JP2002267867A - 多層コアプラスチック光ファイバを用いた光通信方法 - Google Patents

多層コアプラスチック光ファイバを用いた光通信方法

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JP2002267867A
JP2002267867A JP2001067952A JP2001067952A JP2002267867A JP 2002267867 A JP2002267867 A JP 2002267867A JP 2001067952 A JP2001067952 A JP 2001067952A JP 2001067952 A JP2001067952 A JP 2001067952A JP 2002267867 A JP2002267867 A JP 2002267867A
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core layer
optical fiber
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Shinichi Toyoshima
真一 豊島
Tokuyuki Uchida
徳幸 内田
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Asahi Kasei Corp
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  • Optical Communication System (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック光ファイバを用いた短距離通信
において、曲げによる光ロスの低減と400MHz以上
の広帯域化を図る。 【解決手段】 中心にコア層1とクラッド層2からなる
中心層11を有し、該中心層の周囲にコア層とクラッド
層からなる外層12、13を同心円状に配置した多層コ
アプラスチック光ファイバを用い、コア層1及びコア層
3、或いはコア層1とコア層3、5を共通の信号伝送路
として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光フ
ァイバを用いた光通信方法に関し、特に短距離において
より高速の信号伝送を可能にした光通信方法である。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバを用いた光通信
技術において、信号伝送の高速化を図るためにはファイ
バの広帯域化が重要である。伝送帯域の広い光ファイバ
としては、特開平9−159844号公報、特許第29
92352号公報に、中心のコア層の周囲に、屈折率の
高い第1クラッド層とこれより屈折率の低い第2クラッ
ド層とを配置した2層クラッド構造とすることにより、
第1クラッド層でファイバの開口数(以下、「NA」と
記す)を低くして伝送帯域を広げ、曲げによって第1ク
ラッド層から漏れた光を第2クラッド層で反射回収せし
め、曲げによる光ロスを抑制したプラスチック光ファイ
バが記載されている。また、特開昭63−234208
号公報には、断面において中心から同心円状にコア層/
クラッド層/コア層/クラッド層を有する多層コア構造
とすることによって、中心のコア層に照明光を、外側の
コア層に反射光を伝送させたセンサ用途としてのプラス
チック光ファイバが開示されている。さらに、特公昭5
6−21121号公報には、コア層を多層有するプラス
チック光ファイバにおいて、一つのコア層は通信信号路
とし、他のコア層は該通信信号路で伝送される信号が正
常であるか否かを監視する監視用路とする通信方法が開
示されている。さらにまた、特開2000−19383
4号公報には、中心からポリメチルメタクリレート(P
MMA)樹脂からなるコア層、2層構造のクラッド層、
PMMA樹脂からなる保護層、ビニリデンフロライド系
樹脂からなる補強層を有する、コア層直径が50〜40
0μmの小口径プラスチック光ファイバが、高速伝送の
小口径光学素子に好適に結合できるファイバとして提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、プラスチック光
ファイバの広帯域化については、ファイバ長が50〜1
00mの場合について考察が進められており、短距離に
ついての考察がおろそかにされていた。そこで、本発明
者等が1〜10m程度の短距離における高速通信につい
て検討を行ったところ、従来の技術では短距離での高速
通信が困難であることが明らかになった。即ち、従来の
高屈折率層と低屈折率層の2層クラッド構造のプラスチ
ック光ファイバを、該ファイバのNAを大きく上回る入
射NAの光源で伝送帯域を測定すると、短距離ではあま
り広帯域が得られなかった。この理由を考察した結果、
2層クラッド構造の低NAファイバでは、ファイバ長が
短いと、第1クラッド層を透過するモードの光が消滅し
ないまま末端まで到達するため、実際の光ファイバのN
Aは、第1クラッド層とコア層から求められる低NAと
第2クラッド層とコア層から求められる高NAとの間の
中間的な値となるためであると考えられる。そのため、
長距離のファイバでは相対的に広帯域であっても、短距
離においてはそれに見合った帯域が得られないという事
実が判明した。
【0004】本発明の課題は、LD(半導体レーザ)は
もちろんのこと、LED(発光ダイオード)を光源とす
るような広角度の入射光においても、短距離の光ファイ
バを用いて400MHz以上の伝送帯域が得られる光通
信方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
中心に位置するコア層とその周囲を取り囲むクラッド層
からなる中心層の周囲に、断面が同心円状になるように
配置したコア層とクラッド層からなる外層をn層(nは
1〜3の整数)有し、クラッド層を構成する透明なクラ
ッド樹脂がコア層を構成する透明なコア樹脂よりも屈折
率が低い多層コアプラスチック光ファイバを用い、上記
中心層のコア層及び内側よりm層(mは1〜3の整数、
但し、mはn以下)の外層のコア層を共通の信号伝送路
として用いることを特徴とする光通信方法である。
【0006】本発明においては、下記の構成を好ましい
態様として含むものである。
【0007】上記多層コアプラスチック光ファイバが、
コア樹脂がポリメチルメタクリレート系樹脂、信号伝送
に用いる最外層のコア層の外径が0.3〜1.0mm、
該コア層の外径を直径とする円の面積に占めるクラッド
層の断面積の割合が0.1〜5.0%で、外側に被覆樹
脂層を有するケーブルであり、該ケーブル10mにおい
て、入射光を上記コア層の外径に対応して入射NA0.
65で入射させた時の伝送帯域が400MHz以上であ
り、曲げ半径10mmで360°曲げた際の光ロスが3
dB以下である。
【0008】特に好ましいクラッド層としては、上記ク
ラッド樹脂が、ビニリデンフロライド系樹脂とポリメチ
ルメタクリレート系樹脂との混合物であり、20℃にお
いてナトリウムD線で測定した屈折率が1.43〜1.
47である。
【0009】
【発明の実施の形態】従来の高速通信用プラスチック光
ファイバは、2層クラッド構造による低NAファイバで
あったが、このファイバは、曲げによる光ロスを改善す
るために、外側のクラッド層の屈折率を低くする必要が
あり、結果として短距離における伝送帯域があまり広が
らないという難点があった。一方、クラッド層が1層の
低NAファイバでは、曲げによる光ロスが大きく、実用
性が乏しかった。さらに、コア層を複数有する多層コア
プラスチック光ファイバを用いた通信方法においては、
コア層にそれぞれ異なる信号を伝送させるか、或いは、
中央のコア層にのみ信号を伝送させ、外側のコア層は補
助的であったり、信頼性向上のための保護層として用い
ていた。
【0010】本発明者等は、多層コアプラスチック光フ
ァイバが、当該構造により、曲げによる光ロスが小さい
上、中心のコア層と外側のコア層に同時に同じ信号を送
ったとしても、ほとんどこれらコア層間に介在するクラ
ッド層がない場合と同様の伝送帯域が得られることを知
見し、本発明を達成したものである。即ち、本発明は、
透明樹脂からなるコア層とクラッド層とが同心円状に多
層配置した多層コアプラスチック光ファイバにおいて、
中心層のコア層を含む複数層のコア層を信号伝送路とし
て共通に同じ信号を伝送させることに特徴を有する。
【0011】本発明において用いられる多層コアプラス
チック光ファイバにおいては、信号伝送路断面において
クラッド層は薄く存在すればよく、よって、該クラッド
層による有効コア層面積のロスは実質的に影響が小さい
ため、十分な光量を送ることができるのである。
【0012】本発明に用いる多層コアプラスチック光フ
ァイバは、単層コア、単層クラッドのプラスチック光フ
ァイバに比べて、曲げによる光ロスを1/2〜1/3に
抑制することができ、数m〜10m程度の短い距離にお
いて、2層クラッド構造の低NAファイバでは実現が困
難な、400MHz〜1GHzの広帯域に対応すること
ができる。
【0013】図1に、本発明で用いられる光ファイバの
一例の断面を模式的に示す。図中、1、3、5はコア
層、2、4、6はクラッド層、7は被覆樹脂層、11は
中心層、12、13は外層である。
【0014】本発明に用いられる光ファイバは、その断
面において、複数のコア層と複数のクラッド層とが同心
円状に配置してなる。即ち、コア層1とクラッド層2か
らなる中心層11を中心に、コア層とクラッド層からな
る外層を1〜3層配置してなる。図1は、外層を第1外
層12と第2外層13の2層とした構成例である。
【0015】本発明に用いられるプラスチック光ファイ
バを構成する樹脂材料として、コア層は、同一材料を用
いることを基本とするが、互いに屈折率が異なる樹脂の
組み合わせを用いても構わない。また、クラッド層につ
いても同様である。
【0016】本発明にかかるコア層を構成するコア樹脂
としては、従来プラスチック光ファイバのコア樹脂とし
て用いられていた透明樹脂を用いることができるが、好
ましくはポリメチルメタクリレート(PMMA)系樹脂
である。PMMA系樹脂は、モノマー成分としてメチル
メタクリレート(MMA)を50重量%以上含んだ重合
体であり、MMA単独重合体(PMMA)や、共重合可
能な成分としてアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル類、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸シ
クロヘキシルなどのメタクリル酸エステル類、イソプロ
ピルマレイミドのようなマレイミド類、アクリル酸、メ
タクリル酸、スチレンなどを一種以上適宜選択して用い
た共重合体が挙げられる。特に好ましくは、屈折率が
1.485〜1.530のPMMA系樹脂であり、望ま
しくは、屈折率が1.490〜1.495でMMAを9
5重量%以上含むPMMA系樹脂である。尚、本発明に
おいて、樹脂の屈折率は、20℃におけるナトリウムD
線で測定した値を言うものとする。
【0017】また、本発明にかかるクラッド層を構成す
るクラッド樹脂は、コア樹脂よりも屈折率の低い透明樹
脂であり、具体的には屈折率が1.36〜1.48の公
知のフッ素系樹脂が好ましく用いられる。より好ましく
は、ビニリデンフロライド系樹脂やフルオロアルキルメ
タクリレート系樹脂である。ビニリデンフロライド系樹
脂としては、ビニリデンフロライドとテトラフロロエチ
レン共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフロロプ
ロペンの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフロ
ロプロペンとテトラフロロエチレンの共重合体、ビニリ
デンフロライドとヘキサフロロプロペンとトリフロロエ
チレンの共重合体、ビニリデンフロライドとヘキサフロ
ロアセトンの共重合体或いはこれら3元成分にさらにト
リフロロエチレンやテトラフロロエチレンを加えた3元
以上の共重合体などが好ましい。
【0018】中でも、クラッド樹脂としては、ビニリデ
ンフロライド系樹脂とPMMA系樹脂との混合物が好ま
しく、より具体的には、ビニリデンフロライドの単独重
合体とPMMA系樹脂との混合物、或いは、ビニリデン
フロライドをモノマー成分として70モル%以上含有す
る共重合体とPMMA系樹脂との混合物で、屈折率が
1.42〜1.48のものが望ましい。より望ましくは
屈折率が1.43〜1.47である。これらの混合樹脂
は、コア層間に挟まれたクラッド層として、両コア層に
相溶し、しかも可撓性があり、当該ファイバを切断する
際にも断面が縦に割れたりすることがないこと、さらに
は、クラッド樹脂とコア樹脂のPMMA系樹脂が相溶し
ていることで、コア樹脂とクラッド樹脂の各屈折率から
推定される伝送帯域よりも高い伝送帯域が得られる。
【0019】本発明においては、上記コア樹脂とクラッ
ド樹脂との屈折率の差を好ましくは0.07以下、特に
好ましくは0.06以下にすることで、短距離で広帯域
に対応できるファイバとすることができる。
【0020】また、本発明においては、多層コアプラス
チック光ファイバの複数層のコア層のうち、中心層のコ
ア層と、内側より1〜3層の外層のコア層を共通の信号
伝送路として用いる。但し、信号伝送に用いるコア層数
(m)はファイバのコア層数(n)以下である(m≦
n)。よって、外層が1層の場合は該外層のコア層を、
外層が2層の場合には内側より1層或いは2層のコア層
を、外層が3層の場合には内側より1〜3層のコア層
を、適宜選択して中心層のコア層と合わせて共通の信号
伝送路として用いる。ここで、信号伝送に用いる外層の
コア層数が当該ファイバの外層のコア層数未満である場
合(m<n)には、信号伝送に用いないコア層とその外
側のクラッド層は保護層などの他の用途として用いられ
ることを意味する。例えば、信号伝送にかかる最外層の
コア層(最外伝送コア層)の外径が小さい場合には、フ
ァイバ径を太くして機械的強度を付与したり、被覆樹脂
層7の被覆が高温である場合に断熱層として耐熱性を保
持させたりするために該外層を用いる。
【0021】また、本発明に用いられるプラスチック光
ファイバの最外伝送コア層の外径は、高速通信を行う上
で、データリンクの受光素子の有効直径の近傍に設定す
ることが結合効率が良く、好ましい。そのために現在利
用可能なpinフォトダイオードのデータから見て、転
送速度が100Mbpsまでは上記外径が1.0mm程
度、500Mbpsまでは0.8mm程度、1.5Gb
psまでは0.4mm程度であるので、最外伝送コア層
の外径は0.3〜1.0mmが好ましい。
【0022】また、中心のコア層の直径及び外層のコア
層の厚さは、曲げによる光ロスを小さくするためには、
100〜300μmとすることが好ましく、コア層数
は、データリンクの受光素子の直径に適合するように設
定することが好ましい。また、コア層を分割するクラッ
ド層の厚さは、光信号を光学的に全反射させるために2
μmは必要であり、好ましくは2〜15μmとして、フ
ァイバ端面における有効入射面積のロスを小さく抑え
る。本発明にかかるファイバ断面において、最外伝送コ
ア層の外径の円の面積において、クラッド層の占める割
合は好ましくは0.1〜5.0%、望ましくは2%以下
となるように設定する。
【0023】本発明にかかる多層コアプラスチック光フ
ァイバの曲げによる光ロスは、ファイバのNAと、コア
層の外径、コア層の厚さから決まるが、500MHzを
超えるような高速通信においては、最外伝送コア層の外
径も0.3mm程度に小さくする必要があり、且つ、そ
の中でさらにクラッド層を用いてコア層を分割すること
で、曲げによる光ロスを十分に小さくすることができ
る。特に、中心のコア層は最も明るい光源の中央部分の
光を高密度に閉じ込める効果が大きい。
【0024】本発明に用いられるプラスチック光ファイ
バの製造方法としては、従来用いられていた複合紡糸ダ
イに、溶融したコア樹脂、クラッド樹脂を各層の断面積
に応じた流量比率で供給してストランド(素線)を形成
し、これに1.3〜3倍程度の延伸処理を施してプラス
チック光ファイバ裸線とし、さらに、通常は、該裸線に
定法に従い、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ビニ
リデンフロライド樹脂、ナイロン樹脂、ポリオレフィン
エラストマー樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ポ
リウレタン樹脂などからなる被覆樹脂層(図1の7)を
被覆し、ケーブルとして用いる。
【0025】本発明の光通信方法においては、多層コア
プラスチック光ファイバの材料や構造を適宜選択するこ
とによって、10m程度の短距離通信において、入射N
A0.65の光信号に対して、400MHz以上の広帯
域を達成し、ファイバの曲げによる光ロスも同条件で半
径10mmの棒に1回巻き付けた時(360°)の光ロ
スを3dB以下に抑えることができる。
【0026】尚、本発明における伝送帯域は、「新規産
業支援国際標準開発事業、プラスチック光ファイバの試
験評価方法の標準化」(平成12年3月、社団法人日本
化学工業協会発行)に記載されているパルス法により、
入射NA0.65の光をファイバの断面における最外伝
送コア層の外径にスポットが一致するように入射させて
測定した。
【0027】
【実施例】(実施例1)コア樹脂として、メルトフロー
インデックス(230℃、3.8kg荷重条件、以下、
メルトフローインデックスの測定条件は同じ)が2.0
g/10分、屈折率が1.492のPMMAを用いた。
クラッド樹脂としては、メルトフローインデックスが2
0g/10分のポリビニリデンフロライド樹脂と上記コ
ア樹脂との7:3(重量比)の混合樹脂を用いた。該混
合樹脂の屈折率は1.44、メルトフローインデックス
は18g/10分であった。
【0028】上記コア樹脂とクラッド樹脂を溶融押出機
に供給し、定量ポンプを用いてコア樹脂は1300ml
/h、クラッド樹脂は120ml/hの割合で複合紡糸
ダイに導入し、プラスチック光ファイバ素線を製造し
た。コア樹脂及びクラッド樹脂は、途中にある流量調節
弁で流量を調節し、ファイバ断面において中心層のコア
層の直径が400μm、クラッド層外径が410μm、
外層のコア層外径が1000μm、クラッド層外径が1
040μmとなるように調節した。
【0029】得られた素線に1.8倍の延伸処理と熱処
理を施し、ファイバ断面において中心層のコア層直径が
300μm、クラッド層外径が310μm、外層のコア
層外径が750μm、クラッド層外径が780μmのプ
ラスチック光ファイバ裸線を得た。得られた裸線に外径
が2.2mmとなるように黒色ポリエチレンを被覆し、
ケーブルとした。
【0030】上記ケーブルを10mとり、その一方の先
端面に外層のコア層外径まで入射光のスポットが照射さ
れるように、入射NA0.65の光を入射させて、伝送
帯域を前記したパルス法にて測定した。その結果、伝送
帯域は420MHzであった。
【0031】同様に、10mのケーブルに入射NA0.
65の光を入射させた状態で、半径10mmの棒に1回
巻き付けた時の光ロスは1.5dBであった。
【0032】(実施例2)コア樹脂としては実施例1で
用いたコア樹脂を用い、クラッド樹脂としては、実施例
1で用いたポリビニリデンフロライド樹脂と上記コア樹
脂との重量比を5:5に変更した混合樹脂を用いた。該
混合樹脂の屈折率は1.456であった。
【0033】これらの樹脂を実施例1と同様に溶融押出
機に供給し、複合紡糸ダイにて素線を製造し、延伸処理
と熱処理を施して、ファイバ断面において中心層のコア
層直径が200μm、クラッド層外径が210μm、外
層のコア層外径が390μm、クラッド層外径が400
μmのプラスチック光ファイバ裸線を得た。得られた裸
線に外径が1.5mmとなるように黒色ポリエチレンを
被覆し、ケーブルとした。
【0034】得られたケーブルを10mとり、実施例1
と同様にして伝送帯域と曲げによる光ロスを測定したと
ころ、伝送帯域は700MHz、曲げによる光ロスは
1.2dBであった。
【0035】(比較例1)コア樹脂としては実施例1と
同じコア樹脂を用い、第1クラッド樹脂としては屈折率
が1.46のフッ化メタクリレートとMMAの共重合
体、第2クラッド樹脂は屈折率が1.403のビニリデ
ンフロライドとテトラフロロエチレン(80モル:20
モル)の共重合体を用いた。
【0036】上記樹脂を定法に従い、複合紡糸ダイに供
給して複合紡糸し、延伸処理、熱処理を施して、ファイ
バ断面において中心のコア層直径が750μm、第1ク
ラッド層外径が765μm、第2クラッド層外径が78
0μmの2層クラッド構造のプラスチック光ファイバ裸
線を得た。得られた裸線に外径が2.2mmとなるよう
に黒色ポリエチレンを被覆し、ケーブルとした。
【0037】得られたケーブルを10mとり、該ケーブ
ルの一方の先端面において、コア層の外径まで入射光の
スポットが照射されるように、入射NAが0.65の光
を入射させて、伝送帯域をパルス法にて測定した。得ら
れた伝送帯域は270MHzであった。
【0038】また、実施例1と同様にして曲げによる光
ロスを測定したところ、1.3dBであった。
【0039】上記実施例1と比較例1より、本発明の光
通信方法によれば、10m程度の短距離通信において、
2層クラッド構造のファイバを用いた場合よりも広帯域
が得られ、且つ、曲げによる光ロスもほとんど遜色がな
いことがわかった。
【0040】(実施例3)クラッド樹脂として、メルト
フローインデックスが35g/10gで屈折率が1.4
1のフッ化メタクリレートとMMAとの共重合体を用い
た以外は、実施例1と同様にして、中心層のコア層直径
が300μm、クラッド層外径が310μm、外層のコ
ア層外径が750μm、クラッド層外径が780μmの
プラスチック光ファイバ裸線を得た。得られた裸線に黒
色ポリエチレン被覆を施し、外径が2.2mmのプラス
チック光ファイバケーブルを製造した。
【0041】得られたケーブルを10mとり、実施例1
と同様にして伝送帯域と曲げによる光ロスを測定したと
ころ、伝送帯域は220MHz、曲げによる光ロスは
0.7dBであった。
【0042】(比較例2)実施例3と同様のコア樹脂、
クラッド樹脂を用い、定法に従い、複合紡糸ダイに供給
して複合紡糸し、延伸処理、熱処理を施して、ファイバ
断面においてコア層直径が750μm、クラッド層外径
が780μmのプラスチック光ファイバ裸線を製造し
た。得られた裸線に外径が2.2mmとなるように黒色
ポリエチレンを被覆し、ケーブルとした。
【0043】得られたケーブルを10mとり、該ケーブ
ルの一方の先端面において、コア層の外径まで入射光の
スポットが照射されるように、入射NAが0.65の光
を入射させて、伝送帯域をパルス法にて測定した。得ら
れた伝送帯域は215MHzであった。
【0044】また、実施例1と同様にして曲げによる光
ロスを測定したところ、1.2dBであった。
【0045】上記実施例3と比較例2より、本発明の光
通信方法によれば、10m程度の短距離通信において、
コア層が1層のファイバを用いた場合に比べて伝送帯域
はほとんど変わらないものの、曲げによる光ロスが大幅
に改善されていることがわかった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コア層を多層化したプラスチック光ファイバを用い、複
数層のコア層を共通の信号伝送路として用いたことによ
り、曲げによる光ロスが低減された上で広帯域化が図ら
れ、短距離における実用的な高速通信が可能となる。L
Dはもちろんのこと、特に、LEDを光源とするような
広角度の入射光においても400MHz以上の広帯域が
実現することから、プラスチック光ファイバ用光源部品
の品質のばらつきや、ファイバの組み立て作業が容易に
なり、部品コストや組立コストの面で大幅に経済性を追
求することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるプラスチック光ファイバの
一例の断面模式図である。
【符号の説明】
1、3、5 コア層 2、4、6 クラッド層 7 被覆樹脂層 11 中心層 12、13 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/135 10/13 10/12 Fターム(参考) 2H050 AA14 AB43Z AB47Y AC28 AC36 AD16 4J002 BD14W BG06X GP02 5K002 FA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、中心に位置するコア層とそ
    の周囲を取り囲むクラッド層からなる中心層の周囲に、
    断面が同心円状になるように配置したコア層とクラッド
    層からなる外層をn層(nは1〜3の整数)有し、クラ
    ッド層を構成する透明なクラッド樹脂がコア層を構成す
    る透明なコア樹脂よりも屈折率が低い多層コアプラスチ
    ック光ファイバを用い、上記中心層のコア層及び内側よ
    りm層(mは1〜3の整数、但し、mはn以下)の外層
    のコア層を共通の信号伝送路として用いることを特徴と
    する光通信方法。
  2. 【請求項2】 上記多層コアプラスチック光ファイバ
    が、コア樹脂がポリメチルメタクリレート系樹脂、信号
    伝送に用いる最外層のコア層の外径が0.3〜1.0m
    m、該コア層の外径を直径とする円の面積に占めるクラ
    ッド層の断面積の割合が0.1〜5.0%で、外側に被
    覆樹脂層を有するケーブルであり、該ケーブル10mに
    おいて、入射光を上記コア層の外径に対応して入射NA
    0.65で入射させた時の伝送帯域が400MHz以上
    であり、曲げ半径10mmで360°曲げた際の光ロス
    が3dB以下である請求項1に記載の光通信方法。
  3. 【請求項3】 上記クラッド樹脂が、ビニリデンフロラ
    イド系樹脂とポリメチルメタクリレート系樹脂との混合
    物であり、20℃においてナトリウムD線で測定した屈
    折率が1.43〜1.47である請求項1または2に記
    載の光通信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021119413A (ja) * 2017-08-31 2021-08-12 旭化成株式会社 プラスチック光ファイバ、プラスチック光ファイバケーブル、コネクタ付プラスチック光ファイバケーブル、光通信システム、及びプラスチック光ファイバセンサ

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