JP2002270180A - 正極活物質組成物およびそれを用いた正極板、ならびにリチウム二次電池 - Google Patents

正極活物質組成物およびそれを用いた正極板、ならびにリチウム二次電池

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JP2002270180A
JP2002270180A JP2001065618A JP2001065618A JP2002270180A JP 2002270180 A JP2002270180 A JP 2002270180A JP 2001065618 A JP2001065618 A JP 2001065618A JP 2001065618 A JP2001065618 A JP 2001065618A JP 2002270180 A JP2002270180 A JP 2002270180A
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Japan
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positive electrode
active material
electrode active
lithium secondary
secondary battery
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JP2001065618A
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Takeshi Moriuchi
健 森内
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも低温特性およびレート特性が大き
く向上したリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質と、導電材と、融点が165
℃以下のポリフッ化ビニリデンである結着剤とを有する
正極活物質組成物、およびそれを用いた正極板、リチウ
ム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極活物質組成物
およびこれを用いた正極板、ならびに該正極板を備える
リチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にリチウム二次電池は、電解液を含
浸させたセパレータを正極板と負極板とで挟み込んでな
る構造を有している。正極板および負極板は、正極活物
質または負極活物質に導電材や結着剤などを混合した正
極活物質組成物または負極活物質組成物を金属箔などの
集電体上に塗布し、乾燥・圧延を施して、正極活物質層
または負極活物質層を形成してなるものである。正極活
物質としては、Li−Mn系複合酸化物、Li−Ni系
複合酸化物、Li−Co系複合酸化物などが提案されて
いるが、化学的に安定で、取り扱いが容易であり、しか
も、高容量の二次電池を製造し得る点から、Li−Co
系複合酸化物が現在では最も多く実用に供されている。
また負極活物質としては黒鉛化炭素が一般に用いられ
る。
【0003】ところで、近時のリチウム二次電池の性能
はかなり向上しているが、充放電サイクルを重ねること
による放電容量の急激な低下の問題については未だ十分
に改善されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、充放電サイクル特性が従来よりも向上したリチウ
ム二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリフッ化ビ
ニリデンを結着剤として有する正極活物質組成物を用い
た正極板にてリチウム二次電池を形成することで、リチ
ウム二次電池のサイクル特性が向上し得ることを見出
し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のと
おりである。 (1)正極活物質と、導電材と、融点が165℃以下の
ポリフッ化ビニリデンである結着剤とを有することを特
徴とする正極活物質組成物。 (2)導電材が粒径1μm以下の小粒径群を1重量%以
上含有することを特徴とする上記(1)に記載の正極活
物質組成物。 (3)正極活物質がLiCoO2であることを特徴とす
る上記(1)または(2)に記載の正極活物質組成物。 (4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の正極活物
質組成物を用いてなるリチウム二次電池用正極板。 (5)上記(4)に記載の正極板を備えることを特徴と
するリチウム二次電池。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の正極活物質組成物は、正極活物質と、導電材
と、融点が165℃以下のポリフッ化ビニリデン(PV
dF)である結着剤とを有する。該PVdFの融点は、
たとえばDSC(示差走査熱量計)を用いて測定でき
る。本発明においては、従来より一般的に使用されてき
たPVdF(融点:170℃〜180℃)よりも融点の
低いPVdFを用いることで、従来よりも充放電サイク
ル特性が格段に向上されたリチウム二次電池を実現する
ものである。
【0007】リチウム二次電池における正極板は、通
常、正極活物質組成物を、適宜の溶媒中で混練してスラ
リーとし、これを集電体上に塗布した後、乾燥・圧延を
施して、正極活物質層を形成することで得られる。本発
明者は、この乾燥の際に、結着剤であるPVdFの結晶
化を高めることによって、結着剤の機械的強度が高ま
り、より強固に正極活物質および導電材をつなぎ留める
ことができるとともに、より強固に正極活物質層を集電
体上に保持できるため、得られたリチウム二次電池の充
放電サイクル特性が向上し得ることを知見した。このた
めには上記乾燥の温度を、PVdFを溶融させず、かつ
PVdFを結晶化させ得る温度に選ぶのが好ましいこと
が判った。ところが従来用いられてきたPVdFでは、
充分に結晶化させるためには乾燥温度が高くなり過ぎて
しまい、このような高温で乾燥を行うと、熱履歴によっ
て正極集電体の機械的強度が低下し、圧延、捲回作業時
に集電体が切断されることがあるため、本願発明では、
融点が165℃以下のPVdFを結着剤として用いてい
ることで、比較的低い温度での乾燥によって、充分に高
い結晶化が得られ、上記集電体の切断も起こらず、従来
と比較して充放電サイクル特性の格段に優れたリチウム
二次電池を得ることができる。
【0008】なお正極活物質同士の密着性、および正極
活物質層と集電体との間の密着性の観点からは、融点が
155℃以上のPVdFを用いるのが好ましい。該融点
が155℃未満であると、電解液に膨張しすぎて結着性
が低下する虞があるため好ましくない。
【0009】本発明に用いる正極活物質としては、当分
野においてリチウム二次電池用の正極活物質として用い
られているものであれば特に限定はなく、たとえばLi
CoO2やLiACo1-XMeX2で示されるLi−Co
系複合酸化物が挙げられる。後者のLiACo1-XMeX
2において、式中Aは0.05〜1.5(好ましくは
0.1〜1.1)、Xは0.01〜0.5(好ましく
0.02〜0.2)、MeはZr、V、Cr、Mo、M
n、Fe、Ni、B、Al、Ge、Pb、SnおよびS
bから選ばれる1種または2種以上の元素である。な
お、Meが2種以上の元素である場合、Xは2種以上の
元素の合計量である。本発明では、上記中でもLiCo
2を正極活物質として用いるのが好ましい。
【0010】上記正極活物質の粒径は、特に限定はされ
ないが、異常な電池反応の防止の観点から、平均粒径が
1μmより大きいものが好ましく、5μm以上がより好
ましい。また、正極活物質層の低抵抗化の観点から、平
均粒径が25μm以下が好ましく、23μm以下がより
好ましい。
【0011】また、上記正極活物質は比表面積が0.1
2/g〜0.3m2/gであるのが好ましく、0.15
2/g〜0.25m2/gであるのがより好ましい。比
表面積がかかる好ましい範囲にあれば、電池の放電特性
(特にハイレート放電特性)をより向上でき、また、電
池の安全性がより向上する(正極活物質からの酸素脱離
が起こりにくい)。
【0012】上記正極活物質の平均粒径は以下の方法で
測定される。最初に、測定対象となる粒状物を、水やエ
タノールなどの有機液体に投入し、35kHz〜40k
Hz程度の超音波を付与して約2分間分散処理を行う。
なお、測定対象となる粒状物の量は、分散処理後の分散
液のレーザ透過率(入射光量に対する出力光量の比)が
70%〜95%となる量とする。次に、この分散液をマ
イクロトラック粒度分析計にかけ、レーザー光の散乱に
より個々の粒子の粒径(D1、D2、D3・・)、および
各粒径毎の存在個数(N1、N2、N3・・・)を計測す
る。なお、マイクロトラック粒度分析計では、観測され
た散乱強度分布に最も近い理論強度になる球形粒子群の
粒径分布を算出している。即ち、粒子は、レーザー光の
照射によって得られる投影像と同面積の断面円を持つ球
体と想定され、この断面円の直径(球相当径)が粒径と
して計測される。平均粒径(μm)は、上記で得られた
個々の粒子の粒径(D)と各粒径毎の存在個数(N)と
から、下記の式(1)にて算出される。 平均粒径(μm)=(ΣND3/ΣN)1/3(式1)
【0013】上記正極活物質の比表面積の測定は、「粉
体の材料化学」〔荒井康夫著、初版第9刷、培風館(東
京)発行、1995年〕の第178頁〜第184頁に記
載された吸着法のうち、窒素を吸着体とする気相吸着法
(一点法)により行うことができる。このような窒素を
吸着体とする気相吸着法を応用した該比表面積の測定
は、たとえば比表面積計モノソーブ(クアンタクロム社
製)などを用いて行うことができる。
【0014】また本発明における導電材としては、人造
あるいは天然の黒鉛類や、アセチレンブラック、オイル
ファーネスブラック、イクストラコンダクティブファー
ネスブラックなどのカーボンブラックなどの粒状の炭素
材(「粒状」とは、鱗片状、球状、擬似球状、塊状、ウ
ィスカー状などが含まれ、特に限定されない。)が使用
される。該粒状の炭素材は、サイクル特性に加えて、低
温特性およびハイレート特性についても優れたリチウム
二次電池を実現できる点で、その粒径(一次粒子径)が
1μm以下の小粒径群を全体の少なくとも1重量%以上
含むものであることが好ましく、1重量%〜50重量%
含むものであることがより好ましい。
【0015】上記導電材の粒径は、粒子を球体と想定し
たときの断面円の直径(球相当径)であり、粒径(一次
粒子径)が1μmより大きいものは、上述のLi−Co
系複合酸化物の場合と同様にマイクロトラック粒度分析
計を用いて測定できる。また、粒径(一次粒子径)が1
μm以下のものは、電子顕微鏡を用いて測定できる。具
体的には、最初に視野に粒子が20個以上入るよう倍率
を設定して電子顕微鏡写真を撮影し、写真に写った各粒
子の像の面積を算出し、さらにこの算出された面積から
同面積を持つ円の直径を算出する。なお、平均粒径は測
定個数の個数平均である。
【0016】正極活物質層(合剤層)の付着量は正極活
物質の量(集電体の片面当りの正極活物質の存在量)で
示すとして、通常、1mg/cm2〜100mg/cm2
程度である。また、正極活物質層における導電材の量
は、正極活物質との重量比(正極活物質:導電材)で示
すとして、一般に100:0.1〜100:20であ
る。また、結着剤の量は、正極活物質と導電材の合計量
に対して一般に0.1重量%〜20重量%である。
【0017】集電体としては、アルミニウム、アルミニ
ウム合金、チタンといった導電性金属で形成された箔や
穴あき箔、エキスパンドメタルなどが挙げられる。な
お、集電体が箔や穴あき箔の場合は、その厚みは通常1
0μm〜100μm程度であり、好ましくは15μm〜
50μm程度である。集電体がエキスパンドメタルの場
合は、その厚みは通常25μm〜300μm程度、好ま
しくは30μm〜150μm程度である。
【0018】上記のような正極板を用い、負極板、電解
液などと当分野において通常行われているようにして組
み立てることによって、本発明のリチウム二次電池を得
ることができる。
【0019】本発明のリチウム二次電池における負極
板、電解液は、特に限定されるものではないが、以下に
好ましい例を示す。
【0020】負極は集電体上に、負極活物質および結着
剤を含む合剤の層(以下、負極活物質層ともいう)が形
成されて構成されるが、負極活物質としては、各種黒鉛
材、カーボンブラック、非晶質炭素材(ハードカーボ
ン、ソフトカーボン)、活性炭等の公知のリチウム二次
電池の負極用の活物質として使用されている粒状の炭素
材を使用できる。これらのうちでも、電池の放電特性を
より向上させる観点からは、黒鉛化炭素が好ましい。該
粒状の炭素材の粒形状は特に限定されず、鱗片状、球
状、擬似球状、塊状、ウィスカー状等のいずれでもよ
い。
【0021】また、黒鉛化炭素においては、粒状物以外
に繊維状のものを用いることができ、この場合、直線状
のものでも、カールしたものでもよい。かかる繊維状の
黒鉛化炭素の大きさは、特に限定されないが、平均繊維
径が0.5μm〜15μmが好ましく、1μm〜15μ
mが特に好ましく、5μm〜10μmがとりわけ好まし
い。また、この時のアスペクト比(平均繊維長/平均繊
維径)は1〜5であるのが好ましく、3〜5が特に好ま
しい。
【0022】かかる繊維状の黒鉛化炭素の大きさ(繊維
径、繊維長)は、電子顕微鏡を用いて測定できる。すな
わち、視野に繊維が20本以上入るよう倍率を設定して
電子顕微鏡写真を撮影し、写真に写った各繊維の繊維径
および繊維長をノギス等で測定することで行うことがで
きる。なお、繊維長の測定は、繊維が直線状の場合であ
れば、一端と他端との最短距離を測定することにより行
えば良い。但し、繊維がカール等している場合であれ
ば、繊維上の最も互いに離れる任意の二点を取り、この
二点間の距離を測定し、これを繊維長とすれば良い。な
お、平均繊維径、平均繊維長さは測定個数の個数平均値
である。
【0023】なお、黒鉛化炭素を用いる場合は、結晶格
子の面間距離(d002)が0.3380nm以下(特
に好ましくは0.3350nm〜0.3370nm)の
ものが好適である。かかる黒鉛化炭素の結晶格子の面間
距離(d002)は以下に記載の日本学術振興会法によ
り測定することができる。
【0024】最初に、X線標準用高純度シリコンをメノ
ウ乳鉢で325メッシュ標準篩以下に粉砕して標準物質
を作製し、この標準物質と被測定試料の黒鉛化炭素とを
メノウ乳鉢で混合(混合比率:黒鉛化炭素100重量部
あたり標準物質10重量部)してX線用試料を作製す
る。このX線用試料は、X線回析装置(理学電機社製R
INT2000、X線源:CuKα線)の試料板に均一
に充填する。次に、X線管球への印加電圧を40kV、
印加電流を50mAに設定し、更に走査範囲を2θ=2
3.5度〜29.5度、スキャンスピードを0.25度
/minとして、炭素の002ピークおよび標準物質の
111ピークを測定する。続いて、得られたピーク位置
およびその半値幅から、上記のX線回析装置に付属の黒
鉛化度計算用ソフトを用いて、結晶格子の面間距離(d
002)を算出する。
【0025】結着剤には、従来からリチウム二次電池の
負極活物質層に使用されている結着剤、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVdF)等のフッ素樹脂、エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエ
ンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CM
C)等の高分子材料が使用される。また、負極板に用い
る集電体としては、従来と同様のものが利用でき、銅、
ニッケル、銀、ステンレスなどで形成された箔やエキス
パンドメタルが挙げられる。
【0026】負極活物質層中の負極活物質の量(集電体
の片面当りの負極活物質の存在量)は、通常、1mg/
cm2〜50mg/cm2程度、好ましくは5mg/cm
2〜20mg/cm2程度であり、負極活物質層全体にお
ける負極活物質と結着剤の割合は重量比(負極活物質:
結着剤)で一般に80:20〜98:2である。
【0027】なお負極板の作製方法は、特には限定され
ず、当分野において一般的に行われている方法によって
好適に作製することができる。また上記正極板、負極板
を、従来から広く用いられているセパレータ、電解液、
電池缶などを用いて当分野において一般的に行われてい
るように組立てることによって、本発明のリチウム二次
電池を好適に製造することができる。
【0028】電解液に用いるLi塩類としては、例え
ば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAs
6、LiAlCl4およびLi(CF3SO22N等が
挙げられ、これらは、いずれか一種または二種以上を併
用してもよい。また、有機溶媒としては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカ
ーボネート、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−
ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−
ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチ
ルエーテルなどが挙げられ、これらはいずれか一種また
は二種以上を混合して使用される。そのうちでも、本発
明が目的とする充放電サイクル特性およびハイレート放
電特性の向上の点から、エチレンカーボネート(EC)
とジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(E
C:DEC(体積比)が40:60〜60:40)を用
いるのが好ましい。また、電解液中におけるLi塩の濃
度は、一般的に0.1mol/l〜2mol/lであ
り、電池の充放電サイクル特性の点からは0.5mol
/l〜1.8mol/lが好ましく、特に好ましくは
0.8mol/l〜1.5mol/lである。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示
す。実際に、本発明のリチウム二次電池を作製し、評価
を行なった。 実施例1 〔正極板の作製〕正極活物質であるLiCoO2(平均
粒径:20μm、比表面積:0.12m2/g)90重
量部と、導電材である球状黒鉛(平均粒径:6μm)6
重量部と、同じく導電材であるオイルファーネスブラッ
ク(平均粒径:40nm)1重量部と、結着剤であるポ
リフッ化ビニリデン(融点:160℃、乳化重合法によ
り作製)3重量部とを、N−メチル−2−ピロリドン中
に均一に分散してなる正極活物質組成物を、プラネタリ
ディスパ混練装置(浅田鉄工所製)中で、プラネタリ3
0rpm、ディスパ500rpmの回転で30分間混練
してスラリーとした。導電材全体における粒径1μm以
下の粒子の含有量は、20重量%であった。上記の正極
活物質および導電材の平均粒径は、マイクロトラック粒
度分析計SALD−3000J(島津製作所製)を用い
て測定した。また上記の正極活物質の比表面積は、比表
面積計モノソーブ(クアンタクロム社製)を用いて測定
した。上記の結着剤の融点は、DSCを用いて測定し
た。上記スラリーを集電体となるアルミニウム箔(厚
さ:20μm)の両面上に塗布し、150℃で乾燥さ
せ、ついで通常の圧延条件で圧延処理して正極活物質層
を形成し、アルミニウム箔の片面あたり20mg/cm
2のLiCoO2を有する正極板とした。
【0030】〔負極板の作製〕負極活物質である繊維状
黒鉛化炭素(平均繊維径:8μm、アスペクト比:3、
結晶格子の面間距離(d002):0.3360nm)
92重量部と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン8重
量部とからなる負極活物質組成物を、N−メチル−2−
ピロリドン中に均一に分散し、混合してスラリー化し、
このスラリーを集電体となる銅箔(厚み:14μm)の
両面に塗布し、乾燥させた。次に、このアルミニウム箔
に当業者が一般に行う圧延条件によって圧延処理を行
い、負極板を得た。なお負極活物質の平均繊維径および
アスペクト比は、電子顕微鏡を用いて測定した。また負
極活物質の結晶格子の面間距離は、X線回析装置RIN
T2000(理学電機社製、X線源:CuKα線)を用
いて測定した。
【0031】〔電解液の調製〕50体積%のエチレンカ
ーボネートと、50体積%のジエチルカーボネートとの
混合溶媒に、LiPF6を、その濃度が1.0mol/
l(調製後の電解液に対し)となるように溶解させて電
解液を調製した。
【0032】〔リチウム二次電池の組立〕上記で作製し
た正極板と負極板とを、多孔質のポリエチレン−ポリプ
ロピレン−ポリエチレン三層セパレータを介して捲回
し、これを円筒型の電池缶(外径:18mm、高さ:6
50mm)に収容した。さらに、上記で得た電解液をセ
パレータに含浸させ、本発明のリチウム二次電池を得
た。
【0033】比較例1 正極活物質組成物において、結着剤として3重量部のポ
リフッ化ビニリデン(融点:177℃、懸濁重合法によ
って作製)を用いた以外は実施例1と同様にして、リチ
ウム二次電池を作製した。
【0034】実施例2 正極活物質組成物において、上記球状黒鉛を5重量部、
上記オイルファーネスブラックを2重量部配合した以外
は実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し
た。導電材全体における粒径1μm以下の粒子の含有量
は、20重量%であった。
【0035】比較例2 正極活物質組成物において、結着剤として3重量部のポ
リフッ化ビニリデン(融点:177℃)を用いた以外は
実施例2と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
【0036】実施例3 正極活物質組成物において、正極活物質として上記のL
iCoO2を91重量部配合し、かつ導電材として粒状
黒鉛(平均粒径:1μm、粒径1μm以下の粒径群を5
0重量%含有)のみを5重量部、結着剤としてポリフッ
化ビニリデン(融点:160℃)を4重量部配合した以
外は実施例1と同様にして、リチウム二次電池を作製し
た。
【0037】比較例3 正極活物質組成物において、結着剤として4重量部のポ
リフッ化ビニリデン(融点:177℃)を用いた以外は
実施例3と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
【0038】実施例4 正極活物質組成物において、導電材として鱗片状黒鉛
(平均粒径:6μm、粒径1μm以下の粒径群を10重
量%含有)のみを5重量部配合した以外は実施例3と同
様にして、リチウム二次電池を作製した。
【0039】比較例4 正極活物質組成物において、結着剤として4重量部のポ
リフッ化ビニリデン(融点:177℃)を用いた以外は
実施例4と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
【0040】比較例5 正極活物質組成物において、導電材として鱗片状黒鉛
(平均粒径:6μm、粒径2μm以下の粒径群を含有せ
ず)のみを5重量部配合し、結着剤として4重量部のポ
リフッ化ビニリデン(融点:177℃)を用いた以外は
実施例3と同様にして、リチウム二次電池を作製した。
【0041】上記のように各々作製した実施例1〜4お
よび比較例1〜5の各リチウム二次電池について、以下
の手順でサイクル特性試験、ハイレート特性試験および
低温特性試験を行った。
【0042】〔サイクル特性試験〕上記で得られたリチ
ウム二次電池について1C/1Cの充放電を室温(20
℃)下で500サイクル行い、初回、100サイクル
目、200サイクル目および500サイクル目の放電容
量を求め、100サイクル目、200サイクル目および
500サイクル目それぞれの容量維持率(%)を算出し
た。結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】〔低温特性試験〕上記のハイレート特性試
験と同様に充電を行った後、−20℃の大気雰囲気中に
24時間放置した。次に、この−20℃の大気雰囲気中
で1C(1800mAh)/2.5Vカットオフで放電
を行い、その時の放電容量〔mAh〕を求めた。また、
室温でも同様の条件で充電と放電とを行い、−20℃下
での放電容量を室温下での放電容量で割って容量維持率
(%)を算出した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】〔ハイレート特性試験〕上記各リチウム二
次電池について室温で充電を行なった後、室温(20
℃)下で、2.5Vカットオフで0.2C(360m
A)放電および2C(3600mA)放電を行い、2C
放電の結果から0.2C放電結果に対する容量維持率
(%)を算出した。なお、充電は、室温にて1C(18
00mA)定電流で電圧が4.2Vとなるまで電流を流
した後、続いて全充電時間が3時間となるまで4.2V
定電圧で電流を流して行なった。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、充放電サイクル特性が従来よりも向上したリチ
ウム二次電池、ならびにそれに用いる正極活物質組成物
および正極板を提供することができる。また導電材が粒
径1μm以下の小粒径群を全体の1重量%以上含有する
ことで、充放電サイクル特性に加えて、低温特性および
ハイレート特性にも優れるリチウム二次電池を提供する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA04 AC06 AE05 5H029 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AM03 AM04 AM05 AM07 DJ08 DJ16 EJ04 HJ01 HJ02 HJ05 HJ14 5H050 AA07 BA17 CA08 CB07 CB08 CB09 DA10 EA08 EA09 EA10 EA24 FA17 HA01 HA02 HA05 HA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質と、導電材と、融点が165
    ℃以下のポリフッ化ビニリデンである結着剤とを有する
    ことを特徴とする正極活物質組成物。
  2. 【請求項2】 導電材が粒径1μm以下の小粒径群を1
    重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の
    正極活物質組成物。
  3. 【請求項3】 正極活物質がLiCoO2であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の正極活物質組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の正極活
    物質組成物を用いてなるリチウム二次電池用正極板。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の正極板を備えることを
    特徴とするリチウム二次電池。
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