JP2022091567A - 液体吐出ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気接続部を封止する封止材の不要な広がりを抑制しつつ、電気接続部を確実に封止する方法の提供。【解決手段】液体吐出ヘッドは、液体を吐出する記録素子基板と、記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材2と、記録素子基板と電気配線基板との電気接続部を封止する封止材8と、を有し、支持部材2が、凹部の側面から記録素子基板に向かって突出する壁部12と、凹部の底面から突出する凸部13とを有し、壁部12は、記録素子基板の端部に設けられた電気接続部に近接して配置され、凸部13は、壁部12の電気接続部に近接する一方の側面と、記録素子基板の側面と、凹部の側面とで囲まれた第1の隙間領域S1に配置され、封止材8は、凸部13の周囲を埋めるように第1の隙間領域S1に充填されている。【選択図】図5
Description
本発明は、液体吐出ヘッドおよびその製造方法に関する。
インクなどの液体を吐出する記録素子基板と、液体を吐出するための電気信号や電力を記録素子基板に供給する電気配線基板とを有する液体吐出ヘッドが知られている。記録素子基板と電気配線基板は、記録素子基板の接続端子と電気配線基板のインナーリードとが接続されることで電気的に接続され、その電気接続部は、液体や外力から保護するために封止材で封止されている。この封止材は、環境変化などによる膨張または収縮によって記録素子基板に好ましくない外力を与えないように、記録素子基板の側面にできるだけ接触していないことが好ましい。特許文献1には、記録素子基板を収容する支持部材の凹部と記録素子基板との隙間にそれを塞ぐ壁部を形成し、不要な隙間に封止材が流れ込むことを抑制する技術が記載されている。
液体吐出ヘッドの電気的な信頼性の観点から、細かな隙間にも封止材を確実に充填することが求められる。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、封止材の不要な広がりを抑制できるものの、比較的粘度の高い封止材を使用した場合には、表面張力によって封止材が球状化することで、隙間の隅々にまで行き渡らずに気泡が残存するおそれがある。それにより、硬化後の封止材に望ましくない通気孔が形成されるおそれがある。
そこで、本発明の目的は、電気接続部を封止する封止材の不要な広がりを抑制しつつ、電気接続部を確実に封止する液体吐出ヘッドおよびその製造方法を提供することである。
そこで、本発明の目的は、電気接続部を封止する封止材の不要な広がりを抑制しつつ、電気接続部を確実に封止する液体吐出ヘッドおよびその製造方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する記録素子基板と、記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材と、記録素子基板と電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、支持部材が、凹部の側面から記録素子基板に向かって突出する壁部と、凹部の底面から突出する凸部とを有し、壁部は、記録素子基板の端部に設けられた電気接続部に近接して配置され、凸部は、壁部の電気接続部に近接する一方の側面と、記録素子基板の側面と、凹部の側面とで囲まれた第1の隙間領域に配置され、封止材は、凸部の周囲を埋めるように第1の隙間領域に充填されている。
また、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する記録素子基板と、記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材と、記録素子基板と電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、支持部材が、凹部の側面から記録素子基板に向かって突出する壁部を有し、壁部は、記録素子基板の端部に設けられた電気接続部に近接して配置されている、液体吐出ヘッドの製造方法であって、記録素子基板を凹部に収容して電気配線基板に電気的に接続した後、電気接続部を封止材で封止する工程と、記録素子基板を凹部に収容する前に、支持部材に、凹部の底面から突出する凸部を形成する工程と、を含み、凸部を形成する工程が、記録素子基板が凹部に収容された状態で、壁部の記録素子基板に近接する一方の側面と、記録素子基板の側面と、凹部の側面とで囲まれた隙間領域に凸部が配置されるように、凸部を形成することを含み、電気接続部を封止する工程が、封止材が凸部に接触して周囲に流れ落ちるように、隙間領域に封止材を注入することを含んでいる。
また、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出する記録素子基板と、記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材と、記録素子基板と電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、支持部材が、凹部の側面から記録素子基板に向かって突出する壁部を有し、壁部は、記録素子基板の端部に設けられた電気接続部に近接して配置されている、液体吐出ヘッドの製造方法であって、記録素子基板を凹部に収容して電気配線基板に電気的に接続した後、電気接続部を封止材で封止する工程と、記録素子基板を凹部に収容する前に、支持部材に、凹部の底面から突出する凸部を形成する工程と、を含み、凸部を形成する工程が、記録素子基板が凹部に収容された状態で、壁部の記録素子基板に近接する一方の側面と、記録素子基板の側面と、凹部の側面とで囲まれた隙間領域に凸部が配置されるように、凸部を形成することを含み、電気接続部を封止する工程が、封止材が凸部に接触して周囲に流れ落ちるように、隙間領域に封止材を注入することを含んでいる。
本発明によれば、電気接続部を封止する封止材の不要な広がりを抑制しつつ、電気接続部を確実に封止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの斜視図である。
液体吐出ヘッド10は、液体(例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、およびブラックの4色のインク)を吐出して記録媒体に画像を記録するものであり、筐体1と、支持部材2と、2つの記録素子基板3,4と、電気配線基板5とを有している。支持部材2は、筐体1に取り付けられ、記録素子基板3,4と電気配線基板5は、支持部材2に接合されている。記録素子基板3,4は、ブラックのインクを吐出する第1の記録素子基板3と、それ以外の3色のインクを吐出する第2の記録素子基板4とを含んでいる。電気配線基板5は、液体を吐出するための電気信号や電力を記録素子基板3,4に供給するために記録素子基板3,4に電気的に接続されている。記録素子基板3,4には、筺体1に接続された液体供給部(図示せず)から筺体1と支持部材2を通じて液体が供給され、供給された液体は、電気配線基板5を通じて電気信号や電力が供給されることで記録素子基板3,4から吐出される。
液体吐出ヘッド10は、液体(例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、およびブラックの4色のインク)を吐出して記録媒体に画像を記録するものであり、筐体1と、支持部材2と、2つの記録素子基板3,4と、電気配線基板5とを有している。支持部材2は、筐体1に取り付けられ、記録素子基板3,4と電気配線基板5は、支持部材2に接合されている。記録素子基板3,4は、ブラックのインクを吐出する第1の記録素子基板3と、それ以外の3色のインクを吐出する第2の記録素子基板4とを含んでいる。電気配線基板5は、液体を吐出するための電気信号や電力を記録素子基板3,4に供給するために記録素子基板3,4に電気的に接続されている。記録素子基板3,4には、筺体1に接続された液体供給部(図示せず)から筺体1と支持部材2を通じて液体が供給され、供給された液体は、電気配線基板5を通じて電気信号や電力が供給されることで記録素子基板3,4から吐出される。
図2は、本実施形態の支持部材の平面図である。
支持部材2は、電気配線基板5が接合される接合面20と、接合面20に形成され、第1の記録素子基板3を収容する第1の凹部21と、同じく接合面20に形成され、第2の記録素子基板4を収容する第2の凹部22とを有している。凹部21,22は、記録素子基板3,4を収容した状態で記録素子基板3,4の接続端子31(図3(a)参照)と電気配線基板5のインナーリード51(図3(a)参照)とがほぼ同じ高さになるようにするために設けられている。これにより、接続端子31とインナーリード51との電気接続部の信頼性を向上させることができる。
支持部材2は、樹脂成形により形成されている。本実施形態では、支持部材2の樹脂材料(変性ポリフェニレンエーテル)として、剛性の向上と、線膨張係数を記録素子基板3,4の線膨張係数に近づけることを目的として、フィラーを40質量%混合したものが用いられている。
支持部材2は、電気配線基板5が接合される接合面20と、接合面20に形成され、第1の記録素子基板3を収容する第1の凹部21と、同じく接合面20に形成され、第2の記録素子基板4を収容する第2の凹部22とを有している。凹部21,22は、記録素子基板3,4を収容した状態で記録素子基板3,4の接続端子31(図3(a)参照)と電気配線基板5のインナーリード51(図3(a)参照)とがほぼ同じ高さになるようにするために設けられている。これにより、接続端子31とインナーリード51との電気接続部の信頼性を向上させることができる。
支持部材2は、樹脂成形により形成されている。本実施形態では、支持部材2の樹脂材料(変性ポリフェニレンエーテル)として、剛性の向上と、線膨張係数を記録素子基板3,4の線膨張係数に近づけることを目的として、フィラーを40質量%混合したものが用いられている。
ここで、図3を参照して、本実施形態の支持部材の凹部の詳細な構成について説明する。第1の記録素子基板を収容する第1の凹部と第2の記録素子基板を収容する第2の凹部は、実質的に同様の構成を有している。そのため、以下では、第1の凹部の構成のみ説明する。図3(a)は、図1の破線で囲まれた領域を拡大して示す平面図であり、図3(b)は、本実施形態の支持部材の一部を拡大した斜視図である。なお、図3(a)では、見やすくするために、電気接続部を封止する封止材の図示を省略している。
支持部材2は、第1の記録素子基板(以下、単に「記録素子基板」ともいう)3を収容する第1の凹部(以下、単に「凹部」ともいう)21の側面24から記録素子基板3に向かって突出する壁部12を有している。壁部12は、矩形状の記録素子基板3の長側面(第2の側面)3bのうち短側面(第1の側面)3aとの交差部3cに隣接する端部に対向して配置されている。記録素子基板3の短側面3aに隣接する端部には、記録素子基板3の接続端子31と電気配線基板5のインナーリード51との電気接続部が設けられており、したがって、壁部12は、その電気接続部31,51に近接して配置されている。
支持部材2は、第1の記録素子基板(以下、単に「記録素子基板」ともいう)3を収容する第1の凹部(以下、単に「凹部」ともいう)21の側面24から記録素子基板3に向かって突出する壁部12を有している。壁部12は、矩形状の記録素子基板3の長側面(第2の側面)3bのうち短側面(第1の側面)3aとの交差部3cに隣接する端部に対向して配置されている。記録素子基板3の短側面3aに隣接する端部には、記録素子基板3の接続端子31と電気配線基板5のインナーリード51との電気接続部が設けられており、したがって、壁部12は、その電気接続部31,51に近接して配置されている。
また、支持部材2は、凹部21の底面23から突出する凸部13を有している。凸部13は、記録素子基板3の長側面3bに平行な方向において、記録素子基板3の交差部3cと壁部12との間に配置され、したがって、壁部12の電気接続部31,51に近接する一方の側面12aに対向して配置されている。換言すると、凸部13は、壁部12の一方の側面12aと、記録素子基板3の長側面3bと、それに対向する凹部21の側面24とで囲まれた隙間(第1の隙間領域)S1に配置されている。詳細は後述するが、この隙間S1には、電気接続部31,51を封止する第1の封止材8が充填されるが、凸部13は、その第1の封止材8がニードル9から吐出される際に表面張力により球状化したまま充填されることを抑制するために設けられている。すなわち、凸部13は、ニードル9から吐出される第1の封止材8に接触してその表面張力を壊し、第1の封止材8からなる球体を破壊して隙間S1の隅々にまで行き渡らせるために設けられている。そのため、凸部13は、第1の封止材8からなる球体を確実に破壊するために、その先端径(先端の直径または凹部21の底面23に平行な方向における最大幅)が第1の封止材8を吐出するニードル9の内径よりも小さいことが好ましい。本実施形態で使用する封止材は、例えば、粘度が40Pa・s(25℃)、チクソ性が1.0(25℃)、ゲル化時間が90s(150℃)である。その場合、ニードルの内径を0.61mm(外径を0.91mm)とすると、凸部13は、一例として、断面が0.2mm×0.2mmの四角柱である。
次に、図4および図5を参照して、本実施形態の液体吐出ヘッドの製造方法のうち、記録素子基板と電気配線基板を支持部材に接合する接合工程から、電気接続部を封止する封止工程までについて説明する。図4(a)から図4(e)は、本実施形態の接合工程から封止工程の各段階を示す平面図であり、図3(a)に対応する図である。図5(a)から図5(c)は、本実施形態の封止工程の各段階を示す、図4(d)のA-A線に沿った断面図である。なお、以下でも、第2の記録素子基板に関する接合工程および封止工程の説明は省略し、第1の記録素子基板に関する接合工程および封止工程のみ説明する。
まず、図4(a)に示すように、壁部12と凸部13が凹部21内に形成された支持部材2を準備する。なお、支持部材2には、記録素子基板3に液体を供給するための流路11も形成されている。
次に、図4(b)に示すように、凹部21の底面23に、流路11の開口部の周縁部に沿って熱硬化型の接着剤7を塗布する。そして、記録素子基板3に形成された液体供給路(図示せず)の位置を支持部材2の流路11の位置に合わせ、記録素子基板3を加熱しながら支持部材2に貼り合わせる。こうして、図4(c)に示すように、記録素子基板3は凹部21に収容されて支持部材2に接合される。
次に、支持部材2の接合面20に、記録素子基板3を接合したのとは別の熱硬化型の接着剤(図示せず)を塗布し、加熱圧着により電気配線基板5を支持部材2に接合する。そして、図4(d)に示すように、記録素子基板3の接続端子31と電気配線基板5のインナーリード51とを加熱超音波接合により接続し、記録素子基板3と電気配線基板5とを電気的に接続する。
次に、図4(b)に示すように、凹部21の底面23に、流路11の開口部の周縁部に沿って熱硬化型の接着剤7を塗布する。そして、記録素子基板3に形成された液体供給路(図示せず)の位置を支持部材2の流路11の位置に合わせ、記録素子基板3を加熱しながら支持部材2に貼り合わせる。こうして、図4(c)に示すように、記録素子基板3は凹部21に収容されて支持部材2に接合される。
次に、支持部材2の接合面20に、記録素子基板3を接合したのとは別の熱硬化型の接着剤(図示せず)を塗布し、加熱圧着により電気配線基板5を支持部材2に接合する。そして、図4(d)に示すように、記録素子基板3の接続端子31と電気配線基板5のインナーリード51とを加熱超音波接合により接続し、記録素子基板3と電気配線基板5とを電気的に接続する。
次に、図4(d)中の点線で示す位置に、凸部13からその先端を所定の距離(例えば、凸部13の高さ方向に1mm)だけ離してニードル9(図4(d)には図示せず)を配置し、熱硬化型の熱硬化型の樹脂からなる第1の封止材8を隙間S1に注入する。なお、このときの注入量は、電気接続部31,51を封止するための隙間を第1の封止材8で確実に充填するために、後述するように必要最低限の量よりも多い量である。ニードル9から吐出された第1の封止材8は、表面張力により球状化するが、図5(a)に示すように凸部13に接触することで、その表面張力は壊され、第1の封止材8からなる球体は破壊される。これにより、第1の封止材8は、図5(b)に示すように、凸部13の周囲に流れ落ち、隙間S1の隅々にまで行き渡ると、インナーリード51の下側の隙間S2に流れ込む。そして、その隙間S2が第1の封止材8でほぼ充填されると、図5(c)に示すように、メニスカスが形成されるまで第1の封止材8は隙間S1に充填される。こうして、第1の封止材8は、図4(e)に示すように、凸部13が形成された隙間S1から、インナーリード51の下側の隙間、すなわち、記録素子基板3の短側面3aとそれに対向する凹部21の側面24との隙間(第2の隙間領域)S2にかけて充填される。
その後、インナーリード51の上からそれを覆うように、熱硬化型の樹脂からなる第2の封止材(図示せず)を塗布する。そして、支持部材2を一定時間高温に保持し、接着剤7、第1の封止材8、および第2の封止材を熱硬化させることで、電気接続部31,51が第1の封止材8と第2の封止材で封止されて液体や外力から保護される。
その後、インナーリード51の上からそれを覆うように、熱硬化型の樹脂からなる第2の封止材(図示せず)を塗布する。そして、支持部材2を一定時間高温に保持し、接着剤7、第1の封止材8、および第2の封止材を熱硬化させることで、電気接続部31,51が第1の封止材8と第2の封止材で封止されて液体や外力から保護される。
このように、本実施形態では、ニードル9から吐出される第1の封止材8に凸部13が接触してその表面張力を壊し、第1の封止材8からなる球体を破壊することで、隙間S1の隅々にまで第1の封止材8を行き渡らせることができる。そのため、例えば、長期間の信頼性を確保する封止材として比較的粘度の高いものが本発明者らにより見出されているが、そのような比較的粘度の高い封止材であっても、電気接続部31,51を封止するための細かな隙間にも確実に充填することができる。また、本実施形態では、壁部12が設けられていることで、隙間S1に注入された第1の封止材8が、記録素子基板3の長側面3bの方向に流れ込むことが抑制され、第1の封止材8の不要な広がりを抑制することもできる。
なお、本実施形態の封止工程では、第1の封止材8からなる球体が破壊されずに凸部13の周囲にそのまま流れ落ちることを抑制するために、ニードル9の先端が凸部13にできるだけ接近していることが好ましく、接触していることがより好ましい。一方で、ニードル9の先端を凸部13に接近または接触させやすくするためには、凸部13の高さをできるだけ高くすることも考えられる。ただし、支持部材2の接合面20から突出するほどに凸部13の高さが高くなりすぎると、液体吐出ヘッド10と記録媒体との距離を大きくする必要が生じ、液滴の着弾精度の悪化が懸念される。そのため、凸部13は、支持部材2の接合面20から突出しないことが好ましく、すなわち、その高さが凹部21の深さよりも小さいことが好ましい。
なお、本実施形態の封止工程では、第1の封止材8からなる球体が破壊されずに凸部13の周囲にそのまま流れ落ちることを抑制するために、ニードル9の先端が凸部13にできるだけ接近していることが好ましく、接触していることがより好ましい。一方で、ニードル9の先端を凸部13に接近または接触させやすくするためには、凸部13の高さをできるだけ高くすることも考えられる。ただし、支持部材2の接合面20から突出するほどに凸部13の高さが高くなりすぎると、液体吐出ヘッド10と記録媒体との距離を大きくする必要が生じ、液滴の着弾精度の悪化が懸念される。そのため、凸部13は、支持部材2の接合面20から突出しないことが好ましく、すなわち、その高さが凹部21の深さよりも小さいことが好ましい。
図6(a)から図6(f)のそれぞれの上図は、本実施形態の凸部の変形例を示す平面図であり、それぞれの下図は、その側面図である。
凸部13の形状は、ニードル9から吐出される第1の封止材8からなる球体を破壊することができれば、上述した四角柱に限定されるものではない。例えば、凸部13は、図6(a)に示すように円柱状であってもよく、図6(b)に示すように他の角柱状であってもよく、図6(c)に示すように円錐台状であってもよく、図6(d)および図6(e)に示すように角錐台状であってもよい。あるいは、凸部13は、図6(f)に示すように、先端に向かって断面積が小さくなる十字柱状であってもよい。
凸部13の形状は、ニードル9から吐出される第1の封止材8からなる球体を破壊することができれば、上述した四角柱に限定されるものではない。例えば、凸部13は、図6(a)に示すように円柱状であってもよく、図6(b)に示すように他の角柱状であってもよく、図6(c)に示すように円錐台状であってもよく、図6(d)および図6(e)に示すように角錐台状であってもよい。あるいは、凸部13は、図6(f)に示すように、先端に向かって断面積が小さくなる十字柱状であってもよい。
最後に、具体例を挙げて、第1の封止材8の注入量の設定方法について説明する。
第1の封止材8の注入量は、隙間S2の容積に基づいて算出した必要最低限な充填量と、当該隙間S2に封止材を確実に充填するための余分量との和として決定される。充填量は、公称寸法から算出した隙間S2の容積に寸法公差を考慮した補正係数を乗じた値(補正容積)と、使用する封止材の比重(密度)とから算出される。余分量は、隙間S1を充填するために必要な封止材の注入量に加え、使用する封止材の塗布量のばらつきなどの工程能力から算出される。なお、隙間S1を充填するための封止材の注入量は、隙間S2の場合と同様に、隙間S1の補正容積と、使用する封止材の比重(密度)とから算出される。
例えば、公称寸法から算出した隙間S2の容積を2.5mm3とし、寸法公差を考慮した補正係数を1.2とすると、補正容積は2.5×1.2=3.0mm3になる。また、使用する封止材の密度を1.7g/cm2とすると、1つの電気接続部に対して必要最低限な充填量は5.1mgになる。ただし、本実施形態では、1つの電気接続部31,51に対する注入箇所として、2つの隙間S1が設けられているため、1箇所あたりの充填量は2.55mgになる。そして、それぞれの注入箇所における余分量を8.0mgとすると、1箇所あたりの第1の封止材8の注入量は、2.55mg+8.0mg=10.55mgに設定される。
第1の封止材8の注入量は、隙間S2の容積に基づいて算出した必要最低限な充填量と、当該隙間S2に封止材を確実に充填するための余分量との和として決定される。充填量は、公称寸法から算出した隙間S2の容積に寸法公差を考慮した補正係数を乗じた値(補正容積)と、使用する封止材の比重(密度)とから算出される。余分量は、隙間S1を充填するために必要な封止材の注入量に加え、使用する封止材の塗布量のばらつきなどの工程能力から算出される。なお、隙間S1を充填するための封止材の注入量は、隙間S2の場合と同様に、隙間S1の補正容積と、使用する封止材の比重(密度)とから算出される。
例えば、公称寸法から算出した隙間S2の容積を2.5mm3とし、寸法公差を考慮した補正係数を1.2とすると、補正容積は2.5×1.2=3.0mm3になる。また、使用する封止材の密度を1.7g/cm2とすると、1つの電気接続部に対して必要最低限な充填量は5.1mgになる。ただし、本実施形態では、1つの電気接続部31,51に対する注入箇所として、2つの隙間S1が設けられているため、1箇所あたりの充填量は2.55mgになる。そして、それぞれの注入箇所における余分量を8.0mgとすると、1箇所あたりの第1の封止材8の注入量は、2.55mg+8.0mg=10.55mgに設定される。
2 支持部材
3 第1の記録素子基板
5 電気配線基板
8 第1の封止材
12 壁部
13 凸部
21 凹部
3 第1の記録素子基板
5 電気配線基板
8 第1の封止材
12 壁部
13 凸部
21 凹部
Claims (11)
- 液体を吐出する記録素子基板と、前記記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、前記記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
前記支持部材が、前記凹部の側面から前記記録素子基板に向かって突出する壁部と、前記凹部の底面から突出する凸部とを有し、
前記壁部は、前記記録素子基板の端部に設けられた前記電気接続部に近接して配置され、前記凸部は、前記壁部の前記電気接続部に近接する一方の側面と、前記記録素子基板の側面と、前記凹部の側面とで囲まれた第1の隙間領域に配置され、
前記封止材は、前記凸部の周囲を埋めるように前記第1の隙間領域に充填されている、液体吐出ヘッド。 - 前記記録素子基板は、前記電気接続部が設けられた前記端部に隣接する第1の側面と、前記第1の側面と交差する第2の側面とを有し、前記壁部は、前記記録素子基板の前記第2の側面に対向して配置され、前記第1の隙間領域は、前記壁部の前記一方の側面と、前記記録素子基板の前記第2の側面と、前記第2の側面に対向する前記凹部の側面とで囲まれた領域である、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記封止材は、前記第1の隙間領域から、前記記録素子基板の前記第1の側面と該第1の側面に対向する前記凹部の側面との間の第2の隙間領域にかけて充填されている、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凸部は、前記記録素子基板の前記第2の側面に平行な方向において、前記第2の側面と前記第1の側面との交差部と、前記壁部との間に配置されている、請求項2または3に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凸部の高さは、前記凹部の深さよりも小さい、請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凸部は、円柱状または角柱状に形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凸部は、円錐台状または角錐台状に形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記凸部は、先端に向かって断面積が小さくなる十字柱状に形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
- 液体を吐出する記録素子基板と、前記記録素子基板に電気的に接続された電気配線基板と、前記記録素子基板を収容する凹部を有する支持部材と、前記記録素子基板と前記電気配線基板との電気接続部を封止する封止材と、を有し、前記支持部材が、前記凹部の側面から前記記録素子基板に向かって突出する壁部を有し、前記壁部は、前記記録素子基板の端部に設けられた前記電気接続部に近接して配置されている、液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記記録素子基板を前記凹部に収容して前記電気配線基板に電気的に接続した後、前記電気接続部を前記封止材で封止する工程と、
前記記録素子基板を前記凹部に収容する前に、前記支持部材に、前記凹部の底面から突出する凸部を形成する工程と、を含み、
前記凸部を形成する工程が、前記記録素子基板が前記凹部に収容された状態で、前記壁部の前記記録素子基板に近接する一方の側面と、前記記録素子基板の側面と、前記凹部の側面とで囲まれた隙間領域に前記凸部が配置されるように、前記凸部を形成することを含み、
前記電気接続部を封止する工程が、前記封止材が前記凸部に接触して周囲に流れ落ちるように、前記隙間領域に前記封止材を注入することを含む、液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記封止材を注入する工程が、前記封止材を吐出するニードルの先端を前記凸部に接触させながら、前記封止材を注入することを含む、請求項9に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記凸部を形成する工程が、前記封止材を吐出するニードルの内径よりも前記凸部の先端径が小さくなるように、前記凸部を形成することを含む、請求項9または10に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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