JP2002262810A - 豆腐の製造方法 - Google Patents
豆腐の製造方法Info
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Abstract
きる技術を提供するものである。 【解決手段】 豆乳に、リン酸カルシウム若しくは乳酸
カルシウムを凝固剤として添加し、その後、加熱,冷却
等の所定の手段により該豆乳を凝固せしめて豆腐を製造
するものである。
Description
関するものである。
は、「畑の肉」と言われる良質なタンパク質を含有した
大豆を豆乳にし、この豆乳に塩化マグネシウム若しくは
硫酸カルシウム等を凝固剤として添加した後、加熱及び
冷却して製造される。
綿豆腐等、わずかしかなく、業界においては新しい種類
の豆腐が要望されている。
来にない食感と旨味を有する豆腐を製造できる技術を提
供するものである。
る。
ルシウムを凝固剤として添加し、その後、加熱,冷却等
の所定の手段により該豆乳を凝固せしめて豆腐を製造す
ることを特徴とする豆腐の製造方法に係るものである。
いて、豆乳に凝固剤を添加する際、カルシウム濃度が
0.0041%(w/v)以上0.0085%(w/
v)未満となるように凝固剤を添加することを特徴とす
る豆腐の製造方法に係るものである。
豆腐の製造方法において、豆乳に凝固剤と共にプロテア
ーゼを添加し、その後、加熱,冷却等の所定の手段によ
り豆腐を製造することを特徴とする豆腐の製造方法に係
るものである。
いて、豆乳にプロテアーゼ及び凝固剤を添加した後、豆
乳を35℃以上45℃未満とし該温度で30乃至50分
保持してから、加熱,冷却等の所定の手段により該豆乳
を凝固せしめて豆腐を製造することを特徴とする豆腐の
製造方法に係るものである。
豆腐の製造方法において、豆乳に凝固剤と共に食塩を添
加し、その後、加熱,冷却等の所定の手段により豆腐を
製造することを特徴とする豆腐の製造方法に係るもので
ある。
豆腐の製造方法において、豆乳を凝固せしめた後、該凝
固物をプレスして水分を除去することを特徴とする豆腐
の製造方法に係るものである。
いて、除去する水分を凝固物の質量の16%(w/w)
以下に設定することを特徴とする豆腐の製造方法に係る
ものである。
を請求項としてまとめたもので、豆乳を凝固せしめる凝
固剤として、従来より使用されていた塩化マグネシウム
や硫酸カルシウムの代わりに、リン酸カルシウム若しく
は乳酸カルシウムを使用したところ、プリン状のなめら
かな食感で且つ旨味に秀れた豆腐を製造できることが確
認された。
の豆腐とは全く異なる新しい食感と旨味を有する豆腐が
得られることになる。
に説明する。
する。
酸カルシウムを凝固剤として添加し、その後、加熱,冷
却等の常法に従って豆腐を形成する。
後、所定時間加熱してから冷却する方法でも良い。
二リン酸カルシウム(CaHPO4)を採用すると良
い。
H3CHOHCOO)2・5H2Oである。
の添加量は、カルシウム濃度が0.0041%(w/
v)以上0.0085%(w/v)未満となるように行
うと良い。カルシウム濃度が低過ぎる場合には、豆乳は
凝固せず、また、カルシウム濃度が高すぎる場合には、
苦味が強くなってしまう。
シウムを凝固剤として添加する際、プロテアーゼ(例え
ば、ナガセ生化学工業(株)製ピオプラーゼSP−1
0)を添加して大豆に含まれるアレルゲン(アレルギー
成分)を分解すると良い。尚、プロテアーゼの添加量
は、該プロテアーゼの作用(タンパク質分解作用)によ
って生成する苦味成分(メチオニン,シスチン,イソロ
イシン,ロイシン,チロシン,ヒスチジン,アルギニ
ン,フェニールアラニン,バリン,プロリン及びこれら
のペプチド等)の量を押さえる為、豆乳に対して0.0
0018%(w/v)以上0.00135%(w/v)
以下に設定すると良い。
ウムは、前記プロテアーゼの増量剤として用いられるも
のであり、両者を同時に豆乳に加えることができる。ま
た、増量剤としてのリン酸カルシウムや乳酸カルシウム
だけでは不足の場合、豆乳にリン酸カルシウムや乳酸カ
ルシウムを追加添加すると良い。
せる為、プロテアーゼを添加した後、豆乳を35℃以上
45℃未満に加熱し且つ該温度で30分以上50分未満
保持すると良い。温度が低過ぎる場合には、アレルゲン
の分解が不十分となり、また、温度が高過ぎる場合に
は、タンパク質の分解が進み過ぎて豆乳が凝固できなく
なる。同様に、加熱時間が短過ぎる場合には、アレルゲ
ンの分解が不十分となり、また、加熱時間が長過ぎる場
合には、タンパク質の分解が進み過ぎて豆乳が凝固でき
なくなる。尚、最適は、40℃40分である。
り、大豆に含まれるアミノ酸成分等からγ−アミノ酪酸
が生成される。このγ−アミノ酪酸は、血圧抑制等の健
康機能を有する物質として注目を集めているものであ
る。
に従い、例えば80℃60分とする。
シウムを凝固剤として添加する際、食塩を添加して前記
苦味成分の影響を緩和若しくは消去せしめると良い。こ
の食塩の添加によれば、前記苦味成分が感じられなくな
ることが確認されている。尚、この苦味成分が感じられ
なくなる理由は、食塩の存在によって苦味成分が水に不
要となり、舌が前記苦味成分を感じられなくなるからで
はないかと推測されている。
/v)以上1.0%(w/v)未満に設定すると良い。
食塩の添加割合が低過ぎる場合には、豆腐に苦味が感じ
られ、また食塩の添加割合が高過ぎる場合には、豆腐に
塩辛さが感じられるようになってしまう。
は、タンパク質の一部の分解等によって形成される旨味
成分によっておいしいものとなり、且つ、プリン状の舌
触りの滑らかなものとなる。しかし、若干ながら、組織
が柔らか過ぎ且つ遊離水が生じる場合がある為、得られ
た豆腐をおもし等によってプレスすると良い。
水分の割合によって管理すると良く、また、水分の除去
と共に前記旨味成分が除去されることを防止する為、除
去する水分の割合を、凝固物(前記方法によって製造さ
れた豆腐)の質量の16%(w/w)以下に設定すると
良い。
豆腐とは全く異なりスプーンで掬って食べるようなプリ
ン状の舌触りで、しかも、非常に旨味があり、健康機能
性も高い非常に実用性に秀れた豆腐が得られることにな
る。
ついて詳述する。
とした豆腐の製造) 大豆に含まれるアレルゲンを分解して豆腐を製造する技
術として、出願人の先願に係る特願2000−5906
2号が提案されている。この特願2000−59062
号では、アレルゲンを分解する酵素として、プロテアー
ゼ9%(w/w)とリン酸カルシウム91%(w/w)
の混合物を採用しているが、別に凝固剤として塩化マグ
ネシウムも使用している。先ず、この塩化マグネシウム
を使用せず、前記混合物を凝固剤として代用できるか否
かを確認した。尚、プロテアーゼはナガセ生化学工業
(株)製ピオプラーゼSP−10を使用し、また、リン
酸カルシウムは第二リン酸カルシウムを使用した。
表2は得られた豆腐の評価、表3はS−Nの含有量(水
溶性窒素の含有量に関係する、旨味成分の指標)につい
て、塩化マグネシウムを凝固剤として添加したものとの
対比を示す。尚、前記混合物は「A」酵素と記載した。
加すれば、含有されるリン酸カルシウムによって豆乳が
凝固し、豆腐が得られることが確認された。また、得ら
れた豆腐は、離水がなく、その組織は塩化マグネシウム
を凝固剤としたものと明らかに異なる、滑らかなプリン
状様相を呈した。
テアーゼの添加量が高まり、このことによってペプチド
やアミノ酸の生成が多くなり、苦味が増大する懸念があ
ったが、塩化マグネシウムを凝固剤としたものは、豆乳
に対してプロテアーゼの添加量が0.009%(w/
v)以上(混合物の添加量で0.01%(w/v)以
上)で苦味が発生するのに対し、混合物の添加だけとし
たものは、豆乳に対してプロテアーゼの添加量が0.0
018%(w/v)以上(混合物の添加量で0.02%
(w/v)以上)で苦味が発生することが確認された。
即ち、塩化マグネシウムを添加せず、前記混合物を塩化
マグネシウム(凝固剤)の代わりとする方法によれば、
アミラーゼによってアレルゲンがより一層低減された豆
腐が得られることが確認された。
物のみを使用したものは、塩化マグネシウムを凝固剤と
して添加したものに比し、旨味成分に大きく関与するS
−Nの含有量が明らかに増大していた。従って、プロテ
アーゼによるタンパク質分解の際、旨味成分の醸成が良
好に行われていることが確認された。
とした豆腐の製造2) 実験例1によればリン酸カルシウムによってプリン状の
豆腐が得られることが確認された。しかし、プリン状の
組織は軟らかくて崩れ易いことから、商品化する為に
は、組織改善が必要であると考えた。前記混合物の量を
多くすれば、組織改善は可能と思われるが、その場合、
苦味成分が増えるというデメリットがある。従って、混
合物の添加量を増やさずリン酸カルシウムの添加量を増
やすことにした。
表5,6,7は得られた豆腐の評価を示す。
リン酸カルシウムの添加量を増やすことによる苦味の増
大の懸念はないものと確認された。
ぎると組織の凝固が緩く、また、添加量が多過ぎると豆
腐の滑らかさが損なわれることも確認された。従って、
リン酸カルシウムの総添加量は試料以上未満、即
ち、カルシウム濃度で0.0041%(w/v)以上
0.0085%(w/v)未満が良いことが確認され
た。
僅かな範囲のものであり、製造管理上重要ポイントであ
ると考えられる。
し、固形分が1/5以下であり、組織形態が非常に異質
であることも確認された。
秀れた旨味の試料(27.9%(w/w))と苦味を
有した試料(31.9%(w/w))とでわずが4.
0%しか違いがない。従って、この点も製造管理上重要
ポイントであると考えられ、S/T−Nの生成量を試料
以下とした方が良いと思われる。
定した表7より、各アミノ酸の量は、苦味の高いもの
程、概ねその量が増大していることが確認された。
ウムを凝固剤とすることにより、プリン状の食感を有す
るおいしい豆腐が得られることが確認された。
した豆腐の製造) 実験例2により、アミラーゼとリン酸カルシウムとを混
合した混合物と、組織を補強する為のリン酸カルシウム
とを豆乳に添加することで、食感に秀れ且つおいしい豆
腐が得られることが確認されたが、この組織を補強する
為のリン酸カルシウムの代わりに乳酸カルシウムを添加
した場合がどうなるかについて実験を行った。
示す。
ムも差異はなく、塩化マグネシウムよりは明らかに凝固
し、滑らかさ及び食味の秀れた豆腐が得られることが確
認された。
とした豆腐の製造3) 実験例3により得られた豆腐は、滑らかさ及び食味の秀
れたものであったが、離水が多く、且つ、組織崩れが発
生し易いものとなった。この原因は、混合物に含まれる
アミラーゼの反応温度が高いからではないかと着眼し
た。
ンパク質の分解が促進されているのではないかと考えら
れた為、このアミラーゼの適正反応温度について実験を
行った。
表10,11,12は得られた豆腐の評価を示す。
は、35℃以上45℃未満が良いことが確認された。ま
た、塩化マグネシウムを凝固剤としたものに対しての顕
著な優位性も確認された。
備試験により30乃至50分が良く、最適が40分であ
ることを確認して決定したものである。
とした豆腐の製造4) 実験例4により得られた豆腐は、若干ながら組織が軟ら
かく且つ遊離水が存在した。この点は、工場規模での本
格生産の差異、輸送によって破損が発生する可能性を示
唆している。従って、組織の引き締め及び遊離水の発生
を防止する為、プレスを行った方が良いと考えられる
が、このプレスによって旨味成分が余剰な水分と共に除
去されたり、また、滑らかさが損なわれたりすると問題
となる。よって、最適なプレス条件について実験を行っ
た。
ト、表14,15,16は得られた豆腐の評価を示す。
いては、試料、即ち離水率12%(w/w)が最も秀
れ、また、離水率16%(w/w)を超えると製品とし
て不十分になるものと考えられた。
秀れ、それ以上の離水率であると、旨味成分が除去され
る為か、その存在割合が減少することが確認された。
とした豆腐の機能)
−アミノ酪酸(GABA)が、高等動物においては、神
経の主要な抑制伝達物質として脳代謝促進作用等の重要
な働きをすると共に、血圧抑制作用を発揮することが知
られてきた。また、このγ−アミノ酪酸はグルタミン酸
を原料に脱炭酸酵素がビタミンB1の存在下で作用する
ことにより生成されることが確認された。従って、この
γ−アミノ酪酸に関する知見と、豆腐原料の大豆にγ−
アミノ酪酸生成成分が含まれていることから、上記実験
例のようなアミラーゼによるタンパク質分解等により得
た豆腐にγ−アミノ酪酸が多く含まれるのではないかと
推測した。
中のγ−アミノ酪酸をアミノ酸自動分析装置(LC6A
シリーズShim−PaCKアミノLi型カラム)によ
り測定し、下記表17を得た。
された豆腐には、従来の方法によって得られた豆腐に比
し、多量のγ−アミノ酪酸が含まれていることが確認さ
れた。
ないのは、疎水性のγ−アミノ酪酸が多い為ではないか
と考えられた。
Claims (7)
- 【請求項1】 豆乳に、リン酸カルシウム若しくは乳酸
カルシウムを凝固剤として添加し、その後、加熱,冷却
等の所定の手段により該豆乳を凝固せしめて豆腐を製造
することを特徴とする豆腐の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の豆腐の製造方法におい
て、豆乳に凝固剤を添加する際、カルシウム濃度が0.
0041%(w/v)以上0.0085%(w/v)未
満となるように凝固剤を添加することを特徴とする豆腐
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1,2いずれか1項に記載の豆腐
の製造方法において、豆乳に凝固剤と共にプロテアーゼ
を添加し、その後、加熱,冷却等の所定の手段により豆
腐を製造することを特徴とする豆腐の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の豆腐の製造方法におい
て、豆乳にプロテアーゼ及び凝固剤を添加した後、豆乳
を35℃以上45℃未満とし該温度で30乃至50分保
持してから、加熱,冷却等の所定の手段により該豆乳を
凝固せしめて豆腐を製造することを特徴とする豆腐の製
造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1項に記載の豆腐
の製造方法において、豆乳に凝固剤と共に食塩を添加
し、その後、加熱,冷却等の所定の手段により豆腐を製
造することを特徴とする豆腐の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5いずれか1項に記載の豆腐
の製造方法において、豆乳を凝固せしめた後、該凝固物
をプレスして水分を除去することを特徴とする豆腐の製
造方法。 - 【請求項7】 請求項6記載の豆腐の製造方法におい
て、除去する水分を凝固物の質量の16%(w/w)以
下に設定することを特徴とする豆腐の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001070904A JP3578723B2 (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | 豆腐の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020145927A (ja) * | 2019-03-11 | 2020-09-17 | 味の素株式会社 | プロテアーゼを用いた豆腐の製造方法 |
-
2001
- 2001-03-13 JP JP2001070904A patent/JP3578723B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020145927A (ja) * | 2019-03-11 | 2020-09-17 | 味の素株式会社 | プロテアーゼを用いた豆腐の製造方法 |
JP7259424B2 (ja) | 2019-03-11 | 2023-04-18 | 味の素株式会社 | プロテアーゼを用いた豆腐の製造方法 |
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