JP2002262594A - 直流電動機の制御装置 - Google Patents

直流電動機の制御装置

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JP2002262594A JP2001054882A JP2001054882A JP2002262594A JP 2002262594 A JP2002262594 A JP 2002262594A JP 2001054882 A JP2001054882 A JP 2001054882A JP 2001054882 A JP2001054882 A JP 2001054882A JP 2002262594 A JP2002262594 A JP 2002262594A
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健二 阪本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分巻型の直流電動機の駆動開始時の課題を解消
し、良好な駆動開始ができる直流電動機の制御装置を提
供することにある。 【解決手段】メインモータ出力部50は界磁巻線1aに
のみ指令電圧に応じた電圧を界磁電流検出部51aを介
して印加する。これにより界磁巻線1aに流れる電流は
上昇を開始する。界磁電流検出部51aの検出電流値が
所定電流値を越えると、電磁ブレーキ出力部65は界磁
電流が所定電流値を越えると電磁ブレーキ18を開放す
るように電磁石をオフさせる。速度制御処理部62も速
度制御演算を開始し、電流制御処理部63は電機子電流
指令値に基づいて電機子電流検出部51bの検出値とが
一致するように電機子巻線1bに印加する電圧指令値を
メインモータ出力部50に与え、メインモータ出力部5
0は、この電圧指令値に応じた電圧を電機子電流検出部
51bを介して電機子巻線1bに印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフカーのよう
な電動車等の駆動源となる分巻型の直流電動機の制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】直流電動機を駆動源とする装置は多々あ
るが、これらの直流電動機の制御は、指令速度と、検出
速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻
線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値
に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定
し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値と
が一致するように制御を行う方法が通常用いられてい
る。そして直流電動機が停止中であっても駆動負荷の自
重等により直流電動機が自由回転し、駆動負荷が停止位
置より動く恐れがあるため電磁ブレーキ等により機械的
にロックして直流電動機の自由回転を規制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、駆動源とし
て直流電動機を採用したゴルフカー等の電動車が提供さ
れているが、これらの電動車には上述したような方法で
速度制御を行うものがある。特にゴルフカーでは自動運
転する場合があり、この自動運転では発進指令がある
と、停止状態から発進を開始するに当たって、まず後輪
の車軸を電磁ブレーキでロックしている状態、つまり直
流電動機の自由な回転を機械的にロックしている状態か
ら電磁ブレーキのロックを開放し、しかる後に検出され
る車速が徐々に指令速度に到達するように直流電動機の
電機子巻線及び界磁巻線に流す電流を設定しながら直流
電動機を駆動開始させる制御が上述の方法により行われ
ている。
【0004】ところで坂道上で停止したゴルフカーを登
り方向に発進する場合、上記のように発進指令の入力と
同時に電磁ブレーキを開放すると、直流電動機に充分な
トルクが得られていないないため、発進開始当初では自
重で坂道を電動車がずり下がると言う問題があった。ま
た一方界磁電流が不足していると、電機子巻線に過大に
流れると言う問題があった。
【0005】更に界磁電流が少なく、トルクが充分得ら
れない状態の発進当初から速度制御を開始すると、坂道
発進時のずり下がり時に対して登り方向の速度応答が悪
く、ずり下がりを抑えるのが難しいと言う問題があっ
た。
【0006】また従来のこの種の直流電動機の制御装置
では、界磁巻線、電機子巻線に対して各巻線の通電路に
挿入したスイッチング素子を備えた駆動回路が設けら
れ、各スイッチング素子を夫々に対応したPWM信号に
よってオンオフすることで、夫々の巻線に流れる電流を
制御する構成が広く採用されているが、PWM信号を発
生させる回路にトラブルが発生し、電機子巻線側の駆動
回路に対応するPWM信号を発生させるものの、界磁巻
線側の駆動回路に対応するPWM信号を発生しない場
合、界磁巻線の電流がゼロであるため、電機子巻線に流
れる電流を増加させるために対応する駆動回路のスイッ
チング素子へのPWM信号のオンデュティを大きくする
制御が為され、結果スイッチング素子の破壊につながる
恐れがあった。
【0007】本発明は上記問題に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、分巻型の直流電動機の駆動開始時の
課題を解消し、良好な駆動開始ができる直流電動機の制
御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、指
令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電
動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算
した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指
令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる
電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機
の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、直流
電動機の界磁巻線に流れる電流が所定電流値以上になっ
てから直流電動機の回転を機械的に規制する電磁ブレー
キを開放する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明では、指令速度と、検出速
度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線
に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に
基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定
し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値と
が一致するように制御を行う直流電動機の制御装置にお
いて、直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電
流が所定値以上となってから、電機子巻線への通電を開
始させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項3の発明では、指令速度と、検出速
度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線
に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に
基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定
し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値と
が一致するように制御を行う直流電動機の制御装置にお
いて、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻
線に流す電流が所定値以上となってから、速度制御を開
始する制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】請求項4の発明では、請求項1乃至3の何
れかの発明において、界磁巻線に電流を流す駆動回路へ
の駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆
動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める
手段を設けたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本実施形態の直流電動機の
制御装置を採用したゴルフカーの全体構成を図2に示す
ブロック図に基づいて概説する。
【0013】本実施形態を採用したゴルフカーは、所定
の誘導経路に沿う自動走行と乗員の手動操作による手動
走行が可能となっている。このゴルフカーには駆動源と
しての分巻型直流電動機(以下、「メインモータ」とい
う)1並びにメインモータ1の電源としてメインバッテ
リ2が搭載されており、メインモータ1から供給される
駆動力を駆動輪である後輪3a,3bに伝達するための
トランスミッション4、操舵輪である前輪3c,3dを
操舵するためのハンドル5、本発明に係る制御装置を構
成するコントローラ11、人が操作して車速を変えるた
めのアクセルペダル7、人が操作して車両に制動力を加
えるためのブレーキペダル8とドラムブレーキ9、車両
の前後進を人の操作で切り換えるためのシフトレバー1
0、コントローラ11やメインモータ1以外の各種モー
タ等に電源を供給する補機バッテリ6、外部電源により
メインバッテリ2並びに補機バッテリ6を充電する充電
器28と、メインモータ1の出力軸をロックするための
電磁ブレーキ18とが設けられている。
【0014】また、ゴルフカーには、自動走行のための
ステアリングモータ13、ブレーキモータ16、誘導線
センサ19a,19b,19c、定点センサ20、左右
のバンパスイッチ21、追突防止センサ受信機22a並
びに追突防止センサ送信機22b、左右の障害物センサ
23等の各種センサ群、自動制動と手動制動を切り換え
るための切換機構24、リモコン送信器25からの信号
を受信してコントローラ11に入力するためのリモコン
受信器26、追突防止センサ受信機22aが前方のゴル
フカーから受信する追突防止信号のコントローラ11へ
の入力並びに追突防止センサ送信機22bから後方への
追突防止信号へ送信する際の制御を行う追突防止コント
ローラ27等が設けられている。
【0015】コントローラ11はCPUやメモリ、入出
力のインタフェース等で構成される制御部48を有し、
制御部48にて所定の制御プログラムを実行することで
速度制御やメインモータ1の発進時の制御等を行う。ま
た、コントローラ11はステアリングドライバ12を備
え、このステアリングドライバ12は、自動走行時にコ
ントローラ11から出力される操舵指示信号に応じた駆
動電流をステアリングモータ13に供給するものであっ
て、ステアリングモータ13の回転はギヤ29,30を
介してステアリング軸31に伝達され、ステアリング軸
31が回動することによって所望のステアリング操作が
なされる。なお、自動走行時には、コントローラ11か
らの信号によってクラッチモータリレー32aを介して
クラッチモータ32bが駆動されてステアリングクラッ
チ32がオフされ、ハンドル5はステアリング軸31か
ら切り離されて手動によるステアリング操作が不能とな
る。
【0016】また、コントローラ11にはアクセルペダ
ル7の操作をアクセルスイッチ34によって検知した検
知信号と、アクセルペダル7の踏み込み度合をアクセル
ポテンショメータ35によって検出した検出信号がそれ
ぞれ入力される。
【0017】さらに、コントローラ11はブレーキモー
タ出力部15を備えており、自動走行時にコントローラ
11から出力される制御指示信号に応じた駆動電流をブ
レーキモータ出力部15からブレーキモータ16に供給
させ、ブレーキモータ16によりギヤ37及び切換機構
24を介して後輪3a,3b及び前輪3c,3dの各々
に設けられたドラムブレーキ9を駆動して車両に制動力
を加える。そして、自動走行時においても、ブレーキペ
ダル8は切換機構24を介してドラムブレーキ9に接続
されており、ブレーキペダル8の踏み込み操作による制
動も可能である。但し、ブレーキペダル8の踏み込み操
作はブレーキスイッチ38によって検出され、その検出
信号はコントローラ11に入力される。
【0018】電磁ブレーキ18は、コントローラ11に
よってオン/オフ制御され、メインモータ1の回転をト
ランスミッション4に伝達する回動軸(図示せず)にス
プライン嵌合されたディスク18aと、回動軸と非接触
で、かつディスク18aに対向するようトランスミッシ
ョン4の外壁等に固定された固定盤18bとで構成され
ている。ディスク18aは、回動軸にスプライン嵌合さ
れていることから、回動軸と一体となって回転する一
方、回動軸の軸方向に移動可能となっている。また、固
定盤18bは、ディスク18aを吸引する磁界を発生す
る永久磁石と、この永久磁石の磁界を打ち消すようコン
トローラ11によって励磁される電磁石とで構成されて
いる。すなわち、この電磁ブレーキ18は、走行中にお
いて電磁石に対する励磁がオンとされ、この磁界によっ
て永久磁石の磁界が打ち消されることによりディスク1
8aに対する吸引力が無くなり、結果的に回動軸に対し
制動がかからない状態(開放状態)となる。一方、電磁
石に対する励磁がオフとされると、ディスク18aが永
久磁石の磁力によって固定盤18bに吸着され、回動軸
に対し制動がかかる状態(ロック状態)、つまりメイン
モータ1をロックする状態となる。
【0019】誘導線センサ19a〜19cは、車両の前
端部に水平方向に回動自在に取り付けられたT字状アー
ム39の中央と左右に地面と対向するように配置され、
ゴルフ場のコースに沿って埋設され且つ交流電圧が印加
された誘導線(図示せず)を磁気的に検出し、誘導線と
の距離に応じた検出信号を誘導線センサ用アンプ14で
増幅してコントローラ11の制御部48に入力する。す
なわち、コントローラ11の制御部48は誘導線センサ
19a〜19cからの検出信号に基づいて車両位置の誘
導線からの偏差量を算出し、この偏差量を「0」とする
ような操舵指示信号をステアリングドライバ12に対し
て出力することによって車両を誘導線に沿って自動走行
させる。
【0020】また、定点センサ20は、地面と対向する
よう車両の所定位置に取り付けられており、ゴルフ場の
コース等に所定間隔を置いて埋設された複数の永久磁石
からなる定点を磁気的に検出し、その並びのパターンに
対応した検出信号を定点センサ用アンプ17で増幅して
コントローラ11の制御部48に対して出力することに
よって車両の停止/発進、加速等の速度制御を行うため
の情報をコントローラ11に提供するものである。
【0021】追突防止センサ受信機22aは車両の前端
部に設けられており、前方を走行するゴルフカーの追突
防止センサ送信機22bから送信される電波を受信す
る。追突防止コントローラ27では追突防止センサ受信
機22aで受信した電波の強度に応じた検出信号をコン
トローラ11へ出力する。コントローラ11は、この追
突防止コントローラ27からの検出信号に基づき、前方
車両との距離が所定の設定値以下であるか否かを判断
し、設定値以下であると判断した場合には、追突を防止
すべく車両を停止させる。
【0022】障害物センサ23は、車両の前端部の左右
2箇所にそれぞれ設けられた光反射型の赤外線センサで
あり、車両前方に存在する障害物(人、動物等の生物を
含む)との距離に応じた検出信号を出力する(但し、こ
の検出信号のレベルは障害物との距離が短くなるにつれ
て大きくなる)。コントローラ11は、各々の障害物セ
ンサ23の出力をそれぞれ第1及び第2の設定値と比較
し、何れか一方のセンサ出力(障害物との距離)が第1
の設定値以上である場合には車両を減速させ、第1の設
定値よりさらに大きい第2の設定値以上である場合には
車両を停止させる。これにより、障害物との接触が回避
される。
【0023】バンパスイッチ21は、フロントバンパと
車両本体との隙間の左右2箇所に設けられ、通常時はオ
フ状態となっているが、フロントバンパが何らかの障害
物によって押圧されるとオン状態になる。コントローラ
11は何れかのバンパスイッチ21がオン状態になると
車両を停止させる。
【0024】また、走行路の勾配を検出する傾斜検出部
(図示せず)が車両に取り付けられており、平地をゼロ
とし、上りにプラス、下りにマイナスの符号を付けて勾
配が急なほど大きな値となる検出信号をコントローラ1
1に出力する。
【0025】その他、車両の走行状態を検出するセンサ
群として、トランスミッション4には車速を検出するた
めのエンコーダからなる2つの車速センサ41,42、
ギヤ37にはドラムブレーキ9及び制動力伝達経路を含
むブレーキ系のストロークが大きくなったためにブレー
キモータ16の回転角が一定の限界値を超えたか否かを
検出するブレーキリミットスイッチ44がそれぞれ設け
られており、これらの検出信号はコントローラ11に入
力される。尚車速センサ41,42を2つ設けている理
由は、一方が故障した場合でも速度制御を可能とするた
めと、コントローラ11にて2つの車速センサ41,4
2の検出信号の位相差で走行方向を検出するためであ
る。
【0026】また、シフトレバー10の近傍には、シフ
トレバー10の操作位置(前進位置及び後進位置)を検
出する前進検出スイッチ45と後進検出スイッチ46が
設けられるとともに、後進時に警報を発するための警報
ブザー47が設けられており、前進検出スイッチ45並
びに後進検出スイッチ46の検出信号がコントローラ1
1に入力されている。
【0027】ところで、運転席の近傍には操作盤40が
設置されており、この操作盤40には、メインバッテリ
2からメインモータ1への給電経路に挿入されたメイン
リレー36をオン/オフするためのメインスイッチ40
aの他、手動走行と自動走行の切換を指示する自動/手
動切換スイッチ40b、発進と停止を指示する発進/停
止スイッチ40c等の各種スイッチ、警告表示等を行う
警告灯40dや走行状態等の各種情報が表示される表示
灯40e並びにメインバッテリ2の残容量を表示する残
量計40fが設けられている。而して、操作盤40の自
動/手動切換スイッチ40bにて自動走行が選択される
と、コントローラ11は車両の走行モードを手動走行か
ら自動走行に切り換え、後述するような自動走行のため
の制御を行う。
【0028】また、リモコン送信器25は操作盤40の
発進/停止スイッチ40cと同様の機能を有しており、
リモコン送信器25から無線信号で送信される発進/停
止の指示をリモコン受信器26で受信してコントローラ
11に送ることにより、ゴルフカーの遠隔操作が可能と
なっている。
【0029】さらに、車両故障やメインバッテリ2の残
容量不足等によって車両が自力走行不能となった場合の
ために牽引スイッチ49が設けてある。すなわち、この
牽引スイッチ49をオンするとコントローラ11により
電磁ブレーキ18に通電されて開放状態となり、他のゴ
ルフカー等によって牽引が可能になる。
【0030】次に、ゴルフカーの動作を概略的に説明す
る。まず、メインスイッチ40aがオンされると、コン
トローラ11の制御部48が所定の制御プログラムを実
行し、自動/手動切換スイッチ40bが「自動走行」と
「手動走行」の何れに切り換えられているかを判断す
る。仮に自動/手動切換スイッチ40bが自動走行に切
り換えられているとすると、制御部48は自動走行用の
ルーチンを実行して、以下の自動走行制御を行う。
【0031】制御部48はシフトレバー10が前進位置
に操作されているか否か、すなわち、前進スイッチ45
からオン状態を示す検出信号が入力されているか否かを
判断し、前進スイッチ45がオン状態でなければ車両の
停止状態を維持し、前進スイッチ45がオン状態であれ
ば、操作盤40あるいはリモコン送信器25から発進指
示があったか否かを判断する。ここで、操作盤40の発
進/停止スイッチ40cあるいはリモコン送信器25の
発進/停止スイッチ(図示せず)が操作されて発進指示
がなされると、制御部48がクラッチモータリレー32
aをオン・オフしてステアリングクラッチ32がオフす
る位置にクラッチモータ32bを停止させて、ハンドル
5をステアリング軸31から切り離す。これにより、ハ
ンドル5の操作による手動操舵が不能になるとともに、
自動操舵に伴うハンドル4の回動が防止される。
【0032】そして、制御部48はメインリレー36を
オンしてメインバッテリ2からの給電経路を閉成すると
ともに、メインモータ1の界磁巻線及び電機子巻線(図
示せず)に電圧を印加するメインモータ出力部50を制
御してメインモータ1を起動する。メインモータ1の起
動後、制御部48が電磁ブレーキ18に通電して開放状
態とすることで駆動輪(後輪3a,3b)が回動して車
両が前方へ走行する。走行開始後は、制御部48が車速
センサ42の車速検出値等の各種センサ出力に基づいて
メインモータ出力部50、ブレーキモータ出力部15並
びに電磁ブレーキ18を制御し、車両の速度制御を行
う。同時に、制御部48では誘導線センサ19a〜19
cからの検出信号に基づいて車両位置の誘導線からの偏
差量を算出し、この偏差量を「0」とするような操舵指
示信号をステアリングドライバ12に対して出力し、ス
テアリングドライバ12を介してステアリングモータ1
3を駆動することで操舵制御を行う。このような速度制
御と操舵制御により自動走行が行われる。
【0033】一方、自動/手動切換スイッチ40bが手
動走行に切り換えられている場合、制御部48が手動走
行用のルーチンを実行し、クラッチモータリレー32a
をオン・オフしてステアリングクラッチモータ32bが
オフする位置にクラッチモータ32bを停止させる。こ
れにより、ハンドル5がステアリング軸31に接続され
て、ハンドル5の操作による手動操舵が可能になる。そ
して、アクセルスイッチ34並びにアクセルポテンショ
メータ35によって検出されるアクセルペダル7の踏み
込み量に応じて、制御部48がメインモータ1への通電
を制御して車両の速度制御を行う。なお、手動走行中に
アクセルペダル7から足を離す、すなわちアクセルペダ
ル7の踏み込み量をゼロにすれば、メインモータ1に回
生電流が流れて制動(回生制動)がかかる。
【0034】次にコントローラ11の操舵制御を除く,
本発明の主要な構成であるメインモータ1の制御に関わ
る部分について、さらに詳しく説明する。図1は本実施
形態の制御装置(コントローラ11の制御に関わる部
分)の概略構成を示すブロック図である。なお、図1に
示す入力処理部60、指令速度演算部61、速度制御処
理部62、電流制御処理部63、ブレーキモータ制御処
理部64、電磁ブレーキ出力部65の各部は、制御部4
8のCPUにて制御プログラムを実行することで実現さ
れる。
【0035】入力処理部60には、アクセルペダル7の
操作をアクセルスイッチ34によって検知した検知信
号、アクセルペダル7の踏み込み度合をアクセルポテン
ショメータ35によって検出した検出信号、定点センサ
20からの検出信号、操作盤40に設けられた発進/停
止スイッチ40c等の各種スイッチの操作状態を示す信
号、追突防止コントローラ27からの検出信号、リモコ
ン送信器25の受信信号、傾斜検出部33の検出信号等
の各種信号源から入力する信号処理を行い、これらの信
号に応じて車両の設定速度を決定する。
【0036】ここで、手動走行時には主にアクセルポテ
ンショメータ35の検出信号、すなわちアクセルペダル
7の踏み込み度合に応じて設定速度が決まり、自動走行
時には主に定点センサ20からの検出信号、操作盤40
に設けられた発進/停止スイッチ40c等の各種スイッ
チの操作状態を示す信号、リモコン送信器25の受信信
号、傾斜検出部33の検出信号に応じて設定速度が決ま
り、各信号に応じた設定速度の値が手動走行及び自動走
行毎に予め制御部48のメモリに格納されている。入力
処理部60では各信号に応じた設定速度をメモリから読
み出して指令速度演算部61に出力する。
【0037】指令速度演算部61は、入力処理部60か
ら与えられる設定速度に基づいて車両の実際の走行速度
を決める指令速度を演算するものであって、例えば、停
止又は一定速度で走行中に設定速度が現在の値よりも高
い値(あるいは低い値)に変更された場合、現在の設定
速度から変更後の設定速度に徐々に且つ滑らかに加速
(あるいは減速)するように指令速度を変化させる。
【0038】速度制御処理部62は、指令速度演算部6
1から与えられる指令速度と車速センサ41,42の検
出信号(検出速度)とを一致させるためにメインモータ
1に流す必要がある電流値を演算し、この電流値に応じ
たメインモータ指令電流値を電流制限部66を介して電
流制御処理部63、並びにブレーキモータ制御処理部6
4に出力する。
【0039】電流制御処理部63は、速度制御処理部6
2から与えられるメインモータ指令電流と電流検出部5
1で検出されるメインモータ1の電流(検出電流)とを
一致させるために必要となるメインモータ1への印加電
圧を演算し、この印加電圧に応じた指令電圧値をメイン
モータ出力部50に出力する。
【0040】ここで、本実施形態においてはメインモー
タ1として分巻型直流電動機を用いているが、この直流
電動機では一般に回転速度と電機子電圧とが比例し且つ
回転速度と界磁電流とが反比例することから、電機子電
圧(電機子電流)及び界磁電流を調整することでメイン
モータ1の回転速度を制御することができる。
【0041】すなわち、電機子電流を増大するとともに
界磁電流を減少させることでメインモータ1の回転数を
上昇させて車両を加速し、電機子電流を減少するととも
に界磁電流を増大させることでメインモータ1の回転数
を下降させて車両を減速する、つまり制動(回生制動)
をかけることができる。また分巻型電動機ではトルクが
電機子電流と磁束(界磁電流)の相乗積に比例するた
め、登板時のように速度をできるだけ落とさずに大きな
トルクを得たい場合には、電機子電流と界磁電流の両方
を増大させる必要がある。
【0042】而して、速度制御処理部62からは指令速
度と検出速度を一致させるためにメインモータ1の電機
子巻線及び界磁巻線(何れも図示せず)にそれぞれ流す
必要がある電機子電流及び界磁電流の指令値がメインモ
ータ指令電流として出力されており、電流制御処理部6
3では、電流検出部51で各々検出される電機子電流の
検出値及び界磁電流の検出値とメインモータ指令電流の
電機子電流及び界磁電流の各指令値とを一致させるため
に必要となる電機子巻線への印加電圧及び界磁巻線への
印加電圧に応じた指令電圧値をメインモータ出力部50
に出力する。メインモータ出力部50は、メインバッテ
リ2からメインモータ1の電機子巻線1b及び界磁巻線
1aへの印加電圧を電流制御処理部63から与えられる
指令電圧値に応じて調整する。
【0043】一方、ブレーキモータ制御処理部64は、
速度制御処理部62から与えられるメインモータ指令電
流と電流検出部51で検出される検出電流とを比較し、
検出電流とメインモータ指令電流との差分に応じたブレ
ーキモータ指令電流値を演算してブレーキモータ出力部
15に出力する。そして、ブレーキモータ出力部15で
は、ブレーキモータ制御処理部64から与えられるブレ
ーキモータ指令電流値に対応する電流を流すのに必要な
電圧を補機バッテリ6からブレーキモータ16へ印加す
る。ここで、ブレーキモータ制御処理部64による演算
では検出電流とメインモータ指令電流との差分が大きい
ほどブレーキモータ指令電流の値が大きな値となり、ブ
レーキモータ指令電流の値が大きいほど、すなわちブレ
ーキモータ16への印加電圧が高いほどドラムブレーキ
9の駆動力が増大して大きな制動がかかるようになって
いる。
【0044】また、指令速度演算部61から出力する指
令速度と車速センサ41,42の検出速度及び界磁電流
を検出する電流検出部51の界磁電流検出部51aの検
出出力が電磁ブレーキ出力部65に与えられる。
【0045】電磁ブレーキ出力部65では、図3に示す
フローチャートにより制御される。
【0046】つまり発進指示があり且つ速度センサ4
1,42の検出速度をチェックして、指令速度及び検出
速度と、予め定めたロック速度Aとを比較し(1)
(2)、指令速度及び検出速度がロック速度A以下の場
合には電磁ブレーキ18のロック状態を維持する
(7)。そして速度制御処理部62は、電機子巻線1b
に対する電流指令値をゼロのままとする(8)。
【0047】一方発進指示がある場合には、指令速度演
算部61から設定速度に到達するように指令速度が一致
するように滑らかに指令速度値を変化させながら速度制
御処理部62に出力するが、速度制御処理部62は所定
の界磁電流指令値と電機子電流指令値を電流制御処理部
63に出力する。電流制御処理部63は、電機子電流指
令値から、予め電機子電流と界磁電流との関係を設定し
てしてあるマップから界磁電流指令値を設定し、電機子
電流指令値と電機子巻線1bに流れる電流を検出する電
機子電流検出部51bの検出値及び界磁電流指令値と界
磁巻線1aに流れる電流を検出する界磁電流検出部51
aの検出値が夫々一致するように演算して電機子巻線1
b、界磁巻線1aに印加する電圧指令値を求めるが、界
磁電流検出部51aが検出する界磁電流と所定電流IA
とを比較し(3)、界磁電流が所定電流IA以上となる
まで電機子巻線1bに対する電圧指令値をメインモータ
出力部50に出力せず、界磁巻線1aに対する電圧指令
値のみをメインモータ出力部50に出力する。
【0048】従ってメインモータ出力部50は界磁巻線
1aにのみ指令電圧値に応じた電圧を界磁電流検出部5
1aを介して印加する。これにより界磁巻線1aに流れ
る電流は上昇を開始し、界磁電流検出部51aで検出す
る電流がやがて所定電流値IAを越えることになる。
【0049】ここで、検出電流の値が所定電流値IAを
越えると、電磁ブレーキ出力部65は電磁ブレーキ18
を開放するように電磁石をオンさせる(4)。一方速度
制御処理部62も速度制御演算を開始し(5)、また電
機子電流指令値を求める制御演算(6)を行い、電流制
御処理部63は電機子電流指令値に基づいて電機子電流
検出部51bの検出値とが一致するように電機子巻線1
bに印加する電圧指令値をメインモータ出力部50に与
え、メインモータ出力部50は、この電圧指令値に応じ
た電圧を電機子電流検出部51bを介して電機子巻線1
bに印加する。
【0050】このように電磁ブレーキ18及びメインモ
ータ1を制御することで、発進時に電機子電流に対応し
たトルクが素早く出せ、例えば車両が坂道を上る方向に
発進する場合、電磁ブレーキ18が開放されても坂道を
ずり下がることなく発進ができることになる。また界磁
電流が不足している時における電機子電流の過大を防ぐ
ことができる。更に発進時の速度応答性が向上し、坂道
発進時のずり下がりを抑えることができる。
【0051】また発進後、速度センサ41,42の検出
速度がロック速度Aを越えると、速度制御処理部62
は、指令速度演算部61からの、指令速度値が上述のロ
ック速度Aを越えているか否かを判断し(9)、越えて
いる場合には、速度制御演算(10)を行うとともに、
電機子電流制御演算(11)を行う。一方電磁ブレーキ
出力部65は電磁ブレーキ18の開放状態を維持する。
【0052】一方ここでの判断が否の場合には車両は停
止する状態にあると判断されると、電磁ブレーキ出力部
65は電磁石をオフして電磁ブレーキ18をロックさせ
る。また速度制御処理部62は電機子電流指令値をゼ
ロにする(8)。
【0053】ところで図4は本実施形態のインモータ出
力部50の具体的な構成を示しており、この図示する回
路例は、直列に接続した対のスイッチング素子Q1,Q
2及びスイッチング素子Q3,Q4をメインバッテリ2
に並列接続するとともにスイッチング素子Q1とスイッ
チング素子Q2の接続点とスイッチング素子Q3とスイ
ッチング素子Q4の接続点との間に界磁巻線1aを界磁
電流検出部51aを介して接続してある駆動回路と、直
列に接続した対のスイッチング素子Q5、Q6をメイン
バッテリ2に接続し、一方のスイッチング素子Q6に並
列に電機子巻線1bを接続した駆動回路と、各スイッチ
ング素子Q1〜Q6のゲート(ベース)にPWM信号か
らなる駆動信号を与えるゲート駆動回路71〜76と、
界磁巻線1a側のゲート駆動回路71〜74に回転方向
信号Zに応じた駆動信号と、PWM制御により印加電圧
を制御するPWM信号Xとを分配する分配回路81と、
電機子巻線1b側のゲート駆動回路75,76にPWM
信号Yを分配する分配回路82と、PWM信号Xの分配
回路81に入力に連携する形でPWM信号Yの分配回路
82への入力を制御するためのタイマ回路91及びアン
ド回路92と、上記電流制御処理部63からの界磁電流
指令値及び電機子電流指令値に応じた電圧を印加させる
ためにデュティ比を設定したPWM信号X,Yを出力す
るとともに、車両の走行方向指令に応じた回転方向信号
Zを出力する信号生成回路93とで構成されている。尚
図中a〜dはゲート駆動回路71〜74の入力と分配回
路81の出力との接続関係を示す。
【0054】まず界磁巻線1a側では図5(a)に示す
ように界磁巻線1a側に対応するようにPWM信号Xが
分配回路81に入力すると、最初のパルス信号が立ち下
がってから次のパルス信号が立ち下がるタイミングでタ
イマ回路91はそのタイマ出力INHを図5(b)のよ
うに”H”とする。このタイマ出力INHと、PWM信
号Yとの論理積をとるアンド回路92は、タイマ出力I
NHが”H”となれば、PWM信号Yを分配回路82へ
出力することができる状態となる。
【0055】ここで上述したように駆動開始時に界磁電
流が所定値IA以上となって初めて電機子電流を流すよ
うに制御するのであるが、図4の回路動作を分かり易く
するために、PWM信号Xが信号生成回路93から出力
される前から図5(c)に示すようにPWM信号Yが出
力されているものとすると、上記のタイマ出力INH
が”H”となると同時にPWM信号Yは分配回路82に
入力することになる。分配回路82は入力したPWM信
号Yと、それを反転したPWM信号Y’を図5(d),
(e)に示すように夫々出力する。つまり電機子巻線1
bにメインバッテリ2から電機子電流を流すために設け
たスイッチング素子Q5のゲート駆動回路75にPWM
信号Y、電機子巻線1bに並列に接続しているスイッチ
ング素子Q6のゲート駆動回路76に反転したPWM信
号Y’を出力する。これによりスイッチング素子Q5、
Q6は交互にオン、オフすることになる。ここでPWM
信号Yが”H”でPWM信号Y’が”L”の時、スイッ
チング素子Q5がオンし、スイッチング素子Q6がオフ
する。そしてこのスイッチング素子Q5のオン期間には
電機子巻線1bにメインバッテリ2→スイッチング素子
Q5→電機子巻線1b→メインバッテリ2の経路で電機
子電流が流れる。そしてPWM信号Yが”L”、PWM
信号Y’が”H”となってスイッチング素子Q5がオフ
し、スイッチング素子Q6がオンすると、電機子巻線1
b→スイッチング素子Q6に逆並列接続しているダイオ
ードD6→電機子巻線1bの経路でフライホイール電流
が環流する。以後スイッチング素子Q5がオンする度に
上記の動作を繰り返すことになる。
【0056】一方分配回路81は図5(f)に示す回転
方向信号Zが”L”か”H”かを見てメインモータ1の
回転方向を識別し、”L”であれば、スイッチング素子
Q1と対角位置にあるスイッチング素子Q4を連続的に
オンさせるようにゲート駆動回路74に図5(j)に示
すように”H”信号を出力するとともに、図5(i)に
示すようにスイッチング素子Q3のゲート駆動回路73
に”L”信号を出力する。一方これに対応してPWM信
号Xを図5(g)に示すようにスイッチング素子Q1の
ゲート駆動回路71に出力するとともに、図5(h)に
示すようにPWM信号Xを反転させたPWM信号X’を
スイッチング素子Q2のゲート駆動回路72に出力す
る。これによりスイッチング素子Q1、Q2は交互にオ
ンオフし、スイッチング素子Q3は連続的にオフし、ス
イッチング素子Q4は連続的にオンする。ここでPWM
信号Xが”H”でPWM信号X’が”L”の時、スイッ
チング素子Q1がオンし、スイッチング素子Q2がオフ
する。そしてこのスイッチング素子Q1のオン期間には
界磁巻線1aにメインバッテリ2→スイッチング素子Q
1→界磁巻線1a→スイッチング素子Q4→メインバッ
テリ2の経路で界磁電流が流れる。そしてPWM信号X
が”L”、PWM信号X’が”H”に反転してスイッチ
ング素子Q1がオフし、スイッチング素子Q2がオンす
ると、界磁巻線1a→スイッチング素子Q4→スイッチ
ング素子Q2に逆並列接続しているダイオードD2→界
磁巻線1aの経路でフライホイール電流が環流する。以
後スイッチング素子Q1がオンする度に上記の動作を繰
り返すことになる。
【0057】また回転方向信号Zが”L”から”H”に
切り替わると、分配回路81は、スイッチング素子Q3
と対角位置にあるスイッチング素子Q2を連続的にオン
させるようにゲート駆動回路72に図5(h)に示すよ
うに”H”信号を出力するとともに、図5(g)に示す
ようにスイッチング素子Q1のゲート駆動回路71に”
L”信号を出力する。一方これに対応してPWM信号X
を図5(i)に示すようにスイッチング素子Q3のゲー
ト駆動回路73に出力するとともに、図5(j)に示す
ようにPWM信号Xを反転させたPWM信号X’をスイ
ッチング素子Q4のゲート駆動回路74に出力する。こ
れによりスイッチング素子Q3、Q4は交互にオン、オ
フし、スイッチング素子Q1は連続的にオフし、スイッ
チング素子Q2は連続的にオンする。ここでPWM信号
Xが”H”でPWM信号X’が”L”の時、スイッチン
グ素子Q3がオンし、スイッチング素子Q4がオフす
る。そしてこのスイッチング素子Q3のオン期間には界
磁巻線1aにメインバッテリ2→スイッチング素子Q3
→界磁巻線1a→スイッチング素子Q2→メインバッテ
リ2の経路で界磁電流が流れる。そしてPWM信号X
が”L”、PWM信号X’が”H”に反転してスイッチ
ング素子Q3がオフし、スイッチング素子Q4がオンす
ると、界磁巻線1a→スイッチング素子Q2→スイッチ
ング素子Q4に逆並列接続しているダイオードD4→界
磁巻線1aの経路でフライホイール電流が環流する。以
後スイッチング素子Q3がオンする度に上記の動作を繰
り返すことになる。
【0058】このようにして回転方向に応じた方向の界
磁電流が界磁巻線1aに流れることになる。
【0059】ところで界磁巻線1a側のPWM信号Xが
信号発生回路93より出力されなくなると、タイマ回路
91は、PWM信号Xの一周期分以上に設定された時間
Tをカウントし、時間Tが経過すると、その出力を”
L”とする。これによりアンド回路92の出力は”L”
となり分配回路82から各ゲート駆動回路75,76へ
のPWM信号Yが”L”、Y’が”H”となり、その結
果電機子巻線1b側の駆動回路はオフ状態となり電機子
電流が流れなくなる。
【0060】これにより信号発生回路93を構成するC
PUが暴走しても電機子巻線1b側の駆動回路のスイッ
チング素子Q5,Q6の破壊を防止することができるこ
とになる。尚スイッチング素子Q1〜Q6はバイポーラ
トランジスタで図示されているが、MOSFETで構成
しても良く、この場合夫々に逆並列接続されているダイ
オードD1〜D6は寄生ダイオードにより構成される。
尚図5中T1はPWM信号Yの一周期を示す。
【0061】
【発明の効果】請求項1の発明は、指令速度と、検出速
度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線
に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に
基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定
し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値と
が一致するように制御を行う直流電動機の制御装置にお
いて、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻
線に流れる電流が所定電流値以上になってから直流電動
機の回転を機械的に規制する電磁ブレーキを開放する制
御手段を備えたので、直流電動機の駆動開始時にトルク
を素早く出せて、大きなトルクを駆動開始時に必要な場
合に良好な駆動開始ができるという効果があり、電動車
の駆動源として用いる直流電動機の制御に用いた場合、
坂道発進時のずり下がり時にスムーズに登り方向に発進
することができるという効果がある。
【0062】請求項2の発明は、指令速度と、検出速度
とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に
流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基
づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、
各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一
致するように制御を行う直流電動機の制御装置におい
て、直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電流
が所定値以上となってから、電機子巻線への通電を開始
させる制御手段を備えたので、界磁電流不足による電機
子電流の過大を防止することができ、直流電動機の良好
な駆動開始ができるという効果がある。
【0063】請求項3の発明は、指令速度と、検出速度
とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に
流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基
づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、
各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一
致するように制御を行う直流電動機の制御装置におい
て、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線
に流す電流が所定値以上となってから、速度制御を開始
する制御手段を備えたので、直流電動機の駆動開始時の
速度応答性を向上させて良好な駆動開始ができるという
効果があり、電動車の駆動源として用いる直流電動機の
制御に用いた場合、坂道発進時のずり下がりを抑えるこ
とができる。
【0064】請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れ
かの発明において、界磁巻線に電流を流す駆動回路への
駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動
回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手
段を設けたので、界磁巻線への駆動回路の信号源にトラ
ブルが発生した場合、電機子巻線への電流増大による電
機子巻線の駆動回路の破壊を防止することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概念的な構成図である。
【図2】同上を用いたゴルフカーの全体構成図である。
【図3】同上の図1の回路の動作説明用フローチャート
である。
【図4】同上に用いるメインモータ出力部の具体回路で
ある。
【図5】同上のメインモータ出力部の動作説明用タイミ
ングチャートである。
【符号の説明】
1 メインモータ 1a 界磁巻線 1b 電機子巻線 15 ブレーキモータ出力部 16 ブレーキモータ 18 電磁ブレーキ 40 操作部 41,42 速度センサ 50 メインモータ出力部 51 電流検出部 51a 界磁電流検出部 51b 電機子電流検出部 60 入力処理部 61 指令速度演算部 62 速度制御処理部 63 電流制御処理部 64 ブレーキモータ制御処理部 66 電磁ブレーキ出力部
フロントページの続き (72)発明者 大森 猛司 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 藤川 英彦 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 阪本 健二 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 雄谷 誠祐 静岡県磐田市新貝2500番地 ヤマハ発動機 株式会社内 Fターム(参考) 5H571 AA02 BB07 CC02 FF01 GG04 HD02 LL14 LL22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】指令速度と、検出速度とが一致するように
    分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演
    算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流
    す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々
    の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を
    行う直流電動機の制御装置において、 直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流
    れる電流が所定電流値以上になってから直流電動機の回
    転を機械的に規制する電磁ブレーキを開放する制御手段
    を備えたことを特徴とする直流電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】指令速度と、検出速度とが一致するように
    分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演
    算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流
    す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々
    の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を
    行う直流電動機の制御装置において、 直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電流が所
    定値以上となってから、電機子巻線への通電を開始させ
    る制御手段を備えたことを特徴とする直流電動機の制御
    装置。
  3. 【請求項3】指令速度と、検出速度とが一致するように
    分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演
    算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流
    す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々
    の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を
    行う直流電動機の制御装置において、 直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流
    す電流が所定値以上となってから、速度制御を開始する
    制御手段を備えたことを特徴とする直流電動機の制御装
    置。
  4. 【請求項4】界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信
    号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の
    動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設
    けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の直
    流電動機の制御装置。
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