JP2002265456A - バルビツール酸誘導体の製造方法 - Google Patents

バルビツール酸誘導体の製造方法

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JP2002265456A
JP2002265456A JP2001069942A JP2001069942A JP2002265456A JP 2002265456 A JP2002265456 A JP 2002265456A JP 2001069942 A JP2001069942 A JP 2001069942A JP 2001069942 A JP2001069942 A JP 2001069942A JP 2002265456 A JP2002265456 A JP 2002265456A
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barbituric acid
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acid derivative
heating
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Yosuke Takeuchi
洋介 竹内
Akinori Fujita
明徳 藤田
Daisuke Arioka
大輔 有岡
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非対称なウレア誘導体を用いた新規なバルビツ
ール酸誘導体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、原料として、下記一般式
(1)で表されるウレア誘導体と、マロン酸と、無水カ
ルボン酸とを、加熱することにより反応させて、下記一
般式(2)で表されるバルビツール酸誘導体を製造する
ことを特徴とするバルビツール酸誘導体の製造方法。 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルビツール酸誘
導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原料として、ウレア誘導体を用いたバル
ビツール酸誘導体の製造方法として、対応するウレアを
メタノール中に、ナトリウムメトキシドを用いて、ジエ
チルマロン酸エステルと加熱する方法(Chem,He
terocycl.Compd.(Eng.Trans
l.)23,690(1987))、或いは、対応する
ウレアを氷酢酸中、無水酢酸と90℃で反応させる方法
(Chem,Ber 54、1037(1921))等
が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、原料のウレア
誘導体構造中に、酸或いはアルカリで反応する官能基を
有していると、上述のような従来の方法では収率良く合
成することは困難であった。また、長鎖アルキル基を有
するウレア誘導体は有機溶媒への溶解性が低く、高収率
で目的物を得ることが困難であった。
【0004】従って、本発明の目的は、原料として非対
称なウレア誘導体を用いた新規なバルビツール酸誘導体
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>少なくとも、原料として、下記一般式(1)で表
されるウレア誘導体と、マロン酸と、無水カルボン酸と
を、加熱することにより反応させて、下記一般式(2)
で表されるバルビツール酸誘導体を製造することを特徴
とするバルビツール酸誘導体の製造方法である。
【0006】
【化2】
【0007】(一般式(1)及び(2)中、R1、及び
2はそれぞれ独立に置換或いは未置換のアルキル基、
置換或いは未置換のアリール基を表す。R3、及びR4
それぞれ独立に水素原子、置換或いは未置換のアルキル
基、置換或いは未置換のアリール基を表す。但し、R1
=R2、且つR3=R4の場合は除く。)
【0008】<2>80℃を超えない温度条件で、加熱
することを特徴とする前記<1>に記載のバルビツール
酸誘導体の製造方法である。 <3>昇温速度5〜40℃/hで、加熱することを特徴
とする前記<1>又は<2>に記載のバルビツール酸誘
導体の製造方法である。 <4>前記無水カルボン酸が無水酢酸であることを特徴
とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載のバルビツ
ール酸誘導体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明のバルビツール酸誘導体の製造方法は、下記
反応式に従って行われる。
【0010】
【化3】
【0011】一般式(1)及び(2)中、R1、及びR2
はそれぞれ独立に置換或いは未置換のアルキル基、置換
或いは未置換のアリール基を表す。R3、及びR4はそれ
ぞれ独立に水素原子、置換或いは未置換のアルキル基、
置換或いは未置換のアリール基を表す。但し、但し、R
1=R2、且つR3=R4の場合は除く。アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキ
シル基、オクチル基、ラウリル基、ミルスチル基、セチ
ル基、ステアリル基、等が挙げられる。アリール基とし
ては、フェニル基、ナフチル基、等が挙げられる。置換
基としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、ヨウ素原子等)、ニトロ基、シアノ基、
ヒドロキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、フェニル基、ナフチル基、メトキシ基、エトキシ
基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、パ
ルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、等が挙げ
られる。また、これら置換基は、さらに同様の置換基を
有してきてもよい。
【0012】一般式(1)及び(2)中、好ましくは、
1はメチル基、エチル基、2−エチルヘキシル基、オ
クチル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステ
アリル基を表し、R2はオクチル基、ラウリル基、ミリ
スチル基、セチル基、ステアリル基を表し、R3は水素
原子、メチル基、ベンジル基、4−ヒドロキシベンジル
基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニル
メチル基、フェノキシメチル基、2−メチルプロピル基
を表し、R4は水素原子、メチル基、ベンジル基、4−
ヒドロキシベンジル基、メトキシカルボニルエチル基、
エトキシカルボニルメチル基、フェノキシメチル基、2
−メチルプロピル基を表す。但し、R1=R2、且つR3
=R4の場合は除く。
【0013】以下、一般式(1)で示されるウレア誘導
体の具体例を示すが、これら具体例に限定されるわけで
はない。
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】一般式(1)で表されるウレア誘導体は、
ボスゲン或いはボスゲン等価体であるクロロ蟻酸エステ
ル(例えばクロロ蟻酸フェニル、クロロ蟻酸(4−ニト
ロフェニル)等)と、一当量のアルコールと、を反応さ
せた後、先に反応させたアルコールとは異なる、もう一
当量のアルコールをさらに反応させること、等により合
成することができる。
【0018】以下、一般(2)で表されるバルビツール
酸誘導体の具体例を示すが、本発明はこれら具体例に限
定されるわけではない。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】無水カルボン酸は、縮合剤としての役割を
担い、例えば無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水ク
ロロ酢酸、無水プロピオン酸、無水ブチル酸、等が挙げ
られ、簡便に反応に用いることができる観点から無水酢
酸が好ましい。
【0023】本発明の製造方法は、上記反応式で示すよ
うに、原料である前記一般式(1)で表されるウレア誘
導体と、マロン酸と、無水カルボン酸と、を混合し、加
熱(例えば還流等)することにより行われる。本発明の
製造方法は、特定な構造式で示される非対称のウレア誘
導体を用いたバルビツール酸誘導体の新規な製造方法で
ある。非対称なウレア誘導体は溶解温度が低く、これを
原料として用いることで反応温度を低温で行うことがで
き、高収率で目的物(非対称なバルビツール酸誘導体)
を得ることができる。。
【0024】本発明の製造方法において、各原料の混合
比(一般式(1)で表されるウレア誘導体:マロン酸:
無水カルボン酸(モル比))は、1:0.9〜10:
0.9〜10であることが、高収率化、高純度化等の観
点から好ましく、より好ましくは1:1〜3:1〜3で
ある。
【0025】本発明の製造方法では、原料と共に溶媒を
用いることもできる。溶媒としては、酢酸エチル、酢酸
プロピル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ジクロロベンゼン、エチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙
げられる。これらの中でも攪拌効率、操作の容易性の点
から、酢酸エチル、トルエンが好ましい。
【0026】本発明の製造方法では、原料を加熱するこ
とにより反応させるが、80℃を超えない温度条件で行
われることが好ましく、50〜80℃の温度条件で反応
を行うことがより好ましい。80℃を超えない温度条
件、特に50〜80℃の温度条件で反応させることで、
反応時間の短縮とともに高収率化を図ることができる。
また、原料を、2段階以上に分けて加熱することも、高
収率化を図る観点から好ましい。好適には、例えば、原
料を30〜70℃(好ましくは40〜60℃)まで加熱
(第一の加熱)し、その温度で1分〜2時間(好ましく
は5分〜1時間)保持し、その後50〜80℃まで加熱
(第二の加熱)し、10分〜6時間(好ましくは30分
〜5時間)保持して反応を完結させる。理由は定かでは
ないが、第一の加熱により各原料を完全に溶融或いは溶
解させることで、第二の加熱による反応が効率良く行わ
れるのではないかと推測される。
【0027】本発明の製造方法では、上記加熱は、昇温
速度5〜40℃/hで行われることが高収率化を図る観
点から好ましく、より好ましくは10〜30℃/hであ
る。特に、上記第一の加熱を行った後、昇温速度5〜4
0℃/hで上記第二の加熱を行うことが好ましい。
【0028】本発明の製造方法により得られる一般式
(2)で表されるバルビツール酸誘導体は、感熱記録材
料等に、カプラーとして好適に用いることができる。
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明の実施の態様はこれらにより限定されるものではな
い。
【0029】−N−オクタデシルオキシカルボニルメチ
ル−N’−デシルオキシカルボニルメチルウレア(例示
化合物A10)の合成例− グリシンステアリルエステル327gと、トリエチルア
ミン101gとをジメチルホルムアルデヒド1リットル
に添加し攪拌懸濁した。この懸濁液中に(N−デシルオ
キシカルボニルメチル)フェニルウレタン335gを室
温で添加した後、昇温し85℃で3時間反応させた。こ
の反応液を冷却しメタノール3リットルを添加して、生
じた結晶を濾過、メタノール洗浄した後、乾燥させて目
的化合物の白色結晶420gを得た。得られた目的化合
物をNMRにより分析したところ、N−オクタデシルオ
キシカルボニルメチル−N’−デシルオキシカルボニル
メチルウレアであることが確認できた。その同定データ
を以下に示す。 同定データ;δH(CDCl3):5.01(2H)、
4.15(4H)、4.00(4H)、1.70−1.
60(4H)、1.40−1.20(44H)、0.9
5(6H)
【0030】(実施例1) −N−オクタデシルオキシカルボニルメチル−N’−デ
シルオキシカルボニルメチル−バルビツール酸(例示化
合物B10)の合成例− N−オクタデシルオキシカルボニルメチル−N’−デシ
ルオキシカルボニルメチルウレア569gとマロン酸1
14gとを酢酸エチル1リットルに添加し攪拌懸濁し
た。この懸濁液中に無水酢酸306gを室温で添加した
後、60℃まで昇温速度40℃/hで昇温し、60℃で
1時間攪拌(保持)して内容物を完全に溶解させた。次
に昇温速度10℃/hで70℃まで昇温し、70℃で3
時間攪拌した。その後、室温まで冷却し、反応液にメタ
ノールを2リットル添加して生じた結晶を濾集・乾燥す
ることで目的化合物を440g(収率69%)で得た。
得られた目的物をNMRにより分析したところ、N−オ
クタデシルオキシカルボニルメチル−N’−デシルオキ
シカルボニルメチル−バルビツール酸であることが確認
できた。その同定データを以下に示す。 同定データ;δH(CDCl3):4.61(4H)、
4.18(4H)、3.80(2H)、1.70−1.
60(4H)、1.40−1.20(44H)、0.9
5(6H)
【0031】(実施例2) −N−オクタデシルオキシカルボニルメチル−N’−デ
シルオキシカルボニルメチル−バルビツール酸(例示化
合物B10)の合成例− N−オクタデシルオキシカルボニルメチル−N’−デシ
ルオキシカルボニルメチルウレア57gとマロン酸11
gとを酢酸エチル100ミリリットルに添加し攪拌懸濁
した。この懸濁液中に無水酢酸31gを室温で添加した
後、85℃まで昇温速度100℃/hで昇温し、85℃
3時間時間攪拌(保持)した。その後、室温まで冷却
し、反応液にメタノールを200ミリリットル添加し、
生じた結晶を濾集・乾燥することで目的化合物を13g
(収率20%)で得た。得られた目的化合物をNMRに
より分析したところ、N−オクタデシルオキシカルボニ
ルメチル−N’−デシルオキシカルボニルメチル−バル
ビツール酸であることが確認できた。その同定データを
以下に示す。 同定データ;δH(CDCl3):4.61(4H)、
4.18(4H)、3.80(2H)、1.70−1.
60(4H)、1.40−1.20(44H)、0.9
5(6H)
【0032】実施例から、特定の構造を有する非対称の
ウレア誘導体を用いて、バルビツール酸誘導体を合成で
きることがわかる。また、加熱や昇温速度を特定の温度
条件で行うことで、収率が飛躍的に向上することもわか
る。
【0033】
【発明の効果】以上、本発明によれば、非対称なウレア
誘導体を用いた新規なバルビツール酸誘導体の製造方法
を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、原料として、下記一般式
    (1)で表されるウレア誘導体と、マロン酸と、無水カ
    ルボン酸とを、加熱することにより反応させて、下記一
    般式(2)で表されるバルビツール酸誘導体を製造する
    ことを特徴とするバルビツール酸誘導体の製造方法。 【化1】 (一般式(1)及び(2)中、R1、及びR2はそれぞれ
    独立に置換或いは未置換のアルキル基、置換或いは未置
    換のアリール基を表す。R3、及びR4はそれぞれ独立に
    水素原子、置換或いは未置換のアルキル基、置換或いは
    未置換のアリール基を表す。但し、R1=R2、且つR3
    =R4の場合は除く。)
  2. 【請求項2】 80℃を超えない温度条件で、加熱する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバルビツール酸誘導
    体の製造方法。
  3. 【請求項3】 昇温速度5〜40℃/hで、加熱するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のバルビツール酸
    誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記無水カルボン酸が、無水酢酸である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバル
    ビツール酸誘導体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102432549A (zh) * 2011-09-28 2012-05-02 南通市华峰化工有限责任公司 一种抑制血管生成、肿瘤发生和增殖疾病的药物中间体1,3-二环己基巴比妥酸的制备方法
CN104151254A (zh) * 2014-07-25 2014-11-19 南通市华峰化工有限责任公司 一种制备1,3-双环己基巴比妥酸的方法

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