JP3678025B2 - インクジェット式記録ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動子の伸縮によりノズル開口からインク滴を吐出させて画像や文字を記録用紙に記録するインクジェット式記録ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、インクジェット記録ヘッド(以下「記録ヘッド」という)は、図12に示すように、複数のノズル開口40(図ではひとつしか示していない)と、各ノズル開口40に連通する圧力発生室41と、この圧力発生室41の一部を構成する振動板43に当接する圧電振動子42とを備えている。そして、印刷信号に対応させて上記圧電振動子42を軸方向に伸縮させて振動板43を振動させることにより、圧力発生室41内の圧力を変動させ、この圧力変動により圧力発生室41内のインクをノズル開口40からインク滴として吐出させるように構成されている。
【0003】
上記のように、軸長方向に伸縮する圧電振動子42により圧力発生室41を膨張、収縮させる記録へッドは、振動子が面方向に変形するたわみ振動を用いた記録へッドに比較して、小型化が可能で、かつ、高速駆動が可能であるため、最近では広く用いられるようになってきた。
【0004】
上記記録へッドの全体構造を説明すると、図13に示すように、内部に圧電振動子42が収容された樹脂製のヘッドケース46と、流路ユニット47と、枠体48から構成されている。上記流路ユニット47は、振動板43と、圧力発生室41等に対応する空間が形成されたシリコン製の流路形成基板49と、ノズル開口40が穿設されたステンレス製のノズルプレート50とが積層されて構成されている。そして、上記ヘッドケース46の流路ユニット固定面51に、接着剤が塗布され、流路ユニット47が位置決めされて圧着接合され、その上にノズルプレート50の保護部材を兼ねる枠体48が冠着され一体的に固定されている。
【0005】
上記流路ユニット47とヘッドケース46とを接着する際には、接着強度を確保するとともに接着剤の固化時間を短縮させるため、40℃〜100℃程度の加熱環境下で行われるのが通常である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記記録ヘッドは、へッドケース46が高分子材料で形成され、流路ユニット47が主として無機材料で形成されている。したがって、両者の熱膨張率が相違することから、接着終了後に記録へッドが室温に戻されたり、低温環境に置かれた場合、ヘッドケース46と流路ユニット47との間に収縮率の差が生じる。このように両者の収縮率に差が生じると、流路ユニット47やへッドケース46の各部材の接合面に残留応力が作用し、接合部が剥がれてしまったり、剥がれないまでも、ノズル開口40からのインク滴が飛行曲がりする等、記録ヘッドにとって致命的な損傷が生じるおそれがある。
【0007】
このような問題を解消しようとして接着作業時の温度を低く抑えると、接着強度が低下して接合面の信頼性が低下したり、接着剤の固化に時間を要して作業能率が著しく低下するという問題が生じる。このため、接着作業は依然として加熱環境下で行われているのが実状であり、加熱環境下で接着しても、記録へッドの破損や飛行曲がり等のトラブルが生じないインクジェット式記録へッドの開発が強く望まれている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、流路ユニットとへッドケースとの接着作業を加熱環境下で行っても、両者の熱膨張率の相違に起因する記録へッドの破損や飛行曲がりを生じないインクジェット式記録へッドの提供をその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、複数のノズル開口が穿設されたノズルプレートと、圧電振動子がと当接される振動版と、上記ノズルプレートと振動版とに挟まれ、各ノズル開口に連通する圧力室およびインク貯留室ならびにインク貯留室から圧力室にインクを供給するインク供給路に対応する空間が形成された流路基板と、で構成された流路ユニットと、上記圧電振動子が収容されたヘッドケースと、を有し、上記ヘッドケースの上記圧電振動子が露呈するユニット固着面に、上記流路ユニットが固着されるインクジェット式記録装置であって、上記流路基板の、ヘッドケースのユニット固着面と対向する部分に該流路基板を貫通する切欠部が形成されており、上記切欠部が、ノズル開口が列設された方向と、ノズル開口が列設された方向と直交する方向とに延びるよう形成されていることを要旨とする。
すなわち、本発明のインクジェット式記録ヘッドは、流路基板の上記切欠部が、ノズル開口が列設された方向と、ノズル開口が列設された方向と直交する方向に延びるよう形成されることで、高分子材料で形成されたへッドケースと、無機材料で形成された流路ユニットとを加熱環境下で接着したのち常温に戻す等して両者の間に収縮率の差が生じたとしても、切欠部により流路基板の剛性が十分に弱められて弾性変形することにより、切欠部の向の残留応力が有効に緩和され、接合部が剥がれたり、インク滴の飛行曲がりが生じる等の記録ヘッドの損傷が防止される。そして、十分な加熱環境下でヘッドケースと流路ユニットを接着することができ、十分な接着強度が得られて信頼性を確保できるとともに、接着剤の固化時間も短縮させて作業能率を向上させることができる。
また、本発明のインクジェット記録装置において、ノズル開口の列設方向に延びる切欠部と、これに直交する切欠部とが連通されていることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置において、流路ユニットを構成する振動板の、上記切欠部に対応する部分に貫通孔が穿設されていることを特徴とする。
これにより、ノズルプレートと流路基板ならびに振動板を接着等した際に、切欠部内が上記貫通孔を通して外部と連通する。このため、切欠部内が密閉空間になることによる接着不良が防止される。
また、本発明のインクジェット記録装置において、ヘッドケースのユニット固着面の、振動板に形成された貫通孔に対応する部分に、上記貫通孔を大気に連通させる大気連通路が形成されている。
これにより、流路ユニットとヘッドケースの接着作業の際、切欠部内の空気が貫通孔,大気連通路を通じて大気中に逃げるようになることから、接着不良を有効に防止でき、接着性を向上させることができる。
また、本発明のインクジェット記録装置において、ヘッドケースのユニット固着面の、上記切欠部に対応する部分に切欠部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置において、ヘッドケースのユニット固着面の、流路ユニットのインク貯留室に対応する部分に切欠部が形成されていることを特徴とする。
このように、ヘッドケースのユニット固着面の、上記切欠部に対応する部分に切欠部が形成されている場合や、ヘッドケースのユニット固着面の、流路ユニットのインク貯留室に対応する部分に切欠部が形成されている場合には、流路基板の剛性を弱めると同時に、ヘッドケース自体の剛性もある程度弱め、両者を弾性変形しやすくさせることにより、残留応力を十分に緩和し、剥離等を有効に防止できる。
また、本発明のインクジェット記録装置において、切欠部内に樹脂が充填されていることを特徴とする。
これにより、ある程度流路基板の剛性を保つことにより、接着作業中に流路基板が損傷してしまうのを防止し、ハンドリング性を確保できる。
また、本発明のインクジェット記録装置において、流路基板がシリコン単結晶基板からなることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0021】
図1〜図3は、本発明が適用されるインクジェット式記録ヘッドの一実施の形態を示す図である。この記録ヘッドは、ヘッドケース10と、このヘッドケース10のユニット固着面13に接着剤等で固着される流路ユニット9とから構成されている。上記流路ユニット9は、ノズルプレート6と、流路基板4と、振動板8とが積層され接着されて構成されている。
【0022】
上記ノズルプレート6は、ステンレス板からなり、多数のノズル開口5が複数列(この例では5列)をなすよう穿設されている。上記流路基板4は、シリコン単結晶板からなり、それぞれ上記ノズル開口5に連通する圧力発生室1と、ノズル開口5から吐出させるインクを一時貯留するインク貯留室2と、上記インク貯留室2から圧力発生室1にインクを供給するインク供給路3とに対応する空間が形成されている。
【0023】
上記圧力発生室1は、それぞれ各ノズル開口5と対応する位置に列設され、インク貯留室2は、各圧力発生室列ごとに設けられている。このように、ノズル開口5の各列ごとに一組の空間が設けられている。そして、一側(図3における左)側の4組(2組と2組)は、圧力発生室1が向き合うように形成されている。また、インク貯留室2の全部と圧力発生室1の一部は上下に貫通するよう形成され、インク供給路3と圧力発生室1の大部分は、流路基板4の上面と下面にそれぞれ凹設されている。
【0024】
上記流路基板4には、向かい合った圧力発生室1の間の部分に、ノズル開口5が列設された方向に伸びるように、上下に貫通するスリット状の切欠部11が形成されている。上記振動板8は、樹脂シートとステンレスシートとの複合板からなり、インク貯留室2にインクを導入するためのインク口12が穿設されている。
【0025】
上記ヘッドケース10は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が射出成形されてなり、ユニット固着面13の上記インク口12に対応する部分に、インク貯留室2にインクを導入するインク供給管14が開口されている。また、インク貯留室2に対応する部分に、インク貯留室2の形状と略一致する形状の凹部15が形成されている。この凹部15の底面には、インク供給管14の両側に、ノズル開口5の列設方向に延び、底部まで貫通する空気抜き穴17が穿設されている。さらに、圧力発生室1の各列に対応する部分に圧電振動子7を露呈させる窓16が形成されている。図2において、18は圧電振動子7が固定される固定基板、19は上記固定基板18に圧電振動子7が固定された圧電振動子ユニットを収容する収容室である。
【0026】
上記凹部15は、インク貯留室2の下側開口を封止する振動板8の変形空間であり、インク滴吐出時のインク貯留室2内の圧力変動を、振動板8を変形させることによって吸収するようになっている。この振動板8の変形時には、凹部15内の空気が空気抜き穴17から外部に抜け、凹部15内の圧力変化を防止するようになっている。
【0027】
上記構成の記録ヘッドは、例えば、つぎのようにして組立てられる。すなわち、まず、ヘッドケース10のユニット固着面13に、凹部15やインク供給管14に流れ込まないよう接着剤を塗布したり、あるいは所定形状に打ち抜き形成等された接着シートを貼着し、その上に、あらかじめ接着剤等で接合されて組み立てられた流路ユニット9を載置する。ついで、40〜100℃程度の温度に加熱し、必要に応じて押圧等することにより、流路ユニット9とヘッドケース10とを固着する。
【0028】
一方、多数の圧電振動子7が固定基板18に固定された圧電振動子ユニットを準備し、上記圧電振動子7の先端に接着剤を塗布しておく。つぎに、流路ユニット9が下側になるよう上記ヘッドケース10を反転させ、上記流路ユニットを収容室19に収容して接着固定する。この状態で、圧電振動子7の先端が窓16から出て流路ユニット9の振動板8に接着固定され、記録ヘッドが完成する。
【0029】
上記記録ヘッドでは、流路基板4の切欠部11の存在により、流路基板4の剛性がある程度弱められ、ノズル開口5の列設方向と直交する方向に弾性変形しやすくなる。したがって、樹脂で形成されたへッドケース10と、主として無機材料で形成された流路ユニット9とを加熱環境下で接着したのち常温に戻しても、流路基板9が弾性変形して残留応力が緩和され、接合部が剥がれたり、インク滴の飛行曲がりが生じる等の損傷が防止される。しかも、ヘッドケース10に形成された空気抜き穴17の存在により、ヘッドケース10自体も弾性変形しやすくなり、残留応力が緩和される。そして、十分な加熱環境下でヘッドケース10と流路ユニット9を接着することができ、強固な接着強度が得られるとともに、接着剤の固化時間を短縮することができる。
【0030】
また、ヘッドケース10と流路ユニット9との間の熱膨張率差が大きくても残留応力による損傷を防止できるため、両者を構成する材料の選択幅が広がり、設計の自由度が向上する。
【0031】
図4は、本発明のインクジェット式記録ヘッドの第2の実施の形態を示す図である。この記録ヘッドでは、切欠部11がノズル開口5の列設方向と直交する方向に延びるように形成されている。このものでは、流路基板4がノズル開口5の列設方向に弾性変形しやすくなり、この方向の残留応力が緩和され、記録ヘッドの損傷が防止される。それ以外は、図1〜図3に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0032】
図5は、本発明のインクジェット式記録ヘッドの第3の実施の形態を示す図である。この記録ヘッドでは、切欠部11が、ノズル開口5の列設方向に延びるものと、これに直交する方向に延びるものが連通するように形成されている。このものでは、流路基板4がさらに弾性変形しやすくなり、残留応力が緩和され、記録ヘッドの損傷が有効に防止される。それ以外は、図1〜図3に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0033】
図6および図7は、本発明のインクジェット式記録ヘッドの第4の実施の形態を示す図である。この記録ヘッドでは、ヘッドケース10の切欠部11に対応する部分に、上下に貫通する切欠部20が形成されている。このものでは、流路基板4が弾性変形しやすくなるとともに、ヘッドケース10自体もさらに弾性変形しやすくなり、残留応力が緩和されて記録ヘッドの損傷が有効に防止される。それ以外は、図1〜図3に示すものと同様であり、同様の作用効果を奏する。
【0034】
図8および図9は、本発明のインクジェット式記録ヘッドの第5の実施の形態を示す図である。この記録ヘッドでは、流路基板4の切欠部11が複数に分割されて設けられている。また、振動板8の上記各切欠部11に対応する部分に、貫通孔21が穿設されている。さらに、ヘッドケース10の上記貫通穴21に対応する部分に、上記貫通孔21を大気に連通させる大気連通路22が形成されている。それ以外は、図1〜図3に示すものと同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0035】
上記記録ヘッドでは、流路基板4の切欠部11が複数に分割されていることから、流路基板4の強度をある程度確保でき、損傷が防止され、ハンドリング性も向上する。また、振動板8に貫通孔21が穿設されていることから、ノズルプレート6と流路基板4ならびに振動板8を接着等して流路ユニット9を組み立てる際、切欠部11内の空気が上記貫通孔21を通して外部に逃げる。このため、切欠部11内が密閉空間になることによる接着不良が防止される。さらに、ヘッドケース10に大気連通路22が形成されていることから、ヘッドケース10と流路ユニット9との接着作業の際、切欠部11内の空気が外部に逃げるため、接着不良を有効に防止できる。それ以外は、図1〜図3に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0036】
図10および図11は、本発明のインクジェット式記録ヘッドの第6の実施の形態を示す図である。この記録ヘッドでは、流路基板4の切欠部11が複数に分割されて設けられ、これら切欠部11同士を連通させる連通溝23が形成されている。それ以外は、図8および図9に示すものと同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
【0037】
この記録ヘッドでは、複数に分割された切欠部11同士が連通していることから、振動板8の貫通孔21やヘッドケース10の大気連通路22の数を少なくでき、加工を減らすことができる。それ以外は、図8および図9に示すものと同様の作用効果を奏する。
【0038】
なお、上記各実施の形態では、切欠部11,20を上下に貫通する貫通部として形成させたが、これに限定するものではなく、流路ユニット9とヘッドケース10との接合面側に開口する溝としてもよい。また、上記各実施の形態では、圧力発生室1を流路基板4の両面に形成させるようにしたものを例示したが、これに限定するものではなく、片面に形成させたものに適用することもできる。また、上記各実施の形態において、切欠部11内に樹脂を充填させるようにしてもよい。このようにすることにより、流路基板4の強度が向上し、損傷が防止され、ハンドリング性も向上する。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインクジェット式記録ヘッドによれば、切欠部の存在により、流路基板の剛性がある程度弱められ、弾性変形しやすくなる。したがって、高分子材料で形成されたへッドケースと、無機材料で形成された流路ユニットとを加熱環境下で接着したのち常温に戻す等して両者の間に収縮率の差が生じたとしても、流路基板が弾性変形することにより、残留応力が緩和され、接合部が剥がれたり、インク滴の飛行曲がりが生じる等の記録ヘッドの損傷が防止される。そして、十分な加熱環境下でヘッドケースと流路ユニットを接着することができ、十分な接着強度が得られて信頼性を確保できるとともに、接着剤の固化時間も短縮させて作業能率を向上させることができる。
【0040】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、上記切欠部が貫通部である場合には、流路基板の剛性が十分に弱められて弾性変形しやすくなり、有効に残留応力を緩和し、剥離等を防止できる。
【0041】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、上記切欠部が溝である場合や、切欠部が分割され複数設けられている場合、あるいは、切欠部内に樹脂が充填されている場合には、ある程度流路基板の剛性を保つことにより、接着作業中に流路基板が損傷してしまうのを防止し、ハンドリング性を確保できる。
【0042】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、上記切欠部が、ノズル開口が列設された方向に延びるよう形成されている場合や、ノズル開口が列設された方向と直交する方向に延びるよう形成されている場合には、流路基板は、切欠部が延びる方向と直交する方向に弾性変形しやすくなり、その方向の残留応力を有効に緩和し、剥離等を防止できる。
【0043】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、ノズル開口の列設方向に延びる切欠部と、これに直交する切欠部とが連通されている場合には、流路基板の剛性が十分に弱められて弾性変形しやすくなり、有効に残留応力を緩和し、剥離等を防止できる。
【0044】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、流路ユニットを構成する振動板の、上記切欠部に対応する部分に貫通孔が穿設されている場合には、ノズルプレートと流路基板ならびに振動板を接着等した際に、切欠部内が上記貫通孔を通して外部と連通する。このため、切欠部内が密閉空間になることによる接着不良が防止される。
【0045】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、ヘッドケースのユニット固着面の、振動板に形成された貫通孔に対応する部分に、上記貫通孔を大気に連通させる大気連通路が形成されている場合には、流路ユニットとヘッドケースの接着作業の際、切欠部内の空気が貫通孔,大気連通路を通じて大気中に逃げるようになることから、接着不良を有効に防止でき、接着性を向上させることができる。
【0046】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、ヘッドケースのユニット固着面の、上記切欠部に対応する部分に切欠部が形成されている場合や、ヘッドケースのユニット固着面の、流路ユニットのインク貯留室に対応する部分に切欠部が形成されている場合には、流路基板の剛性を弱めると同時に、ヘッドケース自体の剛性もある程度弱め、両者を弾性変形しやすくさせることにより、残留応力を十分に緩和し、剥離等を有効に防止できる。
【0047】
本発明のインクジェット式記録ヘッドにおいて、分割されて設けられた切欠部同士を連通する連通溝が形成されている場合には、流路ユニットを構成する振動板に貫通孔を穿設して接着不良を防止する際に、上記貫通孔の数を減少させ、加工を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット式記録ヘッドの一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】上記インクジェット式記録ヘッドのA−A一部破断断面図である。
【図3】上記インクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のインクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態のインクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態のインクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図7】上記インクジェット式記録ヘッドを示すB−B一部破断断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態のインクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図9】上記インクジェット式記録ヘッドを示すC−C一部破断断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態のインクジェット式記録ヘッドを示す説明図であり、(a)は流路基板の平面図、(b)は振動板の平面図、(c)はヘッドケースの平面図である。
【図11】上記インクジェット式記録ヘッドを示すD−D一部破断断面図である。
【図12】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す断面図である。
【図13】従来のインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 圧力発生室
2 インク貯留室
3 インク供給路
4 流路基板
5 ノズル開口
6 ノズルプレート
7 圧電振動子
8 振動板
9 流路ユニット
10 ヘッドケース
11 切欠部
13 ユニット固定面
16 窓

Claims (8)

  1. 複数のノズル開口が穿設されたノズルプレートと、圧電振動子がと当接される振動版と、上記ノズルプレートと振動版とに挟まれ、各ノズル開口に連通する圧力室およびインク貯留室ならびにインク貯留室から圧力室にインクを供給するインク供給路に対応する空間が形成された無機材料からなる流路基板と、で構成された流路ユニットと、
    上記圧電振動子が収容された高分子材料で形成されるヘッドケースと、を有し、
    上記ヘッドケースの上記圧電振動子が露呈するユニット固着面に、上記流路ユニットが固着されるインクジェット式記録装置であって、
    上記流路基板の、ヘッドケースのユニット固着面と対向する部分に該流路基板を貫通する切欠部が形成されており、
    上記切欠部が、ノズル開口が列設された方向と、ノズル開口が列設された方
    向と直交する方向とに延びるよう形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. ノズル開口の列設方向に延びる切欠部と、これに直交する切欠部とが連通されている請求項1記載のインクジェット式記録装置。
  3. 流路ユニットを構成する振動板の、上記切欠部に対応する部分に貫通孔が穿設されている請求項1または請求項2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. ヘッドケースのユニット固着面の、振動板に形成された貫通孔に対応する部分に、上記貫通孔を大気に連通させる大気連通路が形成されている請求項3記載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. ヘッドケースのユニット固着面の、上記切欠部に対応する部分に切欠部が形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 切欠部内に樹脂が充填されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  7. ヘッドケースのユニット固着面の、流路ユニットのインク貯留室に対応する部分に切欠部が形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 流路基板がシリコン単結晶基板からなるものである請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
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