JP2002270911A - 熱電素子の製造方法 - Google Patents

熱電素子の製造方法

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JP2002270911A
JP2002270911A JP2001065856A JP2001065856A JP2002270911A JP 2002270911 A JP2002270911 A JP 2002270911A JP 2001065856 A JP2001065856 A JP 2001065856A JP 2001065856 A JP2001065856 A JP 2001065856A JP 2002270911 A JP2002270911 A JP 2002270911A
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block
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thermoelectric semiconductor
groove
forming
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JP2001065856A
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Shinya Takahashi
信也 高橋
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腕時計などの小型携帯型電子機器で利用可能
な、小型で高い出力電圧の熱電素子を提供する。 【解決手段】 一体化溝入りブロックの端面を研磨また
は研削加工した工程後で配線を形成する工程前に、電極
形成面の熱電素子ブロック5端面の絶縁樹脂層32、5
4を選択的に除去し端面を平坦化する工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱電発電に用いる
熱電素子に関するものであり、とくに、小型でかつ多数
の熱電対で構成される熱電素子の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】熱電対はその両端に温度差を与えること
により電圧を発生する。この電圧を電気エネルギーとし
て利用するのが熱電発電である。熱電発電によれば、熱
エネルギーから電気エネルギーへの変換が直接できるこ
とから、廃熱利用に代表されるような熱エネルギーの有
効的な利用法として注目されている。
【0003】ところで、現在性能指数が最も高いと言わ
れているBiTe系材料を用いた熱電対の出力電圧は1
対あたり400μV/℃ほどである。携帯型電子機器
は、通常、室温近辺で使用されるため、機器の内部での
温度差はあまり期待できない。
【0004】たとえば腕時計の場合、体温と外気温とに
より生じる時計内部での温度差はせいぜい2℃である。
したがって、時計駆動に必要な1.5V以上の電圧を得
るためには、おおよそ2000対以上のBiTe系の熱
電対が必要となる。さらに腕時計の場合、腕時計の内容
積が小さいうえに機械部品や電気回路部品を時計ケース
内に収納しなければならず、熱電素子は非常に小さいこ
とが要求されている。
【0005】以下、図面を用いて従来技術における熱電
素子の製造方法を説明する。まず図1に示すように、n
型熱電半導体ブロック1とp型熱電半導体ブロック2と
を用意する。なお、両ブロック1、2を区別して理解し
やすくするために、n型熱電半導体ブロック1には、そ
の表面に斜線を施して示す。以後の各図においても同様
である。
【0006】続いて図2に示すように、溝入りブロック
作製工程として、n型熱電半導体ブロック1とp型熱電
半導体ブロック2に第1の溝加工工程を行う。すなわ
ち、n型熱電半導体ブロック1に一定のピッチで複数本
の縦溝16を厚さ方向に連結部15を残して形成し、縦
隔壁17を所定の間隔で形成したn型溝入りブロック1
1を作製する。
【0007】同様にp型熱電半導体ブロック2にも、一
定のピッチで複数本の縦溝26を厚さ方向に連結部25
を残して形成し、縦隔壁27を所定の間隔で形成したp
型溝入りブロック21を作製する。
【0008】このとき、n型溝入りブロック11とp型
溝入りブロック21とを嵌合可能にするために、n型溝
入りブロック11とp型溝入りブロック21の縦隔壁1
7と縦隔壁27を櫛歯状に形成し、縦溝16と縦溝26
のピッチを同一にするとともに、接着用のスペースを確
保するため縦溝16,26の幅が縦隔壁17,27の幅
より若干広くなるようにする。
【0009】つぎに、図3に示すように嵌合工程と固着
工程とを行う。n型溝入りブロック11とp型溝入りブ
ロック21を、互いに縦溝16,26に相手側の縦隔壁
27,17を挿入し合って嵌合させ、その嵌合部の空隙
に絶縁性がある接着剤を充填して固化し、絶縁樹脂層3
2によって固着された一体化ブロック3を形成する。
【0010】この一体化ブロック3を形成する工程は、
n型溝入りブロック11とp型溝入りブロック21を嵌
合させて絶縁性接着剤によって固着させる工程である
が、その絶縁樹脂層32には2つのブロックの接合する
役割のほかに、n型溝入りブロック11とp型溝入りブ
ロック21との間の電気的絶縁性を確保する作用を持た
せている。
【0011】このように、嵌合工程と固着工程を行い、
図3に示したように完成した一体化ブロック3に対し、
つぎに図4に示すように第2の溝加工を実施して、横溝
46と横隔壁47を形成する。このように、一体化ブロ
ック3に横溝46と横隔壁47を形成した図4に示すブ
ロックを溝入り一体化ブロック4と称す。
【0012】横溝46の溝形成方向は、図2を用いて説
明した第1の溝加工工程における縦溝16、26の加工
方向と交差する方向に、複数本の横溝46を所定のピッ
チで厚さ方向に連結部45を残して形成し、所定の間隔
で横隔壁47を形成することになる。
【0013】横溝46の深さは、一体化ブロック3での
n型溝入りブロック11とp型溝入りブロック21の嵌
合部分を切断する深さまで形成する。
【0014】この工程に続いて、固化工程を実施する。
すなわち、図4に示した溝入り一体化ブロック4の横溝
46に絶縁性ある接着剤を充填して固着し、絶縁樹脂層
54を形成する。
【0015】その後、溝入り一体化ブロック4に対し
て、熱電半導体素子露出工程を実施する。すなわち、溝
入り一体化ブロック4の上面下面を研摩または研削加工
によって除去し、図5に示すようにn型熱電半導体素片
51とp型熱電半導体素片52とが交互に整列し絶縁樹
脂層32、54によって絶縁された熱電素子ブロック5
を得る。この熱電素子ブロック5には、多数のn型熱電
半導体素片51およびp型熱電半導体素片52が絶縁樹
脂層32、54によって互いに絶縁されて一体に固着さ
れ、その上下面を露出している。
【0016】最後に、図5に示す熱電素子ブロック5の
n型熱電半導体素片51とp型熱電半導体素片52を交
互に電気的に接続するように、その上下面に電極61
a、61b、62a、62b、63、64を形成する電
極形成工程を行い、図6に示す熱電素子ブロック6を得
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術に
おける図5を用いて説明したn型熱電半導体素片51お
よびp型熱電半導体素片52の露出工程においては、以
下に記すような課題がある。
【0018】溝入り一体化ブロック4(図4参照)に対
して、熱電半導体素子露出工程を行い、研摩または研削
加工によって上下面を除去する工程では、つぎのように
加工される。研摩または研削加工による熱電半導体素子
露出工程では、n型熱電半導体素片51およびp型熱電
半導体素片52と、絶縁樹脂層32、54とでは、熱電
半導体と樹脂と材質の違いにより、加工される量が相違
する。このため、熱電素子ブロック5の側面図である図
7に示すように、研摩または研削加工後の端面に凹凸が
生じる。
【0019】すなわち熱電半導体と樹脂との被加工量の
違いに起因して、絶縁樹脂層32、54が、n型熱電半
導体素片51およびp型熱電半導体素片52から突出
し、端面に段差が形成される。
【0020】そしてこの凹凸のある面に、図6に示すよ
うに電極膜を形成することになるので、電極膜が凹凸の
段差部で断線したり、段差部で電極膜厚が薄くなり電極
膜の抵抗値が高くなる欠陥が発生し、所定の起電力が得
られず、熱電素子の信頼性を低下させる。
【0021】〔発明の目的〕本発明の目的は、上記課題
を解決して、小型でかつ出力電圧を大きくするために多
数の熱電対を有する熱電素子の電極膜が断線したり膜厚
が薄くなることを抑え、熱電素子の信頼性を向上させる
ことが可能な熱電素子の製造方法を提供することであ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の熱電素子の製造方法は、下記記載の手段
を採用する。
【0023】本発明の熱電素子の製造方法は、n型熱電
半導体ブロックおよびp型熱電半導体ブロックのそれぞ
れに第1の溝加工を行い縦溝と縦隔壁とを形成し、n型
溝入りブロックおよびp型溝入りブロックを形成する工
程と、前記n型溝入りブロックと前記p型溝入りブロッ
クを前記縦溝と前記縦隔壁で互いに空隙を設けて嵌合す
る工程と、前記空隙に絶縁性接着剤を充填して前記n型
溝入りブロックとp型溝入りブロックを固着し前記空隙
に絶縁樹脂層を有する一体化ブロックを形成する工程
と、前記一体化ブロックに前記第1の溝加工方向と交差
する方向で第2の溝加工を行い横溝と横隔壁を形成し、
一体化溝入りブロックを形成する工程と、前記一体化溝
入りブロックの前記横溝に絶縁樹脂層を形成する工程
と、前記一体化溝入りブロックの端面を研磨または研削
加工することにより前記絶縁樹脂層で絶縁されたn型熱
電半導体素片とp型熱電半導体素片を有する熱電素子ブ
ロックを形成する工程と、前記n型熱電半導体素片と前
記p型熱電半導体素片を接続する電極を形成する工程と
を有する熱電素子の製造方法であって、前記一体化溝入
りブロックの端面を研磨または研削加工した工程後で前
記電極を形成する工程前に、前記電極を形成する面より
突出した前記絶縁樹脂層を除去して前記端面を平坦化す
る工程を有することを特徴とする。
【0024】〔作用〕本発明の熱電素子の製造方法で
は、一体化溝入りブロックの端面を研磨または研削加工
した後で、n型熱電半導体素片とp型熱電半導体素片と
を接続する電極を形成する前に、n型熱電半導体素片と
p型熱電半導体素片から突出した絶縁樹脂層を選択的に
除去し端面を平坦化する工程を行う。
【0025】このように絶縁樹脂層を選択的に除去し端
面を平坦化する処理工程を行うことによって、配線形成
面は段差がなくなり、配線が段差部で断線したり、段差
部で電極膜厚が薄くなり電極膜抵抗値が高くなる欠陥は
発生せず、所定の起電力が得られ、信頼性が高い熱電素
子を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の最適な形態
における熱電素子の製造方法を、図面を用いて説明す
る。
【0027】まずはじめに図1に示すように、n型熱電
半導体ブロック1とp型熱電半導体ブロック2とを用意
する。このn型熱電半導体ブロック1とp型熱電半導体
ブロック2は厚さを含む全ての寸法が同一であるのが望
ましい。
【0028】なおこの実施形態においては、n型熱電半
導体ブロック1としてビスマス−テルル(BiTe)の
焼結体を用い、p型熱電半導体ブロック2としてビスマ
ス−テルル−アンチモン(BiTeSb)の焼結体を用
い、大きさはともに21mm×7mm×4mm(厚さ)
とした。
【0029】つぎに図2に示すように、n型熱電半導体
ブロック1とp型熱電半導体ブロック2に第1の溝加工
工程を行う。すなわち、n型熱電半導体ブロック1に一
定のピッチで複数本の縦溝16を厚さ方向に連結部15
を残して形成し、縦隔壁17を所定の間隔で形成したn
型溝入りブロック11を形成する。同様にp型熱電半導
体ブロック2にも、一定のピッチで複数本の縦溝26を
厚さ方向に連結部25を残して形成し、縦隔壁27を所
定の間隔で形成したp型溝入りブロック21を形成す
る。
【0030】このとき、n型溝入りブロック11とp型
溝入りブロック21とを嵌合可能にするために、n型溝
入りブロック11とp型溝入りブロック21の縦隔壁1
7と縦隔壁27を櫛歯状に形成し、縦溝16と縦溝26
のピッチを同一にするとともに、絶縁性接着剤を充填す
るためのスペースを確保するため縦溝16,26の幅が
縦隔壁17,27の幅より若干広くなるようにする。ま
た、縦溝16と縦溝26の深さは、等しくするのが望ま
しい。
【0031】本実施形態では、n型溝入りブロック11
とp型溝入りブロック21には、厚さ4mmに対して溝
深さ2.5mmで、ピッチ寸法200μm、幅110μ
mの縦溝16,26を形成した。したがって、縦隔壁1
7,27の幅は90μmである。
【0032】この第1の溝加工工程におけるn型熱電半
導体ブロック1およびp型熱電半導体ブロック2への縦
溝16,26の加工は、ワイヤソーを用いた遊離砥粒加
工により行う。
【0033】つぎに、図3に示すように嵌合工程と固着
工程とを行う。n型溝入りブロック11とp型溝入りブ
ロック21を、互いに縦溝16,26に相手側の縦隔壁
27,17を挿入し合って嵌合させ、その嵌合部の空隙
に絶縁性を有する接着剤としてエポキシ樹脂を充填して
固着し、一体化ブロック3を形成する。
【0034】この一体化ブロック3を形成する工程は、
n型溝入りブロック11とp型溝入りブロック21を嵌
合させて絶縁性接着剤によって固着する工程であるが、
その絶縁樹脂層32には2つのブロック11、21を接
合する機能のほかに、n型溝入りブロック11とp型溝
入りブロック21との間の電気的絶縁性を確保する機能
を持たせている。
【0035】本実施形態では、ワイヤソーを用いた遊離
砥粒加工によって縦溝16,26を形成しており縦隔壁
17、27の壁面が非常に平滑に加工されており、流動
性の高い絶縁性接着剤中に固着前の一体化ブロック3を
部分的に浸漬すれば、毛細管現象により絶縁性接着剤を
縦溝16,26と縦隔壁27,17との隙間に充填する
ことができる。
【0036】嵌合部の空隙に充填する接着性のある絶縁
材料には低粘度のエポキシ系接着剤が好適であり、縦隔
壁17と縦隔壁27の間に絶縁層を兼ねた絶縁樹脂層3
2を設ける。このエポキシ系接着剤としては、熱硬化型
接着剤を使用し、本実施形態ではエポキシテクノロジー
社の商品名EPO−TEK330を用いた。
【0037】このように、嵌合工程と固着工程を行い、
図3に示したように完成した一体化ブロック3に対し、
つぎに図4に示すように第2の溝加工を実施して、横溝
46と横隔壁47を形成する。このように、一体化ブロ
ック3に横溝46と横隔壁47を形成した図4に示すブ
ロックを溝入り一体化ブロック4と称す。
【0038】第2の溝加工による横溝46の加工は、図
2を用いて説明した第1の溝加工工程における縦溝の加
工方向と交差する方向に、複数本の横溝46を所定のピ
ッチで、厚さ方向に連結部45を残して形成し、所定の
間隔を置いて横隔壁47を形成することになる。なお、
この工程での横溝46は、第1の溝加工工程で形成した
縦溝16,26と任意の角度で交差する方向に形成して
もよい。
【0039】この実施形態では、横溝46は図4に示す
ように、一体化ブロック3のp型溝入りブロック21側
の面から形成する。しかし、これとは逆にn型溝入りブ
ロック11側の面から形成してもよいし、あるいは、図
3に示した一体化ブロック3の前面側または背面側から
嵌合部分に形成してもよい。
【0040】横溝46の深さは、一体化ブロック3での
n型溝入りブロック11とp型溝入りブロック21の嵌
合部分を切断する所まで形成する。横溝46の溝幅は縦
溝16,26とは異なり、なるべく狭くするのがよい。
これは次に説明する工程で判るとおり、熱電素子として
の発電能力に寄与するのは横隔壁47の部分であり、横
溝46寸法をできるだけ小さくするのが素子性能面から
好ましいからである。本実施形態では、第2の溝加工は
ワイヤーソー加工にて行い、ワイヤー径70μmを用い
て行い、ピッチ200μmで行った。
【0041】この工程に続いて、固化工程を行う。すな
わち、図4に示した溝入り一体化ブロック4の各横溝4
6に接着性のある絶縁材を充填して固着し、絶縁樹脂層
54を形成する。絶縁性を有する接着剤としては、低粘
度のエポキシ系接着剤が好適である。このエポキシ系接
着剤としては、熱硬化型接着剤を使用し、本実施形態で
はエポキシテクノロジー社の商品名EPO−TEK33
0を用いた。
【0042】その後、溝入り一体化ブロック4に対し
て、熱電半導体素子露出工程を行う。すなわち、溝入り
一体化ブロック4の上面下面を研摩または研削加工によ
って除去し、図5に示すようにn型熱電半導体素片51
とp型熱電半導体素片52とが交互に整列し絶縁樹脂層
32、54によって絶縁された熱電素子ブロック5を得
る。この熱電素子ブロック5には、多数のn型熱電半導
体素片51およびp型熱電半導体素片52が絶縁樹脂層
32、54によって互いに絶縁されて一体に固着され、
その上下面を露出している。
【0043】そして図8(a)に示すように、n型熱電
半導体素片51およびp型熱電半導体素片52と、絶縁
樹脂層32、54の材質の違いに起因して熱電素子ブロ
ック5の上下面で絶縁樹脂層32、54が、n型熱電半
導体素片51およびp型熱電半導体素片52より突出す
る凹凸面が生じる。
【0044】そこで、研摩または研削加工により、絶縁
樹脂層32、54と、n型熱電半導体素片51およびp
型熱電半導体素片52とに生じた端面の凹凸面にたいし
て、絶縁樹脂層32、54を選択的に除去し平坦化する
工程を行う。
【0045】本発明の実施形態では、絶縁樹脂層32、
54を選択的に除去する処理工程として、レーザ光81
照射を行った。またレーザ光81としてエキシマレーザ
を照射した。その条件を以下に記す。
【0046】波長が248nmのパルス発振のKrFエ
キシマレーザを使用し、照射エネルギは数mJ/cm2
から数十mJ/cm2で、スキャン速度は400mm/
分で、熱電素子ブロック5端面の絶縁樹脂層32、54
と、n型熱電半導体素片51およびp型熱電半導体素片
52にレーザを照射した。
【0047】KrFエキシマレーザによるレーザ光81
照射した結果、n型熱電半導体素片51とp型熱電半導
体素片52の照射面はまったく変化が認められないが、
絶縁樹脂層32、54のみが蒸発飛散して熱電素子ブロ
ック5端面は平坦化された。
【0048】研摩または研削加工においては、半導体素
子片51、52と絶縁樹脂層54の剛性の違いによっ
て、研摩または研削加工時の加工力が相違し加工面に凹
凸を生じるが、レーザ光照射による加工においては、n
型熱電半導体素片51およびp型熱電半導体素片52
と、絶縁樹脂層32、54に加工力が加わらず、絶縁樹
脂層32、54は蒸発飛散するが、熱電半導体素子部は
固体のままであるため、図8(b)に示すように平坦な
面に加工することができる。
【0049】さらに、レーザ光81を照射すると、絶縁
樹脂層32、54の被加工面を粗面化することができ、
電極膜の密着性を向上させる効果も奏する。
【0050】最後に、図5に示した熱電素子ブロック5
のn型熱電半導体素片51とp型熱電半導体素片52を
交互に電気的に接続するように、その上下面に電極を形
成する電極形成工程を実施して、図6に示す熱電素子6
を得る。
【0051】図6はその熱電素子6を上面方向から見た
平面図であり、その上面側と下面側とに種々の電極を形
成している。実線の円形で示す上面電極61aと破線の
円形で示す下面電極62aが、隣り合ったn型熱電半導
体素片51とp型熱電半導体素片52とを直列に接続
し、多数の熱電対を形成する電極である。また、L字状
の上面電極61bと下面電極62bとは熱電素子80の
周縁部で必要な電極で、無駄な意味はあるがn型または
p型の熱電半導体素片を並列に接続している。各熱電半
導体素片51,52は絶縁樹脂層32および絶縁樹脂層
54によって互いに絶縁されている。なお、小さい破線
の円形で示す下面電極63,64は外部への電圧取り出
し電極である。これらの電極は、いずれも図6に示した
熱電素子ブロック6の上面と下面とに金(Au)膜を真
空蒸着法、スパッタリング法、または無電解メッキ法な
どにより形成し、フォトリソグラフィー技術とエッチン
グ技術によってその金膜をパターンニングして形成す
る。
【0052】なお以上の実施形態では、絶縁樹脂層3
2、54を選択的に除去するために、レーザ光81とし
てエキシマレーザを照射した例で説明したが、YAGレ
ーザや炭酸ガスレーザ照射でも実施可能であり、さらに
絶縁樹脂層32、54をドライエッチングまたはウェッ
トエッチング処理することによって選択的に除去するこ
とができる。
【0053】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
熱電素子の製造方法では、絶縁樹脂層で絶縁されたn型
熱電半導体素片とp型熱電半導体素片を形成した熱電素
子ブロックの上面と下面とに電極膜を形成するまえに、
絶縁樹脂層を選択的に除去し平坦化する処理を行い、電
極形成面の段差をなくす。
【0054】このように絶縁樹脂層を選択的に除去し端
面を平坦化する処理工程を行うことによって、配線形成
面は段差がなくなり、配線が段差部で断線したり段差部
で電極膜厚が薄くなり電極膜抵抗値が高くなる欠陥は発
生せず、所定の起電力が得られ、信頼性が高い熱電素子
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態および従来技術における熱電
素子の製造方法を示す平面図である。
【図7】従来技術における熱電素子の製造方法を示す図
面である。
【図8】本発明の実施形態における熱電素子の製造方法
を示す図面である。
【符号の説明】
1:n型熱電半導体ブロック 2:p型熱電
半導体ブロック 3:一体化ブロック 4:溝入り一体化ブロ
ック 5:熱電素子ブロック 6:熱電素子 11:n型溝入りブロック 16:縦溝 17:縦隔壁 21:p型溝入りブロック 26:縦溝 27:縦隔壁 32:絶縁樹脂層 46:横溝 47:横隔壁 51:n型熱電半導体素片 52:p型熱電半導体素片 54:絶縁樹脂
層 81:レーザ光

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n型熱電半導体ブロックおよびp型熱電
    半導体ブロックのそれぞれに第1の溝加工を行い縦溝と
    縦隔壁とを形成し、n型溝入りブロックおよびp型溝入
    りブロックを形成する工程と、 前記n型溝入りブロックと前記p型溝入りブロックを前
    記縦溝と前記縦隔壁で互いに空隙を設けて嵌合する工程
    と、 前記空隙に絶縁性接着剤を充填して前記n型溝入りブロ
    ックとp型溝入りブロックを固着し前記空隙に絶縁樹脂
    層を有する一体化ブロックを形成する工程と、 前記一体化ブロックに前記第1の溝加工方向と交差する
    方向で第2の溝加工を行い横溝と横隔壁を形成し、一体
    化溝入りブロックを形成する工程と、 前記一体化溝入りブロックの前記横溝に絶縁樹脂層を形
    成する工程と、 前記一体化溝入りブロックの端面を研磨または研削加工
    することにより前記絶縁樹脂層で絶縁されたn型熱電半
    導体素片とp型熱電半導体素片を有する熱電素子ブロッ
    クを形成する工程と、 前記n型熱電半導体素片と前記p型熱電半導体素片を接
    続する電極を形成する工程とを有する熱電素子の製造方
    法であって、 前記一体化溝入りブロックの端面を研磨または研削加工
    した工程後で前記電極を形成する工程前に、前記電極を
    形成する面より突出した前記絶縁樹脂層を除去して前記
    端面を平坦化する工程を有することを特徴とする熱電素
    子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁樹脂層を選択的に除去し前記端
    面を平坦化する工程が、レーザを照射であることを特徴
    とする請求項1に記載の熱電素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザが、エキシマレーザであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の熱電素子の製造方法。
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