JP2002264259A - 容器用フィルムラミネート金属板 - Google Patents
容器用フィルムラミネート金属板Info
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Abstract
工に要求される成形性、密着性、味特性を兼ね備えた容
器用フィルムラミネート金属板を提供する。 【解決手段】ポリエステルの構成単位の93質量%以上
がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレンナ
フタレート単位であり、かつ、体積平均粒子径0.00
5〜5.0μm、式1に示す相対標準偏差σが0.5以
下、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2、モース硬度
が7未満である粒子を、樹脂に対して0.005〜10
質量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルムを樹脂フ
ィルムA、また前記二軸延伸ポリエステルフィルムであ
って、さらに樹脂に対して0.10〜2.0質量%のワ
ックス成分を含有する樹脂フィルムを樹脂フィルムBと
したとき、容器成形後に容器内面側になる金属板の表面
に樹脂フィルムB、容器外面側になる金属板の表面に樹
脂フィルムAをラミネートする。
Description
詰の缶胴及び蓋に用いられるフィルムラミネート金属板
に関するものである。さらに詳しくは、製缶工程での成
形性及び密着性が良好であり、内容物充填後の内容物取
り出し性及び味特性に優れる容器用フィルムラミネート
金属板に関するものである。
あるティンフリースチール(TFS)およびアルミニウ
ム等の金属板には塗装が施されていた。この塗装を施す
技術は、焼き付け工程が複雑であるばかりでなく、多大
な処理時間を必要とし、さらに多量の溶剤を排出すると
いう問題を抱えていた。そこで、これらの問題を解決す
るため、熱可塑性樹脂フィルムを加熱した金属板に積層
する方法が数多く提案されている。
ある金属板の密着性及び成形性の改善に関するものであ
り、その技術的思想は、概ね極性基を有するフィルム
(ポリエステル樹脂等)の適用(例えば、特開昭63−
236640号公報等)、フィルム表面へのコロナ放
電等の処理による活性化等に代表される表面自由エネル
ギーの増大(例えば、特開平5−200961号公報
等)に関するものである。
食品缶詰用途に使用すると、容器から内容物を取り出す
際に、内容物が容器内面に強固に付着してしまい、内容
物を取り出しにくいという問題がある。この問題は、消
費者の購買意欲と密接に関係するため、内容物の取り出
しやすさを改善することは、消費者の購買意欲を確保す
る上で極めて重要である。それにもかかわらず、これま
で内容物の取り出し易さの改善に対する考慮は全くなさ
れていない。
事情を考慮し、内容物取り出し性を確保するとともに、
容器加工に要求される成形性、密着性、味特性を兼ね備
えた容器用フィルムラミネート金属板を提供することを
目的とする。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒子を含有
し、かつ構造を高度に制御した二軸延伸ポリエステルフ
ィルムにワックス成分を添加することにより成形性及び
加工後密着性に優れ且つ内容物取出し性、味特性に優れ
たラミネート金属板が得られることを見いだした。上記
課題を解決する本発明の要旨は下記のとおりである。
%以上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチ
レンナフタレート単位であり、かつ、体積平均粒子径
0.005〜5.0μm、下記に示される相対標準偏差
σが0.5以下、粒子の長径/短径比が1.0〜1.
2、モース硬度が7未満である粒子を、樹脂に対して
0.005〜10質量%含有する二軸延伸ポリエステル
フィルムを樹脂フィルムA、また前記二軸延伸ポリエス
テルフィルムであって、さらに樹脂に対して0.10〜
2.0質量%のワックス成分を含有する樹脂フィルムを
樹脂フィルムBとしたとき、容器成形後に容器内面側に
なる金属板の表面に樹脂フィルムB、容器外面側になる
金属板の表面に樹脂フィルムAをラミネートしたことを
特徴とする容器用フィルムラミネート金属板。
う若しくはステアリン酸エステルを含有することを特徴
とする請求項1に記載の容器用フィルムラミネート金属
板。 (3)ラミネート後の樹脂フィルムA、樹脂フィルムB
の複屈折率が0.02以下である領域が、金属板との接
触界面からフィルム厚み方向に5μm未満であることを
特徴とする前記(1)または(2)に記載の容器用フィ
ルムラミネート金属板。 (4)粒子が、該粒子表面にカルボン酸金属塩を粒子1
gに対し、10-5mol以上有することを特徴とする前
記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。
イ酸アルミニウム粒子であることを特徴とする前記
(1)〜(4)のいずれかに記載の容器用フィルムラミ
ネート金属板。 0.9≦Si≦1.5 0.1≦Al≦0.8 0.1≦M≦0.8 0.8≦M/Al≦1.5 ただし、 Si:粒子100g中の珪素原子のモル数 Al:粒子100g中のアルミニウム原子のモル数 M:粒子100g中のアルカリ金属原子のモル数 (6)ケイ酸アルミニウム粒子が実質的に非晶質である
ことを特徴とする前記(5)に記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。 (7)ケイ酸アルミニウム粒子の体積平均粒子径Dw
(μm)と比表面積S(m 2/g)が、S≧3.5/D
wの関係を満足することを特徴とする前記(5)または
(6)に記載の容器用フィルムラミネート金属板。
形させたときの強度(S10)が、5kgf/mm2≦
S10≦40kgf/mm2の関係を満足することを特
徴とする前記(5)〜(7)のいずれかに記載の容器用
フィルムラミネート金属板。 (9)粒子が有機高分子粒子であることを特徴とする前
記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。
たときの強度(S10)が0.5kgf/mm2≦S1
0≦15kgf/mm2の関係を満足することを特徴と
することを特徴とする前記(9)に記載の容器用フィル
ムラミネート金属板。 (11)樹脂フィルムA、樹脂フィルムBが、酸化防止
剤を0.0001〜1質量%含有することを特徴とする
前記(1)〜(10)のいずれかに記載の容器用フィル
ムラミネート金属板。
ポリエステルの構成単位の95質量%以上がエチレンテ
レフタレート単位及び/またはエチレンナフタレート単
位であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいず
れかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。
ポリエステルの構成単位が、エチレンテレフタレート単
位およびエチレンナフタレート単位からなり、該エチレ
ンテレフタレート単位が50〜99質量%且つ該エチレ
ンナフタレート単位が1〜50質量%であることを特徴
とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の容器用
フィルムラミネート金属板。 (14)樹脂フィルムA、樹脂フィルムBの厚さ方向屈
折率が1.500以上であることを特徴とする前記
(1)〜(13)のいずれかに記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。
の固体分解能NMRによる構造解析におけるカルボニル
部の緩和時間が270msec以上であることを特徴と
する前記(1)〜(14)のいずれかに記載の容器用フ
ィルムラミネート金属板。 (16)樹脂フィルムBが少なくとも2層以上から構成
され、該樹脂フィルムBは、内容物と接する最上層にの
み、樹脂に対して0.10〜2.0質量%のワックス成
分を含有することを特徴とする前記(1)〜(15)の
いずれかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。
する。本発明ではフィルム(樹脂フィルムA、樹脂フィ
ルムB)にポリエステルフィルムを使用し、ポリエステ
ルは、レトルト後の味特性を良好とする点、製缶工程で
の摩耗粉の発生を抑制する点で、エチレンテレフタレー
ト及び/またはエチレンナフタレートを主たる構成成分
とすることが望ましい。なお、本発明において、味特性
が良好とは、缶の内容物の香り成分のフィルムへの吸着
あるいはフィルムからの溶出物によって内容物の風味が
損なわれない程度をいう。
レンナフタレートを主たる構成成分とするポリエステル
とは、ポリエステルの93質量%以上がエチレンテレフ
タレート及び/またはエチレンナフタレートを構成成分
とするポリエステルである。さらに前記質量%が95質
量%以上であると金属缶に飲料を長期充填しても味特性
が良好であるのでより望ましい。
ボン酸成分、グリコール成分を共重合してもよい。ジカ
ルボン酸成分としては、例えば、ジフェニルカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フタル酸等の
芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸等
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂肪族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシ
カルボン酸等を挙げることができる。
グリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペン
タンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコ
ール等の脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル等の指環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールS等の芳香族グリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。なお、こ
れらのジカルボン酸成分、グリコール成分は2種以上を
併用してもよい。
いて、トリメリット酸、トリメシン酸、トリメチロール
プロパン等の多官能化合物を共重合してもよい。
良好にし、かつ味特性を良好にする上では、ポリエステ
ルの構成単位が、エチレンテレフタレート単位およびエ
チレンナフタレート単位からなり、該エチレンテレフタ
レート単位が50〜99質量%且つ該エチレンナフタレ
ート単位が1〜50質量%であることが好ましい。特に
エチレンテレフタレート単位が50〜95質量%且つエ
チレンナフタレート単位が5〜50質量%であると成形
性、特にネック加工部での成形性が良好となるのでさら
に好ましい。
することによって、結晶構造を不規則化させ、以って成
形加工等における結晶化を抑制し、成形性、密着性を向
上する効果がある。またフィルムの表面性状(突起形
状、耐摩耗性等)を変化させることで、表面の摩擦係数
を適正化できるため成形性を向上する効果がある。
無機を問わず特に制限されるものではないが、フィルム
に成形した時の突起形状、耐摩耗性、成形性、味特性等
の点から、体積平均粒子径が0.005〜5.0μmで
あることが必要であり、特に0.01〜3.0μmであ
ることが好ましい。また、フィルムに成形した時の突起
形状、耐摩耗性等の点から、下記に示される相対標準偏
差σが0.5以下であることが必要であり、さらには
0.3以下であることが好ましい。
成形したときの突起形状、耐摩耗性などの点から1.0
〜1.2であることが必要である。モース硬度として
は、フィルムに成形したときの突起硬さ、耐摩耗性など
の点から7未満であることが必要である。また、これら
の効果を十分に発現させるには、該粒子を樹脂に対して
0.005〜10質量%含有することが必要である。
び乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミニウ
ム、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、
硫酸バリウム、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー等
が挙げられる。中でも、粒子表面の官能基とポリエステ
ルとが反応してカルボン酸金属塩を生成するものが好ま
しく、具体的には、粒子表面にカルボン酸金属塩を粒子
1gに対し、10-5mol以上有するものが、ポリエス
テルとの親和性、耐摩耗性などの点で好ましく、さらに
は2×10-5mol以上であることがより好ましい。な
かでも特に、粒度分布、粒子形状、表面反応性、ポリエ
ステルとの親和性、フィルムにしたときの突起形状、及
び突起の強度などの点から、下記式に示す成分組成のケ
イ酸アルミニウム粒子が好ましい。
和性、フィルムにしたときの突起の強度の点から、前記
珪酸アルミニウム粒子が実質的に非晶質であることが好
ましい。
応性、フィルムにしたときの突起形状、表面粗さなどの
点から、体積平均粒子径Dw(μm)と比表面積S(m
2/g)が、S≧3.5/Dwの関係を満足することが
好ましい。
ら、ケイ酸アルミニウム粒子を10%変形させたときの
強度(S10)が、5kgf/mm2≦S10≦40k
gf/mm2の関係を満足することが好ましく、さらに
は、10kgf/mm2≦S10≦25kgf/mm2で
あることがより好ましい。
高分子粒子を用いることができるが、その種類として
は、少なくとも一部がポリエステルに対し不溶の粒子で
あればいかなる組成の粒子でも構わない。このような粒
子の素材としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポ
リメチルメタクリレート、ホルムアルデヒド樹脂、フェ
ノール樹脂、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂などの
種々のものを使用することができるが、耐熱性が高く、
かつ粒度分布の均一な粒子が得られやすいビニル系架橋
高分子粒子が特に好ましい。
の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合物(I)
と、架橋成分として、分子中に2個以上の脂肪族不飽和
結合を有する化合物(II)との共重合体である。
しては、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチ
レン、ビニルピリン、エチルビニルベンゼンなどのモノ
ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、プロピルアクリレート、ヘキサデシ
ルアクリレート、オクチルアクリレート、ドデシルアク
リレート、グリシジルアクリレート、N,N'−ジメチ
ルアミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル
モノマー、メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリ
レート、アクリルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、2−エチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシル
メタクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルメタ
クリレートなどのメタクリル酸エステルモノマー、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの
モノまたはジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミド、
メタクリルアミド、などのアミド系モノマーを使用する
ことができる。
チルビニルベンゼン、メチルメタクリレートなどが熱安
定性、架橋性、ハンドリング性などの点から好ましく使
用される。
ゼン、あるいは、トリメチロールプロパントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパンメタアクリレート、あ
るいはエチレングリコールジアクリレート、エチレング
リコールジメタクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブチレンジアクリレート、1,3−ブチレンジメタ
クリレートなどの多価アクリレートおよびメタクリレー
トが挙げられる。
ン、エチレングリコールジメタクリレート、またはトリ
メチロールプロパントリメタクリレートを用いることが
熱安定性、架橋性、ハンドリング性等の点から好まし
い。
いものを例示すると、エチルビニルベンゼン−ジビニル
ベンゼン共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体、エチレングリコールジメタクリレート重合体、スチ
レン−エチレングリコールジメタクリレート共重合体、
メチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共重合体など
が挙げられる。ただし、これらの例示に限定される訳で
はなく、例えばスチレン−エチルビニルベンゼン−ジビ
ニルベンゼン共重合体、スチレン−エチレングリコール
ジメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体など
の3成分以上の共重合系であってもよい。
例えば、化合物(I)、(II)を混合して以下のような
乳化重合などの方法により製造ができる。 (a)ソープフリー重合法、すなわち乳化剤を使用しな
いか、あるいは極めて少量の乳化剤を使用して重合する
方法。 (b)乳化重合に先立って重合系内へ重合粒子を添加し
ておいて、乳化重合させるシード法。 (c)単量体成分の一部を乳化重合させ、その重合系内
で、残りの単量体を重合させるコアーシェル重合法。 (d)特開昭54−97582号公報に示されているユ
ーゲルスタットなどによる重合法。 (e)(d)の方法において膨潤助剤を用いない重合
法。
による熱分解温度(10%減量温度、窒素気流中、昇温
速度10℃/分)が350℃以上の耐熱性を有する粒子
が、ポリエステル組成物製造時、溶融成形時、あるいは
成形品の再利用回収時に粒子が凝集し難く、フィルムの
表面均一性、耐摩耗性などが低下しない点で好ましく、
より好ましくは360℃以上、特に370℃以上である
ことが好ましい。
する全有機成分に対して、架橋度=原料モノマーの架橋
成分の質量/原料モノマーの全質量×100(%)で定
義される架橋度が10%以上であると、ポリエステルフ
ィルムにしたときに粒子の分散性が良好となり好まし
く、より好ましくは30%以上、特に55%以上が好ま
しい。
粒子を10%変形させたときの強度(S10)が0.5
kgf/mm2≦S10≦15kgf/mm2の関係を満
たすことが走行安定性、耐摩耗性、表面突起の強度、寸
法安定性などの点から好ましく、より好ましくは0.5
kgf/mm2≦S10≦13kgf/mm2である。
は、単独で用いても構わないが、2種以上を併用して用
いることが好ましく、粒度分布、粒子強度など物性の異
なる粒子を組み合わせることにより、さらに成形性に優
れたフィルムを得ることができる。
て、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加型粒子、及
び内部析出型粒子、あるいは各種表面処理剤を用いても
構わない。
側になる樹脂フィルム(樹脂フィルムB)が、樹脂に対
して0.10〜2.0質量%のワックス成分を含有する
ポリエステルフィルムであることを規定する。添加物と
してワックス成分を含有させる理由は、フィルムの表
面エネルギーを低下させることと、フィルム表面への
潤滑性付与である。の効果によってフィルムに内容物
が密着し難くなり、の効果によってフィルム表面の摩
擦係数を低下させることでもって内容物の取出し性を飛
躍的に向上させることが可能となる。
0.10質量%未満となると、上記の、の効果が乏
しくなり、内容物の取出し性が劣るためである。また、
2.0質量%以下に限定した理由は、2.0質量%を超
えると内容物取出し性がほぼ飽和してしまい特段の効果
が得られないとともに、フィルム成膜技術的にも困難な
領域であり生産性に乏しくコスト高を招いてしまうため
である。
機・無機滑剤が使用可能であるが、脂肪酸エステル等の
有機滑剤が望ましく、なかでも植物ろうの一つであって
天然ワックスであるカルナウバろう(主成分:CH
3(CH2)24COO(CH2)29CH3であり、この他種
々脂肪族とアルコールからなる成分も含有する。)、あ
るいは、ステアリン酸エステルは上記の、効果が大
きく、かつ分子構造上当該フィルムへの添加が容易であ
るため好適である。なお、前記したワックスを含有する
ポリエステルフィルムは、ポリエステルに所定量のワッ
クスを配合した後、通常の成膜法により製造できる。
ルム表面に塗布することによっては得られない。食品缶
詰等は、内容物充填後に殺菌のためレトルト処理を施す
が、その際表面に予め塗布されたワックスが内容物に吸
収されてしまうからである。本発明のようにフィルム内
に添加した場合、レトルト処理の間に徐々にワックスが
表面に濃化するためすべてが内容物に吸収されることな
く、もって前記した効果を確実に発現することが可能と
なる。
フィルムの構造としては、複屈折率が0.02以下であ
る領域が、金属板との接触界面からフィルム厚み方向に
5μm未満とすることが望ましい。ラミネート金属板の
製造は、フィルムを熱せられた金属板に接触させ圧着す
ることで金属板界面のフィルム樹脂を溶融させ金属板に
濡れさせることでフィルムとの接着を行うのが通常であ
る。従って、フィルムと金属板との密着性を確保するた
めにはフィルムが溶融していることが必要であり、必然
的にラミネート後の金属板と接する部分のフィルム複屈
折率は低下することとなる。本発明に示すようにこの部
分のフィルム複屈折率が0.02以下であれば、ラミネ
ート時のフィルム溶融濡れが十分であることを示し、従
って優れた密着性を確保することが可能となる。
は、以下の測定手法にて求められる値を採用する。偏光
顕微鏡を用いてラミネート金属板の金属板を除去した後
のフィルムの断面方向のレタデーションを測定し、樹脂
フィルムの断面方向の複屈折率を求める。フィルムに入
射した直線偏光は、二つの主屈折率方向の直線偏光に分
解される。この時、高屈折率方向の光の振動が低屈折率
方向よりも遅くなり、そのためフィルム層を抜けた時点
で位相差を生じる。この位相差をレタデーションRと呼
び、複屈折率△nとの関係は、式(1)で定義される。 △n=R/d…(1) 但し、d:フィルム層の厚み。
説明する。単色光を偏光板を通過させることで、直線偏
光とし、この光をサンプル(フィルム)に入射する。入
射された光は上記のように、レタデーションを生じるた
め、フィルム層を透過後、楕円偏光となる。この楕円偏
光はセナルモン型コンペンセーターを通過させることに
より、最初の直線偏光の振動方向に対してθの角度をも
った直線偏光となる。このθを偏光板を回転させて測定
する。レタデーションRとθの関係は式(2)で定義さ
れる。 R=λ・θ/180 …(2) 但し、λ:単色光の波長 よって複屈折率△nは、式(1)、(2)から導き出さ
れる式(3)で定義される。 △n=(θ・λ/180)/d…(3) また、上記に示す複屈折率が0.02以下の部分の厚み
は、金属板との接触界面からフィルム厚み方向へ5μm
未満の領域に限定することが望ましい。この理由は以下
のとおりである。
抑制された分子運動性は、フィルムが完全溶融するとそ
の効果が乏しくなり、以後の加工・加熱処理において容
易に結晶化が生じ、フィルムの成形性が劣化してしまう
欠点を有する。一方前記したように、フィルム密着性を
確保するためには、フィルムの溶融濡れが必須となる。
本発明者らが鋭意検討した結果によると、フィルムが溶
融した部分すなわちフィルムの複屈折率が0.02以下
である部分の厚みを5μm未満に規制することで、密着
性を確保しつつ、成形性・耐衝撃性を高いレベルで両立
することが可能となる。
性、味特性の点で、ポリエステルを二軸延伸することが
必要である。二軸延伸の方法としては、同時二軸延伸、
逐次二軸延伸のいずれであってもよいが、延伸条件、熱
処理条件を特定し、フィルムの厚さ方向の屈折率が1.
500以上であることが、ラミネート性、成形性を良好
とする点で好ましい。さらに厚さ方向屈折率が1.51
0以上、特に1.520以上であると、ラミネート時に
多少の温度のばらつきがあっても成形性、耐衝撃性を両
立させることが可能となるので好ましい。
ルフィルムは、製缶工程で絞り成形後に200〜230
℃程度の熱履歴を受けた後にネック部を加工する際の成
形性、耐衝撃性の点で、固体高分解能NMRによる構造
解析におけるカルボニル部の緩和時間が270msec
以上であることが好ましい。さらに好ましくは、280
msec以上、特に好ましくは300msec以上であ
る。
て、他の粒子、例えば各種不定形の外部添加粒子、及び
内部析出型粒子を用いても構わないし、あるいはコロナ
放電、接着剤の塗布等各種表面処理を施しても構わな
い。
200℃以上の熱履歴を受けた後の耐衝撃性、及び12
0℃程度の加圧蒸気による処理(レトルト処理)を受け
た後の耐衝撃性の点から、ポリエステルに対し0.00
01〜1質量%含有していることが好ましい。
ものではないが、例えばヒンダートフェノール類、ヒド
ラジン類、フォスファイト類などに分類される公知の酸
化防止剤を使用することができる。中でもペンタエスリ
チル−テトラキス−[3−(3、5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリス
(2、4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェイト等
が好適である。
成としては、単層、複層の如何を問わない。複層構造と
した場合は、内容物と接するフィルム(樹脂フィルム
B)の最上層にワックスが添加されていることが必要で
あり、経済性等の面よりフィルムの最上層にのみワック
スが添加されていることが望ましい。フィルムの厚さ
は、金属にラミネートした後の成形性、金属に対する被
覆性、耐衝撃性、味特性の点で、3〜50μmであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは8〜30μmである。
造方法としては、特に限定されないが、例えば各ポリエ
ステルを必要に応じて乾燥した後、単独及び/または各
々を公知の溶融積層押出機に供給し、スリット状のダイ
からシート状に押出し、静電印加等の方式によりキャス
ティングドラムに密着させ冷却固化し未延伸シートを得
る。
び幅方向に延伸することにより二軸延伸フィルムを得
る。延伸倍率は目的とするフィルムの配向度、強度、弾
性率等に応じて任意に設定することができるが、好まし
くはフィルムの品質の点でテンター方式によるものが好
ましく、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する逐次
二軸延伸方式、長手方向、幅方向をほぼ同じに延伸して
いく同時二軸延伸方式が望ましい。
ートするときの製造法について述べる。金属板をフィル
ムの融点を超える温度で加熱し、その両面に該樹脂フィ
ルムを圧着ロール(以後ラミネートロールと称す)を用
いて接触させラミネート(熱融着)させる。
するフィルム構造が得られるものであれば特に制限され
るものではない。例えば、ラミネート開始時の温度を2
80℃以上とし、ラミネート時にフィルムの受ける温度
履歴として、フィルムの融点以上の温度になる時間を1
〜20msecの範囲とすることが好適である。このよ
うなラミネート条件を達成するためには、高速でのラミ
ネートに加え接着中の冷却も必要である。
はないが、面圧として1〜30kgf/cm2が好まし
い。この値が低すぎると、融点以上であっても時間が短
時間であるため十分な密着性を得難い。また、加圧が大
きいとラミネート金属板の性能上は不都合がないもの
の、ラミネートロールにかかる力が大きく設備的な強度
が必要となり装置の大型化を招くため不経済である。
されているアルミニウム板や軟鋼板等を用いることがで
き、特に下層が金属クロム、上層がクロム水酸化物から
なる二層皮膜を形成させた表面処理鋼板(いわゆるTF
S)等が最適である。
の付着量についても、特に限定されないが、加工後密着
性・耐食性の観点から、何れもCr換算で、金属クロム
層は70〜200mg/m2、クロム水酸化物層は10
〜30mg/m2の範囲とすることが望ましい。
さ0.18mm・幅977mmの冷間圧延、焼鈍、調質
圧延を施した鋼板を、脱脂、酸洗後、クロムめっきを行
い、クロムめっき鋼板を製造した。クロムめっきは、C
rO3、F-、SO4 2-を含むクロムめっき浴でクロムめ
っき、中間リンス後、CrO3、F-を含む化成処理液で
電解した。その際、電解条件(電流密度・電気量等)を
調整して金属クロム付着量を120mg/m2、および
クロム水酸化物付着量を15mg/m2に調整した。
置を用い、前記で得たクロムめっき鋼板1を金属帯加熱
装置2で加熱し、ラミネートロール3で前記クロムめっ
き鋼帯1の一方の面に、容器成形後に容器内面側になる
樹脂フィルム(樹脂フィルムB)として、表1に示す各
種フィルム4a、他方の面に、容器成形後に容器外面側
となる樹脂フィルム(樹脂フィルムA)として各種フィ
ルム4bをラミネート(熱融着)しラミネート金属帯を
製造した。容器成形後に容器内面側になる樹脂フィルム
4aは、容器外面側になる樹脂フィルム4bにワックス
を添加したものを使用した。ラミネートした樹脂フィル
ムの内容を表1に記載する。ラミネートロール3は内部
水冷式とし、ラミネート中に冷却水を強制循環し、フィ
ルム接着中の冷却を行った。
特性の調査結果を表1および表2に記載した。調査方法
を、下記の(1)〜(10)に示す。(1)〜(9)は
ラミネート前の原板フィルムの特性であるが、(1)〜
(7)および(9)の特性はラミネート後も変わらな
い。また、以上の方法で製造したラミネート金属板に対
し、以下の方法で(11)内容物取出し性、(12)成
形性、(13)密着性、(14)耐衝撃性、(15)味
特性を評価した。
子径、一次粒子径、粒度分布の測定及び相対標準偏差σ
の計算 粒子をポリエステルに配合し0.2μmの厚みの超薄片
にカッティング後、透過型電子顕微鏡で、少なくとも5
0個の粒子について観察し測定を行なった。相対標準偏
差σ、数平均粒子径の計算式は下記の通りである。
ロフェノール(OCP)1000mlに100℃で溶解
する。次に、このポリマー溶液を遠心分離器にかけ、粒
子を分離する。さらにこの分離粒子に付着しているポリ
マーをオルソクロロフェノール100mlに100℃で
溶解し、遠心分離する。このような操作を3回繰り返し
た後に、残った粒子をアセトンで十分に洗浄する。こう
して得られた粒子について、Bio−RadDigil
ab社製FTS60A/896を用いて、FT−IRに
よる分析を行なった。
型)を使用して、負荷速度:0.0145gf/sで、
0〜1gfまでの負荷を加えて変形量を測定した。この
測定を10回行い、そして、粒子が10%変形したとき
の荷重P(kgf)の平均値から、下記式に従いS10
を計算した。 S10=2.8P/πd2 ここで、 P:粒子が10%変形したときの荷重の平均値(kg
f)。 d:体積平均粒子径(mm)。
上げた順位にある標準鉱石を用意する。各々の面を合わ
せ、その間に、粒子を挟んで擦り動かし、下位の基準鉱
石にキズがつき、上位の基準鉱石にキズがつかない場
合、その粒子の硬さは両基準鉱石の中間にある。この場
合、粒子の硬度は下位の基準鉱石の硬度とした。
ベ屈折計を用いて測定した。
T1ρ 固体NMRの測定装置は、日本電子製スペクトロメータ
JNM−GX270、日本電子製固体アンプ、MASコ
ントローラNM−GSH27MU、日本電子製プローブ
NM−GSH27Tを用いた。測定は、13C核のT1ρ
(回転座標における縦緩和)測定を実施した。測定は、
温度24.5℃、湿度50%RH、静磁場強度6.34
T(テスラ)下で、1H、13Cの共鳴周波数はそれぞれ
270.2MHz、67.9MHzである。ケミカルシ
フトの異方性の影響を消すためにMAS(マジック角度
回転)法を採用した。回転数は、3.5〜3.7kHz
で行った。パルス系列の条件は、1Hに対して90°、
パルス幅4μsec、ロッキング磁場強度62.5kH
zとした。1Hの分極を13Cに移すCP(クロスポーラ
リゼーション)の接触時間は1.5msecである。ま
た保持時間τとしては、0.001、0.5、0.7、
1、3、7、10、20、30、40、50msecを
用いた。保持時間τ後の13C磁化ベクトルの自由誘導減
衰(FID)を測定した(FID測定中1Hによる双極
子相互作用の影響を除去するために高出力カップリング
を行った。なお、S/Nを向上させるため、512回の
積算を行った)。また、パルス繰り返し時間としては、
5〜15secの間で行った。
ρi)で記述することができ、各保持時間に対して観測さ
れたピーク強度を片対数プロットすることにより、その
傾きから求めることができる。ただし、Ai:T1ρiに対
する成分の割合である。
ρ2:結晶成分)で解析し、下記の式を用い最小2乗法
フィッティングによりその値を求めた。 I(t)=fa1・exp(-t/T1ρ1)+ fa2・exp(-t/T1ρ2) fa1: T1ρ1に対する成分の割合 fa2: T1ρ2に対する成分の割合 fa1+fa2=1 ここでT1ρとしてはT1ρ2を用いる。
た後のフィルムの断面方向のレタデーションを測定し、
フィルムの断面方向の複屈折率を求めた。
で、ブランク径:100mm、絞り比(成形前径/成形
後径):1.88でカップ成形した。続いて、このカッ
プ内に、卵・肉・オートミールを均一混合させた内容物
を充填し、蓋を巻締め後、レトルト処理(130℃×9
0分間)を行った。その後、蓋を取り外し、カップを逆
さまにして2、3回手で振って内容物を取り出した後に
カップ内側に残存する内容物の程度を観察することによ
り、内容物の取り出し易さの程度を評価した。 (評点について) ◎:内容物の取り出しが容易であり、取り出し後のカッ
プ内面に付着物が無状態。 ○:手で振るだけでは内容物の取出しが困難であるが、
スプーン等により容易に取り出すことができ、取り出し
後のカップ内面に付着物がほとんど無い状態。 ×:手で振るだけでは内容物の取り出しが困難であり、
スプーン等で掻き出さないと内容物が取り出せず、取り
出し後のカップ内面に多くの付着物が認められる状態。
円板を打ち抜き、絞り比1.60で浅絞り缶を得た。次
いで、この絞りカップに対し、絞り比2.10及び2.
80で再絞り加工を行った。この後、常法に従いドーミ
ング成形を行った後、トリミングし、次いでネックイン
−フランジ加工を施し深絞り缶を成形した。このように
して得た深絞り缶のネックイン部に着目し、フィルムの
損傷程度を目視観察した。 (評点について) ◎:成形後フィルムに損傷なく、フィルム剥離も認めら
れない。 ○:成形可能であるが、フィルム剥離が認められる。 ×:缶が破胴し、成形不可能。
ピール試験用のサンプル(幅15mm×長さ120m
m)を切り出した。切り出したサンプルの長辺側端部か
らフィルムを一部剥離し、引張試験機で剥離した部分の
フィルムを、フィルムが剥離されたクロムめっき鋼板と
は反対方向(角度:180°)に開き、引張速度30m
m/minでピール試験を行い、密着力を評価した。な
お、密着力測定対象面は、缶内面側とした。 (評点について) ◎:0.15kgf/15mm以上。 ○:0.10kgf/15mm以上、0.15kgf/
15mm未満。 ×:0.10kgf/15mm未満。
し、各試験について10個ずつを高さ1.25mから塩
ビタイル床面へ落とした後、電極と金属缶に6Vの電圧
をかけて3秒後の電流値を読み取り、10缶測定後の平
均値を求めた。 (評点について) ◎:0.01mA未満。 ○:0.01mA以上、0.1mA未満。 ×:0.1mA以上。
のレトルト処理を行った後、香料水溶液d−リモネン2
5ppm水溶液を350ml充填し、40℃密封後45
日放置し、その後開封して官能検査によって、臭気の変
化を以下の基準で評価した。 ○:臭気にほとんど変化は見られない。 △:臭気にやや変化が見られる。 ×:臭気に変化が大きく見られる。 評価結果を表2に記載した。
の発明例は、いずれも内容物取り出し性、成形性、密着
性、耐衝撃性及び味特性が良好な特性を示した。これに
対し、本発明の範囲を外れる比較例は、内容物取り出し
性及び味特性の少なくとも一方が不良であった。
ルナウバろう若しくはステアリン酸エステルを含有する
ものは内容物取り出し性がより優れる。フィルムの複屈
折率の値が0.02以下である領域が金属板との接触界
面から厚さが5μm未満であると成形性がより優れる。
フィルムを構成するポリエステル単位の95質量%以上
がエチレンテレフタレート単位であると、耐衝撃性、味
特性がより優れている。
位の93質量%以上がエチレンテレフタレート単位であ
るポリエステルを使用したが、構成単位の93質量%以
上が、エチレンテレフタレート単位及びエチレンナフタ
レート単位、またはエチレンナフタレート単位であるポ
リエステルを使用しても同様の結果が得られる。
物取り出し性、成形性、密着性、耐衝撃性及び味特性が
良好であり、絞り加工等を行う容器用素材、特に食缶容
器用素材として好適である。
Claims (16)
- 【請求項1】 ポリエステルの構成単位の93質量%以
上がエチレンテレフタレート単位及び/またはエチレン
ナフタレート単位であり、かつ、体積平均粒子径0.0
05〜5.0μm、下記に示される相対標準偏差σが
0.5以下、粒子の長径/短径比が1.0〜1.2、モ
ース硬度が7未満である粒子を、樹脂に対して0.00
5〜10質量%含有する二軸延伸ポリエステルフィルム
を樹脂フィルムA、また前記二軸延伸ポリエステルフィ
ルムであって、さらに樹脂に対して0.10〜2.0質
量%のワックス成分を含有する樹脂フィルムを樹脂フィ
ルムBとしたとき、容器成形後に容器内面側になる金属
板の表面に樹脂フィルムB、容器外面側になる金属板の
表面に樹脂フィルムAをラミネートしたことを特徴とす
る容器用フィルムラミネート金属板。 【数1】 - 【請求項2】 ワックス成分として、カルナウバろう若
しくはステアリン酸エステルを含有することを特徴とす
る請求項1に記載の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項3】 ラミネート後の樹脂フィルムA、樹脂フ
ィルムBの複屈折率が0.02以下である領域が、金属
板との接触界面からフィルム厚み方向に5μm未満であ
ることを特徴とする請求項1または2に記載の容器用フ
ィルムラミネート金属板。 - 【請求項4】 粒子が、該粒子表面にカルボン酸金属塩
を粒子1gに対し、10-5mol以上有することを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用フィルム
ラミネート金属板。 - 【請求項5】 粒子が下記の組成範囲を満足するケイ酸
アルミニウム粒子であることを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。 0.9≦Si≦1.5 0.1≦Al≦0.8 0.1≦M≦0.8 0.8≦M/Al≦1.5 ただし、 Si:粒子100g中の珪素原子のモル数 Al:粒子100g中のアルミニウム原子のモル数 M:粒子100g中のアルカリ金属原子のモル数 - 【請求項6】 ケイ酸アルミニウム粒子が実質的に非晶
質であることを特徴とする請求項5に記載の容器用フィ
ルムラミネート金属板。 - 【請求項7】 ケイ酸アルミニウム粒子の体積平均粒子
径Dw(μm)と比表面積S(m2/g)が、S≧3.
5/Dwの関係を満足することを特徴とする請求項5ま
たは6に記載の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項8】 ケイ酸アルミニウム粒子を10%変形さ
せたときの強度(S10)が、5kgf/mm2≦S1
0≦40kgf/mm2の関係を満足することを特徴と
する請求項5〜7のいずれかに記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。 - 【請求項9】 粒子が有機高分子粒子であることを特徴
とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器用フィルム
ラミネート金属板。 - 【請求項10】 有機高分子粒子を10%変形させたと
きの強度(S10)が0.5kgf/mm2≦S10≦
15kgf/mm2の関係を満足することを特徴とする
請求項9に記載の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項11】 樹脂フィルムA、樹脂フィルムBが、
樹脂に対して酸化防止剤を0.0001〜1質量%含有
することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載
の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項12】 二軸延伸ポリエステルフィルムのポリ
エステルの構成単位の95質量%以上がエチレンテレフ
タレート単位及び/またはエチレンナフタレート単位で
あることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
の容器用フィルムラミネート金属板。 - 【請求項13】 二軸延伸ポリエステルフィルムのポリ
エステルの構成単位が、エチレンテレフタレート単位お
よびエチレンナフタレート単位からなり、該エチレンテ
レフタレート単位が50〜99質量%且つ該エチレンナ
フタレート単位が1〜50質量%であることを特徴とす
る請求項1〜12のいずれかに記載の容器用フィルムラ
ミネート金属板。 - 【請求項14】 樹脂フィルムA、樹脂フィルムBの厚
さ方向屈折率が1.500以上であることを特徴とする
請求項1〜13のいずれかに記載の容器用フィルムラミ
ネート金属板。 - 【請求項15】 樹脂フィルムA、樹脂フィルムBの固
体分解能NMRによる構造解析におけるカルボニル部の
緩和時間が270msec以上であることを特徴とする
請求項1〜14のいずれかに記載の容器用フィルムラミ
ネート金属板。 - 【請求項16】 樹脂フィルムBが少なくとも2層以上
から構成され、該樹脂フィルムBは、内容物と接する最
上層にのみ、樹脂に対して0.10〜2.0質量%のワ
ックス成分を含有することを特徴とする請求項1〜15
のいずれかに記載の容器用フィルムラミネート金属板。
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