JP2002267866A - プラスチック光ファイバ、プラスチック光ケーブル及び光信号伝送方法 - Google Patents

プラスチック光ファイバ、プラスチック光ケーブル及び光信号伝送方法

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JP2002267866A
JP2002267866A JP2001063022A JP2001063022A JP2002267866A JP 2002267866 A JP2002267866 A JP 2002267866A JP 2001063022 A JP2001063022 A JP 2001063022A JP 2001063022 A JP2001063022 A JP 2001063022A JP 2002267866 A JP2002267866 A JP 2002267866A
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sheath
optical fiber
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sheath layer
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JP2001063022A
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English (en)
Inventor
Toshinori Sumi
敏則 隅
Shinji Kake
伸二 掛
Yoshihiro Tsukamoto
好宏 塚本
Tetsuya Chigami
哲哉 地紙
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステップインデックス型プラスチック光ファ
イバにおいて、伝送損失の増大および曲げ損失の増大を
抑制しつつ、伝送帯域の広帯域化を達成できるようにす
る。 【解決手段】プラスチック材料からなる光ファイバであ
って、芯10と、芯10の周囲に設けられた2層以上の
鞘層11a、11bとからなる光伝送部20を1個以上
有し、光伝送部20の周囲には1層以上の保護層12が
設けられており、鞘層11a、11bのうち最も内側の
第1の鞘層11aの屈折率は芯10の屈折率より低く、
第1の鞘層11aよりも外側に設けられている鞘層11
bの屈折率は第1の鞘層11aの屈折率以上であり、最
内の保護層12の屈折率は最外の鞘層11bの屈折率よ
り低いプラスチック光ファイバ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステップインデッ
クス型プラスチック光ファイバ(以下SI型POFと略
す)と同様の光学的機能を有し、従来のSI型POFに
比べ、より低損失でより広い伝送帯域を有する光信号伝
送用のプラスチック光ファイバ及びこれを用いてなるプ
ラスチック光ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック光ファイバ(以下POFと
略記することもある)は、柔軟で折損し難いため、比較
的小さい曲げ半径で曲げることが可能であり、端面処理
も容易かつ安価である。このため、POFは光センサ
ー、通信、照明用の光伝送体として広く用いられてお
り、特に最近では、大容量光通信に対応するために伝送
帯域の広帯域化が要求されている。
【0003】図8に、従来の一般的なPOFの例を示
す。この例のPOFは、高屈折率のプラスチック材料か
らなる芯10の周囲に、芯10よりも低屈折率のプラス
チック材料からなる鞘層11が形成されており、鞘層1
1の周囲に保護層12が形成されている。
【0004】POFの伝送帯域とPOFの開口数(N
A)には、一般に下記数式(1)で示すような比例関係
があり、開口数(NA)を小さくすれば伝送帯域を広帯
域化することができる。開口数は下記数式(2)で表さ
れる。 帯域〜2C・n1/(NA)2…(1) C:光速 開口数=(n12− n22)0.5…(2) n1:芯屈折率 n2:鞘屈折率 NA:開口数
【0005】例えば、特開平9−159844号公報に
は、芯と鞘の屈折率差を小さくして開口数を0.4〜
0.1程度に小さくすることによって、SI型POFを
広帯域化できることが開示されている。しかし、このよ
うに芯と鞘の屈折率差を小さくしたPOFは、小さな曲
げ半径で曲げた場合に、芯を伝播する光が鞘から漏出す
る漏出光が多いため、曲げによる損失増加が大きいのが
欠点である。そこで上記公報には、鞘の外層に、該鞘よ
りも屈折率が低い第2鞘層を設けることによって、鞘と
第2の鞘層との界面で鞘から漏出する光を反射して光伝
送部分に戻すことが記載されている。
【0006】一方、POFの伝送帯域を低下させる原因
として、鞘層(或いはクラッド層)で反射されない高次
伝送モード光がPOF内を伝播してしまうことが挙げら
れる。これに対しては、特開平11−153722号公
報に、鞘層に可視光及び近赤外光領域の内の特定波長域
の光のみを吸収する吸収剤を添加して、高次伝送モード
光が鞘を貫通伝播する際に減衰させることによって、広
帯域化を図る方法が開示されている。
【0007】しかしながら、前述のように、広帯域化の
ためにNAを小さくし、かつ曲げ損失抑制のために鞘の
外層に第2の鞘層を設けたPOFにあっては、高次伝送
モード光も鞘と第2の鞘層との界面で反射されて光伝送
部分に戻ってしまうため、第2の鞘層内で高次伝送モー
ド光を減衰させる方法を適用することは難しかった。こ
れに対して、芯と第2の鞘層との間の鞘の光透過性を低
くすることによって、この鞘内で高次伝送モード光を減
衰させることが考えられる。しかしながら、実際には、
芯と鞘との界面において、光は鞘に若干もぐり込んだ状
態で反射されるので、鞘の光透過性を低くすると、本来
減衰させてはいけない低次伝送モード光をも鞘内で減衰
させてしまうことなり、結果的にPOFの伝送損失増加
を招いてしまう。また、鞘の光透過性を低くすると、曲
げにより光伝送部分から漏出し鞘と第2の鞘層との界面
で反射された光も、鞘内で減衰されてしまうことにな
り、第2の鞘層を設けたことによる曲げ損失抑制の効果
が得られなくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、SI型P
OFの伝送帯域を広帯域化するための従来の技術では、
NAを小さくした広帯域SI型POFにおいて、高次伝
送モードを減衰させてより広帯域化を図ろうとすると、
伝送損失および曲げ損失の増大を招くことになり、特性
に優れた広帯域SI型POFを得ることができなかっ
た。そこで、本発明の目的は、上記従来の広帯域SI型
POFの欠点を解消すること、即ち、伝送損失の増大お
よび曲げ損失の増大を抑制しつつ伝送帯域の広帯域化を
達成できるようすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、 1)プラスチック材料からなる光ファイバであって、芯
と、該芯の周囲に設けられた2層以上の鞘層とからなる
光伝送部を1個以上有し、前記光伝送部の周囲には1層
以上の保護層が設けられており、前記鞘層のうち最も内
側の第1の鞘層の屈折率は前記芯の屈折率より低く、前
記第1の鞘層よりも外側に設けられている鞘層の屈折率
はいずれも前記第1の鞘層の屈折率以上であり、前記保
護層のうち最も内側の第1の保護層の屈折率は最外の鞘
層の屈折率より低いことを特徴とするプラスチック光フ
ァイバ。 2)前記光伝送部の直径が40〜1000μmであるこ
とを特徴とする1)記載のプラスチック光ファイバ。 3)前記第1の鞘層の屈折率が前記芯の屈折率よりも
0.003〜0.04低いことを特徴とする1)記載の
プラスチック光ファイバ。 4)前記2層以上の鞘層のうち、最も内側の第1の鞘層
の光透過度が最も高いことを特徴とする1)記載のプラ
スチック光ファイバ。
【0010】5)プラスチック材料の光透過度を評価す
る方法として、評価対象のプラスチック材料からなる中
心層の周囲に、該中心層よりも屈折率が0.003以上
低いプラスチック材料からなる厚さ10μmの被覆層を
形成してなる直径1000μmの被測定用プラスチック
光ファイバに対して、開口数0.1、波長帯域500〜
700nmの光を入射させて伝送損失の値を測定する方
法を用いるとき、前記波長帯域における伝送損失の最小
値が1000dB/km以下であるプラスチック材料を
前記第1の鞘層の構成材料として用いてなることを特徴
とする1)〜4)のいずれかに記載のプラスチック光フ
ァイバ。 6)プラスチック材料の光透過度を評価する方法とし
て、評価対象のプラスチック材料からなる中心層の周囲
に、該中心層よりも屈折率が0.003以上低いプラス
チック材料からなる厚さ10μmの被覆層を形成してな
る直径1000μmの被測定用プラスチック光ファイバ
に対して、開口数0.1、波長帯域500〜700nm
の光を入射させて伝送損失の値を測定する方法を用いる
とき、前記波長帯域における伝送損失の最大値が500
0dB/km以上であるプラスチック材料を、前記第1
の鞘層よりも外側の鞘層のうちの少なくとも1層の構成
材料として用いてなることを特徴とする1)〜5)のい
ずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
【0011】7)前記鞘層の層数が2層であることを特
徴とする1)〜6)のいずれかに記載のプラスチック光
ファイバ。 8)前記保護層の層数が1層であることを特徴とする
1)〜7)のいずれかに記載のプラスチック光ファイ
バ。 9)前記保護層の層数が2層であり、最外の保護層を構
成するプラスチック材料として、該プラスチック材料か
らなる厚さ10μmのフィルムに500〜700nmの
光を透過させたときの光線透過率が50%以下であるプ
ラスチック材料を用いてなることを特徴とする1)〜
7)のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。 10)前記第1の鞘層の厚さが2μm以上であることを
特徴とする1)〜9)のいずれかに記載のプラスチック
光ファイバ。 11)1)〜10)のいずれかに記載のプラスチック光
ファイバの周囲に熱可塑性樹脂からなるケーブル被覆層
を設けてなることを特徴とするプラスチック光ケーブ
ル。 12)1)〜10)のいずれかに記載のプラスチック光
ファイバまたは11)に記載のプラスチック光ケーブル
の一端に発光素子を配置し、他端に受光素子を配置して
光信号を伝送することを特徴とする光信号伝送方法。に
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のプラスチック光ファイバは、SI型POFと同
様の光学的機能を有し伝送帯域が広帯域化されたもので
ある。したがってこのような特性を有する本発明のプラ
スチック光ファイバを、以下HPOFと略記することも
ある。図1は本発明のHPOFの第1の実施形態を示し
たものである。本実施形態のHPOFは、芯10の周囲
に第1の鞘層11aおよび第2の鞘層11bが順次形成
され、さらに第2の鞘層11bの周囲に1層の保護層1
2が形成されたものである。本明細書において、芯10
および複数層の鞘層11a、11bからなる部分を光伝
送部20という。
【0013】芯10は、光を伝搬する機能を有し、主た
る光伝送路を構成するものである。芯10を構成する材
料としては、公知の透明性の優れた樹脂を使用でき、ポ
リメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、フッ素系樹脂、非晶質ポリオレフィ
ン系樹脂などが例示され、特に透明性の優れたポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)系樹脂が好ましい。ここ
で言うPMMA系樹脂とはPMMAのホモポリマ並びに
MMAと他のモノマの共重合体を意味するが、共重合成
分としてはベンジルメタクリレート(BzMA),フェ
ニルメタクリレート,シクロヘキシルメタクリレート等
のメタクリレート系モノマ、メチルアクリレート,エチ
ルアクリレート,ブチルアクリレート等のアクリレート
系モノマ、スチレン,安息酸ビニル等のMMAと共重合
可能なビニル系モノマを使用することができる。
【0014】共重合体(PMMA系樹脂)の組成は、芯
10の屈折率,ガラス転移温度,賦形時の流動性の観点か
ら適宜選択されるが、共重合成分によっては目視では透
明でもHPOFの伝送損失を著しく増大させる場合があ
る。このため、共重合成分として伝送損失的に優れるB
zMA、3FM(2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレ
ート)、4FM(2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタ
クリレート)、5FM(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロ
ピルメタクリレート)を用いることが好ましい。共重合
成分の割合はPMMAの特性を大きく損なわない範囲で
選ばれるが、BzMA、3FM、4FM、5FMの場
合、MMAとの共重合では、広い組成比において良好な
伝送損失が維持される。従ってBzMA、3FM、4F
M、5FMとMMAとの組合せでは、それぞれのモノマ
ーから任意の組成で共重合させて得られる共重合体を好
ましく用いることができる。
【0015】本発明においてはHPOFの第1の鞘層1
1aの屈折率は、芯10よりも0.003〜0.04低
いことが好ましい。 本発明においてはHPOFの芯と
第1の鞘層11aで規定される開口数(NA)が0.3
5より大きくなると、従来のNA=0.5前後のファイ
バに対する帯域向上効果が小さくなるので、NAは0.
35以下であることが好ましく、0.3以下であること
がより好ましい。例えばPMMAを芯材とした場合、鞘
材の屈折率は1.477以下であることが好ましい。図
1のように芯が1つのみである場合、NAが小さくなる
と曲げ損失、結合特性などの実用特性の低下が懸念され
ることから、NAは0.2以上であることが好ましい。
例えばPMMAを芯材とした場合、第1の鞘層11aの
屈折率は1.45以上であることが好ましく、1.45
5以上であることがより好ましい。芯10の直径は、小
さ過ぎると光源との結合効率が落ちるおそれがあり、大
き過ぎるとPOFの特徴である柔軟性がなくなる傾向が
あるので、0.5〜2.0mmの範囲とすることが好ま
しく、0.5〜1.5mmの範囲とすることがより好ま
しい。
【0016】第1の鞘層11aは、芯10と第1の鞘層
11aとの界面で、開口数(NA)以下の低伝送モード
光を全反射させて、芯10内を伝搬させる機能を有す
る。第1の鞘層11aの材料としては、従来のPOFに
おいて鞘材として公知のものを用いることができる。例
えば、フッ素化メタクリレート、α−フルオロメタクリ
レート等のフッ素化ビニル化合物からなる重合体やこれ
らのモノマとMMAの共重合体、フッカビニリデン系共
重合体等が挙げられる。好ましい鞘材は、MMA, Bz
MA、長鎖フルオロメタクリレート,短鎖フルオロメタ
クリレート,及びメタクリル酸(MAA)からなる群か
ら選択される2つ以上のモノマを重合して得られる2元
〜4元共重合体であり、機械的強度及び透明性の観点か
らは、BzMA、長鎖フルオロメタクリレートもしくは
短鎖フルオロメタクリレート、及びMMAからなる三元
共重合体、またはこれにMAAを加えた4元共重合体が
好ましい。また、特に低伝送損失化から好ましい鞘材と
しては、長鎖フルオロメタクリレートもしくは短鎖フル
オロメタクリレートとMMAとからなる2元共重合体や
さらにMAAを加えた3元共重合体を用いることが好ま
しい。長鎖フルオロメタクリレートとしては17FMを
用いることが好ましく、短鎖フルオロメタクリレートと
しては3FM、4FM、もしくは5FMを用いることが
好ましい。
【0017】第1の鞘層11aは光透過性に優れた材料
で構成することが好ましい。具体的には、第1の鞘層1
1aを構成するプラスチック材料の光透過度を評価する
方法として、評価対象のプラスチック材料で中心層を形
成し、この中心層の周囲に、中心層より屈折率が0.0
03以上低いプラスチック材料からなる厚さ10μmの
被覆層を形成して直径1000μmのプラスチック光フ
ァイバを作製し、このプラスチック光ファイバに対し
て、開口数0.1、波長500nm〜700nmの光を
入射させて伝送損失の値を測定する方法を用いるとき、
第1の鞘層11aを構成するプラスチック材料の上記の
波長帯域(500nm〜700nm)における伝送損失
の最小値が1000dB/km以下であることが好ましく、
500dB/km以下であることがより好ましく、30
0dB/km以下であることが特に好ましい。第1の鞘
層11aの光透過性が低い(伝送損失が大きい)ほど、
芯10と第1の鞘層11aとの界面で低次伝送モード光
が全反射する際に、第1の鞘層11aにもぐり込んだ低
次伝送モード光の減衰量が大きくなってしまう。
【0018】上記に好適な鞘材として挙げたプラスチッ
ク材料は、上記波長帯域における伝送損失の最小値が1
000dB/km以下程度の光透過度を達成できる。ま
たPMMA系樹脂との接着性も良いので、芯材としてP
MMA系樹脂を用いた場合には、芯10と第1の鞘層1
1aとの界面での剥離が生じにくく、曲げ機械特性に優
れたHPOFが得られる。具体的には、既知の芯材用P
MMA製造設備および処方を用いて連続塊状共重合を行
なったMMAと4FMの共重合体は、その組成比をMM
A/4FM=60〜80/40〜20mol%の範囲とす
ると、上記の光透過度の評価方法における伝送損失が2
00dB/km以下の組成物とすることができる。また、特
に、芯10の構成材料としてBzMA、3FM、4F
M、及び5FMの少なくとも一つとMMAとの共重合体
を用いた場合、第1の鞘層11aの構成材料を、芯10
とは組成比が異なる共重合体、即ち芯10を構成する共
重合体よりも屈折率が低くなるように組成比を変えた共
重合体を用いることが好ましい。このようにすれば、芯
10および第1の鞘層11aが同族系列の樹脂からなる
ので、芯10と第1の鞘層11aとの界面での接着性に
優れ、曲げ機械特性に優れたHPOFを得ることができ
る。
【0019】第1の鞘層を構成するプラスチック材料の
調製方法としては、光透過性の面からは連続塊状重合や
連続溶液重合が好ましいが、使用する原料、共重合成比
によっては原料の精製、異物混入防止、除去を十分行
い、かつクリーンな環境下でバッチ重合を行い、粉砕等
の処理を行えば上記の光透過度を満足できす材料を得る
ことが可能である。その一例としては、短鎖フルオロメ
タクリレートとして4FMを用いてMMAと共重合して
得られる2元共重合体が挙げられる。
【0020】第1の鞘層11aの厚さは、芯10と第1
の鞘層11aとの界面で、これらの屈折率差によって決
まる開口数以下の低次伝送モード光が全反射する際に、
鞘層11aにもぐり込んだ光が第1の鞘層11aを貫通
してしまわない程度の厚さが必要である。例えば、HP
OFの開口数が0.35以下である場合、第1の鞘層1
1aの厚さは1μm以上あれば良いと考えられる。しか
し、あまり薄くすると被覆斑等によって局所的に鞘厚さ
が1μm以下となったり、第1の鞘層11aが被覆され
ない部分が発生して、HPOFの光伝送特性を損なう恐
れがあるため、第1の鞘層の厚さは2μm以上とするこ
とが好ましく、3μm以上とすることがより好ましく、
5μm以上とすることが特に好ましい。また、芯10を
PMMA樹脂で構成した場合、500〜700nmの波
長帯域に光伝送損失が少ない波長帯域が存在するので、
この波長帯域を伝送する光の波長帯域とするのが好まし
い。
【0021】本実施形態において、第2の鞘層11b
は、芯10と第1の鞘層11aとの界面を貫通する、定
常的に漏洩する高次伝送モード光を減衰させる機能を有
する。第2の鞘層11bを構成するプラスチック材料
は、第1の鞘層11aを構成するプラスチック材料と屈
折率が同じかそれよりも大きければよく、上記に挙げた
第1の鞘層11aの鞘材と同じ組成のもの、もしくは屈
折率がそれより高くなるように組成比を変えたものを用
いることができる。また、例えば芯10と同じ材料を使
用することもできる。
【0022】第2の鞘層11bは、その光透過性が第1
の鞘層11aの光透過性よりも低くなるように構成する
ことが好ましい。具体的には、第2の鞘層11bを構成
するプラスチック材料の光透過度を評価する方法とし
て、評価対象のプラスチック材料で中心層を形成し、こ
の中心層の周囲に、中心層より屈折率が0.003以上
低いプラスチック材料からなる厚さ10μmの被覆層を
形成して直径1000μmのプラスチック光ファイバを
作製し、このプラスチック光ファイバに対して、開口数
0.1、波長500nm〜700nmの光を入射させて
伝送損失の値を測定する方法を用いるとき、上記の波長
帯域(500nm〜700nm)における伝送損失の最
大値が5000dB/km以上であることが好ましい。プラ
スチック材料の光透過性を低くする手法としては、プラ
スチック材料に、全波長域または光信号伝送に用いられ
る光源の発光波長域の光を吸収する性質を有する染料や
顔料を添加したり、鞘材重合過程において、相分離を生
じさせるモノマの組合せや共重合成比を用いたり、相分
離を促進させる添加剤を添加する方法がある。
【0023】本実施形態においては、第2の鞘層11b
を構成するプラスチック材料の光透過性が低いほど、ま
た第2の鞘層11bの厚さが厚いほど、第2の鞘層11
bにおける高次伝送モード光の減衰効果は高くなる。第
2の鞘層11bが薄すぎると、第2の鞘層11bに到達
する高次伝送モード光の減衰効果が不十分となる。した
がって、第2の鞘層11bの厚さの下限は、第2の鞘層
11bを構成するプラスチック材料によって異なるが、
均一被覆する点からの好ましい鞘層の厚さは範囲は2μ
m以上、好ましくは5μm以上が望ましい。例えば第2
の鞘層11bを構成するプラスチック材料の光透過度
が、上記の評価方法における伝送損失の最大値が約50
00dB/km程度である場合、光伝送部20の直径が約1
000μmのHPOFにおいて高次伝送モード光の減衰
効果を十分発揮させるには、第2の鞘層11bの厚さは
約20μm以上とすることが好ましい。一方、第2の鞘
層11bの構成材料として上記の評価方法における伝送
損失が約20000dB/km程度となる樹脂を用いた場合
には、同じ効果を発揮させるには約5μm以上とするこ
とが好ましい。ただし、鞘材が脆性材料の場合、その厚
さを厚くしすぎるとHPOFを小さな曲げ半径で曲げた
りした際に鞘にクラックが発生し、光学的特性を損なう
場合があるので、第2の鞘層11bの厚さは50μm以
下とすることが好ましく、30μm以下とすることがよ
り好ましく、25μm以下とすることが特に好ましい。
【0024】保護層12は、光伝送部20が外的要因に
より損傷を受けるのを防ぐとともに、定常漏洩高次伝送
モード光や、HPOFの曲げ等により漏出した低次伝送
モード光を、第2の鞘層11bと保護層12との界面で
反射させる機能を有する。保護層12を構成する材料
は、第2の鞘層11bよりも低屈折率のものが用いら
れ、好ましい材料として、例えばVDF(フッ化ビニリ
デン)とTFE(テトラフルオロエチレン)の2元系の
共重合体、あるいは更に1成分を加えた3元系の共重合
体等が挙げられるが、これに限定はされない。保護層1
2の屈折率が第2の鞘層11bよりも高いとHPOFの
曲げ等により漏出した低次伝送モード光が鞘層と保護層
の界面で反射されず透過してしまうおそれがある。ま
た、保護層に用いられる材料は一般的に高価であるた
め、保護層12の厚さが厚すぎると材料コストが高くな
る。一方、保護層12の厚さが薄すぎると均一な被覆が
難しくなり、また、保護層12に到達した光が界面にお
いて保護層12に若干もぐり込んで保護層を貫通し、外
へ漏れ出すことになり、結果的にPOFの伝送損失増加
を招いてしまう。保護層12の厚さは3〜50μmが好
ましく、5〜20μmがより好ましい。
【0025】本発明のHPOFにおいて、芯10の直径
を小さく設計することによって構造的に曲げ損失増加を
低減させることができるが、一方で芯10の直径が小さ
くなるほど一定長のHPOFの芯鞘界面での光の全反射
回数が多くなるため、第1の鞘層11aでの光の吸収や
散乱の影響をより多く受けることになり伝送損失が増大
する。したがって、好ましい光伝送特性を得るのに好適
な芯10の直径の大きさは、入射光の開口数や波長にも
よるが、40〜1000μmの範囲で設定することが好
ましい。具体的には、本実施形態のHPOFに入射させ
る入射光の開口数を0.1とし、入射光の波長を、一般
にPOFでの光信号伝送に用いられる波長650nmと
した場合、芯10の直径を40μm以上とすると伝送損
失を170dB/km以下に抑えることができ、70μm以
上とすると伝送損失を150dB/km以下に抑えることが
でき、150μm以上とすると130dB/km以下に抑え
ることができる。
【0026】さらに、HPOFの長さ方向における各層
の直径変動が小さいことが好ましい。HPOFを構成し
ている芯10、第1の鞘層11a、または第2の鞘層1
1bに直径変動がある場合には、最外層である保護層1
2の直径にも変動が生じる。したがって、長さ50mの
HPOFについて10mm毎にHPOFの直径を測定し
た値の標準偏差を、その直径の測定値の平均値で除した
値である直径CV値を好ましくは2%以下、さらには1
%以下に抑えることが好ましい。HPOFを構成してい
る各層の厚みに変動があると、光伝送路20の直径が変
動し、伝送光が全反射を起こす界面が中心軸に対して傾
くので次のような不都合が生じる。
【0027】例えば光の進行方向に向かって、芯10の
直径が拡大している場合、芯10と第1の鞘層11aと
の界面で反射する光は、中心軸に対する反射角度が小さ
くなるので、本来は第1の鞘層11aを貫通して減衰さ
れるはずの高次伝送モード光が芯10内を伝播可能とな
る。逆に、光の進行方向に向かって芯10の直径が縮小
している場合、芯10と第1の鞘層11aとの界面で反
射する光は、中心軸に対する反射角度が大きくなり、本
来は芯10内を伝播しなければならない低次伝送モード
光が第1の鞘層11aを貫通し減衰されてしまうことに
なる。そして、このようなHPOFの直径変動に起因し
た伝送光の伝播状態および減衰は、HPOFの伝送損
失、伝送帯域に影響を及ぼしてしまう。HPOFの直径
変動発生原因としては、紡糸時における、各層を構成す
る樹脂の紡糸ノズルへの樹脂供給量の変動や引き取り速
度の変動があり、紡糸工程で発生した直径変動は加熱延
伸処理によって増幅される。特に加熱延伸炉の長さ以下
の波長の直径変動成分が強く増幅され、延伸倍率が高い
ほど、また巻き取り速度が速いほどその増幅率は拡大す
る傾向にある。それを効果的に抑制するための具体的な
方法については、下記の製造方法の説明の項で述べる。
【0028】次に、本実施形態のHPOFの製造方法に
ついて説明する。本実施形態のHPOFは、通常の芯−
鞘−保護層といったような複合構造を持ったPOFの製
造方法と、鞘または保護層の層数が異なるだけでほぼ同
様な方法で製造可能である。例えば、線引き法によりH
POFを紡糸する方法や、押出機を用いて紡糸する方法
を用いることができる。具体的には、各層を構成するプ
ラスチック材料の原料モノマを順次重合積層化させた
り、各層を構成するプラスチック材料のポリマを溶融し
順次積層化させて、芯10となる層、第1の鞘層11a
となる層、第2の鞘層11bとなる層、および保護層1
2となる層が積層されたプリフォームを得、これをロッ
ド線引き装置で溶融しながら連続的に引き取るプリフォ
ームロッド線引法を用いることができる。あるいは、押
出機で連続的に原料ポリマを溶融し、必要に応じて脱揮
を行った芯10を構成する樹脂、第1の鞘層11aを構
成する樹脂、第2の鞘層11bを構成する樹脂、および
保護層12を構成する樹脂を、例えば図5に示すような
4層同心円状複合紡糸ノズルに定量ポンプによって計量
供給し、所定の層厚になるように複合化を行って多層構
造とした後、ノズルより吐出させ定速で引き取りながら
冷却を行う連続複合紡糸法を用いることもできる。図5
において、図中符号60は芯10を構成する樹脂の供給
口、61aは第1の鞘層11aを構成する樹脂の供給
口、61bは第2の鞘層11bを構成する樹脂の供給
口、および62は保護層12を構成する樹脂の供給口を
それぞれ示す。
【0029】このとき、伝送損失が良好なHPOFを得
るためには、芯材は、連続塊状重合により得られた重合
体を溶融状態のまま、紡糸ノズルに供給することが好ま
しいが、次のようにして、外部からの異物混入をできる
だけ防止した方法で、ペレット化した後、連続溶融脱気
押出して紡糸ノズルに供給してもよい。すなわち、まず
連続塊状重合で重合され溶融状態で連続的にベント脱揮
が行なわれた溶融芯材を、ダイスから、雰囲気がクラス
約100に保持されたクリーンブース内で、半導体の製
造に用いられるレベルの超純水が供給されている冷却水
槽内へ吐出させ、ペレタイザーで一定速度で引き取りな
がら冷却固化、引き続いて切断ペレット化を行う。前記
ペレタイザーは、樹脂が接する部分であって切断刃以外
の部分にはTiN(窒化チタン)コーティングが施され
ており、切断刃にはダイヤモンドコーティングが施され
ている。また、切断部には0.01μmのろ過精度のフ
ィルターでろ過された窒素が吹き込まれる構造を有す
る。このようにして得られたペレットはサニタリータン
クに投入し、充填が完了した後に密閉し保管する。この
サニタリータンクは、材質がSUS304からなり、
0.01μmのろ過精度のフィルターでろ過された窒素
が吹き込まれ、かつサニタリーバルブによって外気と内
部とが遮断可能となるように構成されている。そしてH
POF製造時には、芯材溶融用の1ベント脱揮押出機の
樹脂供給部に直結されたホッパーに芯材ペレットを投入
し、消費された分だけペレットを補充しながら連続溶融
脱揮押出して溶融芯材を得るものである。前記ホッパー
は、雰囲気がクラス約100に保持されたクリーンブー
ス内に設置されており、材質はSUS304で、内面に
はTiNコーティングが施されている。芯材としてPM
MAを用いた場合、このようにしてHPOFを製造する
と、光源の開口数(NA)が0.1の光源を用い、波長
650nmで測定したときの伝送損失を150dB/km以
下とすることが可能である。
【0030】ところで、HPOFの伝送損失増大や帯域
低下の要因となる直径変動の発生原因としては、紡糸時
の各層樹脂の紡糸ノズルへの樹脂供給量の変動や引き取
り速度変動がある。したがって、HPOFの直径変動を
抑制するには次のような方法が有効である。すなわち、
紡糸時の各層樹脂の紡糸ノズルへの樹脂供給量の変動や
引き取り速度変動を検出し、それを駆動系にフィードバ
ックしながら紡糸を行う。あるいは、延伸工程で直径変
動増幅の大きな原因となるHPOFの加熱斑や、HPO
Fの昇温能力不足により、HPOFの温度が適正延伸温
度まで十分に上昇しない内にHPOFの伸張が始まって
しまうことを抑制するため、延伸炉内の熱風風速を高速
とし熱伝達率を向上させたり、高温な熱風や加熱ロール
によってHPOFを急速に予熱したりする。さらに、H
POFの加熱媒体として、加熱空気に比べ熱伝達率が極
めて高い加熱液体や加熱蒸気のような熱媒体を用いるこ
とことが好ましい。
【0031】本実施形態のHPOFは、芯10の周囲
に、芯10よりも低い屈折率を有する第1の鞘層11a
が設けられているので、芯10と第1の鞘層11aの屈
折率差で決定される開口数以下の低次伝送モード光は、
第1の鞘層11aと芯10との界面で全反射しながら伝
搬する。第1の鞘層11aを、光透過性に優れたプラス
チック材料で構成すれば、反射面(芯10と第1の鞘層
11aとの界面)から第1の鞘層11aへもぐり込んだ
低次伝送モード光の減衰を防ぐことができる。さらに第
1の鞘層11aの厚さを2μm以上とすれば、第1の鞘
層11aへもぐり込んだ低次伝送モード光が第1の鞘層
11aを貫通するのを防止して、低次伝送モード光の減
衰を効果的に防ぐことができる。
【0032】また第1の鞘層11aの外側には、屈折率
が第1の鞘層11aと同じか、第1の鞘層11aより高
い第2の鞘層11bが設けられているので、芯10と第
1の鞘層11aとの界面で全反射されない定常漏洩高次
伝送モード光は、第1の鞘層11a、第1の鞘層11a
と第2の鞘層11bとの界面、および第2の鞘層11b
を貫通することによって減衰される。第2の鞘層11b
を構成する材料の光透過性が低いほど、定常漏洩高次伝
送モード光の減衰量は大きい。また第2の鞘層11bの
厚さが厚いほど定常漏洩高次伝送モード光の減衰量は大
きい。すなわち、本実施形態のHPOFでは、第2の鞘
層11bの光透過性、及びその厚さを変えることで、低
次伝送モード光を減衰させることなく定常漏洩高次伝送
モード光の減衰率を任意に制御することができる。
【0033】また第2の鞘層11bの外側には、屈折率
が第2の鞘層11bよりも低い保護層12が設けられて
いる。したがって、HPOFの急峻な曲げ等により、本
来、芯10を伝搬されるべき低次伝送モード光が漏出し
た場合に、この漏出光の一部は第2の鞘層11bと保護
層12との界面で反射されて芯10に戻ることができる
ので、曲げによる伝送損失の増加を抑えることができ
る。また保護層12は光伝送部20を外的要因による損
傷から保護する機能も有している。また、芯10と第1
の鞘層11aとの界面で全反射されず貫通する定常漏洩
高次伝送モード光は、第1の鞘層11a、第1の鞘層1
1aと第2の鞘層11bとの界面、および第2の鞘層1
1bを貫通し、第2の鞘層11bと保護層12との界面
で反射されるので、第2の鞘層11bにおける減衰が効
率良く行われる。さらに第2の鞘層11bの屈折率を、
第1の鞘層11aの屈折率よりも高くすれば、第2の鞘
層11bと保護層12との界面で反射された定常漏洩高
次伝送モード光を第2の鞘層11b内に閉じこめて減衰
させることが可能である。
【0034】また、一般にPOFの光伝送部の直径を小
さくすると構造的に曲げ損失増加を低減させることがで
き、芯と鞘の屈折率差を少なくしPOFの開口数を小さ
くすることで広帯域化が可能となる。従来のPOFで
は、光伝送部直径を小さくするほど、一定長のPOFの
芯鞘界面での光の全反射回数が多くなるので、鞘部にも
ぐり込んだ光の減衰量が増大し易くなって、伝送損失が
増大するという問題があった。これに対して、本実施形
態のHPOFでは、第1の鞘層11aを光透過性に優れ
た材料で構成することにより、第1の鞘層11aにもぐ
り込んだ低次伝送モード光の減衰を抑えることができる
ので、上記のような光伝送部20の直径を小さくしたこ
とによる伝送損失の増大を抑えることができる。したが
って本実施形態によれば、良好な曲げ特性と良好な伝送
特性を同時に満たすHPOFを得ることができる。
【0035】さらに、本実施形態のHPOFは、芯10
と、第1の鞘層11aと、第2の鞘層11bと、保護層
12との合計4層からなっているので、比較的簡単な構
造で、伝送損失の増大および曲げ損失の増大を抑えつ
つ、伝送帯域の広域化を実現することができる。このよ
うな4層構造のHPOFは、ファイバ賦形が容易であ
り、紡糸のためのノズル構造も単純である利点を有す
る。
【0036】図2は、本発明の第2の実施形態を示した
ものである。本実施形態のプラスチック光ファイバは、
光ファイバ断面内に複数個の光伝送部20を有する多芯
HPOFである。すなわち本実施形態のHPOFは、光
ファイバ断面において、海部をなす一括保護層13内に
複数個の光伝送部20が島部をなすように配置された構
成を有する。光伝送部20は上記第1の実施形態におけ
る光伝送部20と同様に構成されている。一括保護層1
3は、複数個の光伝送部20の周囲を埋めて、全体が断
面円形となるよう一括的に被覆形成されている。この一
括保護層13は上記第1の実施形態における保護層12
と同じ材料を用いて形成され、上述の保護層12と同様
の機能を有する。また一括保護層13の屈折率および光
透過性も前述の保護層12と同様に設定される。光伝送
部20の径はHPOF中に配置される光伝送部20の個
数によって適宜決定されるものであるが、芯と芯との間
に複数の鞘層が存在しているため光伝送部の個数を著し
く増やすと光源との結合効率が悪くなる場合がある。従
って、本実施形態のHPOFを光通信用に用いる場合、
HPOF中に配置する光伝送部20の個数は600個以
下とすることが好ましい。また、HPOFの径は0.5
mm以上2mm以下とすることが好ましい。また、各芯
の径は、25μm以上250μm以下とすることが好ま
しい。芯径が25μm未満であると、光源との結合効率
が落ちるおそれがあり、250μmよりも大きくすると
HPOFに光伝送部20を充填することが困難となり、
やはり結合効率が落ちるおそれがある。
【0037】本実施形態の多芯HPOFを製造する方法
としては、例えば、押出機で連続的に原料ポリマを溶融
し、必要に応じて脱揮を行った芯10を構成する樹脂、
第1の鞘層11aを構成する樹脂、第2の鞘層11bを
構成する樹脂、および一括保護層13を構成する樹脂
を、例えば図6に示すような多芯用複合紡糸ノズルに定
量ポンプによって計量供給し、所定の層厚になるように
複合化を行った後、ノズルより吐出させ定速で引き取り
ながら冷却を行う連続複合紡糸法を用いることができ
る。図6において、図中符号60は芯10を構成する樹
脂の供給口、61aは第1の鞘層11aを構成する樹脂
の供給口、61bは第2の鞘層11bを構成する樹脂の
供給口、および63は一括保護層13を構成する樹脂の
供給口をそれぞれ示す。
【0038】本実施形態によれば、上記第1の実施形態
と同様の作用効果に加え、各芯10の直径を小さくする
ことにより曲げによる損失増加の抑制が可能となり、N
Aを小さくして広帯域化を図ることが可能となる。ま
た、複数個の芯10を断面内に配置することで、取り扱
い性がより向上し、かつ伝送可能光量を大きくすること
ができる。
【0039】図3は本発明の第3の実施形態を示したも
のである。本実施形態のHPOFが上記第1の実施形態
のHPOFと異なる点は、光伝送部20の周囲に2層の
保護層、すなわち内側から順に第1の保護層12aおよ
び第2の保護層12bが設けられている点である。光伝
送部20は上記第1の実施形態における光伝送部20と
同様に構成されている。本実施形態において、第1の保
護層12aは、その内側に隣接している第2の鞘層11
bよりも屈折率が低く、かつ外側に隣接している第2の
保護層12bよりも光透過性が高くなるように構成され
ている。第1の保護層12aの屈折率が高すぎると鞘層
を漏出した光を反射させる効率が悪くなるために第2の
鞘層より0.003以上低いことが好ましい。
【0040】第1の保護層12aを構成するのに好まし
いプラスチック材料としては、例えばVDF(フッ化ビ
ニリデン)とTFE(テトラフルオロエチレン)の2元
系の共重合体、あるいは更に1成分を加えた3元系の共
重合体等が挙げられる。また、第2の保護層12bを構
成するプラスチック材料としては、例えばVDFとTF
Eとの2元共重合体、あるいはVDF、TFE、並びに
HFP(ヘキサフルオロプロピレン)及びHFA(ヘキ
サフルオロアセトン)の少なくとも一方を用いた共重合
体等が挙げられる。第1の保護層12aの光透過性が高
すぎると通常使用時でも鞘層としての機能を発現してし
まい結果としてNAの大きいPOFとなってしまうた
め、第1の保護層12aの材料としては、そのプラスチ
ック材料を厚さ10μmのフィルムとした時に、500
nm〜700nmの光線透過率が70%以下となる、光
透過性が低いものを用いることが好ましく、光線透過率
が50%以下のものを用いることがより好ましい。共重
合体そのものの光透過性が高すぎる場合には、全波長域
または光信号伝送に用いられる光源の発光波長域の光を
吸収する性質を有する染料や顔料を添加することにより
光透過性を低くすることが可能である。一方、光透過性
が低すぎると、曲げたときに鞘層から漏洩する光を完全
に吸収してしまうために曲げ損が悪くなってしまうた
め、第1の保護層12aを構成する材料の光線透過率
は、30%以上とすることが好ましい。
【0041】本実施形態においては、HPOFの曲げ等
により芯10から漏出し、第1および第2の鞘層11
a、11bを貫通した低次伝送モード光が、第2の鞘層
11bと第1の保護層12aとの界面で反射されるた
め、光の減衰が抑えられ、曲げによる伝送損失がより低
減化される。また、最外層である第2の保護層12b
は、光透過性が低いので、外部からの光が光伝送部20
へ侵入するのを効果的に防止することができる。第2の
保護層12bとしては、上記の光線透過率が、50%以
下のものを用いることが好ましく、30%以下のものを
用いることがより好ましい。また、第2の保護層12b
は、第1の保護層12aより光透過性が低いことが好ま
しい。また、第2の保護層12bの屈折率は任意でよ
い。
【0042】これら保護層の厚さに関しては各層の厚み
を正確に制御するためには、ある程度の厚みが必要とな
りそれぞれの保護層の厚みは3μm以上であることが好
ましく、保護層全体の厚さが10〜30μmあることが
好ましい。
【0043】本実施形態のHPOFの製造方法として
は、例えば、押出機で連続的に原料ポリマを溶融し、必
要に応じて脱揮を行った芯10を構成する樹脂、第1の
鞘層11aを構成する樹脂、第2の鞘層11bを構成す
る樹脂、第1の保護層12aを構成する樹脂、および第
2の保護層12bを構成する樹脂を、例えば図7に示す
ような5層同心円状複合紡糸ノズルに定量ポンプによっ
て計量供給し、所定の層厚になるように複合化を行って
多層構造とした後、ノズルより吐出させ定速で引き取り
ながら冷却を行う連続複合紡糸法を用いることができ
る。図7おいて、図中符号60は芯10を構成する樹脂
の供給口、61aは第1の鞘層11aを構成する樹脂の
供給口、61bは第2の鞘層11bを構成する樹脂の供
給口、62aは第1の保護層12aを構成する樹脂の供
給口、62bは第2の保護層12bを構成する樹脂の供
給口をそれぞれ示す。
【0044】本実施形態によれば、保護層が多層構造と
なっており、最外層の保護層の光透過性が低く、最内の
第1の保護層は、これと隣接する第2の鞘層11bより
も屈折率が低く、かつ光透過性に優れた材料からなって
いるので、最外の鞘層(第2の鞘層11b)と最内の保
護層(第1の保護層12a)との界面において光を反射
させ、曲げ損失の増大を抑制できるとともに、外光がH
POF内部に進入するのを防ぐことができる。
【0045】なお、上記の各実施形態では鞘層を2層と
したが、鞘層を3層以上としてもよい。その場合、最も
内側の第1の鞘層の屈折率は、この第1の鞘層と芯との
界面で所望の低次伝送モード光が全反射されるように設
定され、それよりも外側の鞘層の屈折率は、第1の鞘層
と芯との界面で反射されなかった定常漏洩高次モード光
が各鞘層を貫通して最外の鞘層と保護層との界面に達す
るように設定される。また各鞘層の光透過性について
は、複数の鞘層のうち、最も内側の第1の鞘層の光透過
性が最も高くて、前述の光透過度の評価方法における伝
送損失の最小値が300dB/km以下となるように設計す
ることが好ましい。またこれより外側の鞘層のうち少な
くとも1層は、前述の光透過度の評価方法における伝送
損失の最高値が10000dB/km以上となるように設計
することが好ましい。また、これら鞘層の厚さは2μm
以上であることが好ましい。
【0046】また上記の各実施形態では保護層を1層ま
たは2層としたが、保護層を3層以上としてもよい。そ
の場合、最も内側の第1の保護層の屈折率は、この第1
の保護層と最外の鞘層との界面で、曲げにより漏洩した
光および定常漏洩高次モード光が全反射されるように設
定され、それより外側の保護層の屈折率は任意とするこ
とができる。また最外の保護層は、前述の光線透過率が
50%以下のプラスチック材料で構成することが好まし
い。また最内の第1の保護層は最外保護層と比べて光透
過性が高いことが好ましいが、最外および最内以外の保
護層の光透過性は任意とすることができる。さらに、こ
れら保護層の厚さに関しては各層の厚みを正確に制御す
るためには、ある程度の厚みが必要となりそれぞれの保
護層の厚みは3μm以上であることが好ましく、保護層
全体の厚さが3〜50μmであることが好ましく、10
〜30μmであることがより好ましい。
【0047】次に本発明のプラスチック光ケーブルにつ
いて説明する。本発明のプラスチック光ケーブルは、本
発明のHPOFを用いてなるものであり、以下HPOF
ケーブルということもある。図4は、本発明のHPOF
ケーブルの一実施形態を示したものである。本実施形態
のHPOFケーブルは、前記第1の実施形態のHPOF
(符号51で示す)の周囲に熱可塑性樹脂からなるケー
ブル被覆層50が被覆されたものである。図4において
図1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省
略する。HPOFケーブルを構成するHPOF51とし
ては、紡糸後、機械的特性を改善するための熱延伸処理
が施されたものが用いられる。ケーブル被覆層50は、
細径のHPOF51の取り扱いを容易にする機能や、H
POF51に損傷を与えないようにする機能を有する。
ケーブル被覆層50を構成する材料としては、一般的に
は塩化ビニル樹脂や、ポリエチレンなどのポリオレフィ
ン樹脂などが用いられる。特に好ましい材料はエチレン
−酢酸ビニル共重合体、あるいはこの共重合体と塩化ビ
ニル樹脂の混合物である。これらの樹脂は柔軟性があり
曲げの応力に対して抵抗が少ない点が好ましい。ケーブ
ル被覆層50の厚さは、HPOF51の直径とケーブル
の外形寸法によって変化するが、通常約0.2〜1.5
mmの範囲で選択される。
【0048】本実施形態のHPOFケーブルは、公知の
POFケーブル化装置を用い、被覆ダイスにHPOF5
1を通しながら、溶融させた熱可塑性樹脂をその周囲に
適切な厚みで被覆してケーブル被覆層50を形成する方
法によって製造することができる。
【0049】本実施形態によれば、上記第1の実施形態
のHPOFと同様の光学的機能を有するとともに、取り
扱い性および耐外傷性に優れたHPOFケーブルが得ら
れる。なお、本実施形態では、HPOFとして上記第1
の実施形態と同様の構成を有するHPOFを用いたが、
これに限らず本発明の範囲のHPOFであればよい。
【0050】以上説明した本発明のHPOFまたはHP
OFケーブルの一端に発光素子を配置し、他端に受光素
子を配置して光信号を伝送することにより、高速の光信
号を長距離にわたって伝送することが可能となる。本発
明のHPOFまたはHPOFケーブルを用いて光信号伝
送を行う際に、光ファイバ端面から光伝送部20に光信
号を入射させるための光源光としては、光源の開口数
が、芯10の屈折率と第1の鞘層11aの屈折率から算
出される開口数以下であるものが、光伝送損失の少ない
効率的な光信号伝送を行う上で好ましい。また、例えば
上記第2の実施形態の多芯HPOFを用いる場合など、
光ファイバ端面中に複数個の光伝送部20がある場合、
これら複数個の光伝送部20が互いに光学的に同一であ
るならば、すべての光伝送部20に一つの光源光を入射
し、各光伝送部20からの出射光を一つの信号として取
り扱うことが可能である。一方、複数個の光伝送部20
の構造パラメータが異なるなど、互いに光学的に異なっ
ている場合には、光信号の遅延状態等の違いによる伝送
帯域の悪化を防ぐために、一つの光源からの光を入射し
て出射光も一つの信号として取り扱う光伝送部20の数
は7個以下とすることが好ましく、より好ましくは1個
である。
【0051】
【実施例】以下、具体的な実施例について説明する。な
お、実施例中の各種評価、測定については以下の方法に
より実施した。 (伝送損失測定)25m-5mカットバック法により波
長650nmにおける励振NA=0.1での伝送損失を
測定した。 (伝送帯域測定)インパルス応答法により波長650n
m、励振NA=0.25における長さ50mのケーブル
の-3dB帯域をサンプリングオシロスコープを用いて
測定した。 (曲げ損失測定)長さ11mの試験ケーブルを使用し、
25mmR、90度の曲げ治具により1m間隔で10回
の曲げを行い、曲げ前後の試験ケーブルの光量値の変化
から曲げ損失を求めた。 (実施例1)図1に示す構成の全4層単芯HPOFを製
造した。芯10を構成する芯材としては、連続塊状重合
で重合され溶融状態で連続的にベント脱揮が行われたP
MMA(屈折率1.492)を用いた。
【0052】第1の鞘層11aを構成する第1の鞘材と
しては17FM/MMA/MAAの質量%が24.5:
74.5:1(屈折率約1.465)の3元共重合体を
用いた。第2鞘層11bを構成する第2の鞘材としては
第1の鞘材と同じ組成の材料を用い、顔料や染料を添加
して、光透過性を調整した。保護層12を構成する保護
層材としてはダイキン工業(株)のVP−50(フッ化
ビニリデン[VDF]とテトラフルオロエチレン[TF
E]共重合体でVDF/TFE=72/28[重量%]
からなる2元共重合体、屈折率1.403)を用いた。
【0053】芯材以外は、クリーンな雰囲気下で異物混
入に十分配慮した設備を用いてペレット化あるいは粉砕
した材料を、クリーンな状態のまま押出機に供給して連
続的に溶融し、必要に応じてベント脱揮を行い、それぞ
れの樹脂をギヤポンプで計量しながら図5に示すような
4層同心円状複合紡糸ノズルに供給した。そして、紡糸
ノズルから吐出させ、一定速度で引き取りながら冷却固
化し、熱風加熱延伸処理を施すことで機械的特性を改善
して、図1に示すような全4層構造の単芯HPOFを得
た。本実施例において、第1の鞘層11aの光透過度
は、上述の評価方法における伝送損失の最小値が750
dB/kmであった。第2の鞘層11bの光透過度は、
上述の評価方法における伝送損失の最大値が7500d
B/kmであった。また保護層12の、上述の測定方法
による光線透過率は48%であった。また芯10の直径
は970μm、第1の鞘層11aの厚さを3μm、第2
の鞘層11bの厚さを5μm、保護層12の厚さを7μ
mとし直径1mmのHPOFを得た。得られた単芯HP
OFの伝送帯域、伝送損失特性、曲げ損失特性を調べ
た。その結果を表1に示す。
【0054】(実施例2)図2に示す構成の全4層多芯
HPOFを製造した。芯材、第1の鞘材、および第2の
鞘材としては上記実施例1と同様の材料を用いた。また
一括保護層13を構成する材料としては、上記実施例1
における保護層材と同様の材料を用いた。そして、図6
に示すような全4層の多芯複合紡糸ノズルを用いて、芯
10−第1の鞘層11a−第2の鞘層11bの3層から
なる光伝送部20が島部を形成し、この島部が保護層材
からなる海部に俵積み状に配置された構造のファイバ状
に賦形して、図3に示すような全4層多芯HPOFを得
た。本実施例において、芯10の直径は120μm、第
1の鞘層11a及び第2の鞘層11bの厚さは3μm、
光伝送部20の数は37、一括保護層13の直径(外
径)は1000mmとした。得られた多芯HPOFの伝
送帯域、伝送損失特性、曲げ損失特性を上記実施例1と
同様の方法で調べた。その結果を表1に示す。
【0055】(実施例3)図3に示す構成の全5層単芯
HPOFを製造した。芯材、第1の鞘材、および第2の
鞘材は上記実施例1と同様の材料を用いた。第1の保護
層12aを構成する第1層保護層材としては、VP−5
0を用いた。第2の保護層12bを構成する第2保護層
材としては、上述したVP−50にカーボンブラックを
0.5質量%添加した材料を用いた。上記実施例1にお
いて、紡糸用の複合ノズルを図7に示すような5層同心
円状複合紡糸ノズルに変更した他は同様にして紡糸、延
伸処理を行い、図3に示すような全5層構造の単芯HP
OFを得た。本実施例において、第1の保護層12aの
光線透過率は48%、屈折率は1.403、第2の保護
層12bの光線透過率は15%で、屈折率は1.403
であった。また芯10の直径は960μm、第1の鞘層
11aの厚さは6μm、第2の鞘層11bの厚さは5μ
m、第1の保護層12aの厚さは9μm、第2の保護層
12bの厚みは5μm、HPOF外径を1,010μm
とした。得られたHPOFの伝送帯域、伝送損失特性、
曲げ損失特性を上記実施例1と同様の方法で調べた。そ
の結果を表1に示す。
【0056】(光ケーブル製造例)実施例1〜3でそれ
ぞれ得られたHPOFの外周上に、柔軟性の高い共重合
PVC樹脂(東洋インキ製造(株)製;T314)を
ケーブル化装置を用いて被覆することによって、柔軟性
に優れたHPOFケーブルを得た。
【0057】(比較例)図8に示すように、芯10の周
囲に鞘層11が設けられ、その周囲に保護層12が設け
られている従来のPOFを製造した。芯材、および保護
材は上記実施例1と同様の材料を用いた。また、鞘には
実施例1の第2鞘層に適用した樹脂を用いた。芯の直径
は970μm、鞘層の厚さは7μm、保護層の厚さは1
3μmとし直径1,010μmのPOFを得た。得られ
たPOFの伝送帯域、伝送損失特性、曲げ損失特性を上
記実施例1と同様の方法で調べた。その結果を表1に示
す。
【0058】
【表1】
【0059】上記実施例1〜3および比較例1の結果よ
り、実施例のHPOFは、比較例のPOFに比べて、同
等以上の伝送帯域を有し、伝送損失および曲げ損失が小
さいことが認められた。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、従来のSI型の広帯域
POFに比べ、より低損失で伝送帯域がより広帯域化さ
れたプラスチック光ファイバおよびプラスチック光ケー
ブルが得られる。このようなプラスチック光ファイバま
たはプラスチック光ケーブルは、光センサー、光通信の
光伝送体として有益であり、高効率で広帯域な光信号伝
送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバの第1の実施
形態を示した断面図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバの第2の実施
形態を示した断面図である。
【図3】本発明のプラスチック光ファイバの第3の実施
形態を示した断面図である。
【図4】本発明のプラスチック光ケーブルの実施形態を
示した断面図である。
【図5】図1のプラスチック光ファイバの製造に好適に
用いられる複合紡糸ノズルの例を示した断面図である。
【図6】図2のプラスチック光ファイバの製造に好適に
用いられる複合紡糸ノズルの例を示した断面図である。
【図7】図3のプラスチック光ファイバの製造に好適に
用いられる複合紡糸ノズルの例を示した断面図である。
【図8】従来のPOFの構造とその断面の屈折率分布の
例を示した図である。
【符号の説明】
10…芯、11…鞘層、11a…第1の鞘層、11b…
第2の鞘層、12…保護層、12a…第1の保護層、1
2b…第2の保護層、13…一括保護層、20…光伝送
部、50…ケーブル被覆層、51…プラスチック光ファ
イバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 好宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 地紙 哲哉 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 2H001 BB06 DD21 KK03 KK17 2H050 AB42Z AC03 AC15 AC16 AC36 AC71 AC73 AC76 BB02W BB32W

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック材料からなる光ファイバであ
    って、芯と、該芯の周囲に設けられた2層以上の鞘層と
    からなる光伝送部を1個以上有し、前記光伝送部の周囲
    には1層以上の保護層が設けられており、前記鞘層のう
    ち最も内側の第1の鞘層の屈折率は前記芯の屈折率より
    低く、前記第1の鞘層よりも外側に設けられている鞘層
    の屈折率はいずれも前記第1の鞘層の屈折率以上であ
    り、前記保護層のうち最も内側の第1の保護層の屈折率
    は最外の鞘層の屈折率より低いことを特徴とするプラス
    チック光ファイバ。
  2. 【請求項2】前記光伝送部の直径が40〜1000μm
    であることを特徴とする請求項1記載のプラスチック光
    ファイバ。
  3. 【請求項3】前記第1の鞘層の屈折率が前記芯の屈折率
    よりも0.003〜0.04低いことを特徴とする請求
    項1記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 【請求項4】前記2層以上の鞘層のうち、最も内側の第
    1の鞘層の光透過度が最も高いことを特徴とする請求項
    1記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 【請求項5】プラスチック材料の光透過度を評価する方
    法として、評価対象のプラスチック材料からなる中心層
    の周囲に、該中心層よりも屈折率が0.003以上低い
    プラスチック材料からなる厚さ10μmの被覆層を形成
    してなる直径1000μmの被測定用プラスチック光フ
    ァイバに対して、開口数0.1、波長帯域500〜70
    0nmの光を入射させて伝送損失の値を測定する方法を
    用いるとき、前記波長帯域における伝送損失の最小値が
    1000dB/km以下であるプラスチック材料を前記
    第1の鞘層の構成材料として用いてなることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック光ファ
    イバ。
  6. 【請求項6】プラスチック材料の光透過度を評価する方
    法として、評価対象のプラスチック材料からなる中心層
    の周囲に、該中心層よりも屈折率が0.003以上低い
    プラスチック材料からなる厚さ10μmの被覆層を形成
    してなる直径1000μmの被測定用プラスチック光フ
    ァイバに対して、開口数0.1、波長帯域500〜70
    0nmの光を入射させて伝送損失の値を測定する方法を
    用いるとき、前記波長帯域における伝送損失の最大値が
    5000dB/km以上であるプラスチック材料を、前
    記第1の鞘層よりも外側の鞘層のうちの少なくとも1層
    の構成材料として用いてなることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  7. 【請求項7】前記鞘層の層数が2層であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック光フ
    ァイバ。
  8. 【請求項8】前記保護層の層数が1層であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック光
    ファイバ。
  9. 【請求項9】前記保護層の層数が2層であり、最外の保
    護層を構成するプラスチック材料として、該プラスチッ
    ク材料からなる厚さ10μmのフィルムに500〜70
    0nmの光を透過させたときの光線透過率が50%以下
    であるプラスチック材料を用いてなることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック光ファイ
    バ。
  10. 【請求項10】前記第1の鞘層の厚さが2μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のプ
    ラスチック光ファイバ。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれかに記載のプラ
    スチック光ファイバの周囲に熱可塑性樹脂からなるケー
    ブル被覆層を設けてなることを特徴とするプラスチック
    光ケーブル。
  12. 【請求項12】請求項1〜10のいずれかに記載のプラ
    スチック光ファイバまたは請求項11に記載のプラスチ
    ック光ケーブルの一端に発光素子を配置し、他端に受光
    素子を配置して光信号を伝送することを特徴とする光信
    号伝送方法。
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