JP3860716B2 - 直流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴルフカーのような電動車等の駆動源となる分巻型の直流電動機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電動機を駆動源とする装置は多々あるが、これらの直流電動機の制御は、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う方法が通常用いられている。そして直流電動機が停止中であっても駆動負荷の自重等により直流電動機が自由回転し、駆動負荷が停止位置より動く恐れがあるため電磁ブレーキ等により機械的にロックして直流電動機の自由回転を規制している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、駆動源として直流電動機を採用したゴルフカー等の電動車が提供されているが、これらの電動車には上述したような方法で速度制御を行うものがある。特にゴルフカーでは自動運転する場合があり、この自動運転では発進指令があると、停止状態から発進を開始するに当たって、まず後輪の車軸を電磁ブレーキでロックしている状態、つまり直流電動機の自由な回転を機械的にロックしている状態から電磁ブレーキのロックを開放し、しかる後に検出される車速が徐々に指令速度に到達するように直流電動機の電機子巻線及び界磁巻線に流す電流を設定しながら直流電動機を駆動開始させる制御が上述の方法により行われている。
【0004】
ところで坂道上で停止したゴルフカーを登り方向に発進する場合、上記のように発進指令の入力と同時に電磁ブレーキを開放すると、直流電動機に充分なトルクが得られていないないため、発進開始当初では自重で坂道を電動車がずり下がると言う問題があった。また一方界磁電流が不足していると、電機子巻線に過大に流れると言う問題があった。
【0005】
更に界磁電流が少なく、トルクが充分得られない状態の発進当初から速度制御を開始すると、坂道発進時のずり下がり時に対して登り方向の速度応答が悪く、ずり下がりを抑えるのが難しいと言う問題があった。
【0006】
また従来のこの種の直流電動機の制御装置では、界磁巻線、電機子巻線に対して各巻線の通電路に挿入したスイッチング素子を備えた駆動回路が設けられ、各スイッチング素子を夫々に対応したPWM信号によってオンオフすることで、夫々の巻線に流れる電流を制御する構成が広く採用されているが、PWM信号を発生させる回路にトラブルが発生し、電機子巻線側の駆動回路に対応するPWM信号を発生させるものの、界磁巻線側の駆動回路に対応するPWM信号を発生しない場合、界磁巻線の電流がゼロであるため、電機子巻線に流れる電流を増加させるために対応する駆動回路のスイッチング素子へのPWM信号のオンデュティを大きくする制御が為され、結果スイッチング素子の破壊につながる恐れがあった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、分巻型の直流電動機の駆動開始時の課題を解消し、良好な駆動開始ができる直流電動機の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流れる電流が所定電流値以上になってから直流電動機の回転を機械的に規制する電磁ブレーキを開放する制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明では、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電流が所定値以上となってから、電機子巻線への通電を開始させる制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明では、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流す電流が所定値以上となってから、速度制御を開始する制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、電機子巻線の駆動回路が、直列に接続した対のスイッチング素子を電源に接続し、一方のスイッチング素子に並列に電機子巻線を接続したものであり、電機子巻線への通電を止める手段が、界磁巻線に流す指令電流値に応じた電圧を印加させるためにデュティ比を設定したPWM信号が出力されなくなることで、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が、PWM信号の一周期分以上に設定された所定時間入力しなくなると、所定時間をカウントし、所定時間が経過するとローレベルの出力信号を出力するタイマ回路を備え、タイマ回路の出力信号がローレベルになると、一方のスイッチング素子がオン状態になり、他方のスイッチング素子がオフ状態になって、電機子巻線の駆動回路の動作停止することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本実施形態の直流電動機の制御装置を採用したゴルフカーの全体構成を図2に示すブロック図に基づいて概説する。
【0013】
本実施形態を採用したゴルフカーは、所定の誘導経路に沿う自動走行と乗員の手動操作による手動走行が可能となっている。このゴルフカーには駆動源としての分巻型直流電動機(以下、「メインモータ」という)1並びにメインモータ1の電源としてメインバッテリ2が搭載されており、メインモータ1から供給される駆動力を駆動輪である後輪3a,3bに伝達するためのトランスミッション4、操舵輪である前輪3c,3dを操舵するためのハンドル5、本発明に係る制御装置を構成するコントローラ11、人が操作して車速を変えるためのアクセルペダル7、人が操作して車両に制動力を加えるためのブレーキペダル8とドラムブレーキ9、車両の前後進を人の操作で切り換えるためのシフトレバー10、コントローラ11やメインモータ1以外の各種モータ等に電源を供給する補機バッテリ6、外部電源によりメインバッテリ2並びに補機バッテリ6を充電する充電器28と、メインモータ1の出力軸をロックするための電磁ブレーキ18とが設けられている。
【0014】
また、ゴルフカーには、自動走行のためのステアリングモータ13、ブレーキモータ16、誘導線センサ19a,19b,19c、定点センサ20、左右のバンパスイッチ21、追突防止センサ受信機22a並びに追突防止センサ送信機22b、左右の障害物センサ23等の各種センサ群、自動制動と手動制動を切り換えるための切換機構24、リモコン送信器25からの信号を受信してコントローラ11に入力するためのリモコン受信器26、追突防止センサ受信機22aが前方のゴルフカーから受信する追突防止信号のコントローラ11への入力並びに追突防止センサ送信機22bから後方への追突防止信号へ送信する際の制御を行う追突防止コントローラ27等が設けられている。
【0015】
コントローラ11はCPUやメモリ、入出力のインタフェース等で構成される制御部48を有し、制御部48にて所定の制御プログラムを実行することで速度制御やメインモータ1の発進時の制御等を行う。また、コントローラ11はステアリングドライバ12を備え、このステアリングドライバ12は、自動走行時にコントローラ11から出力される操舵指示信号に応じた駆動電流をステアリングモータ13に供給するものであって、ステアリングモータ13の回転はギヤ29,30を介してステアリング軸31に伝達され、ステアリング軸31が回動することによって所望のステアリング操作がなされる。なお、自動走行時には、コントローラ11からの信号によってクラッチモータリレー32aを介してクラッチモータ32bが駆動されてステアリングクラッチ32がオフされ、ハンドル5はステアリング軸31から切り離されて手動によるステアリング操作が不能となる。
【0016】
また、コントローラ11にはアクセルペダル7の操作をアクセルスイッチ34によって検知した検知信号と、アクセルペダル7の踏み込み度合をアクセルポテンショメータ35によって検出した検出信号がそれぞれ入力される。
【0017】
さらに、コントローラ11はブレーキモータ出力部15を備えており、自動走行時にコントローラ11から出力される制御指示信号に応じた駆動電流をブレーキモータ出力部15からブレーキモータ16に供給させ、ブレーキモータ16によりギヤ37及び切換機構24を介して後輪3a,3b及び前輪3c,3dの各々に設けられたドラムブレーキ9を駆動して車両に制動力を加える。そして、自動走行時においても、ブレーキペダル8は切換機構24を介してドラムブレーキ9に接続されており、ブレーキペダル8の踏み込み操作による制動も可能である。但し、ブレーキペダル8の踏み込み操作はブレーキスイッチ38によって検出され、その検出信号はコントローラ11に入力される。
【0018】
電磁ブレーキ18は、コントローラ11によってオン/オフ制御され、メインモータ1の回転をトランスミッション4に伝達する回動軸(図示せず)にスプライン嵌合されたディスク18aと、回動軸と非接触で、かつディスク18aに対向するようトランスミッション4の外壁等に固定された固定盤18bとで構成されている。ディスク18aは、回動軸にスプライン嵌合されていることから、回動軸と一体となって回転する一方、回動軸の軸方向に移動可能となっている。また、固定盤18bは、ディスク18aを吸引する磁界を発生する永久磁石と、この永久磁石の磁界を打ち消すようコントローラ11によって励磁される電磁石とで構成されている。すなわち、この電磁ブレーキ18は、走行中において電磁石に対する励磁がオンとされ、この磁界によって永久磁石の磁界が打ち消されることによりディスク18aに対する吸引力が無くなり、結果的に回動軸に対し制動がかからない状態(開放状態)となる。一方、電磁石に対する励磁がオフとされると、ディスク18aが永久磁石の磁力によって固定盤18bに吸着され、回動軸に対し制動がかかる状態(ロック状態)、つまりメインモータ1をロックする状態となる。
【0019】
誘導線センサ19a〜19cは、車両の前端部に水平方向に回動自在に取り付けられたT字状アーム39の中央と左右に地面と対向するように配置され、ゴルフ場のコースに沿って埋設され且つ交流電圧が印加された誘導線(図示せず)を磁気的に検出し、誘導線との距離に応じた検出信号を誘導線センサ用アンプ14で増幅してコントローラ11の制御部48に入力する。すなわち、コントローラ11の制御部48は誘導線センサ19a〜19cからの検出信号に基づいて車両位置の誘導線からの偏差量を算出し、この偏差量を「0」とするような操舵指示信号をステアリングドライバ12に対して出力することによって車両を誘導線に沿って自動走行させる。
【0020】
また、定点センサ20は、地面と対向するよう車両の所定位置に取り付けられており、ゴルフ場のコース等に所定間隔を置いて埋設された複数の永久磁石からなる定点を磁気的に検出し、その並びのパターンに対応した検出信号を定点センサ用アンプ17で増幅してコントローラ11の制御部48に対して出力することによって車両の停止/発進、加速等の速度制御を行うための情報をコントローラ11に提供するものである。
【0021】
追突防止センサ受信機22aは車両の前端部に設けられており、前方を走行するゴルフカーの追突防止センサ送信機22bから送信される電波を受信する。追突防止コントローラ27では追突防止センサ受信機22aで受信した電波の強度に応じた検出信号をコントローラ11へ出力する。コントローラ11は、この追突防止コントローラ27からの検出信号に基づき、前方車両との距離が所定の設定値以下であるか否かを判断し、設定値以下であると判断した場合には、追突を防止すべく車両を停止させる。
【0022】
障害物センサ23は、車両の前端部の左右2箇所にそれぞれ設けられた光反射型の赤外線センサであり、車両前方に存在する障害物(人、動物等の生物を含む)との距離に応じた検出信号を出力する(但し、この検出信号のレベルは障害物との距離が短くなるにつれて大きくなる)。コントローラ11は、各々の障害物センサ23の出力をそれぞれ第1及び第2の設定値と比較し、何れか一方のセンサ出力(障害物との距離)が第1の設定値以上である場合には車両を減速させ、第1の設定値よりさらに大きい第2の設定値以上である場合には車両を停止させる。これにより、障害物との接触が回避される。
【0023】
バンパスイッチ21は、フロントバンパと車両本体との隙間の左右2箇所に設けられ、通常時はオフ状態となっているが、フロントバンパが何らかの障害物によって押圧されるとオン状態になる。コントローラ11は何れかのバンパスイッチ21がオン状態になると車両を停止させる。
【0024】
また、走行路の勾配を検出する傾斜検出部(図示せず)が車両に取り付けられており、平地をゼロとし、上りにプラス、下りにマイナスの符号を付けて勾配が急なほど大きな値となる検出信号をコントローラ11に出力する。
【0025】
その他、車両の走行状態を検出するセンサ群として、トランスミッション4には車速を検出するためのエンコーダからなる2つの車速センサ41,42、ギヤ37にはドラムブレーキ9及び制動力伝達経路を含むブレーキ系のストロークが大きくなったためにブレーキモータ16の回転角が一定の限界値を超えたか否かを検出するブレーキリミットスイッチ44がそれぞれ設けられており、これらの検出信号はコントローラ11に入力される。尚車速センサ41,42を2つ設けている理由は、一方が故障した場合でも速度制御を可能とするためと、コントローラ11にて2つの車速センサ41,42の検出信号の位相差で走行方向を検出するためである。
【0026】
また、シフトレバー10の近傍には、シフトレバー10の操作位置(前進位置及び後進位置)を検出する前進検出スイッチ45と後進検出スイッチ46が設けられるとともに、後進時に警報を発するための警報ブザー47が設けられており、前進検出スイッチ45並びに後進検出スイッチ46の検出信号がコントローラ11に入力されている。
【0027】
ところで、運転席の近傍には操作盤40が設置されており、この操作盤40には、メインバッテリ2からメインモータ1への給電経路に挿入されたメインリレー36をオン/オフするためのメインスイッチ40aの他、手動走行と自動走行の切換を指示する自動/手動切換スイッチ40b、発進と停止を指示する発進/停止スイッチ40c等の各種スイッチ、警告表示等を行う警告灯40dや走行状態等の各種情報が表示される表示灯40e並びにメインバッテリ2の残容量を表示する残量計40fが設けられている。而して、操作盤40の自動/手動切換スイッチ40bにて自動走行が選択されると、コントローラ11は車両の走行モードを手動走行から自動走行に切り換え、後述するような自動走行のための制御を行う。
【0028】
また、リモコン送信器25は操作盤40の発進/停止スイッチ40cと同様の機能を有しており、リモコン送信器25から無線信号で送信される発進/停止の指示をリモコン受信器26で受信してコントローラ11に送ることにより、ゴルフカーの遠隔操作が可能となっている。
【0029】
さらに、車両故障やメインバッテリ2の残容量不足等によって車両が自力走行不能となった場合のために牽引スイッチ49が設けてある。すなわち、この牽引スイッチ49をオンするとコントローラ11により電磁ブレーキ18に通電されて開放状態となり、他のゴルフカー等によって牽引が可能になる。
【0030】
次に、ゴルフカーの動作を概略的に説明する。まず、メインスイッチ40aがオンされると、コントローラ11の制御部48が所定の制御プログラムを実行し、自動/手動切換スイッチ40bが「自動走行」と「手動走行」の何れに切り換えられているかを判断する。仮に自動/手動切換スイッチ40bが自動走行に切り換えられているとすると、制御部48は自動走行用のルーチンを実行して、以下の自動走行制御を行う。
【0031】
制御部48はシフトレバー10が前進位置に操作されているか否か、すなわち、前進スイッチ45からオン状態を示す検出信号が入力されているか否かを判断し、前進スイッチ45がオン状態でなければ車両の停止状態を維持し、前進スイッチ45がオン状態であれば、操作盤40あるいはリモコン送信器25から発進指示があったか否かを判断する。ここで、操作盤40の発進/停止スイッチ40cあるいはリモコン送信器25の発進/停止スイッチ(図示せず)が操作されて発進指示がなされると、制御部48がクラッチモータリレー32aをオン・オフしてステアリングクラッチ32がオフする位置にクラッチモータ32bを停止させて、ハンドル5をステアリング軸31から切り離す。これにより、ハンドル5の操作による手動操舵が不能になるとともに、自動操舵に伴うハンドル4の回動が防止される。
【0032】
そして、制御部48はメインリレー36をオンしてメインバッテリ2からの給電経路を閉成するとともに、メインモータ1の界磁巻線及び電機子巻線(図示せず)に電圧を印加するメインモータ出力部50を制御してメインモータ1を起動する。メインモータ1の起動後、制御部48が電磁ブレーキ18に通電して開放状態とすることで駆動輪(後輪3a,3b)が回動して車両が前方へ走行する。走行開始後は、制御部48が車速センサ42の車速検出値等の各種センサ出力に基づいてメインモータ出力部50、ブレーキモータ出力部15並びに電磁ブレーキ18を制御し、車両の速度制御を行う。同時に、制御部48では誘導線センサ19a〜19cからの検出信号に基づいて車両位置の誘導線からの偏差量を算出し、この偏差量を「0」とするような操舵指示信号をステアリングドライバ12に対して出力し、ステアリングドライバ12を介してステアリングモータ13を駆動することで操舵制御を行う。このような速度制御と操舵制御により自動走行が行われる。
【0033】
一方、自動/手動切換スイッチ40bが手動走行に切り換えられている場合、制御部48が手動走行用のルーチンを実行し、クラッチモータリレー32aをオン・オフしてステアリングクラッチモータ32bがオフする位置にクラッチモータ32bを停止させる。これにより、ハンドル5がステアリング軸31に接続されて、ハンドル5の操作による手動操舵が可能になる。そして、アクセルスイッチ34並びにアクセルポテンショメータ35によって検出されるアクセルペダル7の踏み込み量に応じて、制御部48がメインモータ1への通電を制御して車両の速度制御を行う。なお、手動走行中にアクセルペダル7から足を離す、すなわちアクセルペダル7の踏み込み量をゼロにすれば、メインモータ1に回生電流が流れて制動(回生制動)がかかる。
【0034】
次にコントローラ11の操舵制御を除く,本発明の主要な構成であるメインモータ1の制御に関わる部分について、さらに詳しく説明する。図1は本実施形態の制御装置(コントローラ11の制御に関わる部分)の概略構成を示すブロック図である。なお、図1に示す入力処理部60、指令速度演算部61、速度制御処理部62、電流制御処理部63、ブレーキモータ制御処理部64、電磁ブレーキ出力部65の各部は、制御部48のCPUにて制御プログラムを実行することで実現される。
【0035】
入力処理部60には、アクセルペダル7の操作をアクセルスイッチ34によって検知した検知信号、アクセルペダル7の踏み込み度合をアクセルポテンショメータ35によって検出した検出信号、定点センサ20からの検出信号、操作盤40に設けられた発進/停止スイッチ40c等の各種スイッチの操作状態を示す信号、追突防止コントローラ27からの検出信号、リモコン送信器25の受信信号、傾斜検出部33の検出信号等の各種信号源から入力する信号処理を行い、これらの信号に応じて車両の設定速度を決定する。
【0036】
ここで、手動走行時には主にアクセルポテンショメータ35の検出信号、すなわちアクセルペダル7の踏み込み度合に応じて設定速度が決まり、自動走行時には主に定点センサ20からの検出信号、操作盤40に設けられた発進/停止スイッチ40c等の各種スイッチの操作状態を示す信号、リモコン送信器25の受信信号、傾斜検出部33の検出信号に応じて設定速度が決まり、各信号に応じた設定速度の値が手動走行及び自動走行毎に予め制御部48のメモリに格納されている。入力処理部60では各信号に応じた設定速度をメモリから読み出して指令速度演算部61に出力する。
【0037】
指令速度演算部61は、入力処理部60から与えられる設定速度に基づいて車両の実際の走行速度を決める指令速度を演算するものであって、例えば、停止又は一定速度で走行中に設定速度が現在の値よりも高い値(あるいは低い値)に変更された場合、現在の設定速度から変更後の設定速度に徐々に且つ滑らかに加速(あるいは減速)するように指令速度を変化させる。
【0038】
速度制御処理部62は、指令速度演算部61から与えられる指令速度と車速センサ41,42の検出信号(検出速度)とを一致させるためにメインモータ1に流す必要がある電流値を演算し、この電流値に応じたメインモータ指令電流値を電流制限部66を介して電流制御処理部63、並びにブレーキモータ制御処理部64に出力する。
【0039】
電流制御処理部63は、速度制御処理部62から与えられるメインモータ指令電流と電流検出部51で検出されるメインモータ1の電流(検出電流)とを一致させるために必要となるメインモータ1への印加電圧を演算し、この印加電圧に応じた指令電圧値をメインモータ出力部50に出力する。
【0040】
ここで、本実施形態においてはメインモータ1として分巻型直流電動機を用いているが、この直流電動機では一般に回転速度と電機子電圧とが比例し且つ回転速度と界磁電流とが反比例することから、電機子電圧(電機子電流)及び界磁電流を調整することでメインモータ1の回転速度を制御することができる。
【0041】
すなわち、電機子電流を増大するとともに界磁電流を減少させることでメインモータ1の回転数を上昇させて車両を加速し、電機子電流を減少するとともに界磁電流を増大させることでメインモータ1の回転数を下降させて車両を減速する、つまり制動(回生制動)をかけることができる。また分巻型電動機ではトルクが電機子電流と磁束(界磁電流)の相乗積に比例するため、登板時のように速度をできるだけ落とさずに大きなトルクを得たい場合には、電機子電流と界磁電流の両方を増大させる必要がある。
【0042】
而して、速度制御処理部62からは指令速度と検出速度を一致させるためにメインモータ1の電機子巻線及び界磁巻線(何れも図示せず)にそれぞれ流す必要がある電機子電流及び界磁電流の指令値がメインモータ指令電流として出力されており、電流制御処理部63では、電流検出部51で各々検出される電機子電流の検出値及び界磁電流の検出値とメインモータ指令電流の電機子電流及び界磁電流の各指令値とを一致させるために必要となる電機子巻線への印加電圧及び界磁巻線への印加電圧に応じた指令電圧値をメインモータ出力部50に出力する。メインモータ出力部50は、メインバッテリ2からメインモータ1の電機子巻線1b及び界磁巻線1aへの印加電圧を電流制御処理部63から与えられる指令電圧値に応じて調整する。
【0043】
一方、ブレーキモータ制御処理部64は、速度制御処理部62から与えられるメインモータ指令電流と電流検出部51で検出される検出電流とを比較し、検出電流とメインモータ指令電流との差分に応じたブレーキモータ指令電流値を演算してブレーキモータ出力部15に出力する。そして、ブレーキモータ出力部15では、ブレーキモータ制御処理部64から与えられるブレーキモータ指令電流値に対応する電流を流すのに必要な電圧を補機バッテリ6からブレーキモータ16へ印加する。ここで、ブレーキモータ制御処理部64による演算では検出電流とメインモータ指令電流との差分が大きいほどブレーキモータ指令電流の値が大きな値となり、ブレーキモータ指令電流の値が大きいほど、すなわちブレーキモータ16への印加電圧が高いほどドラムブレーキ9の駆動力が増大して大きな制動がかかるようになっている。
【0044】
また、指令速度演算部61から出力する指令速度と車速センサ41,42の検出速度及び界磁電流を検出する電流検出部51の界磁電流検出部51aの検出出力が電磁ブレーキ出力部65に与えられる。
【0045】
電磁ブレーキ出力部65では、図3に示すフローチャートにより制御される。
【0046】
つまり発進指示があり且つ速度センサ41,42の検出速度をチェックして、指令速度及び検出速度と、予め定めたロック速度Aとを比較し(1)(2)、指令速度及び検出速度がロック速度A以下の場合には電磁ブレーキ18のロック状態を維持する(7)。そして速度制御処理部62は、電機子巻線1bに対する電流指令値をゼロのままとする(8)。
【0047】
一方発進指示がある場合には、指令速度演算部61から設定速度に到達するように指令速度が一致するように滑らかに指令速度値を変化させながら速度制御処理部62に出力するが、速度制御処理部62は所定の界磁電流指令値と電機子電流指令値を電流制御処理部63に出力する。電流制御処理部63は、電機子電流指令値から、予め電機子電流と界磁電流との関係を設定してしてあるマップから界磁電流指令値を設定し、電機子電流指令値と電機子巻線1bに流れる電流を検出する電機子電流検出部51bの検出値及び界磁電流指令値と界磁巻線1aに流れる電流を検出する界磁電流検出部51aの検出値が夫々一致するように演算して電機子巻線1b、界磁巻線1aに印加する電圧指令値を求めるが、界磁電流検出部51aが検出する界磁電流と所定電流IAとを比較し(3)、界磁電流が所定電流IA以上となるまで電機子巻線1bに対する電圧指令値をメインモータ出力部50に出力せず、界磁巻線1aに対する電圧指令値のみをメインモータ出力部50に出力する。
【0048】
従ってメインモータ出力部50は界磁巻線1aにのみ指令電圧値に応じた電圧を界磁電流検出部51aを介して印加する。これにより界磁巻線1aに流れる電流は上昇を開始し、界磁電流検出部51aで検出する電流がやがて所定電流値IAを越えることになる。
【0049】
ここで、検出電流の値が所定電流値IAを越えると、電磁ブレーキ出力部65は電磁ブレーキ18を開放するように電磁石をオンさせる(4)。一方速度制御処理部62も速度制御演算を開始し(5)、また電機子電流指令値を求める制御演算(6)を行い、電流制御処理部63は電機子電流指令値に基づいて電機子電流検出部51bの検出値とが一致するように電機子巻線1bに印加する電圧指令値をメインモータ出力部50に与え、メインモータ出力部50は、この電圧指令値に応じた電圧を電機子電流検出部51bを介して電機子巻線1bに印加する。
【0050】
このように電磁ブレーキ18及びメインモータ1を制御することで、発進時に電機子電流に対応したトルクが素早く出せ、例えば車両が坂道を上る方向に発進する場合、電磁ブレーキ18が開放されても坂道をずり下がることなく発進ができることになる。また界磁電流が不足している時における電機子電流の過大を防ぐことができる。更に発進時の速度応答性が向上し、坂道発進時のずり下がりを抑えることができる。
【0051】
また発進後、速度センサ41,42の検出速度がロック速度Aを越えると、速度制御処理部62は、指令速度演算部61からの、指令速度値が上述のロック速度Aを越えているか否かを判断し(9)、越えている場合には、速度制御演算(10)を行うとともに、電機子電流制御演算(11)を行う。一方電磁ブレーキ出力部65は電磁ブレーキ18の開放状態を維持する。
【0052】
一方ここでの判断が否の場合には車両は停止する状態にあると判断されると、電磁ブレーキ出力部65は電磁石をオフして電磁ブレーキ18をロックさせる▲7▼。また速度制御処理部62は電機子電流指令値をゼロにする(8)。
【0053】
ところで図4は本実施形態のインモータ出力部50の具体的な構成を示しており、この図示する回路例は、直列に接続した対のスイッチング素子Q1,Q2及びスイッチング素子Q3,Q4をメインバッテリ2に並列接続するとともにスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2の接続点とスイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4の接続点との間に界磁巻線1aを界磁電流検出部51aを介して接続してある駆動回路と、直列に接続した対のスイッチング素子Q5、Q6をメインバッテリ2に接続し、一方のスイッチング素子Q6に並列に電機子巻線1bを接続した駆動回路と、各スイッチング素子Q1〜Q6のゲート(ベース)にPWM信号からなる駆動信号を与えるゲート駆動回路71〜76と、界磁巻線1a側のゲート駆動回路71〜74に回転方向信号Zに応じた駆動信号と、PWM制御により印加電圧を制御するPWM信号Xとを分配する分配回路81と、電機子巻線1b側のゲート駆動回路75,76にPWM信号Yを分配する分配回路82と、PWM信号Xの分配回路81に入力に連携する形でPWM信号Yの分配回路82への入力を制御するためのタイマ回路91及びアンド回路92と、上記電流制御処理部63からの界磁電流指令値及び電機子電流指令値に応じた電圧を印加させるためにデュティ比を設定したPWM信号X,Yを出力するとともに、車両の走行方向指令に応じた回転方向信号Zを出力する信号生成回路93とで構成されている。尚図中a〜dはゲート駆動回路71〜74の入力と分配回路81の出力との接続関係を示す。
【0054】
まず界磁巻線1a側では図5(a)に示すように界磁巻線1a側に対応するようにPWM信号Xが分配回路81に入力すると、最初のパルス信号が立ち下がってから次のパルス信号が立ち下がるタイミングでタイマ回路91はそのタイマ出力INHを図5(b)のように”H”とする。このタイマ出力INHと、PWM信号Yとの論理積をとるアンド回路92は、タイマ出力INHが”H”となれば、PWM信号Yを分配回路82へ出力することができる状態となる。
【0055】
ここで上述したように駆動開始時に界磁電流が所定値IA以上となって初めて電機子電流を流すように制御するのであるが、図4の回路動作を分かり易くするために、PWM信号Xが信号生成回路93から出力される前から図5(c)に示すようにPWM信号Yが出力されているものとすると、上記のタイマ出力INHが”H”となると同時にPWM信号Yは分配回路82に入力することになる。分配回路82は入力したPWM信号Yと、それを反転したPWM信号Y’を図5(d),(e)に示すように夫々出力する。つまり電機子巻線1bにメインバッテリ2から電機子電流を流すために設けたスイッチング素子Q5のゲート駆動回路75にPWM信号Y、電機子巻線1bに並列に接続しているスイッチング素子Q6のゲート駆動回路76に反転したPWM信号Y’を出力する。これによりスイッチング素子Q5、Q6は交互にオン、オフすることになる。ここでPWM信号Yが”H”でPWM信号Y’が”L”の時、スイッチング素子Q5がオンし、スイッチング素子Q6がオフする。そしてこのスイッチング素子Q5のオン期間には電機子巻線1bにメインバッテリ2→スイッチング素子Q5→電機子巻線1b→メインバッテリ2の経路で電機子電流が流れる。そしてPWM信号Yが”L”、PWM信号Y’が”H”となってスイッチング素子Q5がオフし、スイッチング素子Q6がオンすると、電機子巻線1b→スイッチング素子Q6に逆並列接続しているダイオードD6→電機子巻線1bの経路でフライホイール電流が環流する。以後スイッチング素子Q5がオンする度に上記の動作を繰り返すことになる。
【0056】
一方分配回路81は図5(f)に示す回転方向信号Zが”L”か”H”かを見てメインモータ1の回転方向を識別し、”L”であれば、スイッチング素子Q1と対角位置にあるスイッチング素子Q4を連続的にオンさせるようにゲート駆動回路74に図5(j)に示すように”H”信号を出力するとともに、図5(i)に示すようにスイッチング素子Q3のゲート駆動回路73に”L”信号を出力する。一方これに対応してPWM信号Xを図5(g)に示すようにスイッチング素子Q1のゲート駆動回路71に出力するとともに、図5(h)に示すようにPWM信号Xを反転させたPWM信号X’をスイッチング素子Q2のゲート駆動回路72に出力する。これによりスイッチング素子Q1、Q2は交互にオンオフし、スイッチング素子Q3は連続的にオフし、スイッチング素子Q4は連続的にオンする。ここでPWM信号Xが”H”でPWM信号X’が”L”の時、スイッチング素子Q1がオンし、スイッチング素子Q2がオフする。そしてこのスイッチング素子Q1のオン期間には界磁巻線1aにメインバッテリ2→スイッチング素子Q1→界磁巻線1a→スイッチング素子Q4→メインバッテリ2の経路で界磁電流が流れる。そしてPWM信号Xが”L”、PWM信号X’が”H”に反転してスイッチング素子Q1がオフし、スイッチング素子Q2がオンすると、界磁巻線1a→スイッチング素子Q4→スイッチング素子Q2に逆並列接続しているダイオードD2→界磁巻線1aの経路でフライホイール電流が環流する。以後スイッチング素子Q1がオンする度に上記の動作を繰り返すことになる。
【0057】
また回転方向信号Zが”L”から”H”に切り替わると、分配回路81は、スイッチング素子Q3と対角位置にあるスイッチング素子Q2を連続的にオンさせるようにゲート駆動回路72に図5(h)に示すように”H”信号を出力するとともに、図5(g)に示すようにスイッチング素子Q1のゲート駆動回路71に”L”信号を出力する。一方これに対応してPWM信号Xを図5(i)に示すようにスイッチング素子Q3のゲート駆動回路73に出力するとともに、図5(j)に示すようにPWM信号Xを反転させたPWM信号X’をスイッチング素子Q4のゲート駆動回路74に出力する。これによりスイッチング素子Q3、Q4は交互にオン、オフし、スイッチング素子Q1は連続的にオフし、スイッチング素子Q2は連続的にオンする。ここでPWM信号Xが”H”でPWM信号X’が”L”の時、スイッチング素子Q3がオンし、スイッチング素子Q4がオフする。そしてこのスイッチング素子Q3のオン期間には界磁巻線1aにメインバッテリ2→スイッチング素子Q3→界磁巻線1a→スイッチング素子Q2→メインバッテリ2の経路で界磁電流が流れる。そしてPWM信号Xが”L”、PWM信号X’が”H”に反転してスイッチング素子Q3がオフし、スイッチング素子Q4がオンすると、界磁巻線1a→スイッチング素子Q2→スイッチング素子Q4に逆並列接続しているダイオードD4→界磁巻線1aの経路でフライホイール電流が環流する。以後スイッチング素子Q3がオンする度に上記の動作を繰り返すことになる。
【0058】
このようにして回転方向に応じた方向の界磁電流が界磁巻線1aに流れることになる。
【0059】
ところで界磁巻線1a側のPWM信号Xが信号発生回路93より出力されなくなると、タイマ回路91は、PWM信号Xの一周期分以上に設定された時間Tをカウントし、時間Tが経過すると、その出力を”L”とする。これによりアンド回路92の出力は”L”となり分配回路82から各ゲート駆動回路75,76へのPWM信号Yが”L”、Y’が”H”となり、その結果電機子巻線1b側の駆動回路はオフ状態となり電機子電流が流れなくなる。
【0060】
これにより信号発生回路93を構成するCPUが暴走しても電機子巻線1b側の駆動回路のスイッチング素子Q5,Q6の破壊を防止することができることになる。尚スイッチング素子Q1〜Q6はバイポーラトランジスタで図示されているが、MOSFETで構成しても良く、この場合夫々に逆並列接続されているダイオードD1〜D6は寄生ダイオードにより構成される。尚図5中T1はPWM信号Yの一周期を示す。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明は、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流れる電流が所定電流値以上になってから直流電動機の回転を機械的に規制する電磁ブレーキを開放する制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたので、直流電動機の駆動開始時にトルクを素早く出せて、大きなトルクを駆動開始時に必要な場合に良好な駆動開始ができるという効果があり、電動車の駆動源として用いる直流電動機の制御に用いた場合、坂道発進時のずり下がり時にスムーズに登り方向に発進することができるという効果がある。また、界磁巻線への駆動回路の信号源にトラブルが発生した場合、電機子巻線への電流増大による電機子巻線の駆動回路の破壊を防止することができるという効果がある。
【0062】
請求項2の発明は、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電流が所定値以上となってから、電機子巻線への通電を開始させる制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたので、界磁電流不足による電機子電流の過大を防止することができ、直流電動機の良好な駆動開始ができるという効果がある。また、界磁巻線への駆動回路の信号源にトラブルが発生した場合、電機子巻線への電流増大による電機子巻線の駆動回路の破壊を防止することができるという効果がある。
【0063】
請求項3の発明は、指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流す電流が所定値以上となってから、速度制御を開始する制御手段を備え、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたので、直流電動機の駆動開始時の速度応答性を向上させて良好な駆動開始ができるという効果があり、電動車の駆動源として用いる直流電動機の制御に用いた場合、坂道発進時のずり下がりを抑えることができる。また、界磁巻線への駆動回路の信号源にトラブルが発生した場合、電機子巻線への電流増大による電機子巻線の駆動回路の破壊を防止することができるという効果がある。
【0064】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの発明において、電機子巻線の駆動回路が、直列に接続した対のスイッチング素子を電源に接続し、一方のスイッチング素子に並列に電機子巻線を接続したものであり、電機子巻線への通電を止める手段が、界磁巻線に流す指令電流値に応じた電圧を印加させるためにデュティ比を設定したPWM信号が出力されなくなることで、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が、PWM信号の一周期分以上に設定された所定時間入力しなくなると、所定時間をカウントし、所定時間が経過するとローレベルの出力信号を出力するタイマ回路を備え、タイマ回路の出力信号がローレベルになると、一方のスイッチング素子がオン状態になり、他方のスイッチング素子がオフ状態になって、電機子巻線の駆動回路の動作停止するので、界磁巻線への駆動回路の信号源にトラブルが発生した場合、電機子巻線への電流増大による電機子巻線の駆動回路の対のスイッチング素子の破壊を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の概念的な構成図である。
【図2】同上を用いたゴルフカーの全体構成図である。
【図3】同上の図1の回路の動作説明用フローチャートである。
【図4】同上に用いるメインモータ出力部の具体回路である。
【図5】同上のメインモータ出力部の動作説明用タイミングチャートである。
【符号の説明】
1 メインモータ
1a 界磁巻線
1b 電機子巻線
15 ブレーキモータ出力部
16 ブレーキモータ
18 電磁ブレーキ
40 操作部
41,42 速度センサ
50 メインモータ出力部
51 電流検出部
51a 界磁電流検出部
51b 電機子電流検出部
60 入力処理部
61 指令速度演算部
62 速度制御処理部
63 電流制御処理部
64 ブレーキモータ制御処理部
66 電磁ブレーキ出力部

Claims (4)

  1. 指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、
    直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流れる電流が所定電流値以上になってから直流電動機の回転を機械的に規制する電磁ブレーキを開放する制御手段を備え
    界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする直流電動機の制御装置。
  2. 指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、
    直流電動機の駆動開始時に、界磁巻線に流れる電流が所定値以上となってから、電機子巻線への通電を開始させる制御手段を備え
    界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする直流電動機の制御装置。
  3. 指令速度と、検出速度とが一致するように分巻型の直流電動機の電機子巻線に流す指令電流値を演算し、この演算した指令電流値に基づいて界磁巻線に流す界磁電流の指令電流値を設定し、各指令電流値と夫々の巻線に流れる電流の検出値とが一致するように制御を行う直流電動機の制御装置において、
    直流電動機の駆動開始時に、直流電動機の界磁巻線に流す電流が所定値以上となってから、速度制御を開始する制御手段を備え
    界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が所定時間入力しなければ、電機子巻線の駆動回路の動作を停止させて電機子巻線への通電を止める手段を設けたことを特徴とする直流電動機の制御装置。
  4. 電機子巻線の駆動回路が、直列に接続した対のスイッチング素子を電源に接続し、一方のスイッチング素子に並列に電機子巻線を接続したものであり、
    電機子巻線への通電を止める手段が、界磁巻線に流す指令電流値に応じた電圧を印加させるためにデュティ比を設定したPWM信号が出力されなくなることで、界磁巻線に電流を流す駆動回路への駆動信号が、PWM信号の一周期分以上に設定された所定時間入力しなくなると、所定時間をカウントし、所定時間が経過するとローレベルの出力信号を出力するタイマ回路を備え、
    タイマ回路の出力信号がローレベルになると、一方のスイッチング素子がオン状態になり、他方のスイッチング素子がオフ状態になって、電機子巻線の駆動回路の動作停止することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の直流電動機の制御装置。
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