JP2021075005A - 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法および画像形成装置 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記録素子基板への液体供給が、液体流路の狭窄化により阻害されることを抑制することが可能な液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドは、液体を吐出する記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線基板と、前記記録素子基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部と、を収容する凹部であって、前記記録素子基板の裏面が接着される接着面を有する凹部を備える支持部材と、前記電気接続部を封止する封止剤と、前記凹部を、前記封止剤により前記電気接続部が封止される封止領域と、それ以外の非封止領域と、に区画すべく、前記凹部の内壁面と前記記録素子基板の側面との間を埋めるように接着剤により形成される壁部と、を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記記録素子基板の裏面は、前記壁部と隣接する領域において前記凹部に接着されていないことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドの製造方法および画像形成装置に関する。
液体吐出ヘッドの構成例として、インクに代表される液体を吐出するための吐出口群と、各吐出口に対向するエネルギー発生素子とが設けられた記録素子基板を備える構成が知られている。液体吐出ヘッドには、エネルギー発生素子の駆動に用いられる電気信号や電力を、記録装置(画像形成装置)本体から受け取るためのコンタクト部(電気接続部)が設けられている。記録素子基板は、一般的に可撓性を有する電気配線部材を用いてコンタクト部に接続される。
記録素子基板は、液体吐出ヘッドを構成する支持部材に接着剤を塗布した後、位置合わせをして支持部材に接合される。また、記録素子基板は、記録素子基板に設けられた接続端子を電気配線部材に設けられたインナーリードに接続することにより、電気配線部材と電気的に接続される。インナーリードと接続端子との電気接続部は、封止剤によって覆うことで保護される。封止剤は、電気接続部の隙間等の細部を速やかに充填するため、一般的には比較的粘度の低いものが使用される。
電気接続部を覆う封止剤は、環境変化等によって膨張または収縮する場合がある。このため、封止剤が記録素子基板に接触している場合、記録素子基板は、封止剤からの外力によって変形するという問題が起こり得る。したがって、封止剤は、記録素子基板の側面と、できる限り接触しないようにすることが好ましい。
特許文献1では、記録素子基板が接合される支持部材の凹部内で、電気接続部を含む領域と記録素子基板の側面を含む領域とを隔てる壁部を接着剤によって形成し、電気接続部を覆う封止剤の広がりを抑制する技術が提案されている。
特開2015−223832号公報
しかしながら、壁部の形成が可能な量の接着剤を塗布すると、余剰の接着剤がはみ出すことで、インク流路は狭窄化する可能性がある。従来の液体吐出ヘッドでは、記録素子基板を支持部材に接合する際、封止剤の流出を抑えるために十分な高さの壁部を形成できる量の接着剤が塗布される。この場合、記録素子基板にインク(液体)を供給するインク流路内へ接着剤が大きくはみ出してしまうという問題が生じ得る。粘性がより高い接着剤は、流路壁に沿って流れず横にはみ出すため、インク流路はより狭くなる。このように、接着剤の物性によってはインク流路が狭窄化し、記録素子基板へのインク供給に問題が発生する可能性がある。
本発明の目的は、記録素子基板への液体供給が、液体流路の狭窄化により阻害されることを抑制することが可能な液体吐出ヘッド液体吐出ヘッドの製造方法、および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する記録素子基板と、前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線基板と、前記記録素子基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部と、を収容する凹部であって、前記記録素子基板の裏面が接着される接着面を有する凹部を備える支持部材と、前記電気接続部を封止する封止剤と、前記凹部を、前記封止剤により前記電気接続部が封止される封止領域と、それ以外の非封止領域と、に区画すべく、前記凹部の内壁面と前記記録素子基板の側面との間を埋めるように接着剤により形成される壁部と、を有する液体吐出ヘッドにおいて、前記記録素子基板の裏面は、前記壁部と隣接する領域において前記凹部に接着されていないことを特徴とする。
本発明によれば、記録素子基板への液体供給が、液体流路の狭窄化により阻害されることを抑制することが可能となる。
本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。 実施形態1に係る支持部材の平面図である。 支持部材の凹部の一部を拡大した平面図および斜視図である。 支持部材に記録素子基板と電気配線部材とを接合した状態の平面図である。 接着剤を塗布した支持部材の断面図である。 接着剤の塗布軌道を示す平面図である。 記録素子基板を載置した支持部材の断面図である。 封止剤を注入した支持部材の断面図である。 実施形態2に係る支持部材の平面図である。 従来例に係る支持部材の平面図及び断面図である。
<実施形態1>
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドについて説明する。本発明に係る液体吐出ヘッドは、画像形成装置としてのプリンタ、複写機、ファクシミリなどの装置に適用可能である。また、液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッドに液体を供給するタンクと一体化して形成されるカートリッジとして、プリンタ等の装置に装着されてもよい。
図1は、本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。図1に示す液体吐出ヘッド10は、支持部材1と、支持部材1が取り付けられた筐体2と、支持部材1に接合される記録素子基板3と、記録素子基板3と電気的に接続される電気配線部材4と、を有する。記録素子基板3の表側の面(表面)には、液体を吐出する吐出口(不図示)が所定のピッチで配置された吐出口列が複数形成されている。また、記録素子基板3は、吐出口に対応してエネルギー発生素子としてのヒータ(不図示)を有する。記録素子基板3の裏側の面(裏面)は、接着剤により支持部材1に接合される。
本実施形態では、液体はインクであるものとして説明する。記録素子基板3は、黒色のインクを吐出する記録素子基板3aと、黒色以外の3色のインクを吐出する記録素子基板3bと、で構成されている。液体吐出ヘッド10では、筺体2に接続される液体供給部(不図示)から、筺体2、支持部材1を通って、記録素子基板3にインクが供給される。供給されたインクは、電気配線部材(電気配線基板)4を通じて記録素子基板3を駆動することによって吐出される。
(1.支持部材の構成)
支持部材1の構成について、図2〜図4を用いて説明する。図2は、実施形態1に係る支持部材1の平面図である。図3(A)は、図2に示す支持部材1の一部を拡大した平面図であり、図3(B)は、図2に示す支持部材1の一部を拡大した斜視図である。図4は、支持部材1に記録素子基板3と電気配線部材4とを接合した状態を表す平面図である。なお、図3および図4は、記録素子基板3aを収容する凹部11aを例示するが、記録素子基板3bを収容する凹部11bに対しても、凹部11aと同様の構成が適用可能である。
記録素子基板3は、支持部材1に接着剤を塗布した後、位置合わせをして支持部材1に接合される。支持部材1に記録素子基板3を接着するための接着剤は、硬化させることにより、インク流路から記録素子基板3に供給されるインクが、凹部11aに流出するのを封止することができる。電気配線部材4は、記録素子基板3を接着する際の接着剤とは異なる接着剤によって、支持部材1に接合される。
支持部材1は、樹脂成形により形成される。例えば、本実施形態で使用する樹脂材料(変性ポリフェニレンエーテル)は、剛性の向上と、線膨張係数を記録素子基板の線膨張係数に近づける目的で、フィラーが40質量%混合されたものを使用することができる。
支持部材1は、記録素子基板3を収容する凹部11を備える。図3(A)、図3(B)に示すように、記録素子基板3aが収容される凹部11aには、接着剤塗布面13、インク流路18、および凸部12が形成されている。接着剤塗布面13は、記録素子基板3aの裏面が接着される第1の領域131(接着面)、および壁部(後述の図7(B)の壁部51)を形成する接着剤が塗布される第2の領域132(塗布面)を有する。インク流路18は、記録素子基板3aにインクを供給するための流路であり、開口部181を介して凹部11aと連通する。凸部12は、第2の領域132に隣接した位置において、凹部11aの内壁面から突出する凸部(第2の凸部)である。
第1の領域131は、記録素子基板3aの裏面と対向する接合面であり、記録素子基板3aの裏面で覆われる面である。第2の領域132は、記録素子基板3aの裏面とは対向しない面である。第2の領域132は、記録素子基板3aの裏面とは接合されない。すなわち、記録素子基板3aの裏面は、壁部51と隣接する領域において、凹部11aには接着されていない。
接着剤塗布面13は、図3(B)に示すように、凹部11aの底面から突出する凸部の先端面であってもよく、凸部の先端面に第1の領域131および第2の領域132を有する。また、第1の領域131と第2の領域132とは、連続した面であってもよい。第1の領域131と第2の領域132とは、開口部181を囲むように設けられてもよい。
第2の領域132上には、第2の領域132に隣接した位置において凹部11aの内壁面から突出する凸部12と凸部12に対向する記録素子基板3aの側面との隙間を塞ぐ壁部51が形成される。凸部12が形成されていない場合であっても、壁部51は、接着剤によって、凹部11aの内壁面と記録素子基板3aの側面との間を埋めるように形成されればよい。
壁部51によって、凹部11a内の記録素子基板3aの周囲の領域は、接続部側領域14(封止領域)と素子基板横領域15(非封止領域)とに隔てられる。凹部11a内に凸部12が形成されている場合には、凸部12は、壁部51とともに、封止領域と非封止領域とを区画する。接続部側領域14は、接続端子31とインナーリード41(リード端子)との電気接続部を含む領域(凹部11aにおいて壁部51よりも電気接続部側の領域)である。素子基板横領域15は、壁部51で区画される凹部11aにおいて、載置される
記録素子基板3aの側面(横)側の電気接続部を含まない領域である。素子基板横領域15の底面は、接続部側領域14の底面よりも低く形成されることが好ましい。
図3(B)に示すように、第1の領域131は、接続部側領域14(封止領域)の側に位置する第1接着面131aと、素子基板横領域15(非封止領域)の側に位置する第2接着面131bとを有する。第1接着面131aと第2接着面131bとは、開口部181を挟んで離れている。また、第1接着面131aと第2接着面131bとに挟まれた箇所において、開口部181の開口の広さは、開口部181の短手方向に拡大している。すなわち、当該箇所は、第1接着面131aと第2接着面131bとが離れている方向に交差する方向における開口部181の開口の長さが、開口部181の他の箇所と比べて長くなっている。
また、第2の領域132は、接合される記録素子基板3aの一方の側面側に設けられる第1塗布面132aと、他方の側面側に設けられる第2塗布面132bとを有する。第1塗布面132aは、凹部11aの内壁面と記録素子基板3aの一方の側面との間を埋める第1の壁部(後述の図7(B)の壁部51a)を形成する接着剤が塗布される面である。第2塗布面132bは、凹部11aの内壁面と記録素子基板3aの他方の側面との間を埋める第2の壁部(後述の図7(B)の壁部51b)を形成する接着剤が塗布される面である。
図3(B)の例では、第1接着面131a、第1塗布面132a、第2接着面131b、第2塗布面132bは、開口部181を囲むように、環状に連なる。この場合、第1接着面131a、第1塗布面132a、第2接着面131b、第2塗布面132bに対する接着剤の塗布は、連続的に行うことができる。
図4に示すように、記録素子基板3の接続端子31が電気配線部材4に接続される電気接続部は、凹部11に収容される。また、記録素子基板3は、電気接続部よりも凹んだ位置に配置される。このように、記録素子基板3の接続端子31を、電気配線部材4のインナーリード41とほぼ同じ高さに配置することにより、記録素子基板3と電気配線部材4とを接続する電気接続部の信頼性は向上する。
本実施形態では、支持部材1の各部位は、射出成型により一体に形成される。また、記録素子基板3bが収容される凹部11bの構造は、記録素子基板3bに設けられた複数のインク供給口に合わせて複数のインク流路18が形成されている点が異なるが、基本的には記録素子基板3aが収容される凹部11aと同様の構造である。
(2.記録素子基板の接合)
以下、図5から図8を用いて、本実施形態の液体吐出ヘッド10の製造方法における記録素子基板3の接合について説明する。具体的には、支持部材1に接着剤を塗布する塗布工程、記録素子基板3aを支持部材1に接合する接合工程、および電気接続部を封止する封止工程について説明する。なお、記録素子基板3bに対する塗布工程、接合工程および封止工程は、記録素子基板3aと同様であるため説明を省略する。
(2−1.塗布工程)
まず、図5および図6により、支持部材1に接着剤5を塗布する塗布工程を説明する。図5は、接着剤5を塗布した支持部材1の断面図である。図5(A)は、図2に示す切断線A−Aに沿った断面図である。図5(B)は、図2に示す切断線B−Bに沿った断面図である。図5(C)は、図2に示す切断線C−Cに沿った断面図である。図6は、接着剤の塗布軌道を示す平面図である。図6(A)は、凹部11aに記録素子基板3aを接着させる接着剤の塗布軌道を例示する。図6(B)は、凹部11bに記録素子基板3bを接着
させる接着剤の塗布軌道を例示する。
塗布工程では、接着剤5は、支持部材1の凹部11aに設けられた接着剤塗布面13に塗布される(図6参照)。接着剤5は、例えば、熱硬化型の接着剤である。接着剤5は、塗布されてから硬化させるまでの間、壁部51の形成が可能な粘性のものが用いられる。壁部51を形成するための接着剤5は、記録素子基板3を第1の領域131に接着するための接着剤と同じ接着剤を用いることができる。
塗布工程は、第1の領域131に接着剤5を塗布する第1の塗布工程と、第2の領域132に接着剤5を塗布する第2の塗布工程と、を有する。第1の塗布工程では、接着面(第1の領域131)が、記録素子基板3の裏面と、裏面における壁部51に隣接する領域を避けて接着する接着面となるように、凹部に接着剤が塗布される。第2の塗布工程では、凹部11における接着面(第1の領域131)と内壁面との間に壁部51を形成するための接着剤が塗布される。
接着剤5は、例えば、図6(A)に矢印で示される塗布軌道上を、ニードル走査することにより、第1の領域131と第2の領域132とに連続して塗布される。すなわち、第1の塗布工程と第2の塗布工程とは連続的に行われてもよい。
図6(B)は、黒色以外の3色のインクを吐出する記録素子基板3bを接着する凹部11bへの接着剤5の塗布軌道を例示する。接着剤5は、例えば、黒丸の位置から、複数の開口部を囲む第1の領域131と第2の領域132とに塗布された後、各開口部間で長手方向に延びる複数の領域(第1の領域131)をミアンダ状に塗布される。なお、軌道が重なる領域および角部では、接着剤5は、重なりのない軌道よりも多く盛られる傾向がある。
また、壁部51の高さをある程度確保するため、第2の領域132において、接着剤5の塗布量を増加させるようにしてもよい。例えば、凸部12に対向する部分(図6(A)の黒丸で示す部分)で、ニードルを一定期間停止させることで、停止した部分の接着剤5の塗布量を、第1の領域131よりも増加させることができる。ここで、接着剤5の塗布量を増加させるとは、凹部11aの第2の領域132に塗布される接着剤5の単位面積当たりの塗布量を、凹部11aの第1の領域131に塗布される接着剤5の単位面積当たりの塗布量よりも増加させることである。また、接着剤5の塗布量を増減させる方法は、ニードルを一定期間停止させる場合に限られない。接着剤5の塗布量は、ニードルの速度を変えて増減させてもよい。
(2−2.接合工程)
次に、図7により、記録素子基板3aを支持部材1に接合する接合工程を説明する。図7は、記録素子基板3aを載置した支持部材1の断面図である。図7(A)は、図2に示す切断線A−Aに沿った断面図である。図7(B)は、図2に示す切断線B−Bに沿った断面図である。図7(C)は、図2に示す切断線C−Cに沿った断面図である。
接合工程では、フィンガーで保持された記録素子基板3aは、治具で固定された支持部材1の凹部11aの第1の領域131上に位置合わせをして載置する(図7参照)。図7(B)に示すように、第1の領域131に載置された記録素子基板3aは、記録素子基板3aの側面が第2の塗布工程において凹部11aに塗布された接着剤5と接触するように、第1の領域131と平行な方向(例えばX方向)に搖動させてもよい。第2の領域132に塗布された接着剤5は、記録素子基板3aの側面と接触し、記録素子基板3aの搖動運動によって押圧され、壁部51を形成する。支持部材1に接合後、記録素子基板3aの裏面は、壁部51と隣接する領域において、凹部11aの第1の領域131または第2の
領域132には接着されていない。また、記録素子基板3aの裏面は、壁部51と隣接する領域において、開口部181に露出する。
また、第1の領域131に塗布された接着剤5は、記録素子基板3aの裏面に押圧される。しかし、第2の領域132に塗布された接着剤5は、記録素子基板3aの裏面からは押圧されない。したがって、第2の領域132に塗布された接着剤5は、インク流路18内へのはみ出しが抑制される。インク流路18は、接着剤5のはみ出しによって狭まることはなく、インクの流れは、阻害されにくくなる。
ここで、図10を用いて、従来の液体吐出ヘッドで、支持部材に記録素子基板を接合する比較例を説明する。図10(A)は、従来例に係る支持部材100の平面図である。図10(B)は、図10(A)に示す切断線D−Dに沿った支持部材100の断面図である。記録素子基板30を接合するための接着剤50は、インク流路180に連通する開口部の周囲に塗布される。記録素子基板30は、インク流路180を覆うように載置される。図10(B)に示されるように、接着剤50は、記録素子基板30の側面と、凹部の内壁面から記録素子基板30の側面に向かって突出する凸部120との間に、封止剤の広がりを抑制するための壁部510を形成する。載置された記録素子基板30の裏面からの押圧により、余剰の接着剤50は、インク流路180に流入する。比較例では、インク流路180内にはみ出した接着剤50によって、インク流路180が狭窄化し、インクの供給は阻害される。
(2−3.封止工程)
次に、図8により、電気接続部を封止する封止工程を説明する。図8は、封止剤6を注入した支持部材1の断面図である。図8(A)は、図2に示す切断線A−Aに沿った断面図である。図8(B)は、図2に示す切断線B−Bに沿った断面図である。図8(C)は、図2に示す切断線C−Cに沿った断面図である。
記録素子基板3aを支持部材1に接合した後、電気配線部材4が支持部材1に接着される。図4に示すように、記録素子基板3aの接続端子31は、電気配線部材のインナーリード41と電気的に接続される。
封止工程では、インナーリード41と接続端子31との電気接続部をインク等の液体や外力から保護するために、凹部11aに対して封止剤6が注入される(図8参照)。封止剤6は、図4に示すポケット部17から注入される。ポケット部17は、接続部側領域14の一部であり、封止剤6を注入するためのニードルを配置する領域である。封止剤6は、ポケット部17の上部に配置されたディスペンサーから注入される。注入された封止剤6は、毛管力によって記録素子基板3aの接続端子31側の側面(短辺側の側面)と凹部11aの内側面との間の領域(接続部側領域14)に流れ込む。ポケット部17と素子基板横領域15との間には上述した壁部51が形成されているため、封止剤6の広がりは、壁部51で抑制される。
ポケット部17に注入された封止剤6の高さが壁部51より高い場合、封止剤6は、壁部51を越えて、素子基板横領域15に流入しようとする。しかし、支持部材1の凸部12と記録素子基板3aとの距離(図8(B)のd1)に比べて、素子基板横領域15における凹部11aの内壁と記録素子基板3aとの距離(図8(C)のd2)は大きい。封止剤6は、壁部51を越えて素子基板横領域15に流入する位置で表面張力によるメニスカスを形成し、素子基板横領域15への流入量は抑制される。また、メニスカスが破れて封止剤6が素子基板横領域15に流れ込んだ場合でも、素子基板横領域15の底面は接続部側領域14の底面よりも低く形成されているため、流入した封止剤6の高さは記録素子基板3aの高さに対して十分低く抑えられる。すなわち、素子基板横領域15の側では、封
止剤6と記録素子基板3aとは接触しないか、または接触した場合でも接触部分は、十分小さくなる。すなわち、素子基板横領域15(非封止領域)は、封止剤6が配されていないか、または、封止剤6が配されている場合は、封止剤6の高さが接続部側領域14(封止領域)と比べて低くなっている。
ポケット部17から、インナーリード41の下部空間に封止剤6を注入した後、インナーリード41と接続端子31との電気接続部をインク等の液体や外力から保護するため、インナーリード41の上に第2の封止剤(不図示)が塗布される。本実施形態の封止工程は、(1)インナーリード41の下部空間に封止剤6を充填する工程と、(2)インナーリード41の上部を第2の封止剤で覆う工程とにわけられる。しかし、封止工程は、上述の(1)および(2)の工程にわけられる場合に限られず、一連の工程として行われてもよい。なお、第2の封止剤は、封止剤6と同じであってもよく、異なる封止剤が用いられてもよい。
インナーリード41の下部空間および電気接続部に、封止剤6が充填された後、支持部材1を高温環境に所定時間おくことにより、接着剤5および封止剤6は熱硬化し、それぞれ壁部51および封止部を形成する。
<実施形態2>
実施形態1では、記録素子基板3に覆われない第2の領域132は凸部12の近傍に設けられる。実施形態2では、図9(A)に示すように、第2の領域132は凸部12の近傍に限られず、×印で例示される接着剤塗布面13の角部や塗布軌道が交差する点を含む位置に設けられてもよい。例えば、図9(A)に示すように、第2の領域132は、凹部11の内壁面と記録素子基板3の電気接続部側の側面との間を埋めるように第3の壁部を形成するための接着剤を塗布する第3塗布面132cを有してもよい。この場合、図9(B)に示すように、記録素子基板3を支持部材1に接合した状態で、第3塗布面132cは記録素子基板3によって覆われないように設けられている。また、第3塗布面132cに合わせてインク流路18の開口部181を実施形態1と比べて開口部181の長手方向に拡大させることで、第3塗布面132cに隣接する領域において、記録素子基板3の裏面が開口部181に露出した状態となる。
実施形態2では、壁部51を形成するための接着剤が塗布される第2の塗布工程は、凹部11における内壁面と記録素子基板3の電気接続部側の側面との間を埋めるように第3の壁部を形成するための接着剤を塗布する第3の塗布工程を含む。この場合、第1塗布面132a、第2塗布面132bおよび第3塗布面132cは、それぞれ連続して接着剤5が塗布されてもよい。
通常、接着剤5を塗布する際に、塗布軌道の角部や塗布軌道が交差する点では接着剤5が多く盛られる傾向にある。そのため、記録素子基板3が載置される第1の領域131に塗布された接着剤5は、インク流路18へのはみ出しが大きくなってしまう。本実施形態では、図9(B)に示すように、角部や塗布軌道が交差する点を含む位置に第2の領域132cを設けることで、第2の領域132に塗布された接着剤5は、記録素子基板3の裏面からの押圧を受けなくなる。このため、接着剤5のインク流路18へのはみ出しは抑制される。
1 支持部材
10 液体吐出ヘッド
11 凹部
131 第1の領域(接着面)
14 接続部側領域(封止領域)
15 素子基板横領域(非封止領域)
3 記録素子基板
4 電気接続部材(電気配線基板)
5 接着剤
51 壁部
6 封止剤

Claims (18)

  1. 液体を吐出する記録素子基板と、
    前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線基板と、
    前記記録素子基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部と、を収容する凹部であって、前記記録素子基板の裏面が接着される接着面を有する凹部を備える支持部材と、
    前記電気接続部を封止する封止剤と、
    前記凹部を、前記封止剤により前記電気接続部が封止される封止領域と、それ以外の非封止領域と、に区画すべく、前記凹部の内壁面と前記記録素子基板の側面との間を埋めるように接着剤により形成される壁部と、
    を有する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記記録素子基板の裏面は、前記壁部と隣接する領域において前記凹部に接着されていない
    ことを特徴とする、液体吐出ヘッド。
  2. 前記凹部は、底面から突出する凸部を有し、
    前記凸部の先端面は、前記接着面と、前記壁部を形成する接着剤が塗布される塗布面とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記凹部は、前記塗布面に隣接した位置において前記内壁面から突出し、前記壁部とともに、前記封止領域と前記非封止領域とを区画する第2の凸部を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記接着面と前記塗布面とは、連続した面である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記凹部は、前記記録素子基板に前記液体を供給するための流路を形成する開口部を有し、
    前記接着面と前記塗布面とは、前記開口部を囲むように設けられている
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記記録素子基板の裏面は、前記壁部と隣接する領域において、前記開口部に露出している
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記接着面は、前記封止領域の側に位置する第1接着面と、前記非封止領域の側に位置する第2接着面と、を有し、
    前記第1接着面と前記第2接着面とは、前記開口部を挟んで離れている
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記開口部は、前記第1接着面と前記第2接着面とに挟まれた箇所において、前記第1接着面と前記第2接着面とが離れている方向に交差する方向において開口の長さが拡大している
    ことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記塗布面は、前記内壁面と前記記録素子基板の一方の側面との間を埋める第1の壁部を形成する接着剤が塗布される第1塗布面と、前記内壁面と前記記録素子基板の他方の側面との間を埋める第2の壁部を形成する接着剤が塗布される第2塗布面と、を有し、
    前記開口部を囲むように、前記第1接着面、前記第1塗布面、前記第2接着面、前記第2塗布面が、環状に連なっている
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記塗布面は、前記凹部の内壁面と前記記録素子基板の前記電気接続部の側の側面との間を埋めるように第3の壁部を形成するための接着剤を塗布する第3塗布面を有する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記壁部を形成するための接着剤は、前記記録素子基板を前記接着面に接着するための接着剤と同じ接着剤である
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 液体を吐出する記録素子基板と、
    前記記録素子基板と電気的に接続される電気配線基板と、
    前記記録素子基板と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部と、を収容する凹部であって、前記記録素子基板の裏面が接着される接着面を有する凹部を備える支持部材と、
    前記電気接続部を封止する封止剤と、
    前記凹部を、前記封止剤により前記電気接続部が封止される封止領域と、それ以外の非封止領域と、に区画すべく、前記凹部の内壁面と前記記録素子基板の側面との間を埋めるように接着剤により形成される壁部と、
    を有する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記接着面が、前記記録素子基板の裏面と、前記裏面における前記壁部に隣接する領域を避けて接着する接着面となるように、前記凹部に接着剤を塗布する第1の塗布工程と、
    前記凹部における前記接着面と前記内壁面との間に前記壁部を形成するための接着剤を塗布する第2の塗布工程と、
    前記記録素子基板を、前記接着面に接着させる接合工程と、を有する、
    ことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  13. 前記第2の塗布工程は、前記凹部における前記内壁面と前記記録素子基板の前記電気接続部の側の側面との間を埋めるように第3の壁部を形成するための接着剤を塗布する第3の塗布工程を含む
    ことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  14. 前記第1の塗布工程と前記第2の塗布工程とは連続的に行われる
    ことを特徴とする請求項12または13に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  15. 前記第2の塗布工程において、前記凹部に塗布される接着剤の単位面積当たりの塗布量を、前記第1の塗布工程において前記凹部に塗布される接着剤の単位面積当たりの塗布量よりも増加させる
    ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  16. 前記接合工程において、前記記録素子基板の側面が前記第2の塗布工程において前記凹部に塗布された接着剤と接触するように、前記接着面に載置された前記記録素子基板を、前記接着面と平行な方向に搖動させる
    ことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  17. 前記第1の塗布工程及び前記第2の塗布工程において、前記凹部の底面から突出する凸
    部の先端面に接着剤を塗布する
    ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  18. 請求項1から11のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備える画像形成装置。
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