JP2002254453A - プラスチックフイルムの製造方法 - Google Patents

プラスチックフイルムの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドープを金属支持体上に高速で押し出しなが
ら、ダイ先端の欠陥による流延方向のスジ欠陥を発生さ
せることなく、表面平滑性、厚み均一性に優れたフイル
ムを製造する。 【解決手段】 流延ダイ20のリップの先端にWCから
形成した硬化膜をHvが400以上または表面張力が3
80μN/cm以上になるようにコーティングする。硬
化膜のスロット面23と先端平坦面24との間に湾曲面
25を形成する。湾曲面25の曲率半径Rは、1〜10
μmとする。湾曲面25の中心線25bと境界線25
c、25dとの平行度をスロットの長手方向27に対し
て1mあたり、曲率半径Rの0.3倍以下にする。ま
た、その長手方向27に対して1mmあたりの平行度を
曲率半径Rの0.1倍以下にする。この流延ダイ20を
用いてドープを流延してフイルムを製造すると、そのフ
イルムは光学特性が優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックフイ
ルムの製造方法に関し、さらに詳しくは、金属支持体上
に高分子溶液の膜表面のスジの発生を抑制し、表面平滑
性、厚み均一性に優れたプラスチックフイルムを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフイルム(以下、フイルム
と称する)の製造は、溶液キャスト法(溶液製膜法とも
称する)によって行なわれている。溶液キャスト法は、
ポリマーを溶剤に溶解した溶液(以下、ドープと称す
る)を、ダイより押し出してベルト式またはドラム式の
金属支持体上に流延し、乾燥、剥離してフイルムを得る
方法である。この方法で製造されるフイルムは、溶融押
出法で得られるフイルムに比べ、光学等方性、厚み均一
性に優れ、また、異物も少ないため、偏光膜保護フイル
ム、位相差フイルム、透明導電性フイルムなどのオプト
・エレクトロニクスの用途に利用されている。しかしな
がら、先端が鋭角のエッジ形状をしているダイからドー
プを押し出すとき、ダイ先端にカワバリが発生し流延方
向のスジ欠陥を発生させるという問題がある。特に偏光
板用等のLCDフイルムにおいてスジ欠陥は品質・性能
上に大変大きな問題を起こす。特に、薄いフイルムで
は、レベリング効果が通常フイルムに対して小さいこと
と、フイルムが薄くなることにより、全体に対する深さ
方向のスジの割合が大きくなる等の理由により欠陥が顕
著となる。
【0003】特開平8−25381号公報には、溶液粘
度が0.5〜20Pa・sの比較的低粘度のドープを、
先端が金属支持体に対し平行で、かつ平坦なエッジを有
するリップからなるダイより押し出して流延し、かつ、
金属支持体の移動速度を0.5〜10m/minとする
ことによりカワバリの発生を抑制するとの記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た方法では、流延速度を0.5〜10m/minとする
ために生産性が低下してしまい実用的ではなかった。
【0005】本発明の目的は、ドープを金属支持体上に
高速で押し出しながら、ダイ先端の欠陥による流延方向
のスジ欠陥を発生させることなく、表面平滑性、厚み均
一性に優れたフイルムの製造方法を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するべく鋭意検討を行ない、このカワバリの発生が
ダイ先端の微小な欠陥に起因していることを突き止め
た。このダイ欠陥は、ダイ製作時や保全時についてしま
う微小なキズとか、打痕研石による研削時に発生するス
クラッチなどである。
【0007】そこで、このダイ先端の微小な欠陥に基づ
くカワバリ発生を防止する手段を開発するべくさらに検
討を進め、流延ダイリップのドープが接液する先端部分
をWCコーティング加工する方法により、ポリマーを溶
剤に溶解した溶液ダイのスロットから流延してプラスチ
ックフイルムを製造する方法において、前記ダイの先端
の硬さHvを400以上にすると、ダイ製作時、保全
時、設置時についてしまう微小なキズ、打痕を抑え流延
方向のスジ欠陥が、確認が困難となるまで良化すること
を見い出した。このHvで表される硬度(ビッカース硬
さ)は、136°の頂角を有するダイヤモンド角錐を圧
子として用い、生じた圧痕の対角線の長さを読み取り、
荷重を凹みの表面積で割った値である。
【0008】また、ポリマーを溶剤に溶解した溶液をダ
イのスロットから流延してプラスチックフイルムを製造
する方法において、前記ダイの先端の表面張力を380
μN/cm以上にすることにより、カワバリの発生を防
ぎ、さらにスジ欠陥が良化することを見い出した。表面
張力はJISK6768にのっとり、和光純薬(株)
製,ぬれ指数標準液,No.32からNo.54を用い
て測定した値である。
【0009】さらに、カワバリの発生を防止するために
はリップ先端部の表面の凹凸および、スロット面とこの
スロット面に交差する先端平端面との角部を断面略円弧
形状に形成し湾曲面とし、その湾曲面の曲率半径が小さ
く、溶剤濡れ性の良いことが必要となることを見出し、
リップ先端部におけるカワバリを防止することが出来で
き、スジ欠陥を改良することができた。
【0010】前記スロットのリップ先端部であって、ス
ロット面とこのスロット面に交差する先端平端面との角
部を断面略円弧形状に形成して湾曲面とし、この湾曲面
の曲率半径Rを5〜50μmの範囲とすることが好まし
い。
【0011】前記湾曲面と前記スロット面及び前記先端
平端面との境界線と、前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線と
の平行度を、前記スロットの長手方向1m当りで、1.
5〜15μmの範囲にすることが好ましい。また、前記
湾曲面と前記スロット面及び前記先端平端面との境界線
と、前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、前記
スロットの長手方向1mあたりで、前記曲率半径Rの
0.3倍以下にすることが好ましい。さらに、前記湾曲
面と前記スロット面及び前記先端平端面との境界線と、
前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、スロット
の長手方向1mm当りで、0.5〜5μmの範囲にする
ことが好ましい。さらには、前記湾曲面と前記スロット
面及び前記先端平端面との境界線と、前記湾曲面の曲率
中心を結ぶ線との平行度を、スロットの長手方向1mm
当りで、前記曲率半径Rの0.1倍以下にすることが好
ましい。
【0012】前記ダイ先端の表面粗さをRaとしたとき
に、前記スロットの長手方向及びその長手方向に直交す
る方向におけるRaを、0.01〜3μmの範囲にする
ことが好ましい。
【0013】本発明には、前記ポリマーがセルロースア
セテートであるプラスチックフイルムの製造方法も含ま
れる。前記プラスチックフイルムの製造の際に、前記溶
液の流延速度が30m/min以上であることが好まし
い。前記プラスチックフイルムが光学用フイルムである
ものも本発明には含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】[ポリマー]本発明に用いること
ができるポリマーとしては、セルロースエステル、ポリ
カーボネートなどを含む。セルロースエステルとして
は、セルロースの低級脂肪酸エステル(例、セルロース
アセテート、セルロースアセテートブチレートおよびセ
ルロースアセテートプロピオネート)が代表的である。
低級脂肪酸は、炭素原子数6以下の脂肪酸を意味する。
セルロースアセテートには、セルローストリアセテート
(TAC)やセルロースジアセテート(DAC)が含ま
れ、特に好ましく用いられる。
【0015】[溶剤]上記ポリマーの溶剤としては、低
級脂肪族炭化水素の塩化物や低級脂肪族アルコールが一
般に使用される。低級脂肪族炭化水素の塩化物の例とし
ては、メチレンクロライドを挙げることができる。低級
脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールおよ
びn−ブタノールが含まれる。その他の溶剤の例として
は、ハロゲン化炭化水素を実質的に含まない、アセト
ン、炭素原子数4から12までのケトンとしては例えば
メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノンが
含まれ、炭素原子数3から12までのエステルとしては
例えばギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸
ペンチル及び2−エトキシ−エチルアセテート等が含ま
れ、炭素原子数1から6までのアルコールとしては例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソ−プロ
パノール、1−ブタノール、t−ブタノール、2−メチ
ル−2−ブタノール、2−メトキシエタノール及び2−
ブトキシエタノール等が含まれ、炭素原子数が3から1
2までのエーテルとしては例えばジイソプロピルエーテ
ル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジ
オキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラ
ン、アニソール及びフェネトール等が含まれ、また炭素
原子数が5から8までの環状炭化水素類としてはシクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロ
オクタン等が含まれる。
【0016】溶剤としては、メチレンクロライドが特に
好ましい。メチレンクロライドに他の溶剤を混合して用
いてもよい。ただし、メチレンクロライドの混合率は7
0重量%以上であることが好ましい。特に好ましい混合
率は、メチレンクロライドが75乃至93重量%、そし
て他の溶剤が7乃至25重量%である。
【0017】[ドープの調製]ドープの調製におけるポ
リマーの濃度は好ましくは10重量%以上、さらに好ま
しくは15重量%以上、特に好ましくは19重量%以上
である。濃度の上限はドープの流動性などによって定ま
り、一般に30重量%程度である。また、ドープには可
塑剤や紫外線吸収剤、劣化防止剤などの添加剤を加えて
もよい。
【0018】[プラスチックフイルムの製造方法]図1
は、本発明に係るプラスチックフイルム(以下、フイル
ムと称する)を製造するためのフイルムの製膜ライン4
0を示している。前述のドープ50は、ミキシングタン
ク51内に仕込まれ、撹拌翼52で撹拌され、均一なド
ープになっている。この際に、ドープ50に添加剤を混
合することも可能である。ドープ50は、ポンプ53に
より一定の流量でろ過装置54に送られて不純物が除去
された後に、流延ダイ10に送られる。なお、流延ダイ
10の形態については、後に詳細に説明する。
【0019】流延ダイ10により、ドープ50が金属支
持体である流延ベルト56上に流延される。流延速度
は、15m/min〜150m/minの範囲で設定
し、好ましくは30m/min以上、特に30m/mi
n〜100m/minの範囲で設定するのがよいが、こ
れに限定されるものではない。流延ベルト56は、ロー
ラ57,58に掛け渡され、図示しない駆動装置により
回転される。流延ベルト56上で、徐々にドープ50の
溶媒が揮発してフイルム59が形成される。流延ベルト
56の表面は、鏡面状態に仕上げておくことが好まし
い。また、流延ベルトに代えて、流延ドラムを用いるこ
ともできる。フイルム59は、剥ぎ取りローラ60によ
り流延ベルト56から剥ぎ取られ、乾燥装置61に送ら
れる。乾燥装置61の温度は、100〜160℃に制御
されていることが好ましい。最後にフイルム59は、巻
き取り機62により巻き取られる。なお、本発明に係る
プラスチックフイルムの製造方法は、前述した方法に限
定されず、公知のいずれの方法で行なっても良い。例え
ば共流延法によってフイルムを製造する方法が挙げられ
る。
【0020】得られたフイルムの溶剤の残留量は一般に
5重量%未満である。残留量は、1重量%未満であるこ
とが好ましく、0.5重量%未満であることがさらに好
ましい。
【0021】得られたフイルムの乾燥厚みは、20〜5
00μmが好ましく、30〜300μmがより好まし
く、35〜200μmが最も好ましいが、これに限定さ
れるものではない。一方、本発明の方法は特に薄いフイ
ルム、厚みが80μm以下、好ましくは35〜65μm
のフイルムに対して有効である。
【0022】偏光板は延伸されたPVA膜と、それをサ
ンドイッチしている保護フイルムで構成され、保護フイ
ルムの平面性、光学特性、機械物性により大きく性能が
左右される。一般に、保護フイルムには平滑な外観、均
一な厚さ、異方性が小さい光学特性、適度の強度と柔軟
性を有し、寸度変化が小さい物理特性が要求される。
【0023】本発明の方法で得られたフイルムは、流延
方向の連続したスジ状欠陥が極めて小さく、その大きさ
が幅5mm以下で、深さ1μm以下にすることができ
る。従って、極めて均一な光学特性が必要で、また反射
防止層等の機能性膜を精密に塗布する偏光板用の保護フ
イルムなどの光学用フイルムとして使用することができ
る。
【0024】従来の流延ダイはステンレス製であり、そ
の硬度はHv=200程度、そして表面張力は370μ
N/cm程度である。本発明に用いられる流延ダイのリ
ップ先端における硬度は、Hv=400以上、好ましく
は600以上、さらに好ましくは1100以上である。
また、その表面張力は380μN/cm以上、好ましく
は390μN/cm以上、さらに好ましくは400μN
/cm以上である。
【0025】本発明に係るフイルムの製造に用いられる
流延ダイ10のリップ11先端部の断面図を図2に示
す。図2の流延ダイ10のリップ11先端には、硬化膜
12が設けられている。硬化膜12を設ける手段として
は、セラミックコーティング、ハードクロムメッキ、窒
化処理等がある。硬化膜12としてセラミックを用いる
場合には、研削でき、気孔率が低く、脆くなく、耐腐食
性がよく、かつダイとの密着性がないものが好ましい。
具体的にはタングステン・カーバイド(以下、WCと称
する)、Al2 3 、TiN、TiC、Cr2 3 等が
あり、特に好ましくはWCである。
【0026】また、上記の表面張力にする手段として
は、セラミックコーティング、ハードクロムメッキ、窒
化処理等がある。好ましくは、セラミックを研削でき、
気孔率が少なく、脆くなく、耐腐食性がよく、かつダイ
との密着性がないものであり、具体的には、WC、Al
2 3 、TiN、TiC、Cr2 3 等があり、特に好
ましくはWCである。
【0027】セラミックをコーティングする方法は公知
の方法によればよく、CVD法、MO−CVD法、プラ
ズマCVD法、レーザCVD法等の化学蒸着法、真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の
物理蒸着法、フレームスプレー法、プラズマスプレー
法、爆射法等の溶射法等が利用できる。
【0028】これらのなかで、コーティング範囲制御の
難しさ、コーティング物大きさの制限等より溶射法の内
でもコーティングの制御性の良さ、膜質の劣化、変化の
少なさよりプラズマ溶射法を用いることが好ましい。
【0029】上記のような硬度あるいは表面張力にする
範囲は、図2に示すように内側L1、外側L2ともに、
長さ1mm以上、好ましくは5mmから15mmとす
る。
【0030】コーティング厚みは内側T1、外側T2と
もに5〜1000μm、好ましくは50〜150μmで
ある。
【0031】図3に本発明のフイルムに製造に用いられ
る他の形態の流延ダイのリップの先端の断面図を示す。
図3(a)には、流延ダイ20のリップ21の先端部を
示し、図3(b)にはその要部拡大図を示した。図3
(a)に示すようにリップ21先端には前述したWCな
どから構成された硬化膜22が設けられている。硬化膜
22は、図示したようにスロット面23とこれに直交す
る先端平坦面24とに設けられている。このように硬化
膜22を設けることで、リップ21の先端のHvを40
0以上にしている。また、その表面張力を380μN/
cm以上にしている。
【0032】また、図3(b)に示したようにスロット
面23と先端平坦面24との角部は面取り加工により、
ゆるやかな曲線で接続している。通常、このゆるやかな
曲線は加工の容易さから、円弧状に形成されているが、
本発明において円弧状に限定されず、楕円状やその他の
なだらかな曲線による湾曲面25であれば良い。この湾
曲面25の曲率半径Rが5〜50μmであるとスロット
面23と先端平端面24とがなだらかに接続され、カワ
バリの発生を抑制することができ、フイルムのスジ欠陥
の発生を抑制することもできる。
【0033】図4には、流延ダイ20の先端平端面24
を正面として示し、図5にはその斜視図を示した。流延
ダイ20のスロット面23で挟まれたスロット26から
前述したドープ50が流延される(図1参照)。図5に
示した湾曲面25の曲率中心25aを結んだ中心線25
bの平行度を、スロット面23と湾曲面25との境界線
(以下、第1境界線と称する)25cと、先端平坦面2
4と湾曲面25との境界線(以下、第2境界線と称す
る)25dとに対して、スロット26の長手方向27に
関して規定する。長手方向27の長さLが1mあたり
で、1.5〜15μm、または湾曲面25の曲率半径R
の0.3倍以下の少なくともいずれかになるように湾曲
面25を加工すれば、ドープ50を流延する際に、カワ
バリとフイルムのスジ欠陥との発生を抑制する効果がさ
らに得られる。なお、以下の説明においてこの平行度を
第1平行度と称する。
【0034】また、中心線25bの第1境界線25c及
び第2境界線25dに対する平行度を、長手方向27の
長さLが1mmあたりで、0.5〜5μm、または湾曲
面25の曲率半径Rの0.1倍以下の少なくともいずれ
かになるように湾曲面25を加工すれば、ドープ50を
流延する際に、カワバリとフイルムのスジ欠陥との発生
を抑制する効果がさらに得られる。なお、以下の説明に
おいてこの平行度を第2平行度と称する。
【0035】なお、湾曲面25の形成方法は、図3では
リップ21のスロット面21aと先端平坦面21bと間
に湾曲面21cが形成されており、そのリップ21表面
に略均一に硬化膜22をコーティングした方法を示し
た。しかしながら、図6に示す流延ダイ30のリップ3
1のように、スロット面31aと先端平坦面31bとの
断面が直交して形成されているものに、硬化膜32をコ
ーティングし、硬化膜32の一部を湾曲状32aに切
削、研磨などの公知の方法により加工したものでも良
い。
【0036】また、リップ21の先端である先端平坦面
24と湾曲面25との表面粗さをRaとしたときに、ス
ロットの長手方向27及びスロットの長手方向に直交す
る方向28に対して、0.01〜3.0μmの範囲であ
ると、カワバリとフイルムのスジ欠陥との発生を抑制で
きる。先端平坦面24と湾曲面25との表面粗さの調整
は、公知の研磨方法などにより行なうことができる。ま
た、表面粗さRaは、触針式表面粗さ計などの公知の方
法により測定することができる。
【0037】なお、本発明においては、流延ダイのリッ
プの先端に硬化膜をコーティングして、硬さ、表面張力
の値の調整を行なう。
【0038】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳
細に説明するが、本発明の態様はこれら実施例に限定さ
れない。
【0039】[実施例1]ドープを下記の処方に基づい
て、固形分濃度は17.5重量%に調整した。 セルローストリアセテート(酢化度60.9%) 100重量部 トリフェニルフォスフェート 7重量部 ビフェニルジフェニルフォスフェート 5重量部 メチレンクロライド 92重量部 メタノール 8重量部
【0040】このドープから図1に示した製膜ライン4
0を用いてフイルムを製造した。ドープ50を静置脱泡
した後に、送液ポンプ53によってろ過装置54を経由
した後に、流延ダイ10へ送った。流延ダイ10には、
リップクリアランスが1mmの流延ダイの先端部分に溶
射法で、図2に示すように硬化膜(WC)12をコーテ
ィングした。この硬化膜12は、厚みT1、T2が10
0μmで、外側の長さL2が10mm、内側の長さL1
が10mmにわたって設け、リップ11先端の硬さ(H
v)を420とした。
【0041】流延ダイ10から押し出されたドープは、
30m/minで移動する流延ベルト56上で、残留溶
剤量22重量%以下まで乾燥した後に、その流延ベルト
56から剥離し、厚み35〜45μmのフイルム59を
得た。得られたフイルムの流延方向および流延方向と直
角方向の厚み分布およびフイルムの外観検査をしたとこ
ろ、厚みの凹凸もなく、表面平滑性も良好であった。
【0042】[比較例1]ダイリップ加工にWCコーテ
ィングを行なわず、リップ先端がステンレスの研磨仕上
げによる流延ダイを用いて、それ以外の条件は実施例1
と同じ条件のもとで流延を行なった。この際の流延ダイ
のリップ先端のビッカース硬さ(Hv)は、380であ
った。支持体上のドープ膜の流延方向にスジ欠陥が発生
した。得られたフイルムの流延方向と直角方向の厚み分
布は凹凸が非常に多く、満足のいく品質のものは得られ
なかった。原因を調べるためにダイを分解しリップ先端
を顕微鏡などにより調査すると、ダイ組み立て時・設置
時(シックネスゲージニによるリップクリアランスの調
整、リップ先端の付着物確認および除去等)の工程に起
因すると思われる微小傷が確認された。
【0043】実施例1及び比較例1の各実験条件と評価
結果を表1にまとめて示す。
【0044】
【表1】
【0045】[実施例2]表面張力が420μN/cm
となるようにリップ先端にWCをコーティングした。ま
た、ドープには実施例1と同じものを用いた。ダイから
押し出したドープを、流延ベルト上で、残留溶剤量22
重量%以下まで乾燥した後に、その流延ベルトから剥離
し、厚み35〜45μmのフイルムを得た。得られたフ
イルムの流延方向および流延方向と直角方向の厚み分布
およびフイルムの外観検査をしたところ、厚みの凹凸も
なく、表面平滑性も良好であった。
【0046】[比較例2]ダイリップ加工にWC加工を
行なわず、リップ先端がステンレスの研磨仕上げによる
流延ダイを用いて表面張力を370μN/cmとした。
その他の条件は上記実施例2と同じ条件で流延し、製膜
を行なった。支持体上のドープ膜の流延方向にスジ欠陥
が発生した。得られたフイルムの流延方向と直角方向の
厚み分布は凸凹が非常に多く、満足のいく品質のものは
得られなかった。
【0047】実施例2及び比較例2の各実験条件と評価
結果を表2にまとめて示す。
【0048】
【表2】
【0049】上記実施例1及び実施例2で製造されたフ
イルムを用いて構成された偏光板を、液晶表示装置(T
N型,STN型,OCB型)に使用した所、良好な結果
が得られた。
【0050】次に図3に示したようにリップ先端に湾曲
面を形成した流延ダイを用いて、リップ先端の硬さ(H
v)を420にした実験を実施例3−1〜3−6及び比
較例3として行なった。なお、説明は実施例3−1で詳
細に行ない、その他の実験においては実施例3−1と同
じ条件については省略した。各実験の実験条件及び流延
スジの評価結果については、後に表3にまとめて示す。
【0051】[フイルム表面の流延スジの評価方法]各
実験で得られたフイルムの流延スジの評価は目視によ
り、スジがなく良質のフイルムである(◎)、極弱いレ
ベルのスジが数本見えるがフイルムの品質に問題ない
(○)、弱いレベルのスジが数本見えるが用いる製品に
よっては問題がない(△)、強いレベルのスジが数本見
え、製品に用いることができない(×)の4段階評価で
行なった。
【0052】[実施例3−1]ドープを下記の処方に基
づいて、固形分濃度は23重量%に調整した。 セルローストリアセテート(酢化度60.9%) 100重量部 トリフェニルフォステート 10重量部 ビフェニルジフェニルフォスフェート 5重量部 メチレンクロライド 400重量部 メタノール 70重量部 ブタノール 30重量部
【0053】このドープから図1に示した製膜ライン4
0を用いてフイルムを製造した。流延ダイには、図3に
示したものを用いた。この流延ダイにリップクリアラン
スが1mmの流延ダイの先端部分に溶射法で、硬化膜
(WC)をコーティングした。この硬化膜は、厚みが1
00μmで、外側の長さが10mm、内側の長さが10
mmにわたって設け、リップ先端の硬さ(Hv)を42
0とし、表面張力を350μN/cmとした。この流延
ダイの湾曲面25の曲率半径Rは、10μmとした。こ
の流延ダイの第1平行度は2μmであり、第2平行度は
1μmであった。この場合の曲率半径Rに対する平行度
の比率は、それぞれ20%、10%である。さらに、先
端平坦面24と湾曲面25とに研磨加工を施し、スロッ
トの長手方向27及びスロットの長手方向に直交する方
向28に対して表面粗さ(Ra値)が0.02μmにな
るように仕上げた。
【0054】前述した流延ダイから押し出されたドープ
は、80m/minで移動する金属から形成された流延
ベルト上で、残留溶剤量22重量%以下まで乾燥した後
に、その流延ベルトから剥離し、厚み35〜45μmの
フイルムを得た。得られたフイルムを前述した流延スジ
評価方法に基づいて評価したところ、表面にスジは見ら
れず良品(◎)であった。
【0055】[実施例3−2ないし実施例3−6]実施
例3−2ないし実施例3−6の各実験における、それぞ
れの流延ダイの湾曲面の曲率半径R、第1平行度、Rに
対する第1平行度の比率、第2平行度、Rに対する第2
平行度の比率、表面粗さ(Ra)の値については後に示
す表3にまとめて示す。なお、表中に記載していない条
件については、実施例3−1と同じ条件で行なった。ま
た、流延スジの評価結果も前述した方法に従い評価し
て、表3にまとめて示す。
【0056】[比較例3]比較例3の流延ダイのリップ
の先端には硬化膜のコーティングは行なわず、ステンレ
スの研磨仕上げのみ行なった。流延ダイの湾曲面の曲率
半径R、第1平行度、Rに対する第1平行度の比率、第
2平行度、Rに対する第2平行度の比率、表面粗さ(R
a値)の値については後に示す表3にまとめて示す。な
お、表中に記載していない条件については、実施例3−
1と同じ条件で行なった。また、流延スジの評価結果も
前述した方法に従い評価して、表3にまとめて示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3から、リップの先端の硬度(Hv)を
420とした流延ダイを用いて製膜されたフイルムの表
面には、スジ欠陥の発生が抑制されたことが分かる。特
にRに対する第1平行度と第2平行度との比率を20
%、10%とした実施例3−1から製膜されたフイルム
の表面は、スジ欠陥が全く見られなかった。
【0059】次に図3に示したリップ先端に湾曲面を形
成した流延ダイを用いて、リップ先端の表面張力を40
0μN/cmにした実験を実施例4−1〜4−6及び比
較例4として行なった。なお、用いたドープと流延スジ
の評価方法とは、実施例3と同じであるので説明は省略
する。また、その他の説明は実施例4−1で詳細に行な
い、その他の実験においては実施例4−1と同じ条件に
ついては省略した。各実験の実験条件及び流延スジの評
価結果については、後に表4にまとめて示す。
【0060】[実施例4−1]実施例3−1と同じドー
プから図1に示した製膜ライン40を用いてフイルムを
製造した。流延ダイには、図3に示したものを用いた。
この流延ダイにリップクリアランスが1mmの流延ダイ
の先端部分に溶射法で、硬化膜(WC)をコーティング
した。この硬化膜は、厚みが100μmで、外側の長さ
が10mm、内側の長さが10mmにわたって設け、リ
ップ先端の硬さ(Hv)を380とし、表面張力を40
0μN/cmとした。この流延ダイの湾曲面25の曲率
半径Rは、10μmとした。この流延ダイは、第1平行
度を2μmとし、第2平行度を1μmとした。この場合
のRに対する平行度の比率は、それぞれ20%、10%
である。さらに、先端平坦面24と湾曲面25とに研磨
加工を施し、スロットの長手方向27及びスロットの長
手方向に直交する方向28に対して表面粗さ(Ra値)
が0.02μmになるように仕上げた。
【0061】前述した流延ダイから押し出されたドープ
は、80m/minで移動する金属から形成された流延
ベルト上で、残留溶剤量22重量%以下まで乾燥した後
に、その流延ベルトから剥離し、厚み35〜45μmの
フイルムを得た。得られたフイルムを前述した流延スジ
評価方法に基づいて評価したところ、表面にスジは見ら
れず良品(◎)であった。
【0062】[実施例4−2ないし実施例4−6]実施
例4−2ないし実施例4−6の各実験における、それぞ
れの流延ダイの湾曲面の曲率半径R、第1平行度、Rに
対する第1平行度の比率、第2平行度、Rに対する第2
平行度の比率、表面粗さ(Ra)の値については後に示
す表4にまとめて示す。なお、表中に記載していない条
件については、実施例4−1と同じ条件で行なった。ま
た、流延スジの評価結果も前述した方法に従い評価し
て、表4にまとめて示す。
【0063】[比較例4]比較例3の流延ダイのリップ
の先端には硬化膜のコーティングは行なわず、ステンレ
スの研磨仕上げのみ行なった。流延ダイの湾曲面の曲率
半径R、第1平行度、Rに対する第1平行度の比率、第
2平行度、Rに対する第2平行度の比率、表面粗さ(R
a値)の値については後に示す表4にまとめて示す。な
お、表中に記載していない条件については、実施例4−
1と同じ条件で行なった。また、流延スジの評価結果も
前述した方法に従い評価して、表4にまとめて示す。
【0064】
【表4】
【0065】表4から、リップの先端の表面張力を40
0μN/cmとした流延ダイを用いて製膜されたフイル
ムの表面には、スジ欠陥の発生が抑制されたことが分か
る。特にRに対する第1平行度と第2平行度との比率を
20%、10%とした実施例4−1から製膜されたフイ
ルムの表面は、スジ欠陥が全く見られなかった。
【0066】[実施例5]さらに、リップクリアランス
が1mmの流延ダイのリップの先端が、硬度(Hv)4
20かつ表面張力を400μN/cmになるように硬化
膜(WC)をコーティングした流延ダイを用いた実験を
実施例5として行なった。この硬化膜は、厚みが100
μmで、外側の長さが10mm、内側の長さが10mm
にわたって設けた。流延ダイには、図3に示したものを
用いた。この流延ダイの湾曲面25の曲率半径Rは、1
0μmとした。この流延ダイの第1平行度を2μmと
し、第2平行度を1μmとした。この場合のRに対する
平行度の比率は、それぞれ20%、10%である。さら
に、先端平坦面24と湾曲面25とに研磨加工を施し、
スロットの長手方向27及びスロットの長手方向に直交
する方向28に対して表面粗さ(Ra値)が0.02μ
mになるように仕上げた。ドープには、実施例3−1と
同じものを用い、フイルムの製膜方法も実施例3−1と
同じ条件で行なった。
【0067】前述した流延ダイから押し出されたドープ
は、80m/minで移動する金属から形成された流延
ベルト上で、残留溶剤量22重量%以下まで乾燥した後
に、その流延ベルトから剥離し、厚み35〜45μmの
フイルムを得た。得られたフイルムを前述した流延スジ
評価方法に基づいて評価したところ、表面にスジは見ら
れず良品(◎)であった。
【0068】
【発明の効果】本発明のプラスチックフイルムの製造方
法によれば、ポリマーを溶剤に溶解した溶液をダイのス
ロットから流延してプラスチックフイルムを製造する方
法において、その溶液を流延するダイ先端の硬さHvを
400以上とするから、ダイ先端より流延方向のスジ欠
陥を発生させることなく、表面平滑性、厚み均一性に優
れたフイルムを生産することが可能となった。
【0069】また、本発明のプラスチックフイルムの製
造方法によれば、ポリマーを溶剤に溶解した溶液をダイ
のスロットから流延してプラスチックフイルムを製造す
る方法において、その溶液を流延するダイ先端の表面張
力を380μN/cm以上とするから、ダイ先端より流
延方向のスジ欠陥を発生させることなく、表面平滑性、
厚み均一性に優れたフイルムを生産することが可能とな
った。
【0070】さらに、本発明のプラスチックフイルムの
製造方法により得られたプラスチックフイルムは、その
表面にスジ欠陥の発生が抑制されるから、偏光板保護フ
イルム、光学補償フイルム、反射防止膜などの光学用フ
イルムに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチックフイルムの製造方法
に用いられる製膜ラインの概略図である。
【図2】本発明に係るプラスチックフイルムの製造方法
に用いられる流延ダイのリップの断面図である。
【図3】本発明に係るプラスチックフイルムの製造方法
に用いられる他の実施形態の流延ダイのリップの断面図
である。
【図4】図3に示した流延ダイの先端部の正面図であ
る。
【図5】図4に示した流延ダイの先端部の斜視図であ
る。
【図6】本発明に係るプラスチックフイルムの製造方法
に用いられる他の実施形態の流延ダイのリップの断面図
である。
【符号の説明】
10,20,30 流延ダイ 11,21,31 リップ 12,22,32 硬化膜 L1,L2 膜長さ T1,T2 膜厚み 23 スロット面 24 先端平坦面 25 湾曲面 25a 曲率中心 25b 中心線 25c,25d 境界線 R 湾曲面の曲率半径 27 スロットの長手方向 28 スロットの長手方向に対して直交方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1:12 C08L 1:12 (72)発明者 宮▲崎▼ 政明 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 金村 一秀 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA09 AF29 AH16 BA02 BB02 BC01 4F205 AA01 AC05 AG01 GA07 GB02 GC07 GF01 GF24

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーを溶剤に溶解した溶液をダイの
    スロットから流延してプラスチックフイルムを製造する
    方法において、 前記ダイの先端の硬さHvを400以上としたことを特
    徴とするプラスチックフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイ先端の表面張力を380μN/
    cm以上としたことを特徴とする請求項1記載のプラス
    チックフイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記スロットのリップ先端部であって、 スロット面とこのスロット面に交差する先端平坦面との
    角部を断面略円弧形状に形成して湾曲面とし、 この湾曲面の曲率半径Rを5〜50μmの範囲としたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のプラスチックフ
    イルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記先
    端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1m当りで、 1.5〜15μmの範囲としたことを特徴とする請求項
    3記載のプラスチックフイルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記先
    端平端面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1m当りで、 前記曲率半径Rの0.3倍以下としたことを特徴とする
    請求項3記載のプラスチックフイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記先
    端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1mm当りで、 0.5〜5μmの範囲としたことを特徴とする請求項3
    ないし5いずれか1つ記載のプラスチックフイルムの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記先
    端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1mm当りで、 前記曲率半径Rの0.1倍以下としたことを特徴とする
    請求項3ないし5いずれか1つ記載のプラスチックフイ
    ルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ダイ先端の表面粗さをRaとしたと
    き、 前記スロットの長手方向及びその長手方向に直交する方
    向におけるRaを、 0.01〜3.0μmの範囲にしたことを特徴とする請
    求項1ないし7いずれか1つ記載のプラスチックフイル
    ムの製造方法。
  9. 【請求項9】 ポリマーを溶剤に溶解した溶液をダイの
    スロットから流延してプラスチックフイルムを製造する
    方法において、 前記ダイの先端の表面張力を380μN/cm以上とし
    たことを特徴とするプラスチックフイルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記スロットのリップ先端部であっ
    て、 スロット面とこのスロット面に交差する先端平坦面との
    角部を断面略円弧形状に形成して湾曲面とし、 この湾曲面の曲率半径Rを5〜50μmの範囲としたこ
    とを特徴とする請求項9記載のプラスチックフイルムの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記
    先端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1m当りで、 1.5〜15μmの範囲としたことを特徴とする請求項
    10記載のプラスチックフイルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記
    先端平端面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1m当りで、 前記曲率半径Rの0.3倍以下としたことを特徴とする
    請求項10記載のプラスチックフイルムの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記
    先端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1mm当りで、 0.5〜5μmの範囲としたことを特徴とする請求項1
    0ないし12いずれか1つ記載のプラスチックフイルム
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記湾曲面と前記スロット面及び前記
    先端平坦面との境界線と、 前記湾曲面の曲率中心を結ぶ線との平行度を、 前記スロットの長手方向1mm当りで、 前記曲率半径Rの0.1倍以下としたことを特徴とする
    請求項10ないし13いずれか1つ記載のプラスチック
    フイルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ダイ先端の表面粗さをRaとした
    とき、 前記スロットの長手方向及びその長手方向に直交する方
    向におけるRaを、 0.01〜3μmの範囲にしたことを特徴とする請求項
    9ないし14いずれか1つ記載のプラスチックフイルム
    の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記ポリマーがセルロースアセテート
    であることを特徴とする請求項1ないし15いずれか1
    つ記載のプラスチックフイルムの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記プラスチックフイルムの製造の際
    に、 前記溶液の流延速度が30m/min以上であることを
    特徴とする請求項1ないし16いずれか1つ記載のプラ
    スチックフイルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記プラスチックフイルムが光学用フ
    イルムであることを特徴とする請求項1ないし17いず
    れか1つ記載のプラスチックフイルムの製造方法。
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