JP5012378B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置(LCD,液晶ディスプレイ)に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム等にも利用することができる光学フィルムの製造方法に関するものである。
近年、液晶ディスプレイの需要の増大により、液晶ディスプレイの供給量が増加し、部材としての光学フィルムの需要が増加して、光学フィルムの生産性のアップが要望されている。
一方、液晶ディスプレイの薄型軽量化、高精細化に伴って、部材としての光学フィルムの薄膜化、高い物理的強度、高品質化の要求が強くなり、また、液晶ディスプレイの高画質化に伴って光学フィルムの光学性能や外観品質の要求レベルも厳しくなってきている。
これらのことから、ますます光学フィルムの光学特性の発現の安定化、故障欠陥のないなどの外観品質の改善、安定化、高い物理的強度、さらには光学フィルムの製造時の搬送安定性などの製造工程の安定化が求められている。
光学特性、その発現性、安定性のために、フィルム(ウェブ)の剥離時の残留溶媒量を高めにすること、それにより初期乾燥での所望のフィルム伸縮特性を得ること、初期乾燥での乾燥温度を高めにすること、それにより乾燥能力を維持し、またその間のフィルム伸縮特性を維持することが必要になる。
また、剥離時の残留溶媒量が高いと、フィルム中の不溶解物や皮膜などの異物が搬送ロールに付着してしまうことや、またひとたび搬送ロールに付着した異物によって、それが搬送されるフィルムに転写してしまい、故障欠陥(いわゆるオサレ故障)を発生させることがある。
さらに、溶液流延製膜法におけるフィルム(ウェブ)の高い残留溶媒量での剥離、高温乾燥・搬送の工程では、フィルム(ウェブ)の幅方向の収縮量が増大するので、搬送されるフィルムのシワ発生やツレ故障などのフィルム搬送に不安定要素があり、フィルムの製造工程の安定化については、より一層不利になるという問題があった。
このような溶液流延製膜法による光学フィルムの製造において、フィルム(ウェブ)の剥離時の残留溶媒量、およびフィルム(ウェブ)の乾燥・搬送の工程に関する先行特許文献には、つぎのようなものがある。
特開平5−185445号公報 特許文献1には、金属支持体から剥離されたフィルム(ウェブ)中の有機溶剤の含有量が重量比率で68重量%以上の場合、剥離点から搬送時間が、少くとも20秒の間、乾燥風温度を30〜80℃として、フィルムの走行不安定性及びそれに基因する擦り傷等の故障防止をする溶液製膜方法が開示されている。 特開2003−175221号公報 特許文献2には、溶液製膜方法において、無端支持体から剥離されたフィルムの溶媒含有率が60重量%以下のときで、無端支持体からフィルムを剥離した後10秒以内に、少なくとも無端支持体に接触していたフィルム面側に給気して、フィルムの面状欠陥を防止する方法が開示されている。 特開2004−106265号公報 特許文献3には、溶液性膜法におけるフィルム製造方法において、テンター処理後のロール乾燥処理開始時におけるフィルムの溶剤含有量を3〜8重量%の範囲内にし、ロール乾燥処理中におけるフィルム表面温度を該フィルムのガラス転移点温度(Tg)−15°C〜Tgの範囲内にするとともに、フィルム搬送方向の伸び率を−2%〜3%の範囲内にして、フィルムの生産性を低下させることなく、フィルム面に発生する皺と流延ベコ(微小な厚みムラ)の両方をに改善する方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の従来技術でよっても、フィルムの搬送張力変動時の光学特性の安定化には不充分であり、乾燥温度が高温、特に60℃以上では、フィルムの搬送安定性が劣化するという問題があった。
また、フィルムの故障欠陥に対しては、従来と同様の発生を抑えることはできなかった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、液晶表示素子すなわち偏光板の保護フィルム等として用いられる光学フィルムについて、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、フィルム(ウェブ)の搬送安定性が向上し、得られたフィルムの故障欠陥がなく、外観品質が良好で、フィルムの光学特性が安定であり、特に、残留溶媒量が高い(フィルムが軟らかい)搬送状態、乾燥温度の高い範囲における使用において、フィルムの製造工程の安定化の効果を大きく発揮することができて、部材としての光学フィルムの薄膜化、高い物理的強度、高品質化の要求、および光学フィルムの品質の要求レベルにも、充分に応えることができ、ひいては液晶ディスプレイの薄型軽量化、高精細化、さらには、液晶ディスプレイの高画質化を果たし得る、光学フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、剥離〜テンター入までの搬送ロールに、特定のロールを用いると、フィルム(ウェブ)に対する搬送力が高まることが判った。特定の搬送ロール表面が適度な粗面であるために、フィルム(ウェブ)との間に空気の抱き込みがあり、搬送力を高めることが判った。このことは剥離〜テンター入のフィルム幅方向の収縮率が大幅に抑制されることによって証明することができる。また、この区間でのフィルム幅方向の収縮率が抑制されることにより、フィルムの搬送安定性が高まり、搬送時のフィルム幅手方向の収縮に伴う不安定化によって生じる光学フィルムのツレ故障、シワ発生故障を改善することができ、またフィルム幅方向の収縮率が抑制されることによって、搬送張力変化時のフィルムの光学特性値の変動が抑えられ、光学特性値が安定化することが判った。
そもそも、フィルム(ウェブ)の搬送張力に応じて、該フィルムの搬送方向に対する伸張が起きる結果、光学フィルムの物理的強度(弾性率)は高くなるため、機械物性上、これを高めるためには搬送張力を高めに設定する。その際、光学特性値も高めになるが、その変動は少ない方が良い。その際、フィルム搬送張力の変化に応じて、フィルム幅方向の収縮率も変動し、結果として出来上がりとしての光学特性値が変化していたのであるが、上記のような特定の搬送ロールを用いることによるフィルムの光学特性の安定化によって、ロバストネス(安定性)が高まり、フィルム製造時の不良発生率の低減が可能となり、上記の従来の問題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、熱可塑性樹脂と添加剤とを含有するドープ(樹脂溶液)を、金属製回転ドラムまたは金属製回転エンドレスベルト(以下、支持体という)上に流延してウェブを形成し、支持体から剥離されたウェブを乾燥ゾーン(以下、初期乾燥ゾーンという)を経て、ウェブを幅手方向に延伸するテンターに導入し、ついで再び乾燥ゾーン(以下、後期乾燥ゾーンという)を経た後に、フィルムを巻き取る光学フィルムの製造方法であって、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量を120〜210重量%、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーンの雰囲気温度が60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロールを、少なくとも1箇所で使用することを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率を、5%以下とすることを特徴としている。
なお、上記本発明の光学フィルムの製造方法において、初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が、50〜180度であることが好ましい。
本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法であって、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量を120〜210重量%、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーンの雰囲気温度が60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロールを、少なくとも1箇所で使用することを特徴とするもので、本発明の方法によれば、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、フィルム(ウェブ)の搬送安定性が向上し、得られたフィルムの故障欠陥がなく、外観品質が良好で、フィルムの光学特性が安定になる。特に、高温乾燥・搬送の工程でも、フィルムの製造工程の安定化の効果を大きく発揮することができて、部材としての光学フィルムの薄膜化、高い物理的強度、高品質化の要求、および光学フィルムの品質の要求レベルにも、充分に応えることができ、ひいては液晶ディスプレイの薄型軽量化、高精細化、さらには、液晶ディスプレイの高画質化を果たし得るという効果を奏する。さらに、搬送ロールは長期間使用しても劣化がなく、交換頻度を低く抑えることができて、製造コストの低減に寄与することができ、従来技術や発明の狙いからは予想できない効果を奏した。
請求項2の発明は、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率を、5%以下とするもので、請求項2の発明によれば、光学フィルムの製造方法において、剥離〜テンター入のフィルム幅方向の収縮率が大幅に抑制されることによって証明することができ、この区間でのフィルム幅方向の収縮率が抑制されることにより、フィルムの搬送安定性が高まり、搬送時のフィルム幅手方向の収縮に伴う不安定化によって生じる光学フィルムのツレ故障、シワ発生故障を改善することができ、またフィルム幅方向の収縮率が抑制されることによって、搬送張力変化時のフィルムの光学特性値の変動が抑えられ、光学特性値が安定化するという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明は、熱可塑性樹脂と添加剤とを含有するドープ(樹脂溶液)を、金属製回転ドラムまたは金属製回転エンドレスベルト(支持体)上に流延してウェブを形成し、支持体から剥離されたウェブを乾燥ゾーン(初期乾燥ゾーン)を経て、ウェブを幅手方向に延伸するテンターに導入し、ついで再び乾燥ゾーン(後期乾燥ゾーン)を経た後に、フィルムを巻き取る溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法である。
本発明の方法では、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量を120〜210重量%、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーンの乾燥温度を60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロールを、少なくとも1箇所で、好ましくは1〜20箇所、望ましくは1〜10箇所、特に望ましくは剥離直後から初期乾燥の初期においてで使用するものである。
ここで、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が120重量%未満であれば、支持体からウェブの剥離力が高くなることによって剥離時の抵抗が生じフィルムに横段状故障の外観品質劣化が生じ、また高い物理的強度のフィルムが得られにくくなるので、好ましくない。また支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が210重量%を越えると、ウェブが不安定となり搬送安定化に支障をきたし、またウェブが軟弱になりオサレ発生故障も起きやすくなるので、好ましくない。
また、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が5重量%未満であれば、所望の光学特性の安定性が得られず、また高い物理的強度のフィルムが得られず、また初期乾燥能力を上げる必要があり、この間でのフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるので、好ましくない。そして、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が40重量%を越えると、延伸時のフィルムが軟弱となるためフィルム対する延伸の効果が小さくなり所望の光学特性の安定性、また所望の光学特性値が得られないので、好ましくない。
また、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が60℃未満であれば、乾燥能力が得られないので、好ましくない。そして、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が110℃を越えると、その間のフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるうえ、生産設備の耐用温度を維持することが困難となるので、好ましくない。
ここで、初期乾燥ゾーンの搬送張力が200N未満であれば、所望の光学特性や高い物理的強度が得られず、また安定なフィルム搬送ができないので、好ましくない。また初期乾燥ゾーンの搬送張力が350Nを越えると、所望の光学特性が得られず、また安定なフィルム搬送ができないので、好ましくない。
また、初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000未満であれば、搬送安定化が得られず、またロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなり、さらにはロールにキズがつきやすくなるなど、ロール自体の剛性が得られないので、好ましくない。そして、初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が2000を越えると、ロール製造コストアップが生じるので、好ましくない。
また、搬送ロールの表面粗さRmaxが1.0s未満であれば、ロール製造コストアップが生じ、また搬送安定化が得られないので、好ましくない。
そして、搬送ロールの表面粗さRmaxが3.0sを越えると、ロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなるので、好ましくない。
本発明による光学フィルムの製造方法において、前記初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率を、5%以下とするのが好ましい。
ここで、初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率が5%を越えると、フィルム搬送が不安定となり、ツレ故障、シワ発生故障などが生じるので、好ましくない。
本発明による光学フィルムの製造方法において、初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が、50〜180度であることが好ましい。
ここで、初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が50度未満であれば、ロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなるので、好ましくない。また初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が180度を越えると、ロール製造コストアップが生じるので、好ましくない。
このように、前記初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が50度以上である場合、フィルム(ウェブ)搬送中に生じるセルロースエステル等のフィルム原料由来の皮膜などのロール付着が抑えられ、また例え付着が起きた場合でも、それで、が剥がれやすいことから、ロール付着に起因するフィルムのオサレ故障がなくなるという効果がある。
また、上記の搬送ロールを用いた場合、従来の搬送ロール(ハードクロムメッキなど)に比べて、劣化進行が非常に遅くなっており、かつキズが付きにくいため、ロールの寿命が延びた結果、搬送ロールの交換頻度を低く抑えることができ、製造コストの低減に繋がるという効果が生じ、これは予想外の効果であった。
本発明の光学フィルムの製造方法によって製造された光学フィルムは、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、光学フィルムの厚み方向リタデーションが高くならず、特定の搬送ロールを用いることによるフィルムの光学特性の安定化によって、ロバストネス(安定性)が高まり、フィルム製造時の不良発生率の低減が可能となるという利点がある。
例えば、初期乾燥ゾーンの搬送張力がA(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、RtA(nm)とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が(A+30)(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、Rt(A+30)(nm)としたとき、Rt(A+30)/RtAが、0.90〜1.10であるものである。
そして、上記Rt(A+30)/RtAが、0.90未満であれば、所望の光学特性に対する変動が大きいので、好ましくない。そして、Rt(A+30)/RtAが、1.10を越えると、所望の光学特性に対する変動が大きいので、好ましくない。
本発明の光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法により実施されるものであり、以下、これを詳しく説明する。
本発明の光学フィルムの製造方法においては、フィルム材料として、種々の樹脂を用いることができる。
本発明の方法において、好ましく用いられる樹脂としては、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のアシル基の置換度が1.8〜2.80のセルロースエステル系樹脂、またセルロースメチルエーテル、セルロースエチルエーテル、セルロースプロピルエーテル等のアルキル基置換度2.0〜2.80のセルロースエーテル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、またアルキレンジカルボン酸とジアミンとの重合物のポリアミド樹脂、またアルキレンジカルボン酸とジオールとの重合物、アルキレンジオールとジカルボン酸との重合物、シクロヘキサンジカルボン酸とジオールとの重合物、シクロヘキサンジオールとジカルボン酸との重合物、芳香族ジカルボン酸とジオールとの重合物等のポリエステル樹脂、またポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル樹脂、またポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、アルキレンジイソシアナートとアルキレンジオールの線状重合物等のポリウレタン樹脂等を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも一つを含有することが好ましい。
中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリカーボネート樹脂が特に好ましい。また、相溶性のあるポリマーを2種類以上ブレンドして後で述べるドープ溶解を行なっても良いが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明において好ましく用いられるその他の樹脂としては、エチレン性不飽和単量体単位を有する単独重合体または共重合体を挙げることができる。より好ましくは、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸アルキルの共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル酸またはメタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体が挙げられる。さらにアクリル酸またはメタクリル酸のエステルは、透明性、相溶性に優れるので、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル単位を有する単独重合体または共重合体、特に、アクリル酸またはメタクリル酸メチル単位を有する単独重合体または共重合体が好ましい。具体的にはポリメタクリル酸メチルが好ましい。ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸シクロヘキサンのようなアクリル酸またはメタクリル酸の脂環式アルキルエステルは、耐熱性が高く、吸湿性が低い、複屈折が低い等の利点を有しているものが、好ましい。
以下、セルロースエステルを例に挙げて、本発明を説明する。
本発明において、セルロースエステル及び有機溶剤を含有するセルロースエステル溶液をドープといい、これをもって溶液流延製膜し、セルロースエステルフィルムを形成せしめるものである。
セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
セルローストリアセテートの例としては、アセチル基の置換度が2.0以上3.0以下であることが好ましい。置換度をこの範囲にすることで、良好な成形性が得られ、かつ所望の面内リタデーション(Ro)、及び厚み方向リタデーション(Rt)を得ることができるのである。アセチル基の置換度が、この範囲より低いと、位相差フィルムとしての耐湿熱性、特に湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、置換度が大きすぎると、必要なリタデーション特性が発現しなくなる場合がある。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明において、セルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。さらに70000〜200000が好ましい。
本発明において、セルロースエステルには、種々の添加剤を配合することができる。
セルロースエステルの溶媒としては、セルロースエステルを溶解できる溶媒であれば特に限定はされないが、また単独で溶解できない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解できるものであれば使用することができる。一般的には、良溶媒であるメチレンクロライドとセルロースエステルの貧溶媒からなる混合溶媒を用い、かつ混合溶媒中には貧溶媒を4〜30重量%含有するものが好ましく用いられる。
この他、使用できる良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(すなわち、良溶媒)として挙げられる。酢酸メチルを用いると、得られるフィルムのカールが少なくなるため特に好ましい。
セルロースエステルの貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、これらの貧溶媒は、単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明では、湿熱下での寸法安定性向上のために、いわゆる可塑剤を配合することが好ましい。可塑剤に湿熱下での寸法安定性改良効果があることは、これまで知られていなかった。可塑剤としては、従来公知のセルロースエステル用の可塑剤が好ましく使用できる。特に相溶性に優れたものが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができ、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。分子量の大きい可塑剤は、押し出し成形の際の揮発が抑制でき好ましい。これらの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロラクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー類などが挙げられる。上記可塑剤は、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
上述した可塑剤の含有量は、セルロースエステルに対して1〜30重量%含有させることが好ましい。可塑剤をこの範囲含有させることで、セルロースエステルフィルムの湿熱下での寸法安定性を向上することができる。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を好ましく使用できる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステルに対して、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5重量%が好ましい。使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不十分の場合があり、多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
なお、本発明において、上述の可塑剤、及び紫外線吸収剤が、厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添加剤としての役割をあわせ有していても良い。
セルロースエステルのアセチル基の置換度が低いと、耐熱性が低下する場合がある。この場合、酸化防止剤を配合することが有効である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
本発明におけるセルロース誘導体には、滑り性を付与するために、マット剤等の微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。この中では、ケイ素原子を含有する化合物の微粒子であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,R805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の微粒子の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05〜5.0μm程度が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜1.0μmである。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステルフィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察した際に、フィルムの観察場所における、粒子の長軸方向の長さの平均値を指す。フィルム中で観察される粒子であれば、1次粒子であっても、1次粒子が凝集した2次粒子であってもよいが、通常観察される多くは2次粒子である。
測定方法の一例としては、1つのフィルムにつき、ランダムに10箇所の垂直断面写真を撮影し、各断面写真について、長軸長さが、0.05〜5μmの範囲にある100μm中の粒子個数をカウントする。このときカウントした粒子の長軸長さの平均値を求め、10箇所の平均値を平均した値を平均粒径とする。
微粒子の場合は、1次粒径、溶媒に分散した後の粒径、フィルムに添加されたときの粒径が変化する場合が多く、重要なのは、最終的にフィルム中で微粒子がセルロースエステルと複合し凝集して形成される粒径をコントロールすることである。
上記微粒子の平均粒径が、5μmを超えた場合は、ヘイズの劣化等が見られたり、異物として巻状態での故障を発生する原因にもなる。また、微粒子の平均粒径が、0.05μm未満の場合は、フィルムに滑り性を付与するのが難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに対して、0.04〜0.5重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.25重量%添加して使用される。微粒子の添加量が0.04重量%以下では、フィルム表面粗さが平滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブロッキングを発生する。微粒子の添加量が0.5重量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが高くなるため、液晶表示装置用フィルムとしての価値を持たなくなるので、上記の範囲が必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶剤を混合した組成物を高圧分散装置で処理することが好ましい。本発明で用いる高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が980N/cm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条件が1960N/cm以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例えばMicrofluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げられ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザーなどが挙げられる。
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロースエステルと厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添加剤(リタデーション低減添加剤)とを含有するドープ(樹脂溶液)を、金属製回転ドラムまたは金属製回転エンドレスベルト(支持体)上に流延してウェブを形成する流延工程と、支持体から剥離されたウェブをテンター装置により延伸する延伸工程と、延伸後にウェブを乾燥させる乾燥工程と、乾燥したフィルムを巻き取る巻き取り工程を有するものである。
本発明による光学フィルムの製造方法は、ドープ調製工程(溶解工程)、流延工程、乾燥工程、および巻取り工程を具備するものである。
本発明による光学フィルムの製造方法において、ポリマーフィルムが、セルロースエステルフィルムである場合を例にとると、まず、セルロースエステルの溶解は、溶解釜中での撹拌溶解方法、加熱溶解方法、超音波溶解方法等の手段が、通常用いられ、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。また、特開平9−95538号公報記載の冷却溶解方法、あるいはまた特開平11−21379号公報記載の高圧下で溶解する方法なども用いてもよい。
セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤、あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。このとき、セルロースエステルを貧溶媒と混合して湿潤あるいは膨潤させる装置と、良溶剤と混合して溶解する装置を別々に分けても良い。
セルロースエステルの溶解に用いる加圧容器の種類は、特に問うところではなく、所定の圧力に耐えることができ、加圧下で加熱、攪拌ができればよい。加圧容器には、その他、圧力計、温度計などの計器類を適宜配設する。加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行なってもよい。加熱は外部から行なうことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用する溶剤の沸点以上で、2種類以上の混合溶剤の場合は、沸点が低い方の溶剤の沸点以上の温度に加温しかつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると、必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は20〜120℃であり、30〜100℃が、より好ましく、40〜80℃の範囲がさらに好ましい。また圧力は、設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
セルロースエステルと溶剤の他に、必要な可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
セルロースエステルの溶解後は、冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して、熱交換器などで冷却し、得られたポリマーのドープを製膜に供するが、このときの冷却温度は、常温まで冷却してもよい。
原料としてのセルロースエステルの粒径dは、0.1mm≦d≦20mmの粒子が60重量%以上の比率で構成されることが、セルロースエステルの凝集塊を発生させることなく、良好な溶解性を得るために、望ましい。
原料セルロースエステルと溶媒の混合物は、撹拌機を有する溶解釜で溶解し、このとき、撹拌翼の周速は少なくとも0.5m/秒以上で、かつ30分以上撹拌して溶解することが好ましい。
本発明の方法において、溶解釜で溶解したセルロースエステルのドープを、ポンプにより濾過機に送り、濾過機において濾過する。この濾過は、通常の方法で行なうことができるが、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加圧下加熱しながら濾過する方法が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧というることがある)の上昇が小さく、好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープは、これを濾過することによって、異物、特に液晶画像表示装置において、画像と認識し間違う異物は、これを除去しなければならない。偏光板用保護フィルムの品質は、この濾過によって決まるといってもよい。
濾過に使用する濾材は、絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾過材の目詰まりが発生しやすく、濾材の交換を頻繁に行なわなければならず、生産性を低下させるという問題点ある。
このため、本発明の方法において、セルロースエステルドープに使用する濾材は、絶対濾過精度0.020mm以下のものが好ましい。濾紙としては、例えば市販品の安積濾紙株式会社のNo.244や277等を挙げることができ、好ましく用いられる。
濾材の材質には、特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック繊維製の濾材やステンレス繊維等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープ濾過の好ましい温度範囲は、45〜120℃であり、45〜70℃が、より好ましく、45〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。
濾圧は、3500kPa以下であることが好ましく、3000kPa以下が、より好ましく、2500kPa以下であることがさらに好ましい。なお、濾圧は、濾過流量と濾過面積を適宜選択することで、コントロールできる。こうして得られたドープは、ストックタンクに保管され、脱泡された後、流延に用いられる。
このように、溶解釜中で、あらかじめドメイン形成材料とセルロースエステルと溶媒とを混合してドープを調製する場合は、通常、ドメイン形成材料をインライン添加する必要はない。しかしながら、必要に応じて、ドメイン形成材料の全部もしくは一部をインラインで混合することができる。
例えば、溶解釜中で適当な溶媒に混合または分散された不定形粒子分散液は、ポンプにより濾過機に送り、濾過機において濾過する。得られたドープは、第2ストックタンクに保管され、脱泡される。
第1ストックタンクからポンプによって導管中を移送したセルロースエステル溶液(もしくはドープ原液と称する場合がある)と、第2ストックタンクからポンプによって導管中を移送したドメイン形成材料溶液(不定形粒子分散液)とは、合流管で合流させる。
合流管の直前には、濾過器が配置されており、例えば濾材交換等に伴い経路から発生する、塊や大きな異物を、送液中の不定形粒子分散液あるいはドープ原液から除去することができる。ここでは、耐溶剤性を有する金属製の濾過器が好ましく用いられる。
濾材としては、耐久性の観点から金属、特にステンレス鋼が好ましい。目詰まりの観点から60〜80%の空孔率を有していることが好ましい。最も好ましくは、絶対濾過精度30〜60μmであって、かつ空孔率60〜80%の金属製濾材で濾過することであり、これにより、長期に亘り、確実に粗大な異物を除くことができ好ましい。絶対濾過精度30〜60μmでかつ空孔率60〜80%の金属製濾材としては、例えば日本精線株式会社製ファインポアNFシリーズのNF−10、同NF−12、同NF−13等を挙げることができる。
上記のようにして合流した両液は、導管内を層状で移送するためそのままでは混合しにくい。そこで、両液を合流後、インラインミキサーのような混合機(19)で十分に混合しながら次工程に移送する。
本発明で使用できるインラインミキサーとしては、例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器、Hi−Mixer、東レエンジニアリング製)が好ましい。
図1は、本発明の溶液流延製膜方法により光学フィルムを製造する装置の一例を示すものである。
同図を参照すると、溶解釜で調整されたドープを、導管によって流延ダイ(2)に送液し、無限に移送する例えば回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体(1)上の流延位置に、流延ダイ(2)からドープを流延する工程である。
本発明において、流延ダイ(2)としては、口金部分のスリット形状を調製でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。
流延ダイ(2)は、内部スリット壁面と支持体(1)表面とのなす角度を40〜90°にするのが、好ましく、特に60〜75°が好ましい。
流延ダイ(2)のダイリップと支持体(1)表面との間隙は、0.2〜10mmの間隙を取って設置されるのが好ましく、さらに0.5〜5mmの間隙が、より好ましい。流延ダイ(2)のスリットのギャップは0.05〜1.5mmが好ましく、0.15〜1.0mmが、より好ましい。
支持体(1)の表面粗さRaは、0.0001〜1μmであり、0.0003〜0.1μmが、より好ましく、0.0005〜0.05μmがさらに好ましい。
支持体(1)として回転駆動エンドレスベルトを具備する図示の製膜装置では、該ベルト支持体(1)は前後一対のドラムおよびその中間に配置されかつエンドレスベルト支持体(1)の上部移行部及び下部移行部をそれぞれ裏側より支えている複数のサポートロール(図示略)より構成される。
また、回転駆動エンドレスベルト支持体(1)の両端巻回部のドラムの一方、もしくは両方に、ベルト支持体(1)に張力を付与する駆動装置が設けられ、これによってベルト支持体(1)は張力が掛けられて張った状態で使用される。
支持体(1)としてエンドレスベルトを用いる場合には、製膜時のベルト温度は、一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で流延することができ、さら1には5℃〜溶剤沸点−5℃の範囲が、より好ましい。このとき、周囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要がある。
また、支持体(1)搬送速度が10m/分以上では、流延ダイ(2)のリップから出てくる流延膜に減圧を掛けてエア混入や、フィルム幅手方向に横段状のスジをつくる原因となる流延リボンのばたつきを抑制するため、流延ダイ(2)上流側に減圧チャンバを設け、10〜600Pa減圧するのが好ましく、さらに好ましくは10〜200Paである。
減圧チャンバの下部端面と、支持体(1)表面との間隙は、0.5〜5mmの範囲が吸引風量が大きくなり過ぎず、それにより、流延ダイリップ端部のドープ乾燥皮膜の発生が抑制されるため望ましい。
また、製膜速度を上げるために、加圧流延ダイ(2)を流延用支持体(1)上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層製膜してもよい。
支持体(1)上へドープを流延する際は、原料ポリマーの溶解に用いた溶剤の沸点未満、混合溶剤では最も沸点の低い溶剤の沸点未満の温度に制御するのが好ましい。
支持体(1)としてエンドレスベルトを用いる方式においては、支持体(1)上では、ウェブ(10)が支持体(1)から剥離ロール(6)によって剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ウェブ(10)中の残留溶媒量が210重量%以下まで乾燥させるのが好ましく、120〜210重量%が、より好ましい。また、支持体(1)からウェブ(10)を剥離するときのウェブ温度は、0〜30℃が好ましい。また、ウェブ(10)は、支持体(1)からの剥離直後に、支持体(1)密着面側からの溶媒蒸発で温度が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶剤蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすいため、剥離時のウェブ温度は5〜30℃がさらに好ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
エンドレスベルト支持体(1)上に流延されたドープにより形成されたドープ膜(ウェブ)(10)を、支持体(1)上で加熱し、支持体(1)から剥離ロール(6)によってウェブ(10)が剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法、及び/または支持体(1)の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等がある。
支持体(1)にエンドレスベルトを用いる方式においては、ベルト支持体(1)とウェブ(10)を剥離ロール(6)によって剥離する際の剥離張力は、通常20〜25kg/mで剥離が行なわれるが、従来よりも薄膜化されている本発明により作製された光学フィルムでは、剥離の際にウェブ(10)にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜17kg/mで剥離することが好ましく、さらに好ましくは、最低張力〜14kg/mで剥離することである。
支持体(1)にエンドレスベルトを用いる方式においては、剥離後のウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)に導入する。初期乾燥ゾーン(3)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(7)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)の底の前寄り部分から吹込まれ、初期乾燥ゾーン(3)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(11)によって乾燥される。
本発明による光学フィルムの製造方法においては、ベルト支持体(1)からウェブ(10)を剥離する時のウェブ(10)の残留溶媒量を120〜210重量%、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーン(3)の乾燥温度を60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーン(3)において、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロール(7)を、少なくとも1箇所で、好ましくは1〜20箇所、望ましくは1〜10箇所、特に望ましくは剥離直後から初期乾燥の初期において使用するものである。
ここで、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が120重量%未満であれば、支持体からウェブの剥離力が高くなることによって剥離時の抵抗が生じフィルムに横段状故障の外観品質劣化が生じ生じ、また高い物理的強度のフィルムが得られにくくなるので、好ましくない。また支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が210重量%を越えると、ウェブが不安定となり搬送安定化に支障をきたし、またウェブが軟弱になりオサレ発生故障も起きやすくなるので、好ましくない。
また、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が5重量%未満であれば、所望の光学特性の安定性が得られず、また高い物理的強度のフィルムが得られず、また初期乾燥能力を上げる必要がありこの間でのフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるので、好ましくない。そして、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が40重量%を越えると、延伸時のフィルムが軟弱となるためフィルム対する延伸の効果が小さくなり所望の光学特性の安定性、また所望の光学特性値が得られないので、好ましくない。
また、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が60℃未満であれば、乾燥能力が得られないので、好ましくない。そして、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が110℃を越えると、その間のフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるうえ、生産設備の耐用温度を維持することが困難となるので、好ましくない。
ここで、初期乾燥ゾーンの搬送張力が200N未満であれば、所望の光学特性や高い物理的強度が得られず、また安定なフィルム搬送ができないので、好ましくない。また初期乾燥ゾーンの搬送張力が350Nを越えると、所望の光学特性が得られず、また安定なフィルム搬送ができないので、好ましくない。
また、初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000未満であれば、搬送安定化が得られず、またロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなり、さらにはロールにキズがつきやすくなるなど、ロール自体の剛性が得られないので、好ましくない。そして、初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が2000を越えると、ロール製造コストアップが生じるので、好ましくない。
また、搬送ロールの表面粗さRmaxが1.0s未満であれば、ロール製造コストアップが生じ、また搬送安定化が得られないので、好ましくない。
そして、搬送ロールの表面粗さRmaxが3.0sを越えると、ロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなるので、好ましくない。
本発明による光学フィルムの製造方法において、前記初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率を、5%以下とするのが好ましい。
ここで、初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率が5%を越えると、フィルム搬送が不安定となり、ツレ故障、シワ発生故障などが生じるので、好ましくない。
本発明による光学フィルムの製造方法において、初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が、50〜180度であることが好ましい。
ここで、初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が50度未満であれば、ロールに対する皮膜等の付着が起きやすくなるので、好ましくない。また初期乾燥ゾーンにおいて用いる搬送ロール表面の純水による接触角が180度を越えると、ロール製造コストアップが生じるので、好ましくない。
本発明の光学フィルムの製造方法によって製造された光学フィルムは、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、光学フィルムの厚み方向リタデーションが高くならず、特定の搬送ロールを用いることによるフィルムの光学特性の安定化によって、ロバストネス(安定性)が高まり、フィルム製造時の不良発生率の低減が可能となるという利点がある。
例えば、初期乾燥ゾーンの搬送張力がA(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、RtA(nm)とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が(A+30)(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、Rt(A+30)(nm)としたとき、Rt(A+30)/RtAが、0.90〜1.10であるものである。
そして、上記Rt(A+30)/RtAが、0.90未満であれば、所望の光学特性に対する変動が大きいので、好ましくない。そして、Rt(A+30)/RtAが、1.10を越えると、所望の光学特性に対する変動が大きいので、好ましくない。
本発明の方法によれば、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、フィルム(ウェブ)の搬送安定性が向上し、得られたフィルムの故障欠陥がなく、外観品質が良好で、フィルムの光学特性が安定であり、さらに、搬送ロールは長期間使用しても劣化がなく、交換頻度を低く抑えることができて、製造コストの低減に寄与することができる。特に、高温乾燥・搬送の工程でも、フィルムの製造工程の安定化の効果を大きく発揮することができて、部材としての光学フィルムの薄膜化、高い物理的強度、高品質化の要求、および光学フィルムの品質の要求レベルにも、充分に応えることができるものである。
また、初期乾燥ゾーン(3)のウェブ(10)の幅手方向の収縮率を、5%以下とする。これにより、フィルムの搬送安定性が高まり、搬送時のトラブルによって生じる光学フィルムのツレ故障、シワ発生故障が起きなくなり、またフィルム幅方向の収縮率が抑制されることによって、搬送張力変化時のフィルムの光学特性値の変動が抑えられ、光学特性値が安定化する。
さらに、初期乾燥ゾーン(3)において用いる搬送ロール(7)表面の純水による接触角は、60〜180度である。このように、搬送ロール(7)の純水接触角が60度以上である場合、表面エネルギーが70mN/mm以下と低くなっていることから、フィルム(ウェブ)搬送中に生じるセルロースエステル等のフィルム原料由来の皮膜などのロール付着が抑えられ、ロール付着に起因するフィルムのオサレ故障がなくなり、光学特性が安定する。
本発明の方法により製造された光学フィルムは、フィルム製造時の搬送張力の変化によっても、光学フィルムの厚み方向リタデーションが高くならず、特定の搬送ロールを用いることによるフィルムの光学特性の安定化によって、ロバストネス(安定性)が高まり、フィルム製造時の不良発生率の低減が可能となる。
本発明に用いるロールの母材はアルミニウム、ステンレスなどの金属であっても炭素繊維強化プラスチックなどのプラスチックであってもよい。またこれを表面処理したものであっても良い。表面処理はメッキ、溶射、塗膜形成など何れであってもよい。メッキとしては、ニッケル−リン複合メッキ、ニッケル−ホウ素複合メッキなどを使用することができる。溶射としては、タングステンカーバイド溶射、アルミナセラミック溶射などを使用することができる。塗膜形成としてはPVDコーティング、CVDコーティングなどを使用することができる。これらは一般的なロール製造メーカーによって製作することができ、それを購入することができる。
本発明において、フィルムのリタデーション値は自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行ない、得られた屈折率Nx、Ny、Nzから算出することができる。
Ro=(Nx−Ny)×d
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
(式中、Nx、Ny、Nzはそれぞれ屈折率楕円体の主軸x、y、z方向の屈折率を表わし、かつ、Nx、Nyはフィルム面内方向の屈折率を、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表わす。また、Nx≧Nyであり、dはフィルムの厚み(nm)を表わす。)
図2は、本発明の溶液流延製膜方法により光学フィルムを製造する方法を実施する装置のいま1つの例を示すもので、支持体(21)としてドラムを用いている。
同図において、上記の方法と同様にドープを調製し、ドープを流延ダイ(2)からハードクロム鍍金が施されたドラム支持体(21)上に流延してウェブ(10)を得、ウェブ(10)がドラム支持体(21)の回転によってほぼ3/4周移動したところで、剥離ロール(6)により剥離する。
ドープは、加圧型定量ギヤポンプを通して流延ダイ(2)に送液され、流延位置においてドラムよりなる支持体(21)上に、流延ダイ(2)からドープを流延する。
また、支持体(21)としてドラムを用いる場合には、製膜時のドラムの温度は、10℃以下に冷却することが好ましく、0℃以下に冷却するとより好ましく、−10℃以下に冷却することがさらに好ましい。ドラム表面に流延されたドープは冷却ゲル化によりゲル膜の強度(フイルム強度)が増加して、さらに剥ぎ取りまでの間で乾燥が促進されることによってもゲル膜の強度(フイルム強度)が増加する。
支持体(21)としてドラムを用いる方式においては、支持体(21)上では、ウェブ(10)が支持体(21)から剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ドラムの温度は10℃以下に冷却することが好ましく、0℃以下に冷却するとより好ましく、−10℃以下に冷却するのがさらに好ましい。
本発明による光学フィルムの製造方法において、支持体(21)としてドラムを用いる方式においても、ドラム支持体(21)からウェブ(10)を剥離する時のウェブの残留溶媒量を120〜210重量%、テンター(4)に入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーン(3)の乾燥温度を60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーン(3)において、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロール(7)を、少なくとも1箇所で、好ましくは1〜20箇所、望ましくは1〜10箇所、特に望ましくは剥離直後から初期乾燥の初期において使用するものである。
また、初期乾燥ゾーン(3)のウェブ(10)の幅手方向の収縮率を、5%以下とする。
さらに、初期乾燥ゾーン(3)において用いる搬送ロール(7)表面の純水による接触角は、50〜180度であるのが、好ましい。
本発明の方法によって製造された光学フィルムは、ドラム支持体(21)よりのウェブ(10)の剥離から、剥離したウェブ(10)がテンター(4)に入るまでの初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力が100〜250Nであり、該初期乾燥ゾーンの搬送張力がA(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、RtA(nm)とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が(A+30)(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、Rt(A+30)(nm)としたとき、Rt(A+30)/RtAが、0.90〜1.10であることが好ましい。
なお、図2において、その他の点は、上記図1の場合と同様であり、図面において同一のものには、同一の符号を付した。
つぎに、支持体としてエンドレスベルト(1)を用いる方式、あるいはまたドラム(21)を用いる方式のいずれにおいても、画像表示部材用フィルムの製造には、ウェブ(またはフィルム)(10)の両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が知られており、平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に、支持体(1)(21)から剥離した後の初期乾燥ゾーン(3)では、溶媒の蒸発によってウェブ(またはフィルム)は幅手方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。
テンター(4)による延伸工程においては、例えばセルロースエステルフィルムを製造する際の延伸倍率は、製膜方向もしくは幅手方向に対して、1.01〜3倍であり、好ましくは1.5〜3倍である。2軸方向に延伸する場合、高倍率で延伸する側が、1.01〜3倍であり、好ましくは1.5〜3倍であり、もう一方の方向の延伸倍率は0.8〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.2倍に延伸することができる。
製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸は、テンター(4)によって行なうことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
なお、テンター(4)による延伸工程においては、テンター(4)の底の前寄り部分から吹込まれ、テンター(4)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(12)によってウェブ(10)が、延伸と共に乾燥されている。
テンター(4)による延伸工程の後に、後乾燥装置(5)を設けることが好ましい。後乾燥装置(5)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(13)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)が乾燥せられるものである。また、後乾燥装置(5)でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及びフィルム搬送工程での残留溶媒量、後乾燥装置(5)での温度等に影響を受けるが、30〜250N/mが好ましく、60〜150N/mがさらに好ましい。80〜120N/mが最も好ましい。
なお、ウェブ(またはフィルム)(10)を乾燥させる手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点から熱風で乾燥するのが好ましく、例えば後乾燥装置(5)の底の前寄り部分から吹込まれ、後乾燥装置(5)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(13)によって乾燥される。乾燥温度は40〜160℃が好ましく、50〜160℃が平面性、寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することは勿論のことである。
乾燥時のウェブ搬送張力は、30〜300N/幅mであり、40〜270N/幅mが、より好ましい。
乾燥工程及び/又は熱矯正装置の前及び/又は後に、ウェブ(またはフィルム)(10)表面のクリーン化装置が配置されるのが、好ましい。
クリーン化装置は、搬送途中のウェブ(またはフィルム)(10)に対し、超音波振動を与えると共に表面に高圧風を吹き当てて付着物を吹き飛ばして吸引し、付着している粉塵などを除去するものである。この他、火炎処理(コロナ処理、プラズマ処理)を行なう方式、粘着ロールを設置する方式など、公知の手段・方法を特別の制限なく用いることができる。
なお、配置するクリーン化手段は、単一であってもよいし、2以上の複数であってもよい。
ウェブ(10)に対する粉塵などの付着は、静電気の作用による場合が多いので、上記のクリーン化装置の前に除電手段、例えば、除電バーを配置してウェブ(10)の静電気を除去することが好ましい。除電バーとしては、公知のものを特別の制限なく用いることができる。
乾燥工程では、ウェブ(またはフィルム)(10)に含有される可塑剤が蒸発し、ロールや壁面においてコンデンスする現象を抑制する対策として、単位時間当たり供給風量に対して特定量以上の新鮮なガスを流入させることが好ましい。そして、供給する新鮮ガスの量は、全供給風量の5〜50%に設定することが好ましい。
新鮮ガス供給量を5〜50%にしているのは、5%未満では、新鮮ガス量が少なすぎて可塑剤コンデンスを抑制しきれないためであり、50%を超えると新鮮ガス量が多すぎ、ランニングコストで無駄が多くなるためである。
上記の対策の他、例えば、つぎのような構成が採用可能である。第1に、乾燥・矯正工程室内の空気を一部循環させ、クーラーコイルなどに通すことにより可塑剤を強制的に除去した後、ヒーターで規定温度に上昇させる構成、第2に、可塑剤が金属面に接触する部分の温度を上げる構成、例えば、蒸気・面ヒーターなどにより金属面弥接触する部分の温度を上げる構成である。第3に、ロール面上での可塑剤の蒸気圧を下げるために、新鮮空気を供給する構成である。新鮮空気を供給する手段としては、ロールの近傍に幅手方向にスリットを設け、パンチ板箱からエア風を供給し、供給空気の風速分布を抑える構成などが採用されるが、これに限定されるものではない。
なお、乾燥工程あるいは熱矯正工程室あるいはそれらから出てきたフィルムの冷却工程から、フィルムを出す際のフィルム温度は、60℃以下とすることが好ましい。
ここで、60℃を超える温度で矯正、冷却工程ボックスから搬出した場合には、可塑剤のコンデンスが発生しやすい条件下にあるからである。
後乾燥装置(5)での搬送方向へフィルムの伸びを防止する目的で、テンションカットロールを設けることが好ましい。乾燥終了後、巻き取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。
つぎに、ポリマーフィルムの両側縁部に設けるエンボスについて説明する。搬送乾燥工程を終えたポリマーフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、エンボス加工装置によりフィルムにエンボスを形成する加工が行なわれる。エンボス加工装置としては、特開昭63−74850号公報に記載されている装置が利用できる。
ここで、エンボスの高さh(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wは、フィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚40μm、フィルム幅100cmであるとき、エンボス31の厚みは2〜12μm、エンボス幅は5〜30mmに設定する。
エンボスは、フィルムの両面に形成してもよい。この場合、エンボスの高さh1+h2(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚40μmであるとき、エンボスの高さh1+h2(μm)は2〜12μmに設定する。エンボス幅は5〜30mmに設定する。
エンボス高さの下限については、フィルム間の部分的な密着ムラを防ぐために必要な高さから、一方、上限は、これ以上にするとエンボスが高すぎるため、ロール状製品形態が馬の背状に多角形状に変形し、故障を誘発するからである。
エンボスの幅については、エンボス部は最終的にロス部分となるため少なくしたいが、例えばフィルム厚みを80μmから40μmへと薄膜化していった際、フィルム〜ロール間の摩擦力が、50μmを境にグリップ力が極端に減少することが判明、さらにフィルム製膜速度を30m/分以上に高速化していった際、特に50m/分以上でフィルム〜ロール間の摩擦力が極端に減少することが判明した。このため、特に50μm以内の薄膜フィルムで、50m/分以上の高速製膜時において、フィルムのすべりを抑えるための最低限必要なエンボス幅である。但し、前述のエンボスの高さともリンクしており、ピラミッド状、馬の背、多角形状、巻きずれ故障を全てクリアーするエンボス高さ×エンボス幅を決定したものである。なお、エンボスは、フィルムの両端部だけでなく中央部部分にも配置することができる。
本発明において、巻取前及び巻取部直後に除電器を設置し、フィルムを除電するのが好ましい。
除電器は、元巻を再繰り出しした際の帯電電位が±2KV以下となるように、巻取時に除電装置あるいは強制帯電装置により逆電位を与える構成で行なうことができるが、強制帯電電位が、1〜150Hzで正負交互に変換される除電器により除電する構成とすることもできる。
また、上記の除電器に代えて、イオン風を発生させるイオナイザーや除電バーを利用することができる。ここで、イオナイザー除電は、エンボス加工装置から搬送ロールを経て巻き取られていくフィルムに向けてイオン風を吹き付けることによって行なわれる。イオン風は、除電器により発生される。除電器としては、公知のものを制限なく用いることができる。
製膜巻取り時の除電は、元巻を再繰出しして機能性膜塗工する際、帯電電位が±2KV以上あると塗布ムラを誘発するためであり、特に薄膜、高速化を追求した場合、再繰り出し時のフィルム剥離帯電が高くなるため、製膜時除電は必須となる。
乾燥が終了したフィルム(20)を巻取り装置(14)によって巻き取り、光学フィルムの元巻を得る工程である。乾燥を終了するフィルム(20)の残留溶媒量は、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
フィルムの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。
巻取りコア(巻芯)への、フィルムの接合は、両面接着テープでも、片面接着テープでもどちらでも良い。
初期巻取開始時は、巻取り張力は280N/m幅以下、エンボス部のみタッチロール巻取の押圧力+巻取初期張力が60N/m幅以上となるよう巻取るのが好ましい。
光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通常35〜85μmの範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムとしては40〜80μmの範囲が用いられる。
膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよい。
また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが、好ましい。
本発明において、光学フィルムは抗張力がMD方向、TD方向共に90〜170N/mmであることが好ましく、特に120〜160N/mmであることが好ましい。
含水率としては0.1〜5%が好ましく、0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であることがさらに好ましい。
本発明において、光学フィルムは、透過率が90%以上であることが望ましく、さらに好ましくは92%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。また、ヘイズは0.5%以下であることが好ましく、特に0.1%以下であることが好ましく、0%であることがさらに好ましい。
本発明において、光学フィルムにおいては、カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、さらに好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。なお、カール値は、曲率半径(1/m)で表わされる。
本発明の方法によって製造された光学フィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、高い物理的強度、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。
ここで、偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムのような延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。
上記において、偏光板は、上記偏光板に、本発明の方法によって製造された位相差フィルムを貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の方法によって製造された位相差フィルムを保護フィルムも兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法は、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行なうことができる。この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。さらに、若干前述したが、長手方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の本発明の方法によって製造された位相差フィルムとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることができる。偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
上記の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、セルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
本発明において、光学フィルムには、ハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は塗布あるいは蒸着、スパッタ、プラズマCVD、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができる。
また偏光板は、上記の光学フィルムが、偏光フィルムの両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムのうちの少なくともいずれか一方を構成するもので、このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片面または両面に設けられ、これを用いて、液晶表示装置が得られる。
本発明の方法によって製造された光学フィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。
さらに、この偏光板を用いた液晶表示装置は、長期間に亘って安定した表示性能を維持することができるものである。
本発明において、液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セルと当該液晶セルの両側に直交状態に配置される一対の偏光板とを有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板の液晶セル側に上記の本発明の方法によって製造された光学フィルムが備えられているものである。
また本発明は、特に、本発明の方法によって製造された光学フィルムを用いた広範囲にわたり高コントラスト比を有する見やすい表示を実現可能な画像表示装置、特にIPSモードで動作する液晶表示装置を提供するものである。
なお、本発明方法によって製造された光学フィルムは、その他、反射防止用フィルムあるいは光学補償フィルムの基材としても使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1
(ドープ組成)
セルローストリアセテート 100重量部
(Mn=148000、Mw=310000、Mw/Mn=2.1)
トリフェニルフォスフェート 8重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部
メチレンクロライド 440重量部
エタノール 40重量部
チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
アエロジル972V(日本アエロジル株式会社製) 0.2重量部
上記のドープ組成の材料を、密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過した。ついで、ドープを、図1に示すベルト流延装置を用い、温度35℃で、幅2400mmのステンレスバンド支持体(1)上に幅2200mmに均一に流延した。
ステンレス鋼製エンドレスベルト支持体(1)上で、残留溶媒量が130重量%になるまで溶媒を蒸発させ、ウェブ(フィルム)(10)をエンドレスベルト支持体(1)から剥離した。ついで、剥離後のウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)に導入する。初期乾燥ゾーン(3)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(7)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)の底の前寄り部分から吹込まれ、初期乾燥ゾーン(3)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(11)によって乾燥される。
この実施例では、ベルト支持体(1)からウェブ(10)を剥離する時のウェブ(10)の残留溶媒量を130重量%、テンター(4)に入る時のウェブ(10)の残留溶媒量を28重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーン(3)の乾燥温度を70℃とした。そして、剥離直後から初期乾燥ゾーン(3)の初期において、ビッカース硬度(Hv)が1200であり、かつ表面粗さRmaxが1.2sであるタングステンカーバイド溶射ロールよりなる搬送ロール(7)を、10個使用した。これらの搬送ロール(7)表面の純水による接触角が、55度であった。
また、初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力が260〜290Nであり、該初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力がA(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、RtA(nm)とし、該初期乾燥ゾーン(3)の搬送張力が(A+30)(N)で作製されたフィルムの厚み方向リタデーション値を、Rt(A+30)(nm)としたとき、Rt(A+30)/RtAが、0.97であった。さらに、初期乾燥ゾーン(3)でのウェブ幅手方向の収縮率は、2%以下であった。
テンター(4)では、ウェブ(10)の幅手方向(TD方向)の両端部を把持し、ウェブ(10)の幅手方向に延伸率8%で延伸した。
延伸工程においては、テンター(4)の底の前寄り部分の温風吹出し手段すなわち温風吹出しスリット口から温度180℃で温風(12)が吹込まれ、テンター(4)の天井の後寄り部分の排出口から排気風が排出せられることによって、ウェブ(10)を延伸するとともに、乾燥した。
つぎに、延伸後のフィルム(ウェブ)(10)を、後期乾燥装置(5)に導入した。後期乾燥装置(5)では、鏡面搬送ロールよりなる多数の非駆動のフリーロールによって構成される搬送ロール(8)により搬送しながら乾燥した。後期乾燥装置(5)でのフィルム搬送張力は、180N/mとした。
後期乾燥装置(5)では、これの底の前寄り部分の温風入口から吹込まれる温度120℃の乾燥風(13)によって乾燥させた。
後期乾燥装置(5)による乾燥後に、フィルム両端部を上下一対のスリッター(図示略)により製品となる幅にスリットし、スリット後のフィルム(10)の左右両端部に、エンボスリング及びバックロール(図示略)によってエンボス加工(ナール加工)を施して、フィルム端部に10mm幅のエンボス部を付与した後、エンボス部を具備する最終製品幅2000mm、および膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム(20)を、巻取り装置(14)によって巻き取った。このフィルムは、偏光板保護フィルムとして使用するものである。
こうして得られたセルローストリアセテートフィルムについて、ツレ故障およびシワの発生故障を観察することにより、搬送安定性を評価した。また、オサレ状故障、剥離横段状故障を観察することにより、フィルムの故障欠陥を評価した。
ツレ故障およびシワの発生故障
初期乾燥でのフィルム搬送時のツレ故障、シワ発生故障の有無を目視観察により評価した。
○:故障なし
△:故障が僅かに見える程度
×:故障がハッキリ見える程度
オサレ状故障
巻き取った後のフィルム1mで周期性のあるオサレ状故障の有無を目視観察により評価した。
○:故障なし
△:故障が僅かに見える程度
×:故障がハッキリ見える程度
剥離横段状故障
巻き取った後のフィルム1mで剥離横段状故障の有無を目視観察により評価した。
○:故障なし
×:故障あり
得られた結果を下記の表1に示した。
なお、下記の表1には、ウェブ剥離時の残留溶媒量(重量%)、テンター入時の残留溶媒量(重量%)、初期乾燥ゾーンの乾燥温度(℃)、初期乾燥ゾーンでのウェブ幅収縮率(%)、搬送張力(N)、リタデーション比:Rt(A+30)/RtAをまとめて示した。
実施例2〜6
上記実施例1の場合と同様に、ドープ組成を用いて、最終製品幅2000mmのセルローストリアセテートフィルムを作製するが、上記実施例1の場合とは、ウェブ剥離時の残留溶媒量(重量%)、テンター入時の残留溶媒量(重量%)、初期乾燥ゾーンの乾燥温度(℃)、初期乾燥ゾーンでのウェブ幅収縮率(%)、搬送張力(N)、リタデーション比:Rt(A+30)/RtAを、下記の表1に示すように、変更して、本発明の方法によりセルローストリアセテートフィルムを作製した。
そして、得られた実施例2〜6のセルローストリアセテートフィルムについて、実施例1の場合と同様に、ツレ故障およびシワの発生故障を観察することにより、搬送安定性を評価し、また、オサレ状故障、剥離横段状故障を観察することにより、フィルムの故障欠陥を評価した。得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
比較例1〜6
比較のために、上記実施例1〜6の場合と同様に、セルローストリアセテートフィルムを作製するが、上記実施例1〜6の場合と異なる点は、比較例1〜6では、初期乾燥ゾーンにおける製造条件のいずれかを、本発明の請求項の範囲外となるように設定した点にある。
なお、剥離直後から初期乾燥ゾーン(3)の初期において、比較例1〜4では、上記実施例1〜6の場合と同じビッカース硬度(Hv)が1200であり、かつ表面粗さRmaxが0.4sであるタングステンカーバイド溶射ロールよりなる搬送ロールを、10個使用した。これらの搬送ロール表面の純水による接触角は、65度であった。
これに対し、比較例5では、剥離直後から初期乾燥ゾーン(3)の初期において、ビッカース硬度(Hv)が850であり、かつ表面粗さRmaxが1.2sであるハードクロムメッキロールよりなる搬送ロールを、10個使用した。これらの搬送ロール表面の純水による接触角は、45度であった。また、比較例6では、剥離直後から初期乾燥ゾーン(3)の初期において、ビッカース硬度(Hv)が850であり、かつ表面粗さRmaxが3.2sであるハードクロムメッキロールよりなる搬送ロールを、10個使用した。これらの搬送ロール表面の純水による接触角は、40度であった。
下記の表1には、これらの製造条件、すなわち、ウェブ剥離時の残留溶媒量(重量%)、テンター入時の残留溶媒量(重量%)、初期乾燥ゾーンの乾燥温度(℃)、初期乾燥ゾーンでのウェブ幅収縮率(%)、搬送張力(N)、リタデーション比:Rt(A+30)/RtAをまとめて示した。
そして、得られた比較例1〜6のセルローストリアセテートフィルムについて、実施例1の場合と同様に、ツレ故障およびシワの発生故障を観察することにより、搬送安定性を評価し、また、オサレ状故障を観察することにより、フィルムの故障欠陥を評価した。得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
Figure 0005012378
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜6で作製したセルローストリアセテートフィルムによれば、搬送張力が変化した際の光学物性の変動が小さく、また搬送時のツレ故障やシワ発生故障がなく、フィルム外観品質上のオサレ状故障欠陥もないものであった。
特に、実施例4の条件では、6ヶ月間連続使用しても、初期乾燥ゾーン(3)の搬送ロール(7)に、何ら異常は見られなかった。
これに対し、比較例1〜6のセルローストリアセテートフィルムでは、搬送張力が変化した際の光学物性の変動が大きく、また搬送時のツレ故障やシワ発生故障があり、フィルム外観品質上のオサレ状故障欠陥、剥離横段状故障があるものであった。
また、比較例5と比較例6のように、ビッカース硬度(Hv)と表面粗さRmax、および純水接触角が、実施例1〜6の搬送ロールと異なるハードクロムメッキロールよりなる搬送ロールを用いた場合には、これらを6ヶ月間連続使用した際に、初期乾燥ゾーン(3)の搬送ロール(7)に、白色に変色した錆状のものが班点状に発生し、また使用時に生じた傷が無数に発生していた。その状態でさらに連続使用すれば、錆状の凹凸、キズがフィルム面に転写し、フィルム上にオサレ状欠陥となって現われ、フィルム外観品質を大きく損ねることが確実なため、ロールの交換を余儀なくされた。
実施例7〜12
(偏光膜を作製)
つぎに、上記実施例1〜6で作製したセルロースエステルフィルムを用いて液晶表示装置を作製するために、まず、偏光膜を作製した。すなわち、厚さ、120μmのポリビニルアルコールフィルムを、温度110℃、延伸倍率5倍で一軸延伸した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、ついでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し偏光膜を得た。
(偏光板の作製)
ついで、下記の工程1〜工程5に従って、上記の偏光膜の両面に、実施例1〜6で作製した膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム(偏光板保護フィルム)と、市販の位相差フィルムとを貼り合わせて偏光板を作製した。
工程1:60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬し、ついで水洗し乾燥して、偏光膜と貼合する側を鹸化した偏光板保護フィルムと、市販の位相差フィルムを得た。
工程2:偏光膜を固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒浸漬した。
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く拭き除き、この偏光膜の両側に、工程1で処理した偏光板保護フィルムおよび市販の位相差フィルムを積層して配置した。
工程4:工程3で積層した市販の位相差フィルムと、偏光膜と、裏面側偏光板保護フィルムを、圧力20〜30N/cm、搬送スピードは約2m/分で貼合した。
工程5:工程4で作製した偏光膜と市販の位相差フィルムおよび偏光板保護フィルムとを貼合わせた試料を、80℃の乾燥機中に5分間乾燥し、偏光板を作製した。
(液晶表示装置の作製)
ついで、市販の液晶表示装置(SONY社製の20型ディスプレイ:型名、KLV−20AP2)の両面の偏光板をそれぞれ注意深く剥離し、この液晶に、上記作製した偏光板をそれぞれ液晶セルのガラス面に貼り合わせて、液晶表示装置を作製した。
その際、偏光板の貼合の向きは、各偏光板の位相差フィルムの面が液晶セル側となるように、かつ先に貼合されていた偏光板と同一の方向に吸収軸が向くように行ない、液晶表示装置を作製した。
(視認性評価)
上記実施例7〜12で作製した各液晶表示装置について、視認性の性能を評価するために、液晶表示装置を、温度60℃、湿度90%RHの条件にて1500時間保管した後、液晶表示装置を点灯して、6時間後に黒表示での表示部の視認性劣化の有無を総合的に確認し、下記のランクにより評価し、得られた結果を、下記の表2に示した。
視認性評価ランク
◎:視認性劣化は全く認められない
○:視認性劣化はほとんど気にならない
△:視認性劣化が認められる
×:視認性劣化が著しい
比較例7〜12
比較例のために、上記実施例7〜12の場合と同様にして、上記比較例1〜6で作製したセルローストリアセテートフィルムを用いて、偏光板および液晶表示装置を作製した。
これらの比較例7〜12で作製した各液晶表示装置について、実施例7〜12の場合と同様に、視認性劣化の性能を評価し、得られた結果を、下記の表2にあわせて示した。
Figure 0005012378
上記表2の結果から明らかなように、本発明の実施例7〜12によれば、液晶表示装置の表示部の視認性劣化は、全く認められないか、またはほとんど気にならないものであり、表示性能に優れた液晶表示装置を製造することができた。
これに対し、比較例7〜12によれば、液晶表示装置の表示部の視認性劣化が認められるか、または著しいものであり、液晶表示装置は表示性能に劣るものであった。
本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置の1例を示す概略フローシートである。 本発明の光学フィルムの製造方法を実施する装置のいま1つの例を示す概略フローシートである。
1:エンドレスベルト支持体
2:流延ダイ
3:初期乾燥装置
4:テンター
5:後期乾燥装置
6:剥離ロール
7:搬送ロール
8:搬送ロール
10:ウェブ
11:温風
12:温風
13:温風
14:巻取り装置
20:セルローストリアセテートフィルム(光学フィルム)
21:ドラム支持体

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂と添加剤とを含有するドープ(樹脂溶液)を、金属製回転ドラムまたは金属製回転エンドレスベルト(以下、支持体という)上に流延してウェブを形成し、支持体から剥離されたウェブを乾燥ゾーン(以下、初期乾燥ゾーンという)を経て、ウェブを幅手方向に延伸するテンターに導入し、ついで再び乾燥ゾーン(以下、後期乾燥ゾーンという)を経た後に、フィルムを巻き取る光学フィルムの製造方法であって、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量を120〜210重量%、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量を5〜40重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーンの雰囲気温度が60〜110℃とし、該初期乾燥ゾーンの搬送張力が200〜350Nであり、該初期乾燥ゾーンにおいて、ビッカース硬度(Hv)が1000以上、2000以下であり、かつ表面粗さRmaxが1.0〜3.0sである搬送ロールを、少なくとも1箇所で使用することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. 前記初期乾燥ゾーンでのウェブ幅手方向の収縮率を、5%以下とすることを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
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