分の幅方向断面図であり、(b)は接着シール材の合流部の幅方向断面図である。
【0025】
従来技術のホルダ3に相当する部分が、外ホルダ3aと内ホルダ3bの組み合わせで構成され、内ホルダ3bは外ホルダ3aに上部から嵌め込まれている。内ホルダ3bには、記録ヘッド1のインク供給側の端部を挿入される貫通孔が形成されていて、その貫通孔内には、記録ヘッド1のインク供給路11の開口面に相当する位置を下面とするインク整流体36が一体に形成され、インク整流体36の横及びその上部の貫通孔がインク供給部34a となる。外ホルダ3aには、内ホルダ3bを嵌め込まれた状態で内ホルダ3bの貫通孔に対応する位置に、貫通孔が形成されていて、内ホルダ3bに挿入される記録ヘッド1のインク供給側の端部は、先ず外ホルダ3aのこの貫通孔から挿入された後、内ホルダ3bの貫通孔に挿入され、インク整流体36に接触する位置に位置決めされる。
【0026】
ホルダを外ホルダ3aと内ホルダ3bとに分割する目的は、後述する接着シール材漏出防止空間7を形成するため、及びインク整流体36を高い寸法精度で形成するため、である。前者の理由は、一体のホルダでは、記録ヘッド1を挿入する貫通孔の内面に、接着シール材漏出防止空間7に相当する、全周にわたる凹みを形成することが困難であるからであり、後者の理由は、一体のホルダに比べて内ホルダ3bは小さくなるので、その内部に形成するインク整流体36の寸法精度を高めることができ、性能のより安定した記録装置を実現できるからである。
【0027】
外ホルダ3aの貫通孔の下端部には、その全周の大部分に、図1(a)に示すような、従来のホルダ3と同様の、角が斜めに削られた形状の角取り部32が形成され、且つ、数カ所に、図1(b)に示すような接着シール材逃げ空間8が形成されている。
角取り部32は、フレキシブルプリント板2の先端部と記録ヘッド1の側面とで、接着シール部6となる空間を形成する。この空間に接着シール材が注入されて、外ホルダ3aと記録ヘッド1とが気密に接着シールされる。
【0028】
数カ所に形成される接着シール材逃げ空間8は、不図示の複数の接着シール材注入口から注入された接着シール材が接着シール部6内を流れてその先端部が合流する位置に設けられる。合流位置は各注入口の中間に位置している。接着シール材の先端部が合流する際に、接着シール材の逃げ空間がないと、合流時に内部に取り込んだ空気が接着シール部6内に気泡として残り、接着シール部の気密不良の原因となる。この気密不良を避けるために、合流位置に接着シール材逃げ空間8を設ける。合流位置に接着シール材逃げ空間8を設けると、その空間8が空気の逃げ場となり、接着シール材内に空気を取り込む可能性を少なくする。また、空気を取り込むのは合流初期であるから、空気を取り込んだ接着シール材が接着シール材逃げ空間8へ押し出されれば、接着シール部6内には気泡が残らなくなる。接着シール材逃げ空間8は、幾らかの接着シール材を接着シール部6から漏出させることによって、接着シール部6内に気泡を残さなくするのが設置目的であるから、漏出する接着シール材の量を必要最小限度に止めることが肝要であり、使用する接着シール材の粘度等によってその開口形状及び大きさが決められる。実施例においては、記録ヘッド1と外ホルダ3a及び内ホルダ3bの嵌合部のクリアランスや、接着シール材の粘度から考慮して、接着シール材逃げ空間8の幅(図1における紙面に垂直方向の寸法)を0.5 mmに設定した。その結果、所望の気密状態が確保され、且つ接着シール部6での気密不良は発生しなくなった。
【0029】
内ホルダ3bの貫通孔の下端部も、全周にわたって角が斜めに削られた形状の内ホルダ角取り部35を有し、この内ホルダ角取り部35と外ホルダ3aの上面と記録ヘッド1の側面とで接着シール材漏出防止空間7が形成される。この接着シール材漏出防止空間7は、接着シール部6から外ホルダ3aと記録ヘッド1との隙間を通って漏出してくる接着シール材を収容する空間であって、接着シール部6に供給された接着シール材が記録ヘッド1の上端に達してインク供給路11を塞ぐことを防止する。実施例においては、接着シール材の粘度等から考慮して内ホルダ角取り部35はC0.3 mmに設定した。その結果、接着シール材が記録ヘッド1の上面へ漏出してインクが不吐出となる不良が発生しなくなった。
【0030】
インク整流体36は、図1に示すように、上端部が丸められた二等辺三角形の断面形状をしており、細長い貫通孔の両端で内ホルダ3bにつながっている。二等辺三角形の底辺は、記録ヘッド1の両側にあるインク供給路11間の距離に相当する寸法をもち、インク供給路11を塞がない位置に位置決めされ、二等辺三角形の高さは底辺とほぼ同じ寸法である。断面寸法の一例を示すと、底辺が0.5 mm、高さが0.5 mmである。インク整流体36の断面形状を二等辺三角形にしているのは、インク供給路11が記録ヘッド1の両面に形成されているからであって、片面だけの場合には、その側だけにインクが供給される直角三角形にすればよい。インク整流体36を備える目的は、インクの流れを整え且つその流速を高めて気泡の滞留を無くすることであるから、上記のような三角形に限定されるものではなく、側壁が緩やかな曲面であってもよく、上端部はもっと尖った形状であってもよい。
【0031】
「従来の技術」の項で述べた保護装置を用いて、上記の断面寸法例のインク整流体36の効果を、インク整流体36を備えた記録装置の気泡の除去特性と、備えない従来型の記録装置の気泡の除去特性とで比較し、次の結果を得た。
気泡の除去特性は、インクを正常に吐出するインクノズル数が全インクノズル数に対して占める割合である吐出ノズル率で示す。
【0032】
インク整流体36を備えていない従来の記録装置の場合には、約53kPaの負圧及び約80kPaの負圧で吸引した場合に、吐出ノズル率が、88〜97%で 100%に達しない。これに対して、実施例の場合には、約53kPaの負圧で半分以上の吐出ノズル率が 100%に達し、約80kPaの負圧では全数の吐出ノズル率が 100%に達し、明らかに、気泡を効果的に除去している。
【0033】
なお、外ホルダ3a及び内ホルダ3bの材料は、共に従来技術と同じの、ポリフェニリレンエーテル樹脂である。このようなプラスチックは耐熱性に劣るため、フィラー(約φ10μm のガラスファイバー)を混合されることがある。フィラーは、通常、表面に露出することはないが、内ホルダ3bのような小さな部品の場合には、成形時の圧力が不足すると表面に露出することがあり、初期には露出していなくても、記録ヘッド1の挿入時に削られて露出することもある。この露出したフィラーが使用中に欠落して記録ヘッド1内に流入すると、インク流路の詰まり障害となる危険があるので、内ホルダ3bにはフィラーを混合しないポリフェニリレンエーテル樹脂を使用している。
【0034】
また、外ホルダ3aと内ホルダ3bは、予め、それらの上部に、ステンレス鋼からなる金網フィルタ(図1ではフィルタ)5が熱圧着されて、一体に固着される。金網フィルタ5の編目のオープニングは20μm であり、記録ヘッド1のインクノズルより幾らか小さく設定されている。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明においては、内ホルダと外ホルダと記録ヘッドとの会合部に接着シール材漏出防止空間を備えるので、外ホルダの下端にある角取り部を含む接着シール材充填空間に供給された接着シール材が外ホルダと記録ヘッドとの間に存在する隙間を通って上方に漏れ出ても、接着シール材漏出防止空間がこれを収容し、漏れ出た接着シール材が更に上方にまで達することはない。
【0036】
したがって、この発明によれば、接着シール材の漏れ出しによるインク不吐出不良がなくなり、記録装置の良品率が向上する。
請求項2の発明においては、供給された接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、接着シール材の逃げ空間を備えるので、先端部によって押されてきた空気が、先端部と先端部が接触する際に逃げ空間へ押し出され、接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、気泡が残らず、接着シール材を充填空間に完全に充填することができる。また、逃げ空間は余分な接着シール材の逃げ空間にもなる。
【0037】
したがって、この発明によれば、接着シール部の気密不良が無くなって、良品率が向上し、且つ使用時のインク漏れが無くなって、信頼性に優れた記録装置を提供することができる。
請求項3の発明においては、前記内ホルダのインク供給部内で、記録ヘッドのインク供給側に接触する位置に、記録ヘッド側の端部では記録ヘッドのインク供給路以外を殆ど覆う幅を有し、反対の端部側ではこれより狭い幅を有し、且つ両端部間をつなぐ側面は直線状または緩やかな曲線状である断面形状のインク整流体を、内ホルダに一体化して備える。このような断面形状のインク整流体は、インクの流れを整え且つインク供給部の断面積を小さくしてインク流速を上げるので、記録ヘッドのインク供給路近傍のインク供給部内には気泡が滞留しなくなる。
【0038】
したがって、この発明によれば、ホルダのインク供給部に気泡が残留しにくくなって、信頼性により優れた記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による記録装置の実施例の記録ヘッド近傍の構成を示し、(a)は接着シール材の合流部でない部分の幅方向断面図、(b)は接着シール材が合流する部分の幅方向断面図
【図2】従来技術による記録装置の一例の記録ヘッド近傍の構成を示し、(a)は長さ方向断面図、(b)はインク供給部に対応する幅方向断面図、(c)はインク分離用接着シール材注入口に対応する幅方向断面図
【符号の説明】
1 記録ヘッド
11 インク供給路
12 インク加圧室
13 インクノズル
14 流路基板
15 振動板
16 圧電素子
2 フレキシブルプリント板
3  ホルダ
3a  外ホルダ
3b 内ホルダ
31 接着シール材注入口
32 角取り部
33 分離用接着シール材注入口
34, 34a インク供給部
35 内ホルダ角取り部
36 インク整流体
4 補助板
5 フィルタ
6 接着シール部
7 接着シール材漏出防止空間
8 接着シール材逃げ空間

Claims (3)

  1. インクをインク滴として吐出するインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドを保持し、インクジェット記録ヘッドへインクを導くホールダと、インクジェット記録ヘッドとホルダとを気密に接着シールする接着シール材と、インク色を区分するためのインク分離用接着シール材と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記ホルダを、
    インクジェット記録ヘッドのインク供給側の端部の外周部に接触し、且つインクジェット記録ヘッドへインクを供給する内ホルダと、
    内ホルダの側面及び下面を覆い、インクジェット記録ヘッドを内ホルダとインクジェット記録ヘッドとの接触位置より下部で保持し、且つ下端面のインクジェット記録ヘッド側に、前記接着シール材を充填される空間の一部となる角取り部を全周にわたって有する外ホルダと、で構成し、
    内ホルダと外ホルダとインクジェット記録ヘッドとの会合部に、接着シール材及びインク分離用接着シール材がインクジェット記録ヘッドの上端部へ漏出することを防止するための接着シール材漏出防止空間を備える、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクをインク滴として吐出するインクジェット記録ヘッドと、インクジェット記録ヘッドを保持し、インクジェット記録ヘッドへインクを導くホールダと、インクジェット記録ヘッドとホルダとを気密に接着シールする接着シール材と、を備えるインクジェット記録装置であって、
    インクジェット記録ヘッドとホルダとを気密にシールするために接着シール材を充填される空間に供給された接着シール材の先端部が互いに接触する位置に、接着シール材の逃げ空間を備える、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記内ホルダのインク供給部内で、インクジェット記録ヘッドのインク供給側に接触する位置に、インクジェット記録ヘッド側の端部ではインクジェット記録ヘッドのインク供給路以外を殆ど覆う幅を有し、反対の端部側ではこれより狭い幅を有し、且つ両端部間をつなぐ側面は直線状または緩やかな曲線状である断面形状のインク整流体を、内ホルダに一体化して備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
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