JP4872416B2 - 圧電素子ユニット、及びこれを用いた液体噴射ヘッド - Google Patents

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本発明は、インク滴などの液滴を吐出させるのに好適な圧電素子ユニット、及びこれを用いた液体噴射ヘッドに関し、特に、圧電素子群を接着剤により接合し、この圧電素子群における素子列設方向の両端の素子を組み立て時の位置決めに使用したものに関する。
液体噴射ヘッドのひとつであるインクジェット式記録ヘッドには、例えば、圧力室やリザーバ等を有する流路ユニットと、この流路ユニットの背面側に配置されて、圧力室の容積を変化させる振動子(素子)を複数有する圧電素子ユニットと、内部に圧電素子ユニットを収容可能な収容空部が形成されて、先端に流路ユニットが接合されるケースとを備えたものがある。
この圧電素子ユニットは、例えば、次の手順で造られている。まず、共通内部電極と個別内部電極とを圧電体を挟んで交互に積層して板状の積層体を作成し、共通内部電極に導通させた共通外部電極と個別内部電極に導通させた個別外部電極とを積層体の表面に形成する。そして、この積層体を焼成した後、その基端側部分をSUS(ステンレス鋼)の固定板上に接合し、ワイヤーソーやダイシングソー等によって積層体の先端側部分を50μm〜100μm程度の極めて細い幅で切り分けて櫛歯状の圧電素子群を形成する。
この圧電素子群における素子列設方向の両端に位置する素子は、インク滴の吐出には関与しないダミー素子とし、例えば、ケース内における圧電素子ユニットの位置を規定するために使用される(例えば、特許文献1、図2参照)。
特開平11−277745号公報
ところが、圧電素子群における素子列設方向両端の素子は、他の圧電素子群と同様にSUSの固定板から張り出して接合された、いわゆる片持ち梁状態であり、駆動素子群を間に挟んでその両端に設けられているが故に、ヘッド組立の際に、例えば治具等との接触によって折れ易く、位置決めとして機能させることができない場合がある。
特に、圧電素子群を固定板に接合する際に、接着剤が圧電素子群の接合面全体に十分に行き渡らず、固定板の先端面側と圧電素子群の素子列設方向両端の素子と間の一部に接着剤が介在しないことで、この両端の素子が十分に接着されないことがあった。このため、この両端の圧電素子の非固定部分が拡大され、強度が低下することで一層折れ易くなる。この結果、位置決めとして機能させることができなくなり、ヘッドを製造することができなくなるという問題がある。また、固定板と圧電素子群との間に介在する接着剤が、加圧接合する際に、圧電振動子群の側面を這い上がり、固定端部側の表面の隅角部に配置され、配線基板が接続させる半田付領域に付着することがあった。このため、半田付けができなくなり、圧電素子と配線基板とを接続することができなくなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧電素子群の素子配列方向の両端に位置する素子に十分な剛性や強度を確保し、この両端の素子を位置決めとして機能させることができ、配線基板の接続不良の発生を抑制することができる圧電素子ユニット、及びこれを用いた液体噴射ヘッドを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、複数の圧電素子を列設してなる圧電素子群と、前記圧電素子群の自由端部を固定板先端面から突出させた状態で前記圧電素子群の固定端部を重合固定する固定板と、を有する圧電素子ユニットであって、
前記固定板には、前記圧電素子群を接合する接合領域を設定し、
前記圧電素子群の固定端部には、前記固定板を接合する接合面とは反対側の表面の両隅角部に、配線基板が接続される半田付領域を設け、
前記圧電素子群と固定板との間に接着剤を介在させた状態で、前記圧電振素子群の接合面を前記接合領域に接合する場合に、
前記接着剤を塗布する接着剤塗布領域を、前記接合領域よりも内側に、前記圧電素子群の素子列設方向に伸びた帯状に設定し、
前記接着剤塗布領域は、前記圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成する一方、前記圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域に、接着剤を塗布しない非塗布領域を形成したことを特徴とする。
上記構成によれば、接着剤塗布領域において、圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成したので、圧電素子群における素子列設方向の両端と固定板との間に接着剤が介在しない領域を極力減らすことができる。これにより、固定強度を高めることができ、圧電素子群における素子列設方向の両端の素子の剛性を向上することができる。したがって、組立の際の折損を防止して位置決めに利用することができる。また、接着剤塗布領域において、圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域に、接着剤を塗布しない非塗布領域を形成したので、圧電素子群の両隅角部と固定板の接合面との境界から接着剤がはみ出すことを防止することができる。これにより、接着剤が圧電素子群の側面を這い上がり、固定端側の両隅角部に配置された半田付領域に付着することがなくなる。したがって、配線基板との接続不良の発生を可及的に防止することができる。
上記構成において、圧電素子群と前記固定板とを接合する際に、これら両者を加圧して接合することが望ましい。
この構成によれば、接着剤を、固定板と圧電振動子群との間で、伸ばして広がらせることができる。
本発明の液体噴射ヘッドは、共通液体室から圧力室を通りノズル開口に至る一連の液体流路が形成された流路ユニットと、
上記各構成における圧電素子ユニットと、を備え、
圧電素子の変形によって圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする。
上記構成によれば、接着剤塗布領域に拡大塗布領域を形成して圧電素子群の両端の素子と固定板とに接着領域を確保し、固定強度を向上した圧電素子ユニットを用いることで、組立の際の素子の折損を防止して所定位置に位置決めすることができる。これにより、液体噴射ヘッドの組立精度を向上し、製品不良を抑えることができる。そして、圧電素子の位置が正確であると、ノズル開口からの吐出特性のばらつきも減少させることができる。
上記構成において、前記圧電素子ユニットを収容可能な収容空部が内部に形成されたケースを備え、
前記圧電素子群における素子列設方向の両端の素子の外側面を収容空部の内壁面に当接させることで圧電素子ユニットの素子列設方向の位置決めをし、この状態で、圧電素子ユニットを収容空部内に収容することが望ましい。
この構成によれば、圧電素子ユニットの素子列設方向の位置決めをした両端の素子の外側面を、ケースの収容空部の内壁面に当接させることで、圧電素子ユニットを収納空部内の正規の位置に確実に取り付けることができる。これにより、組立精度を向上することができ、製品不良を抑えることができる。
また、本発明は、複数の圧電素子を列設してなる圧電素子群と、前記圧電素子群の自由端部を固定板先端面から突出させた状態で前記圧電素子群の固定端部を重合固定する固定板と、を有する圧電素子ユニットの製造方法であって、
前記固定板には、前記圧電素子群を接合する接合領域を設定し、
前記圧電素子群の固定端部には、前記固定板を接合する接合面とは反対側の表面の両隅角部に、配線基板が接続される半田付領域を設け、
前記圧電素子群と固定板との間に接着剤を介在させた状態で、前記圧電振素子群の接合面を前記接合領域に接合する接合工程を含み、
該接合工程では、前記接着剤を塗布する接着剤塗布領域を、前記接合領域よりも内側に、前記圧電素子群の素子列設方向に伸びた帯状に設定し、
前記接着剤塗布領域は、前記圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成する一方、前記圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域については、接着剤を塗布しない非塗布領域として残すことを特徴とする。
上記構成によれば、接着剤塗布領域において、圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成したので、圧電素子群における素子列設方向の両端と固定板との間に接着剤が介在しない領域を極力減らすことができる。これにより、固定強度を高めることができ、圧電素子群における素子列設方向の両端の素子の剛性を向上することができる。したがって、組立の際の折損を防止して位置決めに利用することができる。また、接着剤塗布領域において、圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域については、接着剤を塗布しない非塗布領域として残したので、圧電素子群の両隅角部と固定板の接合面との境界から接着剤がはみ出すことを防止することができる。これにより、接着剤が圧電素子群の側面を這い上がり、固定端側の両隅角部に配置された半田付領域に付着することがなくなる。したがって、配線基板との接続不良の発生を可及的に防止することができる。以上のことにより、歩留りを向上させることができる。
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の液体噴射ヘッドであるインクジェット式の記録ヘッド1の要部を拡大して示した断面図であり、図2はそのA−A線矢視図である。
この液体噴射ヘッドである記録ヘッド1は、ケース2、流路ユニット3、及び、圧電素子ユニット4等によって概略構成されている。なお、以後の説明では、便宜上、図1の上方を先端側(前方側)と称し、図1の下側を基端側(後方側)と称する。
ケース2は、先端と後端(基端)が共に開放した合成樹脂製のブロック状部材であり、内部に、開口形状がノズル列方向、即ち素子列設方向(後述)に細長い長方形の収容空部5を設けてある。このケース2の先端には流路ユニット3が接着剤によって接合されており、収容空部5内には、圧電素子群21の先端面部を収容空部5の先端側開口に臨ませた状態で圧電素子ユニット4が収容され固定されている。この収容空部5の側方には、基端側にてインクカートリッジに連通しているインク供給管6を設けてある。
流路ユニット3は、流路形成板7、ノズルプレート8、及び、弾性板9から概略構成されている。
ノズルプレート8は、ドット形成密度に対応したピッチで多数(例えば、180個)のノズル開口10を列状に開設した薄い板状部材であり、例えば、ステンレス板によって構成してある。このノズルプレート8に積層される流路形成板7には、インク供給管6を通して供給されたインクが流入するリザーバ11、ノズル開口10からインクを吐出させるために必要なインク圧力を発生させる圧力室12、これらのリザーバ11と圧力室12を連通するインク供給口13等が形成されている。そして、本実施形態では、これらの各部を、シリコンウェハーをエッチング処理することにより形成する。
弾性板9は、本実施形態では、PPS(ポリフェニレンサルファイト)等の高分子膜を弾性体膜14としてステンレス板15上にラミネートした二重構造である。そして、ステンレス板15は、リザーバ11に対応する部分など不要部分をエッチング処理により除去して島部16(厚肉部)を形成し、この島部16の周囲を弾性体膜14(薄肉部)だけにして弾性部17を構成する。この島部16は、背面側に駆動素子29(後述)が当接される当接面を設けたブロック形状であり、ノズル開口10と同様にドット形成密度に対応したピッチで多数設けられる。また、弾性板9には、インク供給管6からのインクをリザーバ11に流入させるための開口が形成されている。この開口は、圧力室12の列の一列に対して1つ設けてもよいし、または、複数設けてもよい。
そして、ノズルプレート8を流路形成板7の一方面側に配置すると共に、弾性板9を他方面側に配置し、ノズルプレート8と弾性板9とで流路形成板7を挟み、接着等により一体化することで、流路ユニット3が形成されている。なお、この流路ユニット3において、上記の弾性板9は、圧力室12やリザーバ11の天井面を封止する封止材の一部を構成している。
上記の圧電素子ユニット4は、圧電素子群21とステンレス板の固定板22とにより概略構成されている。この圧電素子群21は、図2に示すように、自由端部21aを固定板22の先端面22aから突出させて、固定端部(基端部)21bを固定板22に重合固定した状態で、各圧電素子が櫛歯状に列設されており、圧電素子列設方向(面方向)における両端部に位置するダミー素子28(図中、一端側のみを示す。)と、これらのダミー素子28の間に配置された多数の駆動素子29とから成っている。ここで、駆動素子29はインク滴の吐出に関与する圧電素子であり、例えば、50μm〜100μm程度の極めて細い幅のニードル状に切り分けられている。また、ダミー素子28はインク滴の吐出に関与しない圧電素子であり、圧電素子ユニット4のケース2内における位置を規定するために形成されている。なお、本実施形態における圧電素子群21の駆動素子29は、いわゆる縦振動モードの圧電素子である。また、この圧電素子ユニット4、及びその製造方法については後で詳述する。
この駆動素子29は、図1に示すように、共通内部電極32と個別内部電極33とを圧電体31を挟んで交互に積層してある。ここで、共通内部電極32は全ての駆動素子29に対して同じ電位レベルに設定される電極であり、個別内部電極33は各駆動素子29毎に電位レベルが設定される電極である。そして、この駆動素子29における素子先端から素子長手方向(積層方向と直交する方向)の半分程度まで若しくは3分の2程度までの部分を自由端部29aとし、残りの部分を固定端部(基端部)29bとして固定板22を接合してある。要するに、この駆動素子29はいわゆる片持梁のような状態で固定板22の先端面22aから突出させた状態で固定されている。
駆動素子29の自由端部29aには、共通内部電極32と個別内部電極33とが重なり合った活性領域(オーバーラップ部分)を形成してある。これらの内部電極32,33に電位差を与えたり放電すると、活性領域の圧電体31が変形(作動)して素子長手方向に変位して伸縮する。そして、共通内部電極32の基端は駆動素子29の基端面部で共通外部電極37に導通しており、個別内部電極33の先端は駆動素子29の先端面部29dで個別外部電極36に導通している。ここで、個別外部電極36は、フレキシブルケーブル24と各個別内部電極33とを導通する電極であり、共通外部電極37はフレキシブルケーブル24と共通内部電極32との間を導通する電極である。
フレキシブルケーブル24は、上記圧電素子群21の固定端部における固定板22を接合する接合面とは反対側の配線接続面(表面)側に配置されており、個別外部電極36及び共通外部電極37と電気的に接続される。そして、このフレキシブルケーブル24は、駆動パルスを供給する配線基板(図示せず)と電気的に接続されているので、フレキシブルケーブル24を介して駆動パルスが各電極33,36に供給される。
圧電素子ユニット4は、図1及び図2に示すように、記録ヘッド1への取付状態において、駆動素子29の先端面部29dが弾性板9の島部16に背面側から当接されており、この先端面部29dと島部16とは接着剤によって接着されている。
駆動素子29に駆動パルスが供給されると、駆動素子29は素子長手方向に伸縮し、弾性部17を構成する弾性体膜14を前後方向に変形させる。この弾性部17の前後方向の移動に伴って圧力室12は、膨張或いは収縮して容積を変化させる。ノズル開口10からインク滴を吐出させる場合には、インク滴を吐出させる駆動素子29に対して選択的に駆動信号を印加し、例えば、圧力室12を一旦膨張させてから収縮させる。このようにすると、圧力室12の膨張に伴ってリザーバ11内のインクが圧力室12に流入し、圧力室12の収縮に伴って圧力室12内のインクの圧力が高まり、これにより、ノズル開口10から押し出されたインクがインク滴として吐出される。
次に、圧電素子群21のダミー素子28について説明する。本実施形態におけるダミー素子28は、ワイヤーソーやダイシングソー等によって積層体を複数の駆動素子29…に歯割り形成する際に、圧電素子列設方向の両端部に形成される。そして、このダミー素子28の列設方向の外側の面28cも歯割り形成時にワイヤーソーやダイシングソー等によって切断され、この外側面28cが圧電素子列設方向の位置決めをするための第1の位置決め面となる。また、ダミー素子28の先端面部28dは、前後方向の位置決めをするための第2の位置決め面となる。
このように、ダミー素子28の外側面28cを位置決め用の面とすると、これら素子28,29に歯割りするのと同じプロセスで位置合わせ面も形成できるので、非常に高い精度を得ることができる。
そして、このダミー素子28もまた、固定板22の先端面22aから突出した自由端部28aと固定板22に接合された固定端部(基端部)28bとから構成されており、いわゆる片持梁のような状態で固定板22に固定されている。なお、このダミー素子28の基本的な構造は、駆動端子29と同じであるが、本実施形態では、伸縮しない構成とされる。
次に、本実施形態における圧電素子ユニット4、及びその製造方法について説明する。
図3は、接合領域と接着剤塗布領域とを説明する圧電素子ユニット4の平面図、図4は、圧電素子群12の固定端部21bにおける隅角部と固定板22との接合状態を説明する圧電子ユニット4の概略斜視図、図5は、ダミー素子28と固定板22の先端面22a近傍との接合状態を説明する圧電子ユニット4の概略斜視図である。
圧電素子ユニット4は、前述したように、圧電振動子群21の固定端部21bを固定板22に加圧接合して構成されている。この圧電振動子群21の固定端部21bには、図3,4に示すように、固定板22を接合する接合面とは反対側の配線接続面(表面)の両隅角部に、フレキシブルケーブル24を接続して共通外部電極37の電極(端子)となる略四角形の半田付領域40を設けている。また、固定板22の圧電素子群21を接合する圧電素子接合面22bには、圧電素子群21を重合して接合する略四角形の接合領域41を設けている。そして、圧電素子群21と固定板22との間に接着剤を介在させた状態で、圧電振素子群22の接合面を接合領域41に加圧して接合する場合に、接着剤を塗布する接着剤塗布領域42を、接合領域41よりも内側に、圧電素子群21の素子列設方向に細長く伸びた帯状に設定している。この接着剤塗布領域42は、圧電素子群21における素子列設方向の両端、即ち、ダミー素子28に対応する位置に、この両端の間に位置する途中領域43より固定板22の先端面22a側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域44を形成して略凹字状にする一方、圧電素子群21の固定端部21b側の隅角部近傍に対応する領域に、半田付領域40に対応した領域から外れるように固定板22の先端面22a側に窪ませて、接着剤を塗布しない非塗布領域45を形成している。
この様に、接着剤塗布領域42を設定して、固定板22に圧電素子群21を加圧して接合すると、接着剤が固定板22と圧電振動子群21との間で伸びて広がることにより、図5に示すように、拡大塗布領域44に塗布された接着剤を、素子列設方向の両端に位置するダミー素子28と固定板22の先端面22a側との境界からはみ出すように行き渡らせることができる。したがって、ダミー素子28と固定板22の間に接着剤が介在しない領域を極力減らすことができ、ダミー素子28と固定板22の先端面22a側近傍との接着領域を隙間なく確保することができる。これにより、固定強度を高めることができ、ダミー素子28の固定板22の先端面22aから突き出した自由端部28aの強度や剛性を高めることができる。また、半田付領域40に対応した領域から外れるように非塗布領域45を形成したので、加圧されることによって接着剤が固定板22と圧電振動子群21との間で伸びて広がったとしても、図4に示すように、圧電素子群21の(両)隅角部と固定板22の圧電素子接合面22bとの境界から接着剤がはみ出すことを防止することができる。したがって、圧電素子群21の固定端部21bにおける接合面の隅角部近傍から接着剤がはみ出して側面を這い上がり配線接続面側まで達することを防止することができる。これにより、圧電素子群21の固定端側21bの両隅角部に配置された半田付領域40に接着剤が付着することがなくなるので、共通外部電極37(半田付領域40)とフレキシブルケーブル24との接続不良の発生を可及的に防止することができる。
この結果、図2に示すように、圧電素子ユニット4をケース2の収容空部5の内壁面5aに当接させるように挿入した後、流路ユニット3に先端面を当接させる記録ヘッド1の組立の際のダミー素子28の折損を防止することができる。すなわち、ダミー素子28の外側面28cをケース2の収容空部5の内壁面5aに当接することで、圧電素子列設方向の位置決め(第1の位置決め面)をすることができるとともに、ダミー素子28の先端面部28dを流路ユニット3のステンレス板15と当接することで、前後方向の位置決め(第2の位置決め面)をすることができる。これにより、圧電素子ユニット4を正規の位置に取り付けることができるので、駆動素子29の先端面部29dと島部16との位置を設計通りに確実に合わせた状態で接着することができる。したがって、組立精度を向上し、接着不良を防止することができ、ひいては吐出特性の安定化を図ることができる。さらに、圧電素子群21にフレキシブルケーブル24を接続する際の接続不良も未然に防ぐことができ、記録ヘッド1の製造の歩留りを向上させることができる。
なお、上記実施形態では、略四角形状の拡大塗布領域44と非塗布領域45とを例示したが、本発明はこの形状に限られない。即ち、これらの領域の形状は、接合する部材同士の形状、加圧する際の押圧力等で、適宜設定することができる。要は、接着領域を、拡大塗布領域側では、部材同士が重合した接合領域41の境界から接着剤がはみ出すように設定し、非塗布領域側では、部材同士が重合した接合領域41の境界から接着剤がはみ出さないように設定できれば、どのような形状でもよい。
また、上記実施の形態では、ダミー素子28は、前述のように、櫛歯状の圧電素子群21の圧電素子列設方向における両端に位置し、圧電素子となる積層体を複数の素子28,29に歯割り形成することによって形成される。ところが、圧電素子列設方向における最外面は、上記したように、ケース2の内壁面との当接させる位置決め面となるので、ワイヤーソーやダイシングソー等で切断して平面を形成する必要がある。このため、通常は、素子28,29を歯割り形成した際に、圧電素子列設方向の最外部に位置する素子については、余分な素子として折り落とす等して除去し、最外部から2番目の素子をダミー素子28として用いている。
ところで、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、圧電素子群21に関し、上記の各実施形態では、両端のダミー素子28を位置合わせに使用する構成としたが、両端の素子であれば駆動素子29でもよい。
また、前記した各実施形態では各素子28,29の固定端部28b,29bに切り残し部を設けて櫛歯状の素子群として構成したが、各素子28,29は、完全に切り分けて、固定端部28b,29bが固定板22上に接合されることで櫛歯状に構成してもよい。なお、圧電素子を櫛歯状に歯割りする際に、固定板22への接合面を残して切り分けることにより、駆動素子29の変形の特性を阻害することなく、駆動素子29やダミー素子28の固定強度を高めることができる。
圧電素子ユニット及び記録ヘッドの要部を示す断面図である。 図1のA−A線矢視図である。 圧電素子ユニットの平面図である。 圧電素子ユニットの概略斜視図である。 圧電素子ユニットの概略斜視図である。
符号の説明
1…記録ヘッド,2…ケース,3…流路ユニット,4…圧電振動子ユニット,5…収容空部,7…流路形成板,8…ノズルプレート,9…弾性板,10…ノズル開口,11…リザーバ,12…圧力室,13…インク供給口,14…弾性体膜,15…ステンレス板,16…島部,17…弾性部,21…圧電振動子群,21a…自由端部,21b…固定端部,22…固定板,22a…先端面,22b…圧電素子接合面,28…ダミー素子,28a…自由端部,28b…固定端部,28c…外側面,28d…先端面部,29…駆動素子,29a…自由端部,29b…固定端部,29d…先端面部,31…圧電体,32…共通内部電極,33…個別内部電極,36…個別外部電極,37…共通外部電極,40…半田付領域,41…接合領域,42…接着剤塗布領域,43…途中領域,44…拡大領域,45…非塗布領域

Claims (5)

  1. 複数の圧電素子を列設してなる圧電素子群と、前記圧電素子群の自由端部を固定板先端面から突出させた状態で前記圧電素子群の固定端部を重合固定する固定板と、を有する圧電素子ユニットであって、
    前記固定板には、前記圧電素子群を接合する接合領域を設定し、
    前記圧電素子群の固定端部には、前記固定板を接合する接合面とは反対側の表面の両隅角部に、配線基板が接続される半田付領域を設け、
    前記圧電素子群と固定板との間に接着剤を介在させた状態で、前記圧電振素子群の接合面を前記接合領域に接合する場合に、
    前記接着剤を塗布する接着剤塗布領域を、前記接合領域よりも内側に、前記圧電素子群の素子列設方向に伸びた帯状に設定し、
    前記接着剤塗布領域は、前記圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成する一方、前記圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域に、接着剤を塗布しない非塗布領域を形成したことを特徴とする圧電素子ユニット。
  2. 前記圧電素子群と前記固定板とを接合する際に、これら両者を加圧して接合することを特徴とする請求項1に記載の圧電素子ユニット。
  3. 共通液体室から圧力室を通りノズル開口に至る一連の液体流路が形成された流路ユニットと、
    請求項1又は2に記載の圧電素子ユニットと、を備え、
    圧電素子の変形によって圧力室内の液体に圧力変動を生じさせてノズル開口から液滴を吐出することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 前記圧電素子ユニットを収容可能な収容空部が内部に形成されたケースを備え、
    前記圧電素子群における素子列設方向の両端の素子の外側面を収容空部の内壁面に当接させることで圧電素子ユニットの素子列設方向の位置決めをした状態で、圧電素子ユニットを収容空部内に収容したことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 複数の圧電素子を列設してなる圧電素子群と、前記圧電素子群の自由端部を固定板先端面から突出させた状態で前記圧電素子群の固定端部を重合固定する固定板と、を有する圧電素子ユニットの製造方法であって、
    前記固定板には、前記圧電素子群を接合する接合領域を設定し、
    前記圧電素子群の固定端部には、前記固定板を接合する接合面とは反対側の表面の両隅角部に、配線基板が接続される半田付領域を設け、
    前記圧電素子群と固定板との間に接着剤を介在させた状態で、前記圧電振素子群の接合面を前記接合領域に接合する接合工程を含み、
    該接合工程では、前記接着剤を塗布する接着剤塗布領域を、前記接合領域よりも内側に、前記圧電素子群の素子列設方向に伸びた帯状に設定し、
    前記接着剤塗布領域は、前記圧電素子群における素子列設方向の両端に、該両端の間に位置する途中領域より固定板先端面側に領域を拡大して接着剤を塗布する拡大塗布領域を形成する一方、前記圧電素子群の固定端部側の隅角部近傍に対応する領域については、接着剤を塗布しない非塗布領域として残すことを特徴とする圧電素子ユニットの製造方法。
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