JP5223351B2 - セルロースエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置(LCD,液晶ディスプレイ)に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム等にも利用することができるセルロースエステルフィルムの製造方法に関するものである。
近年、液晶表示装置は、省スペース・省エネルギーであることから、TV・パソコン・携帯電話などへの液晶ディスプレイとしての利用が増大している。
特に、液晶TVは、大画面化、高画質化が進み、その必要不可欠な部材である偏光板保護フィルムや位相差フィルムにおける視認機能のさらなる向上が求められており、液晶TVの大画面化、高画質化に伴い、今まで以上の厳しい規格が要求されている。
材料面では、偏光板保護フィルムや位相差フィルムを構成するセルロースエステルフィルムの生産にあたり、セルロースエステル材料の粘度指標と、同アシル基の置換度の制御が、生産中のセルロースエステルフィルムの光学値変動の抑制に有効であることが判っている。
しかしながら、セルロースエステル材料のロットを無作為に使用すると、セルロースエステル材料の粘度指標とアシル基の置換度の大きく異なるロットが連続して使用される場合がある。そうすると、セルロースエステル材料の溶解液(ドープ)の粘度変動が発生し、セルロースエステルフィルムがMD方向(搬送方向)に伸縮し、結果として生産フィルムの光学値が変化してしまい、製造工程の条件を調節している間に、不良品が発生して、稼働率が低下してしまうという問題があった。
また、一定の粘度指標とアシル基の置換度を有するセルロースエステル材料の製造は困難であるし、またセルロースエステル材料の全ロットの中から、粘度指標やアシル基の置換度などについて、所望の物性値を備えた材料だけを使用したり、セルロースエステル材料の物性値の規格を制限したりすると、セルロースエステルの材料費が高くつくことになり、セルロースエステルフィルム製品のコストアップにつながるという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、セルロースエステルフィルムを生産するにあたり、セルロースエステルの多数の材料ロットについて、粘度指標とアシル基の置換度の違うロットを所定の基準で使い分けることにより、用いるセルロースエステルの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースエステルフィルムが長期にわたって生産可能であり、ひいては液晶ディスプレイの大画面化、高画質化に寄与することができ、しかもセルロースエステルフィルムの製造コストのアップを防止することができる、セルロースエステルフィルムの製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法であって、溶液流延製膜装置と、該装置によって生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の測定を行なう測定装置を用い、セルロースエステルフィルムの生産に使用するセルロースエステルの材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標、および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータを、材料ロット毎に蓄積、データ処理し、一方、各材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムについて、上記測定装置により、セルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)を、各材料ロット毎に測定するとともに、これらの測定値のデータを蓄積、データ処理し、各材料ロット毎のセルロースエステルの粘度指標および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータと、該材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のデータとを関連付けておき、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、粘度指標の数値成分とアシル基の置換度の数値成分のうちのいずれか一方を「行」とし、同他方を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)しておき、上記溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの生産においてセルロースエステル材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロットに対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわちセルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度のうちのいずれか一方が同一ランクで、同他方が相互に隣り合うランクであるマトリックス成分に属する材料ロットを連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように品質管理を行なうことを特徴としている。
上記において、セルロースエステルの材料ロットとは、フィルム生産時のセルロースエステル材料の同時使用数量の最小単位を表わす。また生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の平均値とは、切替え直前の材料ロットから遡った所定数の材料ロットにより製造された各生産フィルムについての面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のそれぞれの平均値を表わす。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法であって、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が2〜10(秒)の間の数値であり、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.01〜0.5の間の数値であることを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法であって、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標がASTM規格 D0871およびD1343による落球法に基づくもので、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5であることを特徴としている。
本発明は、溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法であって、溶液流延製膜装置と、該装置によって生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の測定を行なう測定装置を用い、セルロースエステルフィルムの生産に使用するセルロースエステルの材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標、および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータを、材料ロット毎に蓄積、データ処理し、一方、各材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムについて、上記測定装置により、セルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)を、各材料ロット毎に測定するとともに、これらの測定値のデータを蓄積、データ処理し、各材料ロット毎のセルロースエステルの粘度指標および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータと、該材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のデータとを関連付けておき、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、粘度指標の数値成分とアシル基の置換度の数値成分のうちのいずれか一方を「行」とし、同他方を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)しておき、上記溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの生産においてセルロースエステル材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロットに対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわちセルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度のうちのいずれか一方が同一ランクで、同他方が相互に隣り合うランクであるマトリックス成分に属する材料ロットを連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように品質管理を行なうもので、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法によれば、セルロースエステル材料の粘度指標とアシル基の置換度の違う材料ロットを所定の基準でランク分けして使い分けることにより、用いるセルロースエステルの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースエステルフィルムが長期にわたって生産可能であり、ひいては液晶ディスプレイの大画面化、高画質化に寄与することができ、しかもセルロースエステルフィルムの製造コストのアップを防止することができるという効果を奏する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法であって、使用前のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が2〜10(秒)の間の数値であり、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.01〜0.5の間の数値であるもので、請求項3の発明によれば、セルロースエステル材料の粘度指標とアシル基の置換度の違う材料ロットを所定の基準で使い分けることにより、用いるセルロースエステルの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースエステルフィルムが長期にわたって生産可能であり、しかもセルロースエステルフィルムの製造コストのアップを防止することができるという効果を奏する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法であって、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標がASTM規格 D0871およびD1343による落球法に基づくもので、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5であるもので、請求項2の発明によれば、セルロースエステル材料の粘度指標とアシル基の置換度の違うロットを所定の基準で使い分けることにより、用いるセルロースエステルの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースエステルフィルムが長期にわたって生産可能であり、しかもセルロースエステルフィルムの製造コストのアップを防止することができるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロースエステルフィルムを生産するにあたり、セルロースエステルの多数の材料ロットについて、粘度指標とアシル基の置換度の違うロットを所定の基準で使い分ける。
そのために、セルロースエステルフィルムの生産に使用するセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標、および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータを、材料ロット毎に蓄積、データ処理する。
一方、各材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムについて、同フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の測定を行なう測定装置を用い、セルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値の数値データを、各材料ロット毎に測定するとともに、これらの測定値のデータを蓄積、データ処理する。
そうして、各材料ロット毎のセルロースエステルの粘度指標および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータと、該材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値の数値データとを関連付けておく。
つぎに、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、粘度指標の数値成分とアシル基の置換度の数値成分のうちのいずれか一方を「行」とし、同他方を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)しておく。
そして、上記溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの製造においてセルロースエステル材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロットに対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわちセルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度のうちのいずれか一方が同一ランクで、同他方が相互に隣り合うランクであるマトリックス成分に属する材料ロットを連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように品質管理を行なうものである。
上記において、セルロースエステルの材料ロットとは、フィルム生産時のセルロースエステル材料の同時使用数量の最小単位を表わす。また生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の平均値とは、切替え材料ロットから遡った所定数の材料ロットにより製造された各生産フィルムについての面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のそれぞれの平均値を表わす。
本発明において、フィルムのリタデーション値は自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、590nmの波長において、三次元屈折率測定を行ない、得られた屈折率Nx、Ny、Nzから算出することができる。
Ro=(Nx−Ny)×d
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
式中、Nx、Ny、Nzはそれぞれ屈折率楕円体の主軸x、y、z方向の屈折率を表わし、かつ、Nx、Nyはフィルム面内方向の屈折率を、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率を表わす。また、Nx≧Nyであり、dはフィルムの厚み(nm)を表わす。
ここで、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法においては、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5、好ましくは2〜4のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なうものであるが、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれのランク分けが1である場合、すなわちランク分けを行なわない場合は、セルロースエステルの材料ロットを無作為に使用することになり、セルロースエステルの粘度指標とアシル基の置換度の大きく異なるロットが連続する場合があり、それによって、セルロースエステル材料の溶解液(ドープ)の粘度変動が発生し、セルロースエステルフィルムがMD方向(搬送方向)に伸縮し、結果として生産フィルムの光学値が変化してしまい、製造工程の条件を調節している間に、不良品が発生して、稼働率が低下してしまうので、好ましくない。
また、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれのランク分けが5を超えると、セルロースエステル材料の全ロットの区分化が多くなりすぎて、使用できない区分のセルロースエステル材料ロットが増えるため、効率が悪くなり、好ましくない。
そして、上記本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が2〜10(秒)の間の数値であるのが、好ましい。
ここで、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が2(秒)未満であれば、物性値の安定効果が飽和傾向にあるが、材料管理の工数、経費のみが膨大になるので好ましくない。また、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が10(秒)を超えると、製品の物性値の修正のために条件変更が頻繁に必要で、無作為に材料を使用した場合と差異が無いので好ましくない。
また、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法において、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.01〜0.5の間の数値であるのが、好ましい。
ここで、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.01未満であれば、物性値の安定効果が飽和傾向にあるが、材料管理の工数、経費のみが膨大になるので、好ましくない。また、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.5を超えると、製品の物性値の修正のために条件変更が頻繁に必要で、無作為に材料を使用した場合と差異が無いので、好ましくない。
さらに、上記本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法において、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標がASTM規格 D0871およびD1343による落球法に基づくもので、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5であるのが、好ましい。
ここで、セルロースエステルの粘度指標の数値成分が、20(秒)未満であれば、流延後の支持体からの剥離時に搬送方向の伸びが増大し、光学値の低下要因となるので、好ましくない。また、セルロースエステルの粘度指標の数値成分が、40(秒)を超えると、ドープに加工した場合の流延性が悪く、フィルムの平面性を低下させるので、好ましくない。
また、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分が、2.4未満であれば、吸湿性が高くなりフィルムにした場合にコンデンスが発生するので、好ましくない。また、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分が、2.5を超えると、フィルムにした場合の光学値発現性が低く、高光学値を備えたフィルムを作製できないので、好ましくない。
つぎに、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造において、セルロースエス使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、粘度指標の数値成分とアシル基の置換度の数値成分のうちのいずれか一方を「行」とし、同他方を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)しておく点について、詳しく説明する。
まず、下記の表1は、セルロースエス使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2つのランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、セルロースエステルの粘度指標の数値成分を「行」とし、他方のアシル基の置換度の数値成分を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)した。
ここで、セルロースエステルの粘度指標が、ASTM規格 D0871およびD1343による落球法に基づくもので、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5である。
そして、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅を10(秒)および11(秒)とし、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅を、0.05および0.06とした。
Figure 0005223351
上記表1を参照すると、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの製造におけるセルロースエステル材料ロットの切替えの際、例えば切替え前の材料ロットを(a11)とすると、この材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわちセルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度のうちのいずれか一方が同一ランクで、同他方が相互に隣り合うランクであるマトリックス成分に属する材料ロット(a12)または材料ロット(a21)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理するものである。
これにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように、品質管理を行なうことができるものである。
つぎに、下記の表2は、セルロースエス使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ3つのランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、セルロースエステルの粘度指標の数値成分を「行」とし、他方のアシル基の置換度の数値成分を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)した。
ここで、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5である点は、上記表1の場合と同様であるが、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅を7(秒)とし、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅を、0.03および0.04とした。
Figure 0005223351
上記表2を参照すると、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの製造におけるセルロースエステル材料ロットの切替えの際、例えば切替え前の材料ロットを(a22)とすると、この材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースエステルの材料ロット(a12)、材料ロット(a21)、材料ロット(a23)または材料ロット(a32)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理するものである。
これにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように、品質管理を行なうことができるものである。
また、下記の表3は、セルロースエス使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ4つのランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、セルロースエステルの粘度指標の数値成分を「行」とし、他方のアシル基の置換度の数値成分を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)した。
ここで、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5である点は、上記表1の場合と同様であるが、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅を5(秒)および6(秒)とし、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅を、0.02および0.03とした。
Figure 0005223351
上記表3を参照すると、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの製造におけるセルロースエステル材料ロットの切替えの際、例えば切替え前の材料ロットを(a33)とすると、この材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースエステルの材料ロット(a23)、材料ロット(a32)、材料ロット(a34)または材料ロット(a43)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理するものである。
これにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように、品質管理を行なうことができるものである。
さらに、下記の表4は、セルロースエス使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ5つのランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、セルロースエステルの粘度指標の数値成分を「行」とし、他方のアシル基の置換度の数値成分を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)した。
ここで、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5である点は、上記表1の場合と同様であるが、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅を4(秒)および5(秒)とし、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅を、0.02および0.03とした。
Figure 0005223351
上記表4を参照すると、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの製造におけるセルロースエステル材料ロットの切替えの際、例えば切替え前の材料ロットを(a42)とすると、この材料ロット(a42)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースエステルの材料ロット(a32)、材料ロット(a41)、材料ロット(a43)または材料ロット(a52)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理するものである。
これにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように、品質管理を行なうことができるものである。
上記のような本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法によれば、セルロースエステル材料の粘度指標とアシル基の置換度の違う材料ロットを所定の基準でランク分けして使い分けることにより、用いるセルロースエステルの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースエステルフィルムが長期にわたって生産可能であり、ひいては液晶ディスプレイの大画面化、高画質化に寄与することができ、しかもセルロースエステルフィルムの製造コストのアップを防止することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法は、溶液流延製膜法により実施されるものであり、以下、これを詳しく説明する。
本発明の方法において、好ましく用いられるセルロースエステル系樹脂としては、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のアシル基の置換度が1.80〜2.80、好ましくは2.40〜2.50のセルロースエステル系樹脂を挙げることができ、これらから選ばれる少なくとも一つを含有することが好ましい。
中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが特に好ましい。また、相溶性のあるポリマーを2種類以上ブレンドして後で述べるドープ溶解を行なっても良いが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、セルロースエステル及び有機溶剤を含有するセルロースエステル溶液をドープといい、これをもって溶液流延製膜し、セルロースエステルフィルムを形成せしめるものである。
セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
セルローストリアセテートの例としては、アセチル基の置換度が2.40以上、2.50以下であることが好ましい。置換度をこの範囲にすることで、良好な成形性が得られ、かつ所望の面内リタデーション(Ro)、及び厚み方向リタデーション(Rt)を得ることができるのである。アセチル基の置換度が、この範囲より低いと、位相差フィルムとしての耐湿熱性、特に湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、置換度が大きすぎると、必要なリタデーション特性が発現しなくなる場合がある。
本発明に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本発明において、セルロースエステルの数平均分子量は、60000〜300000の範囲が、得られるフィルムの機械的強度が強く好ましい。さらに70000〜200000が好ましい。
セルロースエステルの溶媒としては、セルロースエステルを溶解できる溶媒であれば特に限定はされないが、また単独で溶解できない溶媒であっても他の溶媒と混合することにより、溶解できるものであれば使用することができる。一般的には、良溶媒であるメチレンクロライドとセルロースエステルの貧溶媒からなる混合溶媒を用い、かつ混合溶媒中には貧溶媒を4〜30重量%含有するものが好ましく用いられる。
この他、使用できる良溶媒としては、例えばメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることができるが、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい有機溶媒(すなわち、良溶媒)として挙げられる。酢酸メチルを用いると、得られるフィルムのカールが少なくなるため特に好ましい。
セルロースエステルの貧溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、これらの貧溶媒は、単独もしくは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明において、セルロースエステルには、種々の添加剤を配合することができる。
本発明では、可塑剤を配合することが好ましい。可塑剤としては、従来公知のセルロースエステル用の可塑剤が好ましく使用できる。特に相溶性に優れたものが好ましく、例えばリン酸エステルやカルボン酸エステルが好ましい。リン酸エステルとしては、例えばトリフェニルホスフェイト、トリクレジルホスフェート、フェニルジフェニルホスフェート等を挙げることができる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステル及びクエン酸エステル等、フタル酸エステルとしては、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート及びジエチルヘキシルフタレート等、またクエン酸エステルとしてはクエン酸アセチルトリエチル及びクエン酸アセチルトリブチルを挙げることができる。またその他、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバチン酸ジブチル、トリアセチン、等も挙げられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートもこの目的で好ましく用いられる。アルキルフタリルアルキルグリコレートのアルキルは炭素原子数1〜8のアルキル基である。アルキルフタリルアルキルグリコレートとしてはメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレート、プロピルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグリコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エチルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリルメチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレート等を挙げることができ、メチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好ましく、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく用いられる。分子量の大きい可塑剤は、押し出し成形の際の揮発が抑制でき好ましい。これらの例としては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートなどのグリコールと二塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などのオキシカルボン酸からなる脂肪族ポリエステル類、ポリカプロラクトン、ポリプロピオラクトン、ポリバレロラクトンなどのラクトンからなる脂肪族ポリエステル類、ポリビニルピロリドンなどのビニルポリマー類などが挙げられる。上記可塑剤は、これらを単独もしくは併用して使用することができる。
上述した可塑剤の含有量は、セルロースエステルに対して1〜30重量%含有させることが好ましい。可塑剤をこの範囲含有させることで、セルロースエステルフィルムの湿熱下での寸法安定性を向上することができる。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)を好ましく使用できる。
ベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステルに対して、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5重量%が好ましい。使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不十分の場合があり、多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
なお、本発明において、上述の可塑剤、及び紫外線吸収剤が、厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添加剤としての役割をあわせ有していても良い。
セルロースエステルのアセチル基の置換度が低いと、耐熱性が低下する場合がある。この場合、酸化防止剤を配合することが有効である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等が挙げられる。特に2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
本発明におけるセルロース誘導体には、滑り性を付与するために、マット剤等の微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。この中では、ケイ素原子を含有する化合物の微粒子であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えばアエロジル株式会社製のAEROSIL 200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812,R805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の微粒子の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05〜5.0μm程度が好ましい。さらに好ましくは、0.1〜1.0μmである。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステルフィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察した際に、フィルムの観察場所における、粒子の長軸方向の長さの平均値を指す。フィルム中で観察される粒子であれば、1次粒子であっても、1次粒子が凝集した2次粒子であってもよいが、通常観察される多くは2次粒子である。
測定方法の一例としては、1つのフィルムにつき、ランダムに10箇所の垂直断面写真を撮影し、各断面写真について、長軸長さが、0.05〜5μmの範囲にある100μm中の粒子個数をカウントする。このときカウントした粒子の長軸長さの平均値を求め、10箇所の平均値を平均した値を平均粒径とする。
微粒子の場合は、1次粒径、溶媒に分散した後の粒径、フィルムに添加された後の粒径が変化する場合が多く、重要なのは、最終的にフィルム中で微粒子がセルロースエステルと複合し凝集して形成される粒径をコントロールすることである。
上記微粒子の平均粒径が、5μmを超えた場合は、ヘイズの劣化等が見られたり、異物として巻状態での故障を発生する原因にもなる。また、微粒子の平均粒径が、0.05μm未満の場合は、フィルムに滑り性を付与するのが難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに対して、0.04〜0.5重量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.25重量%添加して使用される。微粒子の添加量が0.04重量%以下では、フィルム表面粗さが平滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブロッキングを発生する。微粒子の添加量が0.5重量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが高くなるため、液晶表示装置用フィルムとしての価値を持たなくなるので、上記の範囲が必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶剤を混合した組成物を高圧分散装置で処理することが好ましい。本発明で用いる高圧分散装置は、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が980N/cm以上であることが好ましい。さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条件が1960N/cm以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例えばMicrofluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げられ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザーなどが挙げられる。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、セルロースエステルと厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添加剤(リタデーション低減添加剤)とを含有するドープ(樹脂溶液)を、金属製回転ドラムまたは金属製回転エンドレスベルト(支持体)上に流延してウェブを形成する流延工程と、支持体から剥離されたウェブをテンター装置により延伸する延伸工程と、延伸後にウェブを乾燥させる乾燥工程と、乾燥したフィルムを巻き取る巻き取り工程を有するものである。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法は、ドープ調製工程(溶解工程)、流延工程、乾燥工程、および巻取り工程を具備するものである。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、まず、セルロースエステルの溶解は、溶解釜中での撹拌溶解方法、加熱溶解方法、超音波溶解方法等の手段が、通常用いられ、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。また、特開平9−95538号公報記載の冷却溶解方法、あるいはまた特開平11−21379号公報記載の高圧下で溶解する方法なども用いてもよい。
セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤、あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。このとき、セルロースエステルを貧溶媒と混合して湿潤あるいは膨潤させる装置と、良溶剤と混合して溶解する装置を別々に分けても良い。
セルロースエステルの溶解に用いる加圧容器の種類は、特に問うところではなく、所定の圧力に耐えることができ、加圧下で加熱、攪拌ができればよい。加圧容器には、その他、圧力計、温度計などの計器類を適宜配設する。加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行なってもよい。加熱は外部から行なうことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用する溶剤の沸点以上で、2種類以上の混合溶剤の場合は、沸点が低い方の溶剤の沸点以上の温度に加温しかつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると、必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は20〜120℃であり、30〜100℃が、より好ましく、40〜80℃の範囲がさらに好ましい。また圧力は、設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
セルロースエステルと溶剤の他に、必要な可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
セルロースエステルの溶解後は、冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して、熱交換器などで冷却し、得られたポリマーのドープを製膜に供するが、このときの冷却温度は、常温まで冷却してもよい。
原料としてのセルロースエステルの粒径dは、0.1mm≦d≦20mmの粒子が60重量%以上の比率で構成されることが、セルロースエステルの凝集塊を発生させることなく、良好な溶解性を得るために、望ましい。
原料セルロースエステルと溶媒の混合物は、撹拌機を有する溶解釜で溶解し、このとき、撹拌翼の周速は少なくとも0.5m/秒以上で、かつ30分以上撹拌して溶解することが好ましい。
本発明の方法において、溶解釜で溶解したセルロースエステルのドープを、ポンプにより濾過機に送り、濾過機において濾過する。この濾過は、通常の方法で行なうことができるが、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加圧下加熱しながら濾過する方法が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧というることがある)の上昇が小さく、好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープは、これを濾過することによって、異物、特に液晶画像表示装置において、画像と認識し間違う異物は、これを除去しなければならない。偏光板用保護フィルムの品質は、この濾過によって決まるといってもよい。
濾過に使用する濾材は、絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾過材の目詰まりが発生しやすく、濾材の交換を頻繁に行なわなければならず、生産性を低下させるという問題点ある。
このため、本発明の方法において、セルロースエステルドープに使用する濾材は、絶対濾過精度0.020mm以下のものが好ましい。濾紙としては、例えば市販品の安積濾紙株式会社のNo.244や277等を挙げることができ、好ましく用いられる。
濾材の材質には、特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック繊維製の濾材やステンレス繊維等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープ濾過の好ましい温度範囲は、45〜120℃であり、45〜70℃が、より好ましく、45〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。
濾圧は、3500kPa以下であることが好ましく、3000kPa以下が、より好ましく、2500kPa以下であることがさらに好ましい。なお、濾圧は、濾過流量と濾過面積を適宜選択することで、コントロールできる。こうして得られたドープは、ストックタンクに保管され、脱泡された後、流延に用いられる。
このように、溶解釜中で、あらかじめドメイン形成材料とセルロースエステルと溶媒とを混合してドープを調製する場合は、通常、ドメイン形成材料をインライン添加する必要はない。しかしながら、必要に応じて、ドメイン形成材料の全部もしくは一部をインラインで混合することができる。
例えば、溶解釜中で適当な溶媒に混合または分散された不定形粒子分散液は、ポンプにより濾過機に送り、濾過機において濾過する。得られたドープは、第2ストックタンクに保管され、脱泡される。
第1ストックタンクからポンプによって導管中を移送したセルロースエステル溶液(もしくはドープ原液と称する場合がある)と、第2ストックタンクからポンプによって導管中を移送したドメイン形成材料溶液(不定形粒子分散液)とは、合流管で合流させる。
合流管の直前には、濾過器が配置されており、例えば濾材交換等に伴い経路から発生する、塊や大きな異物を、送液中の不定形粒子分散液あるいはドープ原液から除去することができる。ここでは、耐溶剤性を有する金属製の濾過器が好ましく用いられる。
濾材としては、耐久性の観点から金属、特にステンレス鋼が好ましい。目詰まりの観点から60〜80%の空孔率を有していることが好ましい。最も好ましくは、絶対濾過精度30〜60μmであって、かつ空孔率60〜80%の金属製濾材で濾過することであり、これにより、長期に亘り、確実に粗大な異物を除くことができ好ましい。絶対濾過精度30〜60μmでかつ空孔率60〜80%の金属製濾材としては、例えば日本精線株式会社製ファインポアNFシリーズのNF−10、同NF−12、同NF−13等を挙げることができる。
上記のようにして合流した両液は、導管内を層状で移送するためそのままでは混合しにくい。そこで、両液を合流後、インラインミキサーのような混合機(19)で十分に混合しながら次工程に移送する。
本発明で使用できるインラインミキサーとしては、例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器、Hi−Mixer、東レエンジニアリング製)が好ましい。
図1は、本発明の溶液流延製膜方法によりセルロースエステルフィルムを製造する装置を一例を示すものである。
同図を参照すると、溶解釜で調整されたドープを、導管によって流延ダイ(2)に送液し、無限に移送する例えば回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体(1)上の流延位置に、流延ダイ(2)からドープを流延する工程である。
本発明の流延ダイ(2)としては、口金部分のスリット形状を調製でき、膜厚を均一にしやすい加圧ダイが好ましい。
流延ダイ(2)は、内部スリット壁面と支持体(1)表面とのなす角度を40〜90°にするのが、好ましく、特に60〜75°が好ましい。
流延ダイ(2)のダイリップと支持体(1)表面との間隙は、0.2〜10mmの間隙を取って設置されるのが好ましく、さらに0.5〜5mmの間隙が、より好ましい。流延ダイ(2)のスリットのギャップは0.05〜1.5mmが好ましく、0.15〜1.0mmが、より好ましい。
支持体(1)の表面粗さRaは、0.0001〜1μmであり、0.0003〜0.1μmがより好ましく、0.0005〜0.05μmがさらに好ましい。
支持体(1)として回転駆動エンドレスベルトを具備する図示の製膜装置では、該ベルト支持体(1)は前後一対のドラムおよびその中間に配置されかつエンドレスベルト支持体(1)の上部移行部及び下部移行部をそれぞれ裏側より支えている複数のサポートロール(図示略)より構成される。
また、回転駆動エンドレスベルト支持体(1)の両端巻回部のドラムの一方、もしくは両方に、ベルト支持体(1)に張力を付与する駆動装置が設けられ、これによってベルト支持体(1)は張力が掛けられて張った状態で使用される。
支持体(1)としてエンドレスベルトを用いる場合には、製膜時のベルト温度は、一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で流延することができ、さら1には5℃〜溶剤沸点−5℃の範囲が、より好ましい。このとき、周囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要がある。
また、支持体(1)搬送速度が10m/分以上では、流延ダイ(2)のリップから出てくる流延膜に減圧を掛けてエア混入や、フィルム幅手方向に横段状のスジをつくる原因となる流延リボンのばたつきを抑制するため、流延ダイ(2)上流側に減圧チャンバを設け、10〜600Pa減圧するのが好ましく、さらに好ましくは10〜200Paである。
減圧チャンバの下部端面と、支持体(1)表面との間隙は、0.5〜5mmの範囲が吸引風量が大きくなり過ぎず、それにより、流延ダイリップ端部のドープ乾燥皮膜の発生が抑制されるため望ましい。
また、製膜速度を上げるために、加圧流延ダイ(2)を流延用支持体(1)上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層製膜してもよい。
支持体(1)上へドープを流延する際は、原料ポリマーの溶解に用いた溶剤の沸点未満、混合溶剤では最も沸点の低い溶剤の沸点未満の温度に制御するのが好ましい。
支持体(1)としてエンドレスベルトを用いる方式においては、支持体(1)上では、ウェブ(10)が支持体(1)から剥離ロール(6)によって剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ウェブ(10)中の残留溶媒量が150重量%以下まで乾燥させるのが好ましく、80〜120重量%が、より好ましい。また、支持体(1)からウェブ(10)を剥離するときのウェブ温度は、0〜30℃が好ましい。また、ウェブ(10)は、支持体(1)からの剥離直後に、支持体(1)密着面側からの溶媒蒸発で温度が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶剤蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすいため、剥離時のウェブ温度は5〜30℃がさらに好ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
エンドレスベルト支持体(1)上に流延されたドープにより形成されたドープ膜(ウェブ)(10)を、支持体(1)上で加熱し、支持体(1)から剥離ロール(6)によってウェブ(10)が剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法、及び/または支持体(1)の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等がある。
支持体(1)にエンドレスベルトを用いる方式においては、ベルト支持体(1)とウェブ(10)を剥離ロール(6)によって剥離する際の剥離張力は、通常20〜25kg/mで剥離が行なわれるが、従来よりも薄膜化されている本発明により作製されたセルロースエステルフィルムでは、剥離の際にウェブ(10)にシワが入りやすいため、剥離できる最低張力〜17kg/mで剥離することが好ましく、さらに好ましくは、最低張力〜14kg/mで剥離することである。
支持体(1)にエンドレスベルトを用いる方式においては、剥離後のウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)に導入する。初期乾燥ゾーン(3)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(7)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)の底の前寄り部分から吹込まれ、初期乾燥ゾーン(3)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(11)によって乾燥される。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法においては、ベルト支持体(1)からウェブ(10)を剥離する時のウェブ(10)の残留溶媒量を80〜170重量%、テンター(4)に入る時のウェブ(10)の残留溶媒量を2〜20重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーン(3)の乾燥温度を60〜110℃とするのが、好ましい。
ここで、支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が80重量%未満であれば、支持体からウェブの剥離力が高くなることによって剥離時の抵抗が生じフィルムに横段状故障の外観品質劣化が生じるので、好ましくない。また支持体からウェブを剥離する時のウェブの残留溶媒量が170重量%を越えると、ウェブが不安定となり搬送安定化に支障をきたし、またウェブが軟弱になりオサレ発生故障も起きやすくなるので、好ましくない。
また、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が2重量%未満であれば、所望の光学特性の安定性が得られず、また初期乾燥能力を上げる必要がありこの間でのフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるので、好ましくない。そして、テンターに入る時のウェブの残留溶媒量が20重量%を越えると、延伸時のフィルムが軟弱となるためフィルム対する延伸の効果が小さくなり所望の光学特性の安定性、また所望の光学特性値が得られないので、好ましくない。
また、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が60℃未満であれば、乾燥能力が得られないので、好ましくない。そして、初期乾燥ゾーンの乾燥温度が110℃を越えると、その間のフィルム収縮に伴う搬送性の劣化が生じるうえ、生産設備の耐用温度を維持することが困難となるので、好ましくない。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、前記初期乾燥ゾーン(3)のウェブ(10)の幅手方向の収縮率を、5%以下とする。これにより、フィルムの搬送安定性が高まり、搬送時のトラブルによって生じるセルロースエステルフィルムのツレ故障、シワ発生故障が起きなくなり、またフィルム幅方向の収縮率が抑制されることによって、搬送張力変化時のフィルムの光学特性値の変動が抑えられ、光学特性値が安定化する。
本発明に用いるロールの母材は、アルミニウム、ステンレスなどの金属であっても炭素繊維強化プラスチックなどのプラスチックであってもよい。またこれを表面処理したものであっても良い。表面処理はメッキ、溶射、塗膜形成など何れであってもよい。メッキとしては、ニッケル−リン複合メッキ、ニッケル−ホウ素複合メッキなどを使用することができる。溶射としては、タングステンカーバイド溶射、アルミナセラミック溶射などを使用することができる。塗膜形成としてはPVDコーティング、CVDコーティングなどを使用することができる。これらは一般的なロール製造メーカーによって製作することができ、それを購入することができる。
図2は、本発明の溶液流延製膜方法によりセルロースエステルフィルムを製造する方法を実施する装置のいま1つのを例を示すもので、支持体(21)としてドラムを用いている。
同図において、上記の方法と同様にドープを調製し、ドープを流延ダイ(2)からハードクロム鍍金が施されたドラム支持体(21)上に流延してウェブ(10)を得、ウェブ(10)がドラム支持体(21)の回転によってほぼ3/4周移動したところで、剥離ロール(6)により剥離する。
ドープは、加圧型定量ギヤポンプを通して流延ダイ(2)に送液され、流延位置においてドラムよりなる支持体(21)上に、流延ダイ(2)からドープを流延する。
また、支持体(21)としてドラムを用いる場合には、製膜時のドラムの温度は、10℃以下に冷却することが好ましく、0℃以下に冷却するとより好ましく、−10℃以下に冷却することがさらに好ましい。ドラム表面に流延されたドープは冷却ゲル化によりゲル膜の強度(フイルム強度)が増加して、さらに剥ぎ取りまでの間で乾燥が促進されることによってもゲル膜の強度(フイルム強度)が増加する。
支持体(21)としてドラムを用いる方式においては、支持体(21)上では、ウェブ(10)が支持体(21)から剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ドラムの温度は10℃以下に冷却することが好ましく、0℃以下に冷却するとより好ましく、−10℃以下に冷却するのがさらに好ましい。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法において、支持体(21)としてドラムを用いる方式においても、ドラム支持体(21)からウェブ(10)を剥離する時のウェブの残留溶媒量を80〜170重量%、テンター(4)に入る時のウェブの残留溶媒量を2〜20重量%とするのが、好ましい。
なお、図2において、その他の点は、上記図1の場合と同様であり、図面において同一のものには、同一の符号を付した。
つぎに、支持体としてエンドレスベルト(1)を用いる方式、あるいはまたドラム(21)を用いる方式のいずれにおいても、画像表示部材用フィルムの製造には、ウェブ(またはフィルム)(10)の両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が知られており、平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に、支持体(1)(21)から剥離した後の初期乾燥ゾーン(3)では、溶媒の蒸発によってウェブ(またはフィルム)は幅手方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。
テンター(4)による延伸工程においては、例えばセルロースエステルフィルムを製造する際の延伸倍率は、製膜方向もしくは幅手方向に対して、1.01〜3倍であり、好ましくは1.5〜3倍である。2軸方向に延伸する場合、高倍率で延伸する側が、1.01〜3倍であり、好ましくは1.5〜3倍であり、もう一方の方向の延伸倍率は0.8〜1.5倍、好ましくは0.9〜1.2倍に延伸することができる。
製膜工程のこれらの幅保持あるいは横方向の延伸は、テンター(4)によって行なうことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
なお、テンター(4)による延伸工程においては、テンター(4)の底の前寄り部分から吹込まれ、テンター(4)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(12)によってウェブ(10)が、延伸と共に乾燥されている。
テンター(4)による延伸工程の後に、後乾燥装置(5)を設けることが好ましい。後乾燥装置(5)内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロール(8)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)が乾燥せられるものである。また、後乾燥装置(5)でのフィルム搬送張力は、ドープの物性、剥離時及びフィルム搬送工程での残留溶媒量、後乾燥装置(5)での温度等に影響を受けるが、30〜250N/mが好ましく、60〜150N/mがさらに好ましい。80〜120N/mが最も好ましい。
なお、ウェブ(またはフィルム)(10)を乾燥させる手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点から熱風で乾燥するのが好ましく、例えば後乾燥装置(5)の底の前寄り部分から吹込まれ、後乾燥装置(5)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(13)によって乾燥される。乾燥温度は40〜160℃が好ましく、50〜160℃が平面性、寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することは勿論のことである。
乾燥時のウェブ搬送張力は、30〜300N/幅mであり、40〜270N/幅mが、より好ましい。
乾燥工程及び/又は熱矯正装置の前及び/又は後に、ウェブ(またはフィルム)(10)表面のクリーン化装置が配置されるのが、好ましい。
クリーン化装置は、搬送途中のウェブ(またはフィルム)(10)に対し、超音波振動を与えるとともに、表面に高圧風を吹き当てて付着物を吹き飛ばして吸引し、付着している粉塵などを除去するものである。この他、火炎処理(コロナ処理、プラズマ処理)を行なう方式、粘着ロールを設置する方式など、公知の手段・方法を特別の制限なく用いることができる。
なお、配置するクリーン化手段は、単一であってもよいし、2以上の複数であってもよい。
ウェブ(10)に対する粉塵などの付着は、静電気の作用による場合が多いので、上記のクリーン化装置の前に除電手段、例えば、除電バーを配置してウェブ(10)の静電気を除去することが好ましい。除電バーとしては、公知のものを特別の制限なく用いることができる。
乾燥工程では、ウェブ(またはフィルム)(10)に含有される可塑剤が蒸発し、ロールや壁面においてコンデンスする現象を抑制する対策として、単位時間当たり供給風量に対して特定量以上の新鮮なガスを流入させることが好ましい。そして、供給する新鮮ガスの量は、全供給風量の5〜50%に設定することが好ましい。
新鮮ガス供給量を5〜50%にしているのは、5%未満では、新鮮ガス量が少なすぎて可塑剤コンデンスを抑制しきれないためであり、50%を超えると新鮮ガス量が多すぎ、ランニングコストで無駄が多くなるためである。
上記の対策の他、例えば、つぎのような構成が採用可能である。第1に、乾燥・矯正工程室内の空気を一部循環させ、クーラーコイルなどに通すことにより可塑剤を強制的に除去した後、ヒーターで規定温度に上昇させる構成、第2に、可塑剤が金属面に接触する部分の温度を上げる構成、例えば、蒸気・面ヒーターなどにより金属面弥接触する部分の温度を上げる構成である。第3に、ロール面上での可塑剤の蒸気圧を下げるために、新鮮空気を供給する構成である。新鮮空気を供給する手段としては、ロールの近傍に幅手方向にスリットを設け、パンチ板箱からエア風を供給し、供給空気の風速分布を抑える構成などが採用されるが、これに限定されるものではない。
なお、乾燥工程あるいは熱矯正工程室あるいはそれらから出てきたフィルムの冷却工程から、フィルムを出す際のフィルム温度は、60℃以下とすることが好ましい。
ここで、60℃を超える温度で矯正、冷却工程ボックスから搬出した場合には、可塑剤のコンデンスが発生しやすい条件下にあるからである。
後乾燥装置(5)での搬送方向へフィルムの伸びを防止する目的で、テンションカットロールを設けることが好ましい。乾燥終了後、巻き取り前にスリッターを設けて端部を切り落とすことが良好な巻姿を得るため好ましい。
つぎに、ポリマーフィルムの両側縁部に設けるエンボスについて説明する。搬送乾燥工程を終えたポリマーフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、エンボス加工装置によりフィルムにエンボスを形成する加工が行なわれる。エンボス加工装置としては、特開昭63−74850号公報に記載されている装置が利用できる。
ここで、エンボスの高さh(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wは、フィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚40μm、フィルム幅100cmであるとき、エンボス31の厚みは2〜12μm、エンボス幅は5〜30mmに設定する。
エンボスは、フィルムの両面に形成してもよい。この場合、エンボスの高さh1+h2(μm)は、フィルム膜厚Tの0.05〜0.3倍の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005〜0.02倍の範囲に設定する。例えばフィルム膜厚40μmであるとき、エンボスの高さh1+h2(μm)は2〜12μmに設定する。エンボス幅は5〜30mmに設定する。
エンボス高さの下限については、フィルム間の部分的な密着ムラを防ぐために必要な高さから、一方、上限は、これ以上にするとエンボスが高すぎるため、ロール状製品形態が馬の背状に多角形状に変形し、故障を誘発するからである。
エンボスの幅については、エンボス部は最終的にロス部分となるため少なくしたいが、例えばフィルム厚みを80μmから40μmへと薄膜化していった際、フィルム〜ロール間の摩擦力が、50μmを境にグリップ力が極端に減少することが判明、さらにフィルム製膜速度を30m/分以上に高速化していった際、特に50m/分以上でフィルム〜ロール間の摩擦力が極端に減少することが判明した。このため、特に50μm以内の薄膜フィルムで、50m/分以上の高速製膜時において、フィルムのすべりを抑えるための最低限必要なエンボス幅である。但し、前述のエンボスの高さともリンクしており、ピラミッド状、馬の背、多角形状、巻きずれ故障を全てクリアーするエンボス高さ×エンボス幅を決定したものである。なお、エンボスは、フィルムの両端部だけでなく中央部部分にも配置することができる。
本発明において、巻取前及び巻取部直後に除電器を設置し、フィルムを除電するのが好ましい。
除電器は、元巻を再繰り出しした際の帯電電位が±2KV以下となるように、巻取時に除電装置あるいは強制帯電装置により逆電位を与える構成で行なうことができるが、強制帯電電位が、1〜150Hzで正負交互に変換される除電器により除電する構成とすることもできる。
また、上記の除電器に代えて、イオン風を発生させるイオナイザーや除電バーを利用することができる。ここで、イオナイザー除電は、エンボス加工装置から搬送ロールを経て巻き取られていくフィルムに向けてイオン風を吹き付けることによって行なわれる。イオン風は、除電器により発生される。除電器としては、公知のものを制限なく用いることができる。
製膜巻取り時の除電は、元巻を再繰出しして機能性膜塗工する際、帯電電位が±2KV以上あると塗布ムラを誘発するためであり、特に薄膜、高速化を追求した場合、再繰り出し時のフィルム剥離帯電が高くなるため、製膜時除電は必須となる。
乾燥が終了したフィルム(20)を巻取り装置(14)によって巻き取り、セルロースエステルフィルムの元巻を得る工程である。乾燥を終了するフィルム(20)の残留溶媒量は、0.5重量%以下、好ましくは0.1重量%以下とすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
フィルムの巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。
巻取りコア(巻芯)への、フィルムの接合は、両面接着テープでも、片面接着テープでもどちらでも良い。
初期巻取開始時は、巻取り張力は280N/m幅以下、エンボス部のみタッチロール巻取の押圧力+巻取初期張力が60N/m幅以上となるよう巻取るのが好ましい。
セルロースエステルフィルムの膜厚(T)は、使用目的によって異なるが、仕上がりフィルムとして、通常35〜85μmの範囲が好ましく、特に液晶画像表示装置用フィルムとしては40〜80μmの範囲が用いられる。
膜厚の調節には、所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポンプの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出し圧力、流延用支持体の速度等をコントロールするのがよい。
また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが、好ましい。
本発明において、セルロースエステルフィルムは、抗張力がMD方向、TD方向共に90〜170N/mmであることが好ましく、特に120〜160N/mmであることが好ましい。
含水率としては0.1〜5%が好ましく、0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であることがさらに好ましい。
本発明において、セルロースエステルフィルムは、透過率が90%以上であることが望ましく、さらに好ましくは92%以上であり、さらに好ましくは93%以上である。また、ヘイズは0.5%以下であることが好ましく、特に0.1%以下であることが好ましく、0%であることがさらに好ましい。
本発明において、セルロースエステルフィルムにおいては、カール値は絶対値が小さい方が好ましく、変形方向は、+方向でも、−方向でもよい。カール値の絶対値は30以下であることが好ましく、さらに好ましくは20以下であり、10以下であることが特に好ましい。なお、カール値は、曲率半径(1/m)で表わされる。
本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。
ここで、偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムの如き延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、十分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。
上記において、偏光板は、上記偏光フィルムに、本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムからなる位相差フィルムを貼り合わせて作製してもよいし、また位相差フィルムを保護フィルムも兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。貼り合わせる方法は、特に限定はないが、水溶性ポリマーの水溶液からなる接着剤により行なうことができる。この水溶性ポリマー接着剤は完全鹸化型のポリビニルアルコール水溶液が好ましく用いられる。さらに、若干前述したが、長手方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の位相差フィルムとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることができる。偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
上記の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、セルロースエステルフィルムをアルカリケン化処理し、ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素溶液中に浸漬、延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリケン化処理とは、水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液中に漬ける処理のことをいう。
本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムには、ハードコート層、防眩層、反射防止層、防汚層、帯電防止層、導電層、光学異方層、液晶層、配向層、粘着層、接着層、下引き層等の各種機能層を付与することができる。これらの機能層は塗布あるいは蒸着、スパッタ、プラズマCVD、大気圧プラズマ処理等の方法で設けることができる。
また偏光板は、上記のセルロースエステルフィルムが、偏光フィルムの両側に配置された2枚の偏光板保護フィルムのうちの少なくともいずれか一方を構成するもので、このようにして得られた偏光板が、液晶セルの片面または両面に設けられ、これを用いて、液晶表示装置が得られる。
本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムからなる偏光板用保護フィルムを用いることにより、薄膜化とともに、耐久性及び寸法安定性、光学的等方性に優れた偏光板を提供することができる。
さらに、この偏光板を用いた液晶表示装置は、長期間に亘って安定した表示性能を維持することができるものである。
液晶表示装置は、液晶層を挟持する一対の基板からなるIPSモードにて駆動される液晶セルと当該液晶セルの両側に直交状態に配置される一対の偏光板とを有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の偏光板の液晶セル側に上記本発明による製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムが備えられているものである。
また本発明は、特に、本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムを用いた広範囲にわたり高コントラスト比を有する見やすい表示を実現可能な画像表示装置、特にIPSモードで動作する液晶表示装置を提供するものである。
なお、本発明の製造方法により製造されたセルロースエステルフィルムは、その他、反射防止用フィルムあるいは光学補償フィルムの基材としても使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法によりセルロースアセテートプロピオネートフィルムを生産するにあたり、まず、セルロースアセテートプロピオネートの多数の材料ロットについて、粘度指標とアシル基の置換度の違うロットを下記の所定の基準で使い分ける。
そのために、フィルムの生産に使用する多数のセルロースアセテートプロピオネート材料ロットについて、セルロースアセテートプロピオネートの粘度指標、および同アシル基の置換度のデータを、材料ロット毎に蓄積、データ処理した。
一方、各材料ロットを用いて生産されたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、同フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の測定を行なう測定装置を用い、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値の数値データを、各材料ロット毎に測定するとともに、これらの測定値のデータを蓄積、データ処理した。
そうして、各材料ロット毎のセルロースアセテートプロピオネートの粘度指標および同アシル基の置換度のデータと、該材料ロットを用いて生産されたセルロースアセテートプロピオネートフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値の数値データとを関連付けしておいた。
つぎに、この実施例1においては、使用前の100個のセルロースアセテートプロピオネート材料ロットについて、前記表2に示すように、セルロースアセテートプロピオネートの粘度指標と同アシル基の置換度を、それぞれ3つのランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、セルロースアセテートプロピオネートの粘度指標の数値成分を「行」とし、他方のアシル基の置換度の数値成分を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロットを区別化(分類)した。
ここで、セルロースアセテートプロピオネートの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同アシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5であった。
そして、セルロースアセテートプロピオネートの粘度指標の数値成分のランクの振り幅を7(秒)とし、セルロースアセテートプロピオネートのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅を、0.03および0.04とした。
そしてまず、前記表2のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a11)を用いて、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、下記のようにしてセルロースアセテートプロピオネートフィルムを生産した。
(ドープの調製)
セルロースアセテートプロピオネート 100重量部
トリフェニルフォスフェート 5.5重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 5.5重量部
メチレンクロライド 400重量部
エタノール 45重量部
チヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 0.5重量部
アエロジル972V(日本アエロジル株式会社製) 0.2重量部
上記のドープ組成の材料を、密閉容器に投入して混合し、温度80℃まで昇温した後、3時間攪拌を行なって完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液温を43℃まで下げ、濾過精度0.005mmの濾紙を用いて濾過を行なった。これを一晩静置することでドープ中の気泡を脱泡させた。
ついで、図1に示す溶液流延製膜装置を用い、ドープを温度35℃で、幅2400mmおよび温度25℃のステンレス鋼製エンドレスベルト支持体(1)上に幅2200mmに均一に流延した。
ステンレス鋼製エンドレスベルト支持体(1)上で、残留溶媒量が80重量%になるまで溶媒を蒸発させ、ウェブ(フィルム)(10)をベルト支持体(1)から剥離した。ついで、剥離後のウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)に導入した。初期乾燥ゾーン(3)内では、側面から見て千鳥配置せられた多数の搬送ロール(7)によってウェブ(10)が蛇行せられ、その間にウェブ(10)は初期乾燥ゾーン(3)の底の前寄り部分から吹込まれ、初期乾燥ゾーン(3)の天井の後寄り部分から排出せられる温風(11)によって乾燥される。
この実施例では、ベルト支持体(1)からウェブ(10)を剥離する時のウェブ(10)の残留溶媒量を80重量%、テンター(4)に入る時のウェブ(10)の残留溶媒量を8重量%とし、これらの間の初期乾燥ゾーン(3)の乾燥温度を70℃とした。
テンター(4)では、ウェブ(10)の幅手方向(TD方向)の両端部を把持し、ウェブ(10)の幅手方向に延伸率15%で延伸した。
延伸工程においては、テンター(4)の底の前寄り部分の温風吹出しスリット口から温度140℃で温風(12)が吹込まれ、テンター(4)の天井の後寄り部分の排出口から排気風が排出せられることによって、ウェブ(10)を延伸するとともに、乾燥した。
つぎに、延伸後のフィルム(ウェブ)(10)を、後期乾燥装置(5)に導入した。後期乾燥装置(5)では、これの底の前寄り部分の温風入口から吹込まれる温度120℃の乾燥風(13)によって乾燥させた。
後期乾燥装置(5)による乾燥後に、フィルム両端部を上下一対のスリッター(図示略)により製品となる幅にスリットし、スリット後のフィルム(10)の左右両端部に、エンボスリング及びバックロール(図示略)によってエンボス加工(ナール加工)を施して、フィルム端部に10mm幅のエンボス部を付与した後、エンボス部を具備する最終製品幅2000mm、および膜厚80μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルム(20)を、巻取り装置(14)によって巻き取った。
こうして得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)を測定した。なお、セルロースアセテートプロピオネートフィルムのリタデーション値は、自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて行なった。
つぎに、上記セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産におけるセルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a21)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した。
そして、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a21)を用いて、上記の場合と全く同様にして、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なった。
こうして材料ロット切り替え後のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a21)を連続して使用することにより得られた、セルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)を、上記の場合と同様に、測定した。
つぎに、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a11)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)と、切り替え後に連続して使用したセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a21)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)との間の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、下記のランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表5に示した。
(フィルム生産におけるロット切替えによる各種測定値の変動率の評価)
面内リタデーション(Ro)の変動率の評価ランク
A:材料ロット間の面内リタデーション変動率:ΔRoが、平均値の±3%以内、すなわち、平均値の−3%≦ΔRo≦平均値の+3%であり、不良品発生無し
B:材料ロット間の面内リタデーション変動率:ΔRoが、平均値の−5%≦ΔRo<平均値の−3%、および平均値の+3%<ΔRo≦平均値の+5%で、不良品発生有り
C:材料ロット間の面内リタデーション変動率:ΔRoが、平均値の−5%>ΔRo、およびΔRo>平均値の+5%で、不良品発生有り
厚み方向リタデーション(Rt)の変動率の評価ランク
A:材料ロット間の厚み方向リタデーション変動率:ΔRtが、平均値の±3%以内、すなわち、平均値の−3%≦ΔRt≦平均値の+3%であり、不良品発生無し
B:材料ロット間の厚み方向リタデーション変動率:ΔRtが、平均値の−5%≦ΔRt<平均値の−3%、および平均値の+3%<ΔRt≦平均値の+5%で、不良品発生有り
C:材料ロット間の厚み方向リタデーション変動率:ΔRtが、平均値の−5%>ΔRt、およびΔRt>平均値の+5%で、不良品発生有り
フィルム膜厚(T)の変動率の評価ランク
A:材料ロット間のフィルムの膜厚変動率:ΔTが、平均値の±3%以内、すなわち、平均値の−3%≦ΔT≦平均値の+3%であり、不良品発生無し
B:材料ロット間のフィルムの膜厚変動率:ΔTが、平均値の−5%≦ΔT<平均値の−3%、および平均値の+3%<ΔT≦平均値の+5%で、不良品発生有り
C:材料ロット間のフィルムの膜厚変動率:ΔTが、平均値の−5%>ΔT、およびΔT>平均値の+5%で、不良品発生有り
実施例2
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例1の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a12)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a11)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)と、切り替え後に連続して使用したセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a12)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)との間の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表5にあわせて示した。
比較例1と2
比較のために、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例1の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例1では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a22)を、比較例2では、材料ロット(a33)を、それぞれ続けて使用するようにした点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a11)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)に対し、切り替え後に続けて使用した比較例1のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a22)、並びに比較例2の材料ロット(a33)によりそれぞれ得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表5にあわせて示した。
Figure 0005223351
上記表5から明らかなように、本発明による実施例1と2では、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、実施例1ではセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a21)を、実施例2では材料ロット(a12)を、それぞれ連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内とすることができた。
これに対し、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a11)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例1のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a22)を、並びに比較例2の材料ロット(a33)を、それぞれ連続して使用すると、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%をそれぞれを超えるものとなり、その結果、セルロースアセテートプロピオネート材料の溶解液(ドープ)の粘度変動が発生し、セルロースアセテートプロピオネートフィルムがMD方向(搬送方向)に伸縮し、結果として生産フィルムの光学値が変化してしまい、製造工程の条件を調節している間に、不良品が発生して、稼働率が低下してしまうという問題が生じた。
実施例3
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例1の場合と異なる点は、まず、前記表2のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a22)を用いて、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを生産し、つぎに、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a12)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a22)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)と、切り替え後に連続して使用したセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a12)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)との間の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表6に示した。
実施例4〜6
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例3の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例3の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、実施例4では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a32)を、実施例5では、材料ロット(a21)を、実施例6では、材料ロット(a23)を、それぞれ連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a22)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)に対し、切り替え後に連続して使用した実施例4のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a32)、実施例5の材料ロット(a21)、並びに実施例6の材料ロット(a23)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表6にあわせて示した。
比較例3〜6
比較のために、上記実施例3の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例3の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例3では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)を、比較例4では、材料ロット(a31)を、比較例5では、材料ロット(a13)を、並びに比較例6では、材料ロット(a33)を、それぞれ続けて使用するようにした点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a22)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)に対し、切り替え後に続けて使用した比較例3のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)、比較例4の材料ロット(a31)、比較例5の材料ロット(a13)、並びに比較例6の材料ロット(a33)によりそれぞれ得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表6にあわせて示した。
Figure 0005223351
上記表6から明らかなように、本発明による実施例3〜6では、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、実施例3では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a12)を、実施例4では、材料ロット(a32)を、実施例5では、材料ロット(a21)を、並びに実施例6では、材料ロット(a23)を、それぞれ連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内とすることができた。
これに対し、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a22)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例3のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)、比較例4の材料ロット(a31)、比較例5の材料ロット(a13)、並びに比較例6の材料ロット(a33)を、それぞれ連続して使用すると、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%をそれぞれを超えるものとなり、その結果、セルロースアセテートプロピオネート材料の溶解液(ドープ)の粘度変動が発生し、セルロースアセテートプロピオネートフィルムがMD方向(搬送方向)に伸縮し、結果として生産フィルムの光学値が変化してしまい、製造工程の条件を調節している間に、不良品が発生して、稼働率が低下してしまうという問題が生じた。
実施例7
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例1の場合と異なる点は、まず、前記表2のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a33)を用いて、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを生産し、つぎに、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a23)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a33)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)と、切り替え後に連続して使用したセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a23)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)との間の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表7に示した。
実施例8
本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法により、上記実施例7の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例7の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a32)を連続して使用するように、切替え材料ロットを管理した点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a33)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)に対し、切り替え後に連続して使用したセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a32)により得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表7にあわせて示した。
比較例7〜9
比較のために、上記実施例7の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの生産を行なうが、上記実施例7の場合と異なる点は、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例7では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)を、比較例8では、材料ロット(a21)を、並びに比較例9では、材料ロット(a22)をそれぞれ続けて使用するようにした点にある。
そして、切り替え前のセルロースアセテートプロピオネート材料ロット(a33)を使用することにより得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)に対し、切り替え後に続けて使用した比較例7のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)、比較例8の材料ロット(a21)、並びに比較例9の材料ロット(a22)によりそれぞれ得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについての面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の変動率を、それぞれ算出し、これらの変動率を、上記実施例1の場合と同様に、ランク分けにより評価した。得られた結果を、下記の表7にあわせて示した。
Figure 0005223351
上記表7から明らかなように、本発明による実施例7と8では、本発明のセルロースエステルフィルムの製造方法により、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわち、実施例7では、セルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a23)を、並びに実施例8では、材料ロット(a32)を、それぞれ連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内とすることができた。
これに対し、セルロースアセテートプロピオネート材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロット(a33)に対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された表2に示す材料ロットのマトリックス表示において、隣り合わない成分に属する材料ロット、すなわち、比較例7のセルロースアセテートプロピオネートの材料ロット(a11)、比較例8の材料ロット(a21)、並びに比較例9の材料ロット(a22)を、それぞれ連続して使用すると、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%をそれぞれを超えるものとなり、その結果、セルロースアセテートプロピオネート材料の溶解液(ドープ)の粘度変動が発生し、セルロースアセテートプロピオネートフィルムがMD方向(搬送方向)に伸縮し、結果として生産フィルムの光学値が変化してしまい、製造工程の条件を調節している間に、不良品が発生して、稼働率が低下してしまうという問題が生じた。
このように、本発明によるセルロースエステルフィルムの製造方法によれば、セルロースアセテートプロピオネート材料の粘度指標とアシル基の置換度の違う材料ロットを所定の基準でランク分けして使い分けることにより、用いるセルロースアセテートプロピオネートの材料ロットの粘度指標とアシル基の置換度の変化が緩やかになり、結果として、光学値の変動も小さく調整が可能な範囲となって、適正な光学値を備えたセルロースアセテートプロピオネートフィルムが長期にわたって生産可能であり、ひいては液晶ディスプレイの大画面化、高画質化に寄与することができ、しかもセルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造コストのアップを防止することができるものであった。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造装置の1例を示す概略フローシートである。 溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造装置のいま1つ例を示す概略フローシートである。
1:エンドレスベルト支持体
2:流延ダイ
3:初期乾燥装置
4:テンター
5:後期乾燥装置
6:剥離ロール
7:搬送ロール
8:搬送ロール
10:ウェブ
11:温風
12:温風
13:温風
14:巻取り装置
20:セルロースアセテートプロピオネートフィルム
21:ドラム支持体

Claims (3)

  1. 溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムの製造方法であって、溶液流延製膜装置と、該装置によって生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の測定を行なう測定装置を用い、セルロースエステルフィルムの生産に使用するセルロースエステルの材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標、および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータを、材料ロット毎に蓄積、データ処理し、一方、各材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムについて、上記測定装置により、セルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)を、各材料ロット毎に測定するとともに、これらの測定値のデータを蓄積、データ処理し、各材料ロット毎のセルロースエステルの粘度指標および同セルロースエステルのアシル基の置換度のデータと、該材料ロットを用いて生産されたセルロースエステルフィルムの面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のデータとを関連付けておき、使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行ない、粘度指標の数値成分とアシル基の置換度の数値成分のうちのいずれか一方を「行」とし、同他方を「列」として、正方行列のマトリックスとして表示することにより、すべての使用前のセルロースエステル材料ロットを区別化(分類)しておき、上記溶液流延製膜装置によるセルロースエステルフィルムの生産においてセルロースエステル材料ロットの切替えの際、切替え前の材料ロットに対し、切替え後の材料ロットとして、上記区別化された材料ロットのマトリックス表示において、相互に隣り合う成分に属する材料ロット、すなわちセルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度のうちのいずれか一方が同一ランクで、同他方が相互に隣り合うランクであるマトリックス成分に属する材料ロットを連続して使用するように、切替え材料ロットを管理することにより、材料ロット切替え後の生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、膜厚(T)のそれぞれの変動率が、それらの平均値から±3%以内となるように品質管理を行なうことを特徴とする、セルロースエステルフィルムの製造方法
    上記において、セルロースエステルの材料ロットとは、フィルム生産時のセルロースエステル材料の同時使用数量の最小単位を表わす。また生産フィルムの面内リタデーション(Ro)、厚み方向リタデーション(Rt)、および膜厚(T)の平均値とは、切替え直前の材料ロットから遡った所定数の材料ロットにより製造された各生産フィルムについての面内リタデーション(Ro)、同厚み方向リタデーション(Rt)、および同膜厚(T)の測定値のそれぞれの平均値を表わす。
  2. 使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標の数値成分のランクの振り幅が2〜10(秒)の間の数値であり、セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分のランクの振り幅が0.01〜0.5の間の数値であることを特徴とする、請求項1に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法
  3. 使用前の多数のセルロースエステル材料ロットについて、セルロースエステルの粘度指標と同セルロースエステルのアシル基の置換度を、それぞれ2〜5のランクに分けて粘度指標とアシル基の置換度の数値成分の設定を行なう際、セルロースエステルの粘度指標がASTM規格 D0871およびD1343による落球法に基づくもので、セルロースエステルの粘度指標の数値成分の範囲が、20〜40(秒)であり、同セルロースエステルのアシル基の置換度の数値成分の範囲が、2.4〜2.5であることを特徴とする、請求項1または2に記載のセルロースエステルフィルムの製造方法
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